運送会社M&Aの現状とメリット・デメリット、成功事例まで徹底解説!

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

運送業界を取り巻く環境は、EC市場の拡大やドライバー不足など、変化の激しい時代を迎えています。M&Aは、これらの課題解決や更なる成長を実現するための有効な戦略として注目されています。本記事では、運送会社M&Aの現状やメリット・デメリット、成功事例、そしてM&Aプロセスにおける注意点まで詳しく解説します。

目次

  1. 運送会社を取り巻く現状とM&Aの必要性
  2. 運送会社M&Aの動向と市場トレンド
  3. 運送会社M&Aのメリット・デメリット
  4. 運送会社・物流会社のM&A・売買・買収・売却事例8選
  5. 運送会社M&Aのプロセスと必要書類
  6. 運送会社M&Aにおけるデューデリジェンスの重要性
  7. 運送会社・物流会社のM&AならM&A総合研究所
  8. 運送会社・物流会社のM&A・売買・買収・売却まとめ
  9. 運送・物流業界の成約事例一覧
  10. 運送・物流業界のM&A案件一覧
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1. 運送会社を取り巻く現状とM&Aの必要性

運送業界のM&A事情について学ぶ前に、まずは運送会社及び物流会社について大まかなことを把握しておきましょう。どのような企業が運送会社・物流会社に分類されるのかを知らなければなりません。

業界定義

運送会社とは、貨物自動車運送事業法に基づき、トラックなどを用いて荷物を輸送する事業者のことを指します。荷主から依頼を受け、集荷から配達までを一貫して行う企業や、特定の地域やルートに特化した企業など、様々な形態が存在します。

わかりやすいところでは、クロネコヤマトや日本郵政がそれに当たります。運送会社と物流会社はあくまでも物品を運ぶだけなのです。

物流を担う会社であればトラックやバイクといった陸路、船で運ぶ海路での運送や空路での運送などが含まれます。そして、運送・物流業界と旅客運送業界どちらも合わせて運輸業と一括りにされています。

現状分析

ここ最近の運送業界・物流業界はどのような現状なのでしょうか。

EC市場の拡大による需要増加の一方で、燃料費の高騰やドライバー不足、そして労働時間規制の強化など、運送業界は厳しい経営環境に直面しています。

大手事業者

運送・物流の大手企業の仕事は、通販の商品運送と法人向けの運送の2つあり、企業によっては倉庫運営もしています。通販の配送では佐川急便やクロネコヤマト、あとは日本郵便も有名です。

Amazonでは大手以外の運送会社が運んでいる光景を見るようになりました。倉庫運営は法人向けが大多数となるためほとんど目にしません。

企業向けの運送・物流は海外に自社工場を持つ会社が増えた結果、今までのように稼げなくなってきているのが現実です。

とはいえ、大手の運送会社・物流会社は、全国展開しているため仕事が多く、中小企業に比べるとまだまだ力があります。

中小事業者

中小規模の運送企業・物流企業の仕事は、Amazonなどのネットショッピングがほとんどです。なぜなら運送業界・物流業界で1番勢いがある分野が通販で、通販を利用する個人が増えたことにより商品を運ぶトラックやバイクの需要が増えたからです。

大手の運送会社だけでは対応できず、通販商品の運送に参戦する中小企業が増えたことは事実ですが、多くの中小企業や大手企業が次々と参戦したため市場が飽和状態となりました。それによって値引き合戦が起こり、忙しい割には利益が出ないのが現状です。

これからどのようにして立ち回るのかが中小の運送・物流会社の課題となっています。自社の力だけで生き延びられるか、それとも会社売却を視野に入れるか踏ん張りどころです。

主要企業

続いて、運送会社・物流会社の主な企業を見ていきましょう。街中で社名が書いてあるトラックを一度は見ているはずです。

ここで名前を出す運送会社はどこも基本的に自社の倉庫を持っています。それだけ企業として力があるのです。有名な運送会社は、日本郵政・日本通運・ヤマトホールディングス・SGホールディングス・JR貨物・日立物流・近鉄エクスプレスがあります。

続いて、法人の商品を保管・預かりを主とした倉庫を運営している企業を紹介します。基本的に法人向けで個人の仕事は受け付けていません。また運送事業も取り扱っています。有名な会社として、三菱倉庫・三井倉庫・日本トランスシティ・住友倉庫などがあります。

トラックによる陸路での運送を思い浮かべがちな運送と物流ですが、海路での運送・物流も需要がある立派な仕事です。主に、日本郵船・商船三井・飯野海運・NSユナイテッド海運川崎汽船が該当します。

課題

ここ数年ニュースでトラックの運転手が足りない、人手不足による運送料の値上げなど、聞くようになりました。大手、中小ともに運送会社と物流会社はとある2つの問題に悩まされているのです。

ドライバー不足

運送会社・物流会社は大手企業中小企業問わずトラックのドライバー不足に悩まされています。では、なぜトラックのドライバーが足りていないのでしょうか。

ネットショッピングの利用者が劇的に増えたことにより仕事はたくさんあり、ライバル会社より多くの仕事を受注しようと送料を安くして請け負います。その結果、忙しい割には給料が安いためトラックドライバーが次々に辞めてしまい、ドライバー不足へとつながっています。

大手運送会社はトラックの運転手をどうにか確保しようと送料を値上げして給料を増やしたり、過去の未払いの残業代の支払いをしたりと躍起になっています。

長時間労働

トラックのドライバー不足は給料が安い問題と、あまりにも長すぎる労働時間の問題があります。

トラックドライバーの人手が足りない分長時間働かなければならず、ブラック労働へとつながるのです。ネットショッピングの発達により個人宛の物品が増えたことも長時間労働の一因です。

大手運送会社・物流会社はまだ力があるため少しずつ改革が進んでいますが、中小企業はまだまだ改善されそうにありません。時間どおりに配達できない、夜遅くまで配達をしているトラックのドライバーが多数いるのが現状です。

2. 運送会社M&Aの動向と市場トレンド

ここまで運送会社・物流会社の現状を見てきましたが、大手も中小もトラックのドライバー不足で悩まされているのがわかりました。他にも、法人向けの仕事で昔のように利益を上げられない企業もあります。

これらの問題により経営が立ち行かなくなった企業は、M&Aによる事業譲渡や買収などで立て直しを図ろうとしています。

件数増加の理由

2024年4月からは「働き方改革関連法」の時間外労働の上限規制が適用され、ドライバーの労働時間管理の厳格化が求められています。この状況下、M&Aは事業規模の拡大、経営効率の向上、そして人材確保の有効な手段として注目されています。また、DX化による輸送効率の向上や、環境規制への対応などもM&Aを促進する要因となっています。

3. 運送会社M&Aのメリット・デメリット

売りに出ている運送会社・物流会社を買収するメリット、売りに出す側のメリットにはそれぞれ何があるのでしょうか。
 

売却側

売却側のメリットとしては、後継者不足の解消、経営資源の集約による経営効率の向上、売却資金による事業再生などが挙げられます。また、従業員の雇用維持や、大手企業傘下に入ることで安定した経営基盤を確保することも可能です。

買収側

買収側のメリットとしては、新たな顧客基盤や営業エリアの獲得、輸送ネットワークの拡充、そして優秀な人材の確保などが挙げられます。また、規模の経済によるコスト削減や、シナジー効果による企業価値の向上も期待できます。一方で、買収後のPMI(Post Merger Integration:合併後統合)が円滑に進まなかった場合、想定した効果が得られない可能性もあるため、注意が必要です。

  • 運送・物流会社のM&A・事業承継

4. 運送会社・物流会社のM&A・売買・買収・売却事例8選

運送会社・物流会社による実際のM&A案件をまとめました。売り出ている会社も事業も買収する方も必死なのです。

パナソニック ロジスティクスが日本通運に普通株式の一部を譲渡

2013年にパナソニックの子会社であるパナソニック ロジスティクスが日本通運に株式の一部を譲渡し、日本通運の1グループとなりました。現在は、日通・パナソニック ロジスティクスとなっています。

日通はパナソニック ロジスティクスの電気機械系の流通に興味を持ち、パナソニック ロジスティクスは日通のノウハウを学べることで譲渡を決めました。

センコーがアストを買収

センコーは輸送・保管・流通加工を取り扱っている企業で、2013年に家庭紙卸売の会社であるアストを買収しました。アストは家庭紙専門商社として国内最大規模を誇っており、家庭や業務用の紙製品を商品開発から販売まで全て一貫して行っています。

輸送と保管と流通だけでは今後利益を上げるのは難しいと考えたのでしょう。アストを買収したことで、製造から卸売までできるようになりました。自社で製造から運送と物流全てを取り仕切りが可能なのは、大きな強みです。

鴻池運輸が九州産交運輸を買収

2014年に鴻池運輸が九州産交運輸の全株式を取得し、子会社化しました。買収価格は約18億円です。結果、九州産交運輸が持つ医薬品系の運送にも強くなりました。

鴻池運輸の院内物流や医療機器物流のサービスを組み合わせ、さらに効率の良い医療物流モデルの構築により、トラックの配送・運送システムを作り、事業を拡大しています。

サカイ引越センターがSDホールディングスを子会社化

サカイ引越センターは、2016年に清掃事業を手掛けるSDホールディングスの全株式を取得し、子会社化しました。

サカイ引越センターは2009年より株式会社ダスキンと業務提携をしており、SDホールディングスを取り込むことによって、引越の際の部屋の清掃サービスも同時に提供し、グループの業績・ブランドイメージの発展を目的として子会社しました。

丸和運輸機関が国際トランスサービス、関東運送より個配事業の取得

丸和運輸機関は、国際トランスサービス、関東運送が請負っていたコープデリ生活協同組合連合会の個人別の配送事業を2018年に事業取得しました。

丸和運輸機関は、関西圏はすでに生活協同組合の商品個配事業を展開しており、今回の事業取得により首都圏でも同サービスを提供できます。個配サービスは、子育て世帯、高齢者世帯などに需要が高まり、今後もサービス拡大が見込まれます。

SBSホールディングスがリコーロジスティクスを連結子会社化

SBSホールディングスは、2018年にリコーロジスティクスの株式66.6%を約180億円で取得し、連結子会社化しました。リコーロジスティクスは主にグループの物流全般を行っており、国内に約100拠点、海外に5拠点があります。

SBSホールディングスはリコーロジスティクスを子会社化によって、運送ネットワークを強化し、海外事業への拡大を図るのが狙いです。

トナミホールディングスがるケーワイケーを完全子会社化

トナミホールディングスは、2018年に運送事業を営むケーワイケーの全株式を取得し、子会社化しました。ケーワイケーは、一般貨物自動車運送事業、一般引越し・事務所移転作業、営業倉庫、産廃収集運搬業などを取り扱っている企業です。

ケーワイケーの持っている実運送力、地域密着型の配送サービスを取り入れ、トナミグループの事業拡大におけるシナジー効果を期待するものです。

日本通運がTranscof S.r.lを買収

日本通運は、2018年に欧州日本通運を通して、イタリアの高級ファッションブランド、アパレル関連の物流会社Transcof S.r.l(以下Traconf)を約190億円で買収しました。

Transcofはイタリア・ヴェローナに本拠地を置き、主にアパレル関連の倉庫保管、配送サービスの事業を欧州やアメリカ、中国で展開しています。

日本通運の特徴とする、国際輸送、製品保管、市場への配送といったワンストップ型のロジスティクスをさらに強化し、海外で成長が見込まれる地域・事業領域におけるネットワークの拡充に向け、集中的な投資に積極的に取り組んでいます。

5. 運送会社M&Aのプロセスと必要書類

M&Aで事業を譲渡する際に必要な書類がいくつかあります。会社を売りたい、事業譲渡したいからといってただ単にM&Aサイトに登録するだけ、他会社に話を持ちかけるだけでは駄目なのです。

売りに出ている会社を買う側も相手の書類に不備はないのか、全て揃っているのかをきちんと確かめましょう。決算書や登記簿謄本、名簿や売上明細など細々とした書類が必要となってくるのです。

6. 運送会社M&Aにおけるデューデリジェンスの重要性

売りに出ている会社や事業譲渡で良い案件を探す際に注意すべき点があります。利益の確認も大事ですがそれだけではいけません。

社員の平均年齢

売りに出ている会社を売却や事業譲渡で買いたい場合、その会社に在籍している社員の情報を把握しておく必要があります。定年間際の社員が多いとすぐ辞める可能性があり、結局一から社員を育てる羽目になるからです。

そうならないようにするためにも、社員の平均年齢が高すぎない事業や会社を選びましょう。

シナジー効果算出

利益だけを見てM&Aを仕掛け買収するのももちろんありですが、利益以外のメリットも欲しいでしょう。品物を作る際に必要な資材の削減やコスト削減が可能など、シナジー効果の算出が必要になります。

M&Aを利用するときは、売り出ている会社や譲渡で譲り受ける事業のさまざまな情報を把握しておきましょう。どこと取引をしているのか、どのルートを使い運送をしているのかなど細かく調べてください。

7. 運送会社・物流会社のM&AならM&A総合研究所

運送会社・物流会社のM&A・売却をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は運送・物流業界などさまざまな業種のM&A支援実績を多数有しています。

専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが案件ごとに専任につき、M&Aを一貫サポートいたします。

当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。

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8. 運送会社・物流会社のM&A・売買・買収・売却まとめ

運送会社や物流会社は参入が盛んな市場ですが競争が激しく、ただ仕事を引き受けて配送しているだけではあまり利益が出ません。ネットショッピングの普及により個人向けの運送は増えたものの、長時間労働と給料の安さにより大手企業含めトラックドライバーの働き方が見直されています。

これまでと同じような働き方では会社を経営できず、運送・物流事業を譲渡する、会社売却をする道を選択する中小企業が増えていくと考えられます。

9. 運送・物流業界の成約事例一覧

10. 運送・物流業界のM&A案件一覧

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