2023年04月30日更新
LPガス会社は事業承継を実施すべき?現状や事業継承の効果を交えて解説
LPガス業界では、需要の縮小が進み、事業継承を行う会社が増加傾向にあることからも、新しい局面を迎えているといえるでしょう。そこで、業界の縮小が進んでいる原因や、事業継承の目的などを交えながら、LPガス業界における事業継承の手続きや注意点などについて解説します。
目次
1. LPガス会社の事業承継マニュアル
LPガス業界では、業界全体の高齢化や後継者不足が深刻化しています。後継者不在の状態のままでは廃業を選ばざるを得なくなるため、誰かに引き継ぎたいと考えている経営者の方が多いでしょう。
そのようなケースでは、M&Aによる事業承継を活用することで、会社を存続させられます。本記事では、M&Aによる事業承継で得られるメリットや、手続き・届け出方法などを詳しく解説します。
事業承継とは
事業承継とは、経営理念と一緒に会社の経営を後継者に引き継ぐことです。経営者が高齢化すると経営能力が低下してしまうため、会社は適切なタイミングで事業承継を進める必要があります。
従来の中小企業は親族に引き継ぐ「親族内承継」が一般的でしたが、近年は少子高齢化や都市部の人口集中などの影響で「M&Aによる事業承継」が増えています。
M&Aによる事業承継とは、会社の買い手を探して経営を引き継いでもらう方法です。後継者候補を親族や社内に限定せずに探せるので、適任者が見つかりやすい特徴があります。
事業承継は親族以外に引き継ぐ選択肢もあるので、会社の抱えている状況に合わせて最適な方法を選択できれば、より良い形で次の世代に引き継ぐことが可能です。
2. LPガス業界の動向と現状
LPガス販売業界は、中堅規模の事業者が各地域に分散して事業を展開しています。小売専業が大半で、灯油などの石油製品販売や住宅設備工事、リフォームなどの兼業企業が多いことが特徴です。
LPガスの国内需要は少子高齢化や都市ガス・オール電化の普及により減少傾向にあり、需要動向に関しては今後の課題といわれています。また、LPガス販売事業者数も減少傾向であるといえるでしょう。
LPガス販売会社の特徴
LPガス販売事業者の特徴をまとめると、中小規模の事業者が各地域に分散して事業を展開しています。大半が法人経営ですが、2割程度の個人経営も存在しています。
小売専業が多くを占めており、LPガス販売以外の事業を兼業する企業も多いです。兼業する業種では、灯油や石油製品販売、住宅設備工事、住宅リフォームが多く、LPガス販売事業以外にも幅広い業界に進出しています。
従業員数の少ない企業も多くあり、LPガス需要の減少により、LPガス販売事業者数も減少傾向にありますが、LPガス業界はまだまだ中小規模の事業者が多いのが特徴です。
LPガスの需要の変化
日本におけるLPガスの需要は、減少傾向が続いています。需要が減少するのにあわせるように、販売事業者数も減少しています。
この需要減少の背景には、少子高齢化や都市ガス・オール電化の普及などがあるといえるでしょう。
このような需要の変化を踏まえて、LPガス販売業界は今後も需要変化に合わせた戦略の転換が必要とされています。
LPガス業界の現状
LPガス業界では、高齢化や人材不足が深刻な課題となっています。また、都市ガスやオール電化の普及により市場規模が限定的になっているため、業界全体の競争激化が進んでいます。
一方で、環境負荷の低減やデジタル技術の活用など、新しい技術やサービスを開発することで、業界の発展を目指しています。
業界全体の高齢化・人材不足が深刻
LPガス業界は、高齢化が進んでおり、特に運転手や整備スタッフなどの人材不足が深刻な課題となっています。また、販売会社が地域密着型であるため、採用可能な人材数が限られていることも課題の一つです。
後継者不足に悩む経営者が多い
多くのLPガス販売会社では、経営者が高齢化し後継者不足に悩んでいるという状況があります。経営者の後継者問題を解決するために、業界団体では後継者育成の支援や、M&Aの推進など、様々な取り組みを行う事例が増加しているといえるでしょう。
都市ガスやオール電化の普及で市場規模が限定的に
LPガスの需要は都市ガスやオール電化の普及により、市場規模が限定的になっています。都市ガス、オール電化が選択されることが増加するに伴い、LPガスは過去からの継続利用などに限定され、市場規模が縮小されているといえるでしょう。
LPガス販売業の未来
LPガス販売会社は、新しい技術やサービスを開発することで、業界の発展を目指しています。例えば、環境負荷の低減を目指したバイオLPガスの開発や、IoT技術を活用したLPガス配送システムの導入などが挙げられるでしょう。
また、電力自由化により、LPガス販売会社が電力小売事業に参入する動きもあります。さらに、LPガスはエネルギー源としての需要だけでなく、バーベキューやキャンプなどのレジャー用途にも使用されています。こうした新しい用途を生み出し、需要を拡大することが、LPガス業界の未来につながる可能性があるといえるでしょう。
LPガス業界は課題があるものの、新しい技術やサービスの開発などにより、業界の発展を目指している状況です。今後もLPガス販売会社は、顧客との信頼関係を重視し、地域に根差したサービスの提供を続けることで、LPガス業界の発展に貢献していくことが期待されています。
3. LPガス業界の現状
LPガス会社の事業承継を述べる前に、まずはLPガス業界を取り巻く現状を解説します。
- 業界全体の高齢化・人材不足が深刻
- 後継者不足に悩む経営者が多い
- 都市ガスやオール電化の普及で市場規模が限定的に
業界全体の高齢化・人材不足が深刻
LPガス業界全体が抱えている問題の1つに、経営者の高齢化があります。2020年に経済産業省が公開した「石油ガス流通・販売業経営実態調査」によると、LPガス経営者の年齢の分布は、60代(32.7%)、50代(28.1%)で全体の6割を超えています。
従業員の高齢化も深刻であり、現場での作業は基本的に肉体労働が求められるので、高齢化で受ける影響も大きいです。
肉体労働のきついイメージが先行してしまい、就職・転職先として選ばれることも少ないため、ベテラン従業員が引退していく中で、新規就業者の獲得が追いついていないのが現状です。
参考:一般社団法人 エルピーガス振興センター「石油ガス流通・販売業経営実態調査報告書 」令和3年3月
後継者不足に悩む経営者が多い
LPガス会社の経営者の平均年齢が高くなっている主な原因は、後継者問題を抱えている点にあります。後継者が不在なために、次世代に引き継ぎたくてもできない現状があります。
これは特定の会社だけの問題ではなく、業界全体が抱えている問題です。少子高齢化による後継者不足と団塊世代の経営者の引退時期が重なったことで、深刻な後継者問題が発生しています。
都市ガスやオール電化の普及で市場規模が限定的に
LPガス業界は、他のエネルギーの台頭で競争が激しくなっている問題もあります。ここ数年で、都市ガスの自由化で消費者の選択肢が急激に増えて、LPガスの市場規模が限定的になりつつある状況です。
LPガス業界にとって、オール電化の普及も頭を悩ませる要因です。LPガスの用途は家庭業務用が役4割を占めており、都市ガス・LPガスを一切使わないオール電化の一般家庭への普及は大打撃になっています。
4. LPガス会社を事業承継するメリット
LPガス会社の事業承継が成功すれば、日常の経営では得られない多くのメリットを受けられます。この章では、LPガス会社を事業承継するメリットを解説します。
- 後継者問題の悩みを解決
- 若返りを図れる
- 廃業・倒産を防げる
後継者問題の悩みを解決
LPガス会社の経営で経営者を襲う悩みにはさまざまありますが、特に深刻なのは後継者問題です。「後継者がいない」「先が見えない」「周りに相談相手がいない」など、経営者の頭を悩ませる要因になっています。
事業承継により会社の経営を引き継ぎできれば、後継者問題の悩みから解放されます。若い世代への引き継ぎであれば、会社としても十数年は事業承継を考える必要がありません。
若返りを図れる
会社は人間と同じように生まれた瞬間から老化していくため、適切なタイミングで会社の若返りを試みてリセットをかけなくてはなりません。会社の若返りの方法として、事業承継を活用できます。
会社の老化現象として、「ルール・規則の増加」や「社内政治家の増殖」などが挙げられます。長い間、同一の経営者下で経営されている会社は、経営者の意図に関係なくこうした問題が発生している状況です。
事業承継により新たな経営者に切り替われば、社内を一新させられて会社の若返りを図れます。
廃業・倒産を防げる
LPガス会社を事業承継する3つ目のメリットは、廃業・倒産を防げることです。廃業コストの発生で抱える負担を考えると、事業承継を行ったほうがメリットは大きいでしょう。
特にLPガス会社は大規模な設備を保有していることが多いので、設備廃棄にかかる費用は計り知れません。会社の財務状況次第によっては、債務を抱えてしまうおそれもあります。
事業承継であれば会社が保有する資産を引き続き供用できるので、設備廃棄の費用を考える必要がありません。今後も会社の事業のために有効活用してもらえます。
5. LPガス会社をM&Aにより事業承継するメリット
LPガス会社の事業承継によるメリットは多数ありますが、ここではLPガス会社がM&Aによる事業承継で得られるメリットを解説します。
- 親族間で起こる争いをなくす
- 事業の引き継ぎの準備をしっかりと行える
- 大手の傘下に入ることで経営が安定する
- 従業員の雇用先を確保できる
- 譲渡益を得られる
親族間で起こる争いをなくす
親族内に複数の相続人がいる場合の親族への事業承継は、会社の資産や株式を特定の相続人に集中して引き継ぐため、相続人間で不公平な振り分けになることも多いです。
経営者の強い意思であれば強行することは難しくありませんが、親族間の関係に亀裂が入ってしまうこともあるため、親族への事業承継の1つのデメリットにもなっています。
その点、M&Aによる事業承継は外部から買い手を探す方法です。親族間で不公平な振り分けを行うことがないため争いが発生せず、対価は現金として受け取れるので獲得した現金を親族間で公平に分配できます。
事業の引き継ぎの準備をしっかりと行える
LPガス会社のM&Aによる事業承継は、買い手との入念な交渉を経たうえで実行します。M&Aによる事業承継は6カ月〜12カ月かかることが多いので、その間に事業引き継ぎの準備を社内で進めておくことが可能です。
買い手との意思疎通を図る期間としても適しています。事前に事業承継後の経営方針や施策を具体的に決定しておくため、引き継ぎ後に準備不十分により経営悪化することがありません。
大手の傘下に入ることで経営が安定する
M&Aによる事業承継は、買い手の傘下に入ることを意味します。子会社の社長として会社に残ることで、買い手が保有する豊富な資金力を活用して経営を安定させられます。
資金力以外に、顧客・販路共有などの事業シナジーを期待することも可能です。業務効率化を図れるので、既存事業の効率化や新規事業への新たな挑戦も現実味を帯びてきます。
LPガス会社のM&Aによる事業承継は、会社を存続させる手段に留まらず、会社を大きく成長させる経営戦略としても活用できます。
従業員の雇用先を確保できる
会社を廃業した場合、雇用契約はすべて失われてしまい、すべての従業員が失業してしまいます。再就職先のあっせんにより対応もできますが、雇用条件を維持する形での再就職は極めて困難です。
その点、M&Aによる事業承継は会社の経営とともに従業員を引き継ぐことが可能です。その際は雇用条件も維持できるので、減給や就業時間の増加など、雇用形態が大きく変わることもありません。
譲渡益を得られる
親族への事業承継は無償譲渡が一般的ですが、M&Aによる事業承継は有償譲渡が基本なため、会社の価値に応じた売却益を獲得できます。
獲得した売却益は個人的な資金として運用可能です。新しく立ち上げる事業資金や老後の生活資金など、使いみちは自由です。
6. LPガス会社の事業承継手続き・届け出の方法
LPガス会社の事業承継は必要な手続きが多岐にわたるため、何から手を付けて良いのか分からない経営者の方も多いでしょう。この章では、事業承継の手続き・届け出を分かりやすく解説します。
事業承継の手続き
事業承継の成否は、事前準備にかかっているといっても過言ではありません。より計画性のある事業承継を行うためには、手続きを確認しておくことが大切です。
- 事業承継の計画を練る
- 事業承継・M&Aの専門家に相談する
- 後継者の育成、およびM&A先の選定・交渉
- M&A先のトップと面談
- M&A先と基本合意書を締結
- M&A先によるデューデリジェンスの実施
- M&A先との最終契約書の締結
- 事業承継完了・クロージング
事業承継の計画を練る
LPガス会社の事業承継は、まず事業承継の計画を練ることから始めます。計画の具体的な内容としては、会社の現状把握を通じて、事業承継を実行するうえで問題となる事項への対策を施すことです。
特に注意したいのは、事業承継にかかる税金です。税目や税率は異なりますが、税金が課せられる点は親族内承継もM&Aによる事業承継も同じです。会社の資産を整理して事業承継で引き継ぐ資産を確認しておくと、計画的に事業承継を実行できます。
事業承継・M&Aの専門家に相談する
事業承継の手続きは複雑なので、事業承継・M&Aの専門家のサポートが欠かせません。早期から相談先を見つけておくと、今後の進行を円滑に進められます。
事業承継・M&Aの専門家は多数存在しますが、LPガス会社の事業承継でおすすめの相談先はM&A仲介会社です。M&Aの仲介を専門的に請け負っており、M&Aに関する知識やネットワークを有しています。
後継者の育成、およびM&A先の選定・交渉
事業承継の場合は、後継者の育成を進めなくてはなりません。親族・社内から適任者を複数人ピックアップし、経営能力の育成や会社の経営理念の共有を図ります。
M&Aによる事業承継では外部から買い手を探すことになるので、相談先の専門家が広範囲からM&A先を選定しましょう。選定・打診したM&A先からコンタクトが届いたら、交渉を開始します。M&A先との認識のすり合わせを行って、会社を託せる相手かどうかを見極めましょう。
M&A先のトップと面談
交渉がある程度進むと、双方の経営陣が顔合わせをするトップ面談を実施します。ここまでは専門家を介した書類のやり取りでしたが、トップ面談では資料・書類からは分からない情報を得ることが可能です。
事業承継後の経営方針を直接尋ねられるので、買い手が思い描くビジョンや従業員の雇用条件の維持など、質問事項をまとめておくと有効な検討材料を手に入れられます。
買い手側からの質問に対しては事前に回答を用意しておくのがベストですが、想定外の質問が来ることも多いでしょう。適当な回答をしてしまうと信用を損ねてしまうので、後日専門家を介する形で回答する方法も有効です。
M&A先と基本合意書を締結
基本合意書とは、現段階の交渉内容に双方が合意していることを示すための契約書です。ここまでの過程で何度もやり取りを繰り返しているので、一度交渉内容の整理を行っておく意味合いが強まっています。
取引価格や手法に関する内容が記載されますが、今後の交渉やデューデリジェンスで内容が変更されることも想定されるため、法的効力は持ちません。ただし、独占交渉権や秘密保持等の一部の条項はデューデリジェンスに関係ないので、基本合意書の段階で法的な効力を持たせることが一般的です。
M&A先によるデューデリジェンスの実施
デューデリジェンスとは、M&A対象の価値・リスクを調査する活動です。売り手側が提供している資料と実態の差異に関して、買い手側から派遣される専門家が徹底的に調査します。
LPガス会社のM&Aによる事業承継の焦点は簿外債務です。現金主義の会計処理は支出した段階で初めて経費として処理するため、簿外債務が経常的に発生してしまいます。
簿外債務の代表例は未払い退職金やリース債務などであり、貸借対照表に記載されないので資料からは分かりづらい潜在的リスクです。買い手には大きな不確定要素となるので、デューデリジェンスによって事前に洗い出されます。
M&A先との最終契約書の締結
最終契約書とは、最終的な交渉内容を明示する契約書です。基本合意書の内容にデューデリジェンスの結果を反映させたもので、すべての条項において法的な効力が発生します。
本契約書の締結以降は、一方的な契約破棄を行うと、破棄された側が損害賠償請求できるようになります。うかつな契約は不要なトラブルを招きかねないため、締結前は各条項の内容を慎重に確認しておかなければなりません。
事業承継完了・クロージング
最終契約書の締結が終わると交渉はすべて完了します。事業承継の準備のため、一定期間を空けてからクロージングを実施します。
売り手側の引き渡しと買い手側の取得対価の支払いが終わればクロージングとなり、LPガス会社の事業承継の手続きもすべて終了です。
事業承継の際の届け出
LPガス会社は「液化石油ガス販売事業の登録」を行っており、管轄の都道府県知事の認可を受けています。事業承継の際は、経営者が変わる旨を「液化石油ガス販売事業承継届」を通じて遅滞なく届け出する必要があります。
LPガス会社がM&Aによる事業承継を行う際、必要となる届け出書類は以下の4つです。ここでは、各書類の詳細な記載内容を紹介します。
- 液化石油ガス販売事業承継届書(甲)
- 液化石油ガス販売事業承継届書(乙)
- 液化石油ガス販売事業者事業譲渡証明書
- 液化石油ガス販売事業者事業譲渡明細書(任意様式)
液化石油ガス販売事業承継届書(甲)
甲は経済産業局長や産業保安監督部長に提出する書類です。液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第10条第3項の規定にのっとり提出します。
承継の原因 | 譲受・相続・合併・分割 等 | |
被承継者に関する事項 | 氏名又は名称 | ○○液化石油ガス株式会社 |
法人にあってはその代表者の氏名 | 代表取締役○○ | |
住所 | ○○県□□市○○番地 | |
登録の年月日及び登録番号 | 令和○年○○月○○日 第□□□□□□□号 |
|
販売所の名称及び所在地 | ○○県□□市○○番地 | |
貯蔵施設の位置 | ○○県□□市○○番地 | |
保安業務を行う者の氏名又は名称及び事業所の所在地 | ○○県□□市○○番地 | |
承継者に関する事項 | 登録の年月日及び登録番号 | 令和○年○○月○○日 第□□□□□□□号 |
液化石油ガス販売事業承継届書(乙)
乙は都道府県知事に提出する書類です。液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第10条第3項の規定にのっとり提出します。
承継の原因 | 譲受・相続・合併・分割 等 |
被承継者の登録の年月日及び登録番号 | 令和○年○○月○○日 第□□□□□□□号 |
承継者の登録の年月日及び登録番号 | 令和○年○○月○○日 第□□□□□□□号 |
液化石油ガス販売事業者事業譲渡証明書
事業譲渡証明書は、経済産業局長や産業保安監督部長に提出する書類です。M&Aによる事業承継は譲渡に該当するので、事業の譲渡があったことを証明する書類を提出します。
登録の年月日 | 令和○年○○月○○日 |
登録番号 | 第□□□□□□□号 |
譲渡しの年月日 | 令和△年△△月△△日 |
液化石油ガス販売事業者事業譲渡明細書(任意様式)
事業譲渡明細書は、経済産業局長や産業保安監督部長に提出する書類です。譲渡した事業の詳細を記載して提出します。液化石油ガス販売事業者事業譲渡明細書の内容は以下のとおりです。
- 営業権
- 店舗
- 貯蔵施設
- 従業員
- 帳簿
- 車両
- 電話
- その他販売事業に係るすべてのもの
7. LPガス会社を事業承継する際の注意点
LPガス会社の事業承継する際は、さまざまな注意点があります。得られる効果を最大化させるためにも、注意すべき点を把握しておくことが大切です。
- 事業承継の方法を適切に判断する
- 事業承継の計画は入念に行う
- 情報漏えいなどには注意する
- 相談先選びをしっかりと行う
事業承継の方法を適切に判断する
LPガス会社の事業承継の注意点1つ目は、事業承継の方法を適切に判断することです。LPガス会社の事業承継方法は、親族内承継・親族外承継・M&Aによる事業承継の3つに分けられます。
M&Aによる事業承継は、利用する手法の検討も必要です。LPガス会社のM&Aで利用される手法の主流はありますが、LPガス会社の状況によって最適な手法は異なります。
手法によっては、従業員の引き継ぎが行われなかったり売却益の獲得者が変わったりすることもあります。本来の目的が達成できなくなる可能性があるので、注意が必要です。
事業承継の計画は入念に行う
LPガス会社の事業承継は、入念な計画が必要不可欠です。事前準備が不足していると後継者の負担が増して、引き継ぎ後に経営が悪化してしまうこともあります。
特に後継者候補がすでにいる場合は、いつでも事業承継できるといった油断から、タイミングを逸してしまい結果的に失敗してしまうケースもあります。事業承継に向けて必要な事項を整理しておき、万全の体制で臨むことが大切です。
情報漏えいなどには注意する
LPガス会社のM&Aによる事業承継は、情報漏えいによる人材流出に注意です。M&Aの情報を聞きつけた従業員が漠然とした不安から自主退職してしまうおそれがあります。
LPガス会社の人材流出は会社の価値を大きく落とすことになるため、交渉に影響が及ぶこともあるでしょう。事前準備が完璧な事業承継であっても、情報漏えいのせいで急激に崩壊してしまう可能性があります。
従業員へ情報を公開するタイミングは、M&Aによる事業承継が正式に決定した後が望ましいです。引き継ぎ後の雇用条件を明確化した後で詳細に説明することで、従業員の不安を解消できます。
相談先選びをしっかりと行う
LPガス会社の事業承継は、専門家のサポートが必要不可欠です。会社の未来を託せる専門家選びをしっかりと行うことが大切です。
その際は、LPガス業界に精通していて、なおかつ事業承継に親身になってくれる専門家を選びましょう。この2つを満たせる専門家であれば、安心して任せられます。
8. LPガス会社の事業承継でおすすめの相談先
LPガス会社の事業承継は、入念な準備を行ったうえで進める必要があります。必要な手続きも多岐にわたるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
M&A総合研究所は、中堅・中小規模のM&A仲介を請け負っているM&A仲介会社です。豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートします。
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9. LPガスの事業承継マニュアルまとめ
当記事では、LPガス会社の事業承継を解説しました。親族内承継だけでなくM&Aによる事業承継もあり、会社を存続させる方法はさまざまです。
後継者不在によりLPガス会社の廃業を覚悟している経営者の方も多いかもしれません。しかし、M&Aによる事業承継であれば、外部から買い手を探せるので会社を存続させることが可能です。
M&Aによる事業承継も視野に入れつつ、早期から準備を進めておくと円滑な事業承継につなげられます。
10. LPガス業界の成約事例一覧
11. LPガス業界のM&A案件一覧
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