2024年08月05日更新
ラーメン屋の事業承継マニュアル!相談先や成功事例を解説!
本記事では、ラーメン屋における事業承継の流れや事業承継を成功させるためのポイントに関して、詳しく解説しています。また、ラーメン屋を事業承継する際におすすめの相談先や成功事例についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ラーメン屋の事業承継
国内にあるラーメン屋のうち約8割は、小規模・個人経営で運営されている店舗です。つまり、ラーメン屋業界は大手飲食チェーン店が市場シェアを独占しているわけではなく、多様なニーズに対応したラーメン屋が個々に人気を集めている傾向があります。
ラーメン屋は他のジャンルの飲食店と比較して、上位企業の市場シェアが低く、個人経営の店や小規模のチェーン店が非常に多いことが特徴となっています。
経営主体の多さに伴い、事業承継が多く発生しますが、後継者がいないことから廃業に至るケースも多々発生しています。ですが、廃業の他にも事業承継という選択肢を検討することによって、ラーメン屋を継続することができるだけでなく、第三者承継などの場合には売却益も得られます。
そのため、ラーメン屋の事業承継についての知識を習得しておけば、後継者がいない、または経営状態が悪化し営業を続けられない場合にも役立てることができます。
2. ラーメン屋の事業承継の流れ
ここでは、ラーメン屋の事業承継を行う際の流れを具体的に解説していきます。事業承継の流れは後継者の種類によって異なるため、相違点を把握しておきましょう。
親族内事業承継(親族外事業承継)の流れ
ラーメン屋を親族内事業承継・親族外事業承継する場合、以下の流れで手続きが進められます。
【ラーメン屋を親族内事業承継・親族外事業承継する場合の流れ】
- 事業承継計画の策定
- 後継者の育成・教育
- 資産・株式・許認可などの承継
- 個人保証・負債の処理
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①事業承継計画の策定
ラーメン屋を親族内事業承継・親族外事業承継する場合、まずは事業承継計画を立てる必要があります。
事業承継計画の策定では、財政状態・経営成績・経営者自身の資産などを把握したうえで、後継者候補の決定や事業承継戦略の策定などを行うという段取りです。
事業承継計画の策定により、事業承継をスムーズに進められるうえに、自社の現状を客観的に把握できます。
なお、親族外事業承継を実施する場合、親族に対して親族以外の人物を後継者とする旨を伝えて、あらかじめ了承を得る必要があるため注意しましょう。
親族への報告を疎かにすると、相続問題などにより予期せぬトラブルが起こりかねません。
事業承継で発生しがちなトラブルを未然に防ぐため、親族内事業承継・親族外事業承継を実施する際には、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めると良いでしょう。
②後継者の育成・教育
事業承継計画が整ったら、後継者候補の育成・教育を進めていきます。後継者となる人物は、これまでラーメン屋経営の経験がなかったり、会社業務について詳しくなかったりするというケースも少なくありません。
後継者としての育成・教育を行わないまま事業承継してしまうと、経営が悪化したり従業員の不満が募ったりするトラブルが考えられます。
一般的に後継者の育成・教育には数年かかるため、スムーズな事業承継を行うには、早い段階から育成・教育の時間を十分に割いておくようにしましょう。
③資産・株式・許認可などの承継
事業承継を行うと、会社が保有する資産なども後継者に引き継がれます。特に経営権と保有資産の引き継ぎ相手が異なる場合は、慎重に手続きを進めなければなりません。
また、株式が役員・従業員などに分散している場合、後継者の経営権を確保するには、あらかじめ株式を集約させる必要があります。
事業承継を進めるうえで、資産・株式・許認可などの承継も必要となることを覚えておきましょう。
④個人保証・負債の処理
事業承継に際して、現経営者に個人保証や担保がある場合、後継者はこれらも引き継ぐことになります。
したがって、親族内事業承継・親族外事業承継を実施する際は、個人保証や負債などの処理・整理を念入りに検討しておかなければなりません。
M&Aによる事業承継
続いて、M&Aによる事業承継の流れについて解説します。
【ラーメン屋をM&Aによって事業承継する場合の流れ】
- 仲介会社などへの相談
- 事業承継先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①仲介会社などへの相談
M&Aによりラーメン屋を事業承継する場合、まずM&A仲介会社などの専門家へ相談することが一般的です。
事業承継のサポートをM&A仲介会社を依頼する場合、経営者の親族・会社関係者以外の第三者にラーメン屋の情報を教える必要があるため、情報漏洩を防ぐ目的で秘密保持契約書を締結します。
②事業承継先の選定
続いて、事業承継先の選定を行っていきます。全国各地にネットワーク網を構築していたり独自のM&Aマッチングプラットフォームを用意していたりする仲介会社を利用すれば、確実かつスムーズに事業承継先を探し出すことが可能です。
③基本合意書の締結
事業承継先候補と交渉を行い基本方針が決定したら、買い手と売り手の間で基本合意書を締結します。
基本合意書とは最終契約締結までの基本的事項を定めた書面であり、守秘義務・独占交渉権などの規定には法的拘束力が持たせられるケースが多いです。
また、このタイミングで意向表明書の提示が行われるケースもあります。意向表明書とは、事業承継において事業を譲り受ける企業(譲受企業)が事業譲受の意向を譲渡企業に示す書面です。
意向表明書の提示は必須ではありませんが、提示すると円滑なM&Aにつながります。
④デューデリジェンスの実施
基本合意書の締結が行われたら、買い手によりデューデリジェンスが実施されます。デューデリジェンスでは、財務・税務・法務・人事などの観点から、事業承継における譲渡企業の収益性・リスクなどが調査されます。
デューデリジェンスの実施により、M&A実施後のトラブルなどを事前に防げます。
⑤最終契約書の締結
デューデリジェンスの結果、事業承継を進めて問題ないと判断されると、最終契約書の締結を行います。
最終契約書はラーメン屋の事業承継の実施を確定させる書類です。法的拘束力を持つ契約であるため、締結時は内容を念入りにチェックしておきましょう。
⑥クロージング
最終契約書締結が済んだらクロージングとなり、M&Aによる事業承継が完了するという段取りです。
クロージングでは株式や事業などの引き渡し・M&A代金の支払いなどが行われ、経営権が実際に移転します。
3. ラーメン屋の事業承継を考える理由・メリット
ラーメン屋を事業承継する理由および事業承継で得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。この章では、主な理由・メリットとして5項目を取り上げて解説します。
【ラーメン屋の事業承継を考える理由・メリット】
- 後継者問題の解決
- 競合が多く将来の不安解消
- 早期リタイアを考えている
- 事業承継先の資本力により事業拡大
- 創業者として利益を得る
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①後継者問題の解決
ラーメン屋の事業承継を考える理由・メリットの1つ目は、後継者問題を解決できるという点です。
近年はラーメン屋業界に限らず、国内の中小企業の多くが後継者問題に直面しています。後継者がいないために事業承継できず、高齢の経営者がそのまま事業を継続するケース・廃業を余儀なくされるケースなどが増加中です。
ラーメン屋業界はおよそ8割が個人・小規模経営であり、後継者不足に直面しやすい環境にありますが、M&Aにより事業承継を実施するとこうした問題を解決できます。
②競合が多く将来の不安解消
ラーメン屋業界は競争が激化しているほか、近年は関連する飲食業界からの新規参入者も増加しています。
顧客のニーズ変化も激しく、個人・小規模経営のラーメン屋からすると、将来の不安が大きいです。
そのため、将来の不安解消を目的に、ラーメン屋の事業承継を検討するケースも増えています。
③早期リタイアを考えている
もともと経営者が早期リタイアを考えているために、ラーメン屋を事業承継を行うケースもあります。早期リタイアとは、一般的なサラリーマンの退職年齢よりも前に引退する行為です。
個人経営・小規模経営でラーメン屋事業を運営している場合、その店舗をM&Aにより事業承継すれば譲渡・売却益が得られるため、早期リタイアを実現しやすくなります。
④事業承継先の資本力により事業拡大
ラーメン屋を大手企業に事業承継できればグループの傘下となるため、親会社の資本力を活かした事業拡大が目指せます。
自社のみでの事業拡大が難しい場合には、事業承継先の資本力を利用した事業拡大を目指すべく、事業承継を考えるケースも見られるのです。
⑤創業者として利益を得る
M&Aによる事業承継では事業を第三者に売却・譲渡するため、経営者は譲渡・売却金額を受け取れます。
譲渡・売却した際に受け取るお金はある程度まとまった金額であり、「創業者利益」とも呼ばれます。
創業者利益を獲得すると、新しい事業の資金にしたり引退後の生活費として充当したりできるため、こうした点に魅力を感じて事業承継を検討するケースもあります。
4. ラーメン屋の事業承継の相談先
ラーメン屋の事業承継を成功させるには、M&A・事業承継に関する専門知識・ノウハウなどが必要となるため、M&Aの専門家に相談してサポートを受けることが必要不可欠です。この章では、ラーメン屋の事業承継における相談先を紹介します。
【ラーメン屋の事業承継における相談先】
- M&A仲介会社
- 地元の金融機関
- 地元の公的機関
- 地元の税理士・会計士・弁護士など
- マッチングサイト
それぞれの相談先を順番に見ていきましょう。
①M&A仲介会社
M&A仲介会社とは、M&Aによる会社売買・事業譲渡などについて、相談・交渉・クロージングまでの仲介業務を全般的にサポートする専門会社のことです。
M&Aを専業としており、知識やノウハウを持ち合わせているほか、案件も豊富に取り揃えていることが特徴といえます。
②地元の金融機関
ラーメン屋の事業承継に関する相談は、地元の金融機関でも行えます。銀行や証券会社のような金融機関の中には、M&A・事業承継に関する専門サポートを提供する部門を設置している機関も少なくありません。
特に地元の金融機関であれば、地域に根付いた幅広いネットワークを持っているため、適切な事業承継相手を見つけやすいです。
③地元の公的機関
地元の公的機関でも、ラーメン屋の事業承継について相談できます。中小企業の後継者不足などの問題解消を目的として、各地の商工会議所などには事業引継ぎ支援センターが設置されているのです。
公的機関であり安心して利用できる点はメリットですが、認知度はそれほど高くないため案件数が少ない点や実際の仲介は他の機関と提携して行う点などはデメリットともいえます。
④地元の税理士・会計士・弁護士など
地元の税理士・会計士・弁護士事務所でも、M&A・事業承継の仲介業務やコンサルティング業務を行っている機関があります。
M&A以外に会計や法務などの専門知識を有している点がメリットですが、すべての士業事務所がM&Aに精通しているわけではないため、相談する際は事前に実績などを確認すると良いでしょう。
⑤マッチングサイト
ラーメン屋の事業承継案件は、マッチングサイトを利用して相手先を探す方法も有効です。マッチングサイトは会社・事業を売りたい人と買いたい人のマッチングを目的としており、利用者が直接やりとりして取引を進められます。
M&Aマッチングサイトは手軽に利用でき、仲介を依頼する場合に比べて安い料金で事業承継を行える点がメリットです。
しかし、交渉などの手続きは基本的に自身で行わなければならないため、予期せぬトラブルが起こる可能性がある点を念頭に置いておく必要があります。
5. ラーメン屋を事業承継する際の相談先選びのコツ
前章ではラーメン屋の事業承継でおすすめの相談先を紹介しましたが、M&A仲介会社をはじめとする相談先は非常に多いため、どの会社・機関を選べば良いのかわからないという経営者も多いはずです。
ここでは、ラーメン屋の事業承継における相談先を決める際に意識しておくべきポイント・選び方のコツについて解説します。
【ラーメン屋を事業承継する際の相談先選びのコツ】
- 事業承継に精通している
- 自店舗と同規模の事業承継実績がある
- 事業承継先の選定ができる
- 料金体系がわかりやすい
- 相性が良い
それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。
①事業承継に精通している
ラーメン屋の事業承継を成功させるには、何よりも事業承継に精通している相談先を選ぶことが大切です。
そのため、利用を検討しているM&A仲介会社や公的機関などに、事業承継に精通しているスタッフが在籍しているかどうかを事前に確認しておきましょう。
事業承継に必要な専門的知識を有しているスタッフや、事業承継の仲介業務を行ったことがあるスタッフが在籍していれば、事業承継の成功確率を高められます。
②自店舗と同規模の事業承継実績がある
事業承継の相談先を選ぶ際は、自店舗と同規模の事業承継実績があるかどうかも確認しておくようにしましょう。
自分のラーメン屋と同規模の事業承継実績があれば、事業承継の成功につながるサポートを受けられる可能性が高まります。
③事業承継先の選定ができる
ラーメン屋の事業承継について相談する専門家を決める際は、事業承継先の選定ができる機関を選ぶようにしましょう。
事業承継を成功させるには、自店舗に適切な事業承継先を見つけなければなりません。
そのため、全国各地に幅広いネットワーク網を構築しているなど、スムーズに事業承継先をピックアップできる専門家を利用すると良いでしょう。
④料金体系がわかりやすい
ラーメン屋の事業承継の相談先を選ぶ際は、料金体系がわかりやすいという点も判断基準のひとつです。
料金体系がわかりにくく手数料が高い専門家を利用すると、事業承継を行う際に想定以上の費用がかかるケースもあります。
そのため、料金体系がわかりやすく、低コストでクロージングまでのサポートが受けられるM&A仲介会社や相談先を利用すると良いでしょう。
⑤相性が良い
ラーメン屋の事業承継の相談先を選ぶ際には、スタッフとの相性の良さも重視しましょう。
事業承継手続きをスタートさせてクロージングを迎えるまでには、短くても3か月程度、長い場合には1年ほどの期間が必要となります。
事業承継がクロージングするまでの間、一緒に手続きや交渉を進めるため、自分と相性の良いスタッフがいるM&A専門家を利用した方が成功につながりやすいです。
6. ラーメン屋の事業承継による成功事例
ここでは、ラーメン屋の事業承継による成功事例を4つ紹介します。実際にどのような方法・目的でラーメン屋の事業承継が行われているのか、詳しく見ていきましょう。
【ラーメン屋の事業承継による成功事例】
- ラーメン天華とケイアイケイフーズによる株式譲渡
- ラーメン屋「サバ6製麺所」による株式譲渡
- ラーメン屋「ずんどう屋」による株式譲渡
- トモスによる株式譲渡
それぞれの事例を順番に紹介します。
①ラーメン天華とケイアイケイフーズによる株式譲渡
2019年7月、北関東を中心にラーメン屋を展開するラーメン天華および、中華麺の製造・販売を手掛けるケイアイケイフーズは、ギフトに株式譲渡しました。株式売却価額は非公表です。
買収側のギフトは、ラーメン屋事業の展開・顧客ニーズの充足を目的にM&Aを実施しました。
②ラーメン屋「サバ6製麺所」による株式譲渡
2018年7月、関西地区を中心に展開しているラーメン屋「サバ6製麺所」は、自社株式の90%をフジオフードシステムに譲渡しました。株式売却価額は非公表です。
売却側のサバ6製麺所は、フジオフードシステムの店舗開発ノウハウを活かしながら、全国・海外展開を図っています。
③ラーメン屋「ずんどう屋」による株式譲渡
2017年11月、関西・中国地方で人気の高いラーメン屋「ずんどう屋」を運営するZUNDは、丸亀製麺などを展開するトリドールホールディングスに株式譲渡しました。株式売却価額は非公表です。
買収側のトリドールホールディングスは、自社の資金力や店舗開発力を駆使しつつ、ずんどう屋の高速出店を目指してM&Aを実施しました。
④トモスによる株式譲渡
2013年10月、ラーメン屋「ちりめん亭」などを運営するトモスは、ケンコーに全株式を譲渡しました。
トモスの親会社であるモスフードサービスは、自社事業の選択・集中を進める目的のもと株式譲渡を実施しています。
7. ラーメン屋の事業承継の案件例
本章では、弊社M&A総合研究所が取り扱っているラーメン屋の事業承継の案件をご紹介します。
【首都圏・食べログ評価3.7以上】複数店舗運営・ラーメン業態
首都圏を中心に複数の人気ラーメン店を営む飲食業界の企業です。15年以上の業歴を持つ有名・人気ラーメン店です。首都圏の好立地に5店舗以上出店しており、視認性・集客力が抜群です。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
【関西地方・食べログ評価3.7以上】複数店舗・複数ブランド運営のラーメン店運営
関西地方で直営5店舗以上、食べログ評価3.7以上を誇る大人気ラーメン店の運営企業です。
複数店舗を展開しており、各種ラーメングランプリ入賞、テレビを中心に数多く取材を受けるなど知名度は抜群です。
エリア | 近畿 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡理由 | 戦略の見直し |
8. ラーメン屋を売却する際のポイントとは
最後に、M&Aによるラーメン屋の事業承継を成功させるポイントについて見ていきましょう。事業承継を行う上で意識すべきポイントはいくつかありますが、ここでは以下の5点について解説していきます。
【ラーメン屋を売却する際のポイント】
- 売却するタイミングを見極める
- 事業承継後のお店を考えた相手選び
- 譲れない条件をはっきりさせておく
- 売却が決まるまで周囲に情報を漏らさない
- 適切な相談相手を探す
それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。
①売却するタイミングを見極める
ラーメン屋の事業承継を成功させるためにまず意識すべきポイントは、売却するタイミングを見極めることです。
M&A・事業承継は、実施するタイミングの市場動向に大きく影響されます。例えば、ラーメン屋業界の市況が悪いタイミングでM&Aによる売却を実施してしまうと、通常の相場価格よりも低い金額で取引されてしまったり、適切な買収側企業を見つけることができなかったりするおそれがあるのです。
ラーメン屋の売却を成功させたいのであれば、市場動向に注目しつつ、新規参入が活発・市場全体の業績が上昇中・M&Aが活発に行われているなどのタイミングで事業売却を実行しましょう。
②事業承継後のお店を考えた相手選び
ラーメン屋の売却を成功させたいなら、事業承継後のお店を考えて相手を選ぶことも大切です。事業承継は、手続きが完了したら終わりというわけではありません。
もちろん事業承継後もラーメン屋の運営は続くため、承継後に経営状態が悪化してしまい廃業を余儀なくされるといったトラブルは避けたいところです。
そのため、事業承継を実施した後のラーメン屋運営をしっかり行ってくれる相手先を選ぶようにしましょう。
③譲れない条件をはっきりさせておく
ラーメン屋の売却を決めたら、取引において自身が譲れない条件をはっきりさせましょう。
M&Aおよび事業承継の取引では、現経営者が提示した条件がすべて叶わないケースもあります。取引交渉において当事者がお互いに譲り合いながら、両者にとって良いビジネスを目指すことが大切です。
とはいえ、取引条件によりラーメン屋の経営が傾いてしまうおそれもあるため、ラーメン屋を存続させるには、譲れない条件を設定しておかなければなりません。
例えば、経営に欠かせない従業員を大切にしたいなら、「現在以上の給与を保証する」「昇給ルールを設けてもらう」といった条件を設定すると良いでしょう。
④売却が決まるまで周囲に情報を漏らさない
ラーメン屋の売却を進める際には、自店舗に関わる従業員などに売却に関する情報を漏らさないようにしましょう。
なぜなら、従業員の中には、現経営者である貴方のために働いている人もいる可能性があるためです。そこで経営者が変わるという場合、仕事に対するモチベーションが低下し退職につながる可能性があります。
もしも店舗を従業員に完全に任せてしまっている場合において退職されてしまえば、ラーメン屋の経営に大きな支障が及びかねません。
したがって、ラーメン屋を存続させるためにも、従業員から売却に対する理解を慎重に取り付けていく必要があるのです。
売却が確定した後は、上の立場にいる従業員から順番に説明を始めて、理解を得ていくと良いでしょう。
⑤適切な相談相手を探す
ラーメン屋の売却を成功させるには、戦略策定・交渉・手続きなどをサポートしてくれる適切な相談相手が必要不可欠です。
M&Aや事業承継をスムーズに進めるためにも、M&Aの専門家に相談してサポートを受けながら進めると良いでしょう。
ラーメン屋など飲食店業界のM&A実績・ノウハウを持つ専門家であれば、適切なサポートを受けられるため、事業承継・M&Aの成功確率が高まります。
9. ラーメン屋の事業承継マニュアルまとめ
今回は、ラーメン屋の事業承継について解説してきました。ラーメン屋の事業承継を成功させるには、業界動向をしっかりと見極めながら、適切なタイミングで行うことが大切です。
また、事業承継において意識すべきポイントをしっかりと押さえたうえで、専門家のサポートを受けながら手続きを進めていくことも大切だといえます。
【ラーメン屋の事業承継を考える理由・メリット】
- 後継者問題の解決
- 競合が多く将来の不安解消
- 早期リタイアを考えている
- 事業承継先の資本力により事業拡大
- 創業者として利益を得る
【ラーメン屋を事業承継する際の相談先選びのコツ】
- 事業承継に精通している
- 自店舗と同規模の事業承継実績がある
- 事業承継先の選定ができる
- 料金体系がわかりやすい
- 相性が良い
【ラーメン屋を売却する際のポイント】
- 売却するタイミングを見極める
- 事業承継後のお店を考えた相手選び
- 譲れない条件をはっきりさせておく
- 売却が決まるまで周囲に情報を漏らさない
- 適切な相談相手を探す
10. ラーメン屋業界のM&A案件一覧
【首都圏・超好立地】複数店舗のスペイン料理店運営
飲食店/関東・甲信越案件ID:2377公開日:2024年10月31日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
対象企業は首都圏超好立地に複数店舗のスペイン料理店舗を展開する企業様でございます。
【都内・好立地・複数店舗運営】高評価の東南アジア料理店
飲食店/関東・甲信越案件ID:2279公開日:2024年09月25日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
5000万円〜1億円
対象企業は、高評価の東南アジア料理店を複数運営する会社様でございます。 創業以来着実にブランドを形成し、実績を積み重ねている企業でございます。
【シンガポール/譲渡案件】人気ラーメン店複数店舗
飲食店/海外案件ID:2143公開日:2024年08月10日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
希望なし
シンガポールにて2店舗のラーメン屋を運営しています。ラーメンの他、とんかつやかつ丼等のメニューも提供しており人気を博しています。
【ヨーロッパ人気地区】飲食店2店舗
飲食店/海外案件ID:1978公開日:2024年06月26日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1億5,000万円(応相談)
・ヨーロッパの人気地区にてラーメン店等を2店舗運営
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