介護業界のM&A事例49選!動向や手数料、メリット、案件一覧も徹底紹介【2021年最新版】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

超高齢社会となった現在の日本では介護需要が高まるばかりであり、それに比して介護業界でのM&A件数も増加中です。そこで、介護業界M&Aの31事例を確認しながらメリットやポイントを分析し、また、仲介手数料や売却案件情報も掲示します。

目次

  1. 介護業界の現状とM&A動向
  2. 介護業界のM&A事例49選!【2021年最新版】
  3. 介護業界でM&Aを行うメリット
  4. 介護業界のM&Aで売却を成功させるポイント
  5. 介護業界におけるM&A仲介会社の手数料
  6. 介護業界のM&Aによる売却希望案件情報
  7. 介護業界のM&Aにおすすめの仲介会社
  8. 介護業界のM&Aまとめ
  • 介護事業のM&A・事業承継

1. 介護業界の現状とM&A動向

老人ホームやホームヘルパーなど、高齢者・障がい者の生活をサポートする介護業界は、社会の高齢化により今後も需要が高まっていく分野です。

まず、介護業界とそのM&A動向について簡単に解説します。

介護業界とは

介護とは、高齢者や障がい者などを対象に日常生活で必要なサポートをすることを指します。この介護をサービスとして提供する業界が介護業界です。

介護サービスには、自宅に訪問して介護する在宅介護と、老人ホームなどの施設で介護する施設介護に大別されます。

介護業界の現状

介護業界においては、高齢化の進展によって利用者が急激に増えているのが現状です。つまり、需要がかなり速いペースで増えていると言えます。高齢者人口は、今後も着実に増加し、団塊の世代が高齢者となる頃には、介護サービスの需要はかなり拡大していると言えるでしょう。

その一方で、介護業界の供給側である企業の数も増えてはいます。しかし、介護業界は、従業員の低賃金などの問題に代表されるように、問題を抱えている業界で、それに対して補助金等が政府から注入されているものの、完全な解決には至っていません。したがって、介護業界は常に供給側である企業が不足していて、供給側の企業も再編を繰り返しています。

介護業界のM&A動向

現在、超高齢社会となった日本では介護事業の需要は高まっており、そのM&A件数も増加中です。特に近年は、他業種から参入する件数が増えており、業界構造は今後もダイナミックに変化していくでしょう。

介護業界は成長産業であるため、異業種からの参入が今後も盛んに行われるのが予想されますが、1から介護業界に参入するのは難しいので、大資本を持つ企業がすでに介護業界で事業を展開している企業をM&Aによって取得するケースが増えています。

そのなかでも、有料老人ホームは総量規制で新規開設が難しいため、既存の老人ホームの売却案件は人気が高くなっています。

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介護業界の今後を占うポイント

介護業界は今後も高い需要が見込まれる業界で、M&Aも活発に行われていくと予想されます。介護業界の構造が今後どうなっていくかは未確定の部分もありますが、今後を占うポイントとして考えられるのは以下の2点です。

【介護業界の今後を占うポイント】

  • 海外へのM&Aを行う介護サービス企業
  • 介護の事業領域を切り替えるM&A

海外へのM&Aを行う介護サービス企業

介護業界は、決して国内需要が頭打ちになっているわけではありませんが、いち早く中国など海外への進出を目指している介護サービス企業も見られます。

海外には日本のように充実した介護サービスが整っていない地域も多いので、そういった地域で地盤を築けば、大きな事業拡大を達成できる可能性もあるでしょう。

なお、国内企業が海外企業との間で行うM&Aを、特にクロスボーダーM&Aといいます。

介護の事業領域を切り替えるM&A

一口に介護業界といっても、在宅サービスか施設サービスかで必要な経営資源は異なります。また、同じ施設サービスでも、有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅など種類は豊富です。

在宅サービス・施設サービス両方を運営している企業が、どちらかを売却して資源を集中させたり、施設サービスの企業が、施設を売却した資金で在宅サービスに進出したりと、介護の事業領域を切り替えるM&Aの件数も今後さらに増えていくと考えられます。

2. 介護業界のM&A事例49選!【2021年最新版】

この章では、介護業界のM&A事例について、買い手・売り手双方が介護関連企業である業界内再編と、異業種からの参入となるM&Aとに分け、合計件数29事例を掲示します。

介護業界内の再編M&A事例29選

まずは、買い手・売り手双方が介護関連企業である、業界内再編となるM&A事例を掲示します。こちらの件数は29件です。

【介護業界内再編M&A事例】

  1. ニチイ学館による西日本ヘルスケアのM&A
  2. フレアスによるスカイハートのM&A
  3. グッドタイムリビングによる舞浜倶楽部のM&A
  4. SOMPOケアによる東京建物シニアライフサポートのM&A
  5. ユニマット リタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフのM&A
  6. ケアサービスと広域社会福祉会とのM&A
  7. ケアサービスによるひだまりのM&A
  8. 幸和製作所によるパムックとあっぷるのM&A
  9. ソラストによるオールライフメイトのM&A
  10. global bridge HOLDINGSによるYUANのM&A
  11. ユニマット リタイアメント・コミュニティによるホームストライク湘南のM&A
  12. ソラストによる日本ケアリンクのM&A
  13. ソラストによるベストケアのM&A
  14. セントケア・ホールディングによるミレニアのM&A
  15. リゾートトラストによるアクティバのM&A
  16. ソラストによる住センターのM&A
  17. ヘルスケア・キャピタルが子会社株式をまんぼうに譲渡
  18. メディカル一光によるウェルフェアーのM&A
  19. アジア開発キャピタルと中国和禾投資の共同出資で介護事業会社設立
  20. カーライル・グループによるソラストの株式売却
  21. 熊本県の住宅型有料老人ホームのM&A
  22. 東京都のグループホーム運営会社のM&A
  23. 大阪府の福祉用具レンタル事業のM&A
  24. 大阪府のデイサービス運営会社のM&A
  25. 東京都のグループホームの譲渡
  26. 大阪府の福祉用具レンタル事業の売却
  27. 埼玉県の老人ホーム事業の売却
  28. 大阪府のデイサービス運営会社の譲渡
  29. 千葉県のグループホームの事業譲渡

①ニチイ学館による西日本ヘルスケアのM&A

2021年7月、ニチイ学館は、西日本ヘルスケアの株式を100%取得して子会社化しました。ニチイ学館は、医療関連事業・介護事業・保育事業を中心に、社会生活になくてはならないサービスの展開を通じて、社会課題の解決している企業です。多様な事業を展開しているのがニチイ学館の特徴となっています。

一方、西日本ヘルスケアは、2021年4月に設立された企業で、資本金は1,000万円、介護事業を展開しています。もともと、西日本ヘルスケアは、LeTechという会社で介護事業を展開する事業会社でした。LeTechの完全子会社として事業を展開する予定ではあったものの、ニチイ学館へと事業譲渡されたのです。 今回の事業譲渡を受けて、西日本ヘルスケアへと社名が変更されています。

西日本ヘルスケアは、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームの設置、運営、管理、介護保険法に基づく介護予防支援事業、居宅介護保険事業を行っており、これらのノウハウを福祉、介護、医療に関する企画、開発、調査、立案、運営、コンサルティングに生かして成長に繋げています。

M&A手法 事業譲渡
取得価額 非公表
取得理由 安定的なサービスの提供と中長期的な成長

②フレアスによるスカイハートのM&A

2021年3月、在宅マッサージサービスや訪問看護、介護事業を展開しているフレアスは、千葉県千葉市を中心に、居宅介護支援事業及び訪問介護事業を行うスカイハートの株式を取得して100%子会社化するのに成功しました。

スカイハートは、当時、売上高2810万円、営業利益△94万7000円、純資産84万5000円という財政状態・経営成績でした。

この事業引受によって、フレアスは、スカイハートの既存の取引先への在宅マッサージとの複合サービスを開始しています。
 

M&A手法 事業譲渡
取得価額 550万円
取得理由 千葉県における居宅介護支援事業と訪問介護事業への参入

③グッドタイムリビングによる舞浜倶楽部のM&A

2021年4月、大和証券のグループ企業であるグッドタイムリビングは、介護付有料老人ホームなどを運営している舞浜倶楽部を買収するのに成功しました。

昨今の介護業界においては、高齢者の住宅の供給が増加する一方で、働き手が一層減少している現状があります。そのため、将来において、入居者と家族にとってより良い介護と生活のサービスを提供し続けるためには、新たなシステムや設備への投資が必要です。そこでグッドタイムリビングが目を付けたのが舞浜倶楽部です。
 
グッドタイムリビングは、2013年から進めてきたICT機器の導入や多職種の人材採用による業務効率化などによって培ってきた介護職の専門性を、舞浜倶楽部の安定経営に活かせると判断して、今回の事業引受に至りました。

今後は、両企業のさらなるサービスの充実を目指します。
 

M&A手法 事業譲渡
取得価額 非公開
取得理由 サービスの向上

④SOMPOケアによる東京建物シニアライフサポートのM&A

2020年12月、SOMPOケアは、東京建物シニアライフサポートの株式を100%取得して子会社化しています。SOMPOケアは、この取得によって、サービスラインナップの拡充による介護オペレーターとしてのさらなる成長、地域における介護、看護、医療の連携強化による持続可能なサービス提供体制の確保を図るとしています。

老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、在宅サービスまで幅広く提供している東京建物シニアライフサポートは、東京都・神奈川県・埼玉県において、19施設を運営していて、SOMPOケアが戦略的に重要視している地域と合致していて、多くの施設が好立地で入居率も高いため買収を決めました。
 

M&A手法 事業譲渡
取得価額 非公開
取得理由 介護 サービス品質の向上や組織運営の効率化

⑤ユニマットリタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフのM&A

2020年12月、デイサービス、ショートステイ、グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等を中心に、全国で309拠点、640事業所の運営を行っているユニマットリタイアメント・コミュニティは、アメニティーライフの株式を全株取得しました。

今回、買収したアメニティライフは、東京都八王子市において、近隣の協力医療機関と連携を図りながら、緑豊かな八王子郊外で高齢者が健康を維持し快適なシニアライフを実現する施設として「アメニティーライフ八王子」を運営するなど、介護の質を高く保つため職場環境の整備や介護人材の育成にも尽力しています。

ユニマットリタイアメントは、東京都八王子市にある既存拠点との職場環境づくりや介護人材の育成におけるノウハウの共有を含めたシナジー効果が期待できるとして、今回の買収に踏み切りました。
 

M&A手法 事業譲渡
取得価額 非公表
取得理由 サービスの向上

⑥ケアサービスと広域社会福祉会とのM&A

2020(令和2)年11月、東京23区を中心に訪問介護事業や福祉用具貸与・販売、エンゼルケア(湯灌・メイク)サービスなどを行っているケアサービスは、東京都大田区で居宅介護支援・訪問介護事業を行う広域社会福祉会から、その事業を譲受しました。

広域社会福祉会は、同エリアにおいて蒲田事業所と西蒲田事業所の2事務所を有しており、該当地域における市場シェア拡大が目的のM&Aです。
 

M&A手法 事業譲渡
取得価額 500万円
取得理由 東京都大田区における事業強化

⑦ケアサービスによるひだまりのM&A

東京都内で在宅ケアサービスなどを展開するケアサービスは、2019(令和元)年7月に東京都江東区で居宅介護支援事業と訪問介護事業を展開するひだまりの全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。

取得価格は非公開で、江東区周辺の事業強化が目的となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 東京都江東区周辺の事業強化

⑧幸和製作所によるパムックとあっぷるのM&A

福祉介護用品の製造販売業を営む幸和製作所は、2019(平成31)年2月にデイサービスや福祉用具のレンタル業を営む、パムックとあっぷるの株式を取得し子会社化しました。取得価格は非公表で、市場ニーズの吸い上げによる開発力向上が目的となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 市場ニーズの吸い上げによる開発力向上

⑨ソラストによるオールライフメイトのM&A

医療・介護関連事業を幅広く営むソラストは、2018(平成30)年12月に東京都内で有料老人ホームを運営するオールライフメイトの全株式を取得し完全子会社化しました。

施設系サービスと住宅系サービスが連携することで、地域トータルケアを充実させるのが目的となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 約10億円
取得理由 地域トータルケアの充実

⑩global bridge HOLDINGSによるYUANのM&A

介護・福祉事業などを営むglobal bridge HOLDINGSは、2018年11月に大阪市内で介護施設を運営するYUANの株式を取得し、子会社化しました。事業展開の充実が取得理由で、取得価額は非公表となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 事業展開の充実

⑪ユニマットリタイアメント・コミュニティによるホームストライク湘南のM&A

介護事業などを営むユニマットリタイアメント・コミュニティは、2018年11月に神奈川県茅ケ崎市でグループホームを運営するホームストライク湘南の全株式を取得し完全子会社化しました。

子会社化による両社のシナジー効果が取得理由で、取得価額は非公表となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 シナジー効果

⑫ソラストによる日本ケアリンクのM&A

医療・介護関連事業を営むソラストは、2017(平成29)年10月に介護サービス事業を営む日本ケアリンクと株式譲渡契約を締結しました。関東圏の事業拡大が取得理由で、取得価額は約20億円となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 約20億円
取得理由 介護事業の拡大

⑬ソラストによるベストケアのM&A

ソラストは、2017年9月に、関東・関西・愛媛で介護サービス事業を展開するベストケアと株式譲渡契約を締結して子会社化しました。事業の拡大が目的で、取得価額は約33億円となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 約33億円
取得理由 事業拡大

⑭セントケア・ホールディングによるミレニアのM&A

介護事業などを営むセントケア・ホールディングは、2017年4月に東京都内で訪問介護事業を営むミレニアの全株式を取得し、完全子会社化しました。連携やノウハウ共有によるシナジー効果が目的で、取得価額は1,480万円となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 1,480万円
取得理由 シナジー効果

⑮リゾートトラストによるアクティバのM&A

リゾートトラストは、2017年2月に介護付き有料老人ホーム「アクティバ琵琶」を運営するアクティバの全株式を親会社から取得し、事業承継することを決定しました。シニアライフ事業の拡大が目的で、取得価額は非公表となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 シニアライフ事業の拡大

⑯ソラストによる住センターのM&A

ソラストは、2016(平成28)年11月に神奈川県でデイサービス事業を営む住センターと株式譲渡契約を締結し、全株式を取得して完全子会社化しました。神奈川県での事業拡大が目的で、取得価額は1億8,500万円となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 1億8,500万円
取得理由 神奈川県での事業拡大

⑰ヘルスケア・キャピタルが子会社株式をまんぼうに譲渡

2016年10月、メディカル一光の子会社であるヘルスケア・キャピタルは、保有していたさつきの全株式をまんぼうへ譲渡すると発表しました。ヘルスケア事業の選択と集中が目的となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価格 非公表
譲渡理由 事業の選択と集中

⑱メディカル一光によるウェルフェアーのM&A

ヘルスケアや医薬品事業を営むメディカル一光は、2016年8月に関西・広島でグループホームや介護事業を営むウェルフェアーと株式譲渡契約を締結し、全株式を取得して完全子会社化しました。

ヘルスケア事業の拡大が目的で、取得価額は非公表となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 非公表
取得理由 事業拡大

⑲アジア開発キャピタルと中国和禾投資の共同出資で介護事業会社設立

アジア開発キャピタルは、2016年8月に中国和禾投資との共同出資で新会社を設立しました。中国での介護事業の拡大などが目的で、新会社の資本金は5,000万円となっています。
 

M&A手法 共同出資による新会社設立
理由 中国での介護事業の展開

⑳カーライル・グループによるソラストの株式売却

投資会社のカーライル・グループは、2016年6月に介護・医療関連事業を営むソラストの株式を売却しました。

ソラストは東証一部上場を目指して、MBOでいったん上場廃止しカーライル・グループと連携していましたが、上場が達成されたためカーライル・グループは株式を売却しました。
 

M&A手法 株式売却
売却株数 1,131万株
売却理由 ソラストの再上場達成

㉑熊本県の住宅型有料老人ホームのM&A

熊本県で住宅型有料老人ホーム2棟を運営する介護業者の譲渡事例です。事業の選択と集中が目的で、売却価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は主力事業のための資金を獲得し、買い手は介護事業を拡大できました。
 

M&A手法 事業譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 事業の選択と集中

㉒東京都のグループホーム運営会社のM&A

東京都のグループホーム運営会社の売却事例です。経営者の高齢による体調不良が売却理由で、売却価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は会社を廃業することなく引退でき、買い手は総量規制で新規開設が難しい都内の介護施設を獲得できました。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 経営者の体調不良による事業承継

㉓大阪府の福祉用具レンタル事業のM&A

大阪府の福祉用具レンタル事業の売却事例です。事業の選択と集中が売却目的で、売却価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は介護施設の運営に集中でき、買い手は福祉用具レンタル事業のシェア拡大に成功しました。
 

M&A手法 吸収分割
売却価額 非公表
売却理由 事業の選択と集中

㉔大阪府のデイサービス運営会社のM&A

大阪府のデイサービス運営会社の譲渡事例です。後継者不在が譲渡理由で、売却価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は創業者利益を得て引退でき、買い手は大阪へ事業を拡大できました。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 後継者不在による事業承継

㉕東京都のグループホームの譲渡

東京都のグループホームの譲渡事例です。資金繰りの改善が譲渡理由で、譲渡価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は資金繰りを改善でき、買い手は新しい拠点を得て事業を拡大できました。
 

M&A手法 事業譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 資金繰りの改善

㉖神奈川県の老人ホームの事業譲渡

神奈川県の老人ホームの譲渡事例です。事業の選択と集中が譲渡理由で、譲渡価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は別事業のための資金を獲得し、買い手は介護施設と従業員を獲得できました。
 

M&A手法 事業譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 事業の選択と集中

㉗埼玉県の老人ホーム事業の売却

埼玉県の老人ホーム事業の売却事例です。事業の選択と集中が売却理由で、売却価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は在宅介護事業の資金を獲得し、買い手は首都圏への事業進出ができました。
 

M&A手法 事業譲渡
売却価額 非公表
売却理由 事業の選択と集中

㉘愛知県のグループホーム運営会社の株式譲渡

愛知県のグループホーム運営会社の譲渡事例です。長期安定的な会社の存続が譲渡理由で、譲渡価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は大手グループの傘下に入れ、買い手は拠点を増加させられました。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 長期安定的な会社の存続

㉙千葉県のグループホームの事業譲渡

千葉県のグループホームの事業譲渡事例です。健康問題が譲渡理由で、譲渡価額は非公表となっています。

このM&Aにより、売り手は経営の負担から解放されセミリタイアでき、買い手は事業の拡大ができました。
 

M&A手法 事業譲渡
譲渡価額 非公表
譲渡理由 健康問題による事業承継

介護業界による異業種へのM&A事例5選

ここからは、介護業界の企業と異業種の企業の協業事例について5つ紹介していきます。異業種の技術を介護業界で活用しようと、大きな資本力を持つ企業が介護業界へと参入してきているのです。

①ベネッセHDによるプロトメディカルケアのM&A

2021年5月、ベネッセHDがプロトメディカルケアを買収しました。ベネッセHDは、その傘下に介護事業を営む介護大手のベネッセスタイルケアを有していて、今回の買収によってさらにこの介護事業を伸ばそうという戦略です。

プロメディカルケアは、介護サービス事業者のガイドブックである「ハートページ」を発行しており、多くの自治体介護保険窓口に同書は設置されているなど、その知名度は高くなっています。また、介護・医療の求人サイト「介護求人ナビ」、高齢者施設検索サイト「オアシスナビ」の運営も手掛けています。

さらに、プロメディカルケアは、情報誌・WEBサイトの広告掲載料以外にも、福祉用具貸与・販売事業の規模も拡大させいて、売上の半分に迫るまで成長していました。

今回の買収を通じて、ベネッセHDは、介護事業において、利用者の視点に立ったサービスの運営を追求するとともに、新規の介護施設やサービス展開エリアの拡大に加え、人材サービスの拡大を図ります。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 42億5000万円
取得理由 介護事業の強化

②SOMPOホールディングスによるABEJAとの資本業務提携

2021年4月、産業界のデジタルトランスフォーメーションをAIと人の協調により実現するABEJAは、介護業界大手であるSOMPOホールディングスと資本業務提携を結びました。

もともと、ABEJAは、2020年からSOMPOホールディングスの介護・ヘルスケア事業、国内損害保険事業領域において、データ解析や機械学習を活用した予測モデルの構築、共同事業開発等を担ってきた経緯があります。

SOMPOホールディングスが取り組むDX人材の育成や採用等においても協業を進めており、今後もその方向性での協力関係を築きたいSOMPOホールディングスが、資本業務提携を決めたかたちで合意となりました。
 

M&A手法 株式譲渡(一部)
出資額 非公表
取得理由 DXの推進

③揚工舎によるケア・フレンドのM&A

有料老人ホーム・デイサービス・居宅介護支援・訪問介護・福祉用具貸与・販売といった介護サービス事業や介護資格取得のための教育事業、ならびに介護人材の紹介を行っている企業である揚工舎は、さらなる派遣事業の充実と拡大を進めるために、福祉用具貸与・販売事業を手掛けるケア・フレンドを2021年3月に同社の株式を100%引き受けて買収しました。

これによって、揚工舎のさらなるサービスの充実を図っています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
取得理由 事業の多角化

 

④三菱電機によるZ-Worksへの出資

2020年11月、電機メーカー大手の三菱電機は、高齢者向けヘルステック事業を加速させるため、独自のセンサー技術とIoTプラットフォームで介護分野の課題解決を行なっているスタートアップ企業のZ-Worksに出資しています。この出資によって、Z-Worksは新製品や新技術の開発を加速させます。2015年に設立された比較的若い企業ですが、大型の資金調達を成功させました。

三菱電機は、センシングデバイスの共同開発やクラウド上でのデータ連携、高齢者向け介護支援サービスの販売協力などを図る予定です。
 

M&A手法 株式取得(一部)
出資額 非公表
取得理由 事業活動の強化

⑤チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドパートナーズのM&A

チャーム・ケア・コーポレーションは、2005年春に介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)を開設して以来、近畿圏・首都圏で59ホーム、4,002室を運営している企業です。

そんなチャーム・ケア・コーポレーションが2020年5月に、グッドパートナーズの株式を取得して子会社化するのに成功しました。

グッドパートナーズは、首都圏において介護施設等への介護スタッフ等の人材派遣・人材紹介のほか、訪問看護事業、特定技能の外国人人材紹介、外国人留学生への支援などを行っている企業です。今回の株式取得によって、相互に協力関係を構築し、さらなる事業の展開を図ろうとしています。
 

M&A手法 株式取得
譲渡価額 非公表
取得理由 事業の強化

異業種による介護業界へのM&A事例10選

続いて、主に異業種の買い手が介護業界に新規参入するM&A事例を紹介します。こちらの件数は10件です。

異業種からのM&A事例は業界内再編に比べると件数自体は少ないですが、それでも他の業界に比べると活発で、介護事業の重要性を認識している企業の多さがうかがえます。

【異業種からの介護業界M&A事例】

  1. ぐんま地域共創パートナーズの運営ファンドによるエフビー介護サービスへの出資
  2. 出光興産によるQLCプロデュースのM&A
  3. 東洋商事による介護サポートサービスのM&A
  4. リゾートトラストによるボンセジュールグランとシニアライフカンパニーのM&A
  5. 大和ハウス工業によるシダーのM&A
  6. 学研ホールディングスによるメディカル・ケア・サービスのM&A
  7. 綜合警備保障によるケアプラスのM&A
  8. ココカラファインによる愛安住のM&A
  9. 京進によるシンセリティグループのM&A
  10. 名古屋鉄道とインターネットインフィニティーの合弁会社設立

①ぐんま地域共創パートナーズの運営ファンドによるエフビー介護サービスへの出資

2021年3月、群馬銀行とぐんま地域共創パートナーズは、ぐんま地域共創パートナーズが運営する2つのファンドを通じて、エフビー介護サービスに出資しました。

エフビー介護サービスは、長野県を中心に群馬・埼玉・栃木・新潟の各県で福祉用具レンタル事業や介護事業を展開している企業です。堅調な業績で徐々に売上規模を拡大してきました。

エフビー介護サービスは、今回、増資を行なって財務・経営基盤の強化を図り、地域に密着した介護サービスをワンストップで提供できる体制をさらなる充実を目指しています。
 

M&A手法 出資
出資額 13.6億円
出資理由 投資

②出光興産によるQLCプロデュースのM&A

2021年1月、出光興産は、介護事業を包括的に連携・サポートする仕組みづくりに取り組むQLCプロデュースの株式を取得しました。

QLCプロデュースは、「Let's倶楽部」「ブリッジライフ」といったブランド名でデイサービスを164店舗展開する企業です。今回の株式取得によって、出光興産は地域に根差した経営を行う系列特約販売店の強みを活かした新規事業のひとつとして、介護ビジネスに参入しています。QLCプロデュースが持つ介護事業に関する各種ノウハウを融合し、自立支援型デイサービスの直営やフランチャイズによる店舗展開を図ります。同時に、新たな介護保険適用事業への参入や介護保険適用外の高齢者向けサービスの開発を目指しています。
 

M&A手法 株式取得
譲渡価額 非公表
取得理由 新規事業への参入

③東洋商事による介護サポートサービスのM&A

2019年12月、業務用食品商社である東洋商事は、サービス付き高齢者住宅の運営事業を手がける介護サポートサービスを取得しました。

介護サポートサービスは、もともと小僧寿しの子会社で、今回、東洋商事は、事業譲渡によって事業を引き受けています。小僧寿しは、今回の事業譲渡について、「持ち帰り寿し事業」と「デリバリー事業」に経営資源を集中するためと説明しています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
取得理由 経営資源の集中

④リゾートトラストによるシニアライフカンパニーのM&A

2019年9月、総合リゾート企業のリゾートトラストの100%子会社であるトラストガーデンは、有料老人ホームを経営するシニアライフカンパニーの全株式を取得し、完全子会社化しました。

リゾートトラストグループは、リゾートホテル事業などで培った経営資源を生かし、老人ホームや高齢者向け住宅を運営するシニアライフ事業を推進しており、今回の買収もその一環となっています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
取得理由 シニアライフ事業の推進

⑤大和ハウス工業によるシダーのM&A

住宅総合メーカーのダイワハウス工業は、2019年3月にリハビリを中心とした介護専門会社であるシダーの株式の5%を新たに取得し、合計8%を所有する第3位株主となりました。

シダーはSOMPOホールディングスとの提携解消に伴い、売却された株式の一部を大和ハウスに買い取ってもらう意図で、大和ハウス工業はシダーとの関係強化と取引拡大を意図しています。
 

M&A手法 株式取得
取得価額 非公表
取得理由 関係強化・取引拡大

⑥学研ホールディングスによるメディカル・ケア・サービスのM&A

教育サービスや介護施設運営などを営む学研ホールディングスは、2018年9月に老人ホーム経営などを営むメディカル・ケア・サービスの株式を取得し子会社化しました。

このM&Aは日本政策投資銀行との共同投資で行われ、取得価額は約90億円となっています。介護に関するノウハウや施設を相互に連携させることとともに、認知症対策という社会課題解決に向け注力する意向です。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 約90億円
取得理由 ノウハウや施設の連携

⑦綜合警備保障によるケアプラスのM&A

警備サービス業の綜合警備保障は、2018年6月に訪問医療マッサージ業のケアプラスの全株式を取得し完全子会社化しました。

綜合警備保障は近年、高齢者向けサービスに力を入れており、ケアプラス以外にもいくつかの介護関連会社を買収しています。
 

M&A手法 株式譲渡
取得価額 約20億円
取得理由 介護事業会社の獲得

⑧ココカラファインによる愛安住のM&A

ドラッグストアの運営などを営むココカラファインは、2017年9月に東海地方で福祉用具のレンタルなどを営む愛安住の全株式を取得し完全子会社化しました。

ココカラファインは「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」を掲げ、介護・福祉関連会社の買収を積極的に行っています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
取得理由 介護事業ノウハウの獲得

⑨京進によるシンセリティグループのM&A

学習塾の運営などを営む京進は、2017年5月に介護関連事業を営むシンセリティグループの全株式を取得し、完全子会社化しました。

東進は、教育事業で得たノウハウを生かした新しい介護サービスを目指し、2017年から介護事業に進出しています。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 6億4,200万円
取得理由 介護事業会社の獲得

⑩名古屋鉄道とインターネットインフィニティーの合弁会社設立

愛知・岐阜の私鉄である名古屋鉄道は、2017年6月にリハビリ型デイサービス事業を営むインターネットインフィニティーと業務提携し、名鉄ライフサポートを共同で設立しました。出資比率は名古屋鉄道が90%、インターネットインフィニティーが10%です。

名古屋鉄道は「総合生活サービス事業の展開」を掲げており、東海地方のシニア向けビジネスを積極的に展開しています。
 

M&A手法 共同出資会社の設立
資本金 1億円
取得理由 シニア向けビジネスの創出・拡大

【関連】介護事業の株式譲渡・会社譲渡!手法の違いを解説!どのスキームが得?

介護関連業界のM&A事例5選

ここでは、介護関連業界のM&Aについて5つの事例を紹介していきましょう。介護関連業界でも、近年は盛んにM&Aが行われており、投資ファンドから多額の資金を出資してもらった事例も少なくありません。

①農林中金イノベーションファンドなどによるドクターメイトへの出資

2021年7月、農林中金は、農林中金イノベーションファンドを通じて、介護施設向けに医療相談・夜間オンコール代行を提供するドクターメイトへ出資しました。出資額は1.8億円です(この出資額には、みずほ銀行と商工中金からのデットファイナンスが含まれています)。

もともと、ドクターメイトは、医師による遠隔でのアドバイスや相談対応サービスを提供している企業です。ドクターメイトのサービスを利用すれば、介護事業に従事する介護士など介護施設の担当者が24時間いつでも医師に相談できます。介護施設では救急車を呼ぶべきかどうかの判断に悩む局面もありますが、その場合でも医師のアドバイスを受けられるうえ、救急搬送先の医師への情報連携ができ、体制が手薄な際は搬送時の付き添いなどを省略できます。

高齢化社会の到来の際に、こうしたサービスは介護事業を充実させるうえで成長の見込みのあるサービスになるとの判断で、農林中金は出資に至りました。
 

M&A手法 出資
出資額 1.8億円
出資理由 財務基盤の安定とサービスの充実

②サイバーエージェント・キャピタルによるメダへの出資

2021年6月、介護書類をクラウド管理するDXプラットフォームを開発するメダが、サイバーエージェント・キャピタルを中心とするファンドから資金調達に成功しました。テック業界からはサイバーエージェントが、介護業界からは社会福祉法人である一燈会がメダへと出資しています。出資額は非公表です。
 

M&A手法 出資
出資額 非公表
出資理由 新製品の開発

③栗原医療器械店によるセラピのM&A

北関東及び首都圏エリアを中心に営業展開をしている医療機器ディーラーである栗原医療器械店は、新潟県において介護・福祉用具や医療器具の卸売事業及びレンタル事業を展開するセラピを買収(事業承継)しました。

栗原医療器械店は、今回の買収によって、ヘルスケア事業のエリア拡大による市場対応力の強化及び高収益体質化等の統合シナジーが見込めるとしています。
 

M&A手法 株式譲渡(事業承継)
譲渡価額 非公表
取得理由 売上規模の拡大

④ブラッククローキャピタルほか2社によるLINKのM&A

2020年10月、ブラッククローキャピタルは、マネックスベンチャーズ、三井住友海上キャピタルとともに、保険外介護支援サービス「イチロウ」を提供する株式会社LINKへと出資しました。出資額は公表されていません。

LINKは介護の利用者と提供者である介護士の理解を強みとして、介護に新しい選択肢を作るべく事業に取り組んでおり、今後の事業の成長を見込んで、ブラッククローキャピタルを中心として出資が行われています。
 

M&A手法 出資
出資額 非公表
出資理由 投資

⑤ワキタによるサンネットワークリブのM&A

2019年2月、ワキタは、介護福祉用品の卸レンタルを展開するサンネットワークリブを100%完全子会社としました。ワキタは、もともと建機の販売・レンタルを主力事業とする企業ですが、サンネットワークリブを傘下に取り込んで、介護事業に本格参入しました。
 

M&A手法 株式譲渡
譲渡価額 非公表
取得理由 介護事業への参入

3. 介護業界でM&Aを行うメリット

介護業界のM&A事例を見る前に、そのメリットについて考えてみましょう。売り手と買い手では立場が異なるので、それぞれに分けてM&Aのメリットを確認します。

売り手のメリット

介護業界のM&Aで売り手に考えられる主なメリットを列挙すると、以下のようなものがあります。
 

  • 後継者問題の解決
  • 廃業の回避
  • 従業員の雇用継続
  • 個人保証・担保の解消
  • 売却益の獲得
  • 経営の安定・拡大

中小企業では、後継者不足や経営悪化などを理由に廃業の危機にある会社は少なくありません。M&Aで事業譲渡・株式譲渡が実現すれば、廃業は回避され、また、買い手が新たな経営者(後継者)となって事業承継も実現します。

同時に解雇の危機にあった従業員の雇用も守られることを意味します。また、株式譲渡の場合、会社の負債は買い手に引き継がれます。したがって、経営者が行っていた融資の際の個人保証や差し入れていた担保は解消されるでしょう。

そのうえ、売却益が獲得できますから、新たな事業資金でも老後の生活資金でも自由使途の資金まで得られます。

一方、会社に目を向ければ、大手企業の傘下となった場合、その知名度や資金力を背景に経営は安定するでしょう。そればかりではなく、グループ会社との協業によってシナジー効果の創出・発揮が考えられます。業績拡大の可能性は、非常に高いものがあります。

買い手のメリット

介護業界のM&Aでの買い手側の主なメリットは、以下のとおりです。買い手側は、同業者の場合もあれば異業種の場合もあるので、該当するメリットは表示で区別しています。
 

  • 弱点サービスの補強(同業者)
  • 人材・拠点の確保(同業者・異業種)
  • エリアシェアの拡大・獲得(同業者・異業種)
  • 業績拡大(同業種)
  • 簡易に新規参入(異業種)
介護業界の同業者の場合、弱点サービスや人材不足を補えることは第一のメリットでしょう。そして、売り手が未進出エリアの企業なら新エリアへの進出であり、既存エリアの企業なら同一エリアにおけるシェア拡大が瞬時に実現します。

そして、そのことは業績拡大に直結し、またシナジー効果により新たなサービス創出の可能性も考えられるでしょう。

買い手が異業種の場合、第一のメリットは、安全に時間をかけることなく新規参入が実現することです。介護事業では、総量規制や許認可の問題があるため、他の業種よりも新規参入の難易度が高く、M&Aはそれを克服できる経営戦略となります。

  • 介護事業のM&A・事業承継

4. 介護業界のM&Aで売却を成功させるポイント

介護業界ではM&Aが他の業界と比べても数多く行われていますが、会社売却や事業売却を成功させるためにはどうしたら良いのでしょうか。ここからはそのポイントを説明していきます。

①事業の状況を正確に認識する

M&Aを実行する前に、まずは事業の状態をできるだけ正確に把握しなければなりません。もし、事前に十分に状況が把握できないと、せっかくM&Aを行っても、お互いの良さを活かせず、M&Aが失敗に終わるケースも少なくありません。

②施設入居者の属性を考慮する

施設入居者の属性によって、必要となる介護サービスは異なります。認知症の度合いは入居者によって異なり、それによって必要となるサービスも異なるのです。したがって、事前に施設入居者の属性を考慮して、会社や事業の買収先を決定しなければなりません。

③建物の所有・メンテナンスを確認する

介護事業は、介護士などの人的資源ももちろん重要ですが、装置産業としての一面も持ち合わせているのを忘れてはなりません。

介護事業者がどのような建物を所有していて、そのメンテナンスのためにどれだけの費用がかかるのかを理解せずに、会社や事業を取得しても意味がありません。それによって、今後の成長の度合いやどれだけの投資が必要なのかがわかります。

④早い段階で相談先を見つける

M&Aを行う場合、買い手側であれ、売り手側であれ、自社のリソースだけで対応するのは困難です。

したがって、成功のためには、早い段階で相談先を見つける必要があります。

早い段階で相談すれば、一口にM&Aと言っても、様々な選択肢があるのがわかるでしょう。そうした選択肢のなかから、今後の会社の成長のために戦略が合致する企業を売却先として選ばなければなりません。

5. 介護業界におけるM&A仲介会社の手数料

仲介会社はそれぞれ手数料が違うので、料金体系がわかりやすく納得のいく会社を選ぶ必要があります。

この章では、介護業界のM&Aにおすすめの仲介会社を5つピックアップして、それぞれの手数料を紹介します。

【介護業界M&Aの仲介会社別の手数料】

仲介会社 手数料
M&A総合研究所 完全成功報酬制(レーマン方式
ブティックス 完全成功報酬制(レーマン方式・最低手数料100万円)
メディパス 完全成功報酬制(レーマン方式・最低手数料200万円)
つばめ介護事業コンサルティング 月額報酬制
CBパートナーズ  完全成功報酬制(レーマン方式)

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーによるフルサポートが受けられるM&A仲介会社です。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。会社売却・事業譲渡に関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

ブティックス

ブティックスは、介護業界に特化したM&A仲介事業とマッチングプラットフォームを提供している会社です。

手数料は成功報酬のみの完全成功報酬制を採用しています。報酬体系は一般的なレーマン方式ですが、最低手数料を100万円と非常に低く設定することで、中小企業のM&Aが行いやすいよう配慮しています。

メディパス

メディパスは、M&A・経営支援・人材派遣など、介護・医療業界に関する幅広いサポートを行っている会社です。

手数料は完全成功報酬制で、報酬体系はレーマン方式となっています。最低手数料は200万円と低く設定されており、中小企業のM&Aが行いやすいよう配慮しています。

経営承継支援

経営承継支援は、中堅・中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務、中堅・中小企業の継続・発展に資するM&A仲介・助言業務を展開する企業です。

2015年に設立された比較的新しい会社ではあるものの、中小企業を中心としたサービス展開で、事業承継コンサルティングから事業承継M&Aなど、事業承継に関する経営者の悩みの相談に乗ってくれます。

手数料はレーマン方式の完全成功報酬制です。

CBパートナーズ

CBパートナーズは、医療・介護業界に特化したM&Aアドバイザリー会社です。手数料はレーマン方式の完全成功報酬制となっています。

【関連】クロスボーダーM&Aの成功要因・メリットを解説!件数も紹介!

6. 介護業界のM&Aによる売却希望案件情報

M&A総合研究所では、介護業界のM&A案件も豊富に取り扱っています。そのなかから最新の案件2件をピックアップしました。

サービス付き高齢者向け住宅事業の譲渡

事業概要 サービス付き高齢者向け住宅3棟(約150室)の運営
エリア 中国・四国地方の大都市ターミナル駅近隣
売上高 2億5,000万円〜5億円
営業利益 非公開
譲渡希望価額 希望なし
譲渡理由 戦略を見直し、本業に専念するため

この案件の詳細情報は、以下のリンクよりご覧いただけます。

【関連】【譲渡価格1円】大都市ターミナル駅近隣のサ高住約150室 事業譲渡(医療・介護) | M&A・事業承継の仲介会社ならM&A総合研究所

老人ホーム・保育園の譲渡

事業概要 老人ホーム・保育園の運営
エリア 近畿地方
売上高 1億円〜2億5,000万円
営業利益 1,000万円〜5,000万円
譲渡希望価額 2億5,000万円〜5億円
譲渡理由 後継者不足による事業承継

この案件の詳細情報は、以下のリンクよりご覧いただけます。

【関連】保育園・老人ホームの譲渡(医療・介護) | M&A・事業承継の仲介会社ならM&A総合研究所

7. 介護業界のM&Aにおすすめの仲介会社

M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&Aを主に扱っており、多数の業種で成約実績を有しています。介護業界のM&Aに精通したアドバイザーが担当につき、クロージングまで丁寧にサポートいたします。

これまでの実績で培った幅広い情報を駆使し、通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月で成約した実績を有するなど機動力も強みです。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、介護業界のM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

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8. 介護業界のM&Aまとめ

介護業界のM&Aは業界内再編だけでなく異業種からの参入も多く、将来的にもM&A件数は増えていくと予想されます。さらに、海外展開や事業領域の切り替えなども今後のポイントになっていくでしょう。本記事の概要は以下のとおりです。

【介護業界内再編M&A事例】

  1. ニチイ学館による西日本ヘルスケアのM&A
  2. フレアスによるスカイハートのM&A
  3. グッドタイムリビングによる舞浜倶楽部のM&A
  4. SOMPOケアによる東京建物シニアライフサポートのM&A
  5. ユニマット リタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフのM&A
  6. ケアサービスと広域社会福祉会とのM&A
  7. ケアサービスによるひだまりのM&A
  8. 幸和製作所によるパムックとあっぷるのM&A
  9. ソラストによるオールライフメイトのM&A
  10. global bridge HOLDINGSによるYUANのM&A
  11. ユニマット リタイアメント・コミュニティによるホームストライク湘南のM&A
  12. ソラストによる日本ケアリンクのM&A
  13. ソラストによるベストケアのM&A
  14. セントケア・ホールディングによるミレニアのM&A
  15. リゾートトラストによるアクティバのM&A
  16. ソラストによる住センターのM&A
  17. ヘルスケア・キャピタルが子会社株式をまんぼうに譲渡
  18. メディカル一光によるウェルフェアーのM&A
  19. アジア開発キャピタルと中国和禾投資の共同出資で介護事業会社設立
  20. カーライル・グループによるソラストの株式売却
  21. 熊本県の住宅型有料老人ホームのM&A
  22. 東京都のグループホーム運営会社のM&A
  23. 大阪府の福祉用具レンタル事業のM&A
  24. 大阪府のデイサービス運営会社のM&A
  25. 東京都のグループホームの譲渡
  26. 大阪府の福祉用具レンタル事業の売却
  27. 埼玉県の老人ホーム事業の売却
  28. 大阪府のデイサービス運営会社の譲渡
  29. 千葉県のグループホームの事業譲渡

【異業種からの介護業界M&A事例】
  1.  ぐんま地域共創パートナーズの運営ファンドによるエフビー介護サービスへの出資
  2. 出光興産によるQLCプロデュースのM&A
  3. 東洋商事による介護サポートサービスのM&A
  4. リゾートトラストによるボンセジュールグランとシニアライフカンパニーのM&A
  5. 大和ハウス工業によるシダーのM&A
  6. 学研ホールディングスによるメディカル・ケア・サービスのM&A
  7. 綜合警備保障によるケアプラスのM&A
  8. ココカラファインによる愛安住のM&A
  9. 京進によるシンセリティグループのM&A
  10. 名古屋鉄道とインターネットインフィニティーの合弁会社設立

【介護業界の今後を占うポイント】
  1. 海外へのM&Aを行う介護サービス企業
  2. 介護の事業領域を切り替えるM&A

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