2025年02月20日更新
中部地方のM&A・事業承継の案件例!動向や事例・公的支援の取組も解説
本記事では、中部地方のM&A・事業承継・会社売却の動向から仲介会社選びのポイントまで詳しく紹介します。中部地方は大都市圏であり、事業承継のための会社売却などのM&Aが活発です。中部地方でM&A・事業承継を検討している方は必見です。
目次
1. 中部地方の産業に見られる特徴
中部圏の産業は、自動車や産業機械、素材分野が中心となっており、特に輸送用機械製品の全国シェアは52.5%と際立っています。電気機械器具(31.7%)、ゴム製品(28.2%)、プラスチック製品(27.8%)も全国的に高いシェアを誇ります。
県別の主な工業製品では、愛知県が普通乗用車や自動車部品、軽・小型乗用車で全国1位、三重県は液晶素子で全国トップとなっています。
また、中部圏は日本有数の航空機産業の集積地であり、航空機関連の生産額は全国の52.6%を占めます。特に機体部品の生産に強みを持ち、そのシェアは全国比71.2%に達しています。
産業:国土交通省「2.中部圏の産業の現状」
2. 中部地方のM&A・事業承継の動向
中部地方は、愛知県に代表される自動車産業を中心にモノづくりが盛んに行われており、日本における国際競争力の拠点ともいえる地域です。大手企業の下請けとなる中小企業も多く、日本の他の地域と同様に中小企業の後継者問題が大きな経営課題とされています。
中小企業の後継者問題とは、後継者となる人材が不足し事業承継が行えないために、やむを得ず廃業措置を取らざるを得ない状況に陥ることです。
従来の日本では経営者の子供などへの親族内事業承継が主流でしたが、少子化と価値観の多様化によって後継者候補となる人材が減少傾向にあります。
後継者不在率は福井県、山梨県、三重県以外で減少
2024年における中部地方の企業の後継者不在率は、以下のとおりです。※()は前年比。
- 新潟県:46.6%(0.6%減)
- 富山県:58.2%(1.2%減)
- 石川県:56.0%(2.5%減)
- 福井県:53.5%(0.8%増)
- 山梨県:50.2%(1.5%増)
- 長野県:51.9%(2.2%減)
- 岐阜県:58.1%(2.6%減)
- 静岡県:50.3%(1.6%減)
- 愛知県:50.1%(2.4%減)
- 三重県:34.1%(3.9%増)
後継者不在率は福井県、山梨県、三重県以外で減少しています。とはいえ、中部地方で最も後継者不在率が高いのは富山県で58.2%を記録しています(全国平均は52.1%)。
参考:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2024 年)」
事業承継に向けた取組の状況
百五総合研究所が実施した中部5県に対して行ったアンケート調査によると、「事業承継を検討しているが現状取り組んでいない」企業が最も多く、42.0%を占めています。
次いで「廃業予定のため取り組んでいない」が18.6%、「具体的な計画・対応策を策定し、取組を開始している」が15.5%となっています。事業承継を検討している企業は全体の8割以上に達しているものの、半数以上の企業が具体的な事業承継手続きに進めていない状況です。
参考:百五総合研究所「令和5年度中小企業政策推進事業」
事業承継の取組を開始できない理由
上記の調査では、中部の5県全体で「事業承継の内容や方向性が定まっていない」と考えている企業が41.1%で最も多く、次いで「取組を始めるにはまだ早いと感じている」が23.7%となっており、各県でも同様の傾向が見られます。
休廃業・解散件数は6,071件で過去3番目の多さ
2023年に中部5県(愛知・岐阜・三重・静岡・長野)で休廃業・解散した企業は前年比5.4%増の6,071件となり、2年連続で増加しました。これは2018年、2020年に次ぐ過去3番目の多さです。コロナ関連融資の返済負担や物価高に加え、後継者不足による高齢経営者の廃業が目立ちました。
直前決算が黒字だった企業の割合は56%で、4年連続で減少しています。経営環境の悪化や将来への不安から、事業継続を断念するケースが増えているとみられます。また、休廃業・解散した企業の代表者のうち70代以上の割合は65%に達し、8年連続で増加しました。
業種別では「サービス業他」が1,850件(全体の31%)で最も多く、次いで建設業(17%)、製造業(16%)が続きました。特に卸売業は前年より15%増の604件となり、小売業の業績悪化による販売減少が影響したと考えられます。
参考:日本経済新聞「中部5県の休廃業・解散企業、23年は6071件 過去3番目」
中部地方の企業によるM&A件数
2021年の登録M&A支援機関の報告によると、中部地方の企業におけるM&A件数は、以下のとおり記録しています。
- 新潟県(譲渡側76件、譲受側66件)
- 富山県(譲渡側31件、譲受側24件)
- 石川県(譲渡側34件、譲受側38件)
- 福井県(譲渡側13件、譲受側17件)
- 山梨県(譲渡側16件、譲受側13件)
- 長野県(譲渡側55件、譲受側37件)
- 岐阜県(譲渡側42件、譲受側39件)
- 静岡県(譲渡側130件、譲受側109件)
- 愛知県(譲渡側206件、譲受側224件)
- 三重県(譲渡側37件、譲受側31件)
上記のとおり、愛知県は中部地方の他県と比べてもM&A件数が多い水準にあることがわかっています。
参考:中小企業庁「M&A支援機関登録制度実績報告等について」
3. 中部地方近郊のM&A・事業承継の案件一覧
本章では、中部地方近郊のM&A・事業承継の案件の中から7件をピックアップして掲載します。
【医療法人/AGA・自由診療あり/内科・アレルギー診療も可】愛知県の皮膚科診療クリニック
20年以上にわたり事業を継続し、 地元からの信頼厚く、毎期安定した売上を保持しています。これまで顧客からの大きなクレームは無く、お客様ファーストの治療を徹底しています。
皮膚科以外の内科やアレルギー科も診療可能です。ワクチン、AGA治療、肌トラブルの治療などの自由診療も行い、リピート顧客を得ています。NetCashは1億4,000万円以上と資金が潤沢です。
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【愛知県/米の生産・卸売】10反以上の農地保有
愛知県内にて米の生産から加工(精米)、卸売りまでを手掛けています。大型保管庫を完備しており、1年を通じて米の品質を維持可能です。10反以上の農地を保有しています。
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
総資産額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 応相談 |
譲渡理由 | さらなる人材の確保・事業拡大 |
【地域No1知名度】北陸エリア/美容院・エステサロン運営事業
10年以上の常連客多数で、地域TOPクラスの知名度を誇ります。毎年安定した営業利益を創出しています。若手人材が多く在籍しており、離職率も低いです。ヘアケアのみならず、美容領域全般を幅広くサ-ビス提供が可能です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 1000万円〜5000万円 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【中部地方/県内唯一】木造住宅パネル製造
同県内にて対象事業を営む会社が不在のため、大手ハウスメーカーから継続して受注ができています。2021年に対象会社に隣接している5,398㎡の土地を購入し、土地の利活用が可能です。
2023年は人員不足の関係で戸建てのパネル製造の受注を制限し、売上が減少しています。進行期は直近期を上回る水準、今後は人材リソース拡大により更なる売上増加を見込んでいます。
売上高 | 5000万円〜1億円 |
営業利益 | 〜1000万円 |
総資産額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 2000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【独占輸入/中部地方】音響機器輸入卸売業
音響機器を海外から輸入し国内販売店へ卸売りを行う企業様です。対象会社製品はエントリーからミドルエンド品のため、ターゲット層は幅広いです。
海外を中心とした10社以上のメーカーより、スピーカー・アンプ・パワコンアクセサリー類を独占的に輸入している点、対象製品の修理対応も行う点などが強みです。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
総資産額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 事業存続に対する不安、戦略の見直し |
【売上1億円以上/中部地方】業歴100年を超える中部有数の米穀類卸
中部地方にて100年以上に渡り、米穀類卸を営んでいます。全国から集荷したお米は自社保有の精米機を使用して精米し、梱包発送対応まで行います。
販路は医療法人や教育機関、百貨店など多岐に渡ります。また、米のノベルティ商品を企画から開発まで行うことが可能です。
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
総資産額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安 |
他にもM&A総合研究所で取り扱っている案件について詳しく知りたい方は以下の「M&A・事業承継案件一覧」のページよりご確認ください。
4. 中部地方のM&A・会社売却・事業承継の最新事例
中部地方のM&A・会社売却・事業承継の最新事例を紹介します。
F・O・インターナショナルによるマザーリップのM&A・事業承継
F・O・インターナショナル(兵庫県神戸市)は、2025年1月16日、マザーリップ(愛知県名古屋市)の全株式を取得する契約を締結しました。
F・O・インターナショナルは、ベビー・キッズ向けの服やファッション雑貨を企画・製造・販売するアパレル企業です。マザーリップは、日本製にこだわったキッズブランド「toi toi toi」やベビーブランド「Boribon oeuf」を展開しています。
本件M&Aの目的は、マザーリップの高い企画力とF・O・インターナショナルの生産・販売力を融合し、百貨店や駅ビルでの店舗展開を強化するとともに、新規ブランドの卸売事業を拡大することです。
大敬ホールディングスによるシンエイテックのM&A・事業承継
2024年11月、大敬ホールディングスは、シンエイテックの全ての株式を取得し、子会社化しました。
大敬ホールディングスは、損害保険代理業、不動産賃貸管理・運用を行う企業です。対象会社のシンエイテックは、基礎建機のアタッチメント製品等の開発・製造、各種建機メンテナンスを行う企業です。
今回のM&Aにより、事業展開の推進と将来に向けたグループの業容拡大と利益創出を目指します。
AIフュージョンキャピタルグループによる河合青果のM&A・事業承継
2024年11月、AIフュージョンキャピタルグループは河合青果の株式を取得し、子会社化しました。
AIフュージョンキャピタルグループは、ベンチャー企業への投資や投資事業組合の管理・運営を行う企業です。河合青果は、青果物卸売業を行っています。
今回のM&Aにより、後継者不在に悩む地域企業の支援の一環として行いました。そして、河合青果にハンズオン支援で取組み、AIによるDX化により市場活性化や業務効率化の支援も行う予定です。
5. 中部地方のM&A総合研究所によるM&A・事業承継の成約事例
ここでは、弊社M&A総合研究所がサポートさせていただいたM&Aの事例をご紹介します。
譲渡企業の株式会社はろうすは設立から約27年で、愛知県知多市に本社を構え、注文住宅やリフォーム事業を展開する住宅建築会社です。地域に根ざした活動を通じて、お客様のライフプランに寄り添った「住まいづくり」を提案し、豊富な実績を積み上げてきました。
譲受企業の株式会社AGILE INNOVATIONは設立から約10年で、愛知県津島市に本社を置き、給排水工事や水回り全般の住宅建築業を手掛けています。複数のグループ会社を抱え、住宅建築を中心に幅広い事業展開を行っています。
AGILE INNOVATIONがM&Aによる譲受を検討したきっかけは、M&Aによる事業拡大がゼロからのスタートよりも成長を加速できると考えたためです。当社は以前からM&Aを戦略的に活用しており、今回が2回目のM&Aとなります。
はろうすを譲り受けた理由としては、同業他社だけでなく異業種の会社も候補に含めて検討した中で、はろうすの事業内容が特に優れており、当社の事業と組み合わせた際に大きなシナジー効果が期待できると判断したためです。また、道元社長のビジョンや熱意が非常に印象的で、最終的な決定の決め手となりました。
道元社長は、M&A後の展開についても具体的に考えており、譲受企業が異業種であってもスムーズな引き継ぎができるよう、サポート体制まで計画に組み込んでいました。
6. 中部地方のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
中部地方のM&A・会社売却・事業承継案件を探す手段は以下の3つです。
- 地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトを活用する
- M&A仲介会社・専門家に相談する
①地元の金融機関などに相談する
地方銀行や信用金庫などの金融機関にM&A相談をするのもおすすめの方法です。ただし、金融機関のM&A相談は大手企業のみしか取り扱っていない機関も多いため、相談前に確認しましょう。
普段から付き合いのある地方銀行であれば、自社の事情を熟知しているため、相談も気軽に行いやすいメリットがあります。その一方で、中小規模のM&Aには対応していないケースもあります。
地元の金融機関などに相談するケースとしては、普段から取引している銀行などの金融機関にまずは相談してみる選択肢も有効です。
②M&Aマッチングサイトを活用する
自分で案件を探したい場合は、M&Aマッチングサイトを活用するのもおすすめです。マッチングサイトには自分で直接交渉できるサイトも多く、仲介会社を介さずにM&Aを成約させることも可能です。
M&Aマッチングサイトを活用するメリットは、多額の費用をかけず、中小企業でも導入しやすい点があるでしょう。デメリットとしては、サポートの差がサイトによって異なることやマッチング相手が見つかるまでに時間がかかることがあるでしょう。
M&Aマッチングサイトなどを活用するケースとしては、全国のM&A・会社売却・事業承継案件を探せるため、費用をできるだけかけたくないM&Aにはいいかもしれません。
M&Aプラットフォーム
M&A総合研究所が運営しているM&Aプラットフォームは、AIを搭載した高精度のマッチングプラットフォームです。
売り手は無料で利用できるほか、実際にM&Aの交渉や手続きが進行していく際に不安がある場合には、別途M&Aアドバイザーに業務を依頼していただくことも可能です。
TRANBI(トランビ)
TRANBIは、国内最大級の事業承継・M&Aプラットフォームです。9万人以上のユーザー数と、2,000件以上の案件数を誇り、中部・北陸地方の案件も豊富に取り扱っています。
③M&A仲介会社・専門家に相談する
M&A・事業承継案件を探す際は、やはりM&A仲介会社や会計士・税理士などの専門家への相談がおすすめです。
M&A仲介会社・専門家に相談するメリットはM&Aの相手先を多数の候補の中から探してもらえる、一貫してM&Aのサポートやアドバイスを受けられることです。デメリットは着手金や中間金などの手数料が発生する会社が多いことがあることです。
相談する際は、中部地方に広いネットワークを持つ仲介会社や専門家を選ぶとよいでしょう。M&A仲介会社・専門家に相談するのはポピュラーな方法です。M&Aを専門に扱っているため豊富な知識と経験があり、独自ネットワークを活用して相手先を探してもらえます。
7. 中部地方でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント
中部地方でM&A仲介会社を選ぶときに、押さえておきたいポイントは以下の5つです。
- 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 案件規模・地元M&A実績などがある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応や相性がいい
①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
ひとことにM&Aといっても、業種によって必要となる知識やノウハウは異なります。M&A仲介会社を選ぶときは、自分の会社の業種に精通しているスタッフがいる機関を選びましょう。自社と同じ業種のM&A実績があるかどうかも、事前にしっかり確認することが大切です。
②案件規模・地元M&A実績などがある
M&A仲介会社を選ぶ際は、自分の会社と同規模程度の案件を取り扱っているかチェックしておきましょう。地元でのM&A実績が豊富な会社は、地元の金融機関とのつながりが強いため、取引がスムーズに進みやすくなります。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&Aは会計や税務の知識だけでなく、各業界の動向や実務経験など、多くの知識と経験を必要とします。
M&A仲介会社を選ぶときは、知識・経験が豊富なスタッフが在籍しているか確認しましょう。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
手数料や報酬体系がわかりにくい仲介会社の場合、将来的に想定外の金額を請求されるなど、思わぬトラブルに発展するおそれがあります。
M&A仲介会社を選ぶときは、手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい会社を選ぶようにしましょう。
⑤担当スタッフの対応や相性がいい
たとえ優秀なスタッフでも、対応が悪かったり性格的な相性が合わなかったりすると、納得のいく成約ができない可能性があります。
M&A仲介会社を選ぶときは、担当スタッフの対応や相性など、信頼できる関係を築けるかどうかも考慮が必要なポイントです。
8. 中部地方のM&A・事業承継に役立つ公的支援
経営者の高齢化に伴う後継者問題を受けて、国や自治体も事業承継支援事業に力を入れています。中部地方の主な事業承継支援機関は、以下のとおりです。
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構 中部本部
- 中部経済産業局(愛知県・岐阜県)
- 関東経済産業局(長野県・山梨県・静岡県)
- 事業承継・引継ぎ支援センター(中部地方各県)
- 事業承継・引継ぎ支援センターの後継者バンク(後継者人材バンク)
①独立行政法人中小企業基盤整備機構 中部本部
独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業の経営の助言や中小企業向けの融資など、中小企業経営者を総合的にバックアップする公的機関です。中部地方では、名古屋に中部本部が設置されています。
各種支援の対象は中小企業だけでなく、各地の支援機関や起業・創業志望者の支援まで多岐にわたり、支援内容も中小企業の経営全般に及びます。
②中部経済産業局 (愛知県・岐阜県)
中部経済産業局は経済産業省の支局であり、中部地域において愛知県・岐阜県・三重県・富山県・石川県を管轄エリアとする、経済産業施策の総合的な窓口機関です。中小企業・ベンチャー企業の支援から、IT産業・次世代産業の競争力強化などに取り組んでいます。
③関東経済産業局 (長野県・山梨県・静岡県)
関東経済産業局も経済産業省の支局です。広域関東圏を管轄エリアとしており、その内訳は1都10県=茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・長野県・山梨県・静岡県です。所在地は東京都ではなく、埼玉県のさいたま新都心合同庁舎1号館です。
④事業承継・引継ぎ支援センター(中部地方各県)
事業承継・引継ぎ支援センターとは、中小企業庁が進める具体的な事業承継支援策です。各都道府県には中小企業庁からの委託事業として、公的機関である事業承継・引継ぎ支援センターが設置されています。
事業承継・引継ぎ支援センターをどのように設置するかは各自治体に委任されているため、各都道府県によって異なりますが、多くのケースでは、該当する地域の中小企業経営者が事業承継問題を解決するための、公的な相談窓口として運営されています。
事業承継・引継ぎ支援センターの具体的な支援内容としては、後継者不足で事業承継が行えない中小企業経営者に対する、外部の後継者候補者の紹介、M&A・会社売却による事業承継の提案・あっせんなどです。
親族内事業承継や社内事業承継を予定している中小企業に対しても、将来のスムーズな事業承継に向けたサポートを行っています。
⑤事業承継・引継ぎ支援センターの後継者バンク(後継者人材バンク)
各地の事業承継・引継ぎ支援センターの主力支援策として、後継者バンク(後継者人材バンク)が挙げられます。後継者バンクの具体的な内容を説明すると、まず各自治体内で独立・開業を目指す起業・創業志望者のうち、既存企業を事業承継で引継ぐ意思のある人材を募り、後継者バンク名簿に登録します。
その後、後継者問題で事業承継に困っている中小企業経営者が事業承継・引継ぎ支援センターに相談した際、経営者と後継者バンク登録者の希望内容が合致すれば、後継者候補として紹介するといったサービスです。両者が合意し話が進む場合は、事業承継に必要な具体的な各プロセスに対しても、事業承継・引継ぎ支援センターがサポートを提供しています。
後継者人材バンクについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
9. 中部地方のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
近年、中部地方のM&Aを取り扱うM&A仲介会社が増加しており、自社に合った相談先を選ぶことが重要です。
仲介会社の知識や経験、スタッフとの相性などを踏まえながら、仲介会社を選ぶことがM&A成功の秘訣です。
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