M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aには、企業価値評価(バリュエーション)が大事な売買価格の指標になりますが、その算出方法は様々あります。また、上場企業では時価総額がありますが、それとは別のものです。企業価値評価(バリュエーション)とは何か?その算出方法はどんなものか?について解説します。

目次

  1. M&Aの企業価値評価(バリュエーション)簡単まとめ
  2. M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?
  3. 企業価値を評価する算定方法
  4. 企業価値の影響力
  5. 上場企業の企業価値算定方法
  6. 未上場企業の企業価値算定方法
  7. 企業価値評価を向上させるには?
  8. 企業価値評価を向上させている会社の事例
  9. 企業価値評価に関するおすすめの本
  10. まとめ
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1. M&Aの企業価値評価(バリュエーション)簡単まとめ

企業価値評価とは、会社の価格のことです。「エンタープライズ・バリュー(Enterprise Value : EV)」と呼ばれることもあります。

M&Aにおいて売り手企業の譲渡価格のベースとなるため、企業価値評価は大変重要です。M&Aにおいては、インカムアプローチのDCF法がよく用いられます。インカムアプローチを含め、企業価値評価の方法は以下の3つです。

  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

この記事では、M&Aにおける企業価値評価の方法や企業価値評価向上のポイントを解説。

企業価値評価は、ある程度知識があれば計算することが可能です。しかし、M&Aにおいてとても重要な数字となるため、専門家に相談することをおすすめします。

今回の記事を読んで、「やっぱり自分で進めるのは難しそうだな……」「専門家に力を借りたい」と感じた方は、お気軽にご相談ください。企業価値評価に詳しい会計士や弁護士が親身になってアドバイスさせていただきます。

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2. M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?

M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?

企業価値評価とは、一言で言えば「会社の値段」のことです。「エンタープライズ・バリュー(Enterprise Value : EV)」と呼ばれることもあります。

M&Aにおいて、売り手側と買い手側の価格交渉における、判断基準の土台として用いられることがあります。

企業価値と時価総額の違い

企業価値は「企業が現在保有している資産」と「将来に稼ぐ利益」を元に算出します。

一方で時価総額とは、ある意味では企業価値と同じとも考えられるのですが、時価総額は主として上場企業を対象とするもので、発行済み株式数と株価を掛け合わせて算出される金額です。そして株価とは、市場の期待と予想によって数字が出され、大きく変動します。

企業価値と株価は全く無関係ではないものの、株価は市場の期待と予想を反映した結果論と言うことができますので、株価を元に算出される時価総額と、企業価値が乖離してしまうことがあります。

企業価値が問われる場面

企業価値評価は、M&Aでの価格交渉における判断基準の土台として用いられますが、そこで何を判断するかというと以下になります。
 

  • オファーする価格の検討(売り手側)
  • 投資するべきか否かの検討(買い手側)

また、企業価値評価は以下のような場面でも活用されます。
 
  • 投資判断(ベンチャーキャピタルや金融機関)
  • 相続税の評価(株式を譲渡する事業承継の場面)
  • 経営戦略の策定

このように経営において企業価値評価は大変重要です。常に企業価値(バリエーション)を高めておくことを経営者には求められます。

3. 企業価値を評価する算定方法

企業価値を評価する算定方法

企業価値を高めていくにあたって、企業価値をどのように評価するのかを知っておかなければなりません。そこで、企業価値評価を算出する方法で、代表的なものを紹介します。

M&Aの現場でよく使われるのは、インカムアプローチの中のDCF法です。

まずは3つのアプローチ方法を確認しましょう。

  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

順番に確認していきましょう。

企業価値評価方法1.コストアプローチ

コストアプローチとは、企業の純資産を基準に企業価値評価をする方法です。最も簡単な方法で、すでにある帳簿上の結果をもとに算出されますので、客観性には優れています。

①時価純資産価額法による算定

時価純資産価額法とは、帳簿上のすべての資産と負債を時価で再評価したうえで、純資産の金額を計算して企業価値評価をする方法です。

貸借対照表上の資産と負債だけでなく、計上されていない無形資産についても時価評価することでオンバランス化します。ただし、無形資産の評価が難しい場合は、そのオンバランス化は実務上省くこともあります。

時価純資産価額法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

②修正簿価純資産法による算定

修正簿価純資産法とは、時価純資産価額法と似ていますが、すべての資産と負債を再評価はしません。有価証券や土地・建物などで含み損益が大きく、かつ、時価を算出しやすい項目のみ時価修正して企業価値評価をする方法です。

修正簿価純資産法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

時価純資産価額法による算定事例

以下の簡易な貸借対照表の事例で検討します。
 

資産 負債
売掛債権 100 買掛債権 50
有形固定資産 400 固定負債 300
無形固定資産 200 純資産 350
合計 700 合計 700

【資産の時価算定要素】

  • 売掛債権の回収不能分:10
  • 有形固定資産(土地)の評価含み益:50

【負債の時価算定要素】

  • 他社の債務保証(オフバランス):200×リスク50%

  • 資産の時価評価=売掛債権100-10+有形固定資産400+50+無形固定資産200=740
  • 負債の時価評価=買掛債権50+固定負債300+債務保証(オフバランス)200×リスク50%=450
  • 資産740-負債450=純資産(企業価値評価)340

貸借対照表上の純資産は350でしたが、時価評価した結果の企業価値評価は340となりました。

企業価値評価方法2.インカムアプローチ

インカムアプローチとは、将来期待される収益(インカム)やキャッシュフローを、その実現に見込まれるリスク等を考慮した割引率で割引くことによって、企業価値評価をする方法です。

①DCF法による算定

DCF法とは、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引く(ディスカウント)ことで企業価値評価をする方法です。売却する会社の売却する資産や事業計画書などをもとに、M&Aの後にどれだけの収益・キャッシュフローが見込めるかを計算して算定します。

DCF法では、企業が将来に生み出せるであろう収益の期待や予測を反映することができます。これにより、修正純資産法(後述)では困難である、のれん等の無形資産の評価も行うことができます。

DCF法は、M&Aで企業価値評価を行う場合、最もよく使われる方法です。

DCF法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

②収益還元法による算定

収益還元法とは、分子に平均収益、分母に資本還元率を用いて企業価値評価をする方法です。

資本還元率は、市場金利や長期国債利回りなどに危険率を加味したものです。この場合の危険率とは、評価をする会社の規模・業種・経営環境・市場動向などのリスクを総合的に判断して決定します。

ベースとなるのが平均収益なので、ベンチャー企業などのように、これから収益が拡大することが期待される企業の企業価値評価には適していません。

収益還元法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

DCF法による算定事例

DCF法による企業価値評価は、以下のステップで行われます。順番に見ていきます。

  1. 将来のフリーキャッシュフロー予測
  2. 割引率の算出※
  3. 企業価値評価

1.将来のフリーキャッシュフロー予測

フリーキャッシュフローは、以下の計算式です。
  • フリーキャッシュフロー=税引後営業利益+減価償却費-設備投資等±運転資本等の増減

少なくとも5期分は必要なので、5期分を以下の事例とします。
 
1 2 3 4 5
税引後営業利益 20 30 50 50 50
減価償却費 5 5 10 10 10
設備投資 0 10 30 10 10
運転資本等の増減 0 -5 -10 0 0
フリーキャッシュフロー 25 20 20 50 50

2.割引率の算出
割引率は、企業の自己資本コストと負債コストを加重平均して計算したものであるWACC(加重平均資本コスト)を使用することが一般的です。

WACCの算出は複雑なので本欄では詳細は省略しますが、ここでは5%とします。つまり、割引率は5%です。

3.DCF法による企業価値評価
DCF法による企業価値の算出方法は、以下の計算式です。
  • 1期目のフリーキャッシュフロー/(1+割引率)
  • +2期目のフリーキャッシュフロー/(1+割引率)²
  • +3期目のフリーキャッシュフロー/(1+割引率)³
  • +4期目…

これを1から2までを元に当てはめると
  • 1期:25/(1+0.05)≒24
  • 2期:20/(1+0.05)²≒18
  • 3期:20/(1+0.05)³≒17
  • 4期:50/(1+0.05)⁴≒41
  • 5期:50/(1+0.05)⁵≒39
  • 合計(DCF法による企業価値評価)=139

このDCF法のケースでは、5年後までのキャッシュフローをもとに事業価値を算定していますが、5年後のキャッシュフローが6年以降も永続的に続くものとして算出する方法もあります。これをターミナル・バリューといいます。

企業価値評価方法3.マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、株式市場において成立する価格をもとに、企業価値評価をする方法です。

①類似業種比準方式による算定

類似業種比準方式とは、評価対象の企業と同一業種・同一規模の標準的な企業とを比べて、企業価値評価をする方法です。

ただしこの方法は、主に相続税の算定において、企業の純資産を基準に企業価値評価をしたら税負担が重くなってしまう場合に使用されます。

したがって、国税庁が定める「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」に沿って算出することになります。算出の要素となるのは、標準的な企業における株価、配当金の額、利益の額、純資産の帳簿上の額です。

類似業種比準法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

②類似会社比準方式による算定

類似会社比準方式とは、M&Aの対象となっている企業と同一業種・同一業界の上場企業の株価をもとに、企業価値評価をする方法です。

この算出方法では、M&Aの対象となる会社の価値が低くても、その業界自体の価値が高い場合には、相場金額が高くなる可能性がありますし、その逆の場合もあります。また、ベンチャー企業等で類のないビジネスモデルや商品・技術を有する企業の場合、類似する上場企業がない場合があります。

類似会社比準法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

類似業種比準方式による算定事例

類似業種比準方式の計算式は以下の通りです。類似業種のデータは、国税庁のWebサイトにありますので、自社に該当する数字を当てはめます

  • 類似業種の株価
  • ×(自社の配当/類似業種の配当+自社の利益/類似業種の利益+自社の簿価純資産/類似業種の簿価純資産)/3
  • ×0.7(大会社) or 0.6(中会社) or 0.5(小会社)

なお、株価、配当、利益、純資産は、いずれも一株当たりの数字です。

また、大会社か中会社、もしくは小会社に該当するかは、細かい規定があるのですが本欄では省きます。そしてここでは、従業員100人、純資産5億円、売上高100億円の総合スーパー(小売業)が該当する大会社とします。

【類似業種の株価】
「各種商品小売業」の2年間平均を採用するとして、392
※課税時期の属する月、その前月および前々月と、過去2年間の平均から選ぶことができます。

【自社の一株当たりの数字】
  • 自社の配当金額:1
  • 自社の利益:5
  • 自社の簿価純資産:200(つまり、発行済み株式数は250万)

【類似業種の一株当たりの数字】
  • 類似業種の配当金額:2.6
  • 類似業種の利益:21
  • 類似業種の簿価純資産:180

これを計算式に当てはめます。
  • 392
  • ×(1/2.6+5/21+200/180)/3
  • ×0.7
  • ≒155(一株当たりの株価)

一株当たりの株価155×発行済み株式250万=3億8,750万円

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M&Aを前提とした企業価値評価はM&A総合研究所で無料で行います。一定の企業情報を開示していただければ、無料で企業価値評価を算出いたします。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

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4. 企業価値の影響力

企業価値の影響力

企業価値がどんな場面につながり、影響力を発揮するのかを紹介します。

企業価値の影響力に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

影響を及ぼすとされる事柄は以下の通りです。

  1. M&AやTOBに影響
  2. 金融機関の融資に影響
  3. 中小企業は倒産対策に影響
  4. 株価への影響

順番に確認していきましょう。

M&AやTOBに影響

企業価値評価は、M&Aで売るか買うかの意志決定における大きな指標となります。

売る側にとっては、企業価値評価をして会社がどのくらいで売れそうかわからないと、誰に売ればよいか分かりません。また買いたい相手が現れたとしても、その相手が提案した買収価格が適切なのかどうかすら理解できません。

これらは、買う側から逆に考えても同様です。

また、上場企業に対してTOB(株式公開買付。一定数以上の上場株券等を買付ける目的で行う)を実施する場合においても、その買付価格とは通常、DCF法等により算定された株式価値を参考にして決定されます。ここでも企業価値評価が大きな役割を果たします。

金融機関の融資に影響

金融機関は融資判断において直接に、詳細な企業価値評価は行いませんが、限りなくこれに近いことは行っています。まして近年では、融資判断における担保主義からの脱却し、融資の返済原資となる将来のキャッシュフローを重視する方向に動いています。

キャッシュフローを重視するということは、インカムアプローチによる企業価値評価が高い方が融資においては強みとなることを意味しますし、当然ながら純資産が大きい=コストアプローチによる企業価値評価が高い方が、銀行の融資は受けやすいです。

中小企業は倒産対策に影響

「金融機関の融資に影響」とつながる話ではありますが、日本の中小企業のほとんどは、金融機関の融資を受けられなければそれだけで倒産に繋がる危険性が限りなく高いです。

裏を返せば、金融機関の融資判断につながる企業価値評価を高める努力をすることは、倒産対策をしていることと同じことを意味しています。また企業価値評価を高めることができれば、より経営基盤の強固な、資本の大きな企業の傘下に入ることも不可能ではありません。

株価への影響

前半の「M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?」では、上場企業の時価総額は企業価値評価と乖離してしまうことがあると述べました。

ただし、上場企業の時価総額の算出要素の一つである株価も、理論的には企業価値評価を全く無視したものではありません。なぜなら、株価に反映される市場の期待や予測も、企業価値評価の要素を全く無視したものにはならないからです。ただ、市場に参入している多くの人のバイアスがかかって、株価およびそれを元にした時価総額と、企業価値評価が乖離してしまうことがあるということです。

一方で上場していない企業においては、株式の市場価格はありません。主に企業価値評価の方法によって、株価が算出されます。

一方で、上場・非上場に関係なく、企業価値評価を向上させるための取組は、ダイレクトに株価を向上させる取り組みです。

以上の4つの事柄に、企業価値評価は大きく影響を及ぼします。どれを見ても、経営をしていく上で大切なことばかりです。つまり、常に企業価値評価を高めておくことが経営者に求められています。

どのように企業価値評価を高くしていくべきかを考えていくべきと言えるでしょう。

5. 上場企業の企業価値算定方法

上場企業の企業価値算定方法

上場企業であれば、1株あたりの株価×株式数で、株式の時価総額、つまり実際に取引されている相場で計算された純資産額(=企業価値)を算出することができます。

しかしながら、「M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?」などでも述べた通り、時価総額は市場の期待と予想、つまり市場に参入している多くの人のバイアスがかかって算出されたもので、企業価値評価の方法で算出される金額とは乖離が生まれることがほとんどです。
 
株価を基準にしてはいけないということではないですが、上場企業においては株価を参考にしつつ、複数の企業価値評価方法を折衷させて企業価値評価を算出することがあります。つまり、絶対的な評価はありません。

上場企業の企業価値算定方法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

6. 未上場企業の企業価値算定方法

未上場企業の企業価値算定方法

上場していない企業の場合、株式の市場価格はありません。したがって、何もしていない状態では、株価のような参考となる指標は何もありません。
 
また、実際に株式を売買する場面で代表的なM&Aでは、最終的には相対取引の個別交渉でで取引価額は決定されます。したがって、企業価値評価をしなくても当事者同士の言い値で決めることもできなくはありません。

しかしながら、実際には妥当な取引価額の目安がまずあって、そこから話を詰めていく場合がほとんどです。そうしないと、売る側も買う側も、これからやろうとしている売買が金額に対して妥当なものなのか、全く判断がつかないからです。
 
したがって企業価値評価を行う必要がありますが、それは企業の規模や目的に応じて、ふさわしい評価方法が選択されます。中小企業においても絶対的な評価はありませんが、ある程度の規模や人員、資産などを持っている中小企業であれば、よく使われる方法はDCF法です。

未上場企業の企業価値算定方法に関する、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

7. 企業価値評価を向上させるには?

企業価値評価を向上させるには?

これまでに見てきたように企業価値評価を常に高めておくことで、経営を安定させたり、最善の経営戦略を取ることができます。そのため、企業価値評価を高めることはとても重要なことといえるのです。

そこで、企業価値評価を向上させるために、どのようなことをすべきかを紹介します。企業価値評価を向上させるために必要な以下の4つです。
 

  1. 収益性を向上させること
  2. 投資効率を向上させること
  3. 従業員の愛着心を向上させること
  4. 財務の最適化を行うこと

しっかりと上記の4つのことを実践し、企業価値評価を高めましょう。

企業価値評価を向上させるための参考になる、本 おすすめとは、日本公認会計士協会出版局から出版されている『企業価値評価ガイドライン』です。

方法1.収益性を向上させること

企業価値の向上には収益性の向上は欠かせません。収益ですから、売上高の増やすことはもちろん、販管費や売上原価、営業外費用などのコスト削減による利益率の向上も大事です。

利益の増加によって将来のキャッシュフローが増加しますし、それはまた純資産が増えることにも直接につながります。すなわち、企業価値評価の向上です。

方法2.投資効率を向上させること

自社の資産の投資効率を向上させることも、企業価値評価の向上には重要です。

固定資産であれば、それが望ましいキャッシュフローを生み出しているかを見る必要があります。それができておらず維持費用が重荷になってしまっているような場合は、資産を入れ替えるスクラップ&ビルドをした方がよりキャッシュフローを生み出し、企業価値評価の向上につながる可能性があります。

流動資産であれば、在庫回転率、売上債権回転率などを見ていく必要があります。同じ収益性でもこれらが短くなるだけで、キャッシュフローの回転は良くなり、企業価値評価の向上につながります。また間接的には、運転資金のための借入金を圧縮できることにもなります。

方法3.従業員の愛着心を向上させること

従業員の会社に対する愛着心を向上させることも重要です。

従業員ひとり一人が企業の戦略や目的を理解した上で、自身のパフォーマンスを最大化させることができれば、売上高の向上=企業価値評価の向上につながります。優れたリーダーシップを発揮できる人材の育成と、職場環境を構築することが必要です。

そのためには、具体的には以下の要素を整備していくことが考えられます。
 

  • リーダーシップ
  • 適度なストレス
  • 業務量のバランス
  • ゴール・目標の明確化
  • 上司との関わり方
  • 企業イメージ・ミッション

方法4.財務の最適化を行うこと

財務の最適化も重要になってきます。具体的には「負債の節税効果」が考えられます。

収益性の高い事業を行っている場合、負債を増やすことで、有利子負債にかかる支払利息を税法上の損金に算入できます。これにより納税額を減らすことができれば、キャッシュフローの増加、しいては企業価値の増加につながります。

ただし、有利子負債はうまく使いこなせば便利ですが、過剰では意味がありません。また適切な知識がないまま運用すれば、脱税と判断される恐れもありますので、財務の最適化を測る際は税理士に監査してもらうことも必要です。

M&Aを検討しているならM&A総合研究所へご相談ください

M&Aを検討しているのであれば、M&A総合研究所へご相談ください。企業価値評価を無料で算出いたします。

M&A総合研究所であればM&Aに強い公認会計士があなたのM&Aをフルサポート!専門知識が豊富なので、スムーズにM&Aを成立さることができます。

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まずは、無料相談からお待ちしております。

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8. 企業価値評価を向上させている会社の事例

企業価値評価を向上させている会社の事例

日本取引所グループが、企業価値向上表彰というものを行っています。

最新の2017年における大賞は、塩野義製薬でした。大賞となったポイントの施策は、以下の通りです。
 

  • 投資者との対話に積極的に取り組み、企業価値向上につなげていること
  • 投資者視点を意識した経営目標を設定して公表し、その成果が現れていること
  • 企業価値向上の実現に向けた経営管理の仕組みを構築していること
  • 企業価値向上の意識や経営管理の仕組みが組織に浸透していること

また、塩野義製薬は施策を実施しただけでなく、それをきちんと成果として表すことができたことが、大賞受賞の大きな評価要素だったようです。

例えば、6年間の中期経営目標で、資本生産性を表す管理指標(ROE、ROIC)に自社の資本コストを大きく上回る水準の目標値を設定していましたが、それを3年間で達成してしまったことなどです。

9. 企業価値評価に関するおすすめの本

企業価値評価に関するおすすめの本

企業価値評価について少しでも知りたいと考えたら、以下の本をおすすめします。

  • 企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践
  • 企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践
  • バリュエーションの教科書
  • 企業価値評価ガイドライン

どのような内容が書かれているのか紹介していきますので、詳しく確認しましょう。

企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践

本 おすすめ第一弾は『企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践』です。
 

出版社 ダイヤモンド社
ページ数 524ページ
価格(税込) 4,536円


DCF法による企業価値評価の本家、マッキンゼー・アンド・カンパニーがまとめた企業価値評価の一冊で、発売以来25年超のロングセラーです。

やや学者向けの本格的なもので高価ですが、時代の実務ニーズに細やかに対応すべく改定されてきています。第6版では、「スタートアップのように発生時点で費用計上される研究開発費やマーケティング費用」への対応や、「必要資本が小さいビジネスへの対応法」などが加えられています。

企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践

本 おすすめ第二弾は『企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践』です。
 

出版社 ダイヤモンド社
ページ数 524ページ
価格(税込) 4,536円

これは上記『企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践』の下巻です。

バリュエーションの教科書

本 おすすめ第三弾は『バリュエーションの教科書』です。
 

出版社 東洋経済新報社
ページ数 244ページ
価格(税込) 2,808円

著者はグロービス経営大学院教授で、ゴールドマン・サックスにてM&Aアドバイザー業務に従事した経験もあります。また、M&Aを題材にしたテレビドラマと映画の監修を行ったこともあります。

複雑な理論やモデルよりも、企業価値評価の全体像や、「そもそも価値とはどういうことか?」といったところから、実務に即した形で企業価値評価を解説していく形を取っています。

全く財務的な知識がなければ難しいかもしれませんが、企業価値評価のビジネスにおける立ち位置や意味を含めて理解しやすい一冊です。

企業価値評価ガイドライン

本 おすすめ第四弾は『企業価値評価ガイドライン』です。
 

出版社 日本公認会計士協会出版局
ページ数 431ページ
価格(税込) 2,808円

日本公認会計士協会が、株式の価値を評価する場合の実施・報告についてまとめた企業価値評価ガイドラインになります。

企業価値評価ガイドラインには、実務で使えそうな内容が、丁寧に凝縮されて書かれています。また、企業価値評価ガイドラインは、公認会計士・弁護士・企業経営者・M&A推進者に好評の一冊で、特におすすめです。

M&Aについての知識を深めたいのであれば「M&Aの勉強になる本・書籍おすすめ30選〜初心者にもわかりやすい」でたくさん書籍をご紹介しています。参考にしてください。

10. まとめ

企業価値評価とは、一言で言えば「会社の値段」のことです。「エンタープライズ・バリュー(Enterprise Value : EV)」と呼ばれることもあります。

M&Aにおいて、売り手側と買い手側の価格交渉における、判断基準の土台として用いられることがあります。経営をしていくにあたって企業価値評価は常に高い状態を保っておくことが重要です。

企業価値評価は以下の3つの方法で算出することができます。

  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

算出方法を詳しく知っておくことで、企業価値をどのようにあげていくべきか経営戦略を考えることが可能です。

もし、M&Aを前提とした企業価値を算出したいのであればM&A総合研究所へお気軽にご相談ください。M&A総合研究所であれば無料で企業価値を算出いたします。

ほかにも、M&Aの相手企業の紹介やM&A戦略の策定など、M&Aに必要な業務をフルサポート!M&Aに強い公認会計士がコンサルタントとしてあなたのM&Aをサポートいたします。

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