リフォーム業界のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・最新事例を徹底解説【2024年最新】

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

リフォーム業界ではM&A需要が増加しています。この記事では、リフォーム会社のM&A動向や、買収・売却のメリット、M&Aを成功させるポイントなどについて解説します。リフォーム会社の売却・買収事例なども紹介するので、参考にしてください。

目次

  1. リフォーム業界とは
  2. リフォーム業界の動向
  3. リフォーム業界のM&A動向
  4. リフォーム業界でM&Aを行うメリット
  5. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の相場
  6. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の事例
  7. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の手法
  8. リフォーム業界でM&Aを成功させるポイント
  9. リフォーム会社をM&Aで売却する流れ
  10. リフォーム会社のM&A動向まとめ
  11. リフォーム業界の成約事例一覧
  12. リフォーム業界のM&A案件一覧
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1. リフォーム業界とは

リフォーム会社のM&A動向を説明する前に、リフォーム業界の定義やリフォーム業界の動向を解説します。

リフォーム業界の定義

リフォーム業界とは、既存の住宅などを、工事によって顧客の要望する状態に改良する業界のことです。リフォーム工事は内容によって、増築工事・改築工事・改装工事・修繕工事の4つに分けられます。

広義には、リフォーム用具を販売する会社や、建築・リフォーム専門のコンサルティング会社、建築・リフォームの技術者派遣会社もリフォーム業界に含まれます。

技術や規模が多岐にわたる業界で、建設業界に近い位置付けといえるでしょう。

リフォーム業界に見られる特徴

リフォーム業界の特徴としては、主に以下の2点が挙げられます。

参入障壁が低い

住宅のリフォーム工事は、内装や水回りの修繕など小規模工事が半分以上を占めています。建築業法に抵触しないため、建築に携わる事業者にとって比較的参入しやすい業界といえるでしょう。

地域の工務店や、ハウスメーカー、住宅リフォーム業者、ホームセンターなど、さまざまな業種からの参入が多く、競争は激化しています。他者との差別化が課題です。

都市部では、新築住宅に適した土地が少ないため、新築需要は減少すると見られます。既存の住宅をリフォームして有効活用するケースが今後も増えるでしょう。

リフォーム業は工事内容が幅広く、小規模でも新築と同じ技術が求められるため、採算性は低い業界です。

労働集約性

リフォーム事業は、個々の顧客ニーズに合わせて工事を行います。そのため、施工方法・材料・部品などの標準化は進んでおらず、人材の技術力にかかる部分が非常に大きい労働集約型ビジネスです。

また、人材の技術力に頼らざるを得ないため、どうしても人件費の比率が高くなりやすいという点も特徴として挙げられます。

2. リフォーム業界の動向

M&Aを成功させるためには、業界動向をしっかり把握しておくことが重要です。ここでは、リフォーム業界の動向について解説します。

リフォーム業界の市場規模

国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査」を基に作成

出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&layout=datalist&stat_infid=000040066960

国土交通省が行なった調査によれば、2022年度の建築物リフォーム・リニューアル工事受注高は11兆5545億円でした。全体としては前年度から1.2%減少であり、内訳は住宅が前年度4.6%増となる3兆9200億円非住宅建築物は前年度4.0%減となる7兆6344億円となっています。

また、2022年度の期別受注高をみると、第4四半期が2兆9350億円と前年度同期に比べ 6.5%の増加となりました。その内訳は住宅関連のリフォーム工事受注高が1兆551億円、非住宅建築物関連の工事受注高が1兆8799億円であり、住宅関連のリフォーム工事受注高は前年度同期から30.5%増加しています。

2020年度から2022年度までの推移をみると、年度や四半期ごとの増減はあるものの、リフォーム業界の市場規模は穏やかな拡大傾向にあるといえるでしょう。

参考:国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(概要)」

2021年以降の動向が気になる

矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2023年)」

出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3305

現在はコロナによる行動制限が解除され、外国人観光客も増えてきました。また、大阪万博の開催も間近に迫っており、外国人観光客はさらに増えると予測されています。

増加が見込まれる旅行客に対応するため、商業施設や公共施設では改装工事が行われるケースも増えており、リフォーム業界の需要が高まっている状況です。

参入障壁の低い業界

リフォーム業界は、小規模の工事が多数を占めています。リフォーム会社は小規模工事であれば分野によっては資格がいりません。他業界からの参入も多いです。国の後押しやインターネットの活用が進んだことも、他業界からの参入が増えた要因といえるでしょう。

一方、リフォーム会社は地域性が高く、長年培った細かな技術・サービスで差が付くケースが多いです。参入後すぐに撤退せざるを得なくなった企業もあります。

建物の老朽化などから潜在需要はある

平成に大規模な地震が続いたことから、国民の災害意識は高まり、国でも耐震工事を後押ししています。

しかし、耐震基準となる前に建てられた住宅も多く、老朽化も進んでいる状況です。今後も新築・リフォームの潜在需要が見込まれます。

新築件数が減り続けているため、リフォームによる老朽化の改修や耐震工事が増えるでしょう。

人材不足・高齢化

総務省「労働力調査」より作成

出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200531&kikan=00200&tstat=000000110001&cycle=7&year=20220&month=0&tclass1=000001040276&tclass2=000001040283&tclass3=000001040284&result_back=1&tclass4val=0

リフォーム業界では人材の高齢化が進んでおり、人手不足に悩む企業も多いです。リフォーム業界の手掛ける工事は人材の能力や技能が重要ですが、引退時期に差し掛かる技術や資格を持つ人材が多い一方で若手人材が少なく、このままいけば専門人材が大幅に不足することが予測されます。

今後のリフォーム業界にとって、人材確保と若手人材の育成は大きな課題です。加えて、最新基準による耐震工事や有害物質拡散防止対策といった新しい技術に対応できる人材確保も必要になると考えられます。

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リフォーム業界の課題と展望

住宅リフォーム業界が抱えている課題の一つに挙げられるのが、「人材不足」です。予定の納期に間に合わないケースも見受けられます。

「どうやって職人を採用するのか」「職人としてどう育てるのか」「世代間における認識の違いをどう乗り越えるのか」など、問題は山積みです。この問題をどのように克服するのかがカギになるでしょう。

業界のIT導入が遅れている点も人材不足に影響しているといえます。AIやVRなど技術の活用は、業務の生産性向上に不可欠です。早急なIT導入が必要といえるでしょう。

団塊ジュニア世代の持家がリフォーム時期にあることや、不動産取引価格の上昇を受けて持家のリフォームにシフトする動きがみられます。今後の住宅リフォーム市場は堅調に推移する見通しです。

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3. リフォーム業界のM&A動向

近年におけるリフォーム会社のM&A動向には、以下4つの特徴がみられます。

①新規参入しやすい業界構造

リフォーム会社は、一定の規模以下であれば許認可のいらない工事があるので、新規参入しやすい業界です。ただし、新規参入自体は行いやすくても、十分なノウハウがなければ売上を伸ばすのは難しいでしょう。参入後撤退していく企業も少なくありません。

②関連事業・周辺事業からの規模拡大もある

リフォームに関連した事業は多岐にわたります。住宅に関連した新たな技術やビジネスモデルも次々に生まれ、そういった関連事業を行う企業が、リフォーム事業への範囲拡大により本業とのシナジー効果を得るケースがあるでしょう。

③異業種からの参入も多くM&A需要も高い

近年は異業種企業からの参入も多くなっています。リフォーム業界に参入してから、M&Aによって足りない部分を補強していくケースや、M&Aによって参入するケースです。リフォーム業界内でのM&A需要だけでなく、異業種からのM&Aも高まっています。

④地域性に密着した業界からM&Aの増加が予測される

リフォーム会社は地域密着型の企業が強い業界です。事業エリアを拡大するためには、地域とのつながりがとても重要です。今後事業エリアの拡大を検討している企業は、M&Aによって地域密着型の企業を買収するケースが増えると予想されます。

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4. リフォーム業界でM&Aを行うメリット

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡のメリットについて、売却側と買収側に分けて紹介します。

売却側のメリット

リフォーム会社の売却側には、以下5つのメリットがあります。 

従業員の雇用確保

会社を清算すると、大事な従業員の仕事を失わせることが経営者の悩みです。売却・譲渡であれば、信頼できるリフォーム会社に従業員を任せられます。

後継者問題の解決

他業界と同じく、リフォーム会社も後継者不在問題が深刻です。特に、小規模工務店の多くが、後継者不在によって廃業に追い込まれています。売却・譲渡であれば、信頼できるリフォーム会社に会社を預けられるでしょう。

売却・譲渡益の獲得

リフォーム会社を清算するにもお金がかかります。M&Aによって売却益・譲渡益を得れば、引退後の生活資金や次の事業資金として使えます。リフォーム会社の規模を縮小して続けることも可能です。

資本力の後ろ盾による経営の安定化

大手リフォーム会社の傘下に入れば、十分な資金力とブランド力の中で安定した経営が可能です。ただし、売却・譲渡先選定は、自社の価値観と合う相手を選ぶ必要があります。

個人保証・債務・担保などの解消

M&Aによってリフォーム会社を売却・譲渡できれば、個人保証や債務、担保などを解消できます。お金の負担と精神的な負担が解消される大きなメリットとなるでしょう。

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買収側のメリット

ここに追加 リフォーム会社の買収側には、以下5つのメリットがあります。

人材の確保

深刻な人材不足のリフォーム業界で、リフォーム会社の買収によって人材を確保できることは大きなメリットです。貴重な人材の雇用を守れるので、リフォーム業界への貢献にもなります。

必要な事業を低コストで獲得

必要な事業をM&Aで獲得すると、リフォーム事業の縦展開、横展開が可能です。さまざまな事業を自社内・自社グループ内で行えば、経営の効率化が見込めます。

新規事業へ低コストで参入

他業界からリフォーム業界に参入する際、一からの事業立ち上げには多くの資金と時間が必要です。M&Aであれば、低コストでの参入が可能となります。

顧客・取引先・ノウハウなどの獲得

リフォーム業界は地域性が高く、地域の取引先や地域に合わせたノウハウを獲得することが重要です。リフォーム会社は口コミも大事なので、すでに地域の信頼を獲得しているリフォーム会社を手に入れることで、早い段階での収益化が可能となるでしょう。

地域性の高い業界のためエリア拡大の大きなポイントになる

経営戦略として事業エリアの拡大を行う場合、地域性を考慮せずに地域参入しても自社のノウハウが通用せず、撤退せざるを得なくなるケースがあります。

リフォーム会社は地域に合わせたノウハウ・サービスが必要です。M&Aによって地元リフォーム会社を取得すれば、スムーズな地域参入が可能になります。

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5. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の相場

昨今、リフォーム会社の買収需要は高まっています。売上が伸び悩んでいる赤字続きの企業でも、希望額で売却・譲渡が成立しているケースが多いでしょう。

リフォーム業界におけるM&A・売却・買収・譲渡の相場は、会社の規模にもよりますが、一般的に、営業利益の2~4倍くらいになります。300万~3,000万円前後のケースがよく見られます。

特に本記事で後述する売却・譲渡のポイントを押さえる企業であれば、他業界と比べても高い相場で売却・譲渡が可能となるでしょう。ただし、多額の借入金がある企業の場合は、売買が成立しないか、成立したとしてもかなり安い金額で売却・譲渡となる可能性が高くなります。

リフォーム会社の売却・譲渡を検討する場合は、赤字や多少の借入金があっても、必要以上に希望の売却・譲渡価額を下げる必要はありません。不安であれば、M&A仲介会社などの専門家に、簡易企業価値算定を依頼しましょう。

M&A総合研究所では、専門的な知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが培ったノウハウを生かして案件をフルサポートします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を随時受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の事例

リフォーム会社のM&A・売却・買収・譲渡の事例を紹介します。

①アークホームによるフレッシュハウスの買収

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、アークホームによるフレッシュハウスのM&Aです。

2024年6月、アークホームはフレッシュハウスの全ての株式を取得しました。アークホームはアークホーム戸建て・マンションのリフォームやリノベーションを行っています。フレッシュハウスは、横浜市に本社を置く住宅のリフォームおよびリノベーションを行っています。

今回のM&Aにより、リフォーム事業のさらなる拡大を目指します。

②エムビーエスによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、エムビーエスとリグノマテリアの資本業務提携です。2023年7月、エムビーエスとリグノマテリアは資本業務提携を行うことを発表しました。

エムビーエスは、住宅など建造物のリフォーム工事や機能性塗料の開発・販売などを手掛けています。一方のリグノマテリアは、化成品や天然物由来の原料・加工品の製造販売、コンサルタント事業などを手掛ける企業です。

本資本業務提携について、エムビーエスは新しい建築資材の開発やプラント建設・製造物の販売拡大を協力して進めることで、両社の発展および企業価値向上につながるとしています。

参考:株式会社エムビーエス「資本業務提携契約締結に関するお知らせ 」

③コーナン商事によるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、コーナン商事によるM&Aです。

2021年10月、コーナン商事はパナソニックプロイエサービスの住宅設備維持修繕事業の一部を事業譲渡で取得しました。

プロイエは、首都圏でリフォーム事業を展開しています。この契約締結により、コーナン商事の人材不足を解消するとともに、リフォーム事業に関する成長戦略を一層加速させる見込みです。

参考:コーナン商事株式会社「リフォーム関連事業の一部事業譲受に関するお知らせ」

④日本管理センターによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、日本管理センターによるM&Aです。

2021年6月、賃貸住宅の経営代行・管理・運用を行っている日本管理センターはシンエイおよびシンエイエステートの全株式を取得し、完全子会社化しました。

シンエイおよびシンエイエステートは、東京・多摩地域を中心に、首都圏で9,000戸を超える賃貸住宅の管理・運用を展開しています。50年以上地域に密着した会社です。

日本管理センターグループの持つリフォーム事業、滞納保証事業、保険事業を提供することで、さらなる収益向上が期待されます。AIとICTを融合したPropTechを活用することで、業務効率化も見込まれます。両社の強みを生かした事業強化により、企業価値向上につなげる考えです。

参考:日本管理センター株式会社「株式会社シンエイおよび株式会社シンエイエステートの 株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

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⑤日本リビング保証によるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、日本リビング保証によるM&Aです。

2020年7月、日本リビング保証は横浜を拠点とした住宅建設およびリフォーム工事業の横浜ハウスを株式譲渡により子会社化しました。

日本リビング保証は、保証・アフターサービス業務代行やCRM支援サービスなどをつうじて、住宅事業者に経営効率化・新商流形成の支援を行っています。この契約締結により、「住宅関連リアルサービス提供体制の強化」を目指します。

参考:日本リビング保証株式会社「横浜ハウス株式会社の完全子会社化について」

⑥アサンテによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、アサンテによるM&Aです。2020年5月、アサンテは北海道のハートフルホームの全発行済み株式を取得し、同社を子会社化すると発表しました。

アサンテは、木造住宅向けのハウスメンテナンスサービスを手掛けており、白蟻防除をメインに事業を行っています。子会社となったハートフルホームは金属サイディングによる外壁リフォームを得意とする北海道の建築リフォーム会社です。札幌市を拠点に事業を展開しており、外壁リフォームでは道内トップクラスの実績を持っています。

本M&Aは事業エリアの拡大とサービス分野の拡充が主な目的です。アサンテはハートフルホームの子会社化により、新規エリアとなる北海道に拠点を構えることとなり、同エリアでの事業拡大を進めるとともに既存事業とのシナジー創出を目指すとしています。

参考:株式会社アサンテ「株式会社ハートフルホームの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑦日本創発グループによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、日本創発グループによるM&Aです。日本創発グループは2019年2月、内装工事などを行うササオジーエスを株式譲渡により完全子会社化しました。

多様な印刷物を製造する日本創発グループは、ササオジーエスの買収によって事業の納期短縮や施工対応力の向上を図ります。

参考:株式会社日本創発グループ「株式会社ササオジーエスの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

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⑧ケイアイスター不動産によるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、ケイアイスター不動産によるM&Aです。

ケイアイスター不動産は2018年8月、ケイアイスター不動産と注文住宅のフランチャイズ契約を結んでいるフレスコを株式譲渡により連結子会社化しました。

ケイアイスター不動産は、注文住宅事業を行う「はなまるハウス」事業の全国展開を拡充しています。

参考:ケイアイスター不動産株式会社「株式会社フレスコの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ 」

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⑨オープンハウスによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例は、オープンハウスによるM&Aです。

不動産関連事業を幅広く行っているオープンハウスは2018年7月、リフォーム工事施工などを行うホーク・ワンを株式譲渡と簡易株式交換により完全子会社化しました。

本統合により、オープンハウスは首都圏での事業エリアを網羅し、エリア拡大を実現しています。

参考:株式会社オープンハウス「株式会社ホーク・ワンの株式取得及び簡易株式交換(完全子会社化)に関するお知らせ 」

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⑨安江工務店によるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例9社目は、安江工務店によるM&Aです。

愛知県と兵庫県で不動産関連事業・住宅リフォーム事業などを行う安江工務店は2018年5月、熊本県を中心に不動産関連事業・住宅リフォーム事業などを行うトーヤハウスを株式譲渡により完全子会社化しました。

本統合により安江工務店は、事業規模の拡大とともに、熊本地震の復興支援を進めています。

参考:株式会社安江工務店「株式会社トーヤハウスの全株式譲受に関する契約締結のお知らせ 」

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⑩ハイアス・アンド・カンパニーによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例10社目は、ハイアス・アンド・カンパニーによるM&Aです。

住宅関連コンサルティングを行うハイアス・アンド・カンパニーは2018年1月、アンビエントホールディングス・ハウス・イン・ハウスとともに営んでいるリフォーム関連事業などを、事業譲渡により取得しました。

ハイアス・アンド・カンパニーはこれまでも事業の統合を行ってきました。本事業譲渡により統合を加速させ、シナジー効果の増加を図っています。

参考:ハイアス・アンド・カンパニー株式会社「事業譲受に関するお知らせ」

⑪ヤマダ電機によるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例11社目は、ヤマダ電機によるM&Aです。

ヤマダ電機は、リフォーム事業を行うナカヤマを2017年11月に株式譲渡によって子会社化し、2018年にはナカヤマを吸収合併しました。ヤマダ電機はリフォームや家具販売の店舗を運営しています。

吸収合併によって、ナカヤマの人材を獲得し、各店舗への配置によってリフォームの提案力を高めています。

参考:株式会社ヤマダ電機「株式会社ナカヤマの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
 

⑫ナックによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例12社目は、ナックによるM&Aです。

ナックは2017年4月、日本製紙の連結子会社だった国木ハウスを株式譲渡により子会社化しました。ナックは全国各地で注文住宅事業を拡大してきました。

北海道で注文住宅事業を営む国木ハウスの買収で、事業エリアの拡大と北海道での住宅事業ノウハウを手に入れています。

参考:株式会社ナック「株式会社国木ハウスの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑬ピースリビングによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例13社目は、ピースリビングによるM&Aです。

不動産関連事業・リフォーム事業などを行うピースリビングは2017年1月、リフォーム事業などを行うアークホームを株式譲渡により子会社化しました。

ピースリビングは、リフォーム事業でシナジー効果が得られ、事業の成長が見込めるとしています。

参考:株式会社ピースリビング「株式会社アークホームの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑭バルクホールディングスによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例14社目は、バルクホールディングスによるM&Aです。

バルクホールディングスは2017年1月、新築住宅を一貫して手掛ける子会社のハウスバンクインターナショナルをS&Gハウジングへ株式譲渡により売却しました。

バルクホールディングスは、子会社の売却によってコア事業へ経営資源を投下していく計画です。

参考:株式会社バルクホールディングス「子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ 」

⑮ワールドホールディングスによるM&A

リフォーム会社におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例15社目は、ワールドホールディングスによるM&Aです。

不動産事業をはじめ、多角的な事業を展開しているワールドホールディングスは2017年1月、戸建て注文住宅事業を営む豊栄建設を株式譲渡により完全子会社化しました。

豊栄建設の注文住宅事業にワールドホールディングスの営む事業を掛け合わせることで、シナジー効果が生まれると見込んだM&Aです。

参考:株式会社ワールドホールディングス「豊栄建設株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

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7. リフォーム業界のM&A・売却・買収・譲渡の手法

リフォーム業界のM&Aで多く活用されている手法は、株式譲渡と事業譲渡の2つです。ここでは、それぞれどのような特徴があるのかを簡単に解説します。

株式譲渡

株式譲渡

株式譲渡は、売却側の発行済み株式(議決権のある株式)を買収側へ譲渡することによって、経営権を移転させる手法です。

株式譲渡後の支配関係は譲渡する株式割合で決まり、売却側が全発行済み株式を譲渡すればM&A後は買収側の完全子会社となり、過半数以上を譲渡すれば子会社となります。

株式譲渡は、売却側の権利・義務が包括的に買収側へと引き継がれる点が特徴のひとつです。対象となるのは資産や負債だけでなく、従業員の雇用や許認可なども含まれます。

事業譲渡

事業譲渡

事業譲渡とは、複数事業を行う企業が事業の全部または一部を譲渡する手法です。譲渡対象および範囲は売却側・買収側が協議して細かく決めることができます。

株式の移転は伴わないため、M&A後も売却側は譲渡対象以外の事業を引き続き行うことが可能です。事業譲渡は株式譲渡のように権利・義務が包括的に承継されるわけではなく、買収側が引き継ぐためには個々に手続きを行わなければなりません。

従業員の雇用契約を買収側が引き継ぐ場合は個別に同意を得たうえで、改めて契約の結びなおしが必要です。また、売却側の保有する許認可は、原則として引き継ぐことはできません。

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8. リフォーム業界でM&Aを成功させるポイント

リフォーム会社のM&A・売却・買収・譲渡を成功させるには、以下8つのポイントを押さえることが大切です。

①他社にはない強み・アピールポイントがある

小規模のリフォーム会社は競争が激しく、契約が取れても薄利での受注になってしまうケースが多いです。安売りしなくても、契約が取れる強みを持ったリフォーム会社であれば、相場よりも高い金額で買い手が付きます。

②事業の健全化・価格の透明化がなされている

リフォーム会社は口コミによる契約獲得が重要です。事業のやり方や価格設定に不透明な部分があると、安定した経営ができません。事業の健全化と価格の透明化がしっかりしているリフォーム会社であれば、良い買い手が付きやすいです。

③コンプライアンスに基づいた運営をしている

近年、リフォームに関するトラブルの多さが目立つことや、大手建築会社による不祥事が続いていることなどから、リフォーム会社に対する目は厳しくなっています。コンプライアンスを徹底しているリフォーム会社であれば、買収側は安心して取得できるでしょう。

④職人の充実・優秀な人材を保有している

リフォーム会社は深刻な人材不足であるため、近年は人材確保目的での買収も増えている現状です。優秀な人材がいるリフォーム会社は、赤字でもすぐに買い手が付くケースが多く見られます。

⑤業界団体・地域貢献などを行っている

消費者が安心してリフォームを行えるように、リフォーム業界には国土交通省が定めた業界団体があります。団体の要件を満たして登録していると安心につながります。

他業界と同じく、リフォーム会社でもCSR(企業の社会的責任)を行っているかが注目されるようになりました。小さなことでも地域貢献を継続して行っていることが大事です。

⑥同業種・関連業種などとの幅広い情報がある

リフォーム会社はさまざまな業種との連携が必要です。買収後に幅広い情報を築くには時間がかかるため、同業種・関連業種との幅広い情報を持てば、買収側は効率良く事業を引き継げます。

⑦リフォームに対する多くの経験・実績がある

消費者がリフォーム会社に求めるポイントで上位に入るのが、値段の安さです。リフォーム価格は、日数と人手によって決まります。

リフォームの経験が豊富なリフォーム会社であれば、同じ作業でも費用を抑えられます。信頼感・安心感を求める消費者にとって、実績豊富なリフォーム会社は依頼しやすいでしょう。

⑧会社売却の専門家に相談する

現在リフォーム会社は買収需要が高い状況です。だからこそ売却・譲渡側は、売却・譲渡先の選定をしっかりと行い、売却・譲渡の手法を目的に合わせて的確に選ぶことが重要です。

M&A仲介会社はM&Aに関するサポートを一貫して行います。相談無料の仲介会社も多いです。売却・譲渡を検討している場合、まずは仲介会社に相談しましょう。

9. リフォーム会社をM&Aで売却する流れ

ここでは、リフォーム会社をM&Aで売却する流れをみていきましょう。自社・事業の売却を行う際は、全体の流れを頭にいれておくと、円滑に進みやすくなります。

目的を明確にしたうえでM&A・売却の希望条件を決める

最初に行うべきは自社(事業)を売却する目的を明確にすることです。M&A・売却の目的を明確にしておかなければ、候補先の選定や交渉時の譲歩で判断を誤る可能性もあるため、具体的なM&Aへ進む前にしっかりと確認しておきます。

目的が明確になったら、売却時の希望条件を決めておくとよいでしょう。希望条件は複数ある場合がほとんどなので、条件に優先順位を付けておくと候補先の選定や交渉時に役立ちます。

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

自社(事業)を売却することを決断したら、M&A仲介会社などへ相談します。M&A仲介会社など支援業務を手掛ける専門家は多く存在するので、自社の規模や業種・サポートが受けられる範囲・専門家の支援実績・手数料体系などを比較検討し、目的に合ったところを選ぶことが大切です。

サポートを依頼することを決めたら業務委託契約を締結し、M&A戦略の策定や候補先の選定などを進めていきます。 

M&A交渉を行う候補先を選定する

次はM&A交渉を行う候補先企業を選定していきます。M&A仲介会社に支援を依頼した場合は、M&Aアドバイザーが事前に伝えた希望条件に合う企業をリストアップしてくれるので、そこから選定することが一般的です。

この時点では、企業名や詳細な情報は明かさずに大まかな事業内容・所在地などをまとめた資料(ノンネーム)を基に絞り込みを行います。

そして、交渉したい候補先が決まったらM&A仲介会社を通して交渉を打診し、具体的な交渉に進むことが決まったら、秘密保持契約を締結して互いの社名や詳細情報を開示します。

売却側・買収側のトップ同士による面談

ほとんどのM&Aではこれまで面識のなかった企業同士が交渉を行うため、まず「トップ面談」と呼ばれる売却側・買収側のトップ同士による面談が行われます。トップ面談は、互いの人間性・M&A後のビジョン・経営理念・企業風土などを確認し、信頼関係の構築を目的として設けられる機会です。

そのため、条件・価額など具体的な交渉はせず、売却側は自社を安心して任せられるかなど、書面でわからない部分を確認するようにしましょう。

基本合意書の締結

トップ面談後、M&Aの条件や売却価額など交渉で取り決めた内容に双方が大筋合意したら、基本合意書を締結します。

基本合意書には締結時点までに取り決めたM&Aの条件・売却価額・使用するM&A手法・完了までのスケジュールなどを記しますが、M&Aの成立および成立時の条件が確定したわけではありません。

また、デューディリジェンスについての事項や独占交渉権の付与など一部内容を除き、基本合意書の記載事項には法的な拘束力を持たせないのが一般的です。

デューデリジェンス

デューデリジェンスでは、買収側が売却側の財務・法務・人事などの各方面から調査を行い、リスクの有無や程度、開示された資料(情報)の正確性を確認します。

デューデリジェンスは、買収側がM&Aの実行可否や価額・条件の妥当性を判断する材料となるものです。そのため、デューデリジェンスの結果によっては条件や価額が変更されたり、場合によってはM&A交渉が白紙になることもあります。

最終交渉と最終契約の締結

買収側がM&Aを実行することを決断したら、M&A成立に向けた最終交渉へ移ります。デューデリジェンスの結果を踏まえて最終的な交渉を行うため、基本合意締結時の条件や価額が変更されるケースもあることを理解しておきましょう。

そして、最終交渉したすべての内容に互いが合意したら、最終契約書を締結してM&Aは成立となります。なお、最終契約書の記載事項はすべてに法的拘束力があり、締結以降のM&A撤回は原則として認められません

もし違反した場合、相手側から損害賠償請求されるおそれもあるため、締結前によく内容を確認することが重要です。

クロージングの実行

売却側企業(事業)の経営権を買収側へ移転させ、対価の決済を行うことをクロージングといい、M&A手法によってクロージングに必要な手続きが変わります。

クロージングを実行するためには、最終契約で定めたクロージング条件を満たしていることが前提です。クロージング条件には法的手続きが含まれるケースもあるため、通常は最終契約の締結から一定期間を空けて実行されます。そして、クロージングが完了すれば、M&Aによる売却の手続きは完了です。

【関連】M&Aのフロー・流れを徹底解説!検討〜クロージングまで【図解あり】

10. リフォーム会社のM&A動向まとめ

リフォーム業界は新規参入しやすい業界構造です。異業種からの参入も多く、地域性に密着した業界からM&Aは増えていくと予測されます。

リフォーム業界でのM&Aを行う際は、業界動向を踏まえて検討しましょう。M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

11. リフォーム業界の成約事例一覧

12. リフォーム業界のM&A案件一覧

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