2025年04月22日更新
郡山市のM&Aと事業承継の最新動向を解説!支援策とM&A成功事例も紹介
郡山市における事業承継(M&A)の最新動向を詳しく解説しています。休廃業件数・後継者不在率から見る現状、公的支援策、成功したM&A事例、相談先など、郡山での事業承継に役立つ情報を網羅しました。
目次
1. 郡山市の産業動向と事業承継の背景
郡山市は福島県内経済を牽引する「経済県都」とも呼ばれ、農業・工業・商業がバランス良く発展している地域です。肥沃な農地と高速交通網を活かし、米の生産や各種工業団地の整備など産業基盤を築いてきました。その結果、人・モノ・情報が集まる交流拠点として成長し、東北地方でも有数の経済規模を持っています。
こうした経済基盤がある一方で、中小企業の経営者高齢化に伴う事業承継(後継者不足)の問題も顕在化しています。郡山市内でも「会社を継ぐ人がいないため事業を畳むしかない」というケースが増えれば、地域経済に大きな損失をもたらすため、円滑な事業承継が重要な課題となっています。
2. 福島県・郡山市のM&A・事業承継・会社売却動向
本章では、福島県・郡山市のM&A・事業承継・会社売却動向について、休廃業・解散件数、後継者不在率の観点から解説します。
福島県内の休廃業・解散件数
最新の調査では、2024年の福島県内休廃業・解散件数は871件(前年から8.5%増加)とさらに増加しました。
休廃業件数増加の主な要因としては、経営者の高齢化・後継者不足、新型コロナ関連の支援策終了、物価高騰・人手不足の深刻化、そして震災復興需要の一巡などが挙げられています。
こうした要因が重なり、事業継続が可能であっても将来の不確実なリスクを避けるため廃業を決断する企業が出てきています。実際、本来であれば十分事業を継続できたはずの企業が、経営課題を精査した結果、敢えて廃業を選択するケースもみられます。この動きは後継者問題やビジネスモデル上の課題を抱える企業にも波及する可能性があり、注意が必要です。
休廃業を検討する企業にとって、M&A(会社売却)や第三者への事業承継は、廃業以外に取り得る重要な経営戦略の一つです。休廃業・解散を決断する前に、ぜひM&Aや事業承継の道を検討してみましょう。昨今では後継者不在の場合の事業承継手段としてもM&Aが一般化してきており、実際に郡山市を含む福島県内でも事業譲渡によって会社や雇用を存続させる動きが広がっています。
参考:帝国データバンク「千葉県内企業の「休廃業・解散」動向調査(2024 年)」
福島県企業の後継者不在率
帝国データバンクの最新調査によれば、福島県企業の後継者不在率は2023年に46.1%となり、翌2024年には45.1%へとやや改善しました。
前年比で1.0ポイント低下したものの、それでも約半数の企業に後継者がいない状況です。こうした改善の背景には、国や自治体が中心となって進めてきた事業承継支援策の周知や、M&Aの普及、事業承継税制の拡充などによって中小企業経営者の意識が変化し始めたことが挙げられます。
今後もこれらの取り組みが浸透すれば、後継者不在率のさらなる低下が期待されています。
後継者不在問題の解決に向けて、郡山商工会議所やいわき商工会議所など各地の商工会議所、さらには地元金融機関や自治体も積極的に事業承継・M&A支援を行っています。中でも、福島信用金庫がM&Aマッチングサイト運営企業のTRANBI(トランビ)と締結した業務提携は大きな話題となりました。この提携により、福島市や郡山市といった主要都市の企業にもM&Aの選択肢が広がったのはもちろん、いわき商工会議所など既存の支援機関によるマッチング活動の活性化にもつながっています。こうした背景から、現在の福島県(郡山市含む)では事業承継の手段としてM&Aや会社売却の活用が以前にも増して積極的に行われている状況です。
参考:帝国データバンク石川県「後継者不在率」動向調査(2024年)」
3. 福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継案件一覧
ここでは、福島県・郡山市を中心としたM&Aの売却・譲渡案件を紹介します。
【優良取引先あり】東北のサッシ・エクステリア工事業
大手アルミ建材業界を中心に、地場工務店と長年の取引実績があります。優良取引先、外注先から安定的な売上を得ています。
エリア | 東北 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在、事業拡大のため |
【好立地・50室以上】福島県_ビジネスホテル
業歴50年弱の地元を始め復興工事関係者に愛されるビジネスホテルです。好立地でコストパフォーマンスが良く口コミの評価が高いのが特徴です。
エリア | 福島県 |
売上高 | 5,000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 希望なし |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、戦略の見直し |
【売上10億円超 / 仕入・販売先とのネットワーク強固】東北地方の青果卸売業
市場、同業の卸売業者に加え、500軒超の生産者から直接仕入を行う地場スーパーです。資本効率が優れており、少ない資本で安定性の高い経営を実現しています。
エリア | 東北 |
売上高 | 10億円〜25億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、事業存続に対する不安 |
4. 福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の成功事例
福島県・郡山市近郊のM&A・事業承継の成功事例をピックアップして紹介します。
OCHIホールディングスによる弓田建設の子会社化
2024年9月、OCHIホールディングスは弓田建設の株式を取得し、子会社化しました。
OCHIホールディングスは、建材・生活・加工の3事業のグループを統括する持ち株会社です。対象会社の弓田建設は、建築工事を主要な事業とし、そのほか土木、舗装、不動産開発、住宅建設など幅広く手掛けてる会社です。
今回のM&Aにより、弓田建設及び同社の子会社2社をグループインすることで、エリア拡大と非住宅分野への取り組み強化を目指します。
ハタフルによるユーティルとの資本業務提携
2024年12月、福島県郡山市のWeb制作企業ハタフルは、東京のDX支援企業ユーティルと資本業務提携を締結しました。両社はこの提携により、共同で中小企業向けのWeb制作サービス「ホームページできるくん」の営業・制作体制を構築し、低コストかつ高品質なサービス拡充を目指しています。
ハタフルはWebデザイナー養成スクールの運営やクリエイターコミュニティの支援も行っており、高い技術力を持つ地元企業です。一方のユーティルは中小企業のデジタル化支援プラットフォーム事業者であり、今回の提携により両社の強みを活かして郡山発のITサービスを全国展開する基盤が整いました。
福島県信漁連による相馬双葉漁協の信用事業を譲受
2024年5月、相馬双葉漁業協同組合は、福島県信用漁業協同組合連合会へ信用事業を譲渡しました。
信用業務とは、組合員の事業または生活に必要な資金の貸付け、組合員の貯金の受入れなどの金融業務のこと。漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会および水産加工業協同組合の信用事業は、農林中央金庫とともにJFマリンバンクを構成している。
福島県信用漁業協同組合連合会は、福島県の漁業組合員の貯金、融資など、金融業務を行なっています。相馬双葉漁業協同組合は、福島県浜通り地方にある7つの漁協が合併して漁業協同組合です。
今回のM&Aは、年々変化する金融環境に伴う規制・制度などに対応し安定化させていくため、事業譲渡を行いました。
福岡運輸ホールディングスによる厚成社のグループ化
福岡運輸ホールディングスグループは、2024年7月に福岡運輸を通じて、定温物流に強みを持つ株式会社厚成社の全株式を取得し、グループ化しました。
これにより、福岡運輸グループの東北圏における物流拠点は8ヶ所となり、物流ネットワークが強化され、輸送能力の向上が期待されています。
厚成社は、菓子食品や精密機器などの配送に特化した総合的な物流サービスを提供しており、今回のM&Aで福岡運輸グループの事業展開がさらに拡充される見込みです。
フジオーゼックスによるピーアンドエムの子会社化
フジオーゼックスは、2024年3月の取締役会で、ピー アンド エムの全株式を取得し、子会社化することを決定しました。
フジオーゼックスは自動車部品の製造・販売を主業務とし、中期経営計画で新規事業の拡大を掲げています。
ピーアンドエムは金属製品や医療器具の製造販売を行い、高い技術力と信頼性を持つ企業です。両社の経営理念が一致しており、今回の株式取得により、社会課題の解決と業容拡大、新分野参入を目指します。
5. 福島県・郡山市内のM&A・事業承継に関する5つの公的支援
事業承継を考えた場合、以下の公的機関を利用するのも1つの方法です。それぞれ見ていきましょう。
①福島県事業承継・引継ぎ支援センター
中小企業庁からの委託事業として全国の各都道府県に設置されているのが、事業承継・引継ぎ支援センターです。各地域の中小企業が、円滑に事業承継が実現するように支援する目的で設置されました。
福島県事業承継・引継ぎ支援センターの場合は、公益財団法人福島県産業振興センターの郡山事務所内に事務局が設けられています。公的機関ですから、基本的に相談料は無料です。
事業承継・引継ぎ支援センターでは、親族内事業承継・社内事業承継・M&Aによる事業承継のいずれも支援対象としていますが、事業承継・引継ぎ支援センター独自の取り組みとして後継者人材バンクがあります。
後継者人材バンクとは、事業承継により経営者となることを希望する起業家と、後継者のいない中小企業とをマッチングするサービスです。
②いわき商工会議所
いわき商工会議所などの各地域の商工会・商工会議所も、M&A・事業承継・会社売却の支援を行っています。会員でなくても相談可能です。ただし、会員の方が、より手厚くサポートが受けられます。
③福島県よろず支援拠点
福島県よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者向けの経営相談所です。
相談は予約制で、相談料は無料となっていますのでM&A・事業継承に関する疑問を気軽に相談できます。また、M&A・事業継承以外にも「この相談をどこにすればいいのかわからない...。」といったオールジャンルの相談も受け付けています。
ちなみに、福島県よろず支援拠点は郡山市と福島市にオフィスを構えておりそれぞれのコーディネーターが在籍しています。
④福島商工会議所
福島商工会議所は、商工会議所法に基づいて設立された地域総合経済団体です。
運営の中心は事業経営者で、中小企業経営者への経営支援や地域経済復興支援を行っています。これからM&A・事業継承を考えている中小企業経営者の方や、地域を活性化させるM&A・事業継承を考えている経営者の方はぜひ福島商工会議所をご活用ください。
⑤福島県信用保証協会
福島県信用保証協会は、中小企業経営者が金融機関から融資を受ける際の公的保証人になることで金融の円滑化を進める機関です。
M&A・事業継承のための融資をスムーズにすることで、金融の円滑化が可能になるため積極的に支援を行なっている機関でもあります。福島県信用保証協会は主に中小企業経営者向けに金融の支援・サポートを行っていますが、経営相談や事業支援のサポートも行っています。金融のみならず総合的な支援を行なっている機関ですので、M&A・事業継承の際はぜひ利用しましょう。
6. 福島県・郡山市のM&A・事業承継・会社売却案件を探す3つの手段
福島県・郡山市でM&A・事業承継・会社売却案件を探す方法として、以下の3つを紹介します。
- 地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトなどを活用する
- M&A仲介会社・専門家に相談する
①公的機関・地元の金融機関などに相談する
公的機関であれば無料でM&A・事業承継の相談ができます。地域の経済状況や特性を活かしたアドバイスが受けられる、必要に応じて専門家の紹介が受けられるでしょう。
ただし、公的機関に相談する場合、大規模案件や複雑なスキームのM&Aには対応できない場合があるでしょう。
また、福島県内で中小企業案件を探すのであれば、金融機関も心強い味方です。普段から取引のある金融機関であれば相談しやすく、地域に密着した情報を持っている可能性もあるため、相談してみるのもよいでしょう。
ただし、金融機関は基本的に中小企業のM&AやスモールM&Aなどの相談に対応していないケースがあるため注意しましょう。
②M&Aマッチングサイトなどを活用する
マッチングサイトは、手軽に案件を検索してM&A・事業承継を進められるため便利です。
全国各地の幅広い案件情報を閲覧でき、専門家に依頼するよりも費用を抑えられます。
一方、デメリットはM&A・事業承継の手続きを当事者のみで進めなければならない点です。そのため、当初想定していたよりも余計な出費が発生するケースもあるでしょう。
M&Aマッチングサイトの活用がおすすめな場合は、自社内にM&A・事業承継に関わる専門家が在しており、専門家に依頼せずとも完結できるケースが挙げられます。
M&A総合研究所
M&A総合研究所が運営しているM&Aマッチングサイトが、M&Aプラットフォームです。AIシステムを導入しており、高精度の最適なマッチングを実現しています。
M&Aプラットフォームの利用は売り手・買い手ともに無料となっており、M&Aの仲介が必要な場合は、M&Aアドバイザーによる専任サポートをご依頼いただくことも可能です(サポート依頼時は手数料が発生します)。
Batonz(バトンズ)
Batonzは、国内最大手のM&A仲介会社である日本M&Aセンターの関連会社が運営するマッチングサイトです。幅広いネットワークを生かした情報量により、希望の案件探しができます。
TRANBI(トランビ)
全国金融機関とのパイプをもとに、M&A専門家が定額でマッチングを行います。先に紹介した福島信用金庫の事例のように、金融機関が保持している地域密着型の案件を探し出すことが可能です。
福島・郡山M&A支援センター
中小企業を中心に地域に根差した友好的なM&Aを目指している会社です。地域に密着したM&A案件を取り扱っているので、福島県でのM&Aを希望している場合は利用を検討することをおすすめします。
③M&A仲介会社・専門家に相談する
M&A仲介会社・専門家は、M&Aに精通しているプロであるため知識やノウハウも十分持ち合わせており、経験に即したサポートが受けられます。
一方、デメリットとしては仲介会社によって相談料や着手金が必要であったり、成約を急かされる可能性があることが挙げられます。
一般的なM&Aの案件はもちろん、複雑な条件交渉が必要、特定の業界を願う場合、海外進出を目指す場合などであれば、M&A仲介会社に相談するとよいでしょう。
7. M&A仲介会社を選ぶ5つのポイント
福島県・郡山市でM&A仲介会社を選ぶときに注意したいポイントは、以下の5つです。
①同業種の専門的知識・M&A実績がある
M&A・事業承継・会社売却をする際に、該当する業界に対する専門知識や実績は大切なポイントです。該当する分野の専門的知識・M&A実績が乏しい仲介会社では、業界に合わせた柔軟なサポートは望めないため、M&Aが成功する確率も低くなります。
②同程度の規模・地元のM&A実績がある
M&Aを行ううえで、地域性や案件規模に応じた戦略が必要となるため、仲介会社はそれらを考慮してサポートを行わなければなりません。地元でM&A実績があり、取り扱う案件規模が自社に合っているM&A仲介会社であれば、的確な対応が可能です。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&Aによる会社売却や事業承継には、さまざまな手法が存在します。M&Aには予期せぬトラブルが起こるなど、想定どおりに進みません。M&Aに関する幅広い知識や経験を持っている仲介会社であれば、トラブルや多様なケースに柔軟に対応できます。
スタッフに会計士や税理士、弁護士などが在籍していれば、税務上の問題や法律上の問題もスムーズに解決できます。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
M&A仲介会社の手数料・相談料などの報酬体系がわかりづらい場合、予想していなかったコストが発生する可能性があります。予定外の費用が発生すれば、後の経営に影響したり、売却益によって手にする金額が減ってしまったりするかもしれません。
そのような事態を避けるためには、報酬体系がわかりやすい仲介会社を選ぶのが肝要です。昨今では、完全成功報酬制を採用している仲介会社も多く、そのような会社を選べば成約しない限り手数料は発生しません。料金体系もわかりやすいため、おすすめです。
⑤担当スタッフの対応・相性
担当スタッフの対応や自社との相性が悪ければ、希望や意見のすり合わせがうまくいかず、スムーズなM&Aを行うことは困難です。相談しやすく悩みを打ち明けやすいスタッフが在籍しているかどうかも、仲介会社を選ぶ大切なポイントでといえます。
8. 福島県・郡山市のM&A・事業承継・会社売却まとめ
事業承継の解決手段として、M&A・会社売却は有効な方法です。さまざまな相談先があるので、自社に合ったところを探してサポートを受けると、M&A・事業承継・会社売却をスムーズに進めていくことができます。
無料相談を実施しているところもあるので、最大限に活用して相談先・サポート先を探しましょう。
9. 福島県の成約事例一覧
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