今から太陽光発電を導入して大丈夫? 価格や補助金など解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

太陽光発電の固定売電価格が年々低下中です。また、2019年で固定価格買取制度期間満了となるケースもあり、その後は各電力会社へ個別売電するしかありません。今後の太陽光発電売電価格の見通しとともにメリット、デメリットを知り、導入の検討をしましょう。

目次

  1. 太陽光発電で電気を売却できる仕組み
  2. 太陽光発電導入における3つのメリット
  3. 太陽光発電導入における3つの注意点
  4. 固定価格買取制度と取引価格の推移
  5. 電力買取が終了する?太陽光発電の2019年問題とは
  6. 電力会社との取引価格は?
  7. 今、太陽光発電を導入してもうかる?
  8. 太陽光発電導入の流れ
  9. 太陽光発電導入の補助金
  10. まとめ
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1. 太陽光発電で電気を売却できる仕組み

太陽光発電で電気を売却できる仕組み

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーで発電することです。太陽光発電を行うためには、ソーラーパネルを敷地や建物に設置します。そして、設置したソーラーパネルで発電する電気を、電力会社に売れるのです。

太陽光発電には、住宅用・産業用の2種類が用意されており、それぞれ発電量に違いがあります。

住宅用は、10kW未満の発電量で、発電した電力を家で消費することも可能です。一方、産業用は10kW以上の発電量を行えます。家庭に設置した場合でも、10kWを超えると産業用に区分される決まりです。

太陽光発電で発電した電力のうち、自家消費せずに余った電力を電力会社へ売れます。住宅用でも産業用でも可能ですが、予備としての電力は買ってもらえません。

太陽光発電を導入することで、余分電力を売る、家で使うなど活用方法はさまざまです。

では、具体的にはどのようなメリットが得られるのかについて、見ていきましょう。

2. 太陽光発電導入における3つのメリット

太陽光発電導入における3つのメリット

率直にいって、今からの太陽光発電導入は、あまりおすすめできません。しかし、太陽光発電には、デメリットだけでなくメリットもあります。

太陽光発電におけるメリットは、次の3つです。
 

  1. 電気代の節約になる
  2. 収入が増える
  3. 災害時も電気が使える

これらのメリットを、順番に説明します。

①電気代の節約になる

太陽光発電をすると、発電した電気を使って自家用電気をまかなえます。つまり、電気会社から電気を買わずにすむため、電気代を節約できるのです。

時間帯により電気代が安くなる電力会社のプランや電気代の安い新電力会社と契約することで、電気代を抑えられます。特に、発電した電力をためられる蓄電池を使うと、さらに電気代を節約できるのです。

②収入が増える

電気を売れれば、収入を得られます。取引価格は下がっているものの、国や民間の電気の買取制度は続くため、長期的に収入を見込めるのです。

ただし、売れる電気量によって収入は変動します。太陽光発電によって収入を多く得たいなら、ソーラーパネルの広さを増やしたりや蓄電池を利用したりしましょう。

③災害時も電気が使える

災害時に電気を使えることは、太陽光発電を導入する大きなメリットです。

たとえば、停電時に日中なら電気を使えます。工場などにソーラーパネルを取りつけている企業なら、最低限の電力を確保でき、営業停止もせずにすむでしょう。

このように太陽光発電を導入すると、災害時のリスクを回避できるのです。

3. 太陽光発電導入における3つの注意点

太陽光発電導入における3つの注意点

一方、太陽光発電の導入には注意点もあります。太陽光発電導入における3つの注意点を確認しましょう。
 

  1. 売る目的ではメリットが少ない
  2. 維持費が高く売るだけでは利益が出にくい
  3. 発電量が土地・天候によって変わる

これら注意点も、順番に説明します。

①売る目的ではメリットが少ない

売る目的ではメリットが少ないということが、まず挙げられます。

もともと、家庭用などで販売されていた太陽光発電は、残った電力を売るだけでもしっかりと元が取れるような仕組みでした。したがって、設置費や購入費などの初期費用を超えるくらいの利益が出ていたのです。

しかし、現在では取引価格が年々、下がり続けています。

価格が下がることで、売ったときの価格が家庭の電気代より安くなってしまい、ためた電気を家庭で使う方がお得になってきているのです。

このような状況により、売るだけが目的では利益がほとんど出ないため、現在は多くの家庭が自宅用の電気として使うことが多く、メリットは少なくなってしまいました。

②維持費が高く売るだけでは利益が出にくい

太陽光発電は、維持費が高くとても今の取引価格では利益が出にくいものとなっています。

具体的に、維持費は定期点検が1~2万円、基盤交換のみで数万円程度です。また、太陽光発電は約20年で寿命が来るため、新品に取り換える場合、1台当たり20~30万円ほどかかります。

さらに、初期費用が100~1,000万円以上必要となるほか、屋根に設置した場合、修理するために足場を作るため、足場費用で約20万円かかるでしょう。

そのため、維持費が高く、取引価格は売価が下がっていますから、利益が出にくいというわけです。

③発電量が土地・天候によって変わる

最後に、太陽光発電には、土地によって設置できなかったり、天候によって発電力が変わってしまったりする問題点があります。

まずは、土地の問題です。

森林を切り開き山の斜面に太陽光パネルを設置するなどをしてしまうと、大雨が起こった場合などに土砂崩れが起きてしまう可能性が出てきます。また、住宅街に太陽光発電を設置した場合、パネルによる反射で近隣に眩しさや室温上昇などの害を与えてしまう可能性もあるでしょう。

このように、太陽光発電設備は設置する難易度が高いものです。そして、設置できたとしても、次に天候による問題が出てきます。

太陽光発電は太陽の光を電力に変えているので、雨や曇りの時には発電量は減少してしまうものです。また、晴れている日でも温度の違いによって発電量が異なるのも特徴の一つといえます。

以上のことから、太陽光発電には安定性がないといえるわけです。

ここまで、売る目的での太陽光発電にはメリットが少ないことをお伝えしました。もう少し詳しく知るためにも、取引価格の推移についても見ておきましょう。

4. 固定価格買取制度と取引価格の推移

固定価格買取制度と取引価格の推移

太陽光発電の余った電気については、固定価格制度によって売買されています。しかし、制度で決められてはいるものの、取引価格は年々、下がっている傾向が見られるのです。

まず、固定価格買取制度(FIT制度)とは、再生可能エネルギーによって生成した電気を、電力会社が一定期間、同じ価格で買取ることを国が約束をする制度です。住宅用は2009(平成21)年に、産業用は2012(平成24)年に制度が適用されました。

しかし、この制度での取引価格が下がり続けています。原因としては、太陽光発電の相場が下がっていっているということが考えられるのです。また、太陽光発電の導入量が停滞しないように取引価格が決まるため、年々、下がっている傾向もあります。

では、固定価格買取制度を利用した場合の取引価格の推移と、制度終了後の選択肢についても確認しましょう。
 

  1. 太陽光発電の取引価格の推移
  2. 固定価格買取制度の予想
  3. 買取期間満了後の選択肢

それぞれ順番に詳しく説明します。

①太陽光発電の取引価格の推移

太陽光発電の固定価格買取制度の買取価格が、年々と下がっていることは記しました。

確かに、固定価格買取制度の開始時には、発電電力の割合を上げるために高値での売買が行われており、2009年の売電開始時における1kWhあたりの買取価格は48円でした。しかし、太陽光発電の普及により徐々に価格が下がっていることが、以下の表でおわかりいただけるはずです。

  住宅用 産業用
発電量 10kW未満
制御装置×
10kW未満
制御装置〇

10kW以上

500kW未満

500kW以上

2,000kW未満

2,000kW以上
2012年度 42円 40円(+税)
2013年度 38円 36円(+税)
2014年度 37円 32円(+税)
2015年度 33円 35円 4月~6月:29円(+税)
7月~翌年3月:27円(+税)
2016年度 31円 33円 24円(+税)
2017年度 28円 30円 21円(+税) 入札制度
2018年度 26円 28円 18円(+税) 入札制度
2019年度 24円 26円 14円(+税) 入札制度
※いずれの価格も電力1kWhあたりの金額

そして、2020年度においては、価格とともに発電区分も以下のように変更になりました。なお、価格は税別です。

区分 10kW未満
(住宅用)
10kW以上
50kW未満
50kW未満の
ソーラーシェア
リング
50kW以上
250kW未満
250kW以上
価格 21円 13円 13円 12円 入札
期間 10年 20年 20年 20年 20年
条件
備考
全国一律に変更 余剰売電限定
災害時の活用
全量売電可能
災害時の活用
特になし 落札後の
辞退防止

ここで、住宅用の出力制御対応機器設置義務と産業用の入札制度についても知っておきましょう。

出力制御対応機器設置義務と有無の差について

出力制御対応機器設置義務とは、経産省が2015(平成27)年1月に発表した省令改正によって盛り込まれた制度です。ただし、2020年度においては撤廃され、全国一律へ戻されています。

こちらの制度が導入されたことにより、電気の供給が電気の需要を超えた場合、電力会社側が出力制御の対象となる太陽光発電の電気買取をしなくてもよくなりました。

また、設置が義務づけられた出力制御対応機器というものが出力の制御を行うので、余剰電気を抑えてくれますから、余剰電気自体が減ります。

次に、出力制御対応機器設置義務がある地域とない地域の違いについてです。

義務がある地域とない地域の違いは、先ほども述べたように出力に制限あり、なしの違いがあります。制限がある場合は余剰電気が減る分、制限がないところに比べて取引価格を引き上げることでバランスを取っていました。

入札制度について

次に、入札制度とは、改正されたFIT法で導入された再生可能エネルギーの買取価格を決める制度です。日本国内では一定の容量を超えた大規模太陽光発電を対象として、この入札制度が適用されます。

また、金額は以下2つの方式によって決まるものです。
 

  • ペイ・アズ・ビッド方式
  • ユニフォーム・プライシング方式

ペイ・アズ・ビット方式では、発電事業社が入札した中から値段が安い順番で落札が確定していきます。したがって、発電事業者は自分が提示している買取価格で売ることが可能です。

ユニフォーム・プライシング方式では、落札された発電事業者の中から最も高く設定していた価格が、全ての発電事業者共通の買取価格として設定されます。したがって、落札された価格が自分の提示していた価格よりも高い価格で取引が行えるものです。

どちらが売買の方法でも、価格が変わるということは知っておくとよいでしょう。ただし、入札されないと、どちらの方式でも売れなくなるリスクも覚えておいてください。

②固定価格買取制度の予想

2021(令和3)年以降について、固定価格買取制度がいつまで続くのかという明確な指針はありません。

極端ないい方をすれば、早期に制度廃止される可能性もあるのです。いずれにしろ、取引価格は徐々に低下し続けていることから、今後、取引価格が上がるという予測はほぼありません。

2015年以降、どの発電区分においても買取価格は2~3円ずつ下落してきました。そこで、電力業界関係者の1つの予測としては、2021年の買取価格は、10kw未満が18~19円、10~50kw未満が10~12円程度と目されています。

③買取期間満了後の選択肢

買取期間がいつ終了するのか予測できません。つまり、満了した後にはどうするべきか検討しておくべきといえるでしょう。

具体的には、以下2つのような選択肢があります。
 

  • 自家消費する
  • 電力会社と直接契約して売り続ける

自家消費するのであれば、そのまま自身の家または事業所用の電力として使い続けることになります。売ることはできませんが、これまでどおり、または、やや電気についてまかなえる範囲が増えるでしょう。

もし、まだ売り続けたいということならば、電力会社との直接契約という方法もあります。売買価格はやや低めですが、今までどおり余剰電気を取引し続けることが可能です。

いずれの場合においても、余剰電気をどうするのかという方針はある程度、決めておくべきといえます。

【関連】太陽光発電の買取価格が半額に!いつから売電できなくなる?

5. 電力買取が終了する?太陽光発電の2019年問題とは

電力買取が終了する?太陽光発電の2019年問題とは

太陽光発電の2019年問題とは、固定価格買取制度が開始された2009年に制度を利用し始めた人が、10年間の買取期間終了を受けて太陽光発電をどうするかの問題に直面することです。

2009年から固定価格買取制度を利用できたのは住宅用のため、住宅用太陽光発電設備を設置している人の問題です。ただし、産業用も制度開始(2012年)の20年後である2032(令和14)年に、同じ問題が起こるかもしれません。

買取期間が終わった場合の対処法は、ここまでで述べたとおり次の2つです。
 

  1. 自家消費する
  2. 電力会社と直接契約して売り続ける

実際に太陽光発電を導入して、固定価格買取制度の買取期間を終えた場合、どうするのか考えてみましょう。

11年目を迎えた家庭電気の取引はどうする?

住宅用の固定価格買取制度の買取期間は、制度を利用し始めて10年間です。2009年から固定価格買取制度を利用して売っていた家庭について、今後どうすべきか考えてみましょう。

2009年から太陽光発電を導入していると、取引価格が高いメリットがあったため、すでに導入費用の元は取れているはずです。今後は、自家消費か電力会社と契約して売ることになります。

固定価格買取制度の買取期間が満了となる人は、売ることを考えている人が多いでしょう。電力会社と契約した場合、買取価格はぐっと下がります。

ただし、0円での買取とはなりません。半額以下ですが、発電量が多ければ収入を得られます。

蓄電池を買うべき?

蓄電池とは、電気をため、使いたいときに使える機器です。予算に余裕があるなら、蓄電池は買うべきでしょう。なぜならば、蓄電池があると深夜の安い電力や余った電力をためて、必要なときに使えて節約になるからです。

しかし、蓄電池はとても高価で、購入に100万円ほどかかります。さらにメンテナンス費用も必要です。蓄電池の寿命は10年程度のため、毎年十数万円支払い、10年後に新しく蓄電池を購入することとなります。

「蓄電池を導入して自家消費すると、売るよりお得である」という意見もありますが、売った価格と蓄電池を使った自家消費を単純に比較できません。その理由は、蓄電池の価格、寿命、維持費から考えて、一概にお得とはいえないからです。

このような理由から、蓄電池は余裕があれば買いましょう。ただし、蓄電池がなくても太陽光発電は行えます。そのため、無理して購入する必要はありません。

産業用太陽光発電の21年目はどうなる?

産業用の場合、固定価格買取制度は2012年から始まり買取期間は20年です。したがって、2032年までは固定価格買取制度を利用できます。

しかし、住宅用と同じく、2032年に自家消費するか売るのかの岐路に立たされるでしょう。このとき、太陽光発電設備を撤去するか、維持するかしっかり考える必要があります。

現状、取引価格が上がる見込みはありません。産業用の場合、2019年から入札制度の範囲が拡大して、売る価格が安くないと売れない仕組みとなっています。

維持費も考えて、運用が難しいなら施設の売却も考えましょう。ソーラーパネルを取りつけている施設を中古発電所として売却したり、太陽光発電事業として事業譲渡を行ったりできます。

6. 電力会社との取引価格は?

電力会社との取引価格は?

「実際に、電力会社との取引価格はいくらなの?」と思う人も多いはずでしょう。2019年に固定価格買取制度の買取期間が終わる人に向けて、各電力会社が買取価格を発表しています

電気の買取を行う主な大手電力会社の買取価格は、次のとおりです。
 

電力会社 買取価格 契約可能地域
東北電力 9円/kWh 東北地方、関東地方、新潟県、山梨県、静岡県
北陸電力 8円/kWh 北陸地方
中部電力 8円/kW 中部地方
関西電力 8円/kWh 近畿地方、福井県、岐阜県、三重県
中国電力 7.15円/kWh 中国地方
四国電力 7円/kWh 四国地方
九州電力 7円/kWh 九州地方
沖縄電力 7.5円/kWh 沖縄県

全国的に電気の買取をする電力会社もあります。
 

電力会社 買取価格 契約可能地域
出光興産 九州地方以外:8.5円/kWh
九州地方:7.5円/kWh
沖縄県以外
スマートテック 10円/kWh 北海道、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、九州地方

各電力会社により、さまざまな買取プランが用意されています。年間一括買取ができたり、電力会社を通して売る先を選択できたりするのです。

電気を買取ってくれる電力会社は、経済産業省資源エネルギー庁ホームページ内の「売電できる事業者一覧」から確認できます。1年間の太陽光発電の発電量、売った電力量を見直して、一番よいプランを選びましょう。

発電しても売却できない可能性がある

電力会社と契約しても、出力制御を受ける可能性があるエリアの場合、発電しても売れない可能性があります

出力制御対応機器設置義務ありの地域は、北海道、東北、北陸、中国、九州、沖縄です。関東、中部、関西は、50kW以上なら設置義務があります。

売れないと収入が減少するため、出力制御補償に入ることも検討しましょう。出力制御補償は、出力制御時間分の取引価格を補償してくれます。固定価格買取制度の買取期間が満了となる人が増えていく中、加入する人も増えるでしょう。

さまざまな会社が出力制御補償を販売しています。出力制御補償に加入する場合は、免責時間や補償上限金額を確認して、最適な補償を選択してください。

【関連】太陽光発電の売電・売買は廃止?今後の売電価格の推移は?

7. 今、太陽光発電を導入してもうかる?

今、太陽光発電を導入してもうかる?

取引価格は下がっているけど、太陽光発電を今導入しても利益は出るの?」と思う人もいるでしょう。率直にいって、利益が出るかどうかは一概にいえません。

今から太陽光発電を導入して、どれくらいで元を取れるか住宅用、産業用それぞれでシミュレーションしてみましょう。
 

  1. 住宅用の場合
  2. 産業用の場合

太陽光発電はソーラーパネルを設置する敷地の広さ、屋根の勾配、足場が必要かどうかなどの設置環境や用途によって選ぶ機器が異なる、オーダーメイドに近い商品です。機器の値段、設置費、メンテナンス費なども個人によって異なります。

そのため、シミュレーションどおりとなるかは断言できません。参考程度にお読みください。

①住宅用の場合

住宅用の場合、元を取るために20年はかかるでしょう。4人家族でシミュレーションをしてみます。

最適なソーラーパネルは、消費電力によって異なりますが、4人家族の場合、電力消費量は太陽光発電3.5~4.5kWに相当するはずです。つまり、4.5kWくらいが最適なソーラーパネルの容量となります。

ただし、電力消費量より少し大きめのソーラーパネルを取りつけることが多く、6.24kWのソーラーパネルを取りつけた場合で考えてみましょう。さらに条件として、積雪もほぼなく、雨量も標準的な地域の家に太陽光発電設備を150万円で導入したものとします。

年間予想発電量 6,844kWh
自家消費量(年間予想発電量の3割) 2,053kWh
売買可能電力量(年間予想発電量の7割) 4,791kWh

2020年に固定価格買取制度を利用し始めると、2029年が10年目です。2020年の買取価格は21円のため、10年間の売買総合計は1,006,110円となります。10年間売り続けても全然、元を取れません。

しかし、自家消費している年間2,053kWhがあります。電力会社から買っている買電価格の平均は24円/kWhです。2,053kWh×24円=49,272円となります。

売った金額+節約した金額を計算すると、固定価格買取制度のある10年間だと1,498,830円です。あとわずかですが、150万円の設備投資費には足りません。

そこで、固定価格買取制度を終えた後、電力会社に売ることとします。現在の平均取引価格8円で計算すると、導入後11年目でようやく元を取れるのです。

ただし、上記の計算は買電価格の変動や維持費などを含んでいません。また、ソーラーパネルは経年劣化するため、年間発電量は下がっていくと考えられます。

太陽光発電に必要な費用を全て含めると、元を取るためには15年程度以上は太陽光発電を維持しなければならないでしょう。

②産業用の場合

産業用の場合も、20年以上かけないと元は取れません。産業用は太陽光発電の規模に幅があります。ここでは、50kWのソーラーパネルを1,500万円で取りつけたケースを試算してみましょう。

家庭用は余計な電気のみですが、産業用は全量か余剰かを選択できる決まりです。産業用の太陽光発電を導入する場合、投資目的であることも多いため今回は全量とします。

年間発電量 51,182kWh

入札価格は固定価格買取制度の買取価格を下回ると考えられますが、ひとまず13円として計算します。産業用の固定価格買取制度は20年のため、計算すると51,182kWh×14円×20年=13,307,320円です。

したがって、固定価格買取制度の20年間では、元を取れません。21年目以降は、住宅用と同じく電力会社の買取が行われると考えられます。住宅用より安い価格で買取価格が決まるでしょうから、6円/kWhで計算しましょう。

6円/kWhの買取価格なら、26年目に1,500万円の元が取れます。しかし、維持費や経年劣化を考慮していません。維持費を考えると、元を取るためにさらに年数が必要です。

さらにソーラーパネルの耐久年数は20年といわれており、20年以上では発電量も落ちていると考えられます。

つまり、元を取るのは現実的ではないのです。そこで活用したいのがM&Aによる事業譲渡となります。

産業用太陽光発電を投資目的で導入したというケースであれば、事業譲渡によって導入資金の回収を狙える可能性が高いでしょう。

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太陽光発電の事業譲渡を検討するのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、さまざまな業種の事業譲渡を担当してきており、もちろん、太陽光発電の事業譲渡の実績も多数です。

現実的な観点で本当に元を取れるのかというご相談も含め、事業価値の算定などについて、豊富な経験と知識を持つアドバイザーが専任となって、フルサポートします。

随時、無料相談を受けつけておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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8. 太陽光発電導入の流れ

太陽光発電導入の流れ

ここでは、実際に太陽光発電を導入する場合の流れを、次の4つに分けて説明します。
 

  1. 設置計画を立てる
  2. 補助金やローンを申し込む
  3. 設置する
  4. 補助金を受け取る

導入の流れと、各段階でどれくらいの期間が必要か順番に確認しましょう。

①設置計画を立てる

まず、設置計画を立てましょう。太陽光発電について、展示会に参加したりカタログを見比べたりして値段の相場、機器の特色などを知ります。すでに太陽光発電を設置している人の話も聞くと、参考になるはずです。

太陽光発電のこと以外に、太陽光発電を設置する屋根、敷地について知りましょう。面積、形状、方位、傾斜など発電量に影響する点を調べます。詳細については、設置業者に調査を依頼しましょう。

見積もりにかかる時間は、2週間以上が目安です。建物の設計図があれば、用意しておくとスムーズに調査できます。事前調査は、半日程度です。

また、発電量をシミュレーションして、どれくらい売れるのか、自家消費できるかについて確認しましょう。

トラブルを避けるためのポイント

太陽光発電の業者には、悪徳な業者もいる可能性があります。したがって、次のような業者を選びましょう。
 

  • 要望や条件を聞いてくれる
  • デメリットも説明してくれる
  • 現地調査をしてくれる
  • 固定価格買取制度や補助金について説明してくれる
  • 見積もりは内訳が記載されている
  • 契約書や保証書を説明してくれる
  • クーリング・オフ制度を説明してくれる

しつこい営業や「必ず毎月○○万円利益が出ます!」など、不確実なことを断言口調で話す業者は、トラブルの基となるため拒否しましょう。

また、必ず複数の業者に見積もりを出してもらって、比較することが大切です。

見積もりを見比べて、極端に安かったり、高かったりする業者は注意してください。なぜなら、安い業者は追加料金で上乗せしてくる可能性があり、高い業者は工事費などを高くして利益を得ようとしている可能性があるからです。

②補助金やローンを申し込む

太陽光発電の導入には、多額の費用がかかります。補助金やローンを利用しましょう。

補助金については、自治体によって金額や条件が異なります。補助金がない自治体もあるため、住んでいる自治体を調べましょう。補助金の詳細は、次項で詳しく説明します。

太陽光発電は住宅支援機構の融資が受けられたり、メーカーや販売会社のローンを利用できたりするので業者に確認しましょう。

補助金やローン申請は、完了するまでに数週間~1カ月ほどかかります。工事時期を考えて、早めの申請がおすすめです。

③設置する

太陽光発電の設置工事をします。工事は2つです。ソーラーパネルや周辺機器を取りつける機器設置工事と機器の電気配線を行う電気配線工事があります。

住宅用の場合、工事は1日~1週間程度です。産業用は規模によりますが、10kWのソーラーパネルで1カ月ほどかかります。

太陽光発電を設置すると、電力会社と売買契約の手続きも必要です。電力会社への手続きは、1週間~1カ月以上かかります。

④補助金を受け取る

設置工事を終え、太陽光発電の運用開始を始めたら、補助金を受け取りましょう

自治体に、太陽光発電の導入が完了したことを報告すると補助金が支払われます。事前に申請していても、報告しなければ支払われません。忘れずに自治体に報告してください。

補助金については、次項で詳しく説明します。

9. 太陽光発電導入の補助金

太陽光発電導入の補助金

太陽光発電導入に際し、補助金を受けられる可能性があります。

太陽光発電の補助金について、次の3つを確認しましょう。
 

  1. 国の補助金
  2. 自治体の補助金
  3. 太陽光発電に関連する補助金

基本的に補助金は、太陽光発電の設置工事着工前に申請し、交付決定を受ける必要があります。補助金を申請する場合は、工事前に余裕をもって申請しましょう。

①国の補助金

太陽光発電の国からの補助金は、現在ありません

2009年には、「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」がありました。当時の設置費用が現在より倍以上高額だったため、導入された補助金です。

その後、太陽光発電の導入費用が下がったことで2013(平成25)年に廃止されました。国の補助金が廃止された後、自治体の補助金制度は増えています。

②自治体の補助金

太陽光発電導入に補助金を出している自治体は、多くあります。また、交付条件、補助金額など自治体によってさまざまです。

一例として、東京都中央区なら10万円/kWh(上限35万円)、福島県の場合は4万円/kWh(上限16万円)の補助金を受けられます。共通する基本的な条件は、次の2つです。
 

  • 以前に補助金の交付を受けていないこと
  • 税金を滞納していないこと

ただし、条件は各自治体によって異なるため、必ず市町村役所へ確認してください。

また、補助金は先着順であることが多いです。予算が底をつくと補助金の受付は終了します。したがって、なるべく早く申請しましょう。

③太陽光発電に関連する補助金

太陽光発電導入に直接、補助金を出すのではなく、太陽光発電によって電気をまかなう省エネ性能の高い住宅に出る補助金があります。

ZEH(Net Zero Energy House)補助金です。ZEH補助金は、太陽光発電や断熱性能のある壁などで住宅を作ることで、エネルギー収支が実質ゼロ以下になるような住宅に支払われる国の補助金になります。

電気自動車の充電設備があったり、停電時に電気を確保できたりすることなどが条件です。条件の中に、太陽光発電導入もあります。補助金額は70万円/戸以上と高額です。

10. まとめ

まとめ

太陽光発電の売買価格は年々、低下しています。また、初期投資も高く、導入してもすぐに元が取れないことがほとんどです。

それでも、導入を検討しているのであれば、まずは自治体の補助金を受けられるかを調べましょう。補助金を受けられるのであれば、ある程度の負担を減らせるはずです。

先の見通しをしっかりとシミュレーションし、計画を綿密に立てて進めるようにしてください。

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