M&Aの相談先9種類!メリットデメリットや選び方と相談時の注意点も解説!

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aサポートを依頼する専門家選びは、M&A成否にも大きくかかわります。M&Aの相談先は数種類あるので、メリット・デメリットを比較して選ぶことが重要です。この記事では、M&A相談先のメリット・デメリットを徹底比較して紹介します。

目次

  1. M&Aでの相談内容(売り手側企業)
  2. M&Aでの相談内容(買い手側企業)
  3. M&Aの相談先とメリット・デメリット
  4. M&A相談にかかる料金
  5. M&Aの相談先の選び方
  6. M&Aの流れ
  7. M&A相談時の注意点
  8. M&A相談先のまとめ
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1. M&Aでの相談内容(売り手側企業)

M&Aを進めていくうえでは専門的な知識が不可欠であり、交渉などでは経験も必要となるため、専門家に相談することは非常に大切です。

しかし、売却側企業は初めてM&Aを行うケースが多いため、いざ相談しようとしても何を聞けばよいかと迷う方もいるかもしれません。ここでは、M&Aプロセスのタイミング別に相談が多い内容を紹介します。

M&Aに必要な準備に関する相談

M&Aの工程は非常に多いため、しっかり準備をしてから臨む必要があります。そのため、具体的にどのような準備が必要なのかを相談する売却側企業は非常に多いです。

M&A実行前の相談ではアドバイザーが必要な準備を説明してくれるので、それらを整えたうえでM&Aを進めることができます。

M&Aにかかる期間に関する相談

併せて多い相談は「M&A完了までにどのくらいの期間が必要か」というものです。売却側企業の経営者が体調不良などを抱えている場合は事業承継M&Aを急ぐケースもあるでしょう。

M&Aにかかる期間は一般的に半年~1年程度ともいわれますが、実際には3か月程度で成立するケースもあれば数年かかるケースもあります。

M&A完了までの明確な期間はわからなくとも、アドバイザーは過去の実績などから目安とされる期間を伝えることは可能です。

買い手に関する相談

また、売却側企業の相談で多いのは「相手先(買い手)企業がみつかるか」というものです。そもそも相手先企業がみつからなければM&Aは成立しないため、不安に感じる経営者も少なくないでしょう。

実際のところ、信頼して事業を任せられる相手先が必ずみつかるわけではありません。しかし、たとえ減収傾向にある企業でもノウハウや技術・保有する顧客・地域での認知度などが買収側企業とマッチすれば、相手先がみつかる可能性は十分あります。

売却の可能性だけでなく、そもそもM&Aが最適解なのかという点も含め、アドバイザーに相談することが可能です。

売却金額について

売却価格の相場や目安は売却側企業とって関心の高いことですが、M&Aの最終価額は交渉によって決まります。交渉時にベースとなる「企業価値」は、簡易的な算定であればM&A実行前に無料で行っている専門家も多いので、目安とすることが可能です。

機密情報に関する取り扱い

M&Aを進めるうえで売却側企業は自社の機密情報を買収側候補に開示しなければなりません。売却側企業にとって自社の企業秘密をどう守るのかは重要な事項であり、秘密保持の方法について初期相談時に質問されることも多いです。

M&Aでは情報開示の際に当事者間で秘密保持契約を交わしますが、万一情報漏洩が起こった場合はどうなるのか、M&A仲介会社の情報管理体制は万全かといった相談内容も多くみられます。

M&A仲介会社には守秘義務があり、預かった機密情報は厳重に管理する体制を整えていますが、不安がある場合は小さなことでも事前に質問しておくとよいでしょう。

【関連】秘密保持契約(NDA/CA)とは?目的や種類から注意点まで解説!

契約書に関する相談

M&Aは事業・企業の売買行為なので、取引を進めるうえでは契約書の締結が必要です。そのほかに、行政などへの必要提出書類もあります。

「いつ・どこへ・どの書類を提出するのか」「契約に書かれている範囲は具体的にどこまでなのか」など、M&Aの知識や経験がなければ悩む場面もでてくるかもしれません。

そのような場合は、サポートを依頼しているM&A仲介会社や担当アドバイザーに相談することで、必要書類や提出タイミングを間違うことなく進めていくことができます。

デューデリジェンスに関する相談

また、デューデリジェンス実施に関する相談も多くみられるひとつです。デューデリジェンスは買収側企業が売却事業に対して行う調査であり、法務・人事・財務などの面からリスクを洗い出します。

実施タイミングは基本合意締結後ですが、それぞれの分野を専門家が調査するためスケジュール調整なども必要です。

どのようにデューデリジェンスを進めていくのか、準備すべきことはなにかなど、具体的な内容もアドバイザーに相談することができます。

2. M&Aでの相談内容(買い手側企業)

買い手企業側(買収側)もM&A仲介会社などの専門家に相談しながらM&Aを進めていきます。売却側と違う点は、買収に必要な資金面についての相談も多いことです。

資金調達に関しての相談

他社(あるいは事業)をM&Aで取得するとなれば、多額の資金を用意なければなりません。どの程度の資金を用意すべきかは買収側企業によって重要なことですが、目安は使用スキームや譲渡対象(範囲)によっても変わります。

そのため、買収側企業はM&A実行前に必要な資金の目安や融資が必要な場合はその相談も行うケースが多いです。

M&Aにかかる期間に関しての相談

M&A完了までにどの程度の期間が見込まれそうかという相談も多くみられます。というのは、買収側企業はM&A後の事業展開を想定したうえでM&A実行を決定しているので、大まかな目安を知って計画をたてる必要があるためです。

M&A成立までの期間は個々によって大きく変わりますが、M&Aアドバイザーの経験などから、ある程度の目安を知ることができます。

買収に必要な準備に関する相談

M&Aを進めるために、売却側と買収側では必要となる準備が違います。企業(あるいは事業)を引き継ぐために必要な準備はなにか、その手続きにどの程度期間がかかるのかは、M&A後の事業運営にかかわる重要な要素です。

そのため、買収側企業の相談では必要手続きやそのための準備などに対する内容も非常に多くみられます。

M&A実行後の相談

M&Aが成立しクロージングが完了したら、次はM&A後の事業運営が円滑に行えるようPMI(経営統合)が必要です。M&A実行後の相談ではPMIに関する内容が多くみられます。

M&Aは最終契約が成立してクロージングを迎えれば終わりというわけではありません。M&A後はスムーズな事業運営とシナジー最大化を図るため、PMIと呼ばれる統合作業が不可欠です。

PMIは業務体制やシステムなどの統合だけでなく、企業文化など目にみえない部分をいかに融合できるかが重要であり、丁寧に進めなければM&Aの効果が十分発揮されない可能性が高くなります。

M&A仲介会社のなかにはクロージング後のPMIに対するサポートを行っているところもあり、経営者からの相談しても対応しています。スムーズな事業展開のためにPMIをどう進めていけばよいのかなど、M&A実行後の具体的な悩みも担当アドバイザーに相談することが可能です。

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3. M&Aの相談先とメリット・デメリット

近年はM&Aの認知度が向上したことや国の後押しもあり、M&Aの相談先も増えてきました。ここでは、それぞれ違う強みを持っているので、相談先のなかから自社に合ったところを選ぶことが重要です。M&Aの相談先とメリット・デメリットの紹介をします。

  メリット デメリット
M&A仲介会社
  • 多数の候補企業から交渉相手を探せる
  • 相談からクロージングまでの支援が受けられる
  • 交渉がスムーズに進みやすくM&Aが成功しやすい
  • 着手金や中間金などが発生する会社が多い
  • 希望よりも低い価格でM&Aが成立することもある
事業承継・引継ぎ支援センター
  • 相談窓口が全国にあり利用しやすい
  • 公的窓口であり無料で相談できる
  • 利害関係がないため公平な助言が受けられる
  • スピード感のある支援が難しい
  • 支援範囲が限定される場合もある
  • 支援実績がまだ十分にない
商工会・商工会議所
  • 公的な支援制度に関する情報に詳しい
  • 公的窓口へつなげてもらうことができる
  • 会員であれば無料で相談できる
  • 会員でなければ相談できない
  • 入会費や会費がかかる
金融機関 資金調達の専門的なアドバイスを受けられる 中小規模のM&Aには対応していないこともある
公認会計士・税理士
  • 顧問税理士や会計士であれば相談しやすい
  • 財務面での専門的なアドバイスが受けられる
  • M&Aの支援経験がない場合もある
  • サポート範囲が限定されやすい
弁護士
  • 契約書作成などの法的アドバイスが受けられる
  • トラブル時に法的解決の支援が受けられる
  • M&Aに詳しく支援実績があるとは限らない
  • 依頼費用が高額になりやすい
FA
  • 自社の利益最大化が目指せる
  • 高い専門性と支援実績によるサポートに期待できる
  • 仲介会社に比べると費用が高額になりやすい
  • 交渉が長引きやすい
知り合いの企業経営者
  • リアルな体験談を聞くことができる
  • 気軽に相談できる
  • 専門的なアドバイスは受けられない
  • 情報漏洩リスクがある
M&Aプラットフォーム
  • 専門家に依頼するより費用が安く済む
  • 時間・場所を選ばす手軽に利用できる
  • M&Aの専門知識が必要になる場面もある
  • 情報漏洩などリスク対策は自身で行う必要がある

M&A仲介会社

M&A仲介会社はM&A支援を専業としており、売却側企業・買収側企業の双方と契約し、中立的な立場から交渉を取りまとめます。

仲介型と呼ばれる支援形式であり、初期相談から相手先の選定、スケジューリング、バリュエーション(企業価値評価)、必要資料の作成など、M&Aの全工程をサポートする仲介会社が多いです。

売却側企業・買収側企業の希望条件や主張を考慮しつつ、両者の妥協点を探し出しM&A成立を目指します。

メリット

M&A仲介会社を利用する最大のメリットは、多数の候補企業から交渉相手を探せることです。候補先選定では、売却側企業・買収側企業の双方が納得できるような企業を探してくれるため、満足度の高いM&Aが実現しやすくなります。

また、M&A仲介会社によって多少異なる部分はありますが、多くの場合は一貫支援を行っているので初めてM&Aを行う企業でもスムーズに進行できるのもメリットです。

具体的なアドバイスだけでなく、相手先企業とコミュニケーションを図りながらM&A進行をサポートするため、情報の伝達や整理がスムーズになりM&Aが成立する確率も高まります。

デメリット

デメリットとしては、着手金や中間金などが発生する会社が多いということです。なるべく初期の相談は安く済ませられる成功報酬制の企業を選定するのがおすすめです。

また、売却側企業・買収側企業が折り合える条件や価額をみつけながら交渉を進めていくため、希望売却価格よりも低いかたちでM&Aが成立するケースがあることもデメリットといえるでしょう。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターでは、後継者問題を抱える中小規模事業者を対象として、事業承継やM&Aによる引継ぎの情報提供やアドバイス、マッチングなどを行う公的相談窓口です。

近年の中小企業における事業承継問題を解決すべく、2021年4月に全国に設置されました。各センターでは専門家が相談に対応しており、無料で利用することができます。

メリット

相談窓口は47都道府県に設置されているため、地方企業でも利用しやすくなっています。国が運営しているため相談料は無料であること、利害関係がないため公平な助言が得られることもメリットです。

また、M&A仲介会社や各士業などとも連携体制をとっているため、必要であれば紹介してもらうこともできます。個人事業主の事業承継でも相談可能です。

デメリット

事業承継・引継ぎ支援センターは国が運営しているため、どうしてもスピード感のある支援が難しい面もあります。

また、支援実績も十分あるとはいえないため、サポート範囲が限定されたりサービス面ではM&A仲介会社など民間支援機関に劣る部分があるのもデメリットといえるでしょう。

商工会・商工会議所

商工会・商工会議所でも、M&Aに関する相談の対応を行っています。事業承継M&Aに関する内容がメインとなっており、中小M&Aガイドラインの支援機関のひとつです。

商工会と商工会議所の違いは事業内容と団体規模であり、町村部にある商工会は主に地域に根差した活動を行っています。

一方で、市や特別区にある商工会議所は商工会に比べて規模が大きく、事業承継M&Aだけでなく経営全般に関する内容や税務申告・労務の相談も可能です。

メリット

税制優遇措置など公的な支援制度に関する情報を持っており、中小企業と多くかかわっているため経営者に寄り添った支援が期待できます。

また、事業承継・引継ぎ支援センターなどと連携している場合が多いため、相談内容に応じて公的窓口へつなげてもらうかたちも可能です。

デメリット

商工会・商工会議所は会員制度となっており、商工会の場合はだいたい1ヶ月1,000~2,000円程度(ただし会費基準は商工会によって異なる)です。

一方、商工会議所は「組合員」というかたちになり、入会費として法人は一律3000円、個人は1万円がかかります。

会員になればM&Aの相談は無料で行うことができますが、そもそも会員でなければ利用できないことや、会費・入会費が必要になるのがデメリットです。

【関連】商工会議所が支援する事業承継とは?費用・成約事例・相談先など紹介

金融機関

近年はM&A支援の専門部署を置く金融機関も増えており、投資銀行やメガバンクの多くはFAとしての役割を担っています。

M&Aを進めるうえでは金融機関は欠かせない存在であり、特に買収側企業は買取資金の調達などで協議が必要なケースも多いです。

取引している金融機関がある場合は、M&Aの相談を行う候補のひとつになるでしょう。

メリット

資金調達に関して専門的なアドバイスを受けられることが、金融機関に相談する最大のメリットです。

事業承継の場合は、親族や従業員が後継者となる場合でも株式買い取り資金を用意しなければならないケースもあります。

そのため、M&Aを行う場合に融資が必要なケースでは、金融機関のアドバイスは非常に有用といえるでしょう。

また、金融機関のなかにはM&Aの専門機関や各士業と連携体制を構築しているところもあります。そのような金融機関に相談すれば、必要に応じて専門家を紹介してもらうことも可能です。

デメリット

基本的に大手の金融機関は大型M&A案件を取り扱っているため、中小規模のM&Aには対応していないケースもあります。

また、仲介方式ではなくアドバイザリー形式を採用している金融機関も多く、その場合は費用(報酬)が高くなるのもデメリットといえるでしょう。

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公認会計士・税理士

公認会計士・税理士は、M&Aにおいて財務・税務デューデリジェンスをそれぞれ担当します。

買収側企業は、売却側企業(または事業)を譲受することで財務面でのリスクがないか、買収価額はいくらが妥当なのかを判断しなければなりませんが、財務・税務デューデリジェンスの結果は、その判断材料のひとつになるものです。

そのほか、売却側企業のバリュエーションも担当する場合があり、税務デューデリジェンスでは、適用可能な税制優遇制度の有無も確認します。

財務・税務デューデリジェンスは、業務効率化などの観点から同じ会計事務所グループが担当するケースが一般的です。

メリット

ほとんどの企業は顧問会計士あるいは税理士を抱えています。信頼関係が構築できているケースが多く、身近な専門家のひとりです。

顧問会計士あるいは税理士であれば、自社の会計や税務の状況をよく理解しています。話も早く相談しやすいのがメリットといえるでしょう。

デメリット

公認会計士や税理士は、財務・税務デューデリジェンスや資金面では専門的なアドバイスに期待できますが、M&A自体を扱っていなかったり経験が十分でなかったりするケースも多いです。

特に、相手先企業探しは専門でないため、サポート範囲が限定される可能性もあるのはデメリットといえるでしょう。

弁護士

M&Aでは契約を締結する場面も複数回あり、その際は法律の専門知識も必要です。弁護士にM&Aの相談を行えば、専門的な知見から助言が受けられます。

最近ではM&A支援を行っている弁護士事務所も増えているので、相談先候補のひとつといえるでしょう。

メリット

法的効力のある正しい契約書作成や法務デューデリジェンスなど、専門知識が必要な場面で適切なアドバイスが受けられるのがメリットです。

また、万一トラブルが生じ法的な解決が必要となった場合は、支援を依頼することもできます。

顧問弁護士を抱えている企業であれば、事業内容も熟知しているので相談しやすい点もメリットといえるでしょう。

デメリット

M&A支援を専業としているわけではないため、経験やノウハウが十分でない場合もあります。

また、初期相談は無料で行っている弁護士事務所も増えてきていますが、30分あるいは1時間単位で相談料が設定されているところも多く、金額面がネックとなりやすいのもデメリットといえるでしょう。

FA

FAはアドバイザリー形式と呼ばれる支援体制をとっており、売却側企業・買収側企業のどちらか片方と契約してサポート業務にあたります。

M&A仲介会社と同様、M&Aを専業としているため実績や経験も十分にあり、M&A実現に向けた具体的な相談が可能です。

メリット

FAにサポートを依頼する大きなメリットは利益の最大化を目指せることです。アドバイザリー形式では、依頼者(契約した売却側企業・買収側企業のどちらか)の利益が最大になるよう交渉を進めていきます。

また、高い専門性とネットワークを持っているのも強みであり、大型M&A案件ではFAがサポートを行うケースが多いです。

デメリット

FAは大型M&A案件を中心にサポートを行っているため、中小M&Aには対応していないケースも多いです。また、一社とのみ契約するため、報酬もM&A仲介会社より高額になる傾向にあります。

自社の利益最大化が目指せるメリットがある一方、売却側企業・買収側企業とで折り合いがつきづらい面もあり、交渉が長引きやすい点もデメリットです。

知り合いの企業経営者

知り合いの経営者にM&Aの相談を持ちかけるケースもあるでしょう。もし身近にM&Aの実施経験がある経営者が、体験者としてのアドバイスに期待できます。

メリット

実際にM&Aを行った後の変化など、リアルな体験談を直接聞けることは非常に貴重です。

また、同じ経営者という立場であるため、相談や質問が気軽にできるというのもメリットといえるでしょう。

デメリット

実施経験がある経営者であってもM&Aの専門家ではないため、専門的な知識を有していない場合がほとんどです。

また、相談した経営者からM&Aを行うことが外部に漏れてしまう可能性も少なからずあります。

そのため、M&Aの具体的な相談やアドバイスを受けるのは難しいことや情報漏洩のリスクがあることがデメリットといえるでしょう。

M&Aプラットフォーム

M&Aプラットフォームとは、インターネット上で売却側企業・買収側企業が自身で案件を探せるマッチングサービスです。

プラットフォームの多くはM&A仲介会社が運営しており、売却側企業・買収側企業は利用者登録をすることで案件を探したり、相手先企業とコンタクトを取って直接交渉したりすることができます。

メリット

インターネット上のサービスなので時間や場所を選ばずに利用でき、基本的にはM&Aの具体的な交渉や手続きも自身が行うかたちであるため、M&Aの専門家に支援を依頼するより費用が安く済むことがメリットです。

また、個人事業主などの少額案件でも利用できるもの大きなメリットといえるでしょう。プラットフォームはマッチングの場を提供するのが基本サービスですが、多くの場合は運営会社(M&A仲介会社など)がアドバイザーによる支援を行っています。

アドバイザーによる支援を依頼する場合は別途料金がかかりますが、手続きに不安がある場合は利用するのも方法のひとつです。

デメリット

M&Aプラットフォームを利用する場合は、基本的には相手先の選定から交渉、クロージングまでのすべてを当事者間で進めていくことになります。

そのため、M&Aや法律などの専門知識をある程度もっていなければ、スムーズな進行が難しくなる可能性が高い点がデメリットです。

また、万一トラブルに発展した場合も当事者間で解決しなければならないため、専門家に依頼するよりリスクが高いのもデメリットといえるでしょう。

M&Aのご相談はM&A総合研究所へ

M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。当社は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国に案件に対応しています。

知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。

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4. M&A相談にかかる料金

M&A仲介会社などにM&Aの相談を行って支援業務を依頼した場合は当然料金がかかります。手数料体系は各社違いますが、主にかかる料金を知っておけば費用面を考えるときに役立つことも多いです。ここでは、M&A相談にかかる料金について紹介します。

相談料

M&A実行前の初期相談は、無料で行える専門家・会社がほとんどです。商工会議所や商工会のように会員でなければ利用できない場合は入会金や会費が必要となり、弁護士やコンサルタントでは数千円から1万くらいの相談料がかかることもあります。

支援業務を正式依頼した場合は着手金が必要な専門家・会社もあり、その場合は100万円から200万円くらいが相場です。最近は着手金が不要な専門家・会社が増えていますが、着手金はM&Aが成立しなかった場合も返還されないため、事前に確認しておく必要があります。

中間金

そのほか、専門家・会社によっては中間金もかかります。中間金はM&A交渉が進み、基本合意契約の締結など一定段階に達した時点で生じます。また、M&Aが成立した場合、成功報酬額から中間金分が差し引かれることが一般的です。

中間金は専門家・会社によってはかからないこともありますが、M&Aが成立しなかった場合も返還されないため事前の確認が重要です。

成功報酬

M&Aが成立した時点で成功報酬が生じますが、レーマン方式という算出方法を用いている専門家・会社がほとんどであり、通常はM&A最終価格が高いほど成功報酬額も高額となります。

ただし、最低報酬額が設定されている場合、レーマン方式による成功報酬額の算出額が最低報酬額より低ければ、最低報酬額の支払いが必要です。たとえば、最低報酬額が500万円で設定されている場合、レーマン方式で算出した額が400万であっても、500万円の支払いが生じます。

また、完全成功報酬制の専門家・会社は、M&Aが成立しなければ費用負担がないため、資金面で不安がある場合でも利用しやすくなっています。

【関連】M&A仲介手数料の相場は?計算方法や買い手・売り手の費用の種類も解説!

5. M&Aの相談先の選び方

前述のとおり、M&Aの相談先はいくつかあるため、どのような点を意識して選べばよいかと悩む方もいるでしょう。ここでは、M&Aの相談先を選ぶ際のポイントを紹介します。

サービス内容で選ぶ

最近では初期相談から交渉、クロージングまでを一貫支援するM&Aの専門家が増えています。M&Aの工程は複雑なので、初めてM&Aを行う場合は一貫支援を行っている専門家へ相談するとスムーズな進行が可能です。

同じ一貫支援をうたっていても、M&A後のPMIサポートが含まれていない場合もあるなど、相談先によって細かな違いもあるため、サポート範囲・サービス内容を事前に確認しておく必要があります。相談先を選ぶ際は、自社に必要なサービス内容や支援体制であるかで決めるのもひとつの方法です。

依頼した場合の手数料をしっかり説明してくれる

M&Aの専門家に支援業務を依頼した場合の費用は、相談先の手数料体系によって変わります。手数料にはM&Aが成立した場合にかかる成功報酬のほかにも、着手金や中間金、リテイナー・フィーなどがありますが、必ずしもすべての手数料がかかるというわけではありません。

どの手数料がかかるのかは相談先の手数料体系によるため、事前に確認しておく必要があります。M&Aにかかる費用は決して安くはないため、どのくらいの手数料がかかるのか、成功報酬はどのように算出されるのかなどをしっかり説明してくれる相談先を選ぶことがポイントです。

相談内容に対する専門性

M&Aが成立、完了するまでには多くの行程があり、M&Aの専門知識だけでなく、企業価値評価やデューデリジェンス、契約書のリーガルチェックなどでも各分野の専門性が必要です。

サービス内容や手数料体系も相談先を選ぶポイントではありますが、財務・法務・税務などの各プロセスや相談内容に対して専門性があるかという点も確認しておく必要があります。

情報を漏れなく提供してくれる

M&Aのアドバイザーは、交渉や手続きなどM&A工程がスムーズに進むように調整やサポートを行うことが主な役割です。そのため、M&Aのアドバイザーには、必要な情報を適切なタイミングで漏れや抜けがないよう、支援を行う企業に対して提供することが求められます。

M&Aは完了するまでに半年程度はかかるといわれる一大プロジェクトです。必要な情報と提供タイミングを適切に判断できるM&Aのアドバイザーでなければ進行に影響が及ぶ可能性もあるため、事前相談時から情報を漏れなく提供してくれるのかを見極める必要があります。

対応が素早い

前述したように、M&AのアドバイザーはM&Aが完了するまで、調整や手続きのサポート役を担います。M&A完了までには非常に多くの行程があるため、スケジュール調整・管理のスキルはもとより、対応の素早さも必要です。

対応に時間的なロスが多い場合、M&Aのタイミングを逃してしまう可能性もあるため、正式に支援業務を依頼する前に相談内容に対するレスポンスのスピードなどをよく確認しておく必要があります。

報酬水準が妥当か

M&Aの専門家によって、手数料体系は変わります。M&A成立時に発生する鵜「成功報酬」はどこへ依頼してもかかりますが、算出方法はそれぞれ違い、同じレーマン方式でもなにを計算ベースとするかは各社各様です。

また、成功報酬以外に着手金・中間金・リテイナーフィー(月額報酬)が発生する料金体系もありますが、どの費用がかかるかはM&Aの相談先によって変わります。

想定外の費用が生じたりトラブルの要因になったりする可能性もあるため、料金体系についてよく確認しておくことが重要です。その際は、報酬水準が妥当であるかという点も含めてしっかり検討する必要があります。

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実績の豊富さ

成約実績数はM&Aの相談先を選ぶ大きな目安となります。成約実績数が豊富にあるということは、言い換えれば優秀なM&Aアドバイザーが多数在籍しているということです。

成約実績の多いアドバイザーは知識や経験も十分にあるので、本質的で現実的なアドバイス・サポートに期待でき、結果としてM&Aの成功率もあがります。

また、成約実績と併せて得意とする業種や規模も確認しておくこともポイントです。自社と同程度の規模や同業種での支援実績が多ければ、より専門的なアドバイス・支援に期待できます。

信頼できる担当者か

担当M&Aアドバイザーとは、相談の時点からM&A成立後のクロージングまで二人三脚で進めていきます。M&Aを行ううえでは自社の財務状況などのデリケートな部分もアドバイザーと共有しなければなりません。

どれだけ実績豊富なM&Aアドバイザーであっても、もし信頼関係が構築できなければ満足度の高いM&A実現は難しくなります。

そのためには、相談時に担当M&Aアドバイザーとの相性や誠実さなどを見極めることが大切です。もし、相性が合わないと感じた場合は、担当者変更を申し出るのも選択にいれるとよいでしょう。

【関連】M&Aのサポートの依頼先とサービス内容は?仲介会社の選び方も紹介

6. M&Aの流れ

M&Aの目的・方向性を明確化する

M&Aは新規事業への進出や事業規模の拡大などさらなる成長を目指す手段として活用されるケースもあれば、事業承継目的で行われるケースもあります。

どのような目的でM&Aを活用するのかによって、最良な手法や相手先の選定基準も違ってくるため、自社がなぜM&Aを行うのか、M&A後にどう成長したいかなどの目的・方向性を最初に明確にしておくことが重要です。

目的・方向性を明確に定めたらM&Aの希望条件を決めていきますが、この段階であまりに条件を狭くしてしまうと交渉先がみつかりにくくなる可能性もあるため、条件には優先順位を決めておくとよいでしょう。

M&Aの専門家へ相談する

M&A完了までの工程は非常に多く、専門知識やノウハウが十分なければ成功させるのは困難です。また、M&Aは自社の通常業務と並行して進めていくため、M&Aの専門家へ支援業務を依頼すると効率と成功確率をあげることができます。

すでにに紹介した通り、M&Aの相談先にはさまざまな種類があるので、自社の目的に合ったところを選ぶことがポイントです。

M&A候補先を選定する

交渉を行う候補先企業の選定は、アドバイザーが作成したリストから絞り込んでいくのが一般的です。まず、数十社程度がリストアップされた「ロングリスト」を担当アドバイザーが作成してくれるので、そこからシナジーなどを考慮して数社へ絞り込んだ「ショートリスト」を作成します。

さらに「ショートリスト」から条件・価額・期待できるシナジーなどを考慮して候補先企業へ交渉を打診するというかたちが多いです。

そして、候補先企業もM&Aに前向きな意向であれば、秘密保持契約を両社間で締結してから詳細情報を開示し交渉へと進みます。

トップ面談の実施

売却側と買収側とは情報開示により互いの詳細を把握できていますが、企業理念や経営理念などは書面ではわからない部分もあるでしょう。

トップ面談はそのような部分の理解を深め、信頼関係を構築する目的で設けられる場です。売却側と買収側のオーナー同士が直接会って相互理解を深め、業種によっては工場見学なども行われます。

なお、トップ面談の目的は相互理解と信頼関係の構築なので、価額交渉は行わないのが一般的です。

基本合意書を締結する

トップ面談を行い、売却側と買収側の双方ともM&A成立を目指す意向であれば価額や条件などについて交渉を進め、M&A内容に双方が大筋で合意した時点で基本合意書を締結します。

基本合意書には、売却価額・条件・完了までの日程・使用手法などが記されますが、一部事項を除き法的拘束力はありません。つまり、この時点ではM&A成立が確定しているわけではないことに注意が必要です。

買収側によるデューデリジェンスの実施

基本合意書を締結したら、買収側による売却側へのデューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスとは、対象企業の財務・法務・人事など各分野を調査し、リスクの有無および程度や問題点を洗い出すことです。

M&Aの場合、買収側が譲受価額の妥当性やM&A実行の可否を判断するために行われます。デューデリジェンスは買収側が主体となって行うため売却側の費用負担は基本的にありません。

また、デューデリジェンスの過程で資料提出などを求められる場合もありますが、売却側に重要なのは誠実に対応することです。デューデリジェンスの結果は最終交渉に反映されるため、売却側は価額・条件の変更や取引中止となる可能性があることを理解しておきましょう。

最終交渉と最終契約書の締結

買収側がデューデリジェンスの結果からM&Aを実行すると判断したら、最終契約の締結に向けて調整を進めます。そして、交渉で取り決めた内容すべてに双方が合意したら最終契約書を締結しますが、最終契約書に記された事項はすべて法的な拘束力があるため締結前の確認が重要です。

最終契約書の締結をもってM&Aは成立となり、これ以降の一方的に条件を変更したりや契約を破棄したりすることは原則認められません。そのため、最終契約書の締結前はすべての内容を確認・理解したうえで行う必要があります。

クロージングを実行する

最終契約の締結によってM&Aは成立していますが、完了させるためには売却側のM&A対象の経営権を買収側へ移転し、対価の支払い決済を行わなければなりません。

この工程をクロージングと呼び、使用したM&Aスキームによって必要な手続きが変わります。担当アドバイザーがサポートしてくれるので、確認しながら漏れのないよう準備をしておきましょう。

なお、クロージングは最終契約書に記された前提条件を売却側が満たしていなければ行うことができず、もしクロージング実行予定日までに条件が満たせない場合、その理由によってはM&A契約が白紙撤回される可能性もあります。

7. M&A相談時の注意点

多くのM&A専門家に相談すれば、M&Aの成功率も高くなるのではと考える方もいるかもしれません。しかし単純にそれがベストとはいえず、相談時には注意すべき点もあります。

相談相手の見極め

売却側企業は初めてM&Aを行うケースが多いため、多くの意見を聞いてみたいと考えることもあるでしょう。ですが、同じことを相談しても専門家によって回答が違う場合もあるので、かえって混乱してしまいM&Aの実行タイミングを逃してしまう可能性も考えられます。そのため、M&A相談先はしっかり見極め、限定したほうが無難です。

情報漏えい

また、相談時は秘密情報の漏洩にも注意しなければなりません。M&Aは交渉が具体化するタイミング(基本合意締結後など)まで秘密裏に進めるのが一般的です。

M&Aを進めていることが取引先や従業員へ伝わってしまうと不安感を与えることにもなりかねず、取引に影響がでたり従業員の離職につながったりするおそれもあります。

情報漏洩は大きなリスクが伴うため、相談時は十分注意するとともに秘密保持契約を締結するなどの対策も必要です。

【関連】秘密保持契約(NDA/CA)とは?目的や種類から注意点まで解説!

8. M&A相談先のまとめ

M&A実施を検討する場合、特に売却側企業はM&A初めて行うケースが多いため「仲介料はいくらかかるのか」「何から始めればよいか」「自社はいくらで売却できるのか」などさまざまな疑問点がでてくるでしょう。

記事で紹介したようにM&Aの相談先は複数あり、それぞれメリット・デメリットがあります。M&A実現には、信頼できるM&A専門家やアドバイザーに相談することが成功のカギともいえるので、自社に合ったところを選ぶことが重要です。

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