株式(有価証券)の取得でかかる取得関連費用の会計処理を徹底解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式取得には手数料や消費税などの取得関連費用(付随費用)がかかりますが、こういった費用の会計処理は分かりにくい部分もあります。そこで本記事では、株式取得でかかる取得関連費用の会計処理を、税務処理との違いも踏まえて徹底解説します。


目次

  1. 株式(有価証券)の取得関連費用とは
  2. 株式(有価証券)の取得関連費用が必要なシーン
  3. 株式(有価証券)に関する主な取得関連費用
  4. 株式(有価証券)の取得関連費用の会計処理
  5. 株式(有価証券)の取得関連費用の税務処理
  6. 株式(有価証券)の取得関連費用の会計処理と税務処理の違い
  7. 株式(有価証券)の取得関連費用に関する会計処理の注意点
  8. 株式(有価証券)の取得に関する相談先
  9. まとめ
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1. 株式(有価証券)の取得関連費用とは

取得関連費用とは

株式(有価証券)の取得関連費用とは、株式取得に際して、株式そのものの購入費(株価×取得株数)以外にかかる諸費用のことです。

株式取得すると証券会社に支払う手数料や消費税などがかかりますし、株式取得により企業買収する場合は、M&Aアドバイザリーによる財務調査費用などもかかります。

こういった費用は単純にひとまとめにして処理することはできず、費用の種類、取得までのプロセスなどによって取り扱いが変わってきます。

株式取得する時は、取得関連費用の取り扱いを知っておくことが重要です。

付随費用との関連性

株式(有価証券)の取得関連費用について調べていると、「付随費用」という用語もよく出てきます。取得関連費用と何が違うかよく分からず、混乱してしまうことも多い用語です。

不随費用と取得関連費用は、基本的に同じ意味と思っておいて問題ありません。株式の付随費用という用語が出てきたら、それは株式の取得関連費用のことだと理解しましょう。

2. 株式(有価証券)の取得関連費用が必要なシーン

取得関連費用が必要なシーン

株式(有価証券)の取得関連費用が必要なシーンは、様々な場面で登場します。

株式を購入した時点で手数料や消費税がかかるのはもちろん、株式取得の前にはデューデリジェンス費用やM&Aアドバイザリー報酬などがかかります。

そして株式取得後は名義書換料などがかかりますし、非上場株式を取得した際は紹介者に対して紹介料や謝礼金も発生します。

3. 株式(有価証券)に関する主な取得関連費用

主な取得関連費用

株式(有価証券)に関する主な取得関連費用には以下の6種類があります。

  1. 法務・税務・財務調査費用(DD費用)
  2. M&Aアドバイザリー報酬
  3. 證券会社に支払う購入手数料
  4. 紹介料や謝礼金
  5. 交通費や通信費などの費用
  6. 名義書換料

①法務・税務・財務調査費用(DD費用)

株式(有価証券)に関する取得関連費用のうちでも大きな部分を占めるのが、株式取得する企業の法務・税務・財務調査費用です。デューデリジェンス費用、DD費用とも呼ばれます。

株式取得するべきか決めるためには、その企業について詳しく知っておく必要があります。特に株式取得して企業を買収する場合は、その企業の価値とリスクについて正しく評価しておかなければなりません。

一口にデューデリジェンスといっても、企業の何を調べるかによって種類が分かれます。

最も一般的なのが、企業の財務状態を調べる財務調査(ファイナンシャルデューデリジェンス)です。

他には違法行為や訴訟がないか調べる法務調査(リーガルデューデリジェンス)、法人税の未払いがないかなどを調べる税務調査(税務デューデリジェンス)などがあります。

近年はデューデリジェンスの種類も増えてきており、企業の情報システムを調査するITデューデリジェンス、施設の土壌汚染や地下水汚染を調査する環境デューデリジェンスなどもあります。

全てを調査すると費用と時間がかかりすぎるので、優先順位をつけて重要な項目だけ調査するのが一般的です。

【関連】M&AにおけるDD(デューデリジェンス)項目別の目的・業務フローを徹底解説!

②M&Aアドバイザリー報酬

株式取得して企業を買収する場合は、M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーなどの、M&Aの専門家の助けを借りることになります。

M&Aアドバイザリーは、売却側・買収側のどちらかの立場に立って、最も有利な金額でM&Aを成立させることを目指します。

これに対してM&A仲介会社は、売却側・買収側双方の立場を取り持ち、お互いが納得いく条件での成約をサポートします。

M&Aアドバイザリー報酬には、始めに支払う着手金、基本合意時に支払う中間報酬、成約時に支払う成功報酬などがあります。

M&Aアドバイザリーによっては、着手金や中間金を取らず、成功報酬のみ支払う完全成功報酬制を採用しているところもあります。

M&A総合研究所は、完全成功報酬制を採用しているおすすめのM&A仲介会社です。着手金・中間報酬は無料で、成功報酬も業界最安値水準となっています。

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③證券会社に支払う購入手数料

相対取引など特殊な場合を除いて、株式取得する時は証券会社を介することになります。証券会社を介して株式取得すると、証券会社に購入手数料を支払うことになります。

証券会社に支払う手数料は取得関連費用となり、株式の取得価額に含められます。

④紹介料や謝礼金

非上場株式を取得する時、紹介してもらった人に紹介料や謝礼金を支払うことがあります。こういった紹介料や謝礼金は費用に計上することはできず、取得関連費用として取得価額に含められます

⑤交通費や通信費などの費用

株式取得に際してかかった交通費や通信費は基本的に取得価額に含めますが、取得費に対して費用が少額なので、取得価額に含めず費用として計上することも認められています

どこまでを少額とみなすかは難しいところですが、例えば固定資産の場合は、10万円未満なら費用計上できるといった原則もあります。

⑥名義書換料

株式取得して新たな株主になると、その株式の名義書換をしてもらう必要があり、名義書換の際には名義書換料がかかります。

名義書換料は費用が少額なので、交通費や通信費と同様、取得価額に含めず費用に計上することができます

4. 株式(有価証券)の取得関連費用の会計処理

取得関連費用の会計処理

この章では、株式(有価証券)の取得関連費用の会計処理について、取得関連費用に計上できる場合とできない場合を解説します。

株式の取得関連費用に計上できる場合

個別財務諸表では、株式取得にかかる諸費用は基本的に全て取得関連費用として取得価額に含められ、資産として計上されます

ただし連結財務諸表では、取得関連費用が資産ではなく費用として計上されるという違いがあるので、子会社を持っていて連結財務諸表を作成する場合は注意が必要です。

株式取得に際して企業を調査するデューデリジェンス費用に関しては、取得関連費用に計上できる場合とできない場合があります

株式取得の意思決定がなされた後でデューデリジェンス費用が発生した場合、この費用は取得関連費用に計上されます。逆に意思決定前のデューデリジェンス費用は、取得関連費用には計上されません。

連結財務諸表での会計処理、デューデリジェンス費用の会計処理については後の章でも詳しく解説します。

株式の取得関連費用に計上できない場合

基本的に株式取得にかかる付随費用は全て取得関連費用に計上されますが、通信費や交通費など取得関連費用に計上しなくていいものは、費用として計上されます

先ほどのデューデリジェンス費用の例のように、取得関連費用に計上できるかどうか判断が難しいケースもあるので、会計士や税理士のアドバイスを受けて、正しい判断をすることが重要になります。

【関連】自己株式の取得の際の仕訳・会計処理まとめ!会計と税務の違いも解説

5. 株式(有価証券)の取得関連費用の税務処理

取得関連費用の税務処理

株式(有価証券)の取得関連費用の中でも、財務調査費用(デューデリジェンス費用)の税務処理は重要なポイントの一つです。

財務調査は費用が高額になることもあるため、交通費や通信費のように取得関連費用から除外することはできません。

しかしこれをどう税務処理するかについては、専門家でも判断に迷うケースもあります。以下では税務調査費用をどう税務処理するかについて、基本的な方針を解説します。

調査後に株式(有価証券)を購入した場合

財務調査後に株式(有価証券)を購入した場合、それが取得関連費用に含まれるかどうかは、調査前に株式取得する意思決定をしていたかどうかによって変わります

調査前に株式取得する意思決定をしていた場合は、調査費用は株式(有価証券)の取得関連費用に含まれます。

一方で、株式取得するかどうか決めるための調査は株式取得の意思決定前になるため、株式(有価証券)の取得関連費用には含まれません

株式取得する意思決定をどの時点でしたかを、正しく認識しておくことが重要です。

上場企業なら取締役会で株式取得を決議するなど、意思決定の時期が分かりやすいですが、非上場企業の場合は意思決定がいつなされたか判別しづらいケースもあります。

その場合は会計士や税理士など専門家のアドバイスを受けながら、個別に判断していくことになります。

調査後に株式(有価証券)を購入しなかった場合

株式取得すべきかどうか判断するために調査をしたものの、購入すべきでないと判断して購入を断念するケースもあります。

また、一度株式取得する意思決定をしたものの、調査で問題が見つかったため決定を取り消すケースもあるかもしれません。

このように調査後に株式(有価証券)を購入しなかった場合は、調査費用は取得関連費用には含まれません

6. 株式(有価証券)の取得関連費用の会計処理と税務処理の違い

会計処理と税務処理の違い

株式(有価証券)の取得関連費用を処理する時、会計処理では間接控除、税務処理では直接控除という違った方法がとられます

このため会計処理と税務処理では、最終的に資本金(または利益積立金)の額が違ってしまうので、両者を一致させるために申告調整をする必要があります

会計処理と税務処理の違いは普段意識しないことも多いですが、株式(有価証券)の取得関連費用を考える時は、両者の違いを意識しておくことが大切です。

7. 株式(有価証券)の取得関連費用に関する会計処理の注意点

会計処理の注意点

この章では、子会社との連結財務諸表を作成する時や、株式(有価証券)を純資産より高く取得して「のれん」が発生した時など、取得関連費用を会計処理する時に注意したい事例について解説します。

【株式(有価証券)の取得関連費用に関する会計処理の注意点】

  1. 個別財務諸表と連結財務諸表の違い
  2. のれんの取り扱いに関する注意

①個別財務諸表と連結財務諸表の違い

財務諸表とは企業の財政状態を表すための書類のことで、具体的には貸借対照表(バランスシート)・損益計算書・キャッシュ・フロー計算書などのことを指します。

財務諸表には個別の企業について作成される個別財務諸表と、子会社を含めた企業集団について作成される連結財務諸表があります。連結財務諸表は親会社が作成します。

連結財務諸表を作成する時に気をつけなければならないのが、M&Aアドバイザリー報酬の会計処理です。

これまでは個別財務諸表、連結財務諸表ともに、M&Aアドバイザリー報酬は取得関連費用として取得価額に含められていたのですが、平成27年に会計基準が改訂され、連結財務諸表のみM&Aアドバイザリー報酬を取得関連費用に含めないことになりました

同じM&Aアドバイザリー報酬でも、個別財務諸表か連結財務諸表かで扱いが変わってくるのが注意点です。

②のれんの取り扱いに関する注意

株式(有価証券)の取得関連費用を会計処理する時、いわゆる「のれん」に気をつける必要があります。

のれんとは、企業の買収価格と純資産の差のことです。企業が独自の技術やノウハウを持っていたりブランド力があったりすると、純資産以上の価値があるとみなされます。この見えない企業価値をお金に換算したものがのれんです。

のれんはプラスの場合もマイナスの場合もあります。例えば企業イメージが悪い、優秀な技術者が少ないなど、見えない部分でマイナス点がある場合は、純資産以下の価格で買収されることもあります。その差額は「負ののれん」となります。

のれんは無形固定資産とみなされ、最大20年かけて均等に減価償却していくと定められています。

【関連】M&Aにおける「のれん代」をわかりやすく解説!償却期間や会計処理はどうなるの?
【関連】負ののれんとは?分かりやすく解説!仕訳、税務処理はどうなるの?

8. 株式(有価証券)の取得に関する相談先

取得に関する相談先

株式(有価証券)の取得関連費用の取り扱いは難しいので、会計士や税理士といった専門家の助けを借りることになります。

株式(有価証券)の取得に関する相談先としておすすめなのが、M&A総合研究所です。

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9. まとめ

まとめ

本記事では株式(有価証券)の取得関連費用について解説しました。取得関連費用の会計や税務は難しい部分があるので、会計士や税理士のアドバイスを受けながら、正しい取り扱いをするように留意しましょう。

【株式(有価証券)に関する主な取得関連費用】

  1. 法務・税務・財務調査費用(DD費用)
  2. M&Aアドバイザリー報酬
  3. 證券会社に支払う購入手数料
  4. 紹介料や謝礼金
  5. 交通費や通信費などの費用
  6. 名義書換料

【株式(有価証券)の取得関連費用に関する会計処理の注意点】
  1. 個別財務諸表と連結財務諸表の違い
  2. のれんの取り扱いに関する注意

M&A総合研究所は、株式(有価証券)の取得関連費用に詳しい会計士のフルサポートが受けられるM&A仲介会社です。着手金・中間報酬なしの完全成功報酬制で、業界最安値水準の報酬体系となっています。

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