太陽光発電のM&A(買収)・売買が急増の理由は?【事例あり】

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矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

太陽光発電事業のM&A(買収)・売買が急増中です。個人でも参入できるエネルギービジネスとして脚光を浴びた太陽光発電で、M&A(買収)や事業譲渡が盛んになっている理由について、シャープやテスラなど内外の有名企業の例も交え分析します。

目次

  1. 太陽光発電とは
  2. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡の現状
  3. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡が急増の理由
  4. 太陽光発電の売電価格
  5. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買事例
  6. その他太陽光発電のM&A(買収)に関するニュース
  7. 太陽光発電のM&A(買収)・売買まとめ
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1. 太陽光発電とは

太陽光発電とは

太陽光発電とは、言葉そのままに太陽光を得て電気エネルギーに変換させることです。太陽電池やパネルなどの設備があれば、一般家庭レベルでも電力の変換・補充・使用ができ、規模を大きくすれば太陽光発電所となります。

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2. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡の現状

太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡の現状

国のFIT(Feed-in Tariff=再生可能エネルギーの固定価格買取制度)政策によって、太陽光発電の電力売買が電力会社に義務化されて10年が経とうとしています。太陽光発電の現状を見てみましょう。

件数急増

ここ最近、太陽光発電事業のM&A(買収)・売買が急増中です。その理由を探る前に、まずは太陽光発電事業の現状について解説します。

倒産件数・負債総額も過去最高

太陽光発電の関連事業は大きく3つに分かれます。余剰電力の売却を行う売電事業、太陽光発電の設備設置などを請け負う施工事業、そして、太陽光発電設備の管理やメンテナンスなどを行うO&M事業です。

太陽光発電に関わる事業者の現状は、厳しいものがあります。2012(平成24)年を境として倒産する業者が続出し、2017(平成29)年は倒産した事業者数は過去最高を記録しました。

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3. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡が急増の理由

太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡が急増の理由

さて、太陽光発電事業のM&A(買収)・売買・事業譲渡が急増している理由はなぜなのでしょうか。大きく分けると、以下の理由が考えられます。
 

  1. 改正FIT法によるルール厳格化
  2. 特別一括償却制度で繰り延べた税金負担
  3. 周辺事業者の倒産
  4. インフラファンドのエグジット戦略

理由①改正FIT法によるルール厳格化

太陽光発電の売買に関わる法律であるFIT法は、2012年の制定後、2017年に改正されました。その改正FIT法では、従来よりも手続き面と取引面の一部ルールが厳格化されています。

事業計画書提出の義務化

改正FIT法により、事業計画の提出が義務づけられました。求められるのは、メンテナンスについても含めた事業計画です。これにより、メンテナンスを中心としていた事業者は負担が増加となりました。

さらに、許可のみを得ていた売電事業者は、事業許可の取り消しを避けるために設備工事を行う必要性が発生したのです。

それで、太陽光発電への設備投資実施が厳しくなる傾向となり、太陽光発電の事業譲渡に踏み切る状況の一因となっています。

出力抑制の導入

ある一定量電力の売電が見込まれた場合、出力抑制を理由として売電が制御されるようになりました。その結果、電気の売り手側からすると売電量が減少してしまい、当初見込んでいた収益が得られない可能性におびやかされる事態となったのです。

理由②特別一括償却制度で繰り延べた税金負担

設備投資に使われた費用を「特別償却」として計上し、一定の税額控除を受けられる制度であった「特別一括償却制度」が2015(平成27)年3月31日に廃止されました。このことにより、太陽光発電の設備投資で使われた費用の税金負担が増加しています。

こうした背景から、太陽光発電に投資する資金を捻出することが難しくなってしまい、太陽光発電事業者の減少につながっているようです。

理由③周辺事業者の倒産

太陽光発電事業には3種類の事業があるのは、先述したとおりです。それらの事業が連携して太陽光発電設備を維持・継続していくわけですが、周辺企業が撤退や倒産をすると太陽光発電設備を維持することが困難となります。

メンテナンスや設備管理などの負担が自社で行えないケースが発生するため、やむなく事業譲渡という判断に至るケースもあるようです。

理由④インフラファンドのエグジット戦略

2015年4月、東京証券取引所においてインフラファンド市場が創設されました。そのため、インフラファンドの売電事業について、エグジット戦略として事業譲渡が増えたことも太陽光発電事業のM&Aが増加した大きな要因です。

【関連】メガソーラーの売却・M&Aの注意点!事業譲渡や買取方法を解説!

4. 太陽光発電の売電価格

太陽光発電の売電価格

太陽光発電の産業用売電が制度化された2012年度は、売電単価40円(1kWhあたり)でした。それが、2019(令和元)年には14円まで下がってしまっています。なお、経済産業省は、太陽光発電の売電価格の目標数値を11円と発表しており、今以上に下がるもようです。

【関連】太陽光発電の売電・売買は廃止?今後の売電価格の推移は?

5. 太陽光発電事業のM&A(買収)・売買事例

太陽光発電事業のM&A(買収)・売買事例

それではここで太陽光発電のM&A(買収)・売買事例を4種類の区分別にいくつか見ていきましょう。区分の内容は以下のとおりです。

  • IN-IN:国内企業同士のM&A(買収)
  • IN-OUT:国内企業による海外企業のM&A(買収)
  • OUT-IN:海外企業による国内企業のM&A(買収)
  • OUT-OUT:海外企業同士のM&A(買収)

IN-INの事例1.いちごグループホールディングス

2012年11月、いちごグループホールディングスは、メガソーラー事業のベンチャー企業ソーラーウェイ(東京都)の全株式を取得する契約を締結しました。これにより、ソーラーウェイ社が未着手だったメガソーラー設備について、早期事業化を目指すことも合わせて発表されています。

IN-INの事例2.ソフトバンクグループ、三菱UFJリース

2017年3月、ソフトバンクグループの100%子会社SBエナジー(東京都)と三菱UFJリース子会社のMULエナジーインベストメント(東京都)が共同で、丸紅が持つとまこまい勇払メガソーラー(北海道)の全株式を取得しました。

この会社買収により、SBエナジーとMULエナジーインベストメントは、さらなる自然エネルギーの普及を図るとともに事業拡大を目指すと発表しています。

IN-INの事例3.丸紅

2016(平成28)年12月、丸紅(東京都)は100%子会社の大分ソーラーパワー(大分県)を吸収合併(簡易合併・略式合併)および会社分割(簡易吸収分割)する発表を行いました。そして、最終的には2017年3月に太陽光発電事業は、売却がなされています。

IN-INの事例4.三菱総合研究所

2016年8月、三菱総合研究所(東京都)は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(東京都)および関電工(東京都)と太陽光発電事業連携の合意書締結を発表しました。太陽光発電事業の長期的で健全な運用を進めることが理由とされています。

IN-OUTの事例1.双日

2017年8月、双日(東京都)は、アメリカにある太陽光発電開発事業者のAlten RE Developments America(本社オランダ・アムステルダム、アルテン・アメリカ社)の株式66.7%を取得しました。

このM&Aが行われたことにより、双日はメキシコでの太陽光発電事業に参画したことになります。これは日本企業として初の試みでした。

IN-OUTの事例2.大阪ガス、三菱商事、シャープ

2012年6月、大阪ガス(大阪府)、三菱商事(東京都)、シャープ(東京都)は3社は共同で、シャープの100%子会社のリカレント社からカナダ・オンタリオ州で開発してきた太陽光発電事業の事業譲渡に合意しました。

このプロジェクトにより、大阪ガス、三菱商事、シャープの3社は、20年間にわたって共同で1kWhあたり0.443カナダドルの価格で売電していく目標が掲げられています。

IN-OUTの事例3.双日

2015年8月、双日はアメリカの子会社を通じて、スペインのティーソーラー社がペルーで保有しているマヘス太陽光発電所とレパルティシオン太陽光発電所の各々の株式持分のうち49%を取得しました。双日グループは太陽光発電のノウハウを蓄積しながら、事業拡大を目指す目標を掲げています。

OUT-INの事例1.カナディアン・ソーラー

2018年9月、カナディアン・ソーラー(カナダ)は、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人に対して、鳥取県と岐阜県にある合計3件の太陽光発電所を売却しました。

OUT-INの事例2.カナディアンソーラーその2

2015年2月、カナディアン・ソーラーはシャープからRecurrent Energy社(アメリカ)を買収しました。シャープが同社を売却した理由は、シャープの業績不振です。

シャープは、Recurrent Energy社の太陽光発電事業を切り離すことで事業の再構築を図ると発表されています。

OUT-INの事例3.タイBCPG

2016年2月、タイの電力発電事業最大手であるBCPG Co., Ltd.は、アメリカのSun Edison, Incの日本法人であるサンエジソンジャパンを買収しました。この買収でサンエジソンジャパンはBCPG傘下になるものの、太陽光発電所の操業など、業務自体は以前と同様に継続していくと発表されています。

OUT-OUTの事例1.アメリカのKKR

2016年2月、世界的な投資会社として有名なアメリカのKKRは、スペインの太陽光発電事業大手ゲスタンプ・ソーラーを買収し、社名を「エクセリオ」に変更すると発表しました。この買収により日本、米国などを中心に世界各地で太陽光発電事業の拡大を目指すとしています。

OUT-OUTの事例2.トリナ・ソーラー

2018年5月、トリナ・ソーラー(中国)は、スペインの追尾式太陽光発電システムで世界トップメーカーとして有名なNCLAVE社を買収しました。中国国内以外の追尾式太陽光発電メーカーの買収は、中国が母体の太陽光発電企業が初となります。

デューデリジェンスの重要性

M&Aの重要工程としてデューデリジェンスがあります。デューデリジェンスは買収(M&A)や合併、投資などを行う際に、企業をいろいろな角度から分析し企業価値やリスクを把握するために行われるものです。

太陽光発電事業においてM&Aなどをする際にも、このデューデリジェンスは例外ではありません。デューデリジェンスの項目には知的財産、顧客、不動産、技術、環境といったものがありますが、見落としがないように実行することが肝要となります。

デューデリジェンスに欠かせない存在が、M&A仲介会社です。大手企業が行うM&Aばかりでなく、むしろ中小企業間で行われるM&Aにおいて、デューデリジェンスその他の各種M&Aプロセスがしっかりと実行されなくてはなりません。

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6. その他太陽光発電のM&A(買収)に関するニュース

その他太陽光発電のM&A(買収)に関するニュース

太陽光発電事業において近年、話題となったニュースの一つに米テスラ社による生産トラブルがあります。このトラブルはどうした要因から起きてしまったのでしょうか。

テスラの生産トラブル

テスラでは住宅用の屋根と太陽光パネルが一体となったソーラーパネル「ソーラールーフ」の生産を手掛けていました。

ニューヨーク州バッファローに工場を抱えているテスラでしたが、組み立てラインが停滞してしまいます。これは最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏の要求が高すぎたためといいます。

これにより、事業提携先であるパナソニックが製造しているセルやパネルが、テスラに納品できる見込みがなくなってしまいました。

また、テスラの工場建設などにあたり7億5000万ドルもの補助金を提供したニューヨーク州も雇用や投資の計画が予定通り実行されるか疑問視しているそうです。

この生産トラブルによりテスラの太陽光発電事業は縮小せざるを得なくなりました。テスラはニューヨーク州に、施設の完成から2年以内に1,460人の雇用と10年間で50億ドルの投資を約束していますが、先行きが見えない状況となりました。

7. 太陽光発電のM&A(買収)・売買まとめ

太陽光発電のM&A(買収)・売買まとめ

急激に増えている太陽光発電事業のM&A(買収)・売買についてまとめました。M&Aの増加は太陽光発電事業が不振に陥ったことが原因と見られます。また、多くの太陽光発電事業のM&Aの実例があることもわかりました。

太陽光発電のM&A(買収)・売買または事業譲渡には、手続きの困難さやさまざまなリスクが存在します。信頼できるM&Aの相談先を見つけることで、より良いM&Aを行えるでしょう。

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