2023年02月08日公開
後継者育成の方法やポイント!早期育成の期間やプログラムとは?
後続者育成は、企業の次期経営者がしっかりと企業を存続させられるための能力や知識を身に付けさせることが大切です。
また、後続者育成を怠ることによるリスクも多いので、後続者育成の方法やポイント、課題について解説します。
1. 後続者育成とは?
後続者育成とは、将来的に企業の経営者候補になる人材を育成することで、企業の存続に大きな影響を及ぼすプロセスです。
人事の専門用語では、「サクセッションプラン」という呼び方をし、サクセッションプラン自体が後続者育成という意味の言葉として使われることが多いです。
また、後続者育成は、同族経営以外の企業でも取り組まれています。
後続者育成の期間
後続者育成の期間は、企業の規模や後続者の能力やセンスによっても変わってきますが、基本的に最適でも4年〜5年の期間をかけて行われます。
社内の業務内容を一通り経験したり、実際に経営に参加して経営方針を検討・提案したり経営状況を把握するなど、さまざまなステップが必要になってきます。
そのため、経営者の交代が迫ってきているタイミングではなく、できるだけ早い段階から行うことが大切です。
後続者育成が必要な理由
後続者育成が必要な理由は、会社の存続に大きく影響を与えるからです。
経営者を交代させることができた場合であっても、後続者が経営の能力や知識、センスがなければ経営を続けることが難しくなってしまい、倒産などのトラブルが発生する可能性があります。
さらに、後続者が見つからずに経営者が辞任してしまった場合には、その時点で倒産してしまい、従業員や関連企業、取引企業にも大きな影響を与えてしまいます。
そのため、多くの企業にとって後続者育成はとても大切で必要なプロセスになっています。
2. 後続者育成の課題
将来の経営者を育成して企業を存続させるために行う後続者育成には、さまざまな課題があります。
また、後続者育成の課題を事前に把握して、事前に対策することによって、スムーズに後続車育成を行うことが可能です。
ここでは、後続者育成の課題について、主に3つ解説します。
育成する人材の不在
後続者育成を重要視している企業は多くありますが、実際に育成する人材が不足している企業も多いです。
かつては、企業の後続者として経営者の子どもや親戚などの血縁関係のある人物が選ばれていましたが、現在では、さまざまな価値観や生き方、働き方が実現できるようになっているので、血縁者が承継することが少なくなりました。
そのため、1部の企業は次期経営者が決まらずに廃業してしまうことも多くなっており、多くの中小企業で後続者の人材不足に悩まされている状況です。
企業が廃業してしまうことは、その企業に勤めている従業員や関連企業、取引企業などに大きなダメージを与えることになります。
さらに、多くの中小企業が廃業してしまうと、社会全体にとってもダメージになるので、育成する人材はの確保は早期の段階から検討することが大切です。
育成すべき人材の選定方法
育成すべき人材をどうのような観点から選定すればいいのか分からずに、後続者育成が進まないことも課題です。
また、組織内に自分が求めている後続者候補の人材がいないと感じてしまい、なかなか次期経営者を候補に挙げられない経営者の多くいます。
しかし、育成すべき人材を早期段階から確保しておくことができなければ、最終的に企業を存続できなくなってしまうリスクが高くなってしまうので、能力や価値観、将来性などのさまざまな観点から後続者を絞り込んで、後続者育成に取り組むことが大切です。
後続者育成の過程
後続者育成では、日々の業務に関する能力や知識、経験だけではなく、経営に関する能力やセンスも育成する必要があります。
そのため、選定した後続者の育成を行う場合、「どのような過程で育成すればいいのか?」という課題が発生します。
後続者が業務を遂行するための能力や知識が豊富で経験を積んでいる場合であっても、経営に関する能力やセンス、知識がなければ、次期経営者としての育成は失敗になります。
また、経営に関する育成には、どれだけの期間が必要なのかなどもしっかりと考えて、予定を立てたり育成方法を検討することが大切です。
3. 後続者育成を怠るとどうなる?
多くの企業では、将来の経営者候補を育成するために後続者育成を行っています。
企業の存続のために、後続者育成を重要視している企業や後続者育成に力を入れている企業は多いですが、万が一、後続者育成を行わなかった場合、企業はどうなってしまうのでしょうか?
ここでは、後続者育成を怠ることで起きることについて、主に3つ解説します。
売上の減少
多くの企業では、経営者の信頼関係によって取引などが成り立っていることがあり、企業よりも経営者が誰であるかかが重要になっています。
経営者が代わり信頼関係などがない状態になってしまうと、取引企業が減少したり企業イメージが低下してしまい、売上が減少してしまう可能性があります。
さらに、新たに就任した経営者に能力やセンスがなければ、企業の方針や価値観がマイナスに作用して、さらに売上が減少してしまいます。
そのため、後続者がどのような人物であるのかや、能力やセンス、信頼性などを十分に高めて、安心して経営を任せられるように育成することが大切です。
離職者の増加
経営者が代わり経営方針や価値観、働き方などが大きく変わってしまうと、従業員の多くは納得できなかったり不満を抱くことが多くなり、離職してしまうことが多くなります。
また、経営者が変わったことによって、求心力を失い離職していく方もいます。
実際に、企業よりも社長が誰なのかによって、勤めている従業員も多くいるので、後続者育成を怠って信頼性や安心感のない経営者になってしまうと、多くの離職者を出してしまう可能性が高いです。
そのため、後続者育成の段階で、多くの従業員に納得してもらえるように意識したり、経営者が変わっても安心感や信頼性を与えられるような人物に育成することが大切です。
4. 解散・倒産の危機
後続者育成が十分に行われなければ、そのまま企業が存続できずに、解散・倒産してしまう可能性が十分に考えられます。
実際に、後続者を見つけることができずに、倒産してしまった企業は、中小企業を中心に多く存在しているので、解散・倒産を避けるためには、後続者育成はとても重要になります。
また、無事後続者を確保して企業を存続させることができた場合でも、後続者の能力やセンスが十分でなく、経営に問題がある場合であれば、経営破綻し、最終的に解散・倒産してしまう可能性が高いです。
そのため、企業を存続させて、解散・倒産の危機を免れたいと考えている場合は、しっかりと後続者育成に力を入れるようにしましょう。
5. 後続者育成のポイント
後続者育成を効果的に行い、優秀な次期経営者を誕生させるためには、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか。
これから後続者育成を始める方や後続者育成で悩んでいる方は、これから解説する3つのポイントを参考にしてみてください。
厳しい状況での経験を積ませる
後続者育成では、厳しい状況での経験を積ませることが大切です。
実際に、経営者は社員のリストラや赤字覚悟での事業の撤退、経営方針の変更など、厳しい判断をすることや厳しい状況に追い込まれることも少なくありません。
経営者として企業を引っ張っていけるようになるためには、後続者育成の段階で厳しい状況でも耐えられるようなタフさを身に付けさせることが大切です。
また、このように厳しい状況での経験を積ませることを「タフアサインメント」という言い方をします。
そのため、後続者を育成している経営者の方は、実際に厳しい状況での経験を積ませるためのタフアサインメントを行いましょう。
早期育成をする
経営者が交代するタイミングは誰にも把握することができず、突然交代しなければいけない状況に陥ってしまう可能性もあります。
そのため、まだ交代する必要がない早期段階で後続者育成は開始することが大切です。
実際に、経営者が交代するまでの期間内に、後続者を見つけることができなかったり、十分な育成を行えなかった企業の多くは、経営者が辞任した後に、経営が傾いてしまったり倒産してしまうことも少なくありません。
また、後続車育成が必ずしも順調に進むとは限らないので、早期の段階から余裕を持って育成を行うことが効果的です。
補佐として社長の近くで働かせる
後続者の育成で最も効果的な教育者は、現在の経営者です。
そのため、後続者には補佐として常に社長の近くで働かせて、実際に社長がどのような業務を行なっているのかや、社長が現場や業務で求められる能力などを後続者に教育することが大切です。
さらに、実際に社長の補佐として常に近くで働く姿を確認したり、実際に社長の行う業務などをサポートし続けていけば、能力や知識、センスだけでなく、豊富な経験も積み重なっていくので、とても効果的な教育方法です。
6. 後続者育成の具体的な取り組み
後続者育成を計画的に進めていけば、次期経営者候補にどのような知識や経験を身に付けさせる必要があるのかなどを考えることが大切です。
また、経営承継をするタイミングに合わせて予定を組むなどの取り組みも効果的です。
ここでは、後続者育成の具体的な取り組みについて詳しく解説します。
社内での後続者育成
社内で後続者育成を行う場合、主に以下の3つの育成方法が効果的です。
社員としての業務経験
後続者に社員としての業務経験が少なければ、実際に経営者になった時に、従業員の悩みや課題などを理解することが難しく、経営者として会社を引っ張っていくことが難しくなります。
また、経営の能力やセンスも重要にはなりますが、日々の業務や従業員の取り組みについてもしっかりと理解しておくことが大切です。
そのため、後続者育成では、経営について以外にも社員として業務経験を積ませることが効果的です。
経営に参加させる
将来的に経営者として活動する以上、業務経験を社員として積むだけではなく、経営幹部に参加させて実際に経営方針について検討させたり提案させることも大切です。
実際に、経営方針の検討や提案をさせることによって、判断能力や責任感、使命感などを身に付けることができるので、組織内でのリーダーシップが発揮できるようにもなります。
直接的な指導
後続者に対して経営者が直接指導して、企業理念や経営方針、経営ノウハウや経営状況などを教えることも大切です。
経営者が直接指導することによって、後続者の意識が高まったり、自分が経営者になった時に考えなければいけないことや身につけなければいけないことが理解できます。
そのため、社員として経験を積ませると同時に、経営に参加させたり経営者の直接的な指導を行うようにしましょう。
社外での後続者育成
社内での後続者育成での具体的な取り組みはわかりましたが、社外での後続者育成ではどのような取り組みが必要なのでしょうか。
続いては、社外での後続者育成の具体的な取り組みを、3つ解説します。
ビジネスセミナーへの参加
後続者をビジネスセミナーなどに参加させて、自社の経営ノウハウや方針以外の知識も見付けさせることで、より効果的に経営の能力やセンスを身につけることができます。
また、さまざまな企業の経営方針やビジネスについて学ぶことができれば、広い視野で経営について考えることができるようになるので、後続者育成には、ビジネスセミナーへの参加をさせてみることがおすすめです。
他社での業務経験
自社の社員としての業務経験を積んだ後に、他社での業務経験を積ませることで、自社と他社でどのような違いがあるのか、どちらの方が効率的なのか、などの知識が身に付きます。
また、自社では当たり前だったことが他社では当たり前でなかったり、その逆の場合も経験することになります。
さらに、新たに人脈を広げることができたり、スキルやセンスを磨くことができる機会にもなります。
関連会社・子会社での業務経験
自社の関連会社や子会社での業務経験も、後続者にとっては大切な経験になります。
関連会社や子会社であれば、自社と業務内容や取り組みが似ている場合がありますが、それでもさまざまな違いがあります。
また、自分が経営者になった時には、関連会社や子会社とも深く関わることが多くなるので、実際に業務経験を積むことで相手の立場になって判断行えるようになるなどのメリットがあります。
そのため、他社だけではなく、関連会社や子会社での業務経験をさせることも大切です。
7. 早期の後続者育成で会社の未来を支えよう
企業の存続にとても大きく影響を与える後続者育成は、早期段階から行うことによって、多くの企業や社会の未来に貢献します。
また、経営者がどのタイミングで交代してしまうのかは誰にも把握することができず、突然経営者が交代することも少なくないので、そういった状況で会社を存続させて、会社や社会の未来を支えられるようにすることが大切です。
実際に、後続者育成をうまく行なっている企業では、何世代にもわたって企業を経営し続けており、長い歴史を持っていることもあります。
そのため、これから後続者育成を始めようと考えている方は、早期の段階から取り組むようにしましょう。
8. まとめ
後続者育成によって企業を存続させることができれば、そこに勤めている従業員や関連企業、取引先企業など多くの方に、貢献することができます。
さらに、後続者育成をするためには、効率的に業務ノウハウや経営ノウハウを教えられるような仕組みが大切になってくるので、企業が後続者育成を行うことによって、さまざまな社内システムが改善され、従業員全体の能力も向上する可能性があります。
これから後続者育成を始めようと思っている方や後続者育成で悩んでいる方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみることをおすすめします。
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