2023年06月13日更新
ワイナリー会社のM&A動向!売却・買収事例とメリットを解説!【2023年最新】
日本ではワインの消費量の増大とともにワイナリー会社も増加傾向にあります。しかし、近年ワインの消費量が頭打ちになったことで今後ワイナリー会社の競争激化によるM&Aが加速する可能性があります。ワイナリー会社のM&Aについて詳しく解説します。
目次
1. ワイナリー会社の概要と動向
日本でもここ数十年でワインの人気が大きく高まりました。1970年代から、何度かワインブームが起こり、2012年からは第7次ワインブームで低価格ワインが普及しました。
ワイン人気の高まりとともに、日本各地にワイナリーが増加しています。しかし、後継者不足などで事業の廃業を考える経営者も増えています。
しかし、廃業してしまったらそのワイナリーで培ってきた味と、従業員の雇用、地域のワイン文化などが失われることになります。
そこで、ワインを製造するワイナリー会社の廃業を考えている経営者の方に考えてほしい選択肢がM&Aでの事業の売却や譲渡です。この記事では、ワイナリー会社の動向とM&Aについて解説します。
ワイナリー会社とは
ワイナリーとは、ワインを製造するための建物や製造設備を持ち、ワイン製造に関わる事業のことです。
日本では大手酒造会社がワイナリーを運営している場合もありますが、中小企業が運営している場合が多くを占めます。平成29年に国税庁が実施した「国内製造ワインの概況」によると、調査に回答のあった247社のうち中小企業が96.8%を占めています。
山梨県や北海道、長野県といった原料であるぶどうの産地に多いのですが、近年では東京23区内などに小規模のワイナリーを開設する動きもあります。
参考:国税庁「国内製造ワインの概況(平成29年度調査分)」
ワイナリー会社の市場規模と動向
1980年には44,000キロリットルだった日本のワインの消費量は、2020年には347,000キロリットルと、40年間で8倍にも増えています。
輸入ワインと国産ワインの流通量の比率は2020年の輸入が64.6%、国産が国内製造ワインと日本ワインを合わせて35.4%と、輸入が国産の約2倍です。日本ワインとは日本国内で生産されたブドウのみで製造されたワインのこと言います。
しかし、2019年には輸入ワインが67.6%、国産ワインが32.4%だったことから、近年では年々国産ワインの需要が伸びていることがわかります。
国内のワイナリーの数も2019年には303場だったのが、2021年には413場と増加しています。
一方で、近年は特に30歳以下の若年者のお酒離れが進んでおり、ワインの消費量自体は2017年ころから頭打ちとなりつつあり、増加しつつあるワイナリーの競争が激化することが予想されます。
参考
メルシャン株式会社:「ワイン参考資料」
国税庁:「ワイン製造業」
WANDS:「日本のワイナリー数300を超える 国税庁調査 平成29年度「国内製造ワインの概況」」
2. ワイナリー会社のM&A動向
ワイナリー会社を含んだ酒造会社や飲料メーカーでは、近年M&Aでの売却や買収の動きが活発化しています。
大手メーカーでは、アサヒグループホールディングスが、オーストラリアのビール会社を買収したり、国内のコカ・コーラウエスト株式会社とコカ・コーライーストジャパン株式会社が経営統合するなどの動きがあります。
飲料メーカーがM&Aを進める背景には、原材料が高騰している現在、企業規模を拡大することでスケールメリットを活かした原材料の調達を追求したいという考えがあります。
また、海外の企業を買収することで、海外への事業展開の足がかりにしたいという考えも強いようです。
現在、日本のワイナリー会社はその多くが中小企業ですが、評判の良い人気のワイナリーは大手企業にM&Aで買収される動きが出てくる可能性は高いでしょう。
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3. ワイナリー会社をM&Aするメリット
ワイナリー会社をM&Aすることには大きなメリットがあります。特に買収する側のメリットが大きいでしょう。ワイナリー会社をM&Aするメリットについて解説します。
短期間での醸造業への参入が可能
ワインなどの酒類などを製造するためには、酒税法に基づいて製造免許を受けることが必要です。酒類の製造免許は、人的要件、場所的要件、経営基礎的要件、需給調整要件、技術・設備要件と5つの要件をすべてクリアしなければいけません。
ワイナリーを新規に開場したくても、場所的要件や技術・設備要件などがネックになって断念せざるを得ないこともあります。
すでに、製造販売実績のあるワイナリーをM&Aで買収できれば、少なくとも場所的要件や技術・設備要件はクリアしているので、新規に始めるよりも短期間でのワイン製造への参入が可能になります。
低リスクで始められる
ワイナリーをなんとかゼロから立ち上げたとしても、製造したワインが必ず売れる保証はありません。ワインの消費量は伸びてはいますが、新規参入も多いことから、競争は激しくなりつつあります。
その点、M&Aですでに稼働しているワイナリーを買収できれば、すでに製造されているワインの味やブランドも顧客も、そのまま引き継ぐことができます。
さらに、すでに一定数の需要のあるワインであれば、新たに販路を開拓する必要がなく、低リスクでワイン製造を始められるというメリットがあります。
4. ワイナリー会社のM&A・買収・売却事例
ワイナリー会社をM&Aした事例を紹介します。
志太ホールディングスがシダックス中伊豆ワイナリーヒルズをM&Aした事例
2022年2月にシダックス株式会社が保有していたシダックス中伊豆ワイナリーヒルズを、M&Aで志太ホールディングスに譲渡しました。全株式とワイナリーに関連するすべての固定資産を譲渡する形でのM&Aです。
中伊豆ワイナリーヒルズは、2000年に開業したワイナリーを中心とした複合レジャー施設です。シダックスの創業者である志太勤氏が自らの私財を投じて創業しました。
志太ホールディングスはシダックス株式会社の持株会社で、貸事務所を中心とする不動産賃貸業を中心に展開しています。
このM&Aにより、中伊豆ワイナリーヒルズはシダックス株式会社の連結子会社から除外されることとなりました。
参考:シダックス株式会社「連結子会社の異動(株式譲渡)及び固定資産の譲渡に関するお知らせ」
ジャパン・フード&リカー・アライアンスとアークのM&A事例
2017(平成29)年9月に、ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社が、株式会社アークの全株式を取得して子会社化するM&Aを実施しました。
ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社は、JFLAグループの持株会社で酒造会社や食品製造会社、食品輸入会社などを傘下に持つ食の総合商社でした。2021年に株式会社JFLAホールディングスに吸収合併されて解散しています。
アーク株式会社は、イタリアやフランスから厳選したワインや食材を輸入販売している会社です。現地の生産現場まで赴いて厳選した食材の目利きに定評があります。
アーク株式会社を傘下に入れることで、ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社は取り扱いブランドを拡充するとともに、自社の持つノウハウなどをアーク株式会社で活かして収益性や効率性の向上を図る目的があるとのことです。
参考:ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社「株式会社アークの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
5. ワイナリー会社のM&A・事業譲渡まとめ
ワイナリーの新規開場が増加していますが、一方でワインの消費量が頭打ちになっているという現実もあります。今後、ワイナリー会社の競争が激しくなり、経営が厳しくなるワイナリー会社も出てくる可能性もあります。
経営者の高齢化や経営悪化などにより、ワイナリー会社の廃業を検討しているのなら、一度M&Aの専門家に事業承継の可能性について相談してみるがおすすめです。
6. 清酒酒造・酒蔵業界の成約事例一覧
7. 清酒酒造・酒蔵業界のM&A案件一覧
【高認知度×業歴300年以上】九州の酒類製造業
食品製造/食品卸・小売/九州・沖縄案件ID:2346公開日:2024年10月18日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
5000万円〜1億円
焼酎、清酒、リキュールの製造と販売
【中部地方 × 酒蔵】200年超の歴史ある酒造会社
その他の製造業/中部・北陸案件ID:2286公開日:2024年10月02日売上高
1000万円〜5000万円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
〜1000万円
中部地方にて、200年超の歴史ある酒蔵運営を手掛ける企業
【旧酒販免許・酒造免許保有】中国地方の酒類販売
その他の卸・小売/中国・四国案件ID:2251公開日:2024年09月19日売上高
〜1000万円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
希望なし
現在は酒類の卸売・瓶詰作業の請負を行う。そのほかの収益源として、自社保有の土地を大手家電量販店に対し長期間にわたり賃貸を行っており、毎年安定した賃貸料が入ってくる。
【旧型酒類販売業免許保有】東北地方×酒類販売業
食品卸・小売/その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/東北案件ID:2195公開日:2024年08月28日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
対象企業は、新規では取得ができない旧型酒類販売業免許を保有されている酒類販売企業業でございます。 業歴も長く、取引先からの信頼も厚い企業となります。
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