設計事務所のM&A・事業承継の動向は?増加の理由や後継者不足の問題も解説!

執⾏役員 兼 企業情報部 本部⻑ 兼 企業情報第一本部 本部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

本記事では、どのような手段で設計事務所が売却されるのか解説するとともに、事業承継・M&Aの手順も解説します。かつて設計事務所の事業承継・M&A・売却は少なかったものの、近年は事業承継・M&A・売却が増加しています。設計事務所のM&Aを検討している方は必見です。

目次

  1. 設計事務所のM&A・事業承継とは
  2. 設計事務所のM&A・事業承継の動向
  3. 設計事務所のM&A・事業承継が増加する5つの理由
  4. 設計事務所のM&A・事業承継の流れ
  5. 設計事務所はM&A・事業承継で後継者不足を解決
  6. 設計事務所のM&A・事業承継を成功させる5つのポイント
  7. 設計事務所のM&A・事業承継における成功・失敗事例
  8. 設計事務所のM&A・事業承継ニュース
  9. 設計事務所のM&A・事業承継の案件例
  10. 設計事務所のM&A・事業承継の際におすすめの相談先
  11. 設計事務所のM&A・事業承継のまとめ
  12. 建設・土木業界の成約事例一覧
  13. 建設・土木業界のM&A案件一覧
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1. 設計事務所のM&A・事業承継とは

この章では、設計事務所が実際に行っている業務や、M&A・売却・事業承継との関係を改めて整理するとともに、M&A・売却・事業承継の詳しい内容を解説します。

設計事務所とは

設計事務所とは、建築士が所属する法人のことをいいます。大きく分けて、メインとなる建築士が一人の個人事務所と、複数の建築士が共同で運営する事務所の2パターンです。

設計事務所には、耐震構造、ホテル、介護施設などの分野に特化した事務所もあります。これらの名称はアトリエ系建築設計事務所です。あらゆる分野をカバーする大規模な総合設計事務所も存在し、組織型建築設計事務所と呼ばれています。

設計事務所の手掛ける事業

設計事務所は、個人向け住宅などの小規模な事業から、超高層ビルなどの大規模な事業まで、さまざまな規模の事業を手掛けます。小規模な事業であれば建築士一人で遂行できますが、規模が大きくなるほど複数の建築士の協力が必要です。

大規模な事業では、異なる専門分野を持つ複数のアトリエ系建築設計事務所が協力するケースや、組織型建築設計事務所が1社で手掛る場合もあります。

M&A・売却・買収とは

M&Aとは、会社や事業の売買・統合を行う際に用いる手法(スキーム)の総称です。M&Aにおける売却・買収とは、株式譲渡事業譲渡などのスキームを使って会社や事業を売買することをいいます。

企業がM&A・売却・買収を行う理由には、事業規模拡大・技術やノウハウの獲得・人材確保・資本獲得・経営の立直しなど、さまざまなものがあります。

事業承継とは

事業承継とは、自社の経営を後継者に引き継ぐことです。後継者を誰にするのかによって、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aによる事業承継に分かれます。以下では、3つの事業承継それぞれの特徴や、メリット・デメリットを解説します。

親族内事業承継

親族内事業承継とは、子供や親戚など親族の誰かに事業を引き継ぐことをいいます。身内に引き継ぐため安心感があり、生前贈与などの活用ができる点がメリットです。

後継者となる子供や親族に経営ノウハウ・経営経験がない場合は、設計事務所に勤務させて事業に参加させるなど、育成の時間をしっかりとることが大切です。事業承継後、後継者がスムーズに経営が行えるよう、従業員や取引先などへ事前に説明しておくとよいでしょう。

親族外事業承継

親族外事業承継とは、自社の役員や従業員など親族以外の者に、事業を引き継ぐことをいいます。設計事務所の役員や従業員に事業承継するメリットは、実際に経営にかかわってきた人の中から、後継者にふさわしい人物を選べる点です。

しかし、従業員や役員に事業承継する場合、後継者が自社株式を買い取らなければなりません。資金を用意する必要がある点がデメリットでしょう。

M&Aによる事業承継

親族や従業員などに後継者が見つからない場合は、M&Aによる事業承継を選択すれば、設計事務所の後継者問題が解決可能です。M&Aによる事業承継では、仲介会社などを通して第三者を紹介してもらえるため、選択肢が広がり、自社に最適な企業(または個人)を後継者に据えられます

かつて、中小企業の事業承継では、親族内承継の割合が高い傾向にありました。近年では、子供に承継の意思がなかったり、後継者の資金負担によってうまくいかなかったりするケースが多く、M&Aによる事業承継を選択する割合が高いです。

機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】機械設計・機械設計技術者派遣のM&A・事業承継!売却相場・譲渡事例15選あり

2. 設計事務所のM&A・事業承継の動向

設計事務所のM&A・事業承継動向には、以下の3つの特徴が見られます。

  1. 大半が零細企業の業界であり、後継者が不在のことが多い
  2. M&Aが行われる件数が少ない業界
  3. 継続して成長が見込める分野をつかむ必要がある

①大半が零細企業の業界であり、後継者が不在のことが多い

設計事務所の多くは零細企業といわれています。少ない資本や設備で経営を行うため、従業員をできるだけ少人数にしているからです。それだけでなく、設計者が個人で経営していたり、家族経営していたりするケースもあります。

事業承継を行おうとしても、子供や身内、または従業員に後継者がいないために承継ができず、廃業せざるを得ないケースも多く見受けられます。

②M&Aが行われる件数が少ない業界

先述のように、設計事務所は零細企業の割合が高いため、他の業種に比べるとM&Aが行われている件数も少なくなっています。設計事務所での業務には専門的な知識が必要となるため、なかなか売却先が見つからないケースもあります。

経営者が引退する年齢に差しかかったなど、事業承継を検討する段階になればできるだけ早めに準備を進めることが大切です。

③継続して成長が見込める分野をつかむ必要がある

建築需要は縮小の傾向にあるため、量から質へと求める需要の転換が表面化していくと考えられます。設計事務所業界は、継続して成長が見込める分野や領域を、どのようにつかむかがこれからの課題です。

先見性がある経営者は、市場の変動や環境の変化を考慮して、人材の確保・育成や海外事業の拡大などに力を注いでいます。

3. 設計事務所のM&A・事業承継が増加する5つの理由

近年、設計事務所のM&A・事業承継が増加している理由には、以下の5つがあります。

  1. 廃業・倒産を避けるためにM&A・事業承継を考える
  2. 経営者が引退年齢になっている
  3. 子供がおらず教育・育成ができない
  4. 後継者が見つからないため焦っている
  5. 社長の能力に依存している傾向が強い

①廃業・倒産を避けるためにM&A・事業承継を考える

自身が育ててきた設計事務所をできるだけ長く継続したい思いや、現在設計事務所で働いている従業員のことを考えても、廃業・倒産を避けたいと考えるのは経営者として当然のことでしょう。

自身の周りに後継者となるべく人物がいない場合は、M&Aによる事業承継を選択すれば、廃業・倒産を避けられます。従業員の雇用先も確保できるでしょう。

②経営者が引退年齢になっている

現在、中小企業では経営者の高齢化が問題になっており、設計事務所も同じ状況です。一般的に、経営者の平均引退年齢は70歳程度です。しかし、引退年齢になっても、売却による事業承継を行っていないケースも多く見受けられます。

今後、日本国内ではさらに少子高齢化が進むとされているため、設計事務所のM&A・事業承件数も増加すると考えられます。

③子供がおらず教育・育成ができない

近年の日本は少子化傾向です。設計事務所の経営者に子供がいないことで、親族内事業承継ができないケースもあります。親族内事業承継ができない場合は、第三者へのM&A・事業承継によって設計事務所を引き継ぐと、事業の継続が可能です。

④後継者が見つからないため焦っている

設計事務所の経営者の中には、親族や従業員に後継者となるべき人物がいないために焦ってしまい、廃業を選択するケースもあります。廃業してしまうと、続けてきた事業や取引先との関係がなくなり、従業員を解雇しなければなりません。それだけでなく、廃業コストも必要になります。

M&A・事業承継を選択すれば、第三者の適切な相手に事業を引き継げます。従業員を解雇する必要もなく、廃業コストの心配もなくなるでしょう。

⑤社長の能力に依存している傾向が強い

少人数で経営していることの多い設計事務所では、社長も第一線で働き、多くの業務を請け負っていることが多く見られます。このように社長の能力に依存している設計事務所では、従業員への業務の引き継ぎが進んでいないケースも少なくありません。

後継者の育成が十分にできないまま、経営者が引退の時期にさしかかり、結果としてM&A・事業承継を選択するケースが増えています。

  • 建設・土木会社のM&A・事業承継

4. 設計事務所のM&A・事業承継の流れ

ここでは、設計事務所のM&A・事業承継の流れを、親族内事業承継(親族外事業承継)とM&Aによる事業承継とに分けて解説します。

親族内事業承継(親族外事業承継)の流れ

まずは、親族内事業承継(親族外事業承継)の流れを解説します。

【親族内事業承継(親族外事業承継)の流れ】

  • 事業承継計画の策定
  • 後継者の育成・教育
  • 資産・株式などの承継
  • 個人保証・負債の処理

事業承継計画の策定

事業承継を行うことが決まったら、まずは事業承継の計画書を作成します。具体的な内容としては、現在の会社の状況・後継者候補・引継ぎ時期と方法などを書いておくとよいでしょう。

計画書を作成することにより、どのような手順で何を行うかが明確になるので、スムーズな事業承継が可能になります。

親族の了承(親族外事業承継の場合)

自社の役員や従業員などを後継者とする親族外事業承継を選択する場合は、事前に親族の了承を得ておく必要があります。親族の了承を得ずに事業承継を進めてしまうと、相続その他の問題により後々トラブルになる可能性もあります。該当する親族には事前に説明して了承を得るようにしましょう。

専門家への相談

親族内(外)事業承継を行うことが決まったら、早い段階でM&A仲介会社などの専門家に相談し、サポートを受けながら進めていくことをおすすめします。特に、自社株式を後継者に引き継ぐ場合は、専門的な知識が必要になるため、専門家のサポートが合ったほうがスムーズに進められます。

事業承継計画書の策定などのサポートも受けられるので、一度無料相談などを利用してみるとよいでしょう。

後継者の育成・教育

事業承継計画書を策定し、会社の状況を整理・確認できたら、次は後継者候補を選びます。候補者が複数いる場合は、経営者としての適性や人間性をしっかり見極めるようにしましょう。

後継者が決まったら、経営者になるべく教育・育成を進めます。経営知識やノウハウなど必要事項を教えなければならないため、育成・教育にはそれなりの時間を要します。

一般的に後継者の育成・教育には1年~数年程度は必要とされているため、余裕を持った事業承継のスケジュールを立てることが大切です。

資産・株式などの承継

経営者が経営権を握るためには、株式を過半数以上持っていることが必要になります。株主総会で重要事項を決議するため、必要な3分の2以上の株式を持っていることが望ましいでしょう。

経営者の後継者が決まった時点で株式が分散している場合は、株式の買取りなどを進めなければなりません。株式の買取りを行う際には、株式買い取りに必要な資金を用意する必要があります。

個人保証・負債の処理

親族内(外)事業承継では、資産だけでなく経営者個人の債務・保証も引き継がれます。個人保証や負債を処理しないまま事業を引き継いでしまうと、トラブルの原因ともなりかねないため注意が必要です。銀行融資などの個人保証や負債は、事業承継を行う前に処理をしておくことが重要です。

M&Aによる事業承継

次に、M&Aによる事業承継の流れを見ていきましょう。M&Aを行う際は、一般的には専門家へ依頼するため、ここではM&A仲介会社へ相談することを前提とした手続きの流れを解説します。

【M&Aによる事業承継】

  • 仲介会社などへの相談
  • 承継先の選定
  • 基本合意書の締結
  • デューデリジェンスの実施
  • 最終契約書の締結
  • クロージング

仲介会社などへの相談

M&Aによる事業承継を行うことを決めたら、まずは仲介会社などの専門家に相談します。M&A仲介会社は、M&Aを専業としているため、M&Aに関する知識や経験を豊富に有しています。効果的かつ有効なサポートが受けられるでしょう。

事業承継の相談は、M&A仲介会社以外に、銀行や信用金庫などの金融機関、事業引継ぎ支援センターなどの公的機関でも受け付けています。しかし、実際の仲介業務は、提携先のM&A仲介会社に依頼する場合がほとんどです。

M&A仲介会社であれば、相談から交渉・成約まで一貫したサポートを受けられるため、初めから仲介会社に相談したほうがスムーズに進むことが多いです。

秘密保持契約書の締結

秘密保持契約とは、自社の情報を提供する際、外部に漏らしたり不正に利用されたりすることを防止するために結ぶ契約をいいます。秘密保持契約に記載する事項は、ケースによっても異なりますが、以下の内容を最低限盛り込むことが一般的です。

  • 秘密保持契約の対象となる内容と期間 
  • 秘密保持義務を負う人物と対象となる内容の漏えいがあった場合の損害賠償の可否 
  • 秘密保持を調べるための調査権限 
  • 問題が起こったときの裁判所への手続き

承継先の選定

M&A仲介会社に事業承継を希望する条件を伝えると、条件に合う相手先を10社程度紹介してくれるので、その中から数社程度に絞りこみます。有力な買い手候補に打診し、具体的な交渉へと進みます。

意向表明書の提示

意向表明書とは、譲受企業が譲り受けの意向を示すために譲渡企業に提出する書面をいいます。意向表明書の提出は必須ではありませんが、譲受企業の意向を書面にして譲渡企業に伝えることで、より円滑なM&Aの成約へとつながります。

基本合意書の締結

お互いの基本的な合意が得られると、基本合意書を締結して最終合意に向けて動き出します。基本合意書には、譲渡価格や取引のスキームなどを記載します。あくまで基本的な合意であるため、後に変更も可能です。

仲介会社によっては、基本合意の時点で「中間金」という報酬が発生することもあるため、事前に確認するとよいでしょう。

デューデリジェンスの実施

基本合意書を締結したら、買い手候補企業によるデューデリジェンスが実施されます。デューデリジェンスとは企業調査のことです。財務状態を調べるファイナンシャルデューデリジェンス、事業内容を調べるビジネスデューデリジェンスなどが一般的です。

売り手側は、これらのデューデリジェンスに対応するため、書類提出、視察の立ち会い、専門家のサポートを受けながら質問への対応を行います。

最終契約書の締結

デューデリジェンスの結果、問題がないとわかり両社が納得すれば、最終契約書の締結をします。最終契約書の名前は、事業譲渡の場合は事業譲渡契約書、株式譲渡の場合は株式譲渡契約書と呼ばれます。

一度、最終契約書を締結すると、原則取り消せないため、慎重に契約しなければなりません。

クロージング

最終契約書が締結されて事業譲渡・株式譲渡が確定すると、実際の譲渡手続きを行うクロージングに入ります。事業譲渡の場合は手続きがやや複雑になるため、クロージングにある程度の期間が必要となります。

事業承継の方法については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】事業承継の方法は5種類!方法別のメリットとデメリット・注意点・必要な準備を徹底解説

5. 設計事務所はM&A・事業承継で後継者不足を解決

他業種の中小企業と同じく、設計事務所も後継者不足は大きな問題となっています。そのようなケースでは、M&A・事業承継が非常に有効な手段です。

M&A総合研究所では、M&Aに精通したM&Aアドバイザーがクロージングまで案件をフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、設計事務所のM&A・事業承継をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. 設計事務所のM&A・事業承継を成功させる5つのポイント

後継者不足の設計事務所がM&A・事業承継されるためには、以下の5つのポイントを押さえておくことが重要です。

  1. 事業承継・買収先にメリットがある強みを持つ
  2. 安定した顧客・取引先がいる
  3. さまざまな実績がある
  4. M&A成立後のトラブルに向けた対策を講じておく
  5. M&A・事業承継の専門家に相談する

①事業承継・買収先にメリットがある強みを持つ

事業を買収する立場から考えると事業承継を行うことによりどのようなメリットがあるのかを伝えることが重要です。事業承継する事業を買収することにより、買い手企業がどのようにさらに成長できるかを提示するようにします。

②安定した顧客・取引先がいる

実際に事業承継を行ったものの顧客・取引先を全て新規から考えなければいけないとなると、非常に大変です。長い間やり取りをしている安定した顧客・取引先がいることを提示することは、買い手側のメリットとなります。

③さまざまな実績がある

事業承継を行う事業が、現在もしくは過去にさまざまな実績があれば、事業承継をスムーズに行える可能性は高くなります。買い手側としても、事業承継する事業にさまざまな実績があるとわかれば、不安なく事業を買収できます。

④M&A成立後のトラブルに向けた対策を講じておく

設計事務所のM&Aを行うにあたり、M&A成立後にはじめて発覚したトラブルの処理方法を、売り手企業と買い手企業で取り決めておくと良いでしょう。

一般的には、株式譲渡契約書にて、元のオーナーと新オーナーのどちらが責任を負うかを定めておくことが多いです。元オーナーが死去した場合に備えて、元オーナーの親族に責任を負担させる場合もあります。

⑤M&A・事業承継の専門家に相談する

M&A・事業承継は行われる頻度が低いため、自分自身で行うには限界があります。M&A・事業承継の専門家に相談することをおすすめします。

7. 設計事務所のM&A・事業承継における成功・失敗事例

以下では、設計事務所のM&Aにおける成功と失敗の典型的な事例を紹介します。

成功事例

設計事務所の第三者への事業承継で成功した事例として多いのが、従業員による承継です。元オーナーの下で長年仕事をしてきた従業員は、番頭としてその設計事務所のビジネスに精通しています。オーナーの地位を引き継ぎ、設計事務所をより発展させるケースが多いです。

従業員が買収金額を用意できない場合には、株式の分割売却を行うなど、従業員の資力へ配慮できます。

失敗事例

M&A後に過去の設計ミスが発覚しトラブルに発展したケースです。吸収合併の実行後、吸収された会社の過去の設計ミスが発覚すれば、吸収した会社が訴訟を起こされます。こうしたリスクへの対策として、過去の取引関係による信頼関係があるM&A先を選ぶと良いでしょう。

8. 設計事務所のM&A・事業承継ニュース

2021年7月、BDP Holdings Limitedは、Pattern Designの株式すべてを取得すると発表しました。取得金額は約3億円です。


買い手側企業は、大手建設コンサルタント会社「日本工営」の海外子会社として、アストラゼネカ本社の建築設計や、グーグル欧州本社ビルの設計・監理業務などを手掛けてきた会社です。

売り手側企業はイギリスにある建築設計会社で、FIFAワールドカップの会場など世界的な大型スポーツ施設の設計を複数手掛けてきた点が強みです。

本件M&Aの目的は、スポーツセクター市場の設計・エンジニアリング分野に関する事業拡大および、Pattern社が有するスポーツセクターの高度なノウハウや経験の獲得にあります。

英国 BDP 社の Pattern Design Limited 社株式取得に関するお知らせ

9. 設計事務所のM&A・事業承継の案件例

過去にM&A総合研究所が手掛けた設計事務所のM&Aでは、関東圏の20名以下のアトリエ型設計事務所の案件があります。

売り手の設計事務所は、アレルギーや化学物質過敏症の顧客でも安心・安全な注文住宅やアパート建設に強みを持っていました。設計から施工管理までワンストップで対応できます。

M&Aを行う目的は、既存事業の拡大です。オーナーは株式売却後も事業にかかわる予定でした。財務数値としては、売上高が5億円から10億円、営業利益が1,000万円から5,000万円程度でしたが、譲渡価格の希望なしで、無事に成約しています。

M&A・事業承継の案件を探す方法

M&A・事業承継で設計事務所の案件を探す会社は、それぞれの得意分野があるため、地域拡充、業務範囲の拡充を目指すケースが多く見られます。地域に特化したM&A仲介会社に相談したり、近年利用者が多くなっているマッチングサイトなどを利用したりして探すとよいでしょう。

10. 設計事務所のM&A・事業承継の際におすすめの相談先

設計事務所のM&Aを検討されている方は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、案件ごとにM&Aアドバイザーがクロージングまでフルサポートします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。設計事務所のM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にM&A総合研究所の無料相談をご利用ください。

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11. 設計事務所のM&A・事業承継のまとめ

事業承継には、主に以下の3種類があります。

  • 親族内事業承継
  • 親族外事業承継
  • M&Aによる事業承継

設計事務所のM&A・事業承継が増加する理由としては、以下の5つの理由があります。

  1. 廃業・倒産を避けるためにM&A・事業承継を考える
  2. 経営者が引退年齢になっている
  3. 子供がおらず教育・育成ができない
  4. 後継者が見つからないため焦っている
  5. 社長の能力に依存している傾向が強い

後継者不足の設計事務所がM&A・事業承継されるためには、以下のことが重要です。

  1. 事業承継・買収先にメリットがある強みを持つ
  2. 安定した顧客・取引先がいる
  3. さまざまな実績がある
  4. M&A成立後のトラブルに向けた対策を講じておく
  5. M&A・事業承継の専門家に相談する

12. 建設・土木業界の成約事例一覧

13. 建設・土木業界のM&A案件一覧

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