中国企業によるM&A・買収事例20選!EUは中国企業のM&Aに規制強化!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

海外企業の進出や買収等に強い規制を敷いている印象のある中国ですが、中国企業によるM&A・買収事例としてはどのようなものがあるのでしょうか。また、諸外国の中国企業に対する規制としてはどのようなことを行っているのでしょうか。実際のM&Aの事例を用いて紹介します。


目次

  1. 日本企業と中国企業のM&A比較
  2. 中国企業によるM&A・買収事例20選
  3. EUが中国企業によるM&Aに規制強化
  4. 中国におけるM&Aの法律や規制
  5. 日本と中国をつなぐM&A仲介会社なら
  6. 中国企業によるM&Aまとめ
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1. 日本企業と中国企業のM&A比較

日本企業と中国企業のM&A比較

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海外展開の加速や事業拡大に向けた手段の一つとして行われるM&Aですが、日本企業によるM&Aと中国企業によるM&Aの違いはあるのでしょうか。

一つは中国当局による規制です。中国の監査当局は、海外企業のM&Aによる資本流出や、それに伴う人民元安のリスクを懸念し、規制を強化しています。そのため、大手会計事務所PwCが実施した調査によると、2017年のM&Aは金額ベースで2016年度42%減と大幅に減少しています。

一方、国内の同業同士によるM&Aの金額は前年比14%と増加傾向にあります。

日本企業では、キリンによるスキンカリオールグループの買収や武田によるシャイアーの買収のように、海外展開への足掛かりとしてM&Aを実行することもある一方で、中国企業では規制により海外企業の買収が非常に難しいことが大きな違いです。

2. 中国企業によるM&A・買収事例20選

中国企業によるM&A・買収事例20選

出典: https://pixabay.com/ja/

それでは、実際の中国企業によるM&A・買収の事例としてはどのようなものがあるのでしょうか。2010年代前半の国営企業による買収から、近年の民間企業によるコア技術を狙った買収等、主要な事例を中心に紹介します。

中国企業によるM&A・買収事例1.

過去、中国企業によるM&Aの中で比較的多かったのが、エネルギー関連企業によるM&Aです。これは、同国の中で資金を潤沢に持っている企業がエネルギー関連に多いためです。
2010年、中石化集団(国有企業)により、スペインのRepsol社が子会社として保有するブラジル企業の40%の株式を約71億ドルで取得しています。

中国企業によるM&A・買収事例2.

また、同年に中石油集団(国有企業)がロイヤルダッチシェルと共同し、Arrow energyというオーストラリアの炭層ガス会社をM&Aにより約24億ドルで取得しています。

中国企業によるM&A・買収事例3.

電力関連企業によるM&Aも盛んにおこなわれていました。2010年には、国家電網公司(国有企業、電力関連)により、ブラジルの7つの送電会社などの経営権を約10億ドルで取得しています。

中国企業によるM&A・買収事例4.

また、2011年には、中国華能集団(国有企業、電力関連)が広東偶粤電集と共同で、米国マサチューセッツ州の電力会社、インタージェン社の株式50%を約12億ドルで取得しています。

中国企業によるM&A・買収事例5.

中国企業による精密機器メーカー等の買収

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さらに、各地域の有名企業や、精密機械の買収も行われています。
例えば、2010年には、浙江吉利控股集団公司がスウェーデンの有名自動車メーカーであるボルボ社の株式を100%取得し、子会社化しています。

中国企業によるM&A・買収事例6.

さらに、2012年には、中国航空技術国際控股有限公司(略称:中航国際)により、米国の航空機用エンジンメーカー、コンチネンタル・モーターズの買収が行われています。これは中国航空機メーカーによる初の海外企業買収として注目されました。

中国企業によるM&A・買収事例7.

こうした高い技術力を持つ企業の買収として有名なものに、レノボのIBMパソコン事業の買収が挙げられます。これは2004年に約18億ドルで実行されましたが、当時は非常に小さかったレノボが巨人のようなIBMのパソコン事業を買収したことから、「蛇は象を飲み込む」と報道されました。

中国企業によるM&A・買収事例8.

中国企業による日本企業の買収

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日本企業に対しても同様の事例があります。その一つが2011年のハイアールによる三洋電機白物家電事業の買収です。
元々、2002年からハイアールは三洋電機の技術力とブランド力を狙い、三洋電機と包括的な業務提携を行っていましたが、パナソニックによる三洋電機の白物家電売却決定を好機ととらえ、買収に踏み切りました。買収額は約100億円で、その後の同社の発展を考えると、非常に割安であったと言えます。

中国企業によるM&A・買収事例9.

また、同様の中国企業による日本企業のM&Aでは、2016年の鴻海グループによるシャープの買収があります。買収総額は3,888億円と非常に巨額の買収となりました。
これは、鴻海の収益が緩やかな減少傾向にある中、現状の打破に向けて、シャープの持つ液晶の技術を狙って行われた買収といわれています。

中国企業によるM&A・買収事例10.

同様に、業績不振に陥った日本企業の中国企業による買収という観点では、美的集団による東芝の白物家電事業の買収も一例です。売却総額は約537億円となりました。こちらも2016年の出来事で、日本企業の大手電機会社にとって非常に大きなM&Aが続いた1年でした。

中国企業によるM&A・買収事例11.

IT関連企業による買収

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直近では、中国のIT関連企業による買収も盛んにおこなわれています。
その一つの例がアリババによるM&Aです。アリババは2016年には東南アジアのアマゾンと呼ばれているLazadaというドイツ投資会社系の同業大手企業を買収しています。

中国企業によるM&A・買収事例12.

さらに、アリババグループ傘下企業である上海拉扎斯信息科技有限公司も買収を積極的に行っています。中国内の同業である百度傘下にある、百度外売を約5~8億ドルで買収しています。

中国企業によるM&A・買収事例13.

また、中国で最大の検索エンジンを手掛ける企業である百度も事業拡大に向けた買収を行っています。
2013年には、約373億円で動画サイトのPPS影音の買収を実行しています。のちに、百度傘下のインターネット動画サイトと統合し、事業を拡大しています。

中国企業によるM&A・買収事例14.

百度はベンチャーの日本企業も買収しています。2015年には、東京大学発のベンチャー企業のポップインを買収しています。
これはネット上の広告がどれほど深く読まれたか、を測定する技術を持つベンチャーで、グーグルとの競争を見据え、読み飛ばされない広告を武器に事業の拡大を目指す方針です。

中国企業によるM&A・買収事例15.

さらに、テンセントという世界最大のゲーム会社も、事業拡大に向けた買収を行っています。
海外進出に向けた買収としては、東南アジアのプレゼンス工場を狙って実施したSanook Onlineの買収が一例として挙げられます。
中国国内の市場は成熟が進んでいるため、東南アジアをはじめとする海外企業への投資を積極的に行っているようです。

中国企業によるM&A・買収事例16.

テンセントの最も大きな海外企業の買収は、2016年のフィンランドのスーパーセル買収です。
日本企業のソフトバンクグループの子会社であるフィンランドのスーパーセルの株式84.3%を約9,000億円で取得しています。スーパーセルはクラッシュ・オブ・クランなどを手掛けるゲーム会社ですが、テンセントはその開発力を高く買ったようです。

中国企業によるM&A・買収事例17.

ロボット関連企業による買収

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近年、中国企業による買収として多いのが、先に述べたような情報技術に加え、ロボット産業です。中国の産業用ロボット企業は、合計しても世界シェアは数パーセントにとどまっていることから、日本企業や欧米企業の高い技術を求めてM&Aを実行する例がみられます。
一例が浙江万豊科技開発股份有限公司による米国の溶接ロボットメーカーであるパスリン社の買収です。

中国企業によるM&A・買収事例18.

また、欧州の警戒感を高めた買収が、美的集団公司によるドイツのクーカ社の買収です。クーカ社は世界でも有力な産業用ロボットメーカーであり、ドイツが中国企業の買収に対する規制を強化するきっかけとなりました。この規制強化については、後程詳しく概要を解説します。

中国企業によるM&A・買収事例19.

また、航空・宇宙関連のM&Aも盛んにおこなわれています。
宇宙関連では、中国航空工業集団により、米国のAlign Aerospace社という、航空宇宙起用のベアリング、ボルト等の製造を手掛けるメーカーが買収されています。

中国企業によるM&A・買収事例20.

また、中国航空工業集団はスペインのAritex Cadingという航空宇宙関連の生産・組み立てラインを開発、製造、設置している企業も買収しており、航空機の国産化比率の向上を狙った買収であることがわかります。

日本や海外企業のM&Aの成功事例も見てみましょう!

【関連】M&A成功事例25選!【2018年最新版】

日本や海外企業のM&Aの失敗事例も見てみましょう!

【関連】M&Aを失敗する理由・事例25選【海外・日本企業】

3. EUが中国企業によるM&Aに規制強化

EUによる規制強化

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中国企業によるM&A・買収が積極的に行われている中、EUは中国企業によるM&A・買収に対し規制強化を実行しています。その背景には何があるのでしょうか。

規制強化の理由

EUが中国企業によるM&A・買収に対して規制を強化した背景としては、欧州企業の高い技術力を狙っての中国企業によるM&A・買収件数が非常に多くなっており、それをEU諸国がリスクとして捉えている、という点があります。

ドイツのメルカトル中国研究所の発表によれば、16年に中国企業が行ったEU企業のM&A・買収の件数は309件に上り、投資総額も12年~15年の総額を超える858億ドルに達しています(ただし、その後は先に述べた中国当局による規制に伴い、16年をピークに減少しています)。

こうした中国企業によるM&A・買収件数の増加を背景に、技術やノウハウの流出をリスクと懸念したEU域の各国で中国資本を規制する法整備が急速に整えられています。

一方で、日本については中国資本による日本企業の買収には規制がないのが現状です。現在、日本には外資参入に対する規制が非常に少なく、外国投資の審査や規制を行う政府機関も存在しません。

中国企業は技術・知的財産獲得を企んでいる

ではなぜ中国企業のM&A・買収が規制の対象となるのでしょうか。それは、中国企業がM&A・買収を通じて戦略的に一部の技術と知的財産の獲得を狙っているのではないか、という点をリスクとしてみているためです。

中国企業がM&A・買収を進めている業界は、例えばドイツでは主に航空・宇宙や自動車、医療、ロボットなど、同国の主要産業であり、戦略的な買収ではないか、と疑問視されており、技術の流出をリスクと捉えています。

こうしたリスクに対し、ドイツ政府は「公共の秩序及び国家利益に害を与える場合、政府はその買収を禁止する権限がある」という新貿易規定を制定しました。

中国企業はメディアの取材を拒否

こうした世間の疑念を膨らませているのが、中国企業のメディアに対する姿勢です。ドイツの経済誌によれば、中国企業はメディアからの取材を拒否する傾向があり、それがさらに中国企業の投資元や中国当局との関係を不透明にしています。

ドイツ政府が売却却下

買収規制の強化を背景に、2018年7月には、ドイツ当局は中国企業によるライフェルト社の買収を却下しています。

ライフェルト社は、ドイツ西部に本社を置く精密機械メーカーで、同社の技術はNASAのロケットにも使われている非常に高度なものです。ドイツ当局は同企業の高い技術が流出することをリスクと捉えたとみられています。

この買収以前に、2016年には中国の美的集団により、工作機械大手のクーカ社買収も行われており、この際にも、クーカ社買収により、ドイツのコア技術が流出するのではないか、と懸念していました。このクーカ社買収がリスクを懸念するきっかけとなり、ライフェルト社の買収却下が決定されたのではないかとも見られています。

これ以外にも、中国企業による買収を回避すべく、ドイツ当局は様々な手を講じています。今後日本政府も日本企業の買収に対する規制を行うかどうか、政府の動向が注目されます。

4. 中国におけるM&Aの法律や規制

中国のM&Aに関する法律

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中国におけるM&A・買収については、基本的に自由ですが、M&Aに関連する法律が複数存在するため、それぞれについて理解しておく必要があります。

一つは外商投資方向の指導規定です。これは、一定の業種に関しては出資比率の上限や、資本金の最低限度額等の規定があります。

二つ目は会社法で、株式譲渡や新株発行等、基本的な事項を規定しています。ただし、明文規定が非常に少ないため、これのみを参考にM&Aを実行することはリスクが高いです。実際にM&Aや買収を行う際には、規定や当局の動向に注意を払い、実務上の対応については専門家によるアドバイスに沿う必要があります。

三つ目は証券法で、公開買付けや開示、インサイダー取引への規制を規定しています。

最後に独占禁止法ですが、この規制対象は独占的合意、市場支配的地位の乱用、企業結合、行政権限乱用による競争力排除及び制限の4種類が規制されていますが、企業結合内の事業者集中と呼ばれる規定に関連し、中国国内に子会社がなくても申告が求められるリスクがあるため、注意する必要があります。

また、あいまいな規定も多いため、事前に当局と協議する必要があります。

5. 日本と中国をつなぐM&A仲介会社なら

クロスボーダーM&AならM&A総合研究所

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様々な規定があり、単体では実務の運用にリスクのある中国でのM&Aですが、どのような仲介会社にお願いすればよいのでしょうか。

規制の多い中国で日本企業がM&Aを行うにあたっては、海外の顧客との協業実績がある等、海外との意思疎通に慣れている仲介会社を選ぶことが重要です。

M&A総合研究所では、バイリンガルの会計士が担当しているほか、2018年度も海外のお客様から多数のM&Aのお話をいただいており、安心してお任せいただけます。ぜひ一度、まずはお気軽にご相談ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所

6. 中国企業によるM&Aまとめ

中国企業によるM&Aまとめ

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中国企業によるM&Aは多様な事例がありますが、中国での日本企業と中国をつなぐM&Aの実務運用は、規制動向等に左右され非常にリスクが高いのが現状です。ぜひM&A総合研究所をご活用いただき、情報収集や実際のM&Aに活かしてください。

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