2022年06月06日更新
半導体業界のM&A・買収・売却!業界動向・手法を解説【事例一覧あり】
半導体はあらゆる分野で活用されるようになっており、それに伴って半導体業界でのM&Aも活発になっています。本記事では、半導体業界のM&A・買収・売却、業界動向・手法などを解説します。そのほか、半導体業界のM&A・買収・売却事例も紹介しています。
目次
1. 半導体業界の業界動向
半導体業界は驚異的なスピードで進化を続けており、その応用範囲の広さからさまざまな業種と関りがあります。半導体業界でM&Aを行う場合は、業界の現状をしっかりと把握しておく必要があります。
本記事では、半導体業界のM&A・買収・売却について解説しますが、まずは半導体業界の業界動向をみていきます。
半導体業界とは
半導体業界とは、半導体素子や集積回路といった半導体の研究開発・設計・製造・販売・流通・マーケティングなどを行う業界を指します。
また、半導体製造装置や半導体検査装置を設計・製造・販売する企業も半導体業界に含まれます。半導体のの応用範囲は幅広く、さまざまな業界と関連しながら事業が行われています。
半導体業界の今
半導体の需要は、時代が進むとともに幅広い分野に及ぶようになり、現在ではPCやスマホだけでなく自動車や家電など、生活に関わるあらゆる場所に半導体が組み込まれています。
また、IoT・クラウド・AIの進化により、半導体に求められる技術も急速に変化してきています。
半導体業界の今後
今後は、自動車・医療・産業インフラ・宇宙航空産業において、半導体の需要増加が見込まれています。
IoT・クラウド・AIの進化だけでなく5Gの導入などもあり、半導体もさらに変化を続けていくと考えられていますが、それに伴うデータセンターの設置などインフラ面の整備も課題となるでしょう。
2. 半導体業界のM&A・買収・売却動向
半導体業界では、グローバル規模で激しい競争が起きています。半導体業界は技術革新のスピードが非常に速く、変化のスピードについていくために業界再編の動きが活発となっています。
半導体業界では大型M&Aが相次いでおり、今後もグローバル規模でのM&Aが活発に行われることが予測されるため、需要の変化に合わせて企業もスピード感のある変化が必要とされます。
そのようななか、変化についていけない企業が半導体業界の激しい競争のなかで淘汰されるケースも増えています。
今後は、トレンドの変化に合わせて急速に成長していく半導体企業と、トレンドについていけず急速に業績を落としていく企業の2極化が進むとみられています。
3. 半導体業界のM&A・買収・売却手法
M&Aにはいくつもの手法があるため、半導体業界に限らずM&Aを行う際は自社の目的に適切な方法を選ぶ必要があります。本章では、半導体業界のM&Aで用いられている主な手法について解説します。
株式譲渡
株式譲渡とは、売り手側株主と買い手が株式を売買することで経営権を移行する手法です。株式譲渡の手続きはM&A手法のなかでも簡便であり、半導体業界の場合は研究開発や製造・販売に影響がでにくい点がメリットです。
株式譲渡では権利や義務を一括で承継する(包括承継)ため、半導体業界にとって重要な特許や技術者もそのまま引き継ぐことができます。
しかし、求めている技術や設備人材でなくても丸ごと受け入れなければならないという難しさも持ち合わせています。
事業譲渡
事業譲渡は、特定の事業だけを売買できる手法です。事業譲渡を用いることで、売り手企業は自社にとって不要な事業だけを切り離すことができ、買い手企業は必要な事業だけを取得することができます。
しかし、事業譲渡は個別承継となるため手続きに手間がかかり、人材・権利・契約関係が複雑になりやすいという欠点もあります。
その他
近年、半導体業界で増えているのは大企業同士の合併です。合併とは、2つ以上の企業をひとつの法人格に統合するM&A手法です。合併すれば事業の統一はしやすいですが、統合までの手間が大きいという欠点もあります。
そのほか、広い意味でのM&Aでいうと、半導体業界では資本業務提携が増加傾向にあります。半導体業界では、技術革新や半導体の役割範囲の拡大に対応するため、事業面や資本面で提携を結ぶケースが多くなっています。
4. 半導体業界のM&A・買収・売却事例
本章では、半導体業界で実際に行われたM&A事例を紹介します。
- セーレンによるケイ・エス・ティ・ワールドの買収
- ルネサスエレクトロニクスによるインテグレイテッド・デバイス・テクノロジー社の買収
- FUJIによるファスフォードテクノロジの買収
- ニューフレアテクノロジーと芝浦メカトロニクスの資本業務提携
- 東レエンジニアリングによるNGRの買収
- 東京エレクトロンデバイスによるアバール長崎の買収
- ルネサスエレクトロニクスによるインターシル社の買収
- 竹田印刷による東京プロセスサービスの買収
- ソフトバンクグループによるアーム社の買収
- ソシオネクストによるベイサイド・デザイン社の買収
- フェニテックセミコンダクターによるヤマハ鹿児島セミコンダクタの買収
- PALTEKによるサイミックスの事業譲受
- エンプラスによるニッカド・エレクトロニクス社からの事業譲受
1.セーレンによるケイ・エス・ティ・ワールドの買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例1件目は、セーレンによるケイ・エス・ティ・ワールドの買収です。
2019年2月、総合繊維業を営むセーレンは、シリコンウェハーの成膜加工などを行っているケイ・エス・ティ・ワールドを子会社化することを発表しました。
セーレンはケイ・エス・ティ・ワールドを子会社化することで、新事業領域の開拓を進めています。
2.ルネサスエレクトロニクスによるインテグレイテッド・デバイス・テクノロジー社の買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例2件目は、ルネサスエレクトロニクスによるインテグレイテッド・デバイス・テクノロジー社の買収です。
2018年9月、半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは、同じく半導体メーカーのインテグレイテッド・デバイス・テクノロジー社を完全子会社化することを発表しました。
ルネサスエレクトロニクスはインテグレイテッド・デバイス・テクノロジー社を子会社化することで、お互いの事業の親和性の高さを活かし、顧客によりよいサービスを提供できるとしています。
3.FUJIによるファスフォードテクノロジの買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例3件目は、FUJIによるファスフォードテクノロジの買収です。
2018年8月、産業用ロボットメーカーのFUJIは、半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジを子会社化することを発表しました。
FUJIのロボット技術と、ファスフォードテクノロジの半導体関連技術の融合により、新領域技術の創出を図っています。
4.ニューフレアテクノロジーと芝浦メカトロニクスの資本業務提携
半導体業界のM&A・買収・売却事例4件目は、ニューフレアテクノロジーと芝浦メカトロニクスの資本業務提携です。
2017年12月、半導体製造装置メーカーのニューフレアテクノロジーと自動販売機メーカーの芝浦メカトロニクスは資本業務提携を結ぶことを発表しました。
ニューフレアテクノロジーと芝浦メカトロニクスは、経営資源の共有により、事業のさらなる強化を図っています。
5.東レエンジニアリングによるNGRの買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例5件目は、東レエンジニアリングによるNGRの買収です。
2017年6月、プラント・エンジニアリング事業などを営む東レエンジニアリングは、半導体検査装置メーカーのNGRを買収することを発表しました。
東レエンジニアリングは、NGRを買収することによって、IoT分野での半導体用検査事業の強化を図っています。
6.東京エレクトロンデバイスによるアバール長崎の買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例6件目は、東京エレクトロンデバイスによるアバール長崎の買収です。
2017年5月、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンデバイスは、電子機器メーカーのバール長崎を子会社化することを発表しました。
アバール長崎の親会社であるアバールデータは、アバール長崎を譲渡することによって、事業の強化やM&Aへの投資などを行っています。
7.ルネサスエレクトロニクスによるインターシル社の買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例7件目は、ルネサスエレクトロニクスによるインターシル社の買収です。
2017年2月半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは、アメリカの半導体メーカーであるインターシル社を買収することを発表しました。
ルネサスエレクトロニクスは、インターシル社とお互いの専門技術を融合することで、コンピューターシステムの技術サポート力強化を図っています。
8.竹田印刷による東京プロセスサービスの買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例8件目は、竹田印刷による東京プロセスサービスの買収です。
2016年11月、印刷会社の竹田印刷は、精密電子工業用マスクメーカーの東京プロセスサービスを子会社化することを発表しました。
竹田印刷は、東京プロセスサービスを子会社化することで、半導体マスク製造のノウハウ共有によるシナジー効果を獲得しています。
9.ソフトバンクグループによるアーム社の買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例9件目は、ソフトバンクグループによるアーム社の買収です。
2016年7月、ソフトバンクグループはイギリスの半導体設計会社であるアーム社を買収することを発表しました。
ソフトバンクグループは今後急速な普及が予測されるIoT分野への投資目的で、アーム社の買収を実施しました。
しかし、アーム社への投資負担の増加や事業投資の選択と集中のため、ソフトバンクグループは2020年9月にアーム社の売却を発表しています。
10.ソシオネクストによるベイサイド・デザイン社の買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例10件目は、ソシオネクストによるベイサイド・デザイン社の買収です。
2016年1月、ソリューションサービス事業を営むソシオネクストは、半導体パッケージ設計会社のベイサイド・デザイン社を買収することを発表しました。
ソシオネクストは、ベイサイド・デザイン社を買収することで、品質の強化とサービス速度の向上を図っています。
11.フェニテックセミコンダクターによるヤマハ鹿児島セミコンダクタの買収
半導体業界のM&A・買収・売却事例11件目は、フェニテックセミコンダクターによるヤマハ鹿児島セミコンダクタの買収です。
2014年10月、半導体メーカーのフェニテックセミコンダクターは、同じく半導体メーカーのヤマハ鹿児島セミコンダクタを子会社化することを発表しました。
フェニテックセミコンダクターとヤマハ鹿児島セミコンダクタは、今後工場を持たない半導体生産体制を築くことで、競争力の強化を図っています。
12.PALTEKによるサイミックスの事業譲受
半導体業界のM&A・買収・売却事例12件目は、PALTEKによるサイミックスの事業譲受です。
2014年6月、半導体商社のPALTEKは、サイミックスの半導体事業を譲り受けることを発表しました。PALTEKはサイミックスの事業譲受により、新たな顧客層の開拓を図っています。
13.エンプラスによるニッカド・エレクトロニクス社からの事業譲受
半導体業界のM&A・買収・売却事例13件目は、エンプラスによるニッカド・エレクトロニクス社からの事業譲受です。
エンプラスは、イギリスのニッカド・エレクトロニクス社から半導体関連事業を譲受しました。
これによりエンプラスは、販売代理店としてエンプラス製品を販売していたニッカド・エレクトロニクスとの事業を効率化し、顧客への提案力を高めています。
5. 半導体業界のM&A・買収・売却の相場
M&Aを検討する場合、どの程度で売却できるのかは経営者にとって気になる点のひとつです。半導体業界のM&A相場を決める要素には以下のようなものがあり、これらを持っていると買い手企業が判断すればM&Aの価格も高くなることが多いです。
【半導体業界のM&A相場を決める要素】
- 独自技術による差別化
- 融合による新領域の創出
- 現在の市場ニーズに合っている
- 高付加価値
- 応用範囲の広さ
- 将来性の高さ
将来的にM&Aによる売却を検討している場合は、これらの要素を創出できるような事業展開をしているかがポイントとなります。
6. 半導体業界のM&A・買収・売却の流れ
半導体業界のM&Aは、一般的に以下の手順で進められます。この章では各手順の注意点やポイントについて解説します。
【半導体業界のM&A・買収・売却の流れ】
- 専門家の選定・相談
- M&A先の選定・交渉
- M&A先のトップと面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
1.専門家の選定・相談
M&Aの相談先には、税理士・会計士、公的機関、銀行、M&A仲介会社などいくつかの選択肢があります。これらの専門家は、サービスの範囲や得意分野が違うだけでなく、保有する案件情報も違います。
まずは利用しやすいと感じたところを選び、無料相談などを活用してM&Aのやり方を知るところから入ることも有効です。どのような方法であれ、まずは自身に合う専門家を探すことが大切です。
2.M&A先の選定・交渉
M&Aの専門家と業務委託契約を結んだら、M&A先の選定と交渉を進めていきます。
依頼する専門家によって保有する情報や案件は違い、得意な業種も異なるため、ホームページや直接連絡して、事前に確認したほうがよいでしょう。
3.M&A先のトップと面談
トップ面談では、互いの人となりや、M&Aの相手としてふさわしい相手であるかを直接見極めることができます。
トップ面談での質問はあらかじめ提示しておき、回答を準備しておくことも可能できるので、どのように進めていくかはM&Aの専門家に助言をもらうとよいでしょう。
4.基本合意書の締結
M&A手続きを前半と後半に分けるとしたら、ここまでが前半部分にあたり、後半はさらに専門的な手続きに入っていきます。基本合意書には基本的に法的拘束力がないとはいえ、トラブルを避けるためにも作成時には専門的な知識が必要になります。
5.デューデリジェンスの実施
基本合意締結後は、買い手がデューデリジェンスを行い、売り手企業の詳細を調査します。調査方法には、各種書類を提供してもらって分析するほか、経営者や各部門の責任者にヒアリングしたり、売り手企業で実際に現場を見たりするなど、さまざまなものがあります。
デューデリジェンスはM&A後の統合作業にも影響する重要なプロセスであるため、売り手企業には必要な調査に協力することが求められます。
6.最終契約書の締結
ここまでのプロセスを調整して、最終契約書(株式譲渡契約書・事業譲渡契約書など)の作成・調印式を行います。最終契約書はすべてにおいて法的拘束力を持つため、一方的に破棄することは原則として認められません。
7.クロージング
買い手企業が売り手へお金を振り込んでM&Aは成立となります。案件規模やM&A仲介会社にもよりますが、中小企業のM&A手続きの場合は平均6ヶ月から1年ほどかかります。
スピーディーなM&A仲介会社では、最短3ヶ月ほどでクロージングまで至るケースもあります。M&A手続きはなるべく長引かないほうが、中小企業にとっては負担が少なくてよいという面もあります。
7. 半導体業界のM&A・売却を成功させるには
半導体業界でM&Aによる売却を成功させるためには、どのようなポイントを意識して進めればよいのでしょうか。ここでは、特に押さえておきたい5つのポイントについて解説します。
【半導体業界のM&A・売却を成功させるポイント】
- 計画的に準備を行う
- M&A・売却を行う理由を明確にする
- M&A先に提出する資料を準備する
- 売却価格の相場を確認する
- 専門家に相談する
1.計画的に準備を行う
前述したように、半導体業界は変化のスピードが速く、ニーズもどんどん変化しています。そのため、大手半導体関連企業は相次いで再編を進めています。
増加傾向にある半導体業界におけるM&Aの最適なタイミングを逸しないようにするには、計画的な準備が必要です。とはいえ、具体的にどのような準備をすればよいかわからないということもあるでしょう。
M&Aを成功させるために必要な準備を計画的に進めるためには、M&Aの専門家に相談してアドバイスをもらうと効率的です。
2.M&A・売却を行う理由を明確にする
M&Aありきでは買い手選びや交渉を進めれば、時間ばかりがかかってしまい、自社の希望条件とかけ離れた結果になることも考えられます。
M&Aを行う理由を明確にしておけば、相手先選びや交渉の際も条件を絞りやすくなり、成功する確率も高めることにもつながります。
M&Aを進めていくうちに、M&Aを行うこと自体が目的となってしまうケースもなかにはみられますが、M&Aはあくまで手段であることを忘れずに進めていくことが大切です。
3.M&A先に提出する資料を準備する
M&Aの相手先は、お互いの技術・ノウハウの融合によって、どのようなシナジーが得られるかを調査します。
したがって、資料の準備は漏れなく丁寧に行い、自社の特徴をしっかりとアピールできるような資料を準備する必要があります。
ただし、その際にはアピールポイントを誇張しすぎたり、弱みを隠したりすることはないようにしなければなりません。
4.売却価格の相場を確認する
相場がわからないまま交渉に臨んでしまうと、M&A相手に交渉の主導権を握られてしまう可能性もあります。
しかし、M&Aの経験がなければ適正な相場はわかりにくく、自力で調査するとしても手間と時間がかかります。
M&A仲介会社などにあらかじめ業界の相場や自社の売却可能性などを調査してもらい、売却価格の相場を確認しておくことも大切なポイントです。
5.専門家に相談する
半導体業界のM&Aを成功させるためには専門家選びが重要となるため、相談する専門家に半導体業界のM&A支援経験があるかなどを、事前に確認しておく必要があります。
M&A仲介会社によっては、ホームページにアドバイザーごとの得意分野を掲載しているところもあるので、確認してみるとよいでしょう。
8. 半導体業界のM&A・買収する際に注意すべきこと
半導体業界のM&Aを行う際は、成功ポイントを押さえるだけでなく注意すべき点も把握しておくことが大切です。
【半導体業界のM&A・買収する際に注意すべきこと】
- デューデリジェンスの徹底
- M&A先の人材流出に注意する
- M&A先の資産や設備をチェックする
- M&A先の技術や権利などをチェックする
- 専門家に相談する
1.デューデリジェンスの徹底
デューデリジェンスの範囲は広く、その内容も多岐に渡ります。デューデリジェンスは徹底して行うことが大切ですが、自社が行う範囲を決めておかなければ資金や時間の負担ばかりが大きくなります。
中小企業の場合、ビジネスデューデリジェンス、法務デューデリジェンス、財務・税務デューデリジェンスを徹底しておくと、M&Aの成功確率を高めることができます。
2.M&A先の人材流出に注意する
M&Aによる自社の売却は、売り手側の従業員にとっては大きな不安を感じるものです。そのため、雇用や給与水準は守られるか、仕事の内容はどう変わるかなどの不安から、従業員の離職につながってしまうこともあります。
人材流出を防ぐためにも、M&Aを実施することを伝える際は、従業員の不安に寄り添って丁寧な説明が必要です。
3.M&A先の資産や設備をチェックする
M&A先の企業資産価値を評価する際は、M&A後のことも考えてチェックすることが大切です。例えば、設備が老朽化している場合、M&A後に設備投資などの負担が増すことになります。
また、事業用資産に限らず、遊休資産や投機資産などの非事業用資産が負担になることもあるので、事前チェックを忘れずに行うようにしましょう。
4.M&A先の技術や権利などをチェックする
半導体業界のM&Aでは、売り手企業の技術・特許が自社にどのようなシナジーを生むかがポイントになります。
技術や権利関係をチェックする際はトレンドに乗るだけではなく、本当に自社に必要なのか、自社とのシナジーは生み出せるのかといった点も調査することが必要です。
5.専門家に相談する
買収は、M&Aの手続きが完了すれば成功というわけではなく、買収後の統合プロセスをうまく行えるかが重要になります。
専門家によっては買収後の統合プロセスについても助言してくれるので、専門家を選ぶ際はM&A後のことまで考えた選択が必要といえるでしょう。
9. 半導体業界のM&A・買収・売却におすすめの相談先
半導体業界のM&Aを行う際は、M&A仲介会社の担当者にも業界の専門的な知見が求められます。
M&A総合研究所では、豊富な専門知識を持つM&Aアドバイザーがご成約までをフルサポートいたします。半導体業界のM&Aも安心してお任せいただけます。
また、料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。
無料相談は随時お受けしておりますので、半導体業界でのM&Aをご検討の際は、お電話またはメールフォームよりお気軽にご連絡ください。
10. まとめ
本記事では、半導体業界のM&Aについて解説しました。半導体業界は世界規模で激しい競争が起きており、日本ではM&Aによる業界再編が進んでいます。
将来的に半導体業界でのM&Aを検討しているのであれば、最適なタイミングを逃さないよう計画的に準備を進めておくようにしましょう。
【半導体業界のM&A・買収・売却の流れ】
- 専門家の選定・相談
- M&A先の選定・交渉
- M&A先のトップと面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
- 独自技術による差別化
- 融合による新領域の創出
- 現在の市場ニーズに合っていること
- 高付加価値
- 応用範囲の広さ
- 将来性の高さ
- 計画的に準備を行う
- M&A・売却を行う理由を明確にする
- M&A先に提出する資料を準備する
- 売却価格の相場を確認する
- 専門家に相談する
- デューデリジェンスの徹底
- M&A先の人材流出に注意する
- M&A先の資産や設備をチェックする
- M&A先の技術や権利などをチェックする
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。