2023年09月26日公開
M&Aのマッチングサイトを徹底解説!選び方やメリット・成功させる方法は?
オンライン上でM&Aの相手企業を探すことができる「M&Aマッチングサイト」は、多くの企業から注目を集めるサービスです。当記事では、サイトの選び方やマッチングを成功させる方法に触れながら、M&Aマッチングサイトの仕組みや魅力を解説します。
目次
1. M&Aのマッチングサイトとは
M&Aマッチングサイトは効率的に売却・買収企業候補を探せるため、多くの企業から注目されています。ここでは、M&Aマッチングサイトが提供するサービスと種類を押さえましょう。
M&Aの売り手・買い手をマッチングさせるサービス
M&Aのマッチングサイトとは、オンライン上で売却側企業と買収側企業をつなぐマッチングサービスのことです。利用すると、サイトに登録された企業のデータベースから自社のM&Aニーズや買収・売却条件に合致した相手候補を見つけることができます。
M&Aの相談窓口・機関に直接出向く必要が無いため、効率的にM&Aの候補選びを進められる点が魅力です。選定の時点では企業名は伏せられており、個別に企業へ情報リクエストを送ることで詳細情報を閲覧できます。(マッチングサイトでの具体的な流れは後ほど解説します。)
M&Aのマッチングサイトの種類
売却企業と買収企業をつなぐM&Aのマッチングサイトには、さまざまな種類が存在します。ですので自社の目的やニーズ、分野に適合したマッチングサイトを使わなければ、労力をかけても相手企業が見つからず、成果が得られなくなるかもしれません。
M&Aマッチングサイトには、主に以下のような種類が存在します。それぞれのマッチングサイトにおける特徴を確認しましょう。特徴を押さえた上で、自社状況に最適なサイトを選んでください。
- M&Aマッチングサイト(プラットフォーム型)
- 仲介会社によるM&Aマッチングサイト
- アドバイザー紹介型マッチングサイト
- 業種に特化したM&Aマッチングサイト
- 海外企業とのM&Aのためのマッチングサイト
M&Aマッチングサイト(プラットフォーム型)
これは、一般的なM&Aのマッチングサイトで、数あるサイトの中でも最も主流なものです。プラットフォームで、売却側・買収側がそれぞれのニーズに合った相手候補を見つけることができます。サイトに登録されている企業間でマッチングを行うのが特徴です。
インターネットに接続しオンライン上で相手候補を見つけられるので、コストがあまり掛からないという点が魅力として挙げられます。ただし、M&Aのマッチングのみに特化しているため、M&Aの条件交渉など詳細な手続きは、別途専門家に依頼しなければなりません。
多くの場合、M&Aのマッチングサイト上で詳細な手続きを依頼できる仲介会社の紹介も行っています。直接交渉することもできますが、専門知識が求められるためおすすめではありません。
仲介会社によるM&Aマッチングサイト
中には、M&A仲介会社がM&Aマッチングサイトを運営しているケースもあります。仲介会社なので具体的なM&A交渉も任せられる点が強みですが、多くの場合サービスを提供する仲介会社との契約(アドバイザリー契約)が必須です。
仲介会社にこだわりがなければ、一貫してM&Aを進められるこちらのタイプが良いでしょう。ただし、サイトによっては利用する前にM&A仲介会社との契約が必要な場合もあるので、事前に確認してからの利用をおすすめします。
アドバイザー紹介型マッチングサイト
アドバイザー紹介型マッチングサイトは、M&Aの手続きにおけるアドバイザーと相手企業のマッチングを行うことができるハイブリッド型サイトです。自社状況やニーズに最適なアドバイザーを紹介し、そのアドバイザーを介して相手企業との交渉に進みます。
こちらも相手企業選びから仲介会社の選定まで一貫して行えるため効率的と言えます。多くの場合利用料は無料ですが、アドバイザーとの委託契約前提で利用しなければなりません。
業種に特化したM&Aマッチングサイト
M&Aマッチングサイトの中には、特定の業種に特化しているものも存在します。全業種を扱う一般的なM&Aマッチングサイトを利用するよりも候補企業を見つけやすく、効率的です。まずは、自社の業種に合致した特化型M&Aマッチングサイトがあるか検索しましょう。
海外企業とのM&Aのためのマッチングサイト
M&Aで海外進出を目指す場合には、海外企業の候補選定ができるクロスボーダー型M&Aマッチングサイトを利用するのも良いでしょう。海外企業の情報が豊富なので、より幅広い視野で相手企業を見つけられるはずです。
海外に出向くには、コストだけでなくかなりの労力もかかります。クロスボーダー型マッチングサイトなら、オンライン上である程度の情報を入手できるので円滑に海外展開を目指せるでしょう。
近年利用企業は増加傾向
主な5種類のサイトを解説しましたが、これらのサービスを活用する企業は近年増加傾向にあります。全国規模で広範囲な企業選定が行えるため、効率的にM&Aプロセスを進められるためです。M&Aの相談のために都心まで出向くとなると、時間も労力もかかります。
M&Aマッチングサイトはインターネット環境があれば利用できるので、効率的です。労力をかけずとも魅力的な企業が見つかる可能性もあるので、M&Aを検討している場合は一度目を通してみるのも良いでしょう。
中小企業の経営者にも人気
M&Aマッチングサイトは、中小企業の経営者からも注目を浴びています。国内における中小企業の多くは、後継者不足や人材不足といった問題が深刻で、地方の中小企業はこれに加え、経営者の高齢化にも対処を迫られていることが要因の1つです。
廃業を選ぶと、費用がかかるだけでなく従業員の失業も避けられません。M&Aなら従業員の生活を守るだけでなく、培った技術やノウハウ・ブランドを存続させられます。魅力は多くあるのですぐに廃業を考えるのではなく、一旦M&Aを視野に入れるのも良いでしょう。
2. M&Aのマッチングサイトの選び方
国内の多くの企業から注目されているM&Aマッチングサイトですが、ただ闇雲にサイトを利用することはあまりおすすめできません。ここでは、M&Aのマッチングサイトの選び方を解説します。以下4つのポイントを確認した上で、より有益なサイトを使いましょう。
- 登録企業数が多いかを確認する
- 自社と同業種に特化したサイトを選ぶ
- 成功事例を確認する
- 料金体系をチェックする
登録企業数が多いかを確認する
1つ目のポイントは、登録企業数を確認してから利用することです。マッチングサイトは登録企業データベースから相手候補を見つける仕組みですが、当然サイトによって登録数は異なるので、あまりにも企業数が少ないマッチングサイトでは、狭い選択肢から候補を見つけなければなりません。
限られた選択肢ではマッチングに苦戦し、かなりの時間を要する可能性があります。また、登録数が多いサービスは、それだけ魅力的で注目されていることを意味します。まずはさまざまなサービスで登録案件数を確認し、できるだけ活気のあるサイトを見つけましょう。
自社と同業種に特化したサイトを選ぶ
2つ目のポイントは、自社と同じ業種に特化したM&Aマッチングサイトを利用することです。先程サイトの種類の箇所でも解説しました通り、特定の業種に特化したマッチングサイトなら、自社との関連性が高い選択肢が増えることを意味するので、より効率的に相手候補を見つけられます。
自社の業種に特化したマッチングサイトがあるか検索し、存在する場合は積極的に利用してください。もし同じ業種に特化したマッチングサイトが見つからない場合は、こちらで記載する他のポイントに留意しながら通常のM&Aマッチングサイトを使いましょう。
成功事例を確認する
3つ目のポイントは、成功事例を確認することです。登録企業数がある程度あっても実績が豊富でないサイトでは、登録してもマッチングにかなりの時間を要する可能性があります。また、自社と関連する業種の成功事例があるかの確認も必ず行いましょう。
自社と同じ業種の成功事例が多くあればあるほど、円滑にM&Aを目指せる確率が高くなります。多くの場合サイト上に事例が掲載されているので、まずは目を通すと良いでしょう。無い場合は、問い合わせすることもおすすめします。
料金体系をチェックする
4つ目のポイントは、料金体系をチェックすることです。M&Aマッチングサイトによってサービスの内容はさまざまなので、利用料金も異なります。譲渡側企業は無料なケースが多い一方、譲り受ける側には手数料が発生するので、事前にプランを確認すると良いでしょう。
中には成功報酬型のサービスも存在します。手数料率はサイトによって異なるので、意図しない出費が発生しないようにしてください。料金・手数料率が明確なサービスを利用しましょう。
3. M&Aのマッチングサイトを利用するメリット・デメリット
ここでは、M&Aのマッチングサイトを利用するメリットとデメリット両方を確認しましょう。M&Aマッチングサイトは、効率的にM&A相手企業を見つけられるなど魅力が多い反面、情報管理やサイト選びで注意しなければならない点もあります。
メリット
M&Aのマッチングサイトを利用するメリットは、以下の通りです。
- 幅広い選択肢から企業を見つけられる
- 労力や費用を抑えられる
- 円滑にM&Aを進められる
全国各地の案件情報を閲覧できるので、時間も労力も短縮できる点が魅力です。最初から専門家に依頼するよりもコストを抑えられるので、多くの企業にとって利用する価値はあると言えます。
デメリット
M&Aのマッチングサイトを利用するデメリットは、次の通りです。
- 企業を特定されるおそれがある
- サポートが不十分なサイトもある
- かなりの時間を要する場合がある
公的機関や金融機関と異なりオンラインベースなので、会社が特定されやすい点には注意が必要です。また、サイトの中には提供するサービスが少なく、余計な出費が発生する場合もあります。不安要素はできるだけ事前に確認してから登録しましょう。
4. M&Aのマッチングサイトの流れ
ここでは、M&Aマッチングサイトを利用する際の一般的な流れを解説します。登録からM&A実行までの流れを以下4つのステップに分けてチェックしましょう。
- M&Aマッチングサイトに登録する
- 自分のニーズに合う相手企業の検索
- コンタクト申請し交渉を打診する
- 交渉成立後 M&Aの実行
①M&Aマッチングサイトに登録する
最初のステップは、M&Aマッチングサイトへの登録です。サービスを利用するためには、企業登録をしなければなりません。複数サイトを比較した上で、自社のニーズにマッチしそうなサイトを見つけて登録します。効果のあるマッチングにつなげるためにも、正しく情報を登録しましょう。
②自分のニーズに合う相手企業の検索
企業登録できたら、早速マッチングサービスを利用します。買収の場合は、登録されたM&A案件の検索機能を積極的に使って自社のM&Aにおける方向性・ニーズに合致した相手企業を見つけましょう。買収側は相手企業を探し、売却側はオファーが来るまで待機するのが一般的です。
③コンタクト申請し交渉を打診する
業種やエリアを含め、M&Aにおけるニーズに最適な相手企業が見つかったら、買収側はコンタクトを申請します。コンタクト申請は、相手企業と交渉を行うための第一歩です。売却側が承認しオファーが通れば、交渉へと進みます。売却側からオファーを送ることができるケースもあります。
④交渉成立後 M&Aの実行
M&Aの交渉を進め、双方が合意できる状態になったら基本合意書を締結しM&Aの本格的な手続きに進みます。基本合意書には、実施日、M&A手法、取引株式の種類・数量、譲渡価格、支払い方法といった項目を記載するのが一般的です。
この後、買収側がデューデリジェンスを実施し、最終条件交渉と最終契約書締結とクロージングまで問題無く進められれば、M&Aは完了です。
5. M&Aのマッチングサイト成立を成功させる方法
ここでは、M&Aのマッチングサイトでマッチングを成功させる方法を解説します。以下3つのポイントに留意しながら、よりリスクの少ない状態でマッチング成立を目指しましょう。
- 自分のニーズに合っているか確認する
- 時間に余裕をもって登録する
- 情報が漏れないように注意する
自分のニーズに合っているか確認する
マッチングサイトを利用する前提として重要なのが、自社のニーズに合っているかの確認です。繰り返しになりますが、マッチングサイトによって得意分野が異なります。登録前に必ず実績を見て、同業種のM&A事例があるか確認しましょう。
時間に余裕をもって登録する
時間に余裕を持って登録することもポイントです。経営難や後継者不在の問題が起きてから焦って登録しても、相手企業が見つからない可能性があります。多くの企業が、リスクの高い企業とのM&Aを避ける傾向にあるからです。
情報が漏れないように注意する
情報漏洩にも注意が必要です。中途半端にM&Aの話が流出すると従業員が困惑し、退職するおそれがあります。既存の取引先との関係が悪化するリスクも考えられます。M&A交渉・手続きを進める前に当事者間で秘密保持契約を締結し、情報管理を徹底しましょう。
6. M&Aのマッチングサイトを便利に利用し理想的な相手を見つけよう
M&Aの相手候補を効率よく見つけるなら、M&Aマッチングサイトの利用がおすすめです。オンライン上で企業探しができるので、時間も労力もかける必要がありません。
サイト選びの際は、今回紹介したポイントを参考に、相性が良いマッチングサイトを見つけてください。できるだけ早い段階から登録し、いざという時に理想的な相手企業と円滑にM&Aを進められるようにしましょう。
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