沖縄県のM&A・事業承継の案件例!動向や事例・公的支援の取組も解説

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

沖縄県のM&A動向や事業売却・会社売却案件一覧、事業承継の公的支援機関などを詳しく解説します。沖縄県のM&Aによる会社売却や事業承継の実態を分析し、仲介会社を選ぶポイントも紹介しています。沖縄県でM&Aを検討している方は必見です。

目次

  1. 沖縄県の産業に見られる特徴
  2. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継の動向
  3. 沖縄県のM&A・事業承継の案件一覧
  4. 沖縄県のM&A・会社売却・事業承継の事例
  5. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継案件を探す3つの手段
  6. 沖縄県でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント
  7. 沖縄県のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的支援
  8. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継のまとめ
  9. 沖縄県の成約事例一覧
  10. 沖縄県のM&A案件一覧
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1. 沖縄県の産業に見られる特徴

沖縄県の工業では、製糖やパイナップル加工を中心とする食料品製造業が出荷量で第1位ですが、大型石油精製工場の成長により、石油類の出荷量が食料品製造業とほぼ並んでいます。第3位には、飲料・飼料・たばこ製造業が続きます。また、泡盛製造や紅型染め、陶磁器、織物、漆器といった伝統産業も盛んです。

観光面では、首里城跡や円覚寺跡などの史跡がある那覇市首里地区が歴史的な名所として知られています。沖縄本島西岸や慶良間諸島では、サンゴ礁の海岸が海水浴やマリンスポーツの拠点となり、座間味島ではホエールウォッチングが人気を集めています。さらに、西表国立公園は希少な動植物と亜熱帯原生林が魅力で、宮古島や石垣島などの離島も独自の自然と文化で訪れる人々を惹きつけています。

沖縄は、台湾やハワイ、カリフォルニア半島など世界有数のリゾート地と同じ緯度に位置し、アジア圏内でも高い注目を集める保養地として発展しています。

参考:外務省「 外交政策  | G7 / G8」

2. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継の動向

沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継の動向を3つの観点から説明します。

後継者不在率は65.3%で全国第5位の高さ

帝国データバンクによると、2024年における沖縄県の後継者不在率は65.3%で、前年比1.1%の減少が見られたものの、全国第5位の高さを記録しています。なお、2023年の後継者不在率は66.4%でした。60歳以上の経営者のうち6割が将来的な廃業を予定しており、「後継者難」を理由とする廃業が約3割でした。

後継者難による事業承継問題の解決策として有望視されているのが、M&Aによる事業売却・会社売却を通じた事業引継ぎの実現です。帝国データバンクの調査「M&Aに対する沖縄県企業の意識調査」によると、沖縄県企業のうち33.3%が、今後5年以内にM&Aにかかわる可能性があると回答しています。

他の都道府県と同じく沖縄県でも経営者の高齢化が進んでおり、近い将来にM&Aによる事業承継が増えていく見込みです。同調査では、「M&Aの必要性は高くなる」と回答した企業が56.3%にのぼり、経営者のM&Aに対する意識が向上していると推測されます。

参考:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2024 年)」

休廃業・解散件数は448件で過去最多

東京商工リサーチ沖縄支店によると、2024年の沖縄県内における企業の休廃業・解散件数は448件となり、前年より4.4%(19件)増加しました。これは、過去最多を記録した前年をさらに上回る結果となります。

同支店は、この増加の要因として、新型コロナウイルスの影響から業績が回復できなかった企業が、原材料やエネルギーコストの上昇に耐えきれず、さらに人手不足や後継者不在といった経営課題を抱えたことで、休廃業や解散に至ったと分析しています。

参考:沖縄タイムス「沖縄の企業、448件の休廃業・解散 2024年が過去最多 人手不足とコスト上昇が直撃 東京商工リサーチ発表」

沖縄県企業によるM&A件数

2021年の登録M&A支援機関の報告によると、沖縄県企業におけるM&A件数は、譲渡側で31件、譲受側で25件を記録しています。九州・沖縄地方の他県と比べると、長崎県(譲渡側:39件、譲受側:21件)に次いで多い水準にあることがわかっています。

参考:中小企業庁「M&A支援機関登録制度実績報告等について」

3. 沖縄県のM&A・事業承継の案件一覧

ここでは、沖縄県近郊のM&A・事業承継の案件一覧の中から、最近の事例をピックアップして掲載します。

沖縄土産製造および洋菓子店の運営を行う企業

県内で複数店舗を運営している会社です。沖縄特産品を使用した商品ラインナップを展開しています。

現在工場の稼働率は15%程度であり大幅な増産が可能です。譲受企業に合わせた新商品の開発と製造が可能な設備ラインナップを持っています。現代表者は継続勤務希望のため譲受後も自走可能です。
 

売上高 5000万円〜1億円
営業利益 〜1000万円
総資産額 〜1000万円
譲渡希望額 1000万円〜5000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【沖縄】沖縄土産製造および洋菓子店の運営を行う企業(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

【沖縄本島】公共土木工事・管工事

沖縄県内の複数自治体において入札権利を持ち、毎期受注は安定しています。実質無借金で財務良好です。進行期は大幅増収増益を見込んでいます。
 

売上高 1億円〜2.5億円
営業利益 1000万円〜5000万円
総資産額 5000万円〜1億円
譲渡希望額 1億7,000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【沖縄本島】公共土木工事・管工事(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【財務良好/資格保有者多数在籍】沖縄県の建築工事業

沖縄県を中心に建築工事から団地の修繕工事まで手掛ける総合建築業です。公営住宅や施設の案件が多く安定した取引先基盤を持っています。1級建築施工管理技士や2級建築施工管理技士等、多数の資格保有者が在籍しています。
 

売上高 2.5億円〜5億円
営業利益 1000万円〜5000万円
総資産額 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【財務良好/資格保有者多数在籍】沖縄県の建築工事業(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

【沖縄県×一級建築士事務所】県内を代表する建築実績多数

創業50年以上の業歴を誇る一級建築士事務所です。県内を代表する、シンボリックな建築物を多数手がけており、受賞歴も多数です。

有資格者(1級・2級建築士等)が多数在籍しており、経験豊富な従業員が在籍しています。官民割合=8:2ですが、営業人員が不足しており、民間企業への開拓余地があります。
 

売上高 1000万円〜5000万円
営業利益 赤字経営
総資産額 1000万円〜5000万円
譲渡希望額 1000万円〜5000万円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【沖縄県×一級建築士事務所】県内を代表する建築実績多数(住宅・不動産・建設) | M&A総合研究所

他にもM&A総合研究所で取り扱っている案件について詳しく知りたい方は以下の「M&A・事業承継案件一覧」のページよりご確認ください。

【関連】M&A・事業承継案件一覧 | M&A総合研究所

4. 沖縄県のM&A・会社売却・事業承継の事例

沖縄県のM&A・会社売却・事業承継の事例を紹介します。

コロンビア・ワークスによるACS社のM&A・事業承継

コロンビア・ワークスは、2025年1月21日、沖縄県那覇市に本社を置くACSホールディングス(ACS社)の株式を取得し、子会社化することを決定しました。

さらに、ACS社の完全子会社であるサンクス沖縄も、コロンビア・ワークスの孫会社となります。

コロンビア・ワークスグループは、不動産開発を主軸とし、賃貸マンション「Blancé(ブランセ)」「LUMIEC(ルミーク)」やオフィス「BIASTA(ビアスタ)」のブランドで事業を展開しています。

ACS社は、サンクス沖縄を傘下に持つ持株会社で、サンクス沖縄はマンションブランド「アレイール」や新築戸建て「オリハナシリーズ」の開発・分譲を行い、外国人向け賃貸や不動産仲介事業も手掛けています。

本M&Aを通じて、コロンビア・ワークスは沖縄県における事業拡大を目指します。

株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ

サンフロンティアホテルマネジメントによるオリエンタルリゾートアソシエイツのM&A・事業承継

2024年7月、サンフロンティアホテルマネジメントはオリエンタルリゾートアソシエイツの発行済株式を取得しました。譲

サンフロンティア不動産グループは、都心オフィスビル事業を中心に、ホテル事業、海外事業を行っています。ホテル事業では全国に26軒、3,190室を運営しています。対象会社のオリエンタルリゾートアソシエイツは「オリエンタルヒルズ沖縄」を運営しています。

今回のM&Aにより、全国各地へのホテル・観光事業拡大を目指します。

株式会社オリエンタルリゾートアソシエイツ【オリエンタルヒルズ沖縄】の 株式譲受に関するお知らせ

YKK APによる金秀アルミ工業のM&A・事業承継

2024年5月、YKK APは金秀アルミ工業の全ての株式を取得しました。

YKK APは、サッシなどの住宅用品のアルミ建材メーカーです。対象会社の金秀アルミ工業は、アルミサッシ製造販売を行うアルミサッシメーカーです。

今回のM&Aにより、沖縄県内だけでなくアジア地域への安定供給を目指します。

沖縄のアルミサッシメーカー「金秀アルミ工業」の全株式を取得

5. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継案件を探す3つの手段

沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継案件を探す手段には、主に以下の3つがあります。

  1. 地元の金融機関などに相談する
  2. M&Aマッチングサイトを活用する
  3. M&A仲介会社・専門家に相談する

①地元の金融機関などに相談する

M&A仲介会社や専門家以外の手段としては、地方銀行や信用金庫など地元の金融機関に相談する方法も選択肢です。地元の金融機関は、沖縄県事業承継ネットワークの構成機関でもあります。

【関連】M&Aにおける銀行の役割とは?融資やアドバイザリーの特徴・成功のコツ・利益相反の注意点を解説

②M&Aマッチングサイトを活用する

自力で案件を探したい場合は、M&Aマッチングサイトを活用すると良いでしょう。

Batonz(バトンズ)

Batonzは、仲介会社大手の日本M&Aセンターの関連会社が運営するマッチングサイトです。案件数が多く、小規模な店舗や個人事業の譲渡案件も豊富にそろっています。

TRANBI(トランビ)

TRANBIは、近年急激にユーザー数を伸ばしている注目のM&Aマッチングサイトです。多くの金融機関と提携している点に強みがあり、幅広いネットワークから最適な案件を探せます。

③M&A仲介会社・専門家に相談する

M&A仲介会社や会計士・税理士などの専門家に相談する方法は、M&A・会社売却・事業売却・事業承継案件を探す手段として最もオーソドックスです。

【関連】M&Aの相談先9種類!メリットデメリットや選び方と相談時の注意点も解説!

6. 沖縄県でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント

沖縄県でM&Aをする際に仲介会社を選ぶときは、以下のポイントを押さえましょう。

  1. 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 案件規模・地元M&A実績などがある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている

M&Aでは、M&Aに関する専門知識はもちろんですが、売買する会社の業界に関する知見も必要です。仲介会社を選ぶときは、自社の業界の専門的知識を有しているか、同業種の会社のM&Aを手掛けた実績があるかをチェックしましょう。

②案件規模・地元M&A実績などがある

大企業・中堅企業を取り扱う金融機関では、零細企業のM&A相談を持ちかけても、受け付けてもらえない可能性があります。沖縄県での実績が少ない仲介会社の場合、最適な売買相手を見つけられないかもしれません。

M&A仲介会社を選ぶときは、自社と同規模程度の案件や地元地域でのM&A実績をチェックしましょう。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

M&Aには、財務や法律の知識に加えて、売買する会社の業界動向など、幅広い知識と経験が必要です。例えば、会計士・弁護士・M&Aアドバイザーなど、各分野の専門家がそろっている仲介会社を選べば、幅広い知識と経験に基づいたサポートを受けられます。

④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

M&A仲介会社の手数料・相談料・報酬体系は各会社で異なるため、初めて相談する経営者には不明点が多いです。

M&A仲介会社を選ぶときは、完全成功報酬制のようなわかりやすい報酬体系を採用している機関を選びましょう。報酬が明確化されていれば、将来的に予想外の費用を請求されてトラブルに発展する事態を避けられます。

⑤担当スタッフの対応・相性

M&A・事業承継では、これまで育てた大切な会社を売買するため、経営者の思いに寄り添ってくれるスタッフも大切な要素です。

スタッフによっては電話やメール、手続きなどの対応も異なります。担当するスタッフとの相性が合わないと感じる場合は、担当者を変えてもらうか、別の仲介会社を利用することも検討しましょう。

7. 沖縄県のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的支援

沖縄県で公的に実施されている事業承継支援の具体的内容を紹介します。沖縄県の公的な事業承継支援の代表例は以下の3つです。

  1. 沖縄県事業承継ネットワーク
  2. 沖縄県事業承継・引継ぎ支援センター
  3. 沖縄県後継者人材バンク

①沖縄県事業承継ネットワーク

沖縄県事業承継ネットワークとは、国(中小企業庁)が進める「事業承継ネットワーク構築事業」の沖縄県における具体施策として、沖縄県庁が主体となり構築した、沖縄県内中小企業の事業承継支援を官民の各組織が連携して行う仕組みです。

沖縄県事業承継ネットワークの場合、運営事務局を那覇商工会議所内に設置し、関連する公的機関・商工会議所・商工会・金融機関・士業専門家団体などが構成メンバーとなっています。

中小企業経営者は、沖縄県事業承継ネットワークの構成機関のいずれにも無料相談を行えます。相談内容は秘密厳守のうえ、沖縄県事業承継ネットワーク内で共有されるため、最も適した構成機関が経営者の相談・支援に対応する仕組みです。

②沖縄県事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁の具体的な事業承継支援策の一環であり、各都道府県に委託事業として設置されている公的機関です。事業承継ネットワークを円滑に運営するための中心的役割を担う組織と捉えられます。

沖縄県の事業承継・引継ぎ支援センターは那覇商工会議所内に設置され、沖縄県の中小企業経営者が事業承継問題を解決するための公的な相談窓口として運営されています。

具体的な支援内容は、後継者難で廃業危機にある中小企業経営者に対して、外部の後継者候補者の紹介、M&A・事業売却・会社売却による事業承継の提案・あっせんなどです。

③沖縄県後継者人材バンク

後継者人材バンクは、各都道府県における事業承継・引継ぎ支援センターの実施する事業承継支援メニューにおける中心的施策の1つです。

後継者人材バンクでは、沖縄県内で独立・開業を目指す起業志望者の中で、事業承継により経営者になることを希望する人材を募集しています。

後継者難で事業承継に困っている中小企業経営者から事業承継・引継ぎ支援センターに相談があった際、希望内容が合致する登録者がいれば、後継者候補として仲介・紹介して双方を引き合わせるのです。

その後、両者が合意し話が進む場合は、事業承継プロセスの具体的なサポートも行います。

後継者人材バンクについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】後継者人材バンクとは?使い方・手順やメリット・課題を詳しく解説

8. 沖縄県のM&A・会社売却・事業売却・事業承継のまとめ

本記事では、沖縄県におけるM&A・会社売却・事業売却・事業承継に活用できる事業承継ネットワークや事業承継・引継ぎ支援センターに関して紹介しました。

沖縄県は産業構造が他の都道府県に比べて特殊であるため、地域の動向を正しく理解した専門家のもとで、M&A・事業承継を行うことが重要です。相談から成約まで一貫したサポートを望む場合は、仲介会社に依頼すると良いでしょう。

9. 沖縄県の成約事例一覧

10. 沖縄県のM&A案件一覧

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