2022年06月06日更新
鉄骨工事会社のM&A・買収・売却!事例や相場、成功ポイント、相談先を解説
本記事では、鉄骨工事会社におけるM&A動向のほか、売却・買収事例、売却・買収の相場、鉄骨工事会社がM&Aにより買収・売却を実施する際の成功ポイントなどを解説します。鉄骨工事会社がM&Aを行う際におすすめの仲介会社もまとめました。
目次
1. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却とは
本記事では、組織再編を検討する際に参考になる鉄骨工事会社のM&A動向や事例を解説します。鉄骨工事会社では、他の業界と同じく、人手不足などを背景にM&Aや事業承継の数が増加中です。
まずは、鉄骨工事会社業界の定義や現状から記載します。
鉄骨工事会社業界の定義
鉄骨工事会社とは、設計図に書かれた鉄骨の組み立て構造を把握して、建物の骨組みとなる部分を正確に組み上げていく工事会社のことです。
なお、広義の鉄骨工事業界には、鉄骨建築の施工図を作成する会社のほか、鉄骨の加工・販売を行う会社や、鉄骨建築を行う際の資機材を製造・販売する会社なども含まれます。
鉄骨工事会社の現状
近年における鉄骨工事会社の現状には、主に以下のような特徴が見られます。
- 業界需要は徐々に縮小が予測される
- 被災地のインフラ需要などがある
- 企業の規模を問わず倒産が起こっている
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
業界需要は徐々に縮小が予測される
鉄骨建築は大規模建築物や橋梁などに欠かせない資材ですが、現在では大規模建築物の需要が落ち着いてきている状況です。今後の動向としては、鉄骨工事会社の需要が縮小していくと予測されています。
被災地のインフラ需要などがある
鉄骨工事会社の需要は2008年のリーマン・ショックを発端に年々下落を続けていましたが、東日本大震災および東京オリンピック開催に伴うインフラ需要などの影響を受けて、近年では回復基調が見られました。
とはいえ、都心部の大型工事需要が一段落したことで、今後の市場は縮小もしくは横ばいとなる見方も強まっているため注意が必要です。
企業の規模を問わず倒産が起こっている
近年の鉄骨工事会社では、鉄骨資材価格の上昇・工事費の値下げ圧力の高まり・受注競争の激化などによって、利益を出せない会社が増加しています。これに伴い、大手・中小を問わず多くの企業で倒産が起きています。
M&A・買収・売却とは
M&Aとは、買収・売却をはじめとする企業合併全般の施策を指す言葉です。株式譲渡や吸収合併とは、企業合併を実現するスキームに該当します。株式会社の企業合併では、株式売却や事業譲渡により、買い手企業が売り手企業(または事業)の経営権を取得します。
M&Aでは、選択したスキームによりプロセスが異なるため、進め方には留意が必要です。
M&Aを行うには、一般的に半年~1年ほどの期間を要し、買収後に企業価値向上できる事例は全体の3割から5割といわれています。買収の成功率を少しでも上げるために、適合する企業が現れた場合には、丁寧に準備する必要があります。
M&Aによる事業承継とは
M&Aによる事業承継とは、M&Aの手法を用いて、会社の経営権や事業を後継者や第三者に承継させる行為を意味します。事業承継では、経営者が後継者を指名してその人に承継するのが一般的ですが、昨今は中小企業を中心に後継者不在問題が深刻化しており、事業承継できないまま引退する経営者も増加傾向にあります。
近年、M&Aによる事業承継は増えています。M&Aでは第三者に経営権を託すため、周囲に後継者候補としてふさわしい人材がいなくとも、事業承継が可能です。
2. 鉄骨工事会社関連のM&A・買収・売却・譲渡の事例
ここでは、鉄骨工事会社関連のM&Aによる買収・売却・譲渡事例を紹介します。
- 小野建による森田鋼材のM&A
- 小野工業所と博陽工業の資本提携
- 瀧上工業によるケイシステックニジューサンのM&A
- 阪和興業によるブリヂストン化工品ジャパンからの一部事業の承継
- コンドーテックとエヌパットの資本業務提携
- ナガワによるOY CORPORATION LTD.のM&A
- 丸藤シートパイルによるディ・ケイ・コムのM&A
- PAULO SEIICHI ISHIBASHIによるナガワドブラジルのM&A
- 旭化成ホームズと中央ビルト工業の資本業務提携
- エスイーによる森田工産のM&A
- コンドーテックによる中央技研のM&A
- 那須電機鉄工による那須ストラクチャー工業の鉄骨加工事業の事業譲渡
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。
①小野建による森田鋼材のM&A
2019年10月、小野建は、鉄筋コンクリート用異形棒鋼の加工・販売・施工などを手掛ける森田鋼材を株式譲渡により子会社化すると発表しました。本件の売却価額は、非公開です。
本件M&Aにより、小野建では、森田鋼材の経験・技術・ノウハウ・顧客基盤・外注取引先との友好関係などを活用して成長が図られています。
②小野工業所と博陽工業の資本提携
2019年2月、小野工業所は、相手側の株式をすべて取得する形で、鉄骨の加工販売を行う博陽工業と資本提携を締結しました。
本件M&Aにより、小野工業所では、高品質な鉄骨の安定的な獲得が図られています。
③瀧上工業によるケイシステックニジューサンのM&A
2018年6月、瀧上工業は、自動車用部品取付期機などの設計・制作・修理を手掛けるケイシステックニジューサンを株式譲渡により子会社化すると発表しました。
本件M&Aにより、瀧上工業では、利益性のある事業ポートフォリオの拡大が図られています。
④阪和興業によるブリヂストン化工品ジャパンからの一部事業の承継
2018年4月、阪和興業は、ブリヂストン化工品ジャパンから冷蔵倉庫用の防熱工事事業を吸収分割により約7,000万円で取得すると発表しました。
本件M&Aにより、阪和興業では、自社が手掛ける鉄骨工事や屋根部屋工事とのシナジー効果を獲得しながら、防熱工事事業の収益化が図られています。
⑤コンドーテックとエヌパットの資本業務提携
2018年2月、コンドーテックは、建築用金物などを製造・販売するエヌパットの発行済株式を5%取得する形で、業務資本提携を締結しました。
本件M&Aにより、鉄骨建築で使用する結合金具などを製造・販売するコンドーテックでは、販売網の拡大や企業価値の向上などが図られています。
⑥ナガワによるOY CORPORATION LTD.のM&A
2017年11月、国内外で鉄骨を用いた建設を行っているナガワは、タイで鉄骨を用いた建設などを行うOY CORPORATION LTD.を株式譲渡により子会社化しました。本件の売却価額は、約1億円です。
本件M&Aより、ナガワでは、タイにおける事業拡大および技術力向上などが図られています。
⑦丸藤シートパイルによるディ・ケイ・コムのM&A
2017年9月、丸藤シートパイルは、ディ・ケイ・コムの全株式を取得し完全子会社化しました。
鉄骨加工や打込・引抜工事などを展開する丸藤シートパイルは、ソイル柱列連続壁や地中障害撤去のロックオーガー工事の専門業者であるディ・ケイ・コムの高い技術力と施工技術を生かしたシナジー効果が見込まれます。本M&A取引では、買収価格は非公開とされています。
⑧PAULO SEIICHI ISHIBASHIによるナガワドブラジルのM&A
2017年2月、ナガワは、ブラジル支社の全株式をブラジルの現地法人であるPAULO SEIICHI ISHIBASHIへ譲渡しました。売却価格は2万ブラジルレアルでした。
ナガワは、ユニットハウス事業やモジュールハウス事業などの海外展開に取り組んでいます。海外の投資環境や今後の事業発展を勘案し、経営資源をブラジルから東南アジアへ集中させる決定を行いました。
⑨旭化成ホームズと中央ビルト工業の資本業務提携
2017年2月、旭化成ホームズと中央ビルト工業は、資本業務提携を締結すると発表しました。本件資本業務提携は、旭化成ホームズが中央ビルト工業の発行済株式および第三者割当増資を約11億5,000万円分取得する形で締結されています。
もともと両社には取引関係がありましたが、本件M&Aにより首都圏における需要取り込みが進められる見込みです。
⑩エスイーによる森田工産のM&A
2015年3月、建設用資機材の製造・販売などを行うエスイーは、鳥取県で鉄骨工事業を行う森田工産を株式譲渡により子会社化しました。本件の売却価額は、約2億3,000万円です。
本件M&Aにより、エスイーでは、建設関連事業を営むグループ企業同士のシナジー効果の獲得が図られています。
⑪コンドーテックによる中央技研のM&A
2014年7月、コンドーテックは、設備機械製造などで高い技術を持つ中央技研を株式譲渡により子会社化すると発表しました。本件の売却価額は、約1,000万円です。
本件M&Aにより、コンドーテックでは、高性能な製品を効率良く生産できる体制が整えられています。
⑫那須電機鉄工による那須ストラクチャー工業の鉄骨加工事業の事業譲渡
2014年4月、那須電機鉄工の連結子会社である那須ストラクチャー工業は、鉄骨加工事業を新たに設立した会社に事業譲渡したうえで解散しました。なお、本件の売却価額は公開されていません。
那須電機鉄工は、厳しい経営状態にあった那須ストラクチャー工業について、単独で立ち直らせることは不可能であると判断し、他社と共同出資する新会社への事業譲渡を決断しています。
3. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向
鉄骨工事会社のM&A動向には、主に以下のような特徴が見られます。
- 国内から海外への需要を求めたM&Aが増えている
- 廃業が多く今後のM&Aの浸透が注目される
- 周辺業界・異業種などへのM&Aも増えている
- 今後を不安視する中小規模の鉄骨工事会社が増えている
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
①国内から海外への需要を求めたM&Aが増えている
鉄骨工事会社業界は日本国内の需要が減少傾向にあることから、海外に拠点を置く企業とのM&A件数が増加しています。特に近年では、アジア企業とM&Aを行う鉄骨工事会社が増えている状況です。
②廃業が多く今後のM&Aの浸透が注目される
鉄骨工事会社業界の現状を見ると、ほとんどの企業がM&Aによる会社売却ではなく廃業を選んでいる状況です。
しかし、近年ではM&Aによる会社売却・事業承継の認知度が向上してきており、今後は中小企業を中心にM&Aによる買収・売却が増加すると予測されています。
③周辺業界・異業種などへのM&Aも増えている
鉄骨工事事業のみでは経営が厳しくなっているために、本業のノウハウを生かせる関連事業を買収するケースや、事業の多角化を目指して異業種へ参入するケースなども目立っています。
④今後を不安視する中小規模の鉄骨工事会社が増えている
日本全体で鉄骨工事の市場規模が縮小傾向にあるうえに、高齢化や人材不足の問題も相まって、将来に不安を抱く鉄骨工事会社が増加しています。ゼネコン・施工管理会社・異業種の会社などと合併を行い、経営の安定を図る会社が多いです。
4. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社
鉄骨工事会社では社内だけでM&Aを遂行することは難しいため、M&A仲介者会社などから助言を受ける必要があります。しかし、最近では数多くのM&A仲介会社が存在し、どこに依頼すべきか悩む会社も多いです。
そこで、鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡を行う際におすすめの仲介会社などを解説します。
M&A仲介会社
M&Aの専門会社や専門家は多くいますが、仲介会社とアドバイザリー会社に大別されます。仲介会社は、買い手企業と売り手企業をマッチングする企業で、アドバイザリー会社と比較してコストの点からおすすめです。
M&A総合研究所
M&A総合研究所では、実務経験豊富なアドバイザーが専任担当につき、鉄骨工事会社業界のM&Aをフルサポートしています。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談はお電話・Webより随時受けているので、M&A・買収・売却・譲渡を検討する際は、情報提供のみでもお気軽にご連絡ください。
鉄骨工事会社業界のM&Aを行う際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。
金融機関
金融機関は、融資や保証といった本来の業務の傍ら、M&A助言を行っています。
特に地銀や信用金庫など地域に特化したサービスを提供する金融機関では、地域に対する情報網を駆使してM&Aアドバイザリー業務を行っています。
M&A仲介会社と提携している金融機関もあり、安心と信頼をもって依頼できる相談先といえるでしょう。
公的機関
地方公共団体の下部組織である、商工会議所、事業承継・引継ぎ支援センターなどでもM&Aのアドバイスを行っています。
自治体の問題意識が高い事業承継に特化している場合が多く、サービス対象は中小企業がメインです。公的機関であるため、一般的に独自のM&A仲介・助言サービスを提供できないため、M&A仲介会社などのあっせんをしています。
士業事務所
弁護士・会計士・税理士などの士業が、本業の傍らM&A支援を行っています。士業は会社顧問などとして経営者の悩みを聞くため、その中で受けたM&Aの相談を仕事として引き受ける場面があります。
士業事務所と連携してM&A仲介会社を運営していることも多く、この場合はデューデリジェンスなどのM&Aプロセスを自社グループ内で完結させることが可能です。
M&Aマッチングサイト
M&A仲介会社では買い手と売り手が仲介会社を通してやり取りしますが、M&Aマッチングサイトではサイト上で直接やり取りすることが可能です。
仲介会社よりもさらに手数料が低い場合が多く、中小企業やM&Aに関する多くの情報を得たい企業に利用されています。
当事者同士でM&Aを進めるのが難しい場合もあるため、その場合はマッチングサイトの運営会社のサポートを有料で受けられます。
5. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡における相談先の選び方
数あるM&A仲介・助言会社の中から、どの専門会社に相談・依頼するかは難しい問題です。自社にとってより良い譲渡先、買収先を見つけるためには、主に以下の5つの観点で専門会社を選ぶことが重要です。
- 自社と同規模のM&A案件の成約実績を持つ
- わかりやすい手数料体系を採用している
- 鉄骨工事業界のM&Aに強みを持っている
- M&Aの知識を豊富に備えている
- 担当者との相性が良い
以下ではそれぞれの詳細を解説します。
①自社と同規模のM&A案件の成約実績を持つ
まずは、当該専門会社の過去のM&A関与実績を確認することです。
自社と同規模のM&Aの成約を経験していれば、その企業規模のM&Aノウハウが蓄積していると考えられるため、自社に対しても良いアドバイスを提供してくれる可能性が高まります。
ほとんどのM&A専門会社では、自社ホームページで過去の実績を公表しています。
②わかりやすい手数料体系を採用している
M&Aの仲介手数料や助言手数料は体系が複雑であり、料金トラブルを防ぐためにも事前に確認することが重要です。
成功報酬とは別に、着手金・相談料・中間金といった手数料が課される場合もあるため、わかりやすい体系が提示されている専門会社を選ぶと良いでしょう。
③鉄骨工事業界のM&Aに強みを持っている
M&A専門会社の中には、鉄骨工事業界に特化した会社があります。業界事情に精通しているため、M&Aの候補先の選定時や相手方との交渉時に力を発揮してくれるでしょう。
会社全体は特定の業界に特化していない場合にも、会社の部署ごとに担当の専門業種を持っている場合があるため、担当者の専門性を見極めることが重要です。
④M&Aの知識を豊富に備えている
当然ながら、M&A専門会社には知識のある会社とそうでない会社があります。M&Aを成功させるためには、法務・会計などの知識だけでなく、業界のキープレーヤーの把握、経営戦略に合致した買収候補先の選定が必要です。
良いM&A専門会社か否かは、単純に士業が持つような専門知識のみでは測れません。過去の実績、所属するコンサルタントの質などを総合的に判断すべきです。
⑤担当者との相性が良い
M&Aは、本質的には、人と人とのコミュニケーションの中で実行されます。例えば、買い手企業と売り手企業のやり取りは、M&A仲介会社をきっかけにして行われます。
M&A専門会社やその中の担当者との相性が悪く、コミュニケーションが円滑ではない場合には、難しいM&A取引の実行は遂行できないでしょう。
自社と相手先のどちらにも良いアドバイスをしてくれるような、信頼に足る相談先を探してください。
6. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相場
鉄骨工事会社の売却希望価額は、他業界に比べると安くなるケースが多く見られます。主な理由は、鉄骨工事会社には高額な設備・機器がそれほど必要ない点です。
売却側の鉄骨工事会社からすると、将来への不安により、早く負債を解消したり従業員の雇用を確保したりしたい思いから、比較的に安く売却希望価額を提示する経営者が多い点も理由に挙げられます。
相場の算出方法
鉄骨工事会社を対象とするM&Aの取引価格は、売却側の企業価値をもとに算定します。企業価値を求める手段は「バリュエーション」と呼ばれており、マーケットアプローチ・コストアプローチ・インカムアプローチの3つに大別されます。実務では、それぞれの手法を組み合わせて、企業価値を算出するのが一般的です。
上記のうち、マーケットアプローチとは、株式市場やM&A市場における取引価額を基準に算定する評価方法です。これに対して、コストアプローチは、業の純資産の時価評価額等を基準に株主資本価値を算定する評価手法をさします。
そして、インカムアプローチとは、企業の将来の収益やキャッシュフローの予想を指標として企業価値を評価する方法のことです。
7. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡のメリット
鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡には、さまざまなメリットがあります。ここでは、売却側と買収側のメリットをまとめました。
売却側のメリット
M&Aによって鉄骨工事会社の売却側では、主に以下5つのメリットが得られます。
- 従業員の雇用確保
- 後継者問題の解決
- 売却・譲渡益の獲得
- 廃業のコストがかからない
- 個人保証・債務・担保などの解消
それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
従業員の雇用確保
M&Aで会社売却すると、売却側は鉄骨工事の技術を持った従業員の雇用を確保できます。つまり、貴重な技術を持った職人に対して、業界でのキャリアを提供することが可能です。
後継者問題の解決
多くの中小鉄骨工事会社では後継者問題の解決が課題ですが、M&Aによる売却では、後継者を確保したうえで事業を継続させられます。
売却・譲渡益の獲得
鉄骨工事会社の経営者は、M&Aによる売却で売却益を獲得できます。獲得した売却益は、その後の生活資金や次の事業資金などに活用可能です。
廃業のコストがかからない
廃業を選択した場合、廃業コストを負担しなければなりません。その一方で、M&Aによる売却であれば、廃業にかかる費用を削減できます。
個人保証・債務・担保などの解消
個人保証・債務・担保などの存在は、鉄骨工事会社の経営者や親族などにとって経済的・精神的に大きな負担です。しかし、M&Aによる売却であれば、契約次第で売却先に引き継いでもらうことも可能です。
買収側のメリット
M&Aによって、鉄骨工事会社の買収側では、主に以下5つのメリットが得られます。
- 従業員の確保
- 必要な事業を低コストで取得
- 新規事業へ低コストで参入
- 顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
- 事業規模・エリアの拡大
それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
従業員の確保
鉄骨工事会社業界では若手職人が慢性的に不足していますが、M&Aによる買収であれば、売却側の従業員をそのまま獲得できます。
必要な事業を低コストで取得
鉄骨工事会社が周辺事業・関連事業を始める場合であっても、M&Aによる買収であれば、売却側との交渉次第で、コストを抑えたうえで事業の取得が可能です。
新規事業へ低コストで参入
鉄骨工事会社が異業種へ参入する場合であっても、M&Aによる買収であれば、売却側との交渉次第で低コストで事業の多角化が可能となります。
顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
M&Aによる買収であれば、すでに信頼関係が構築されている売却側の顧客・取引先を獲得できます。売却側が持つ独自のノウハウも獲得可能です。
事業規模・エリアの拡大
鉄骨工事会社が事業エリアの拡大により事業成長を図る場合であっても、M&Aによる買収であれば、短期間で効率の良い事業規模の拡大を実現可能です。
8. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の成功ポイント
鉄骨工事会社業界でM&A・買収・売却・譲渡を成功させるには、どのようなポイントを押さえて実施すれば良いのでしょうか。
ここでは、鉄骨工事会社業界でM&A・買収・売却・譲渡を成功させるポイントを、売却側・買収側それぞれの立場からまとめました。
買収側の成功ポイント
買収側は、主に以下3つのポイントを押さえることが重要です。
- デューデリジェンスを徹底する
- 統合プロセスを実施する
- M&Aの専門家に相談する
それぞれのポイントを順番に見ていきます。
デューデリジェンスを徹底する
デューデリジェンスとは売却側企業の経営状態などを調査するプロセスであり、M&Aにおいて重要な工程の1つです。
デューデリジェンスを徹底して行うと、統合後のリスクを最小限に抑えられます。
統合プロセスを実施する
M&Aでは、PMIと呼ばれる統合プロセスにより、買収側と売却側企業を1つにまとめます。
PMIの成否がM&Aの成否を分けるといっても過言ではないほど、重要な工程です。
M&Aの専門家に相談する
M&Aの専門家は、デューデリジェンスやPMIなどの工程を幅広い知識と豊富な経験から的確に遂行していきます。M&Aの専門家に相談しながら進めると、M&Aの成功率を上げることが可能です。
売却側の成功ポイント
売却側では、主に以下3つのポイントが重要です。
- アピールポイントを持つ
- 権利・特許・技術などを持つ
- M&Aの専門家に相談する
それぞれのポイントを順番に確認します。
アピールポイントを持つ
多くの売却希望案件の中から自社を選んでもらうには、明確なアピールポイントが求められます。
ここでは、M&A専門家への事前相談などで、自社のアピールポイントを洗い出しておくと良いでしょう。
権利・特許・技術などを持つ
鉄骨工事に関する権利・特許・技術の獲得は、買収側にとってM&Aを行う目的の1つです。獲得の難しい権利・特許・技術などを持っていれば、売却交渉が有利となります。
M&Aの専門家に相談する
M&Aの専門家に相談すると、企業価値の向上などの観点から効果的な売却戦略を構築できます。これにより、最適な売却先探しを目指せます。
9. 鉄骨工事会社のM&A・買収・売却・譲渡まとめ
本記事では、鉄骨工事会社のM&Aにおける買収・売却動向や、買収・売却事例、買収・売却を成功させるポイントなどを紹介しました。
鉄骨工事会社の主なM&A動向には、「国内から海外への需要を求めたM&Aが増えている」「廃業が多く今後のM&Aの浸透が注目される」「周辺業界・異業種などへのM&Aも増えている」などが挙げられます。
上記を踏まえて、買収側がM&Aを成功させるためのポイントは、「デューデリジェンスを徹底する」「統合プロセスを実施する」「M&Aの専門家に相談する」などです。
これに対して、売却側がM&Aを成功させるには、「アピールポイントを持つ」「権利・特許・技術などを持つ」「M&Aの専門家に相談する」などがポイントといえます。
鉄骨工事会社業界でM&Aを成功させるには、信頼できるM&Aの専門家に相談することが大切です。
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