2024年08月23日更新
婚礼・ウェディング業界の事業承継マニュアル!流れや相談先、成功事例も解説
本記事では、婚礼・ウェディング業界において事業承継を行う際の流れや成功させるためのポイントについて、詳しく解説しています。また、婚礼・ウェディング業界で行われた事業承継の成功事例や、事業承継に関するおすすめの相談先などについてもまとめました。
目次
1. 婚礼・ウェディング業界の事業承継
本記事では、婚礼・ウェディング業界における事業承継の進め方や成功させるためのポイントについて解説していきます。
ここでは、婚礼・ウェディング業界の定義やM&Aにおける事業承継の意味について簡単にまとめました。
婚礼・ウェディング業界とは
婚礼・ウェディング業界とは、挙式・披露宴を行う結婚式場の提供や、挙式・披露宴のプロデュースなどを行う業界のことです。
婚礼・ウェディング業界はブライダル業界と呼ばれることもありますが、厳密にいうと婚礼・ウェディング業界は結婚式自体へのサービスのみを行う業界をさします。
その一方で、ブライダル業界には、婚礼・ウェディング業界よりも広範囲のサービスが含まれるのです。
事業承継とは
事業承継とは、現経営者が後継者へ事業の経営権を譲り渡す行為です。事業承継の手続きは、現経営者と後継者の関係によって異なります。
親族間事業承継
親族間事業承継とは、現経営者の子どもや兄弟など親族へ事業の経営権を渡す行為です。
親族間事業承継の割合は業界によって異なりますが、全体的な割合は減少傾向にあります。
親族外事業承継
親族外事業承継とは、現経営者の会社役員・従業員または後継者として外部から招いた人物に経営権を譲り渡す行為です。
親族外事業承継は全体的に増加傾向にありますが、小規模企業や個人事業主においてはそれほど割合は多くありません。
M&Aによる事業承継
M&Aによる事業承継とは、専門家のネットワークなどにより後継者候補を探して経営権を譲渡する行為です。
近年では中小企業・小規模企業・個人事業主などが、M&Aによる事業承継を積極的に活用するケースが増えています。
2. 婚礼・ウェディング業界で事業承継する主な流れ
事業承継の流れは、親族内事業承継・親族外事業承継とM&Aによる事業承継で大きく異なります。ここでは、それぞれの事業承継の流れについてまとめました。
親族内事業承継(親族外事業承継)の流れ
親族内事業承継(親族外事業承継)は、主に以下の流れで進めます。
- 事業承継計画の策定
- 後継者の育成・教育
- 資産・株式などの承継
- 個人保証・負債の処理
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①事業承継計画の策定
事業承継を成功させるには、現経営者と後継者が意識・行動を明確にし共有する必要があります。そのために、まずは事業承継計画を作成するのです。
親族の了承(親族外事業承継の場合)
親族外事業承継の場合、親族との意見の相違からトラブルになるケースも多いです。
しかし、親族間で事業承継計画を共有すると、円滑な事業承継を達成できます。
専門家への相談
事業承継計画については、事業承継を支援する各種機関で作成支援が実施されています。
事業承継の準備が進んでいない中小企業経営者の中には、何から始めたら良いかわからないという経営者も多いため、まずは専門家へ相談してみると良いでしょう。
②後継者の育成・教育
後継者の育成は業界や事業規模などにもよりますが、5年〜10年は必要と感じている経営者が多いです。
そのため、経営者が若くて元気な頃から準備しておく必要があります。
③資産・株式などの承継
株式会社では相続による株式分散に、個人事業主では相続による事業用資産の分散に、それぞれ注意しなければなりません。
経営者が亡くなってから上記の手続きを整理するのは簡単ではないため、生前贈与や遺言などの準備をしておく必要があります。
④個人保証・負債の処理
個人保証の解除・負債の整理には、十分な準備と時間が必要となります。金融機関・士業専門家などへの相談は早めに行うなどして、計画的に進めるようにしましょう。
M&Aによる事業承継
M&Aによる事業承継は、主に以下の流れで進みます。
- 仲介会社などへの相談
- 承継先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①仲介会社などへの相談
M&Aによる事業承継の場合、事業の譲渡先探しから始めることが大切です。
一般的には、仲介会社などの豊富なネットワークを活用して最適な事業譲渡先を探します。
秘密保持契約書の締結
仲介会社などの専門家と契約する際、はじめに秘密保持契約を結びます。
情報漏洩を防ぐために、秘密保持契約は重要です。そのため、締結前に契約書をしっかり読むだけでなく、信頼できる専門家かどうか事前に見極めておく必要があります。
②承継先の選定
仲介会社のネットワークなどから事業承継先を探します。この段階で参照できるのは、相手先の基本情報のみです。より詳しく企業の情報を知りたい場合には、次の段階へ進む必要があります。
意向表明書の提示
買い手は売り手に興味を持つと、意向表明書を提出して交渉の意思を示すことがあります。
意向表明書は、必ず提出しなければならないわけではありません。売り手に対して興味を持っている買い手が複数存在する場合などで、優先的な交渉を図るための手段として役立ちます。
③基本合意書の締結
後継者候補と交渉し条件がまとまったら、次は基本合意書を締結します。
この段階ではまだ合意の段階です。合意書の内容をもとに、契約手続きを進めていきます。
④デューデリジェンスの実施
相手企業の詳細なデータを提供してもらい、デューデリジェンスを行います。
デューデリジェンスでは重要な企業情報を受け取ることになるため、漏洩などに細心の注意を払うことが大切です。
⑤最終契約書の締結
基本合意書の内容をもとに最終契約書を作成し、締結すれば契約は完了となります。その後は、双方が事業承継に必要な各種手続きを進めていく段取りです。
⑥クロージング
各種手続きが完了して双方の手続きに瑕疵がなければ、効力発生日にクロージングとなります。クロージング後は、事業の統合プロセスが進められる段取りです。
3. 婚礼・ウェディング業界の事業承継におすすめの相談先
婚礼・ウェディング業界の事業承継に関する相談は、以下の会社・機関などで受け付けています。ここでは、各相談先の特徴をまとめました。
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の会計士・税理士・弁護士など
- マッチングサイト
それぞれの相談先を順番に見ていきましょう。
①M&A仲介会社
M&A仲介会社はM&A・事業承継支援を専業とする機関であるため、トータルサポートを受けられて良い結果につながりやすい点が最大のメリットです。
最近は、M&Aの活用増加に伴い仲介会社が増えているため、自社に適したM&A仲介会社を選びましょう。
②地元の金融機関
多くの地方金融機関では、地元企業の事業承継相談を受け付けています。主要取引銀行であれば、相談しやすいという点が大きなメリットです。
しかし、実際の事業承継手続きは提携先仲介会社に任せているケースも多いので、自社に最適な仲介会社を選びたい場合には手間を増やしてしまいかねません。
③地元の公的機関
各都道府県が運営している事業引継ぎ支援センターに対しても、事業承継の相談ができます。
公的機関であるため相談しやすい点がメリットですが、実際の事業承継手続きは複数の専門家が行うため、断続的なサポートになりやすい点はデメリットです。
④地元の会計士・税理士・弁護士など
近年では、士業専門家の事務所でも事業承継支援を行う機関が増えている状況です。特定分野の専門性を活かしたサポートを期待できます。
ただし、士業事務所も他専門家との提携により支援を行っているケースが多く、断続的なサポートになりがちです。
⑤マッチングサイト
マッチングサイトは、自分のペースで事業承継先を探せるほか、仲介会社などへの依頼よりも料金が安く済ませられる点がメリットです。
基本的に交渉などの手続きは自身で行わなければなりませんが、マッチングサイトの中には、申し込みをすれば運営仲介会社や提携金融機関などがサポートしてくれるところもあります。
4. 婚礼・ウェディング業界の事業承継成功事例
ここからは、婚礼・ウェディング業界の事業承継事例を紹介します。
- ココチエによるくふうウェディングへの事業譲渡
- パートナーエージェントによるメイションの買収
- くふうカンパニーによるアールキューブの買収
- こころネットによる北関東互助センターの買収
- こころネットによる玉橋の買収
- サン・ライフグループによるペットセレモニーウェイビーのペット葬事業譲受
- テイクアンドギヴ・ニーズによるマリーゴールドからの事業譲受
- ブラスによるビーラインからのブライダル事業譲受
- クラウディアブライダルサービスによるクラウディアコスチュームサービスへの事業承継
- ポラリス・キャピタル・グループによるノバレーゼの買収
- テイクアンドギヴ・ニーズによるフォーシスアンドカンパニーからの事業譲受
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。
ココチエによるくふうウェディングへの事業譲渡
2024年5月、ココチエは、結婚式向けWEB招待状サービス「Dear」をくふうウェディングに譲渡しました。
ココチエは、ITを駆使してマーケティング戦略の立案からブランディング、プロモーション、企画・制作、開発、運用までを手掛ける企業で、2014年から「Dear」を提供してきました。
一方、くふうウェディングは、ウェディング総合情報サイト「みんなのウェディング」や結婚式プロデュースサービス「エニマリ」など、結婚関連事業を幅広く展開しています。2024年5月1日に社名を「株式会社エニマリ」から「株式会社くふうウェディング」に変更しました。
今回の事業譲渡は、くふうウェディングが保有する豊富な見込み客と結婚式場ネットワークを活用することで、「Dear」の成長をさらに加速させられると判断したためです。
今後、ココチエはマーケティング支援事業やビジネス向けWEB招待状事業「Yobunara(ヨブナラ)」、その他の新規事業に経営資源を再配分していく予定です。
パートナーエージェントによるメイションの買収
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例1件目は、パートナーエージェントによるメイションの買収です。
2019年2月、婚活支援会社のパートナーエージェントは、連結子会社のライジングを通じて、ブライダル業界で「スマ婚」を全国展開するメイションの株式を取得しグループ化しました。
パートナーエージェントは、シナジー効果の高い婚活分野とブライダル分野の融合や、結婚式場で挙式披露宴を行わない「ナシ婚」市場に対応するために、買収に至っています。
くふうカンパニーによるアールキューブの買収
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例2件目は、くふうカンパニーによるアールキューブの買収です。
2018年11月、ブライダル情報メディア「みんなのウェディング」の運営などを行うくふうカンパニーは、婚礼・ウェディングプロデュース会社であるアールキューブの株式を取得し、子会社化すると発表しました。
これにより、両社では、「みんなのウェディング」を軸に連携しながら、より多くのカップルが結婚式を挙げられるよう事業強化を図っています。
こころネットによる北関東互助センターの買収
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例3件目は、こころネットによる北関東互助センターの買収です。
2018年9月、福島県を拠点に婚礼事業や葬祭事業を営むこころネットは、栃木県を拠点に冠婚葬祭事業を営む北関東互助センターと株式譲渡契約を結んで子会社化すると発表しました。
こころネットはM&Aによる成長戦略を進めており、北関東互助センターの子会社化により、営業エリアの拡大や事業シナジーを獲得しています。
こころネットによる玉橋の買収
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例4件目は、こころネットによる玉橋の買収です。
2017年9月、こころネットは、葬祭事業などを営む玉橋と株式譲渡契約を結んで子会社化すると発表しました。
こころネットは、福島県を拠点とした葬祭事業会社の玉橋を子会社化することで、事業エリアの拡大などを進めています。
サン・ライフグループによるペットセレモニーウェイビーのペット葬事業譲受
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例5件目は、サン・ライフグループによるペットセレモニーウェイビーのペット葬事業譲受です。
2017年9月、ホテルブライダル事業や式典事業などを営むサン・ライフグループは、連結子会社であるペットセレモニーウェイビーのペット葬事業を譲受しました。
サン・ライフグループは、多様化する冠婚葬祭ニーズに対応するために、ペット葬事業をグループ事業に加えています。
テイクアンドギヴ・ニーズによるマリーゴールドからの事業譲受
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例6件目は、テイクアンドギヴ・ニーズによるマリーゴールドからの事業譲受です。
2017年4月、結婚式場としてゲストハウスを用いる「ハウスウェディング」などのブライダル事業を展開するテイクアンドギヴ・ニーズは、ブライダル事業会社のマリーゴールドからウェディングドレスの販売・レンタル事業を譲受しました。
これにより、テイクアンドギヴ・ニーズは、ウェディングドレス事業の内製化率を高めながら収益力の向上を実現しています。
ブラスによるビーラインからのブライダル事業譲受
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例7件目は、ブラスによるビーラインからのブライダル事業譲受です。
2017年2月、東海エリアでゲストハウスによる結婚式場を展開するブラスは、富山県で飲食店展開やブライダル事業などを行うビーラインから、ウェディングレストラン「ヴィラエッフェ」を取得しました。
ブラスは、ヴィラエッフェを完全貸切の結婚式場として事業を再開しつつ、ブライダル事業を強化しています。
クラウディアブライダルサービスによるクラウディアコスチュームサービスへの事業承継
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例8件目は、クラウディアブライダルサービスによるクラウディアコスチュームサービスへの事業承継です。
2016年11月、クラウディアの連結子会社で結婚式場の運営を行うクラウディアブライダルサービスは、同じくクラウディアの連結子会社であるクラウディアコスチュームサービスへ、結婚式場運営事業を承継すると発表しました。
その後クラウディアブライダルサービスはクラウディアに吸収合併されており、一連のグループ再編により経営の効率化を達成しています。
ポラリス・キャピタル・グループによるノバレーゼの買収
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例9件目は、ポラリス・キャピタル・グループによるノバレーゼの買収です。
2016年9月、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループは、子会社のNAPホールディングスを通じて、結婚式場運営事業を営むノバレーゼに対してTOBを宣言し、ノバレーゼもTOBに賛同の意を示しました。
その後、ポラリスはノバレーゼを完全子会社化して上場を廃止しており、ノバレーゼの企業価値向上を進めています。
テイクアンドギヴ・ニーズによるフォーシスアンドカンパニーからの事業譲受
婚礼・ウェディング業界の事業承継事例10件目は、テイクアンドギヴ・ニーズによるフォーシスアンドカンパニーからの事業譲受です。
2013年2月、テイクアンドギヴ・ニーズは、ウェディングドレスの製造・販売を行うフォーシスアンドカンパニーから、ハウスウェディング用の結婚式場を譲受しました。
テイクアンドギヴ・ニーズは、経営資リソースやノウハウの投入により、事業承継した結婚式場の再生に取り組んで立て直しに成功しています。
5. 婚礼・ウェディング業界の事業承継の案件一覧
ここでは、弊社M&A総合研究所が取り扱っている婚礼・ウェディング業界の事業承継の案件をご紹介します。
対象事業は、北海道の好立地にて、結婚式場運営を手掛ける事業です。・北海道で抜群の好立地でアクセス条件に優れています。自然を基調とした本格チャペルで顧客満足度が高いです。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
6. 婚礼・ウェディング業界の事業承継を考える理由
婚礼・ウェディング業界では、以下の理由で事業承継が行われています。
- 後継者がいないため
- 従業員の雇用先を確保するため
- 廃業・倒産を防ぐため
- 結婚式・ブライダルの件数が減少したため
- 事業承継時に利益を得るため
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①後継者がいないため
他業界と同じく婚礼・ウェディング業界でも、経営者の高齢化により事業承継需要が高まっています。
しかし、最近では経営者の子供などが婚礼・ウェディング事業を引き継ぐケースは減っているため、第三者への事業承継を検討する中小企業経営者が増加している状況です。
②従業員の雇用先を確保するため
廃業を検討する際に経営者を悩ませるのは、従業員の人生も振り回してしまうという点です。
事業承継であれば従業員を婚礼・ウェディング業界に残せるため、事業承継を選択するという経営者もいます。
③廃業・倒産を防ぐため
廃業や倒産では婚礼・ウェディング会社がなくなるだけでなく、顧客・取引先・従業員などの関係者にも大きな影響が出ます。
しかし、事業承継で事業を譲渡すると婚礼・ウェディング会社を存続させられるため、取引先や顧客・従業員なども維持可能です。
④結婚式・ブライダルの件数が減少したため
婚礼・ウェディング業界は結婚観の多様化によりビジネスモデルが大きく変化しており、従来のような結婚式場での結婚式や豪華な披露宴を行うケースは減少しています。
また、1975年に941,628件報告された婚姻件数は、2019年には583,000件ほどにまで減少している状況です(厚生労働省の『平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況』および、『令和元年(2019)人口動態統計の年間推計』より)。
また、2020年には526,000件、2021年には514,000件まで減少しています。
こうした背景により、事業の立て直しやビジネスモデルの転換目的による事業承継も多いです。
参考:男女共同参画局「男女共同参画白書 令和4年版 > 特-1図 婚姻・離婚・再婚件数の年次推移」
⑤事業承継時に利益を得るため
廃業や倒産後は資金に困るケースも多いですが、M&Aにより事業承継すると、売却側は売却益を得られます。
まとまった現金を得られるため、リタイア後の資金や別事業の資金などさまざまな用途に活用可能です。
7. 婚礼・ウェディング業界の事業承継を成功させるためのポイント
婚礼・ウェディング業界の事業承継を成功させるためには、どのような点を意識して進めと良いのでしょうか。ここでは、成功させるためのポイントを5つ紹介します。
- 事業承継は計画的に準備をする
- 後継者を決めたら育成を行う
- 事業承継先を入念に選定する
- 従業員や取引先への報告は承継後にする
- 結婚式場などの施設が修繕されている
- 事業承継・M&Aの専門家に相談する
それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。
①事業承継は計画的に準備をする
婚礼・ウェディング業界の事業承継では、結婚式場だけでなく会社の理念・事業ノウハウの引き継ぎなども行う必要があります。
引き継ぐべき要素を洗い出すなど、事業承継の計画的な準備をしておきながら、目に見えない部分も確実に引き継ぐことが重要です。
②後継者を決めたら育成を行う
婚礼・ウェディング業界では、おもてなしの心など精神的側面の承継も重要です。
自社に最適な事業承継相手を選ぶだけでなく、時間をかけて婚礼・ウェディング事業に関する「想い」も引き継ぐようにしましょう。
③事業承継先を入念に選定する
婚礼・ウェディング業界では、同じサービスを提供していても、運営元やプランナーの違いにより顧客の満足度が大きく変わります。
事業承継を行う際は、条件だけでなく相性などの目に見えない部分も見極めて選定することが重要です。
④従業員や取引先への報告は承継後にする
婚礼・ウェディング業界に限らず、事業承継への不安や不満から、従業員・取引先が離れてしまうケースは少なくありません。
念入りに説明する段階に至るまで、曖昧な情報を漏らさない配慮も重要です。
⑤結婚式場などの施設が修繕されている
婚礼・ウェディング業界の事業承継では、買い手は結婚式場の状態・コンセプトなどに注目して、譲渡企業の魅力を見極めます。
希望どおりの事業承継を行うには、結婚式場の設備を修繕しておくなど良い状態に保っておく工夫も重要です。
⑥事業承継・M&Aの専門家に相談する
婚礼・ウェディング業界の事業承継ではサービス面の引き継ぎも重要であるため、交渉・手続きを円滑に進めるには事業承継やブライダル業界に精通した専門家によるサポートがおすすめです。
M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱う仲介会社です。さまざまな業種で成約実績を有しておりますので、婚礼・ウェディング業界の事業承継・M&Aもぜひご相談ください。
M&A・事業承継の知識・経験豊富なM&A専門のアドバイザーがフルサポートいたしますので、スムーズな進行が可能です。
また、料金体系は、完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。
お電話・メールにより無料相談を受け付けておりますので、婚礼・ウェディング業界の事業承継をご検討の際はどうぞお気軽にご連絡ください。
8. 婚礼・ウェディング業界の事業承継まとめ
本記事では、婚礼・ウェディング業界の事業承継の流れ・事例・成功ポイントなどを紹介しました。
婚礼・ウェディング業界は、顧客ニーズの変化に伴いビジネスモデルも大きく変わりつつあります。
婚礼・ウェディング業界での事業承継・M&Aを行う際は、動向を見極めて最適なスキームを選択しつつ、計画的に進めていくことが重要です。
【親族内事業承継(親族外事業承継)の流れ】
- 事業承継計画の策定
- 後継者の育成・教育
- 資産・株式などの承継
- 個人保証・負債の処理
【M&Aによる事業承継の流れ】
- 仲介会社などへの相談
- 承継先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
【事業承継の相談ができる主な会社や機関】
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の会計士・税理士・弁護士など
- マッチングサイト
【紹介した婚礼・ウェディング業界の事業承継事例】
- ココチエによるくふうウェディングへの事業譲渡
- パートナーエージェントによるメイションの買収
- くふうカンパニーによるアールキューブの買収
- こころネットによる北関東互助センターの買収
- こころネットによる玉橋の買収
- サン・ライフグループによるペットセレモニーウェイビーのペット葬事業譲受
- テイクアンドギヴ・ニーズによるマリーゴールドからの事業譲受
- ブラスによるビーラインからのブライダル事業譲受
- クラウディアブライダルサービスによるクラウディアコスチュームサービスへの事業承継
- ポラリス・キャピタル・グループによるノバレーゼの買収
- テイクアンドギヴ・ニーズによるフォーシスアンドカンパニーからの事業譲受
【婚礼・ウェディング業界の事業承継を成功させるためのポイント】
- 事業承継は計画的に準備をする
- 後継者を決めたら育成を行う
- 事業承継先を入念に選定する
- 従業員や取引先への報告は承継後にする
- 結婚式場などの施設が修繕されている
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婚礼・ウェディング業界の事業承継を成功させるためには、M&Aに関する知識に加えて、高い交渉力も必要となるため、専門家によるサポートがおすすめです。
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