マンション管理会社のM&A・買収・売買の完全マニュアル【相場/成功事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

マンション管理会社は年間3%で緩やかに拡大しており、マンションの売却や賃貸をするマンション管理会社も増えています。またM&Aにて会社そのものを売却・買収する事例もあります。今回はそんなマンション管理会社のM&A・買収・売却についてまとめます。


目次

  1. マンション管理会社業界
  2. マンション管理会社のM&A
  3. マンション管理会社がM&Aするメリット
  4. マンション管理会社M&Aの流れ
  5. マンション管理会社のM&Aのポイント
  6. マンション管理会社のM&Aの成功事例
  7. マンション管理会社のM&Aまとめ
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1. マンション管理会社業界

マンション管理会社とは

マンション管理会社には、様々な業態があり、取り扱っている物件の種類も異なります。

ここではマンション管理会社の動向や業界についてまとめます。

マンション管理会社とは

ここではマンション管理会社の概要と詳細についてまとめていきます。

マンション管理会社は物件の種類や企業形態の種類など、一概に業界でいうとマンション管理会社などと言われますが、違いがありますのでその理解を深めていきたいと思います。

物件による種類

マンションの管理会社には取り扱う物件の種類によって分類されます。

まず賃貸のマンション管理会社の例は、建物管理以外の専有部分の管理をしており主に室内の管理で、入居者とオーナーの間に立ってエージェントの役割をするものです。

次に物件管理のマンション管理会社は、区分所有以外の部分を管理することで主に建物の共有部分を管理しています。

この物件管理の費用は、入居者が毎月払う管理費と、修繕積立の2つになり、この2つは経理上一緒に扱うことはできません。

企業形態による種類

マンション管理会社の企業形態による種類は、デベロッパー系と独立系に分類されます。

マンション管理会社では、売主である大手デベロッパーのグループ企業のことを「デベロッパー系」管理会社と言います。

逆にデベロッパーとは全く関係なく、マンションやビルの管理を専門業務とする企業を「独立系」のマンション管理会社と言います。

市場規模

マンション管理会社の市場は右肩上がりの成長を続けてきましたが、新規戸数の増加は限界を迎えつつあると言われています。

そのため、市場規模は縮小されることが2020年には見込まれております。

マンション管理会社業界ではM&Aや売買によりサービス向上や市場規模拡大などという動きも見られています。

業界動向

マンション管理会社の業界動向としては、過去からM&Aは活発的に行われていて、不動産市場の不況に伴い、経営不振に陥ったデベロッパーが参加のマンション管理会社を手放すケースでM&Aが活用されていました。

最近のマンション管理会社業界では、業界の草創期であった創業者たちが高齢になりつつあるので、それに伴い事業承継や売買を行うM&Aが活用されています。

また大手のマンション管理会社からすると新規営業により新たな受託物件を扱うのは難しい現状もあるので、中小のマンション管理会社とM&Aや事業譲渡をしていく流れは増加していくと思います。

2. マンション管理会社のM&A

マンション管理会社のM&Aについて

増加しているマンション管理会社のM&Aですが、手法も様々で事業譲渡や買収、会社分割など、目的によって異なります。

ここではそんなマンション管理会社業界のM&Aの動向や手法を解説していきます。

マンション管理会社のM&A動向

マンション管理会社業界は受託管理戸数5000戸未満の小規模企業が過半数を占めていて、今後は価格やサービス面での競争が激化して、さらにコンプライアンス対応に負担が増すと言われております。

こんな中、中小企業の経営の厳しさを増すことが予想されていて、中小企業などが、M&Aにて売買や事業承継や会社分割を理由に大手の傘下に入ろうとする動きが見られます。

よく使われる手法

マンション管理会社業界のM&Aは、株式譲渡や事業譲渡など売買によるものが多く、会社分割などのM&Aはあまり見受けられ無いです。

この中でも事業譲渡で行うケースで多いとされているのが、売却対象企業に法令的な過失や債務が存在することがある場合が多いです。

譲渡

マンション管理会社業界のM&Aでは、事業譲渡での成功事例も多く一番活用されている方法でもあります。

この事業譲渡とは、企業が保有する事業を一部または全て他の企業に譲渡することです。

M&Aの手法では主に不採算事業の整理など企業再編の時に行われることが多く、爺業譲渡する側の企業は交渉次第では、債務まで事業譲渡で渡すこともできるので大手が中小企業に事業の一部を買収するときは多く使われるM&Aの手法です。

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買収

M&Aによる買収とは、一つの会社の経営権を買い取ることで、マンション管理会社のM&Aでも多く活用されています。

基本的には、株式の取得により経営権を取得ものなので、経営者は変わりますが、子会社化などにより会社自体は存続します。

会社分割

会社分割とは、株式会社が事業に関して有する権利や義務を全部または一部を他の会社に譲渡・承継することです。

この会社分割には「新設分割」と「吸収分割」があり、マンション管理会社業界ではこの会社分割という手法でもM&Aが行われます。

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3. マンション管理会社がM&Aするメリット

マンション管理会社のM&Aによるメリット

マンション管理会社業界はM&Aの増加が見込まれており、現在でも多くのマンション管理会社がM&Aを活用しています。

ここではそんなマンション管理会社のM&Aのメリットをまとめていきたいと思います。

売却・譲渡側のメリット

マンション管理会社を売却・譲渡する側の売買による最大のメリットは、後継者問題が解決できるところだと思います。

マンション管理会社の草創期を走ってきた、中小企業の経営者は現在では、高齢化が進んでいて、マンション管理会社の市場状況も怪しまれているので後継者不足が多発しています

また、マンション管理会社のM&Aのメリットは、有力なグループの傘下で安定的であり、効率的な事業経営もできるというメリットがあります。

買収側のメリット

マンション管理会社の買収側がM&Aにて売買をしてメリットとなるのは、他のマンション管理社から資格所有者など有力な戦力を一括で確保できるところです。

またマンション管理会社のスケールメリットとして戸数が一気に拡大できるところも最大のメリットだといえます。

4. マンション管理会社M&Aの流れ

マンション管理会社のM&Aの流れ

マンション管理会社のM&Aの手法によりプロセスは様々です。

ここでは事業譲渡や株式譲渡などの流れ、買収の流れ、会社分割の流れに分けて解説していきます。

譲渡の流れ

M&Aにて会社を譲渡するときには、株式そのものを譲渡する株式譲渡と業務や事業の一部などを譲渡する事業譲渡があります。

まず基本的な流れとしては、

  1. 事前準備
  2. M&Aアドバイザーの選定・契約
  3. 買い手・売り手へのアプローチ
  4. 経営者同士の面談
  5. 条件交渉
  6. 基本合意書の締結
  7. デューデリジェンスの実施
  8. 最終契約書の締結
  9. 公表や通知・告知
基本的には以上のような流れとなります。

株式譲渡の場合

株式譲渡では、株主総会で保有している株式を他の人に譲渡することの承認をもらうことが必須で、承認が済んだら株式譲渡の契約書を作成・締結、契約書の締結の流れになります。

その後に、株主名簿など各種証明書類の書換を行う流れになります。

業務譲渡の場合

業務譲渡の場合、条件交渉にて定めた譲渡を行う業務の範囲を契約書に記載します。

この契約書は株式譲渡の場合と違い、「事業譲渡契約書」というものになり、そこに記された事業や業務を対象会社に譲渡します。

買収の流れ

マンション管理会社を買収する時のを解説していきます。

ここでは買収側と売却側に分けてまとめていきたいと思います。

売却側

マンション管理会社のM&Aでまず売却側は、売り手候補企業を見つける必要がありますので、M&Aアドバイザーや仲介業者と契約をして相談しながら、売り手候補企業を選定します。

その後ノンネームシートで基本的な企業の情報を提示し、売り手候補企業が納得いけば、詳細の条件交渉に入り、基本合意書の締結などが済めば、経営者同士のトップ面談や最終契約までの日程を決めていきます。

全ての交渉や面談が終わると、クロージングといって、売却金額などが書かれた最終契約書の締結をし売買完了となります。

買収側

買収側も事前準備という点では、売却側と同じでどのような企業を買収したいのか、どのくらいの金額で取引したいのかなどを決めていき、M&Aアドバイザーと共に買収先候補となる企業を定めていきます。

または、売却側からアプローチが来ることもありますのでその情報を元に、M&Aを進めるかどうかを決めて、条件交渉に入ります。

提示された金額や内容に合意したら基本合意書を締結し、デューデリジェンスを行い、対象企業の簿外債務や書類ではわからない会社の状況を調査します。

そのときに、問題がなければ最終的な条件の合意と契約書の締結をして、買収が完了となりますが、買収側はその後のPMIの実施や買収に伴う引き継ぎなどを行わなければならないので予定をしっかりと立てて行うようにしましょう。

会社分割の流れ

会社分割の基本的な流れは

  1. 基本合意
  2. 取締役会承認
  3. 会社分割計画書の作成
  4. 会社分割契約に関する書面などの備え
  5. 債権者保護の手続き
  6. 株主総会の決議
  7. 会社分割実行
  8. 設立や登記情報の変更
以上のような流れとなります。

また会社分割の方法や条件により多少手続きが異なることがあります。

会社分割のメリット

会社分割でのメリットは事業の一部など必要な部分だけを買うため、必要な費用の削減ができ、手続きが容易であるところがメリットだと言えます。

これをマンション管理会社でした場合に例えると、マンション管理業のみを承継できて、費用を抑えられるとともに、管理組合の承認も不要であるので手続きが簡単です。

マンション管理会社などの手続きが難しい業界では、このような会社分割によるM&Aをよく行われます。

5. マンション管理会社のM&Aのポイント

ここでは、マンション管理会社のM&Aの相場や売買のタイミング、管理しているマンションの状況などによるポイントを解説していきます。

このM&Aのポイントを抑えていくことでより成功しやすくなりますので、マンション管理会社のM&Aを検討している方はよく理解するようにしましょう。

相場

まずはM&Aのときに一番気になる金額の部分からです。

最近のマンション管理会社のM&Aの動向と事例を元に単純計算すると1戸数あたり7万〜9万円代が相場と言えます。

この事例には親会社のデベロッパーの経営状況が行き詰まり、譲渡された企業や単独で収益のあげにくいマンション管理会社が事例として多くありました。

タイミング

マンション管理会社の経営者が事業譲渡・売買を検討するタイミングとして多いのが、「管理や委託業務の縮小」「社員の退職」「コンプライアンス違反」などがあげられます。

M&Aでは、売却するのに早すぎるというタイミングはなく、むしろ状況がいいときに売却を考えないと譲渡が難しくなります

なので将来に渡って、従業員や会社を残したいと思う場合は、会社が好調(高く売れる・買い手候補が多い)なときに売買を検討するのがいいとされています。

管理しているマンションの状況と対応

マンション管理会社は、「業者の数が多い」「競争率が激しい」「金額よりもマンションの質重視になっている」この3つのポイントがあります。

これからもマンション管理業界の寡占化は加速していくことが見込まれており、経営の効率化や長期的な成長のためにM&Aの活用が必須であり、業務提携や売買による事業譲渡・株式譲渡などの対応が一つの手段とも言えます。

選択する手法

マンション管理会社のM&Aを検討したとき、スキームや手法を選ぶのは大変重要なことです。

例として、マンション管理適正化法違反がある会社であれば、株式譲渡ではなく、事業譲渡という選択しかできなくなる場合もあります。

逆にマンション管理組合との、重要事項説明会で承認を取ることが難しいときには事業譲渡を選択するのは難しいと思います。

それらを考慮して、M&Aのスキームを判断していくのが必要であります。

6. マンション管理会社のM&Aの成功事例

マンション管理会社のM&Aの事例を解説

マンション管理会社は、M&Aが盛んな業界の一つでもあり、成功事例も多く存在します。

ここでは、そんなマンション管理会社の事例を2つご紹介します。

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M&A事例①

まず、売上高約1億円のマンション管理会社のM&Aの事例です。

この事例は、経営者の健康問題が原因でM&Aに至った事例なので理由としては「後継者問題」ことになります。

売却側と買収側

売り手側は、売上高1億円規模のマンション管理会社の経営者で、創業社長でありオーナーの健康問題が理由で後継者を探していましたが、見つからずにM&Aに乗り切ることになりました。

買収側は、売上高非公開のマンション管理会社で、同業他社を買収することで規模の拡大を目的としてM&Aの検討をした企業であります。

スキーム

この事例で活用されたスキームは、株式譲渡により会社丸ごとを買収した事例になります。

双方のメリット

売り手側の企業は、マンション管理会社業界では長年の実績があり、きめ細やかなサービスとコンプライアンスを厳守した管理体制で評判良く安定した業績を残してきましたが、創業者である社長が体調を崩してしまい、社内に後継者がいないためM&Aにてその問題の解決ができました

買い手側企業は、その業界での実績が高い企業を買収することで、事業の拡大と展開地域の幅を広げることに成功しました。

M&A事例②

次の事例は、別事業に専念するためにM&Aを検討した企業の成功事例です。

M&Aにて会社の成長と発展を目的としたもので、同社の社長は3社を経営していましたが、数年前に創業した事業に専念していきたいとした思いが、M&Aに至りました。

売却側と買収側

売却側はビルメンテナンス・警備・マンション管理会社の3社を売却対象としいて、地元での知名度も高く安定した財務状況と業績を誇る優良企業です。

買収側企業は、不動産関連サービス事業でのロールアップ戦略を考案していてそれに合う企業を探していた投資会社です。

スキーム

この事例で活用されたM&Aの手法は、株式譲渡によるもので、売却側の社長と投資会社のニーズが合致したことでM&Aが成立しました。

双方のメリット

まず売却側は、数年前にスタートしていた新規事業に集中していくために、このマンション管理業界を売却し、創業者利益を獲得しました。

そして、新規事業に集中することで伸び悩んでいた事業の発展と成長を手に入れ、売却した3事業の従業員の雇用の確保と安定を獲得しています。

買収側は、不動産関連サービス事業での同業他社を買収することにより、規模のメリットを追求することができ、収益のアップを獲得したメリットがあります。

7. マンション管理会社のM&Aまとめ

マンション管理会社のM&Aをまとめます

ここまで解説していきたマンション管理会社のM&Aの事例やスキーム・メリットをまとめます。

まとめ

マンション管理会社のM&Aでスキームの選択は重要な部分を占めています。

またマンション管理会社は安定的な収益の確保ができるということで有名でしたが、最近では戸数自体が伸び悩んでいることで、市場の縮小が騒がれています。

このような状況を見ると、デベロッパー系の傘下に入り収益の安定化を図る企業やそれを買収し事業規模の拡大を図る大手企業などがまだまだ増加していく方向であることが言えます。

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