調剤薬局業界のM&A動向・価格相場【2018年最新事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

調剤薬局業界のM&A動向・価格相場を最新事例とともにご紹介します。調剤薬局業界M&Aのメリット・デメリットはもちろん、調剤薬局業界の最新情報や今後の動きについても詳しく解説しています。そのほか、おすすめの仲介業者や公開案件も取り上げています。

目次

  1. 調剤薬局業界の現状
  2. 調剤薬局業界でM&Aが盛んな理由
  3. 調剤薬局M&Aの価格相場
  4. 調剤薬局M&Aのメリット
  5. 調剤薬局M&Aに掛かる期間
  6. 調剤薬局のM&Aを成功させるポイント
  7. 調剤薬局のM&A仲介会社おすすめ6選
  8. 調剤薬局業界でのM&A事例5選
  9. 調剤薬局のM&A案件一覧
  10. まとめ
  • 調剤薬局のM&A・事業承継

1. 調剤薬局業界の現状

調剤薬局業界の現状

調剤薬局業界は、2018年度に改正された報酬・薬価制度により、大きな動きが見られました。業務体系の見直しが遅れると、大手の企業であっても、これまでのように利益を上げられない状況にあります。

M&Aによる買収・売却でも、制度の改正に対応することが必須です。業界の動向をしっかりと把握することで、買い時・売り時の見極めを行ってください。

まずは、調剤薬局業界の基本情報を確認していきましょう。

調剤薬局業界の基本情報

調剤薬局内のガラスケースに補完された薬

この章では、調剤薬局業界についての情報をご紹介します。業界の定義や2018年度の主要企業、現在の市場についての情報を取り上げています。業界の情報を見直して改められた制度などから、業界の動きを確かめてみましょう。

調剤薬局業界の定義

調剤薬局は、医師の診断に基づいた処方箋に従って、薬を調合する薬局です。調剤薬局を開くためには、都道府県知事の許可や、管理者の設置が義務づけられています。

調剤薬局は、保険薬局と呼ばれる場合もあります。これは、健康保険法に従い、保険診療による処方箋を受け付けているためです。保険薬局の指定を受けるには、都道府県にある地方厚生局への申請が必須とされています。

調剤薬局業界の構造

近年の調剤業界における構造を知るために、2018年度の売上高トップ10の企業をご紹介します。
(ただし、調剤薬局事業の売上高と営業利益などが非公表の企業を除いています。)

順位 社名 売上高
(百万円)
調剤事業営業利益
(百万円)
店舗数 処方箋応需枚数/年間
1 アインホールディングス 221,801 21.995 1,029 2,122万
2 日本調剤 205,180 12,411 585 13,379千
3 クオール 135,084 8,652 718 13,084千
4 ウエルシア 114,824 1,158 11,550千
5 総合メディカル 109,918 7,139 678 12,276千
6 スズケン 99,550 3,195 623
7 東邦ホールディングス 98,019 3,564 749
8 メディカルシステムネットワーク 87,160 3,060 399 8,181
9 ファーマライズ 43,202 1,529 283 約188千
10 トーカイ 43,042 3,509 122

調剤薬局業界の事業特性

調剤薬局業界は、調剤するための薬を、製薬メーカや医薬品の卸会社から仕入れます。製薬メーカは、品質を保つために、外部の企業に物流を委託するケースが大半です。卸売会社では、自分たちの会社で医薬品の物流をまかない、各調剤薬局へと運んでいます。

卸会社を利用すると数ある医薬品の中から、調剤薬局に合わせた薬を提示してくれます。薬局側の要望を把握してくれていたり、治験では現れなかった副作用などをふまえて薬を提供してくれたりと、業務のサポート役としても働きを担っています。

製薬会社と卸売会社の違い

製薬会社と卸売会社の違いは、取り扱う医療用医薬品の種類です。

製薬会社は、自社で開発・製造した商品を調剤薬局に販売します。卸売会社は、薬を運ぶことに特化しているため、多数の製薬メーカから薬を仕入れて調剤薬局へと販売をします。

調剤報酬の仕組み

調剤薬局は、仕入れた医療用医薬品を患者さんに提供します。そして、患者さんからは、調剤報酬として、医療費の自己負担分が調剤薬局へと支払われるのです。残りの代金は、保険者によって支払われます。患者さんが収める税金・健康保険料をもとに、請求を受けた支払審査機関が、調剤薬局に支払いを行うのです。

診療報酬・調剤制度の改正

2018年に改正された診療報酬や調剤制度には、処方箋の受付回数・特定の医療機関からの調剤率によって、調剤報酬料の引き下げが明記されています。そのため、病院の前に店舗を構える門前薬局や、グループを形成する薬局への影響が想定されているのです。

制度の改正が行われた理由には、後発医薬品への切り替えや、かかりつけ薬局の推進などがあります。後発医薬品に代わることで薬価の値下がりによる利益の減少が抑えられるでしょう。

また、地域にかかりつけ薬局を増やすことで、薬剤師が患者さんの薬を管理し、重複による医療費の増加を抑えることを狙いとしています。調剤薬局業界で今後生き残っていくためには、このようにさまざまな方法で調剤報酬料の引き下げに対応していかなければなりません。

2種類の調剤報酬料

調剤薬局業界では、患者さんから2種類の料金を徴収しています。1つ目は、調剤技術料です。処方箋に従って薬を用意する調剤基本料と、患者さんに合わせて薬の大きさ・形状を変える技術料に分けられます。

2つ目の料金は、薬学管理料。患者さんが服用する薬の管理や、文書を使った薬の説明などに対して支払われる料金です。制度の改正によって、薬の服用をまとめて管理したり、在宅患者への指導を行ったりすることで、料金が加算されます。

調剤薬局業界は人材が確保できる事業

調剤薬局業界は、人材がしやすい業種だとされています。厚生労働省が発表した2016年の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によれば、薬剤師の数は増えているとのことです。

薬剤師の数は、301,323人。2014年の調査と比べて、13,172人の増加が見られました。6年生に移行した薬学部の卒業生が、薬剤師として働き始めたことが理由に挙げられます。

また、薬剤師の仕事に就いている方のうち、薬局に務めているのは57.1%でした。新卒の薬剤師を薬局事業の働き手として獲得できれば、人材不足の解消が望めます。したがって、調剤薬局をM&Aで売りたいとお考えなら、人材不足を解消してからでも遅くはないでしょう。

法人と個人による薬局経営

調剤薬局業界では、主に法人と個人による薬局経営が行われています。2018年に厚生労働省がまとめた「かかりつけ薬剤師・薬局機能調査・検討事業」によると、調査に回答した内の88.6%が法人という結果でした。個人経営の調剤薬局は、わずか11.0%です。

同じ会社・経営者による店舗の出店数を見ると、全体の22.0%が50を超える薬局を抱えているのです。また、1店舗を一人で経営する割合は、24.5%でした。このような情報から、巷で利用する薬局の半分近くが、グループ薬局か、個人で経営する薬局といえます。

調剤薬局業界の市場状況

2016年に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づいて、薬品の価格が改められることになりました。2018年からは、2年に一度の価格改定から、1年ごとに改定に変わっています。

そのため、先発医薬品・新薬などの価格が変わり、薬品の売上高が下がりました。IQVIAジャパンの2018年医薬品市場統計データによれば、4から6月は前年より1.3%マイナスの、2,586,836百万円でした。「薬局その他」に限った売上高では、前年からマイナス3.5%の、932,659百万円という額です。

このような現状により、調剤薬局業界では6月以降も売り上げの低下が予想され、調剤薬局の価値にも影響が及びます。

かかりつけ薬剤師・薬局の推進

厚生労働省は、地域医療の強化を図るため、かかりつけの薬剤師や調剤薬局の増加を推し進めています。調剤薬局のまわりに住む人たちの健康を、薬を通じて管理することが目的です。

かかりつけ薬剤師・調剤薬局に処方を任せると、薬の服用による経過観察や、薬の重複などの管理も可能です。そのほかにも、夜間・休日・在宅患者の電話対応や、緊急時の調剤などにも応じています。

したがって、調剤薬局業界が下火になることはまだまだないでしょう。

薬局グループは収益減が予想される

2018年度には、調剤報酬が改定されました。特定の処方箋を受け付ける門前薬局(病院のそばにある薬局)と、薬局グループを形成している企業には、低い調剤報酬が適用されます。

この理由は、調剤薬局ごとに定められた調剤基本料によって、薬局が得られる報酬に差が生じるためです。「調剤基本料の2」を例に挙げてみましょう。該当する調剤薬局は、薬局グループ全体の処方箋の受付回数がひと月に4万回を超えている、処方箋の集中率が95%を超える薬局です。

そのため、条件に当てはまる薬局グループには収益の落ち込みが予想され、収益を維持するための対策に追われているのです。

これを受けて、薬局グループが特定の店舗を譲渡する事態や、譲渡案件が増えることによる市場価格への影響も現れます。

調剤薬局業界のM&Aを検討する場合は、業界の市場状況や譲渡相場などをしっかり把握しておく必要があるので、M&Aコンサルタントや仲介業者にサポートしてもらいながら進めていくのが良いでしょう。

M&A総合研究所では、調剤薬局業界M&Aに経験豊富なコンサルタントや、M&Aに強い公認会計士がフルサポート、着手金無料になっています。

無料相談も行っていますので、調剤薬局業界のM&Aを検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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調剤薬局・2018年4から9月の廃業件数

実は調剤薬局業界は、廃業件数が増えています。理由は、調剤薬局業界に関する制度の改正や高齢化です。

制度の改正による影響が自分の調剤薬局にも及ぶのかが気になる人も多いはず。2018年の4月から9月までの廃業件数は次の通りです。

北海道 廃業件数(4月から9月まで) 45
青森 廃業件数(4月から9月まで) 21
岩手 廃業件数(4月から9月まで) 17
宮城 廃業件数(4月から9月まで) 22
秋田 廃業件数(4月から9月まで) 18
山形 廃業件数(4月から9月まで) 14
福島 廃業件数(4月から9月まで) 24
茨城 廃業件数(9月分のみ) 4
栃木 廃業件数(9月分のみ) 3
群馬 廃業件数(9月分のみ) 1
埼玉 廃業件数(9月分のみ) 7
千葉 廃業件数(9月分のみ) 38
東京 廃業件数(9月分のみ) 33
神奈川 廃業件数(9月分のみ) 20
新潟 廃業件数(9月分のみ) 1
山梨 廃業件数(9月分のみ) 0
長野 廃業件数(9月分のみ) 4
富山 廃業件数(4月から9月まで) 0
石川 廃業件数(4月から9月まで) 13
岐阜 廃業件数(4月から9月まで) 35
静岡 廃業件数(4月から9月まで) 38
愛知 廃業件数(4月から9月まで) 90
三重 廃業件数(4月から9月まで) 6
福井 廃業件数(4月から9月まで) 2
滋賀 廃業件数(4月から9月まで) 12
京都 廃業件数(4月から9月まで) 79
大阪 廃業件数(4月から9月まで) 153
兵庫 廃業件数(4月から9月まで) 74
奈良 廃業件数(4月から9月まで) 15
和歌山 廃業件数(4月から9月まで) 5
鳥取 廃業件数(4月から9月まで) 9
島根 廃業件数(4月から9月まで) 6
岡山 廃業件数(4月から9月まで) 16
広島 廃業件数(4月から9月まで) 30
山口 廃業件数(4月から9月まで) 12
香川 廃業件数(4月から9月まで) 16
徳島 廃業件数(4月から9月まで) 11
愛媛 廃業件数(4月から9月まで) 11
高知 廃業件数(4月から9月まで) 7
福岡 廃業件数(4月から9月まで) 57
佐賀 廃業件数(4月から9月まで) 9
長崎 廃業件数(4月から9月まで) 19
熊本 廃業件数(4月から9月まで) 14
大分 廃業件数(4月から9月まで) 5
宮崎 廃業件数(4月から9月まで) 16
鹿児島 廃業件数(4月から9月まで) 28
沖縄 廃業件数(4月から9月まで) 19
※一部の地域は9月分のみ

このように、廃業している調剤薬局の数は少なくありません。もしも「自分の調剤薬局が廃業してしまうかも」とお悩みなら、M&Aを検討するのが良いでしょう。

2. 調剤薬局業界でM&Aが盛んな理由

調剤薬局業界でM&Aが盛んな理由

調剤薬局業界では、薬価や報酬制度の改正により、利益の落ち込みが予想されています。このような状況の中で、業界のM&Aは盛んに行われているので押さえておくべきです。

買い手と売り手企業は、次のような理由でM&Aによる譲渡・買収を望んでいます。
 

  • 買い手=業界生き残りを目的とした、かかりつけ薬剤師の導入やかかりつけ薬局への移行
  • 売り手=個人経営薬局における後継者問題の解決、グループ内店舗の売却により従業員の雇用維持

それぞれについて、順番に確認していきましょう。

調剤薬局業界M&Aの買い手側

2018年度の診療報酬改定により、厚生労働省はかかりつけ薬局への切り替えを推進しています。

これに合わせて、調剤報酬が引き下げられる門前薬局とグループ薬局は、生き残りを図るために、かかりつけ薬剤師の導入や、かかりつけ薬局への移行を進めているのです。そのため、調剤薬局業界では、M&Aによる買収が増えていくことが予想されます。

買収先は、個人経営のかかりつけ薬局がターゲットになることが予想され、個人・中堅グループの調剤薬局を対象に、地域ケアを行える調剤薬局が増えてきます。

また、大手・中堅のグループ企業はスケールメリットによる利益を得ようとしてきました。そのため、利益が見込める個人薬局や、少数の姉妹店を営む薬局なども、買収の対象としています。

中堅グループも買収に積極的

診療報酬の改正は、2年ごとから毎年へと変わりました。2018年の改正よりも厳しい基準が突き付けられる可能性も少なくありません。そこで、中堅グループも生き残りをかけて、買収に乗り出しています。

対象となる調剤薬局は、調剤基本料1の条件に当てはまる個人・グループ企業の薬局です。

調剤薬局業界M&Aの売り手側

売り手側の多くは、高齢となった個人薬局です。厚生労働省による2016年の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によれば、60歳以上の薬剤師は、全体の17%ほどでした。さらに、70歳を超えた薬剤師は、大学や企業、診療所に占める割合が減り、薬局勤めの割合が高くなっているのです。

また、経営コンサルタント会社のフォーバルが2017にまとめた調査報告では、親族への事業承継は約4割に留まるとのことです。つまり、半分以上の調剤薬局がM&Aで第三者への事業譲渡を行っていることがわかります。そのため、調剤薬局業界の売り手には、身内の事業承継に悩む経営者の存在も多く見られるのです。

大手の調剤薬局も店舗を売りに出す

調剤報酬の引き下げに該当すれば、これまでのように利益を得られません。そのため、大手の調剤薬局でも、グループ内で基準をクリアするために、店舗を手放す事態が考えられます

業界での生き残りや、従業員たちの雇用を維持するためには、いくつかの店舗を売却して、経営を維持することも予想されるのです。

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3. 調剤薬局M&Aの価格相場

調剤薬局M&Aの価格相場

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/98564?title=%E8%96%AC%E3%80%80%E5%8C%85%E8%A3%85%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%8824

M&Aによる調剤薬局の価格相場を決める基準は、以下の3点です。調剤薬局を譲渡・買収では、3つの相場を合わせた額が基準となっています。
 

  1. 時価純資産価額
  2. 営業権
  3. 月の技術料と処方箋応需枚数
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

①時価純資産価額

価格相場を決めるひとつ目の指標は、時価純資産価額。純資産とは、譲渡側が所有するすべての資産から、負債を差し引いた額です。

ここでいう資産は、売り手の薬局に備わる設備(調剤機器、調剤報酬明細書を作成するレセプトなど)や、不動産、在庫の医薬品などが該当します。

時価純資産価額は、これらの純資産を時価に換算して価値相場を算出するのです。

②営業権

価格相場を決める2つ目の指標が、営業権です。譲渡する調剤薬局の営業利益から、貸借対照表に載らないリスクを引いたり、買収によって得られる付加価値を足したりした額です。

営業権は、調剤薬局が一年に得た利益を企業の価値として算出します。さらに、営業権は3~5年分を見込むため、価格相場は一年の営業権×3~5年で計算されるのです。

③月の技術料と処方箋応需枚数

価格相場を決める3つ目の指標が、月の技術料と処方箋の応需枚数です。ひと月の調剤技術料がわかると、売り上げに占める技術料を算出できます。また、処方箋を受け付ける枚数を知ることで、調剤薬局の売り上げが把握できるのです。

そのため価格相場の決定には、技術料と処方箋の応需枚数が重要視されています。

 

4. 調剤薬局M&Aのメリット

調剤薬局M&Aのメリット

調剤薬局業の譲渡・買収には、どのようなメリットがあるのでしょうか。売り手と買い手が知っておきたいメリットには、次のような特徴があります。

調剤薬局業界M&Aの買い手側メリット

M&Aで調剤薬局の買収を検討する際は、メリットを知ってから実行に移すことが大切です。M&Aで調剤薬局の買収で得られるメリットには、以下の4つが挙げられます。
 

  1. 仕入れ額を抑えられる
  2. 従業員と取引関係の確保
  3. 短期間での開業が可能
  4. 薬の管理による患者さんの囲い込み

①仕入れ額を抑えられる

複数の店舗を所有することで、製薬メーカや卸業者からの仕入れ額を低くすることが可能です。

一度の注文で大量の医薬品を仕入れると、流通にかかるコストを抑えられるため、個人経営の店舗よりも医薬品の単価を下げられます。

②従業員と取引関係の確保

既存の薬局から事業を引き継げば、即戦力となる従業員と処方箋を出している病院との関係が確保されます。これなら従業員の採用や、処方箋枚数の獲得する手間を省けるので、スムーズに事業が始められるのです。

③短期間での開業が可能

M&Aによる買収を利用すれば、内外装の工事費用・設備と医薬品の購入費・従業員の採用・取引先・患者さんなどは、買収額に含まれています。

そのため、短い期間での開業が可能になるといえるのです。

④薬の管理による患者さんの囲い込み

かかりつけ薬剤師を雇用していたり、かかりつけ調剤薬局として営業していたりする店舗を選べば、地域住民の利用を促せます。

このような薬局では患者さんごとに薬を管理し、薬の数や量・詳しい薬の情報を伝えることで、次の来店につなげています。

そのため、このような店舗を買収すれば、顧客の獲得が期待でき、市場の流れに合わせた利益の獲得が可能です。
 

調剤薬局業界M&Aの売り手側メリット

M&Aで薬局を売却したり、事業を手放したりする場合は、取り上げたメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。M&Aを通じた調剤薬局の譲渡には、以下4つのメリットが挙げられます。
 

  1. 後継者が見つかる
  2. 創業者利益を得られる
  3. 雇用と取引を引き継いでもらえる
  4. グループ薬局の力を借りられる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

①後継者が見つかる

調剤薬局の譲渡を検討することで、経営を任せられる人物が見つかります。医薬分業が進んだ1997年から20年以上の月日が経過しており、この時期に薬局を開業した経営者たちは、健康問題を抱える年齢に差し掛かっています。

後継者が必要でも、個人経営の店舗なら親族や従業員の中に、ふさわしい人物が見つからないケースも少なくありません。そこで、M&Aを行い自社を売却することにより、経営を任せられる人材の確保や、企業が薬局を引き継いでくれ存続することが可能になります。

②創業者利益を得られる

自社の売却を望んででいる経営者は、売却益の獲得を目的としています。譲渡による税金は20%と低いため、たくさんのお金を手元に残しておけるため、老後の生活費として十分なお金が蓄えられます。

また、新しい事業を立ち上げる経営者も、自社の売却を希望することがあります。そして、得られた売却益を立ち上げの資金に充てるのです。
 

③雇用と取引を引き継いでもらえる

調剤薬局業界ではM&Aによる譲渡を選べば、従業員の雇用を引き継いでもらえます。後継者が見つからない場合は、買収されたい旨を仲介業者などに伝えて、従業員の働く先を確保するのです。

また、譲渡による売却では、懇意にしてくれる病院や患者さんとの関係も引き継いでもらえます。個人の経営者が廃業で生じる不利益を気にして、営業を止められずにいるケースも少なくありません。

そこで譲渡を選択することにより、これまでの関係を継続して、心置きなく経営から退くことができるのです。

④グループ薬局の力を借りられる

M&Aを通じたグループ企業への譲渡では、薬剤師の確保やスケールメリットによる仕入れ額の抑制が実現できます。

大手・中堅の薬局グループに買収されたいと願い出ることで、「働き手の薬剤師が集まらない」「仕入れが高くつくため、利益が少ない」などの、問題から解放されるのです。

M&Aによる売却を行う際は、交渉相手探し・デューデリジェンスなどしっかりとして準備が必要になるため、M&A仲介業者のサポートを受けながら進めていくのがおすすめです。

M&A総合研究所には、調剤薬局業界の会社売却・事業承継に豊富な知識と経験を持つプロが、しっかりサポートいたします。無料相談も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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【関連】M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】

5. 調剤薬局M&Aに掛かる期間

調剤薬局M&Aに掛かる期間

調剤薬局業界でのM&Aは、完了までに6カ月から1年ほどの期間を要します。最短期間では1、2カ月という事例もありましたが、通常ではこのような短期間では完了することは、ほとんどありません。

多くの経営者は、短い期間での完了を望みますが、いくつかの原因によって交渉が長引くことがあります。
交渉が長引く主な原因には、以下の3点が挙げられます。
 

  1. 落ち込んだ業績
  2. 高い譲渡額
  3. 権利関係の交渉
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

①落ち込んだ業績

買い手は業績がよく、利益を上げられる調剤薬局を探しています。そのため、長い間業績が落ち込んでいる薬局には買い手がつくまでに時間がかかるのです。

ただし、営業権などの資産価値を有しているなら、業績が落ち込んでいても売却は可能となります。調剤薬局のM&Aを成功させたいなら、できるだけ業績改善に取り組みましょう。

 

②高い譲渡額

自社に見合わない譲渡額を提示すると、買い手が購入を避けてしまいます。売却に適う要素があっても、買い手を逃してしまい、売却のチャンスを失ってしまうことになります。

M&Aでは必ずしも希望の条件が通るとは限りません。売却を検討するなら、妥当な売却額を提示することが求められます。

③権利関係の交渉

調剤薬局の売却を実行に移すときは、株主や物件の所有者、病院・診療所への許可が必要です。売却によって得られる利益が失われる場合、これらの権利者は交渉に反対します。

そのため、納得する条件を提示したり、交渉による理解を求めたりと、M&Aが長期に渡ってしまうケースも想定されるのです。

6. 調剤薬局のM&Aを成功させるポイント

調剤薬局のM&Aを成功させるポイント

ここまでご説明したとおり、調剤薬局業界のM&Aは増加傾向にありますが、薬価改定などにより業界の状況は大きく変化しており、買い手側は買収に対し慎重にならざるを得ないケースも増えています。

調剤薬局業界のM&Aを検討する際は、タイミングや取引価格について、よりシビアに見ることが求められます。

赤字経営の状態である薬局も売却することが可能ですが、いずれにせよ適切なタイミングと価格でM&Aを実施することが重要になるため、M&A仲介業者にサポートしてもらいながら進めるのが、成功のカギともいえるでしょう。

M&A総合研究所では、調剤薬局業界のM&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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7. 調剤薬局のM&A仲介会社おすすめ6選

調剤薬局のM&A仲介会社おすすめ6選

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/1571337?title=%E6%A1%88%E5%86%85%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A5%B3%E6%80%A7%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E5%93%A1

調剤薬局の譲渡・買収を考えるなら、おすすめの仲介業者を知っておきましょう。

ここでは、M&Aによる豊富な成約案件を掲げる企業や、調剤薬局業に特化した仲介業者のほか、オンライサービスを通じて案件を紹介する企業などを取り上げています。

  1. M&A総合研究所
  2. MACアドバイザリー
  3. 日本M&Aセンター
  4. M&Aキャピタルパートナーズ
  5. ストライク
  6. 東京MAパートナーズ
調剤薬局業界でのM&Aについて、どこに相談すれば良いのかがわからない方はぜひそれぞれについてチェックしてみてください。

おすすめ仲介会社① M&A総合研究所

M&A総合研究所

調剤薬局のM&Aを希望するなら、M&A総合研究所の利用をおすすめします。手数料は、契約が締結されたときに支払うため、高額な着手金を必要としません。

担当する公認会計士は、相談から契約を結ぶまでをフルサポートし、最短で3~6カ月の期間での譲渡・買収が可能なスピード対応が魅力です。

調剤薬局業界での実績も豊富なので、安心して任せられます。まずは無料相談をしてみるのが良いでしょう。

【関連】調剤薬局のM&A・事業承継ならM&A総合研究所

おすすめ仲介会社② MACアドバイザリー

MACアドバイザリーのWEBページ

出典: http://www.mac-advisory.jp/

調剤薬局・ドラッグストアのM&Aを専門に扱う企業で、仲介業のほかに企業のコンサルや調剤薬局の運営なども行っています。

成約に至った案件は、100件以上。年間10数件の成約案件をこなしています。調剤薬局業界での長いキャリアを持ち、確かな信頼を得ている仲介業者です。

手数料は成約に至ったときに徴収する成功報酬型を採用。企業への負担を軽減した仲介事業を提供しています。成約後のフォローも、魅力の1つです。

おすすめ仲介会社③ 日本M&Aセンター

日本M&AセンターのWEBページ

出典: https://www.nihon-ma.co.jp/

M&Aの仲介会社で、多数の成約案件をこなしてきた企業。東証一部に上場し、4,000件に達する案件を成約に導いています。

対象とする案件は中堅と中小企業。情報の漏洩や法令順守を徹底し、最適な売り手・買い手を紹介しています。

全国に広がるネットワークを使い、調剤薬局業界での案件も数多くこなしてきました。無料相談による受付も行っているため、気軽にM&Aの相談が行えます。

おすすめ仲介会社④ M&Aキャピタルパートナーズ

M&AキャピタルパートナーズのWEBページ

出典: https://www.ma-cp.com/

中堅・中小企業に特化したM&Aの仲介会社、東証一部に上場する企業であり、数多くの成約案件をこなしています。2018年9月期の成約実績は337件で、このうち調剤薬局業界での成約案件は30件でした。

取り扱う案件も豊富で、同業のレフコ社とパートナシップを結び、譲渡案件を共有しています。

料金は中間金から発生し、着手金は無料です。案件ごとに専任のコンサルタントが就いてくれるため、途中で担当者が変わることがありません。安心して成約までのサポートを任せられます。

おすすめ仲介会社⑤ ストライク

ストライクのWEBページ

出典: https://www.strike.co.jp/

M&Aに通じた公認会計士を中心として始められた仲介会社。M&Aの仲介業のほか、企業・財務のコンサルや、デューデリジェンスなどを行っています。2018年8月期の成約案件数は88で、このうち調剤薬局業界での案件は5件でした。

企業の特色は、1999年に始めたインターネットを活用したマッチングサービスです。日本で初めてとなるネット上のサービス「M&A市場SMARTTM」を提供し、調剤薬局を含めた案件を掲載しています。

サポート内容は、相談から成約まで。場合によっては、相手企業の企業価値・財務状況を調べるサービスも提供しています。

おすすめ仲介会社⑥ 東京MAパートナーズ

東京MAパートナーズのWEBページ

出典: https://www.tma-partners.co.jp/

調剤薬局業界でのM&Aに特化した日本初の仲介会社。取り扱う案件は中小企業を主に取り扱っています。多数の成約実績を持ち信頼される取引を続けており、M&Aの仲介は15年のキャリアを持つ担当者が行う会社です。

1薬局だけを譲渡する場合は、手数料を無料としているほか、相談でも料金を徴収していません。さらに、企業の価値を調べる「薬局価値査定サービス」を無料で提供しています。

以上が、調剤薬局業界で相談しやすいM&A仲介会社でした。ここからは、調剤薬局業界でのM&A事例を見ていきましょう。

8. 調剤薬局業界でのM&A事例5選

調剤薬局M&Aの事例

この章では、近年に行われた調剤薬局業界のM&Aから、5つの事例をご紹介します。買収した企業・買収された企業のほかに、買収を行った理由にも触れているのでぜひ押さえてください。

  1. アインHDによる新潟・調剤薬局2社の買収
  2. ソフィアホールディングスによるケイアンドワイ・薬局事業の買収
  3. メディカル一光によるエファーの買収
  4. カメイによるM2メディカルの買収
  5. メディカルシステムネットワークによるアポテックの買収
それぞれの調剤薬局業界M&A事例について、順番に確認していきましょう。

①アインHDによる新潟・調剤薬局2社の買収

1つ目の事例は、2018年の8月に発表されたアインHDによる買収です。買収された企業は、新潟県で事業を展開するコム・メディカルと、ABCファーマシー。アインHDは、それぞれの株式を取得し、子会社とする予定です。

買収の理由は、地域密着型の薬局を目指すために、かかりつけ薬剤師・薬局の強化を図ったとしています。買収された2社は、新潟県を中心に56の店舗を構え、地域住民の医療ケアを行っている会社です。自社が掲げる方針にマッチすると考え、買収を決めました。

②ソフィアホールディングスによるケイアンドワイ・薬局事業の買収

2つ目の事例は、2018年8月に決議されたソフィアホールディングスによる買収です。買収を行ったのは、連結子会社のルナ調剤で、買収された企業はケイアンドワイが所有する2つの薬局(オリーブ薬局とソレイユ薬局)です。

買収を行った理由は、事業の選択と集中のためであり、買収されたオリーブ薬局とソレイユ薬局は、岩手県盛岡市で事業を展開していることから、該当地域へのスムーズな進出が狙いといえます。

ソフィアホールディングスは、調剤薬局向けのシステム開発事業から手を引きました。調剤薬局事業へ進出することで、経営の立て直しを図ります。

③メディカル一光によるエファーの買収

3つ目の事例は、2018年の2月に発表されたメディカル一光による買収です。買収された企業は、調剤薬局を運営するエファー。株式のすべてを取得することで、エファーを子会社とします。

買収を行った理由は、調剤薬局事業の拡大と地盤を強化するためです。買収されたエファーは埼玉県に店舗を構えています。メディカル一光は買収により、埼玉県内でのグループ店舗を3つに増やして、調剤事業の拡大を促進、収益の増加を見込んでいるのです。

④カメイによるM2メディカルの買収

4つ目の事例は、2018年4月に発表されたカメイによる買収です。買収された企業は、宮城県仙台市に拠点を構えるM2メディカル。株式のすべてを取得することで、展開する2店の調剤薬局をグループの傘下に加えました。

買収を行った理由は、ファーマシー事業(調剤薬局事業)を強化するためです。買収されたM2メディカルは、宮城県仙台市の企業。仙台市内の16店舗に2店舗を加えることで、かかりつけ薬局による地域へのサポート力を高められると考えています。

⑤メディカルシステムネットワークによるアポテックの買収

5つ目の事例は、2017年12月に発表されたメディカルシステムネットワークによる買収です。買収された企業は、青森県八戸市に本社を構えるアポテックです。

メディカルシステムネットワークはアポテックの全株式を取得してアポテックを連結子会社、アポテックの子会社を孫会社とする予定です。

買収を決めた理由は、かかりつけ薬局の強化と、ドミナント戦略による収益の向上です。買収されたアポテックは、在宅医療のノウハウを所有しています。メディカルシステムネットワークは、このノウハウを活用してサービスを強化、ドミナント化により東北地方の店舗を増やして、効率のよい経営を目指しているのです。

以上、調剤薬局業界のM&A事例でした。今回ご紹介した事例以外にも、調剤薬局業界ではさまざまな案件が扱われています。

9. 調剤薬局のM&A案件一覧

ここでは、実際に公開している調剤薬局のM&A案件をご紹介します。調剤薬局のM&Aを検討中の方で、興味のある案件がありましたら、M&総合研究所までお気軽にお問い合わせください(相談無料)。

買収されたい薬局 情報①
売上高(円)
情報②
譲渡理由
情報③
地域
情報④
店舗数
情報⑤
形態
門前薬局 1~2.5億 ドミナント戦略
から外れた地域にあるため
中国 1 個人
調剤薬局 2.3億 非公開 関西 1 非公開
門前薬局 1億 従業員不足 四国 1 個人
門前薬局 約1.1億 別の薬局に事業を
集中させるため
関東 1 個人
門前薬局 5千万~1億 非公開 関東 1 個人
面受け薬局 約8千600万 経営者のリタイア 甲信越 1 個人
門前薬局 5千万~7千万 後継者不足 甲信越 1 個人
マンツーマン薬局 約5千800万 人材不足 東北 1 非公開
グループ薬局 3千万~5千万 別の事業に集中するため 関東 非公開 法人
門前薬局 3千万~4千万 事業戦略が変わったため 沖縄 非公開 個人

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

10. まとめ

まとめ

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/639043?title=%E8%96%AC%E5%B1%80%E3%81%AB%E5%85%A5%E3%82%8B

調剤薬局業界では、今後も活発なM&Aが続くことが予想されます。大手のグループ薬局では、スケールメリットを強めて利益を獲得、中堅グループと複数の店舗を抱えるオーナーは、ドミナント戦略などで特定のエリアへの出店を検討していることが多いです。

一方、個人の薬局では、高齢化や後継者・人材不足・薬価の引き下げ・制度の改正などにより譲渡を希望する経営者が増加する見込みとなっています。

M&Aを通じた譲渡先には、ドミナント戦略に該当する店舗のほか、かかりつけ薬局が選ばれるでしょう。特にグループ薬局では、今後の改定を見越して、採算の取れない店舗を売却し、かかりつけ薬局の買収を行っています。

2018年以降も調剤薬局の譲渡・買収は続くことが想定されますが、M&Aを成功させるには、M&A仲介業者などプロのサポートが欠かせません。

M&A総合研究所では、調剤薬局業界のM&Aに豊富な知識と経験を持つプロが選任につきフルサポートいたします。無料相談も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

調剤薬局業界でのM&Aを成功させ、心配事をなくしましょう。

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