2023年12月06日更新
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A・事業承継事例20選!メリット・成功ポイント・注意点も解説
本記事では、フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例を20件紹介します。また、フランチャイズ加盟店のM&Aにおける成功ポイントや、フランチャイズ加盟店のM&Aで注意すべきポイントについても併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. フランチャイズ加盟店(FC)のM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例を紹介する前に、フランチャイズ加盟店の定義やM&Aについて見ていきましょう。
フランチャイズ加盟店(FC)とは
フランチャイズ加盟店(FC)とは、フランチャイズ運営会社(フランチャイザー)とブランド名や商品、サービス、ノウハウなどの利用契約を結び、その対価として手数料を支払う事業者をさします。
フランチャイズ加盟店は、フランチャイザーのブランド力を活用して事業ができるメリットがありますが、フランチャイザーとのさまざまな契約により、裁量権が制限されている点がデメリットです。
M&Aとは
M&Aとは、事業の合併・買収・売却手法の総称です。M&Aは事業の拡大や継続、売却益の獲得などさまざまな目的で行われます。
近年は後継者不在や経営者の高齢化によって、中小企業のM&Aが増加し、フランチャイズ加盟店(FC)もオーナー経営者の高齢化が進んでいるため、M&Aによる事業承継需要が高まっている状況です。
事業承継とは
事業承継とは、経営者が会社、事業、資産などのすべてを後継者に引き継ぐことをいいます。事業を引き継ぐときは、後継者不足などいろいろな問題があるケースも考えられ、フランチャイズ加盟店(FC)の経営者も事業承継に悩むことが多いです。
近年は、ファミリーマートやセブンイレブンなど大手コンビニチェーンが、引退モデルとしてフランチャイズ加盟店における経営者の事業承継を後押しする動きもあります。フランチャイズ加盟店の店舗・事業の事業承継は、今後盛んになるといえるでしょう。
2. フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aを行う理由
フランチャイズ加盟店(FC)の経営者がM&Aを行う理由を見ていきましょう。主な理由は下記のとおりです。
- 高齢化のため経営するのが困難
- 親族・身近な知人に適切な後継者がいない
- 廃業すると従業員の雇用を維持できない
- 経営悪化による負債を事業売却資金で補填
- 他の事業へ注力
- FC本部と折り合いがつかない など
特権を与えられた立場の加盟店ですが、FC本部の承諾を得れば事業承継は可能です。ただし、加盟店・本部・事業承継先の間で下記 の思惑が交錯するため、慎重な協議が欠かせません。
- フラ ンチャイズ加盟店(売却側):高利益を獲得したい、他の加盟店に情報を漏えいしたくない
- 事業承継先(買収側):洗練したビジネスモデル・ノウハウを獲得したい
- 本部(許可する側):売上低下・ノウハウの流出を 懸念、他の信頼できる経営者を紹介したい
本部に無断でM&Aを実施すると、契約違反で訴訟に発展したり高額な違約金を請求されたりすることもあります。「事業承継は禁止」と契約書に載っているケースもあるので、注意しましょう。
3. フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aを行うメリット
この章では、フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aを行うメリットについて見ていきましょう。
売却側のメリット
まずは、売却側のメリットです。フランチャイズ加盟店(FC)の経営者における主なメリットは下記のとおりです。
- 譲渡益を他の事業開業や運営資金、リタイア時の退職金に充当できる
- 経営や本部とのプレッシャーから解放される
- 従業員の雇用・取引先の商売関係が維持できる
- 債務も引き継げる場合がある
譲渡すると、経営者はFC本部から得た商標・商品などを使えませんが、経営をとおして獲得したノウハウ、人脈、技術などの無形資産は残ります。そのため、新事業立ち上げや他会社への就職時に大きな強みとなるでしょう。
また、昨今の外食産業やコンビニ文化の浸透における点から、廃業よりもM&Aによる第三次産業の維持のほうが、メリットがあるといえます。
買収側のメリット
次に、買収側のメリットを見ていきましょう。フランチャイズ加盟店(FC)の店舗・事業を買収する主なメリットは下記のとおりです。
- シナジー効果による売上向上・開発力アップの期待
- ビジネスモデルを引き継ぐため開業の手間・費用の削減
- 知名度・集客力・商品力の利用
- 従業員育成・ノウハウ蓄積における労力の減少
- 既存エリアにおける固定客からの売上が見込める
既存事業と買収事業の融合による変化、店舗・事業が有する成長の可能性などから生じるビジネスの拡大にもつながるでしょう。
4. フランチャイズ加盟店(FC)のM&A・事業承継事例20選
ここからは、フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例を紹介します。日本では中小規模のM&A事例が公表されにくいため、ここで紹介する事例の多くはフランチャイズ運営会社(フランチャイザー)によるM&A事例です。
- きちりHDによるインドネシアフランチャイズ加盟店(FC)のM&A
- 海帆による治郎丸の事業譲渡
- アジア開発キャピタルによるエンパワーの中古ブランド品買取事業のM&A
- 明光ネットワークジャパンによるケイ・エム・ジーコーポレーションのM&A
- アルテサロンHDによる子会社の株式譲渡
- ギガプライズによるソフト・ボランチのM&A
- 明光ネットワークジャパンによるケイラインのM&A
- トリドールHDによるアクティブソースのM&A
- アクトコールによるIKEZOEのM&A
- シェアリングテクノロジーによるIdealinkのM&A
- アークランドサービスHDによるバックパッカーズのM&A
- 元気寿司によるシンガポール子会社の株式譲渡
- キリン堂HDによるメディスンショップ・ジャパンのM&A
- オートバックスセブンによるタクボの事業譲受
- オートバックスセブンによる北日本オート用品への事業譲渡
- ホットランドによるタコプランニングへの事業譲渡
- ジーンズメイトによるサンマリノの事業譲渡
- 小僧寿しによる阪神茶月とスパイシークリエイトのM&A
- ケイアイスター不動産によるよかタウンのM&A
- アスラポート・ダイニングによるDSKグループのM&A
①きちりHDによるインドネシアフランチャイズ加盟店(FC)のM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例1件目は、きちりホールディングスによるインドネシアフランチャイズ加盟店のM&Aです。
飲食事業などを行うきちりHDは、2019年5月にインドネシアのフランチャイズ加盟店であるPT Kichiri Rizki Abadiを、譲渡価額約3,900万円の株式譲渡により子会社化しました。
これによりきちりHDは、東南アジアでの飲食店事業を促進しています。
②海帆による治郎丸の事業譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例2件目は、海帆による治郎丸の事業譲渡です。
多業態の飲食店を展開する海帆は、2019年5月に飲食店事業を営む弥七から立ち食い焼肉「治郎丸」の店舗とフランチャイズ事業を、譲渡価額約6,000万円の事業譲渡により取得しました。
これにより海帆は新たな業態を獲得し、事業範囲を拡大しています。
③アジア開発キャピタルによるエンパワーの中古ブランド品買取事業のM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例3件目は、アジア開発キャピタルによるエンパワーの中古ブランド品買取事業のM&Aです。
投資会社のアジア開発キャピタルは、2019年3月にエンパワーが会社分割により新設した中古ブランド品買取会社を買収しました。
これによりアジア開発キャピタルは、既存子会社の買取事業とともに店舗網を拡大しています。
④明光ネットワークジャパンによるケイ・エム・ジーコーポレーションのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例4件目は、明光ネットワークジャパンによるケイ・エム・ジーコーポレーションのM&Aです。
個別指導塾の明光義塾をフランチャイズ展開する明光ネットワークジャパンは、2018年12月に明光義塾のフランチャイズ加盟店であるケイ・エム・ジーコーポレーションを株式譲渡により子会社化しました。
これにより明光ネットワークジャパンは、近畿エリアにおける事業強化を図っています。
⑤アルテサロンHDによる子会社の株式譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例5件目は、アルテサロンホールディングスによる子会社の株式譲渡です。
美容室チェーンを展開するアルテサロンHDは、2018年9月にフランス発美容室の日本フランチャイズ加盟店である子会社シーエフジェイの株式を売却しました。
アルテサロンは、2015年にブランド力の向上を図ってシーエフジェイを買収したものの、想定していたシナジー効果が得られなかったため売却に至っています。
⑥ギガプライズによるソフト・ボランチのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例6件目は、ギガプライズによるソフト・ボランチのM&Aです。
不動産業界専門のITインフラサービスやイオンハウジングのフランチャイズ加盟店運営を行うギガプライズは、2018年5月に不動産業界向けシステム開発を行うソフト・ボランチを、株式譲渡により連結子会社化しました。
これにより、両社のシステム開発力を統合することでシナジー効果を見込んでいます。
⑦明光ネットワークジャパンによるケイラインのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例7件目は、明光ネットワークジャパンによるケイラインのM&Aです。
明光ネットワークジャパンは、2018年4月に明光義塾のフランチャイズ加盟店であるケイラインを、譲渡価額約6億円の株式譲渡により子会社化しました。
これにより明光ネットワークジャパンは、競争が激化する都市部での個別指導塾事業を強化しています。
⑧トリドールHDによるアクティブソースのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例8件目は、トリドールホールディングスによるアクティブソースのM&Aです。
丸亀製麺などの外食チェーンを展開するトリドールHDは、2017年12月に格安の立ち食い居酒屋「晩杯屋」を展開するアクティブソースを株式譲渡により取得しました。
人材や資金など経営資源の確保に苦しんでいたアクティブソースはトリドールHDと組むことで、短期間での全国展開を図っています。
⑨アクトコールによるIKEZOEのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例9件目は、アクトコールによるIKEZOEのM&Aです。
住宅・不動産関連事業を行うアクトコールは、2017年11月に米国の不動産フランチャイズ大手であるRE/MAXの日本代理店IKEZOEを、株式譲渡と第三者割当増資により子会社化しました。
アクトコールはRE/MAXのブランド力を手に入れることで、住宅・不動産関連事業との相乗効果を得ています。
⑩シェアリングテクノロジーによるIdealinkのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例10件目は、シェアリングテクノロジーによるIdealinkのM&Aです。
メディアサイト運営などのWEB事業を行うシェアリングテクノロジーは、2017年11月にフランチャイズ加盟店のマッチングサイトを運営するIdealinkを、株式譲渡により取得しました。
これによりシェアリングテクノロジーは、親和性の高い自社運営サイトとのシナジー効果を見込んでいます。
⑪アークランドサービスHDによるバックパッカーズのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例11件目は、アークランドサービスホールディングスによるバックパッカーズのM&Aです。
とんかつ・かつ丼専門店をフランチャイズ展開するアークランドサービスHDは、2017年7月にカレー店などの飲食店フランチャイズ展開を行うバックパッカーズを、株式譲渡により取得しました。なお、譲渡価格は公開していません。
これによりアークランドサービスHDは、両社のフランチャイズノウハウを共有し、相乗効果を見込んでいます。
⑫元気寿司によるシンガポール子会社の株式譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例12件目は、元気寿司によるシンガポール子会社の株式譲渡です。
元気寿司は、2017年7月にシンガポールで元気寿司を展開する連結子会社のGenki Sushi Singapore Pte.Ltd.を、香港の元気寿司フランチャイズ加盟店(FC)企業へ株式譲渡により売却しました。
これにより元気寿司は、アジアでの事業展開を促進しています。なお、売却価額は公開していません。
⑬キリン堂HDによるメディスンショップ・ジャパンのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例13件目は、キリン堂ホールディングスによるメディスンショップ・ジャパンのM&Aです。
ドラッグストアをチェーン展開するキリン堂HDは、2017年5月に米国の調剤薬局 「メディスンショップ」における日本フランチャイズ加盟店のメディスンショップ・ジャパンを、子会社をつうじて譲渡価額約1億円の株式譲渡により子会社化しました。
これにより、キリン堂HDは大きく変化する調剤薬局業界でフランチャイズを強化し、特に関西圏でのトップシェア獲得を目標としています。
⑭オートバックスセブンによるタクボの事業譲受
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例14件目は、オートバックスセブンによるタクボの事業譲受です。
カー用品店をチェーン展開するオートバックスセブンは、2017年1月に子会社のオートバックス福岡をとおして、フランチャイズ加盟店のタクボから佐賀県内の2店舗を事業譲渡により取得しました。
これによりオートバックスセブンは、佐賀県での事業展開を強化しています。なお、譲渡価額は非公表です。
⑮オートバックスセブンによる北日本オート用品への事業譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例15件目は、オートバックスセブンによる北日本オート用品への事業譲渡です。
オートバックスセブンは、2017年1月に連結子会社のオートバックス北海道を、フランチャイズ加盟店の北日本オート用品へ株式譲渡により売却しました。
これによりオートバックスセブンは、北海道での事業展開を見直し、最適化を図っています。なお、売却価額は公開していません。
⑯ホットランドによるタコプランニングへの事業譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例16件目は、ホットランドによるタコプランニングへの事業譲渡です。
築地銀だこなどの飲食チェーンを展開するホットランドは、2016年11月に焼き鳥事業を会社分割し、築地銀だこのフランチャイズ加盟店であるタコプランニングへ売却しました。
これによりホットランドは、事業をスリム化して経営資源の集中を図っています。
⑰ジーンズメイトによるサンマリノの事業譲渡
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例17件目は、ジーンズメイトによるサンマリノの事業譲渡です。
ジーンズ中心の衣料品店を展開するジーンズメイトは、2016年8月にサンマリノの持つブランドを事業譲渡により取得し、日本での独占フランチャイズ権も取得しました。
これによりジーンズメイトは、事業規模の拡大とブランド力の向上を果たしています。
⑱小僧寿しによる阪神茶月とスパイシークリエイトのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例18件目は、小僧寿しによる阪神茶月とスパイシークリエイトのM&Aです。
小僧寿しは、2016年5月に持ち帰り寿司店の阪神茶月と多業態の飲食店を展開するスパイシークリエイトを、第三者割当増資の引き受けにより連結子会社化しました。
小僧寿しは両社のブランド力を高めることで、フランチャイズ事業への相乗効果を図っています。
⑲ケイアイスター不動産によるよかタウンのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例19件目は、ケイアイスター不動産による、よかタウンのM&Aです。
ケイアイスター不動産は、2016年4月にケイアイスター不動産が手掛ける注文住宅「はなまるハウス」のフランチャイズ加盟店であるよかタウンを、約4億7,000万円の株式譲渡により連結子会社化しました。
これによりケイアイスター不動産は、コスト削減や事業規模拡大を図っています。
⑳アスラポート・ダイニングによるDSKグループのM&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例20件目は、アスラポート・ダイニングによるDSKグループのM&Aです。
飲食フランチャイズ事業を行うアスラポート・ダイニングは、2016年3月に親会社のHSIグローバルから、どさん子などの飲食店をフランチャイズ展開するDSKグループを取得価額約7億3,000万円の株式譲渡により連結子会社化しました。
これにより両社は、お互いの経営リソースを活用してコスト削減や事業の拡大を行っています。
5. フランチャイズ加盟店(FC)のM&A案件一覧
本章では、フランチャイズ加盟店(FC)のM&A案件例として、キオスク型店舗ビジネスの飲食フランチャイザーをご紹介します。全国に約20店舗展開するクレープ販売する企業です。
大手商業施設との繋がりが強く、競合優位性があります。クレープ売上が全体の約90 %を占めており、トレンドに左右されない経営です。コロナ禍でも実質黒字経営を維持しています。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
営業利益 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望価格 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望理由 | 後継者不足(事業承継) |
6. フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aの成功ポイント
フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aを成功させるには、以下のポイントを押さえて行うことが大切です。
- 店舗単位で利益が出ている
- 本部の経営が怪しい
- より安定している大手チェーンへのM&A
- 地域で有利性を持っている
- M&Aの専門家に相談する
①店舗単位で利益が出ている
フランチャイズ加盟店(FC)を複数経営していると、会社としては利益が出ていても店舗単位で見た場合に利益が出ていないケースがあります。
この場合、買収側は特に事業譲渡で店舗ごとの利益を見ることが欠かせません。また、売り手側が買い手側に買収メリットを感じてもらうには、「強み・アピールポイントを理解する」「譲れないポイントを押さえる」の2点が重要です。
強み・アピールポイントを理解する
フランチャイズ加盟店(FC)はフランチャイザーの運営方式で店舗経営を行うので、多店舗との差別化要因は限られます。
しかし、地域性を生かした運営や従業員・アルバイトの教育など、強み・アピールポイントを持つとM&Aで有利です。
譲れないポイントを押さえる
早くM&Aを終わらせたいために、成約条件をよく精査せずに契約を進めるケースがあります。
しかし、M&A後の店舗や従業員のことを考えて譲れないポイントを明確にすることで、公平な交渉を行えるのです。
②本部の経営が怪しい
フランチャイズ加盟店(FC)運営側と店舗側の関係がうまくいっていないケースは少なくありません。店舗側に無理な営業を強いていないかなど、M&Aの際は数字だけでなく現場の状況もよく確認する必要があります。
③より安定している大手チェーンへのM&A
近年のフランチャイズ加盟店(FC)運営は、人件費の高騰や競争の激化により余裕のない会社が増えています。より経営資源の豊富な大手チェーンとM&Aを行えば、経営体質の改善が可能です。
④地域で有利性を持っている
フランチャイズ加盟店(FC)における多くの業態は、商圏があまり広くないケースが多いため、地域の優位性を確保することが重要です。商圏内で他社との差別化ができている場合は、M&Aも有利に進めやすくなります。
⑤M&Aの専門家に相談する
M&Aを成功させるには、幅広い知識と豊富な経験が求められます。十分な実績を持つM&Aの専門家に相談すれば、M&Aの成功率が上がるでしょう。
M&A総合研究所では、M&Aの知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)
無料相談をお受けしていますので、フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
7. フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aの注意点
フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aは、以下の点に注意が必要です。
- 株主変更によるFC加盟契約
- 株主変更による賃貸契約
- M&A・事業継続・事業承継など最善の策か検討
①株主変更によるFC加盟契約
フランチャイザーの中には、フランチャイズ加盟店(FC)がM&Aを行うことを想定して契約書を作成していないケースやM&Aを禁止しているケースがあります。
フランチャイザー側がフランチャイズ加盟店のM&Aに慣れていない場合は、フランチャイザー側と事前によく話し合う必要があるでしょう。
M&Aの実施に関しては、フランチャイザー側からの承認が不可欠です。最近は、事業継続が難しいフランチャイズ加盟店に対し、フランチャイザー側が承継先となる相手を紹介するケースも増えています。
また、保証金はFC契約が終わると返されますが、契約内容に反するM&Aを行うと額が減ったり返されなかったりすることもあります。
M&Aの専門家に相談して交渉することも1つの方法です。フランチャイザーから承認を受ける必要があるフランチャイズ加盟店(FC)で、早期に成功率の高いM&Aを実施したい場合は、フランチャイザーとの話し合いで進める方法もあります。
②株主変更による賃貸契約
建物や土地の契約をフランチャイズ加盟店(FC)側で行っている場合、M&Aによって契約者が変わる可能性があります。
場合によっては、建物や土地の契約変更が原因でM&A自体が実行できないことも考えられるのです。M&Aにより建物や土地の契約をどのようにするか、フランチャイザーやM&Aの専門家にしっかり相談しましょう。
また、商標などの契約関係にも注意してください。競合他社への転職や競合となる会社の立ち上げなど、競業行為を禁止する競業避止義務にも気を付けましょう。
③M&A・事業継続・事業承継などが最善の策か検討
M&Aの専門家によっては、M&Aありきで話を進めるケースもあります。しかし、そもそもM&Aが最善の策かどうかも含めて戦略を立てることが重要です。
M&A専門家へ相談する際は、あらゆる可能性を検討してくれる専門家に依頼し、フランチャイザーとの交渉では柔軟な態度で話し合いを行いましょう。
8. フランチャイズ(FC)加盟とM&Aの比較
この章では、フランチャイズ(FC)加盟とM&Aを比較するので、共通点や違いについて知りましょう。
フランチャイズ加盟とM&Aの共通点
フランチャイズ加盟とM&Aの共通点は、主に下記のとおりです。
- 人材・技術・ノウハウ・仕入先・顧客など経営資源の獲得
- 事業規模拡大・多角化が迅速に行える
- 環境・時代の変化に対応した事業経営が可能となる
フランチャイズ加盟とM&Aは、同じ効果をもたらすビジネスモデルに見えます。
しかし、中小企業における新規事業の進出や開業希望者は、フランチャイズ加盟を選ぶのが一般的でしょう。その理由として、M&Aの知識不足によりM&Aをうまく活用していないことが挙げられます。
FC加盟のメリット・デメリット
FC加盟といえば、コンビニエンスストアが良く知られています。既にあるコンビニFCに加盟し、ブランド、ノウハウ、顧客、仕入先などを生かして事業を展開するとリスクや費用を抑えられ、FCの経営資源を用いて安定した事業を展開できるビジネスモデルです。
大資本によるCMなどにより慣れ親しんだ事業を行える安心感もあり、FC加盟は新規事業の進出や開業を望む人に選ばれています。
ただし、FC加盟の本部による経営方針やルールに沿って事業を展開しなければなりません。コンビニエンスストアにおけるFCの例では、本部指定の店舗イメージ、取扱商品、サービスなどに従う必要があるのです。
また、すでにFCのビジネスモデルはできあがっているので、FCに加盟しながら新規ビジネスを行うのは困難でしょう。
FC加盟が向いているケース
コンビニ、飲食店、学習塾、ハウスクリーニングなど、FCにはいろいろな業種があります。100万円以下の元手からでも始めることが可能です。
FC加盟は、手元の資金が少なくても低いリスクでビジネスが始められるので、資金は少ないがすぐに独立したい人に、FC加盟が向いているケースといえます。
M&Aのメリット・デメリット
FC加盟と比較すると、M&Aの主なメリットは、経営の自由度が高いこと、シナジー効果に期待できること、事業が立ち上がるまでの時間を買えることが挙げられます。
M&AはFC加盟のような制約や条件がなく、引き継いだ企業や事業の経営資源を活用でき、既存事業と新規事業のシナジー効果も期待できるでしょう。
ただし、会社・事業を買う多額の費用が要ること、株式譲渡の場合は譲渡企業の簿外債務や偶発債務を引き継ぐ可能性があることが、FC加盟にはないM&Aのデメリットといえます。
また、M&Aの普及率はFC加盟よりも低く、事業を始めたい多くの人がM&Aに対してわからないことや不安があります。しかし、M&Aをうまく活用すれば、ゼロから起業するよりもリスクや費用を抑えることが可能です。
M&Aが向いているケース
現在、中小企業における事業者の高齢化により、後継者不在の会社は多いです。そのため、事業承継の観点からも、M&Aは歓迎される傾向があります。各地自治体などでも、M&Aを進める動きが活発化している状況です。
M&AはFC加盟よりも参入できる事業の幅が広く新しい可能性も潜んでいるので、自由度が高い事業経営を希望する人に向いている選択肢といえます。
9. フランチャイズ加盟店(FC)のM&A・事業承継まとめ
本記事では、フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例を紹介しました。また、フランチャイズ加盟店のM&Aにおける成功ポイントや注意点も解説しています。
【フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例】
- きちりHDによるインドネシアフランチャイズ加盟店(FC)のM&A
- 海帆による治郎丸の事業譲渡
- アジア開発キャピタルによるエンパワーの中古ブランド品買取事業のM&A
- 明光ネットワークジャパンによるケイ・エム・ジーコーポレーションのM&A
- アルテサロンHDによる子会社の株式譲渡
- ギガプライズによるソフト・ボランチのM&A
- 明光ネットワークジャパンによるケイラインのM&A
- トリドールHDによるアクティブソースのM&A
- アクトコールによるIKEZOEのM&A
- シェアリングテクノロジーによるIdealinkのM&A
- アークランドサービスHDによるバックパッカーズのM&A
- 元気寿司によるシンガポール子会社の株式譲渡
- キリン堂HDによるメディスンショップ・ジャパンのM&A
- オートバックスセブンによるタクボの事業譲受
- オートバックスセブンによる北日本オート用品への事業譲渡
- ホットランドによるタコプランニングへの事業譲渡
- ジーンズメイトによるサンマリノの事業譲渡
- 小僧寿しによる阪神茶月とスパイシークリエイトのM&A
- ケイアイスター不動産によるよかタウンのM&A
- アスラポート・ダイニングによるDSKグループのM&A
【フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aを成功させるポイント】
- 店舗単位で利益が出ている
- 本部の経営が怪しい
- より安定している大手チェーンへのM&A
- 地域で有利性を持っている
- M&Aの専門家に相談する
フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aでは、フランチャイザーがM&Aに不慣れなケースもあるので、実績が豊富なM&Aの専門家に相談することも大切です。
10. FC(フランチャイズ加盟店)業界の成約事例一覧
11. FC(フランチャイズ加盟店)業界のM&A案件一覧
【エリア特化/業歴約60年/数十店舗運営】EBITDA2億円超のクリーニング業
専門サービス/その他/非公開案件ID:2104公開日:2024年07月31日売上高
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営業利益
1億円〜2.5億円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
対象法人は、衣類クリーニング・コインランドリー業を運営する企業でございます。 エリアに特化しており、知名度も非常に高く、アクティブ会員数は12万人を超える支持がございます。 サービス品質、出...
【海外 / FC本部】宅配ピザのFC本部運営
食品卸・小売/飲食店/海外案件ID:1440公開日:2023年12月06日売上高
50億円〜100億円
営業利益
10億円〜25億円
譲渡希望価格
希望なし
宅配ピザのFC本部運営
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