カフェのM&A・売却・買収・事業承継!相場や業界動向・最新事例や成功のコツ・仲介会社の選び方も紹介

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

この記事では、カフェのM&A・売却・買収について、カフェ事業の概要やM&A・売却・買収を成功させるコツ、カフェのM&A・売却に強い仲介会社と選び方を解説します。そのほか、カフェを積極的に買収している企業や最新動向を、事例を交えて紹介しましょう。

目次

  1. カフェのM&A・売却・買収・事業承継
  2. カフェのM&A・売却・買収・事業承継案件例
  3. 最新版のカフェ業界のM&Aの最新動向
  4. カフェのM&A・売却・買収相場
  5. カフェのM&A・売却・買収・事業承継の事例
  6. カフェのM&A・売却・買収が行われる理由
  7. カフェのM&Aにおける積極買取企業は?
  8. カフェのM&A・売却を成功させるコツ
  9. カフェのM&A・売却・買収・事業承継まとめ
  10. 飲食店業界の成約事例一覧
  11. 飲食店業界のM&A案件一覧
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1. カフェのM&A・売却・買収・事業承継

この記事では、カフェのM&A・売却・買収について、カフェ事業の概要やM&A・売却・買収を成功させるコツ、カフェのM&A・売却に強い仲介会社とその選び方を紹介しましょう。

まずは、カフェ事業の概要と、M&Aの定義や株式譲渡事業譲渡など主要スキームを説明します。

カフェ業界とは

カフェとは飲み物やスイーツ、軽食を提供する店舗をいいます。1980年代に国内に誕生したセルフサービス型カフェは、カフェの1つのスタイルとして確立されました。外資系チェーン店やフランチャイズのセルフ型のカフェは昨今、カフェ業界で大きなシェアを獲得しています。

また、2021年の法改正によりカフェも飲食店と同様「飲食店営業許可」が必要になりました。これにより、営業するための条件が以前よりも厳しくなっています。また一方で、本格的なフードメニューの提供が可能となりました。

個人経営のカフェにおいては、さまざまなコンセプトの店舗が乱立しており、SNSなどを活用した宣伝、魅力のあるコンセプトやメニュー次第では、人気店となる可能性も高いでしょう。

カフェ業界の市場動向

カフェ業界の規模は、コロナ禍により大きく減少しました。しかし、2021年以降、テイクアウトおよびデリバリーの導入により、業績が回復しています。また、特定のコンセプトに特化したカフェが増加し、売上を伸ばしています

カフェ業界はニーズも広く、成功しやすい機会もある一方で、トレンドに合ったコンセプト・分析とビジネスモデルの構築が重要です。

カフェのM&A・売却・買収とは

M&Aとは、日本語では合併と買収を意味します。2社以上の企業が1つになる合併や、他の企業を買い取る行為です。

カフェの売却・買収は、第三者に自社のカフェ事業を譲り渡すことをさします。使用されるM&A手法は株式譲渡や事業譲渡、居抜きが一般的です。

株式譲渡

株式譲渡とは、自社の株式を譲渡し、会社の経営権を譲り渡す手法です。比較的簡便な手続きで経営権の譲渡ができるため、よく用いられる手法となります。

売り手の所有する資産や負債・営業権・従業員などをそのまま引き継げるため、買い手は取得した事業をすぐに始められます。売り手は創業者利益を獲得でき、従業員の雇用を継続できるのもメリットでしょう。

事業譲渡

事業譲渡とは、自社が行う事業の一部や全てを第三者に譲り渡す手法です。対象事業のみを選択して譲渡できるため、複数の事業を行ってカフェ事業以外にも注力したい場合などに向いています。

買い手にとっては、簿外債務などのリスクを避けられるのはメリットです。ただし事業譲渡の場合、許認可や契約を引き継げません。取得後に許認可の取り直しや、契約の巻き直しを強いてしまうことを理解しましょう。

居抜き

カフェの売却・買収には、造作をそのまま利用して店舗を引き渡すという「居抜き」が一般的です。賃貸店舗と所有店舗のケースに分かれます。

賃貸店舗の場合、造作譲渡契約を締結します。同物件でカフェなどの事業を行う相手と、造作の範囲や売却金額などを交渉するのです。造作譲渡については、家主の承諾を得ることが条件となります。

賃貸店舗は原則として原状回復義務がありますが、居抜き契約が成立した場合は原状回復が不要です。閉店する際のコストを削減できるでしょう。

所有店舗の場合、設備や内装などの造作をそのまま売却するのが居抜きです。店舗だけでなく敷地も所有している場合、両方とも売却するケースや店舗のみ売却するケースがあります。

敷地が借地の場合、店舗と借地権をセットで売却します。原則として、地主の承諾が必要です。

カフェの事業承継とは

事業承継とは、自社の経営を親族や従業員、第三者に引き継がせることです。事業譲渡とは異なり、カフェ事業を営む経営者を変更すると表現すれば、理解しやすいでしょう。

近年の中小企業では、親族・社内承継の割合が減少しています。後継者の希望や事業承継時の資金負担などの理由により、第三者の事業承継(M&A)が増えています。

かつて、M&Aは大手企業が用いる手法と捉えられてきました。昨今では、中小規模のM&Aを取り扱う仲介会社も増えています。カフェ事業など比較的小規模の事業でも、第三者への事業承継は可能です。

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2. カフェのM&A・売却・買収・事業承継案件例

ここからは、カフェのM&A・売却・買収・事業承継案件例を紹介します。

【エリア内食べログ1位】首都圏のベーカリ・カフェ運営

エリア内850店舗中で食べログ1位の首都圏のベーカリ・カフェです。富裕層顧客が多く8割がリピーターで収益性が高く、3期連続EBITDA5,000万円程度です。

 

エリア 関東・甲信越
売上高 1,000万円〜5,000万円
譲渡希望価格 2億5,000万円
譲渡理由 事業拡大

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【海外/EBITDA3億円】シンガポール カフェ事業(マスターFC)

韓国本社のカフェ事業マスターフランチャイジーライセンス(シンガポール/フィリピン)を保有しています。マレーシアやインドネシア等、本部との協議でライセンスを広げていく余地もあります。

シンガポール国内で3店舗にフランチャイズアウトしており、FC手数料として売上の約5%を取得しています。金融機関からの借り入れはありません。
 

エリア 海外
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望価格 5億円〜7.5億円
譲渡理由 その他

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3. 最新版のカフェ業界のM&Aの最新動向

ではここからは最新版のカフェ業界のM&Aの最新動向について解説します。

①低価格チェーン店・こだわりの喫茶店が主流になっている

近年、低価格を強みとしたチェーン店・こだわりの喫茶店が主流になりつつあります。

例えば、ドトールやスターバックスなどの多彩メニューを提供しているカフェもあります。また、チェーン店ではなく個人で経営しているこだわりの喫茶店も増えつつあります。

②マンネリ化脱却のためコーヒーショップによる紅茶販売も増加している

「カフェ」と聞けばコーヒーをイメージされる方も多いと思いますが、近年ではマンネリ化解消のために紅茶の販売をするカフェも増加しています。

カフェでありながらコーヒーを提供していないカフェも出てきています。

③上場予定会社が別事業に参入するケースも

スターバックスやキーコーヒーなど、カフェ事業を中心としている上場企業が存在します。

そんな上場企業がカフェ事業以外の事業に参入するケースも増えつつあります。アミューズメント事業などにも参入しコラボ企画を開催しているところも少なくありません。

④参入障壁の低さから常に競争状態にある

カフェ事業は比較的参入しやすく、常に競争状態にあります。

「コーヒー」だけに特化すれば、ファーストフード店やコンビニ・自動販売機などとも競争状態となります。売り上げを長期間安定させることは簡単ではありません。

  • 飲食店のM&A・事業承継

4. カフェのM&A・売却・買収相場

カフェのM&A・売却・買収を検討している場合、相場が気になるところでしょう。カフェのM&Aでは、個人経営の店舗を売却・買収をする場合、買収・売却価格は数百万円から一千万円程度になるのがほとんどです。ここでは、高値でM&A・売却できるカフェの特徴を解説します。

居抜きの売却相場

カフェは店舗の規模や立地条件、造作の状況によって、売却価格が大きく異なるものです。一般的に小規模店舗の場合、100万~250万円程度が相場といわれています。ただし、条件によっては500万円以上の高値が付くケースもあります。

駅前や繁華街などの立地、間口が広い、設備・機器が新しく充実している、内装が綺麗などの条件は、高値での売却が期待できるでしょう。

M&Aの売却相場

株式譲渡や事業譲渡の場合、居抜き店舗よりも売却価格が高額になります。店舗条件だけでなく、経営に関わるさまざまな要素が価格に反映されるためです。

賃貸店舗のM&Aの場合、一概にいくらとはいえませんが、小規模店舗では数百万円~一千万円程度が相場の目安となります。収益性やブランド、成長性、安定性、人材力、人気の商品などの付加価値など、さまざまな要素が売却価格に影響します。

高値でM&A・売却できるカフェの特徴

カフェをM&A・売却する場合、できるだけ高値で売りたいのが本音です。一般的には、以下の特徴を持ったカフェであれば、高値で売却できる傾向があります。

  • 不動産などの資産を保有している
  • 個性的でファンを抱えている
  • アクセスしやすく好立地

不動産などの資産を保有している

カフェを経営する際は、店舗を賃貸として借りるケースが多いかもしれません。もし店舗を所有しているのであれば、店舗の不動産価値が売却価格に上乗せされるため、高額になりやすいでしょう。

個性的でファンを抱えている

昨今のカフェは、それぞれメニューや店内の雰囲気づくりに個性がある店舗が目立ちます。動物カフェやコンセプトカフェなどレパートリーが増えています。独自のカフェにファンがいる場合は売却価格を高く見積もってもらえる可能性が高いでしょう。

アクセスしやすく好立地

カフェでは、メニューやサービスの良さなどはもちろん重要です。それだけでなく、アクセスしやすい立地であることが売上に大きく影響するでしょう。

交通量や歩行者通行量、周辺店舗の状況に関して、好立地のカフェであれば高値で売却される可能性があります。

5. カフェのM&A・売却・買収・事業承継の事例

カフェのM&Aには、後継者がいない場合の事業承継や、大手の傘下に入って経営を安定させるなど、さまざまなメリットがあります。M&Aの事例を参考に、納得のいく条件で買収・売却できるように準備しておくことが大切です。

ここでは、実際に実施されたカフェのM&A・売却・買収事例をピックアップしてご紹介しましょう。

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ノンピによるYUKIYAMESHIの買収

2024年7月、ノンピはYUKIYAMESHIを子会社化しました。

ノンピは、キャラクターカフェの運営やケータリングサービス、社食の企画・運営などを手掛けています。対象会社のYUKIYAMESHIは、デリ・ケータリング事業を行っている企業です。

今回のM&Aにより、食の課題解決の取り組み・ケータリング事業の拡大を目指します。

ケータリングサービスを展開するノンピがYUKIYAMESHIを子会社化

IMOMによるETVOXへの事業譲渡

2024年7月、IMOMは「LITTLE TOY BOX」をETVOXへ事業譲渡を行いました。

IMOMは、就労継続支援B型事業・カフェ事業を行っています。ETVOXは、プロジェクトマネジメント支援事業などを行っています。

今回のM&Aは、IMOM側の名古屋市内での事業集中、リソース最適化を図るためとしています。

株式会社IMOM、東京カフェ事業である「LITTLE TOY BOX」の事業譲渡のお知らせ

サンマルクHDがLa Madragueを買収

サンマルクHDは2022年12月、「喫茶マドラグ」を4店舗を展開するLa Madragueの全ての株式を取得し、子会社化しました。「喫茶マドラグ」は京都を代表する喫茶店として有名です。

サンマルクHDは今回のM&Aにより、「ベーカリーレストランサンマルク」や「サンマルクカフェ」で培ったノウハウを活用しつつ、外食事業拡大を目指します。

株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

アント・キャピタル・パートナーズがイノダコーヒを買収

アント・キャピタル・パートナーズは2022年9月、イノダコーヒの創業家の全ての株式を取得しました。イノダコーヒは、1940年創業で京都市内などに喫茶店を9店舗を運営する老舗の会社です。

今回のM&Aは、イノダコーヒの創業家の親族などの中に、後継者がいないことによるものです。アント・キャピタル・パートナーズの支援により、今後のさらなる成長を目指します

株式会社イノダコーヒの株式譲受について

C-Unitedがポッカクリエイトを買収

ロングリーチグループであるC-Unitedは2022年2月、ポッカクリエイトの全ての株式を取得しました。

C-Unitedは「珈琲館」や「ヴェローチェ」を運営する企業です。今回の買収によりC-Unitedは600店舗を運営するカフェチェーンとなります。

この買収を仕掛けたのが、独立系投資ファンドのロングリーチグループです。ロングリーチは2018年に珈琲館、2021年に「ベローチェ」を次々と買収しました。今回のM&Aにより、さらなるグループ全体でのシナジー最大化を目指します

C-United株式会社、株式会社ポッカクリエイトとの合併のお知らせ

ロート製薬とカフェ・カンパニーの資本業務提携

ロート製薬とカフェ・カンパニーは2021年08月、資本業務提携を行いました。ロート製薬は、カフェ・カンパニーの株式を取得し、主要な株主となり持分法適用会社になります。

ロート製薬は、医薬品・化粧品・機能性食品などの製造販売を展開する大手企業です。対象会社であるカフェ・カンパニーは、飲食店舗の企画運営事業、地域コミュニティ事業、海外店舗企画運営事業などを展開しています。

今回の資本提携により、ロート製薬の機能性素材・生産技術力とカフェ・カンパニーのコミュニティ企画・店舗運営・商品開発力、食産業のネットワークによる両社の事業成長を図ります

カフェ・カンパニー株式会社との資本業務提携を締結

オークニ商事が大手アパレル会社経営のカフェ2店舗を買収

2020年3月、外食チェーン運営や高齢者介護施設を運営するオークニ商事は、大手アパレル会社が経営するハワイアンカフェ2店舗を買収しました。これは大型ショッピングモールで運営されます。

この事業譲渡は、譲渡側の事業ポートフォリオの見直しによるものです。オークニ商事は、外食事業における新規分野開拓を目的としています。

6. カフェのM&A・売却・買収が行われる理由

M&Aには、合併や買収、業務提携などさまざまな手法が存在します。小規模なカフェでは、経営者の親族や従業員に継がせる方法、あるいはM&Aによって第三者に事業承継するといった形が取れるでしょう。

それだけでなく、株式譲渡や事業譲渡の手法で、カフェ事業の一部を売却できる方法もあります。カフェをはじめとする飲食店業界のM&Aは、活発に行われています。

買い手は顧客やノウハウをそのまま受け継ぎ、売り手も廃業にかかるコストを削減できるなど、互いにメリットが享受できます。ここでは、カフェのM&A・売却・買収が行われる理由を紹介しましょう。

運営しやすいため

カフェ業界は流行があるものの、国内には多くのカフェや喫茶店の店舗があります。カフェでは、おしゃれで明るいイメージがあります。コーヒーは常用性の高い飲み物であるため、幅広い世代からの支持が得られやすい点で運営しやすいといえるでしょう。

人手不足が課題となる飲食業界では、今後も根強いカフェ人気は続くと見られます。それに伴い優秀な人材が集まりやすく、運営しやすいといった理由があります。

マーケティングの一環として活用できるため

他業種からの参入が多いのも、カフェにおけるM&Aの特徴です。カフェをマーケティングの一環として活用しようと、買収に乗り出す企業もみられます。

IT関連企業のほか、美容やアパレルなどさまざまな企業が本業のブランディングを図るためにカフェを活用しているのです。

好立地の物件を確保するため

飲食店業界は、店舗の立地や周辺環境が、集客要素の約半数を占めるといわれています。店舗運営や集客に大きな影響を及ぼすのです。

カフェには、メニューやサービスの良さはもちろん重要です。それだけでなく、集客が見込まれる好立地に物件を確保するためにM&Aを実施するケースも多くあります。したがって、アクセスしやすいカフェは売却しやすく、価格が高くなる傾向があるでしょう。

7. カフェのM&Aにおける積極買取企業は?

カフェやレストランなどの飲食店を営む企業の中には、カフェ事業を積極的に買収しているところもあります。ここでは、カフェを積極的に買収している企業を2社ご紹介します。
 

  1. フジオフードグループ本社
  2. クリエイト・レストランツ・ホールディングス

①フジオフードグループ本社

1社目は、フジオフードグループ本社です。フジオフードグループ本社は、ステーキ・カフェレストランの「SAM’S(サムズ)」を運営するグレートイースタンを、2019年4月に買収し、子会社化しています。新しい業態を買収する方法によって顧客層の拡大を図っています。

2019年11月には、石臼挽き手打蕎麦専門店「土山人」を運営する暮布土屋の株式を取得し、子会社化しました。フジオフードグループ本社は、カフェ事業を含むレストランを買収して、事業のフランチャイズ化や全国展開を計画しています。今後も積極的な買収を行うと考えられます。

②クリエイト・レストランツ・ホールディングス

2社目は、クリエイト・レストランツ・ホールディングスです。1999年に創業した企業で、イタリアン・カフェ事業をはじめ、多様な事業グループを形成しています。グループ間での垣根を超えたノウハウの共有・シナジーの創出によって競争力を高めています。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは積極的に飲食業を買収し、さまざまな企業文化を自社に取り込み、成長を続けています。2015年の8月には、東京ディズニーリゾートの「レインフォレストカフェ」などの飲食店を運営するアールシー・ジャパンの株式を全て取得しました。

2018年にはM&Aを3件実施しているほか、2019年にはM&Aを6件と積極的に買収を行っています。今後も事業グループ間でのシナジー獲得を目指すとしているため、カフェなどの新しい業態に関して、ブランド力・集客力のある店舗を買収する可能性が高いといえるでしょう。

8. カフェのM&A・売却を成功させるコツ

カフェのM&A・売却を成功させるには、ポイントを押さえておく必要があります。ここでは、成功するためのコツを紹介します。
 

  • 賃貸契約の解約予告を行う時期に注意する
  • 相性のよい相手先を選択する
  • M&A・事業承継の理由を明確にさせる
  • 自店舗の強み・弱みを洗い出す
  • ノウハウ・人材の承継に注意する

賃貸契約の解約予告を行う時期に注意する

賃貸契約の解約予告を行う時期に注意することです。店舗の賃貸借契約を結んでいる場合には、貸主に対して一定期間前までに解約予告を行わなければなりません。

解約予告を受けた貸主は、次の借り手を探すために募集広告などを出します。この情報が交渉相手に伝わってしまうと、弱みを握られたりトラブルになったりするケースが考えられます。

解約予告を行うのは、売却の話が進み、ある程度合意に近づいた時期を検討するとよいでしょう。

相性のよい相手先を選択する

相性のよい相手先を選択することです。店舗が好立地であったり、事業内容が魅力的であったりすると、売却価格は高くなります。

駅から遠く、好立地ではなくても、そういった一般的には好まれない場所に店舗を持ちたい買い手がいれば、高値がつく場合もあるでしょう。特定のコンセプト(ドッグカフェ、猫カフェ、アニメ、音楽など)を売りにするカフェであれば、立地条件に関係なく売却できるのです。

さまざまな業態を想定して相性のよい相手先を選択するのが、M&Aを成功させるカギでしょう。

M&A・事業承継の理由を明確にさせる

カフェ事業を売却する理由はさまざまで、好調な事業でも売却されることがあります。従業員との関係や売り手の個人的な事情、他社に託すことでカフェがより成長できると考える場合などです。また、創業当初の情熱が薄れても、カフェを続けてほしいと願う売り手も少なくありません。

売却を進めるにあたり、スケジュール、売却金額、売り手の意向を理解してくれることなど、何を優先するかを明確にしておく必要があります。従業員の雇用や待遇の維持を条件とすることもあり、こうした条件により適した買い手も異なります。

売却理由を含めた情報をM&A仲介業者と正確に共有し、売却において何を重視するのかをはっきりさせることが重要です。売り手と買い手の双方が納得できる形でM&Aを進めていきましょう。

自店舗の強み・弱みを洗い出す

カフェ業態は、店舗のコンセプトや見せ方が売上に直結する特徴があります。以下のような個性を持ち、集客や売上データにも反映されている強みがあるなら、それをしっかり伝えましょう。

  • セットメニューやサイドメニューが充実している(トレンドを取り入れたパンケーキのようなメニューや、SNS映えするキラーコンテンツがあるなど)
  • スペシャルティコーヒーなど、コーヒーそのものに対するこだわり
  • 大手飲料メーカーとのコラボレーションによるブランディング強化
  • ビジネス街では、商談に適した広めの席数を確保
  • レトロな喫茶店風のこだわりのインテリア
  • アパレル、美容、IT業界など異業種とのコラボレーションカフェ

ノウハウ・人材の承継に注意する

ノウハウ・人材の引き継ぎには注意することです。特定のコンセプトカフェや、個人経営のカフェの場合、経営者やスタッフに顧客がついていることがあります。個人経営者独自のノウハウが仕組として確立していないケースも少なくありません。

こういった店舗は事業の承継が難しいため、買収がうまく進まないケースもあるのです。人気のあるスタッフの就業継続やノウハウの明確化など、事業として成立するように注意を払うことが必要といえます。

9. カフェのM&A・売却・買収・事業承継まとめ

カフェのM&A・売却について、カフェ事業の概要や選択されているスキーム、M&A・売却を成功させるコツなどを紹介しました。カフェ事業の売却には株式譲渡・事業譲渡・居抜きが多く用いられます。

M&Aのスキームを利用するには専門知識が必要です。知識と経験を備えたM&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼するのがよいでしょう。

10. 飲食店業界の成約事例一覧

11. 飲食店業界のM&A案件一覧

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