不動産M&Aとは?手法・メリットやデメリット・税金面・会社分割も解説【最新事例】

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

当記事では、不動産M&Aのメリット・デメリットを解説します。不動産M&Aを行ううえで把握しておきたいリスク、税金や会社分割にも触れています。不動産M&Aの成功事例も紹介していますので、不動産M&Aをご検討の方はぜひご覧ください。

目次

  1. 不動産M&Aとは
  2. 不動産M&Aに課される税金
  3. 不動産M&Aのメリット・デメリット
  4. 不動産M&Aにも慎重なデューデリジェンスは必要
  5. 不動産M&Aの成功事例
  6. 不動産M&Aのご相談はM&A総合研究所へ
  7. 不動産M&Aのまとめ
  8. 不動産管理業界の成約事例一覧
  9. 不動産管理業界のM&A案件一覧
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1. 不動産M&Aとは

不動産M&Aとは「不動産の取得を目的に行うM&A」のことです。ここ数年、不動産M&Aを行う事例は、増え続けています。

不動産M&Aでは、不動産の所有権そのものを移転させるのではなく、企業買収の形で不動産を所有している法人ごと譲渡します。法人ごと譲渡する方法としては、企業買収と同じく、会社の株式を売り主から買い主に譲渡させる仕組みです。

ここでは、不動産M&Aの対象となるものや、不動産M&Aの方法などを中心に解説します。

不動産M&Aの対象

不動産M&Aは、基本的に不動産の取得を目的とするため、対象となるのは不動産ですが、それ以外に不動産を所有している会社も譲渡対象です。

つまり、不動産・所属する従業員や株式・資産や負債も、不動産M&Aの対象となります。仕組みのうえでは、株式譲渡と同様に会社全体を対象としたM&Aと理解するとよいでしょう。

不動産M&Aの主な目的

ここでは、不動産M&Aの主な目的を解説します。不動産M&Aの主な目的は、主に以下の3つです。
 

  • 節税のため
  • 不動産を現金化するため
  • 不動産移転の費用を抑えるため

節税のため

不動産M&Aを行う理由の1つ目は、節税が挙げられます。

不動産M&Aの場合は通常の不動産売却と違い、株式売却時における利益の20%のみが課税対象です。そのため、売却資金をより多く手元に残せます

不動産を現金化するため

2つ目は、不動産の現金化です。不動産M&Aの場合は、会社の株式譲渡になるため、所有している不動産を全て同時に売却でき時間の短縮になります。

また、税金面から見ても、不動産売却益に対する課税より、株式譲渡益に対する課税の方が手元に残る金額は多くなり、すぐに現金化できます。

これらの理由により、単なる不動産売却ではなく、不動産M&Aとして取引を行う人が増えているのです。

不動産移転の費用を抑えるため

3つ目の目的は、不動産移転の費用を抑えることが挙げられます。不動産M&Aは株式移転と同等の扱いになるため、通常は不動産売却時に必要となる不動産移転にかかる登記申請・登録免許税・不動産取得税・不動産登記費用が不要です。

不動産M&Aの手法

次に、不動産M&Aの手法を見ていきましょう。

株式譲渡を活用した不動産M&A

不動産を持つ会社の全株式を買収側が得て完全子会社化することで、買収側は子会社をとおして不動産を間接的に有します。

事業の順調な会社が資産の一部である不動産を処分する際は、一般的に不動産自体を売却します。

不動産自体に魅力があっても事業の将来性などが低くて廃業しそうな場合は、会社清算と不動産M&Aを比べることになるでしょう。買収側は、売却側における不動産以外の部分における扱いについて検討しなければなりません。

事業継続の価値がないと判断した際は、目的である不動産を自社へ移転後、売却側を解散します。売却側の責任により、一部の資産や負債を前もって処分する取り決めを行うこともあるでしょう。

経営統合下で売却側を存続させる価値があれば、不動産管理などを行う子会社として残します。ただし、このケースも目的は不動産の活用です。不動産の収益性を上げた後に売却することを目的とするのが一般的です。売却側は不動産売却が完了すると最終的に解散します。

会社分割を活用した不動産M&A

会社分割とは、業界組織再編の手法の1つで、株式会社で運営している事業の権利義務全てまたは一部を、包括的に別の会社へ承継することです。会社分割は仕組みのうえでは、新設分割と吸収分割の2種類に分けられます。
 

  • 新設分割:新規設立した会社へ承継する手法
  • 吸収分割:既存の会社へ事業を承継する手法

会社分割(新設分割)と株式譲渡を組み合わせ、不動産のみを切り出して不動産M&Aにより譲渡できます。新設分割を使用して、売却側を不動産のみを所有する事業とそれ以外に分け、不動産のみを所有する事業を株式譲渡で買収側に売却するのです。

不動産M&Aが確定したら、その不動産を所有するためのみの子会社を新設分割で設立します。
 

  • 新設会社設立の例:A事業・B事業と2つの事業を行うX社があると仮定した場合、X社からB事業を切り離し、新しく新設するY社への承継で会社分割が可能

不動産単体の売買ではなく、親会社が保有する子会社の株式を会社分割で新設した譲受企業への譲渡で、不動産M&Aができ、手続きの簡略化や節税などが可能です。

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2. 不動産M&Aに課される税金

不動産M&Aで利益が出た場合は、税金の対象となります。ここからは、不動産M&Aにかかる税金を見ていきましょう。

不動産の売買に課される税金

売却側には、売却で得る利益に法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税などがかかり、トータルの税率は30%~34%くらいです。土地の取引は消費税がかかりませんが、建物には消費税が課されます。

買収側には不動産取得税がかかり、税額は固定資産評価基準に基づいて決まった不動産評価額に、3%~4%の税率をかけて計算します。

買収側は、所有権移転登記の手続きが必要です。それにかかる税金や司法書士に登記手続きを委託する費用も要ります。また、印紙も必要なので印紙税もかかりますが、売却側と買収側で半分に分けることが多いです。

会社の清算に課される税金

会社を廃業して解散すると、資産を処分して換金し債務を返して残余財産は株主へ分ける清算を行います。残余財産がプラスの場合は、不動産の売却益と同じく法人税などの課税対象です。税率のトータルは30%~34%くらいでしょう。

資産の売買では、土地や有価証券など非課税の取引以外に消費税がかかります。株主に残余財産を分けたときに、株主には所得税がかかります。

その年の所得合計額によって所得税率が決定し、所得が多いほど税率も上がりますが、所得レベルごとに控除があることを知っておきましょう。

株式譲渡による不動産M&Aの税金

次に、株式譲渡による不動産M&Aの税金に関して売却側と買収側に分けて紹介します。

売却側に課される税金

株式譲渡にかかる税金は、株主の譲渡所得に対する申告分離課税の20%のみです。消費税も印紙税も必要ありません。

株主の譲渡所得におけるトータルは、「株式譲渡の対価-必要経費の合計」で算出します。M&Aでは株主価値を計算し、それに基づいた譲渡対価を決めるのです。

不動産売却時の手取り額を増やす手段には、以下3つの方法があります。

  • 不動産の譲渡後に、廃業予定としている場合
  • 不動産譲渡を行うと、法人の実態を失う場合
  • 事業を別会社に譲渡して資産保有会社にする場合

買収側に課される税金

買収側には、M&Aを行う段階で特にかかる税金はありません。しかし、後に不動産を売却するときは、売却益に法人税などがかかります。これに関しては、買収のときに考慮しなければなりません。

子会社となった売却側企業を解散し清算すると、買収側は残余財産を獲得します。しかし、100%の親子関係なので課税への影響はありません。

新設分割・株式譲渡による不動産M&Aの税金

新設分割では、承継される資産・負債の譲渡損益に対する法人税、対価が株主に交付される場合の配当所得に対する所得税、不動産の承継に対する不動産取得税が原則かかります。しかし、組織再編税制の適格要件などを満たせば非課税です。

また、分割される事業が下記の条件を満たせば不動産取得税はかかりません。

  • 分割事業の主な資産が新設会社へ移転している
  • 新設会社で分割事業を続けて営むことが見込まれる
  • 分割事業に従事した従業員の約80%以上が新設会社の業務に従事することが見込まれる

ちなみに、新設分割に続いて行う株式譲渡の税務は、株式譲渡のみのスキームにおけるケースと同じです。

税務面で不動産M&Aの実施が難しい場合

株式譲渡が短期所有土地の譲渡とみなされる」場合は、税務面で不動産M&Aの実施が難しいでしょう。下記のいずれかに当てはまる株式譲渡は、短期所有土地の譲渡と見なされて税率20%という株式譲渡の倍に近い課税の「所得税30%+住民税9%」となる可能性があります。

  • 所有資産の70%以上が所有期間5年以下の土地およびその上に存在する権利で占められる企業の株式を譲渡
  • 所有資産の70%以上が土地およびその上に存在する権利で占められる企業の株式を取得から5年以内に譲渡

また、「租税回避行為として新設分割が税務調査で否認される」場合も、税務面で不動産M&Aを行うのが困難といえます。

組織再編税制には税逃れを防止するための規定があり、「包括的な租税回避行為防止規定」の規定は特に気を付けなければなりません。

不動産M&Aを実施するためにそれ以外の大きな事業の方を新設会社に移すと、道理に合う理由がなければ税逃れととられるリスクがあります。

逆に、売却の対象である不動産を含んだ事業の方が大きい場合は、残す資産を新設会社へ移すのが理にかなったスキームと考えられるので、否認されにくいでしょう。

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3. 不動産M&Aのメリット・デメリット

不動産M&Aには、メリット・デメリットの両面が存在します。ここでは、譲渡側・譲受側の両面から見たメリット・デメリットを見ていきましょう。

譲渡側のメリット

譲渡側のメリットは、以下の4つです。
 

  • 不動産M&Aは節税効果が高い
  • 事業を引き継ぐ手続きが不要
  • 廃業コストが不要
  • 従業員の雇用を維持できる可能性がある

それぞれのメリットを順番に解説します。

不動産M&Aは節税効果が高い

1つ目のメリットは、不動産M&Aは節税効果が高い点です。単なる不動産所得の場合、利益が多ければ多いほどかかる税金は高くなる傾向がありますが、不動産M&Aの場合は異なります。

不動産M&Aは株式譲渡と類似した取引になるため、株式取得時と同様、株式譲渡の利益にのみ課税されるのです。

また、株主に対しても配当金を払う必要性がないため、所得税の20%を支払います。このように、節税効果が高いことも不動産M&Aの大きなメリットです。

事業を引き継ぐ手続きが不要

2つ目のメリットは事業を引き継ぐ手続きが不要である点です。通常、不動産を取得した場合、買い手企業は不動産の購入後に所有権の移動に対して、登記申請をしなくてはなりません。

しかし、不動産M&Aの場合は、株式譲渡によるM&Aと同じく株主変更のみの手続きで済むため、事業を引き継ぐ際の面倒な手続きを省略できます。

廃業コストが不要

3つ目のメリットは、廃業コストが不要な点です。通常の不動産売買では、会社解散の手続きや債務返済の手続きなどに多くの手間がかかりますが、不動産M&Aではそれら全てを省略できます。

不必要な手続きがないため、廃業コストなどもかからず、総じてコストを下げられるメリットがあるのです。

従業員の雇用を維持できる可能性がある

廃業した場合、通常は全ての従業員が解雇されます。しかし、不動産M&Aである買い手企業が売り手企業を子会社として残すことを決めた場合、従業員の雇用を一定程度保持することが可能です。

譲渡側のデメリット

譲渡側のデメリットは、主に以下の4つがあります。
 

  • 不動産のみの売買には手間がかかる
  • 買い手を探すのが難しい
  • 大きな節税メリットを得られないおそれ
  • 専門家への依頼報酬が高額に及ぶ可能性

不動産のみの売買には手間がかかる

不動産M&Aにおける譲渡側のデメリット1つ目は、不動産のみを売買した場合に手間がかかる点です。

特に、売主にとっては事業や企業を譲渡するための手続きが増加するため、譲渡までに約半年から1年程度の時間がかかるでしょう。

この期間は、一般的な不動産取引における倍くらいの期間となるため、早急に売却をしたい場合などは、大きなデメリットです。

買い手を探すのが難しい

2つ目のデメリットは、買い手を探すのが難しい点です。メリットの多い不動産M&Aですが、日本のM&A市場は売り手市場であるのに加え、高い守秘性を守らなければなりません

そのため、不動産取得目的で企業をM&Aできる買い手を見つけにくいデメリットがあるのです。

大きな節税メリットを得られないおそれ

3つ目のデメリットは、大きな節税メリットを得られないおそれがある点です。

譲渡側に大きな偶発債務がある場合などは、譲渡対価が低く抑えられることがあります。そのため、節税効果をプラスしても、手元に残る金額が会社を清算した場合とほとんど違いがないケースもあるのです。

専門家への依頼報酬が高額に及ぶ可能性

譲渡側のデメリットとして、専門家への依頼報酬が高額に及ぶ可能性が挙げられます。M&Aを行う際は、専門家に依頼するケースが多いですが、廃業よりも専門家への依頼報酬が高額となる可能性があるのです。

M&Aの仲介などを規制する業法がないため、仲介会社によって料金に幅があります。不動産M&Aを実施すれば削減可能な税金やコストは大きいですが、専門家へ払う依頼報酬を考慮して全体のコストを比べることが大切です。

譲受側のメリット

譲受側のメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
 

  • 大幅なコスト削減が可能
  • 物件取得のための交渉が簡単
  • 不動産価格を低く抑えられる

大幅なコスト削減が可能

通常、不動産取得時は、さまざまなコストがかかります。不動産の所有権が移動するため、不動産の登記申請をしなければなりません。しかし、不動産M&Aの場合は株式譲渡と同じく株主変更のみで済みます。

その他、不動産取得にかかる不動産取得税や登録免許税の支払い、契約書作成で必要な収入印紙購入などの費用も不要となるため、税金面・手続き費用のコストも大幅に抑えられるメリットがあるのです。

物件取得のための交渉が簡単

2つ目のメリットは、物件取得の交渉が簡単なことです。不動産M&Aの場合、取り組める事業者が少ないため、株式譲渡のM&Aよりも有利に物件取得交渉を行えるでしょう。

売主は売買価格をある程度減額してでも不動産を売却する可能性があるため、交渉を行う際は経験の多い専門家などに依頼する方が効果的です。

不動産価格を低く抑えられる

不動産M&Aでは、不動産価格を低く抑えられます。

通常の不動産購入では、売り手にも売却益に対する税金がかかるため値下げを行うのは難しいです。しかし、不動産M&Aの場合は所得税に20%がかかるだけなので、売り手側の手取りが増えます。

そのため、税金の支払いなどを見越した価格交渉が可能となり、通常の不動産取引よりも安く不動産を購入できるケースが多いです。

譲受側のデメリット

譲受側のデメリットには、主に以下の2つが挙げられます。
 

  • 簿外債務などを引き継ぐ可能性がある
  • 不動産の含み益に対する税負担を追う可能性がある

簿外債務などを引き継ぐ可能性がある

1つ目のデメリットは、簿外債務などを引き継ぐ可能性があることです。不動産取得が目的の不動産M&Aとはいえ、最終的には会社買収の形と同等になります。

そのため、デューデリジェンスなどを徹底しなければ、予想していなかった簿外債務など負の資産を引き継ぐケースもあるのです。

不動産の含み益に対する税負担を負う可能性がある

2つ目のデメリットは、不動産の含み益に対する税負担を負う可能性がある点です。

取得した不動産に対する利益が多い場合、将来の不動産含み益に対する税負担を引き継がなければならない点がデメリットになることも理解しておきましょう。

  • 不動産管理会社のM&A・事業承継

4. 不動産M&Aにも慎重なデューデリジェンスは必要

不動産M&Aで成功を収めるためには、デューデリジェンスを徹底する必要があります。

デューデリジェンスとは、買収対象となる不動産の価値を正確に評価し、リスクを事前に把握するために行う調査のことです。不動産の場合、土地や建物の法的権利、現在の利用状況、将来の開発可能性、環境リスクなど、多岐にわたる要素を検討する必要があります。

不動産には見えないリスクが数多く潜んでいます。例えば、買収後に不動産の価値が予想よりも低かったり、予期せぬ法的問題が発生したりすることがあるでしょう。これらのリスクを事前に特定し、適切に評価することで、不必要な損失を避け、投資の成功率を高められます。

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5. 不動産M&Aの成功事例

不動産M&Aの仕組みや、メリット・デメリット・税金・会社分割などについて説明してきましたが、ここからは不動産M&Aの成功事例を見ていきましょう。

①Lib Workがタクエーホームを買収した事例

Lib Workは、2020年5月にタクエーホームの全株式を取得し子会社化しています。Lib Workは、熊本県を本拠地として、注文住宅の企画や販売、施工、管理など、戸建て住宅の事業を展開しており、営業エリアを拡大する予定でした。

タクエーホームは2014年に設立し、神奈川県内を中心に地盤に戸建て販売の実績を積みました。今回のM&Aにより、全国展開を目指す第一歩として関東圏への進出を果たします。

そして、事業基盤を強化し施工体制の強みや規模のメリットを活用しながらグループ全体のコスト削減を目指します。

熊本から全国展開へ始動 タクエーホーム株式会社とのM&Aで関東に進出

②日本リビング保証が横浜ハウスを買収した事例

日本リビング保証は、2020年5月に横浜ハウスの株式を取得し、子会社化しました。横浜ハウスは、横浜市を中心に住宅建設およびリフォーム工事を行っている企業です。

日本リビング保証のグループ企業は、保証やアフターサービス業務の代行、CRM支援などの住宅事業者を中心とした経営効率や形成支援を行っています。

今回のM&Aによりグループの事業基盤を充実させ、住宅関連リアルサービス提供の体制を強化します。

横浜ハウス株式会社の完全子会社化について

③東洋テックが新栄ビルサービスを買収した事例

東洋テックは、2020年4月に新栄ビルサービスの全株式を取得し、子会社化しました。新栄ビルサービスは建物総合管理業、ビル清掃業の事業を展開し、管理業務の技術や知識、リソースを強みとする企業です。

今回のM&Aにより、警備業務、ビル管理業務との一体運営における相互活用で事業拡大を目指します。

株式会社新栄ビルサービスの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

④ビーロットの不動産M&Aを通じた不動産再生事業

ビーロットは不動産の再生や開発、マネジメントなどを手掛け、不動産M&Aを生かしたプロジェクトも行う会社です。

2017年1月に、カプセルホテル運営のヴィエント・クリエーションを子会社化しました。カプセルホテルをリノベーション・リブランドすることで収益化を高め、2019年に好い条件で売却しています。

2019年3月には新設分割による不動産M&Aを行い、売却側から納骨堂を持ち運営する新設会社が分割され、株式譲渡で買収しました。ビーロットは、現代的なニーズに対応する都心型納骨堂としての価値を上げる狙いです。

株式会社ビーロット「ドシー恵比寿」売却完了のお知らせ

⑤トーセイによる不動産M&Aの積極的な実施

トーセイは、不動産の流動化や開発、賃貸事業などのファンド・コンサルティング事業などを手掛ける会社です。不動産M&Aで優良不動産を獲得し、2001年からは収益性を高めた後に売却する事業モデルを実施しています。2018年までに行った不動産M&Aは13件です。

トーセイは、M&Aで複数の物件を得ています。対象の不動産はビル、店舗、マンション、ホテルなどさまざまです。M&Aの法務・財務・リスクマネジメントを扱う部署を2017年に設置し、M&Aを進める体制をより強めています。

不動産M&Aにより、東京近郊をはじめとする9物件取得 ~仕入強化と収益確保のための戦略~
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6. 不動産M&Aのご相談はM&A総合研究所へ

不動産M&Aは、譲渡側・譲受側ともに細かな注意点やリスクが多いです。不動産M&Aを行う際は、注意点やリスクをきちんと把握し、トラブルにならないよう交渉を進めることが大切といえます。

しかし、個人間のやりとりではリスクを抑えることが難しいため、不動産M&Aの専門家に依頼をするのが確実な方法でしょう。

M&A総合研究所では、不動産M&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任につき、起こり得るリスクの対処やアドバイス、交渉や手続きなど案件をフルサポートいたします。

また、M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談をお受けしておりますので、不動産M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にご連絡ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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7. 不動産M&Aのまとめ

不動産M&Aとは、不動産の取得を目的に行うM&Aのことをいいます。不動産M&Aは不動産の取得が目的ですが、不動産のみでなく不動産を所有している会社も譲渡対象です。

【不動産M&Aの主の目的】

  1. 節税のため
  2. 不動産を現金化するため
  3. 不動産移転の費用を抑えるため

その他の不動産M&Aを行う際の注意点として、簿外債務などの隠れ債務・契約や納品などのリスク・従業員への残業代未払いや有休の未消化などがあります。不動産M&Aを行う場合は、リスクに意識して交渉を進めることが重要です。

また、不動産M&Aを行った場合は、税金がかかることも注意しなければなりません。しかし、不動産M&Aは通常の不動産売買と異なり、株式譲渡と同様の扱いとなるので税金を低く抑えられます。

8. 不動産管理業界の成約事例一覧

9. 不動産管理業界のM&A案件一覧

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