2022年06月06日更新
介護業界のM&A事例51選!動向やメリット、案件一覧も徹底紹介【2022年最新版】
超高齢社会となった現在の日本では、介護需要が高まっており、それに比例して介護業界におけるM&Aの件数が増加しています。そこでこの記事では、介護業界M&Aの事例を確認しながらメリットやポイントを分析し、売却案件情報なども紹介します。
目次
1. 介護業界の現状とM&A動向
老人ホームやホームヘルパーなど、高齢者・障がい者の生活をサポートする介護業界は、人口の高齢化により今後も需要が高まっていく分野です。まずは、介護業界とそのM&A動向を簡単に解説します。
介護業界とは
介護とは、高齢者や障がい者などを対象とした日常生活で必要なサポートをさします。この介護をサービスとして提供する業界が介護業界です。
介護サービスには、自宅に訪問して介護する在宅介護と、老人ホームなどの施設で介護する施設介護に大別されます。
介護業界のサービス
介護業界のサービスは、下記のとおりです。
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 通所
- 短期入所介護
- 訪問介護
民間企業で多いのが、有料老人ホームになります。有料老人ホームは介護付・住宅型・健康型があり、開設には都道府県などへの届出が必要です。特に介護付有料老人ホームの運営は、都道府県からの事業者指定がいります。
介護業界は規制産業です。一人当たりの面積や人員配置、運営などが、労働福祉法や介護保険法などの法律で決まっています。
介護サービスを提供するには、一定水準の設備も整えなければなりません。各自治体が指針を定め、基準を満たさなければ事業の運営は不可能です。施設や設備は、設置届を提出しなければなりません。
介護業界の現状
介護業界は、高齢化の進展によって利用者が急激に増えている現状です。つまり、需要がかなり速いペースで増えています。
厚生労働省による「介護分野をめぐる状況について」を見ると、介護保険制度は制度が設けられてから20年が経過し、65歳以上の被保険者数が約1.6倍に増える中、 サービスの利用者数が約3.3倍に増えている状況です。
高齢者人口は、今後も着実に増加し、団塊の世代が高齢者となる頃には介護サービスの需要はかなり拡大しているでしょう。
一方で、介護業界の供給側である企業の数も増えていますが、介護業界は従業員の低賃金問題など、問題を抱えている業界です。補助金などが政府から注入されているものの、完全な解決には至っていません。
したがって、介護業界は常に供給側である企業が不足し、供給側の企業も再編を繰り返しています。
介護業界のM&A最新動向
現在、超高齢社会となった日本では介護事業の需要が高まり、M&A件数も増加中です。特に近年は、他業種から参入する件数が増え、業界構造は今後もダイナミックに変化していくでしょう。
介護業界は成長産業であるため、異業種からの参入が今後も盛んに行われると予想されます。しかし、一から介護業界に参入するのは難しいため、大資本を持つ企業がすでに介護業界で事業を展開している企業をM&Aによって取得するケースが増えているでしょう。
中でも、有料老人ホームは総量規制で新規開設が難しく、既存の老人ホームにおける売却案件は人気が高いといえます。
介護業界の今後を占うポイント
介護業界は今後も高い需要が見込まれる業界です。M&Aも活発に行われていくと予想されます。介護業界の構造が今後どのようになるかは未確定の部分もありますが、今後を占うポイントとして考えられるのは以下の2点です。
【介護業界の今後を占うポイント】
- 海外へのM&Aを行う介護サービス企業
- 介護の事業領域を切り替えるM&A
海外へのM&Aを行う介護サービス企業
介護業界は、国内需要が頭打ちではありませんが、一早く中国など海外への進出を目指している介護サービス企業も見られます。
海外では、充実した介護サービスが整っていない地域が多いので、そういった地域で地盤を築けば、大きな事業拡大を達成できる可能性があるでしょう。
なお、国内企業が海外企業との間で行うM&Aを、クロスボーダーM&Aといいます。
介護の事業領域を切り替えるM&A
一口に介護業界といっても、在宅サービスか施設サービスかで必要な経営資源は異なります。同じ施設サービスでも、有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅など種類は豊富です。
在宅サービス・施設サービス両方を運営している企業が、どちらかを売却して資源を集中させたり、施設サービスの企業が施設を売却した資金で在宅サービスに進出したりしています。
介護の事業領域を切り替えるM&Aの件数も、今後増えるでしょう。
2. 介護業界でM&Aを行うメリット
介護業界のM&A事例を見る前に、そのメリットを考えてみましょう。売り手と買い手では立場が異なるので、それぞれに分けてM&Aのメリットを確認します。
売り手のメリット
介護業界のM&Aで売り手に考えられる主なメリットは、以下です。
- 後継者問題の解決
- 廃業の回避
- 従業員の雇用継続
- 個人保証・担保の解消
- 売却益の獲得
- 経営の安定・拡大
後継者不足や経営悪化などを理由に、廃業の危機にある中小企業は少なくありません。M&Aで事業譲渡・株式譲渡が実現すれば、廃業は回避され、買い手が新たな経営者(後継者)となって事業承継が可能です。
同時に、解雇の危機にあった従業員の雇用も守られるでしょう。株式譲渡の場合、会社の負債は買い手に引き継がれます。したがって、経営者が行っていた融資における個人保証や差し入れていた担保は解消されるでしょう。売却益を獲得できるので、新たな事業資金や老後の生活資金などに活用できます。
会社が大手企業の傘下となった場合、その知名度や資金力を背景に経営は安定するでしょう。グループ会社との協業によってシナジー効果の創出・発揮も考えられます。業績拡大の可能性は、非常に高まっています。
買い手のメリット
介護業界のM&Aにおける買い手側の主なメリットは、以下のとおりです。買い手側は、同業者の場合もあれば異業種の場合もあるので、該当するメリットは表示で区別しています。
- 弱点サービスの補強(同業者)
- 人材・拠点の確保(同業者・異業種)
- エリアシェアの拡大・獲得(同業者・異業種)
- 業績拡大(同業種)
- 簡易に新規参入(異業種)
介護業界の同業者である場合、弱点サービスや人材不足を補えることは第一のメリットでしょう。売り手が未進出エリアの企業なら新エリアへの進出がメリットで、既存エリアの企業なら同一エリアにおけるシェア拡大が瞬時に実現します。
それらは業績拡大に直結し、シナジー効果により新たなサービス創出の可能性も考えられるでしょう。
買い手が異業種の場合、第一のメリットは、安全に時間をかけることなく新規参入ができる点です。介護事業は、総量規制や許認可の問題があるため、他の業種よりも新規参入の難易度が高く、M&Aはそれを克服できる経営戦略となります。
3. 介護業界のM&A成功事例51選!【2022年最新版】
この章では、介護業界のM&A事例を、買い手・売り手双方が介護関連企業である業界内再編と、異業種からの参入となるM&Aとに分けて見ていきましょう。
介護業界内の再編M&A事例29選
まずは、買い手・売り手双方が介護関連企業である、業界内再編となるM&A事例を掲示します。こちらの件数は29件です。
【介護業界内再編M&A事例】
- ニチイ学館による西日本ヘルスケアのM&A
- グッドタイムリビングによる舞浜倶楽部のM&A
- フレアスによるスカイハートのM&A
- SOMPOケアによる東京建物シニアライフサポートのM&A
- ユニマット リタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフのM&A
- ケアサービスと広域社会福祉会とのM&A
- ケアサービスによるひだまりのM&A
- 幸和製作所によるパムックとあっぷるのM&A
- ソラストによるオールライフメイトのM&A
- global bridge HOLDINGSによるYUANのM&A
- ユニマット リタイアメント・コミュニティによるホームストライク湘南のM&A
- ソラストによる日本ケアリンクのM&A
- ソラストによるベストケアのM&A
- セントケア・ホールディングによるミレニアのM&A
- リゾートトラストによるアクティバのM&A
- ソラストによる住センターのM&A
- ヘルスケア・キャピタルが子会社株式をまんぼうに譲渡
- メディカル一光によるウェルフェアーのM&A
- アジア開発キャピタルと中国和禾投資の共同出資で介護事業会社設立
- カーライル・グループによるソラストの株式売却
- 熊本県の住宅型有料老人ホームのM&A
- 東京都のグループホーム運営会社のM&A
- 大阪府の福祉用具レンタル事業のM&A
- 大阪府のデイサービス運営会社のM&A
- 東京都のグループホームの譲渡
- 大阪府の福祉用具レンタル事業の売却
- 埼玉県の老人ホーム事業の売却
- 大阪府のデイサービス運営会社の譲渡
- 千葉県のグループホームの事業譲渡
①ニチイ学館による西日本ヘルスケアのM&A
2021年7月、ニチイ学館は、西日本ヘルスケアの株式を100%取得して子会社化しました。
ニチイ学館は、医療関連事業・介護事業・保育事業を中心に、サービスの展開を通して、社会課題の解決をしている企業です。多様な事業を展開しているのがニチイ学館の特徴です。
一方、西日本ヘルスケアは、2021年4月に設立された企業で、資本金は1,000万円、介護事業を展開しています。もともと、西日本ヘルスケアは、LeTechで介護事業を展開する事業会社でした。
LeTechの完全子会社として事業を展開する予定でしたが、ニチイ学館へと事業譲渡されました。 今回の事業譲渡を受けて、西日本ヘルスケアへと社名が変更されています。
西日本ヘルスケアは、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームの設置、運営、管理、介護保険法に基づく介護予防支援事業、居宅介護保険事業を行っています。
これらのノウハウを福祉、介護、医療に関する企画、開発、調査、立案、運営、コンサルティングに生かし、成長につなげる見込みです。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 安定的なサービスの提供と中長期的な成長 |
②グッドタイムリビングによる舞浜倶楽部のM&A
2021年4月、大和証券のグループ企業であるグッドタイムリビングは、介護付有料老人ホームなどを運営している舞浜倶楽部の買収に成功しました。
昨今の介護業界は、高齢者住宅の供給が増加する一方で、働き手が一層減少している現状があります。将来、入居者と家族にとってより良い介護と生活のサービスを提供し続けるためには、新たなシステムや設備への投資が必要です。
そこでグッドタイムリビングが目を付けたのが舞浜倶楽部です。グッドタイムリビングは、2013年から進めてきたICT機器の導入や多職種の人材採用による業務効率化などによって培ってきた介護職の専門性を、舞浜倶楽部の安定経営に生かせると判断して、今回の事業引受に至りました。
今後は、両企業におけるさらなるサービスの充実を目指します。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 非公開 |
取得理由 | サービスの向上 |
③フレアスによるスカイハートのM&A
2021年3月、在宅マッサージサービスや訪問看護、介護事業を展開しているフレアスは、千葉県千葉市を中心に、居宅介護支援事業および訪問介護事業を行うスカイハートの株式を取得して100%子会社化するのに成功しました。
スカイハートは、当時、売上高2,810万円、営業利益△94万7,000円、純資産84万5,000円の財政状態・経営成績でした。
この事業引受によって、フレアスは、スカイハートの既存取引先に対する在宅マッサージとの複合サービスを開始しています。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 550万円 |
取得理由 | 千葉県における居宅介護支援事業と訪問介護事業への参入 |
④SOMPOケアによる東京建物シニアライフサポートのM&A
2020年12月、SOMPOケアは、東京建物シニアライフサポートの株式を100%取得して子会社化しました。
SOMPOケアは、この取得によって、サービスラインアップの拡充による介護オペレーターとしてのさらなる成長、地域における介護、看護、医療の連携強化による持続可能なサービス提供体制の確保を図ります。
老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、在宅サービスまで幅広く提供している東京建物シニアライフサポートは、東京都・神奈川県・埼玉県で、19施設を運営していました。
SOMPOケアが戦略的に重要視している地域と合致しており、多くの施設が好立地で入居率も高いため買収を決めています。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 非公開 |
取得理由 | 介護 サービス品質の向上や組織運営の効率化 |
⑤ユニマットリタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフのM&A
2020年12月、デイサービス、ショートステイ、グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などを中心に、全国で309拠点、640事業所の運営を行っているユニマットリタイアメント・コミュニティは、アメニティーライフの株式を全株取得しました。
今回、買収したアメニティーライフは、東京都八王子市で近隣の協力医療機関と連携を図りながら、緑豊かな八王子郊外で高齢者が健康を維持し快適なシニアライフを実現する施設として「アメニティーライフ八王子」を運営しています。介護の質を高く保つため職場環境の整備や介護人材の育成にも尽力している会社です。
ユニマットリタイアメントは、東京都八王子市にある既存拠点との職場環境づくりや介護人材の育成におけるノウハウの共有を含めたシナジー効果が期待できるとして、今回の買収に踏み切りました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | サービスの向上 |
⑥ケアサービスと広域社会福祉会とのM&A
2020年11月、東京23区を中心に訪問介護事業や福祉用具貸与・販売、エンゼルケア(湯灌・メイク)サービスなどを行っているケアサービスは、東京都大田区で居宅介護支援・訪問介護事業を行う広域社会福祉会から、事業を譲受しました。
広域社会福祉会は、同エリアにおいて蒲田事業所と西蒲田事業所の2事務所を有しており、該当地域における市場シェア拡大が目的のM&Aとなっています。
M&A手法 | 事業譲渡 |
取得価額 | 500万円 |
取得理由 | 東京都大田区における事業強化 |
⑦ケアサービスによるひだまりのM&A
東京都内で在宅ケアサービスなどを展開するケアサービスは、2019年7月に東京都江東区で居宅介護支援事業と訪問介護事業を展開するひだまりの全株式を取得し、完全子会社化を決定しました。
取得価額は非公開で、江東区周辺の事業強化が目的です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 東京都江東区周辺の事業強化 |
⑧幸和製作所によるパムックとあっぷるのM&A
福祉介護用品の製造販売業を営む幸和製作所は、2019年2月にデイサービスや福祉用具のレンタル業を営む、パムックとあっぷるの株式を取得し子会社化しました。
取得価額は非公表で、市場ニーズの吸い上げによる開発力向上が目的です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 市場ニーズの吸い上げによる開発力向上 |
⑨ソラストによるオールライフメイトのM&A
医療・介護関連事業を幅広く営むソラストは、2018年12月に東京都内で有料老人ホームを運営するオールライフメイトの全株式を取得し完全子会社化しました。
施設系サービスと住宅系サービスの連携で、地域トータルケアを充実させるのが目的です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 約10億円 |
取得理由 | 地域トータルケアの充実 |
⑩global bridge HOLDINGSによるYUANのM&A
介護・福祉事業などを営むglobal bridge HOLDINGSは、2018年11月に大阪市内で介護施設を運営するYUANの株式を取得し、子会社化しました。
事業展開の充実が取得理由で、取得価額は非公表です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 事業展開の充実 |
⑪ユニマットリタイアメント・コミュニティによるホームストライク湘南のM&A
介護事業などを営むユニマットリタイアメント・コミュニティは、2018年11月に神奈川県茅ケ崎市でグループホームを運営するホームストライク湘南の全株式を取得し完全子会社化しました。
子会社化による両社のシナジー効果が取得理由で、取得価額は非公表です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | シナジー効果 |
⑫ソラストによる日本ケアリンクのM&A
医療・介護関連事業を営むソラストは、2017年10月に介護サービス事業を営む日本ケアリンクと株式譲渡契約を締結しました。関東圏の事業拡大が取得理由で、取得価額は約20億円です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 約20億円 |
取得理由 | 介護事業の拡大 |
⑬ソラストによるベストケアのM&A
ソラストは、2017年9月に、関東・関西・愛媛で介護サービス事業を展開するベストケアと株式譲渡契約を締結して子会社化しました。事業の拡大が目的で、取得価額は約33億円です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 約33億円 |
取得理由 | 事業拡大 |
⑭セントケア・ホールディングによるミレニアのM&A
介護事業などを営むセントケア・ホールディングは、2017年4月に東京都内で訪問介護事業を営むミレニアの全株式を取得し、完全子会社化しました。
連携やノウハウの共有によるシナジー効果が目的で、取得価額は1,480万円です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 1,480万円 |
取得理由 | シナジー効果 |
⑮リゾートトラストによるアクティバのM&A
リゾートトラストは、2017年2月に介護付き有料老人ホーム「アクティバ琵琶」を運営するアクティバの全株式を親会社から取得し、事業承継を決定しました。シニアライフ事業の拡大が目的で、取得価額は非公表です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | シニアライフ事業の拡大 |
⑯ソラストによる住センターのM&A
ソラストは、2016年11月に神奈川県でデイサービス事業を営む住センターと株式譲渡契約を締結し、全株式を取得して完全子会社化しました。神奈川県での事業拡大が目的で、取得価額は1億8,500万円です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 1億8,500万円 |
取得理由 | 神奈川県での事業拡大 |
⑰ヘルスケア・キャピタルが子会社株式をまんぼうに譲渡
2016年10月、メディカル一光の子会社であるヘルスケア・キャピタルは、保有していたさつきの全株式をまんぼうへ譲渡すると発表しました。ヘルスケア事業の選択と集中が目的です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 事業の選択と集中 |
⑱メディカル一光によるウェルフェアーのM&A
ヘルスケアや医薬品事業を営むメディカル一光は、2016年8月に関西・広島でグループホームや介護事業を営むウェルフェアーと株式譲渡契約を締結し、全株式を取得して完全子会社化しました。
ヘルスケア事業の拡大が目的で、取得価額は非公表です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 事業拡大 |
⑲アジア開発キャピタルと中国和禾投資の共同出資で介護事業会社設立
アジア開発キャピタルは、2016年8月に中国和禾投資との共同出資で新会社を設立しました。中国における介護事業の拡大などが目的で、新会社の資本金は5,000万円です。
M&A手法 | 共同出資による新会社設立 |
理由 | 中国における介護事業の展開 |
⑳カーライル・グループによるソラストの株式売却
投資会社のカーライル・グループは、2016年6月に介護・医療関連事業を営むソラストの株式を売却しました。
ソラストは東証一部上場を目指して、MBOでいったん上場廃止しカーライル・グループと連携していましたが、上場を達成したのでカーライル・グループは株式を売却しています。
M&A手法 | 株式売却 |
売却株数 | 1,131万株 |
売却理由 | ソラストの再上場達成 |
㉑熊本県の住宅型有料老人ホームのM&A
熊本県で住宅型有料老人ホーム2棟を運営する介護業者の譲渡事例です。事業の選択と集中が目的で、売却価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は主力事業のための資金を獲得し、買い手は介護事業を拡大できました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 事業の選択と集中 |
㉒東京都のグループホーム運営会社のM&A
東京都のグループホーム運営会社における売却事例です。経営者の高齢による体調不良が売却理由で、売却価額は非公表です。
このM&Aにより、売り手は会社を廃業せずに引退でき、買い手は総量規制で新規開設が難しい都内の介護施設を獲得できました。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 経営者の体調不良による事業承継 |
㉓大阪府の福祉用具レンタル事業のM&A
大阪府の福祉用具レンタル事業における売却事例です。事業の選択と集中が売却目的で、売却価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は介護施設の運営に集中でき、買い手は福祉用具レンタル事業のシェア拡大に成功しました。
M&A手法 | 吸収分割 |
売却価額 | 非公表 |
売却理由 | 事業の選択と集中 |
㉔大阪府のデイサービス運営会社のM&A
大阪府のデイサービス運営会社における譲渡事例です。後継者不在が譲渡理由で、売却価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は創業者利益を得て引退でき、買い手は大阪へ事業を拡大できました。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 後継者不在による事業承継 |
㉕東京都のグループホームの譲渡
東京都のグループホームにおける譲渡事例です。資金繰りの改善が譲渡理由で、譲渡価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は資金繰りを改善でき、買い手は新しい拠点を得て事業を拡大できました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 資金繰りの改善 |
㉖神奈川県の老人ホームの事業譲渡
神奈川県の老人ホームにおける譲渡事例です。事業の選択と集中が譲渡理由で、譲渡価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は別事業のための資金を獲得し、買い手は介護施設と従業員を獲得できました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 事業の選択と集中 |
㉗埼玉県の老人ホーム事業の売却
埼玉県の老人ホーム事業における売却事例です。事業の選択と集中が売却理由で、売却価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は在宅介護事業の資金を獲得し、買い手は首都圏への事業進出ができました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
売却価額 | 非公表 |
売却理由 | 事業の選択と集中 |
㉘愛知県のグループホーム運営会社の株式譲渡
愛知県のグループホーム運営会社における譲渡事例です。長期安定的な会社の存続が譲渡理由で、譲渡価額は非公表です。このM&Aによって、売り手は大手グループの傘下に入り、買い手は拠点を増加できました。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 長期安定的な会社の存続 |
㉙千葉県のグループホームの事業譲渡
千葉県のグループホームにおける事業譲渡事例です。健康問題が譲渡理由で、譲渡価額は非公表です。このM&Aにより、売り手は経営の負担から解放されセミリタイアでき、買い手は事業の拡大ができました。
M&A手法 | 事業譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
譲渡理由 | 健康問題による事業承継 |
介護業界による異業種へのM&A事例5選
ここからは、介護業界の企業と異業種の企業における協業事例を5つ見ていきましょう。異業種の技術を介護業界で活用しようと、大きな資本力を持つ企業が介護業界へ参入しています。
①ベネッセHDによるプロトメディカルケアのM&A
2021年5月、ベネッセホールディングスがプロトメディカルケアを買収しました。ベネッセHDは、その傘下に介護事業を営む介護大手のベネッセスタイルケアを有し、今回の買収によってさらに介護事業を伸ばす戦略です。
プロメディカルケアは、介護サービス事業者のガイドブックである「ハートページ」を発行しており、多くの自治体介護保険窓口に同書が設置されるなど、高い知名度があります。
介護・医療の求人サイト「介護求人ナビ」、高齢者施設検索サイト「オアシスナビ」の運営も手掛けています。
プロメディカルケアは、情報誌・WEBサイトの広告掲載料以外に、福祉用具貸与・販売事業の規模も拡大させ、売上の半分に迫るまで成長していました。
今回の買収を通じて、ベネッセHDは介護事業で利用者の視点に立ったサービスの運営を追求するとともに、新規の介護施設やサービス展開エリアの拡大、人材サービスの拡大を図ります。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 42億5,000万円 |
取得理由 | 介護事業の強化 |
②SOMPOホールディングスによるABEJAとの資本業務提携
2021年4月、産業界のデジタルトランスフォーメーションをAIと人の協調により実現するABEJAは、介護業界大手であるSOMPOホールディングスと資本業務提携を結びました。
ABEJAは、2020年からSOMPOホールディングスの介護・ヘルスケア事業、国内損害保険事業領域において、データ解析や機械学習を活用した予測モデルの構築、共同事業開発などを担ってきた経緯があります。
SOMPOホールディングスが取り組むDX人材の育成や採用などでも協業を進めており、今後もその方向性で協力関係を築きたいSOMPOホールディングスが、資本業務提携を決めた形で合意となりました。
M&A手法 | 株式譲渡(一部) |
出資額 | 非公表 |
取得理由 | DXの推進 |
③揚工舎によるケア・フレンドのM&A
揚工舎は、有料老人ホーム・デイサービス・居宅介護支援・訪問介護・福祉用具貸与・販売といった介護サービス事業や介護資格取得のための教育事業、ならびに介護人材の紹介を行っている企業です。
さらなる派遣事業の充実と拡大を進めるために、福祉用具貸与・販売事業を手掛けるケア・フレンドを2021年3月に同社の株式を100%引き受けて買収しました。
これにより、揚工舎におけるさらなるサービスの充実を図っています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 事業の多角化 |
④三菱電機によるZ-Worksへの出資
2020年11月、電機メーカー大手の三菱電機は、高齢者向けヘルステック事業を加速させるため、独自のセンサー技術とIoTプラットフォームで介護分野の課題解決を行っているスタートアップ企業のZ-Worksに出資しました。
この出資によって、Z-Worksは新製品や新技術の開発を加速させます。2015年に設立された比較的若い企業ですが、大型の資金調達を成功させました。
三菱電機は、センシングデバイスの共同開発やクラウド上でのデータ連携、高齢者向け介護支援サービスの販売協力などを図ります。
M&A手法 | 株式取得(一部) |
出資額 | 非公表 |
取得理由 | 事業活動の強化 |
⑤チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドパートナーズのM&A
チャーム・ケア・コーポレーションは、2005年春に介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)を開設して以来、近畿圏・首都圏で59ホーム、4,002室を運営している企業です。
チャーム・ケア・コーポレーションは2020年5月に、グッドパートナーズの株式を取得して子会社化することに成功しました。
グッドパートナーズは、首都圏において介護施設などへ介護スタッフの人材派遣・人材紹介、訪問看護事業、特定技能の外国人人材紹介、外国人留学生の支援などを行っている企業です。
今回の株式取得によって、相互に協力関係を構築し、さらなる事業の展開を図ります。
M&A手法 | 株式取得 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 事業の強化 |
異業種による介護業界へのM&A事例10選
続いて、主に異業種の買い手が介護業界に新規参入するM&A事例を紹介します。こちらの件数は10件です。
異業種からのM&A事例は業界内再編に比べると件数は少ないですが、それでも他の業界に比べると活発で、介護事業の重要性を認識している企業の多さがうかがえます。
【異業種からの介護業界M&A事例】
- ぐんま地域共創パートナーズの運営ファンドによるエフビー介護サービスへの出資
- 出光興産によるQLCプロデュースのM&A
- 東洋商事による介護サポートサービスのM&A
- リゾートトラストによるボンセジュールグランとシニアライフカンパニーのM&A
- 大和ハウス工業によるシダーのM&A
- 学研ホールディングスによるメディカル・ケア・サービスのM&A
- 綜合警備保障によるケアプラスのM&A
- ココカラファインによる愛安住のM&A
- 京進によるシンセリティグループのM&A
- 名古屋鉄道とインターネットインフィニティーの合弁会社設立
①ぐんま地域共創パートナーズの運営ファンドによるエフビー介護サービスへの出資
2021年3月、群馬銀行とぐんま地域共創パートナーズは、ぐんま地域共創パートナーズが運営する2つのファンドを通じて、エフビー介護サービスに出資しました。
エフビー介護サービスは、長野県を中心に群馬・埼玉・栃木・新潟の各県で福祉用具レンタル事業や介護事業を展開している企業です。堅調な業績で徐々に売上規模を拡大してきました。
エフビー介護サービスは、今回、増資を行って財務・経営基盤の強化を図り、地域に密着した介護サービスをワンストップで提供できる体制のさらなる充実を目指しています。
M&A手法 | 出資 |
出資額 | 13.6億円 |
出資理由 | 投資 |
②出光興産によるQLCプロデュースのM&A
2021年1月、出光興産は、介護事業を包括的に連携・サポートする仕組みづくりに取り組むQLCプロデュースの株式を取得しました。
QLCプロデュースは、「Let's倶楽部」「ブリッジライフ」といったブランド名でデイサービスを164店舗展開する企業です。
今回の株式取得によって、出光興産は地域に根差した経営を行う系列特約販売店の強みを生かした新規事業の1つとして、介護ビジネスに参入しました。
QLCプロデュースが持つ介護事業に関する各種ノウハウを融合し、自立支援型デイサービスの直営やフランチャイズによる店舗展開を図り、新たな介護保険適用事業への参入や介護保険適用外における高齢者向けサービスの開発を目指しています。
M&A手法 | 株式取得 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 新規事業への参入 |
③東洋商事による介護サポートサービスのM&A
2019年12月、業務用食品商社である東洋商事は、サービス付き高齢者住宅の運営事業を手掛ける介護サポートサービスを取得しました。
介護サポートサービスは、もともと小僧寿しの子会社で、今回、東洋商事は事業譲渡によって事業を引き受けています。小僧寿しは、今回の事業譲渡は、「持ち帰り寿し事業」と「デリバリー事業」に経営資源を集中するためと説明しています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 経営資源の集中 |
④リゾートトラストによるシニアライフカンパニーのM&A
2019年9月、総合リゾート企業であるリゾートトラストの100%子会社であるトラストガーデンは、有料老人ホームを経営するシニアライフカンパニーの全株式を取得し、完全子会社化しました。
リゾートトラストグループは、リゾートホテル事業などで培った経営資源を生かし、老人ホームや高齢者向け住宅を運営するシニアライフ事業を推進しており、今回の買収もその一環です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | シニアライフ事業の推進 |
⑤大和ハウス工業によるシダーのM&A
住宅総合メーカーのダイワハウス工業は、2019年3月にリハビリを中心とした介護専門会社であるシダーの株式5%を新たに取得し、合計8%を所有する第3位株主となりました。
シダーはSOMPOホールディングスとの提携解消に伴い、売却された株式の一部を大和ハウスに買い取ってもらう意図で、大和ハウス工業はシダーとの関係強化と取引拡大を狙っています。
M&A手法 | 株式取得 |
取得価額 | 非公表 |
取得理由 | 関係強化・取引拡大 |
⑥学研ホールディングスによるメディカル・ケア・サービスのM&A
教育サービスや介護施設運営などを営む学研ホールディングスは、2018年9月に老人ホーム経営などを営むメディカル・ケア・サービスの株式を取得し子会社化しました。
このM&Aは日本政策投資銀行との共同投資で行われ、取得価額は約90億円です。介護に関するノウハウや施設を相互に連携させるとともに、認知症対策の社会課題解決に向け注力する意向です。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 約90億円 |
取得理由 | ノウハウや施設の連携 |
⑦綜合警備保障によるケアプラスのM&A
警備サービス業の綜合警備保障は、2018年6月に訪問医療マッサージ業を手掛けるケアプラスの全株式を取得し完全子会社化しました。
綜合警備保障は近年、高齢者向けサービスに力を入れており、ケアプラス以外にもいくつかの介護関連会社を買収しています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
取得価額 | 約20億円 |
取得理由 | 介護事業会社の獲得 |
⑧ココカラファインによる愛安住のM&A
ドラッグストアの運営などを営むココカラファインは、2017年9月に東海地方で福祉用具のレンタルなどを営む愛安住の全株式を取得し完全子会社化しました。
ココカラファインは「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」を掲げ、介護・福祉関連会社の買収を積極的に行っています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 介護事業ノウハウの獲得 |
⑨京進によるシンセリティグループのM&A
学習塾の運営などを営む京進は、2017年5月に介護関連事業を営むシンセリティグループの全株式を取得し、完全子会社化しました。
東進は、教育事業で得たノウハウを生かした新しい介護サービスを目指し、2017年から介護事業に進出しています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 6億4,200万円 |
取得理由 | 介護事業会社の獲得 |
⑩名古屋鉄道とインターネットインフィニティーの合弁会社設立
愛知・岐阜の私鉄である名古屋鉄道は、2017年6月にリハビリ型デイサービス事業を営むインターネットインフィニティーと業務提携し、名鉄ライフサポートを共同で設立しました。出資比率は名古屋鉄道が90%、インターネットインフィニティーが10%です。
名古屋鉄道は「総合生活サービス事業の展開」を掲げ、東海地方のシニア向けビジネスを積極的に展開しています。
M&A手法 | 共同出資会社の設立 |
資本金 | 1億円 |
取得理由 | シニア向けビジネスの創出・拡大 |
介護関連業界のM&A事例5選
ここでは、介護関連業界のM&Aについて5つの事例を紹介します。介護関連業界でも、近年、盛んにM&Aが行われ、投資ファンドから多額の資金を出資してもらった事例も少なくありません。
①農林中金イノベーションファンドなどによるドクターメイトへの出資
2021年7月、農林中金は、農林中金イノベーションファンドを通じて、介護施設向けに医療相談・夜間オンコール代行を提供するドクターメイトへ出資しました。出資額は1.8億円です(この出資額には、みずほ銀行と商工中金からのデットファイナンスが含まれています)。
ドクターメイトは、医師による遠隔アドバイスや相談対応サービスを提供している企業です。介護施設では、救急車を呼ぶ判断に悩む局面もあります。その場合も医師のアドバイスを受けられるうえ、救急搬送先の医師へ情報の連携などができるでしょう。
超高齢社会を迎え、こうしたサービスは介護事業を充実させるうえで成長の見込みがあると判断し、農林中金は出資に至りました。
M&A手法 | 出資 |
出資額 | 1.8億円 |
出資理由 | 財務基盤の安定とサービスの充実 |
②サイバーエージェント・キャピタルによるメダへの出資
2021年6月、介護書類をクラウド管理するDXプラットフォームを開発するメダが、サイバーエージェント・キャピタルを中心とするファンドから資金調達に成功しました。
テック業界からはサイバーエージェントが、介護業界からは社会福祉法人である一燈会がメダへ出資しています。出資額は非公表です。
M&A手法 | 出資 |
出資額 | 非公表 |
出資理由 | 新製品の開発 |
③栗原医療器械店によるセラピのM&A
北関東および首都圏エリアを中心に営業展開をしている医療機器ディーラーの栗原医療器械店は、2021年1月、新潟県で介護・福祉用具や医療器具の卸売事業およびレンタル事業を展開するセラピを買収(事業承継)しました。
栗原医療器械店は、今回の買収によって、ヘルスケア事業のエリア拡大による市場対応力の強化および高収益体質化などの統合シナジーが見込めるとしています。
M&A手法 | 株式譲渡(事業承継) |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 売上規模の拡大 |
④ブラッククローキャピタルほか2社によるLINKのM&A
2020年10月、ブラッククローキャピタルは、マネックスベンチャーズ、三井住友海上キャピタルとともに、保険外介護支援サービス「イチロウ」を提供するLINKへ出資しました。出資額は公表されていません。
LINKは介護の利用者と提供者である介護士の理解を強みとして、介護に新しい選択肢を作るべく事業に取り組んでおり、今後における事業の成長を見込んで、ブラッククローキャピタルを中心に出資が行われています。
M&A手法 | 出資 |
出資額 | 非公表 |
出資理由 | 投資 |
⑤ワキタによるサンネットワークリブのM&A
2019年2月、ワキタは、介護福祉用品の卸レンタルを展開するサンネットワークリブを100%完全子会社としました。
ワキタは、もともと建機の販売・レンタルを主力事業とする企業ですが、サンネットワークリブを傘下に取り込んで、介護事業に本格参入しています。
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡価額 | 非公表 |
取得理由 | 介護事業への参入 |
介護業界のM&A失敗事例と要因2選
介護業界のM&A成功事例は数多くありますが、失敗事例もあります。ここでは、M&Aの失敗事例と要因を見ていきましょう。
①譲渡価格で折り合いが付かなかった事例
譲渡価格で折り合いが付かなかった事例を紹介します。
訪問介護・訪問看護事業所を運営していたD社は、開業から5年がたち、介護事業の大きな課題である人材不足の点で、将来的な経営に不安を感じていました。B社からM&Aによる事業譲渡を提案され、譲渡を決定しています。
D社とB社はスムーズにM&Aの交渉を進め、事業譲渡の条件が決まりつつありましたが、最終的に譲渡価格で折り合いが付かず、断念せざるを得なくなりました。その後、経営状況が悪化し、廃業となっています。
②買収後に問題が発覚した事例
買収後に問題が発覚した事例です。
C社はデイサービスをはじめとした介護事業所を県内で複数展開しています。隣接する県でも同様にデイサービスを運営するA社から事業譲渡を提案され、譲受を決定しました。
C社とA社はM&Aの交渉を進め、無事に事業譲渡が成立しましたが、買収後、売り手に属する従業員が買い手の雇用条件や運営方針に賛同できず、優秀な従業員が次々と退職する事態となりました。
結果として、買収した介護事業所の運営が難しくなり、C社は休止しています。
4. 介護業界のM&Aで売却を成功させるポイント
介護業界ではM&Aが他の業界と比べて数多く行われていますが、会社売却や事業売却を成功させるためには、どのようにすれば良いのでしょうか。ここからはそのポイントを説明します。
事業の状況を正確に認識する
M&Aを実行する前に、事業の状態をできるだけ正確に把握しなければなりません。事前に状況を把握しなければ、せっかくM&Aを行ってもお互いの良さを生かせず、M&Aが失敗に終わるケースが少なくありません。
施設入居者の属性を考慮する
施設入居者の属性によって、必要となる介護サービスは異なります。認知症の度合いは入居者によって異なり、必要なサービスも異なるでしょう。したがって、事前に施設入居者の属性を考慮して、会社や事業の買収先を決定する必要があります。
建物の所有・メンテナンスを確認する
介護事業は、介護士などの人的資源も重要ですが、装置産業としての一面を持ち合わせていることも忘れてはなりません。
介護事業者がどのような建物を所有し、メンテナンスにどれだけの費用がかかるのかを理解せずに、会社や事業を取得しても意味がありません。それによって、今後の成長度合いやどれくらいの投資が必要なのかがわかります。
早い段階で相談先を見つける
M&Aを行う場合、買い手側であれ、売り手側であれ、自社のリソースだけで対応するのは困難です。したがって、成功するには、早い段階で相談先を見つける必要があります。
早い段階で相談すれば、一口にM&Aといっても、さまざまな選択肢があるのがわかるでしょう。選択肢の中から、会社が成長する戦略と合致する企業を売却先として選んでください。
5. 介護業界のM&Aによる売却希望案件情報
M&A総合研究所は、介護業界のM&A案件も豊富に取り扱っています。その中から案件2件をピックアップしました。
サービス付き高齢者向け住宅事業の譲渡
1つ目は、サービス付き高齢者向け住宅事業の譲渡案件です。
事業概要 | サービス付き高齢者向け住宅3棟(約150室)の運営 |
---|---|
エリア | 中国・四国地方の大都市ターミナル駅近隣 |
売上高 | 2億5,000万〜5億円 |
営業利益 | 非公開 |
譲渡希望価額 | 希望なし |
譲渡理由 | 戦略を見直し、本業に専念するため |
詳細情報は、以下のリンクより確認できます。
老人ホーム・保育園の譲渡
2つ目は、老人ホーム・保育園の譲渡案件です。
事業概要 | 老人ホーム・保育園の運営 |
---|---|
エリア | 近畿地方 |
売上高 | 1億〜2億5,000万円 |
営業利益 | 1,000万〜5,000万円 |
譲渡希望価額 | 2億5,000万〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不足による事業承継 |
詳細情報は、以下のリンクよりご覧いただけます。
6. 介護業界のM&Aにおすすめの仲介会社
M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&Aを主に扱っており、多数の業種で成約実績を有しています。M&A総合研究所では、介護業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが案件を丁寧にフルサポートします。
これまでの実績で培った幅広い情報を駆使し、通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月で成約した実績を有する機動力も強みです。
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7. 介護業界のM&Aまとめ
介護業界のM&Aは、業界内再編だけでなく異業種からの参入も多いです。将来的にも、M&A件数は増えていくと予想されます。海外展開や事業領域の切り替えなども、今後のポイントとなるでしょう。
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