2026年02月23日更新
事業譲渡とは?M&Aにおける目的や株式譲渡との違い、最新の手続き・税務をプロが解説
事業譲渡は、会社の一部または全部の事業を売却するM&A手法です。2026年現在のM&A市場では、不採算部門の切り出しや経営資源の集中を目的に活用されるケースが一般化しています。本記事では、株式譲渡との違いやメリット、税務上の最新の留意点を専門家が詳しく解説します。
目次
1. M&Aにおける事業譲渡の定義と基本的な仕組み
会社の売却方法を検討する際、実際に利用する手法を知らなくてはなりません。この章では、事業譲渡とM&Aの特徴やそれぞれの効果を解説します。
事業譲渡とは
事業譲渡とは、会社の事業の全部または一部を第三者に譲渡(売却)するM&A手法です。譲渡対象となる「事業」には、土地・建物などの有形固定資産だけでなく、従業員、ノウハウ、ブランド、取引先との関係といった無形資産も含まれます。
大きな特徴は、売却したい事業資産や負債を個別に選択できる点にあり、不採算事業のみを切り離すといった柔軟な対応が可能です。
事業譲渡についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
事業譲渡がM&Aにおいて持つ意義
上記でも述べたように、売却側が事業の全部あるいは一部を買収側へ譲渡(売却)するのが、事業譲渡です。事業譲渡は契約にしたがって、譲渡対象となる事業を選択できます。資産や負債も、契約により選別可能な点も株式譲渡、会社分割、合併などとは異なります。
事業譲渡が適している主なシチュエーション
事業譲渡は、特定の事業のみを切り出して売却したい場合に最も有効なM&A手法です。2026年現在の経営環境下では、特に以下のようなケースで積極的に活用されています。
- ノンコア事業(非主力事業)の売却による経営資源の最適化:主力事業への投資資金を確保するため、周辺事業を売却する戦略的な活用が増えています。
- 特定の部門に限定した第三者への事業承継:会社全体ではなく、特定の後継者が存在する事業のみを引き継がせたい場合に適しています。
- 不採算部門の整理と財務体質の改善:会社法人そのものは維持しつつ、採算の合わない事業を切り離すことで、スピーディーな経営再建を目指すケースです。
事業譲渡の特徴は、会社という「器」を残したまま、中身である「事業」だけを動かせる点にあります。譲渡によって得た資金を新規事業の軍資金や既存事業のDX化への投資に充てるなど、機動的な経営判断を支える重要な手段となっています。
事業譲渡を行う際の注意ポイント
事業譲渡は、個別の資産や契約を移転させるため、手続きが煩雑になりがちです。具体的には、不動産の所有権移転登記、許認可の再取得、従業員との再契約、取引先との契約巻き直しなど、多岐にわたる手続きが個別に発生します。
特に、事業に必要な許認可は自動的に承継されないケースが多く、買い手側で新規に取得し直す必要があるため、事前に管轄官庁へ確認することが不可欠です。これらの手続きには時間とコストがかかる点を十分に理解しておく必要があります。
事業譲渡の種類
事業譲渡の種類も知っておきましょう。売却側が事業のすべてを譲渡するケースと事業の一部を譲渡するケースがあります。前者を全部譲渡、後者を一部譲渡といいます。
事業譲渡と営業譲渡との違い
2006年の会社法改正以前、「事業譲渡」は商法用語である「営業譲渡」と呼ばれていました。現在は呼び方が変わっただけで、同義語として捉えられています。なお、現在でも商法が適用になる際は、「営業譲渡」の呼称が使用される場合があります。
M&Aの定義と最新の市場動向
M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略称で、企業の合併や買収を指す総称です。具体的には、2つ以上の会社が1つの法人に統合されたり、ある企業が他社の経営権を譲り受けたりする広範な経営行為を含みます。
現在、日本国内の中小企業においては、経営者の高齢化に伴う事業承継問題が深刻な段階を迎えています。かつて予測されていた「2025年問題(経営者の大量引退)」を経て、今まさにM&Aによる第三者への承継が社会的なインフラとして定着しました。企業の存続だけでなく、労働力の確保や技術の維持を目的としたM&Aによる事業譲渡は、業種を問わず不可欠な経営戦略として実行されています。
2. 事業譲渡と他の主要なM&A手法を徹底比較
事業譲渡とM&Aの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。この章では、事業譲渡とM&Aの違いや、その他に用いられるM&A手法を解説します。
事業譲渡は、M&A手法の1つです。M&Aと聞くと会社売却のイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、売却対象となるのは会社のみではありません。M&A手法に事業譲渡を選択すれば、事業だけの売却も可能です。
事業譲渡は会社における事業の売却をさします。M&Aは、数多く存在するM&A手法のいずれかを用いた経営戦略といった広義的な意味を持つ言葉です。
会社売却の検討段階では手法が定まっていないことが多いので、「M&Aを検討する」といった表現が多く見られます。
事業譲渡以外の代表的なM&A手法
M&Aを検討する際は、会社の状況やM&Aの目的に合わせた最適な手法を選択することが大切です。会社売却で利用できるM&A手法は、事業譲渡を含めて6種類存在します。
- 事業譲渡
- 株式譲渡
- 会社分割
- 株式交換・移転
- 合併
- 第三者割当増資
株式譲渡と事業譲渡の決定的な違い
株式譲渡は、会社の株主が保有する株式を買い手に譲渡することで、経営権そのものを引き継ぐM&A手法です。法人格がそのまま維持されるため、契約関係や許認可も原則としてそのまま承継されます。
M&Aにおける事業譲渡との主な相違点は、以下の通りです。
・譲渡対象の違い:事業譲渡が「特定の資産や負債」を選択して譲り渡すのに対し、株式譲渡は「会社丸ごと」を譲渡します。
・法人格の扱い:事業譲渡では売り手企業が存続しますが、株式譲渡では買い手企業の子会社となります。
・簿外債務のリスク:事業譲渡は特定した負債のみを引き継ぐため、予期せぬ債務(簿外債務)を買い手が負うリスクが低いのが特徴です。一方、株式譲渡では原則として全ての負債を包括的に承継します。
・対価の帰属先:事業譲渡の対価は「会社」に入りますが、株式譲渡の対価は「株主個人」に入ることが一般的です。
出口戦略として、オーナー個人が現金を得て引退したい場合は株式譲渡が選ばれ、会社に資金を残して別事業を継続したい場合は、事業譲渡を用いたM&Aが選ばれる傾向にあります。
事業譲渡と株式譲渡の採用基準
会社の経営破たんが深刻であったり負債が多かったりすると、企業体を保ったままの売却は困難です。株式譲渡は債務も引き継ぐので、負債が多い会社の売却は、利益が見込める事業のみを切り出したい要請から、事業譲渡を選ぶケースが多く見られます。
買収側がプライベート・エクイティなどのファンドであれば、買収した会社を成長させた後に売却します。この場合、利益獲得が目的であることがほとんどであり、企業体を保ったままの買収が求められるために株式譲渡を選ぶことが多いでしょう。
従業員の多い会社の場合、株式譲渡を選ぶ傾向があります。事業譲渡を選択すると買収側企業との間で新たな労働契約が求められ、コストがかかるためです。
会社分割と事業譲渡の仕組みの違い
会社分割とは、特定の事業に関する権利義務を、別の会社に包括的に承継させる組織再編手法です。新しく会社を設立して承継させる「新設分割」と、既存の会社に承継させる「吸収分割」の2つの形態が存在します。
事業譲渡と会社分割は、「特定の事業を切り出す」という点では共通していますが、承継の法的性質が大きく異なります。
最大の相違点は「包括承継」か否かです。事業譲渡では、従業員の雇用契約や取引先との契約を一つずつ個別に巻き直す必要がありますが、会社分割ではこれらが原則として丸ごと引き継がれます。そのため、数千人規模の従業員が所属する大規模な事業を移転させる場合は、会社分割の方が実務上の負担が軽減されます。
また、対価の支払い方法も異なります。M&Aにおける事業譲渡は通常、現金で決済されますが、会社分割では買い手側の株式を対価とすることが可能です。これにより、買い手は多額のキャッシュを用意せずに買収を実行できるメリットがあります。組織再編を伴う大規模な事業改編では会社分割、特定資産の売買に留まる場合は事業譲渡が選択されるのが現在の一般的な使い分けです。
株式交換・株式移転の活用目的
株式交換および株式移転は、特定の会社を完全子会社化し、強力な親子関係を構築するための手法です。既存の会社を親会社とするのが「株式交換」、新たに親会社を設立するのが「株式移転」です。
近年のM&A市場では、純粋持株会社(ホールディングス)体制への移行において、この手法が頻繁に活用されています。株式交換の最大の特徴は、対価として現金の代わりに自社株式を交付できる点にあります。これにより、大規模な買収であっても手元資金を減らさずに実行することが可能です。
一方、株式移転は主に複数の企業が対等な立場で経営統合を行う際に、共同で持株会社を作る目的で利用されます。いずれの手法も、事業譲渡のように個別の資産を移転するのではなく、組織全体の構造を作り変えることでグループ全体のシナジーを最大化させるために有効な手段です。
合併
合併は、複数の会社を統合して一つの会社を残し消滅させる手法です。既存会社に統合する吸収合併と、新設会社に統合する新設合併に分けられます。吸収合併では、消滅する企業の株主に対して存続する企業の株が割り当てられます。新設合併よりも手間がかからないため、合併の場合は、吸収合併を選択する場合が多いです。
独立している会社が完全に統合されるので、相互の経営資源を活用した事業シナジーを発揮しやすい点が特徴といえます。引き継ぎは包括承継です。原則として消滅する会社のすべてを引き継ぐので、従業員や取引先から個別に同意を得る必要はありません。
第三者割当増資
第三者割当増資とは、特定の第三者へ新株における割当権利の付与を行い、引き受けさせる増資手法です。株主であるか否かを問わず、広く一般の投資家を募る手法なので、中小企業の資金調達として活用されます。
基本的には、広範囲の投資家にバランスよく配分し、資金調達を行います。特定個人に会社の経営権が移転する範囲まで割当を行い、M&A手法として使うことも可能です。
他のM&A手法と比較すると、手続きが簡便なメリットがあります。新株を発行する特性を持つため、経営権の全株式を譲渡できない点がデメリットです。
中小企業のM&Aは100%の経営権確保を目的とするケースが多いので、第三者割当増資をM&A手法に選択するケースはほとんどありません。
3. 事業譲渡における最新の手続き・会計・税制の留意点
事業譲渡を成功させるためには、手続きの流れや会計・税務上のルールを正しく理解しておくことが重要です。この章では、事業譲渡を進める上での主要なポイントを解説します。
事業譲渡の一般的な手続きフロー
事業譲渡は、一般的に以下の流れで進められます。
1. **M&Aの専門家への相談・契約**:M&A仲介会社などとアドバイザリー契約を締結します。
2. **譲渡先の選定(マッチング)**:候補企業を探し、交渉相手を絞り込みます。
3. **トップ面談・基本合意の締結**:経営者同士で面談し、譲渡価格や条件の概略を固め、基本合意書を締結します。
4. **デューデリジェンス(買収監査)**:買い手が、売り手企業の事業内容や財務状況などを詳細に調査します。
5. **事業譲渡契約の締結**:最終的な譲渡条件を確定し、事業譲渡契約を締結します。
6. **株主総会の承認**:原則として、売り手・買い手双方で株主総会の特別決議による承認が必要です。
7. **クロージング**:資産や負債の移転手続き、対価の決済を行い、事業譲渡を完了させます。
事業譲渡における会計処理の概要
事業譲渡の会計処理は、売り手と買い手で異なります。
- **売り手側**:譲渡した事業資産・負債の簿価と、受け取った対価との差額を「事業譲渡益」または「事業譲渡損」として損益計算書に計上します。
- **買い手側**:取得した資産・負債を時価で資産計上します。支払った対価が、受け入れた資産・負債の時価純資産額を上回る場合、その差額は「のれん(営業権)」として資産計上され、一定期間で償却されます。
事業譲渡で発生する税金の種類
事業譲渡では、主に売り手企業に税金が課されます。
- **法人税**:事業譲渡によって得た利益(事業譲渡益)に対して課税されます。
- **消費税**:課税資産(建物、機械、のれんなど)の譲渡に対して課税されます。土地や有価証券は非課税です。
買い手側は、不動産を取得した場合には不動産取得税、登録免許税などがかかります。税負担はM&Aの成否を左右する重要な要素であるため、事前に税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
4. 事業譲渡とM&A(その他手法)の違い【スキーム】
事業譲渡とその他のM&A手法では、活用されるシーンに違いがあるのでしょうか。この章では、事業譲渡とM&Aにおける計画性(スキーム)の違いを解説します。
事業譲渡のスキーム
事業譲渡では、譲渡対象の自由な選択が可能です。不採算事業を切り離して残存事業にリソースを集中させたり、採算事業の売却益を活用して事業資金を確保したりする使い方ができます。事業譲渡は、事業の選択と集中や企業再生の手段として、企業規模を問わず広く活用されています。
メリット
譲渡企業側の最大のメリットは、譲渡対象の選択です。不採算事業のみを切り離すことも可能なので、事業の選択と集中に活用しやすい特徴があります。残しておきたい資産や従業員も選択できます。
事業譲渡は経営権を維持したまま行うことも大きなメリットです。経営権が移動しない事業譲渡であれば、譲渡以外の事業を継続できます。簿外債務がある場合もM&Aをスムーズに進められるでしょう。獲得した売却益を活用して事業規模を拡大できる点も利点です。
譲受企業側のメリットは、自社にとって有益な事業だけを承継できるよう交渉できる点です。資産や負債の範囲を限定するなど、契約範囲を定めることで、簿外債務や偶発債務などを避けられます。償却資産やのれんの償却で節税効果も得られるでしょう。
デメリット
大きなデメリットは手続きが煩雑になる点です。引き継ぎする権利義務の個別の手続きが必要となるため、譲渡対象の規模が大きくなるほど時間がかかります。
従業員の転籍や取引先の引き継ぎに応じてもらえないこともあるでしょう。特に重要なポストの従業員が流出すると、事業譲渡のクロージング条件が満たせずに、成約できなくなる可能性もあります。
譲渡企業側は、会社法で定められている競業避止義務により、同じ事業を行うことが制限されます。事業譲渡契約時に明記すればその限りではありません。
事業譲渡は、消費税の納付義務があることや、譲渡益に対して高い課税率で税金が課せられる点もデメリットです。会社を清算する側は、株主への配当にも所得税・住民税が発生するので注意が必要です。
譲受企業側は、許認可の取り直しが必要なことや、不動産取得税・登録免許税が課せられることがありますので確認しましょう。
株式譲渡のスキーム
株式譲渡では、比較的簡便な手続きで会社の経営権を移転できます。株式譲渡の目的はさまざまですが、主に、経営者の売却益獲得や従業員の雇用先確保、大手傘下入りによる事業規模の拡大などです。
会社が抱える数多くの経営課題に対応しやすいこともあり、中小規模の会社におけるM&Aで最も広く活用されています。
メリット
株式譲渡は包括承継であるため、権利義務の個別の手続きを取る必要がありません。成約からクロージングの間で行わなければならない手続き負担を大幅に軽減できます。
株式譲渡では、取締役会決議で実施が可能です。株主が多数の場合、株主総会開催は大きな負担となります。取締役会のみの簡便な手続きでできる点はメリットといえるでしょう。
売却側が個人の場合、売却益に対する所得税が安くなる点も利点です。分離課税で、税率は20.315%です。固定税率ですので、税金を比較的低く抑えられるでしょう。
株主は変わりますが、少数株主として残ることで、継続して経営に関わることも可能です。ビジネスの実態を変えることなく継続できるため、独立性が保たれます。相手側が保有する資産などを株式譲渡の手続きのみで包括的に引き継げる点もメリットに挙げられるでしょう。
大手グループへの傘下で、経営資源を活用した事業規模拡大も期待できます。豊富な資金や広大な販路を活用して急激な成長ができるでしょう。
デメリット
株式譲渡のデメリットは、簿外債務の引き継ぎリスクがある点です。これは財務状況からはわからない潜在的なリスクのことで、買い手の負担となります。成約後にトラブルに発展するケースもあるので、売り手にとってもリスクです。交渉前にデューデリジェンスを実施し、正確な情報把握に努めましょう。
株主が多数の場合、全ての株式を取得できないこともあります。株主全員が同意するとは限らないため、過半数の取得が困難な点はデメリットです。
会社分割のスキーム
会社分割は事業ごとに包括承継が可能な手法です。主な利用目的には、特定事業に特化した子会社の設立や、廃業直前の採算事業切り離しなどがあります。
1つの会社で複数の事業を行っているとマネジメントしにくいデメリットが起こり得るため、それぞれの事業に特化した子会社に承継させます。一部の事業を除いて経営状態が芳しくない会社が、事業や従業員を守るためにまとめて承継する場合もあるでしょう。
メリット
会社分割は適格分割を行うと、税制面で大幅な優遇措置を受けられます。会社の体力を削ることなく事業整理を行える点は大きなメリットです。
支払い対価を株式にできるため、買い手は現金を用意する必要がありません。資金の準備に時間をかけないので、円滑な進行が期待できるでしょう。
デメリット
買い手にとっては株式による対価の支払いはメリットです。しかし、売り手にとってはデメリットになる可能性があります。
上場会社の株式であれば株式市場で簡単に売却できますが、非上場会社の株式は売却手段が限られてしまい、現金化が非常に難しくなります。資金調達が急務の場合は、金銭による払込を申し出るか、別の手法を検討するなどの対策を講じると良いでしょう。
株式交換・移転のスキーム
株式交換・移転は完全親子関係を作り出す手法です。株式交換が利用されるのは、主に既存子会社の100%株式を取得したい場合です。
50%を超える株式を所有していれば経営者としては認められますが、全てを独断で決められません。グループの連携をより強固にするためには、100%の株式取得が不可避となるため、株式交換を実施します。
株式移転が利用されるのは、複数の会社が持ち寄って共同経営を行う場合です。新規に設立された親会社は、子会社がそれぞれの事業に集中できるようにマネジメントを行います。
基本的には、子会社における事業活動の支配を目的とする純粋持株会社です。親会社自身も生産活動を行う事業持株会社タイプも存在します。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| ・少数株主の排除 ・買収資金が不要 |
・手続きが煩雑 |
株式交換・移転は、買収対象会社における2/3以上の賛成が得られれば、少数株主を排除するのが可能です。100%の株式を取得できるため、より強い支配力と連携力を発揮できます。少数株主の株式買取請求や債権者保護手続きなどの段取りが必要です。
合併のスキーム
合併は、複数の会社を1つの会社に統合する手法です。主に円滑な経営統合や節税対策を目的に用いられます。
合併は包括承継となるため、引き継ぎに関する手続きにかかる手間がほとんどありません。最低限の手間で複数の会社を統合させて事業シナジーを発揮できるでしょう。
節税対策としては、合併会社の利益と被合併会社の損失を相殺させることで法人税を抑えます。会社としての規模を拡大しながらも支出を抑えられるので、再スタートを切りやすいです。
適格合併の場合は、被合併会社の繰越欠損金を引き継ぎできます。過去に損失として計上されたものを翌期以降に引き継ぎできます。被合併会社の繰越欠損金が大きいほど節税効果が望めるでしょう。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| ・事業シナジーの創出 ・繰越欠損金の引き継ぎ |
・経営理念や社内文化の違い ・規模拡大によるリスク増加 |
合併における最大のメリットは、双方の経営資源を掛け合わせることによる事業シナジーの創出です。単独で活動するよりも効果的に業績が伸びます。繰越欠損金の引き継ぎによる節税効果も得られるので、法人税の負担が抑えられるでしょう。
デメリットは、経営理念や社内文化の違いです。それぞれが独立していた会社なので、環境の違う者同士で衝突する可能性があります。従業員がトラブルを起こせば事業シナジーの獲得どころではなくなるので、適切な統合プロセスを実施しなければなりません。
第三者割当増資のスキーム
第三者割当増資は、新株を発行して資金調達する手法です。主に中小企業の資金調達方法として活用されます。急激に増資しない限り、税金が課せられません。効率的な資金調達が可能となるでしょう。
資金調達以外には、M&A・資本業務提携・安定株主の持株比率向上などがあります。M&A手法として活用する場合は、1/2を超える割合で行えば経営権取得が可能です。2/3を超えると、株主総会における特別決議の単独可決権限を取得して実質的な支配者となります。
資本業務提携は、経営権に影響を与えない範囲で相互に株式を取得しあう業務提携です。独立性を維持しながらも協力関係を築く方法として活用されます。
取引先の会社や金融機関に割当を行うことで、関係性の向上も可能です。友好関係にある相手であれば、経営に口を出されるリスクもほとんどないので、安定した増資ができます。
メリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| ・円滑な資金調達 ・M&A手法としても活用可能 ・税負担が軽い |
・株式の希薄化 ・増資後の資本金次第で税負担が重い |
第三者割当増資における最大のメリットは、円滑な資金調達です。通常の手順でも遅くはありませんが、総数引受契約を活用すればさらに短縮できます。
増資扱いなので、税金が課せられないメリットもあります。増資を受けた分、会社の資金として活用できるので、中小規模の会社における資金調達手法として便利です。
デメリットは、新株発行による既存株主の持分比率低下です。発行株式の増加は既存株式の権利・価値の低下を意味するので、既存株主にとっては好ましくありません。新株の割当が有利発行によるものであれば、反対を受ける可能性もあります。
5. 事業譲渡とM&A(その他手法)の違い【手続き・流れ】
この章では、事業譲渡とM&A(その他手法)の手続きや流れの違いを解説します。
事業譲渡の手続き・流れ
事業譲渡は事業の一部または全部を他の会社に譲渡する方法であり、特に中小企業のM&Aで活用されるケースが多いです。ここでは事業譲渡の手続き・流れを詳しく説明します。
M&Aニーズの発生
M&Aによる事業譲渡の流れの始めには、M&Aニーズが発生します。売却側は財務上の状況による理由や、主な事業に集中するためなどの理由が挙げられます。買収側は規模を広げたり、新規事業に参入したりするなどの理由で、M&Aニーズが生まれるでしょう。
事前の準備
次の流れとしては、事前準備です。売却側は買収先における条件の絞り込みなどを実施します。買収側は売却先を探すための準備として、決算書三期分の用意が必要です。
マッチング・交渉
次は、マッチング・交渉です。売却側は、事業の概要・売上・従業員数などを匿名で載せたノンネームシートを作成し、M&A仲介者などに提出します。それを買収先候補に示すことで、相手探しがスタートするでしょう。
買収側は、買収先となる可能性がある会社のリスト(ロングシート)を作り、その可能性を確認します。
秘密保持契約の締結
次の流れは、見つかった交渉先とのNDA(秘密保持契約)締結です。締結したら、売却側の基本的な情報が開示されるので、買収側はそれらを分析して、M&Aが現実的かどうかを検討します。
経営トップの面談
次に、経営トップの面談です。M&Aによる事業譲渡を実施する実現性が高まると、次の流れとして経営トップの面談を行い、人間関係を築きます。経営理念や人生観などを確認し、協力関係が構築できるかどうかを見極めます。
基本合意契約の締結
次の流れは、基本合意契約の締結です。経営トップの面談が終わったら、M&Aを進める基本合意を書面に記します。内容は、独占的交渉権の付与やデューデリジェンスの実施などです。今後の過程やスケジュールをはっきりさせます。
デューデリジェンス(買収監査)
次の流れは、デューデリジェンス(買収監査)です。譲渡対象事業を調査して基本的な情報のやり取りではわからなかった実態を知り、正しく価値を算出するために行います。
事業譲渡の場合、財産だけでなく技術やノウハウ、従業員、取引先との関係など無形財産も含めて譲渡するので、のれんの価値をプラスするケースが多いです。
取締役会の決議
次の流れは、売却側による取締役会の決議です。事業譲渡は、取締の業務運営に関する基本的事項なので、取締役会での決議が必要です。
決議が終わったら、事業譲渡日程表や事業譲渡覚書などを作成します。代表取締役が株主総会の承認を得ることを条件に次の流れへと進みます。
事業譲渡契約の締結
次の流れは、事業譲渡契約の締結です。合併などとは違い、事業譲渡契約書は会社法上における記載事項の取り決めがないため、公序良俗や法律に反しない範囲で定められます。
事業譲渡契約書には、譲渡内容・対価・支払い方法・譲渡日・従業員の引き継ぎ・競業避止義務・表明保証などを記すことが多いです。
クロージング
次の流れは、クロージングです。クロージングで法律上必要な手続きは、事業譲渡にはありません。資産の譲渡や契約における移管などのための手続きがあります。
事業譲渡に必要な手続き
事業譲渡に必要な手続きは3つです。
1つ目の手続きでは、臨時報告書を内閣総理大臣に提出することです。有価証券報告書を提出する義務のある会社は事業譲渡契約を締結した場合に行う手続きだといえます。
2つ目の手続きは株主総会での承認です。事業譲渡承認株主総会は、取締役会で招集、株主名簿の閉鎖、株主総会の日程などを決め、株主総会で事業譲渡契約書の承認を受けます。
3つ目の手続きは、公正取引委員会への届出です。株主総会での承認が終わり、公正取引委員会へ事業譲渡届出書を提出後、事業譲渡の手続きが終了します。
株式譲渡の手続き・流れ
ここでは株式譲渡の手続き・流れを詳しく説明します。
経営陣によるM&Aの合意
株式譲渡を進めていくうえで、まずは買い手と売り手の経営陣によるM&Aに関して合意が必要です。取得株数、株価、M&A実施後の経営体制など、M&A成約までの重要事項に関する基本合意書を締結します。
基本合意書は、トップ面談の後に両者の合意事項について専門家を交えて整理し、書面上で合意を行うものであり、一般的に法的拘束力を持たないように設定するのが一般的です。
上記に加え、M&Aの手続きが進むと売り手に関する、より詳細な情報が買い手へ開示されるため、基本合意書に秘密保持に関する条項を盛り込み、秘密保持契約を兼ねることもあります。
株式譲渡承認の請求
次に、売り手の登記簿謄本で株式が「譲渡制限株式」であるかを確認する必要があります。譲渡制限株式とは株式の譲渡を制限している株式のことをいい、会社の定款で株式譲渡の制限を定めているケースです。
多くの中小企業では、自社の株式に対して譲渡制限をかけているケースが多いため、非公開会社となっています。
株式譲渡承認の請求は、第三者への譲渡制限株式の譲渡に関して、会社に承認してもらうための手続きをいい、株式譲渡承認の請求によって、承認プロセスが開始されるでしょう。
取締役会(株主総会)による承認
売り手が譲渡制限会社である場合、承諾を得ないままの状態で株式売買を行えません。株式譲渡承認を行うのは取締役会であり、取締役会が設置していない場合は株主総会による株式譲渡の承認が必要となります。
多数の株主がいる場合、個別に譲渡承認手続きを実施するのは困難となるため、委任状により一連の手続きを代表となる株主が一括して処理するケースもあります。
株式譲渡の承認通知
譲渡承認を決定した後、各株主に対して株式譲渡の承認通知を行わなければなりません。譲渡承認請求の日から2週間以内に通知がされなかった場合は、譲渡承認の決定と同様に扱われます。
最終契約書の締結
株式譲渡契約書を締結により、法的に株式譲渡によるM&Aが成立します。株式譲渡契約書の契約内容は、次のような条項を定めるのが一般的です。
- 定義
- 表明保証
- 取引対象の特定、価格、価格の調整方法、支払方法など
- クロージングの前提条件
- クロージング
- 表明および保証
- 誓約事項
- 補償条項
- 解除条件
- 雑則(秘密保持、公表、競業避止義務、裁判管轄、準拠法など)
クロージング・株主名簿の書換
売り手は、クロージング日に株券を買い手に引き渡し実行します。クロージングとは、M&Aの対象の会社あるいは事業の経営に関する、経営権の移転と取得対価の支払いを完了するための手続きです。
売り手は、クロージング書類(各種証明書・株主名簿)と株式を引き渡します。買い手は、書類や株式がそろっていることを確認し、取得対価を支払う段取りです。
売り手は株式譲渡契約書に記載された金額が振り込まれていることを確認し、クロージングの完了です。クロージング後、買い手が株主名簿の名義書換請求によって株主名簿の書き換えを行い、株主の移動が法的に完了します。
登記申請
株式譲渡によるM&Aが完了後、臨時取締役会によって新たに役員が選任されるのが一般的です。役員選任の取締役会承認後、役員選任の登記申請を行います。
6. 事業譲渡とM&A(その他手法)の違い【会計処理】
ここでは、事業譲渡とM&A(その他手法)の会計処理の違いを解説します。
事業譲渡の会計処理
事業譲渡のケースから、譲渡側と譲受側それぞれの仕訳方法を紹介します。
譲渡側
事業譲渡は、時価で売却価格決定するのが一般的です。しかしながら、譲渡する資産は簿価で計上を行うため、時価総額から簿価総額を差し引いた金額が事業譲渡益となる仕組みです。
譲渡側は、借方に現預金(譲渡価格)、貸方に売却した土地・建物、特許権、事業譲渡益などを計上するようにしましょう。
<借方> <貸方>
| 現預金 | 150,000,000円 | 棚卸資産 | 10,000,000円 |
| 土地 | 70,000,000円 | ||
| 建物 | 20,000,000円 | ||
| 設備 | 20,000,000円 | ||
| 特許権 | 2,000,000円 | ||
| 商標権 | 500,000円 | ||
| 事業譲渡益 | 27,500,000円 |
譲受側
譲受側は簿価ではなく時価によって資産を譲受するため、資産の金額はすべて時価で記載するのがルールです。簿価総額と時価総額の差額により、譲渡側に利益が出る仕組みです。譲受側のケースでは、譲渡側の仕訳とは逆になります。
<借方> <貸方>
| 棚卸資産 | 10,000,000円 | 現金預金 | 150,000,000円 |
| 土地 | 98,000,000円 | ||
| 建物 | 15,000,000円 | ||
| 設備 | 15,000,000円 | ||
| 特許権 | 10,000,000円 | ||
| 商標権 | 2,000,000円 |
株式譲渡の会計処理
続いて、株式譲渡渡のケースから、譲渡側と譲受側それぞれの仕訳方法を紹介します。
譲渡側
売り手側は売却価格(現預金)から株式簿価を引いたものを株式売却益として計上します。例えば売却価格を2億円、株式簿価を1億円とした場合は、以下になります。
<借方> <貸方>
| 現預金 | 200,000,000円 | 株式 | 100,000,000円 |
| 株式売却益 | 100,000,000円 |
売り手側がM&A仲介会社に支払う手数料は業務委託費となるため、仕訳は以下です。
<借方> <貸方>
| 業務委託費 | 10,000,000円 | 現預金 | 10,000,000円 |
譲受側
買い手が株式取得をした場合、以下の仕訳を行います。M&A仲介手数料、DD(デューデリジェンス)費用などは株式の取得原価に算入しましょう。買収価格を2億円、M&A仲介手数料やその他の手数料の合計が2,000万円であった場合の仕訳は以下です。
<借方> <貸方>
| 子会社株式 | 220,000,000円 | 現預金 | 220,000,000円 |
7. 事業譲渡とM&A(その他手法)に関する税金の違い
M&Aは手法を変えることで大きな節税効果を得られることもあります。ケースによっては数百万単位で変わることもあるため、1つの検討材料として覚えておきましょう。
事業譲渡にかかる税金
事業譲渡で発生する税金は、法人税・消費税・不動産取得税・登録免許税の4つです。法人税は、譲渡事業の売却価格から譲渡事業の簿価を差し引いた譲渡所得に対して30~40%前後が課せられます。
消費税は、譲渡事業の課税資産(土地以外の有形固定資産・無形固定資産・棚卸資産・営業権)に対して課せられる税金です。なお、消費税の納税者は売り手ですが、買い手が取得対価と同時に支払うので、消費税の実質的な負担者は買い手となります。
不動産所得税は、取得した事業に土地や建物などの不動産が含まれる場合に課せられる税金です。課税標準額に対して原則4%の税率を掛けて算出します。
登録免許税は、不動産の所有者を変更するための登記手数料です。土地と建物にそれぞれ2%の税率が課せられます。
| 売り手 | 買い手 |
| ・法人税 ・消費税(買い手負担) |
・不動産取得税 ・登録免許税 |
株式譲渡にかかる税金
株式譲渡で発生する税金は、所得税・住民税・復興特別所得税・法人税の4つです。すべて売り手に課せられる税金で、株式譲渡で買い手に課せられる税金はありません。
株式の譲渡価格から必要経費(取得費+手数料)を差し引いた譲渡所得に対して、所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%が課せられます。
法人税は、売り手が法人である場合、譲渡所得に対して税率30~40%前後が課せられます。中小企業におけるM&Aでは経営者の個人所有がほとんどなので、基本的に株式譲渡の税率は20.315%です。
| 売り手 | 買い手 |
| ・所得税 ・住民税 ・復興特別所得税 |
なし |
会社分割にかかる税金
会社分割で発生する税金は、不動産所得税・登録免許税・法人税・所得税の4つです。不動産所得税は原則課税対象ですが、適格分割の場合は非課税対象で原則不動産評価額の4%が課せられます。
登録免許税は不動産の所有変更登記にかかる手数料なので売り手と買い手の双方に課せられ、売り手は3万円、買い手は資本金の0.7%と不動産評価額の2%です。
法人税・所得税は、適格分割の場合は非課税対象ですが、非適格分割の場合は売り手に最大49.44%の税率が課せられる可能性があるので注意しなければなりません。
| 売り手 | 買い手 |
| ・法人税 ・所得税 |
・不動産取得税 ・登録免許税 |
その他のM&A手法にかかる税金
続いて、株式交換・移転、合併、第三者割当増資で発生する税金を解説します。
株式交換・移転にかかる税金
株式交換・移転で発生する税金は、登録免許税・法人税・所得税の3つです。登録免許税は、買い手に対して資本金の0.7%と不動産評価額の2%が課せられます。
法人税・所得税は、非適格かつ支払い対価に金銭が含まれる場合、売り手個人に所得税20.315%、法人に法人税30~40%前後が課せられます。
株式移転の場合、支払い対価は株式のみが一般的なので、課税されることは非常にまれです。
| 売り手 | 買い手 |
| ・法人税 ・所得税 |
・登録免許税 |
合併にかかる税金
合併で発生する税金は、登録免許税・法人税・所得税の3つです。登録免許税は、買い手に対して資本金の0.7%と不動産評価額の2%が課せられます。
法人税・所得税は非適格合併の場合、売り手個人に対しては最大49.44%の税金が課せられます。譲渡所得の算出が特殊で、他のM&A手法よりも高めに算出される仕組みに注意が必要です。
| 売り手 | 買い手 |
| ・法人税(買い手に引き継ぎして納税) ・所得税 |
・登録免許税 |
第三者割当増資にかかる税金
第三者割当増資で発生する税金は、法人税・所得税・贈与税の3つです。資本金増資の形なので、売り手は課税されません。ただし、時価よりも安い有利発行の場合、買い手の個人に対して贈与税・所得税、法人に対して法人税が課せられます。
| 売り手 | 買い手 |
| なし | ・贈与税 ・所得税 ・法人税 |
8. 事業譲渡とM&A(その他手法)の違い【事例】
事業譲渡とM&A(その他手法)の違いを、それぞれ実際の事例から見ていきましょう。
事業譲渡の事例
惠山は2022年2月、自社で展開するアパレルブランド「Vicente(ヴィセンテ)」をBranditへ事業譲渡しました。
Branditは、D2CブランドやD2Cソリューション事業などを通して、ファッション業界のDXを推進する会社です。対象会社の惠山は、婦人服の企画・製造・販売事業を展開しています。
今回のM&Aにより、「Vicente」の事業に関わる従業員も同時にBranditへ移籍し、生産やEC運用のノウハウの取得、ブランド認知および売上向上を目指します。
株式譲渡の事例
RIZAPグループは2020年12月、グループ構造改革の1つとして、連結子会社である北斗印刷、エス・ワイ・エスの全ての株式をシスコに譲渡しました。
北斗印刷は福島県に拠点を構える印刷会社で、企業の販促ツール、ノベルティ、会社案内などの冊子類の制作、印刷など総合印刷業を展開しています。
エス・ワイ・エスは、デザイン制作、材料の選定、生産、顧客の投資効果を高める製品制作を行っています。これらの2社は、RIZAPグループの傘下に入り、子会社となりました。
シスコは飲食店の経営などの事業を行っています。今回のM&Aは、RIZAPグループが今後経営資源を集中する美容・ヘルスケア分野との相乗効果が期待できるとはいえず、シスコへの株式譲渡となりました。
9. M&Aにおける事業譲渡の相談に強い専門機関の選び方
事業譲渡・M&Aを検討する際は、各手法の特徴を把握するのが大切です。選択する手法によっては税金負担が極端に増えたり、売却益が少なくなったりするなどの不都合が考えられます。M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーがご相談からクロージングまで丁寧に案件をサポートします。
M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、事業譲渡・M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にご連絡ください。
10. 2026年のM&Aにおける事業譲渡の最新トレンド
現在の日本市場において、事業譲渡を用いた経営戦略はかつてないほど多様化しています。ここでは、今まさに起きている主要なトレンドを3つ紹介します。
カーブアウト(事業切り出し)による経営資源の集中
大手企業が非中核事業を切り離す「カーブアウト」型の事業譲渡が、2026年現在の主流となっています。市場競争が激化する中、すべての事業を自社で抱え続けるのではなく、強みを持つコア事業にリソースを集中させる「選択と集中」が、企業の持続的な成長に不可欠な戦略として定着しています。
IT・DX事業を対象とした小規模な事業譲渡の増加
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、特定のSaaSツールやWEBサービス、あるいはエンジニアチームのみを対象とした、M&Aにおける事業譲渡が増加しています。会社全体を買収するよりもリスクを限定できるため、スタートアップ企業の技術を取り込みたい中堅・大手企業にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
事業承継ガイドラインの改定に伴う透明性の向上
国による事業承継支援の枠組みがアップデートされたことで、第三者への事業引継ぎにおける手続きの透明性が高まっています。2026年現在の実務では、譲渡価格の適正性や従業員の処遇確保に関する基準がより明確化されており、売り手と買い手の双方が安心して事業譲渡を進められる環境が整っています。
11. 事業譲渡とM&Aの違いまとめ
当記事では、事業譲渡やその他のM&A手法の特徴を解説しました。いずれも特徴があり、必要な手続きや得られる効果も全く異なります。
事業譲渡などのM&A手法は自力で情報収集できますが、相手との交渉まで絡むと複雑化するのも事実です。無理に当事者で進めようとせず、必要に応じて事業譲渡・M&Aの専門家に相談すると良い結果が得られる可能性も高くなります。
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