事業承継の手続き方法とは?流れ、必要書類、税金と相談先を徹底解説

企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

事業承継の手続きに不安を感じている方は少なくありません。この記事では、後継者に会社を渡す場合とM&Aを行う場合に分けて、事業承継の手続き方法を解説します。必要書類・税金・相談先についても紹介します。事業承継を行う予定の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 事業承継とは
  2. 事業承継の手法
  3. 親族内事業承継の手続き方法
  4. 従業員・第三者への事業承継の手続き方法
  5. M&Aによる事業承継の手続き方法
  6. 事業承継の手続きにかかる費用・税金一覧
  7. 事業承継の手続きを円滑に進めるポイント
  8. 事業承継の手続きに関する相談先5選
  9. 事業承継の手続きに関する悩みはM&A総合研究所に相談しよう
  10. 事業承継の手続き方法まとめ
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1. 事業承継とは

経営者がさまざまな理由で経営から退くことになったとき、長年存続してきた大切な会社はどうなるのでしょうか?いざというときのために、会社を引き継ぐ準備をしておく必要があります。

事業承継とは、会社の事業を現経営者から第三者に譲渡することです。経営者が突然病気になったり死亡したりすると、残された親族や従業員には相当な負担がかかることになるでしょう。思わぬトラブルに発展することもあるので、早めに準備を始めておくことがおすすめです。

事業承継を成功に導けば、会社の経営者は変わっても従業員の雇用は守られます。会社のノウハウや資産もそのまま引き継がれます。

2. 事業承継の手法

会社の引継ぎというと、息子や親戚に継がせるのが一般的でした。しかし、「会社を継げる年齢の親族がいない」「会社の業績が不透明で息子に承継を拒否されている」という事情を抱える経営者は少なくありません。

会社を次世代に残すため、息子などの親族に会社を継がせたいと思っている方も、他の承継方法や手続きについて知っておきましょう。事業承継の方法を最初に決めておくことで、手続きを進めやすくなります。ぼんやりと「事業承継したい」と考えている方は、まず事業承継の方法を決めましょう。

会社を事業承継で残す手法は、大きく分けて3つです。

  1. 親族内承継
  2. 従業員・第三者への承継
  3. M&Aによる承継

①親族内承継

中小企業などで最も一般的なのが、親族への事業承継です。経営者の親族が後継者となる場合の事業承継方法は、「親族内承継」と呼ばれています。

親族への事業承継であれば、早い段階から後継者教育を行うことが可能です。多くの会社で親族内承継は良く知られているので、手続きを行う際、従業員や取引先の理解を得やすいといえるでしょう。

親族内承継なら、相続の活用を含め事業承継の手続き方法を検討できます。贈与を行うより相続で行う方が税金は安く済みます。息子や娘、配偶者など相続をする親族を後継者にしたいときは専門家に相談しましょう。

②従業員・第三者への承継

親族内で後継者が見つけられない場合、従業員や第三者を後継者とすることも可能です。親族以外に事業承継を行う方法は、「親族外承継」と呼ばれています。

従業員への事業承継なら、会社の事情を良く理解している人に経営を任せられるため、先代経営者としても安心できるでしょう。会社に慣れた従業員であれば後継者教育に長い時間をかける必要もありません。

従業員の中にも良い人材がいない場合、外部から人材を雇い経営を行ってもらうことも可能です。外部から呼ぶ場合、会社の事情や雰囲気を知ってもらうのに時間がかかってしまいます。会社のブランド力、待遇によっては経営のエキスパートを呼べるケースもあるので、業績が一気に成長する可能性もあるでしょう。

③M&Aによる承継

親族、従業員、外部からも後継者を呼ぶのが難しい場合、M&Aによる事業承継が効果的です。

M&Aとは、他の会社との合併買収を意味する言葉です。経営権を他社に売却することで会社を存続させます。後継者がいない場合でも廃業を防ぐことが可能です。

M&Aなら、会社を売却することでまとまった利益が得られるでしょう。引退前、今後の生活費を確保しておきたい方はM&Aがおすすめです。

企業が選択できる事業承継の方法は、以上のとおりです。

後継者が見つかった場合とそうでない場合で、事業承継の手続きは大きく異なります。後継者がいない場合、会社を残すにはM&Aが必要です。不安な方はM&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A仲介会社をお探しの場合は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所にはM&Aに精通したM&Aアドバイザーが在籍しており、親身になって案件をフルサポートいたします。

無料相談を行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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3. 親族内事業承継の手続き方法

事業承継で特に中小企業などで多く見られる方法が親族内承継です。個人事業主と法人では手続き方法が異なります。

個人事業主の場合、現経営者が廃業し、新しい経営者が同じ屋号で開業すれば完了です。法人の場合、親族が相続または生前贈与の形で自社株を譲渡する方法が一般的です。

手続きを行う流れ

手続きは、以下のとおりです。

  • 事業承継計画の立案
  • 後継者の育成・教育
  • 資産・株式などの承継
  • 個人保証・負債の処理
  • 納税の実行

事業承継計画の立案

後継者への事業承継手続きは、事業承継計画の立案から始まります。事業承継計画に、事業承継が完了するまでの流れや手続き、後継者の教育方法や時期について記してください。事業承継を行う前に第三者にもわかるような計画を立てておけば、現経営者や経営陣にもしものことがあっても会社を残せます。

計画を策定するときは不備のないよう、経営者と後継者、経営陣だけでなく、M&A仲介会社など事業承継の専門家と相談しながら策定しましょう。

経営者名義の会社の株は、通常であれば親族に相続されます。本来もらえるはずだった株が第三者に渡ったとなれば、親族間の深刻なトラブルにつながる可能性もあります。親族外承継では親族の了承も取っておきましょう。

後継者の育成・教育

事業承継計画を作成したら、計画に沿って後継者の育成・教育を行いましょう。教育する内容は会社によって異なります。承継する予定の会社で働いてもらいながらマネジメントの方法や経営上におけるノウハウなどを伝えるのが一般的です。

後継者を子会社や関連会社に連れていき、経験を積ませるのも有効です。後継者育成にかける時間は、後継者の経験や実力によって異なります。育成期間は平均して3~5年、最長で10年ほどかかることもあります。事業承継の手続きの中で最も時間のかかるプロセスなので、後継者が決まった段階で育成の手順を考えておくとよいでしょう。

資産・株式などの承継

後継者教育が無事に済んだら、会社譲渡の具体的な手続きに入ります。計画に沿って、会社の資産・株式などを譲渡し後継者に経営権を渡しましょう。

注意すべき点は、引継ぎの際に発生する税金です。事業承継で会社を引き継ぐ際は資産を受け取ることになるため、税金の支払いが必要になります。税額は会社の規模にもよりますが、贈与の場合、数百万~数千万円ほどの支払いが課されるケースもあります。

税金を負担するのが難しい中小企業の場合、行政が行う「事業承継税制」の適用を受けられる可能性がありますので問い合わせてみてください。

個人保証・負債の処理

会社を後継者に引き継ぐことで、個人保証や負債を渡せるケースもあります。後継者が拒否した場合、負債を背負わせるのは困難です。会社が抱える負債であればそのまま引き継いでもらえることもあります。

個人保証については、現経営者個人にかかっている負債であるため引継ぎは非常に難しくなります。経営者個人の負債を渡されることについて抵抗感を持つ後継者がほとんどです。政府は個人保証の引継ぎをしないようにすすめています。

具体的な引継ぎについては、後継者を決めた後、貸主となっている金融機関などに相談してみましょう。

納税の実行

引継ぎの手続きが完了したら、事業承継で発生した税金を納めましょう。納税のタイミングは税金の種類によって異なります。

国税庁の公式ページによると、下記のとおりです。

  • 贈与税:贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日まで
  • 相続税:相続があった日から10カ月以内

詳しい税金の支払額や納税時期は、税理士の知識が必要です。会社の顧問税理士だけでなく、事業承継に詳しい専門家に相談し、払い忘れのないようにしましょう。

後継者に会社を任せる場合の手続き方法を解説してきました。後継者がすでに決まっている場合でも、手続きをスムーズに進めるには専門家の知識が必要です。

手続きの必要書類

「相続」と「生前贈与」、どちらの方法でも、早めに準備をすることが重要です。手続きの際の必要書類は以下のとおりです。

遺言書

会社の経営者が亡くなった場合、残された親族間で争うことのないように、遺言書を遺しておくことが大事です。遺産分割について経営者の意志を表明するものです。

遺言書は自筆でも問題ありませんが、正しい内容でなければなりません。公証人に依頼し、公正証書として遺言書を作成するのが確実な方法です。

生前贈与契約書

生前贈与契約書とは、財産を贈与する際に作成するものです。口頭でも成立しますが、トラブルを避けるためにも契約書を作成しておくのがよいでしょう。

事業譲渡契約書

事業譲渡契約書とは、事業の一部や全部を譲渡する際に用いるものです。引き継ぐ事業や資産、営業権、雇用の再締結など、契約書に明記する項目は多岐に渡ります。

株式譲渡契約書

株式譲渡契約書とは、株式を譲渡するときや譲受するときに作成されるものです。経営者の株式を確実に後継者へ譲渡するために作成しておく必要があります。

遺産分割協議書

遺産分割協議書とは、遺言書が準備されていない場合に作成します。相続人による話し合いで遺産分割を行い、合意に至った内容を書面に取りまとめた書類のことです。

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4. 従業員・第三者への事業承継の手続き方法

後継者候補として、親族ではなく従業員から選んだり、取引先から出向してもらうケースなどもあります。従業員や第三者へ引き継ぐ際の手続き方法や必要書類を解説しましょう。

手続きを行う流れ

従業員や第三者への事業承継には2つの方法があります。

  • 経営権と株式の両方を第三者へ承継する方法
  • 経営権だけを第三者へ承継する方法

経営権だけを第三者へ承継する場合、現経営者や親族が株式を保有したまま進められます。将来的に親族などが後継者となる場合などに行われる手法です。

後継者が資金不足で株式取得が困難な場合、「マネージメント・バイ・アウト」(MBO)という方法があります。後継者が新会社を設立し、金融機関などから融資や出資を受けて株式を買い取る方法です。

融資を受ける際は、経営者が連帯保証人になるのが一般的です。

手続きの必要書類

従業員や第三者へ承継する際に必要な書類には次のようなものがあります。

  • 株式譲渡承認請求書
  • 株式譲渡契約書
  • 株式名義書換請求書
  • 株主名簿

株式譲渡承認請求書

株式譲渡制限が定款で規定されている場合、株式の譲渡に関して取締役会の承認を得る必要があります。その際に必要になるのが、この書類です。株式を譲渡する相手や株式数を記載したものです。

株式譲渡契約書

前章でも触れましたが、株式を譲渡する際に必要な書類です。譲渡金の支払い方法や名義の書換などの項目が記載されます。

株式名義書換請求書

株式名義書換請求書とは、株式譲渡が成立したら、譲渡人(現経営者)と譲受人(後継者)が作成し、会社に提出するものです。

株主名簿

株式譲渡が成立し、株主が変わった時点で、株主名簿も更新する必要があります。

5. M&Aによる事業承継の手続き方法

M&Aでの事業承継について、まだイメージがわかない方もいらっしゃるでしょう。M&Aとは、企業の合併や買収を意味します。事業の売却側買収側双方の合意があれば契約を進められます。

その手法にはさまざまあって簡単にはできません。後継者への承継に不安があれば、ひとまずM&Aの手続き方法について知っておいても損はないでしょう。

手続きを行う流れ

M&Aで事業承継を行うときの手続きは、以下のとおりです。

  1. M&A仲介会社へ相談
  2. 事業承継先の選定
  3. 基本合意書の作成
  4. デューデリジェンスの実施
  5. 最終契約の締結
  6. クロージング・統合作業
  7. 納税の実行

①M&A仲介会社へ相談

M&Aによる事業承継には、M&Aに詳しい専門家の知識が求められます。自分で手続きを進める前に、専門家に相談しましょう。

事業承継をM&Aで行うことをご検討されている経営者様は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を多数成約した実績を有しております。知識・実績豊富なM&Aアドバイザーが丁寧にフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

②事業承継先の選定

相談を行った後、M&Aの専門家をとおして事業承継先を決定します。M&A仲介会社にサポートを依頼すれば会社に合う買い手を見つけてくれます。自分で買い手探しをする必要はありません。

買い手候補の中に良い会社があれば、交渉をスタートさせます。多くのM&A仲介会社では、買い手と売り手の間にアドバイザーが立ち、交渉を進めるのが一般的です。譲渡金額などの要望に加えて、会社への思いや経営理念など、明文化しにくい要望もなるべくアドバイザーに伝えるようにしましょう。

③基本合意書の作成

買い手との交渉が進み、M&Aの進め方の合意ができたら、基本合意書を作成し締結します。基本合意書とは、M&Aに関する基本内容についてお互いに確認する書面です。

基本合意書の中には、以下の内容が書かれています。

  • 取引形態(株式譲渡、事業譲渡などのスキーム)
  • 譲渡価格
  • スケジュール
  • 独占交渉権の付与

その他交渉次第で、条件が追加・変更されることもあります。この段階での合意は、あくまで「これからこの相手とM&Aを行います」という意思表示です。内容が今後変更になるケースも少なくありません。

依頼したM&A仲介会社によっては、この基本合意の時点で中間金を請求される可能性があります。手続きの段階によって発生する報酬については、事前に確認しておきましょう。

④デューデリジェンスの実施

基本合意契約を締結したら、買い手候補によってデューデリジェンス(企業調査)を実施します。デューデリジェンスでは、買い手が売り手の事業内容や財務状況を調べ、売り手の経営実態を調査します。

違法行為や訴訟の履歴がないかを調べる「リーガルデューデリジェンス」や、過去の税務処理が正しく行われてきたかを調べる「税務デューデリジェンス」などが実施されることもよくあることです。

売り手側はこれらのデューデリジェンスにできる限り対応し、情報を開示する必要があります。専門的な質問を受けた際には、弁護士や会計士に相談をして正しい回答をしましょう。

⑤最終契約の締結

デューデリジェンスを終え、問題がなければ最終契約書を締結します。最終契約書を締結した後は、M&Aを実行しなければいけません。事業承継の相手を変えたり、内容を変更したりできないので注意してください。

⑥クロージング・統合作業

M&Aによる事業承継手続きが済んだら、業務の引継ぎを行います。完全に買い手に会社が渡せるようになるまで数年かかることもあるので、早めの引退を考えている方は買い手と相談しましょう。

⑦納税の実行

クロージングとともに進めておきたいのが、納税手続きです。M&Aによる事業承継で売却益が発生したときは、会社の収益として税金が課されます。法人の場合、原則として会社の決算期から2カ月以内に税金を支払わなければいけません。

M&Aの手法によってかかる税金の額は異なるので、専門家とともに手続きを進めましょう。

M&Aによる事業承継では後継者の育成に長い時間をかけなくて良い分、比較的短期間で手続きが終了します。M&Aの買い手探しや交渉、契約を進めるにはM&Aと事業承継に詳しい専門家の力が必要です。M&Aを検討している方は、早めにM&A仲介会社へ相談することをおすすめします。

手続きの必要書類

M&Aによる事業承継の際に必要な書類は下記のようなものがあります。

【M&Aの候補先へ連絡と取る際に必要な書類】

  • ロングリスト・ショートリスト
  • ノンネーム概要書
  • 秘密保持契約書
  • IM(インフォメーション・メモランダム)
  • 意向表明書

【M&A交渉の際に必要な書類】
  • 基本合意書
  • 最終意向表明書
  • 売買契約書
  • 最終合意書
  • TSA(Transition Service Agreement)

ロングリスト・ショートリスト

ロングリストとは、M&Aの候補先をリストアップするものです。ショートリストとは、事業や業績などを調査し、最終的に候補先を絞り込んだものです。

ノンネーム概要書

会社名を伏せたままで、リストアップした候補先に打診するための書類です。売上高や業種、エリアなど詳細を記載します。

秘密保持契約書

打診した候補先が興味を示してくれた場合連絡があります。その際に秘密保持契約を交わして、会社の情報を開示します。

IM(インフォメーション・メモランダム)

具体的な会社の情報が記載された資料です。決まった書式はありません。依頼した業者が作成してくれるのが一般的です。

意向表明書

M&Aを進める意向を決定した場合、候補先の会社が作成する書類です。複数の候補先から届く場合、この意向表明書を確認のうえ、どの候補先にデューデリジェンス(企業調査)を実施してもらうのかを決定します。この段階で1社に決める場合が多いようです。その後の交渉などを見据え、複数の会社を選ぶのが好ましいでしょう。

基本合意書

上記で説明しましたが、M&Aに関する基本内容についてお互いに確認する基本合意書を作成し締結します。

最終意向表明書

デューデリジェンスを行った候補先が最終の意向を表明するために作成します仲介によるプロセスでは、デューデリジェンスは1社のため、この書類を省略することが多いようです。代理人のアドバイザーが入札形式で実施する場合のプロセスでは、複数の最終意向表明書を受領します。複数の中から慎重に検討し、決定します。

売買契約書

調査で問題がなければ売買契約書を交わし、最終的な段階に進みます。M&Aの方法によっては、株式譲渡契約や事業譲渡契約書など名称が異なります。

最終合意書

契約当事者の権利義務に関する規定を記載したものをいいます。この合意書を締結し、条件が満たされれば取引実行義務が生じます。クロージング後に一定の保証期間として設定するのが一般的です。

TSA(Transition Service Agreement)

事業分離後の移行期間にサービスを管理するための方法を取り決めます。最終合意書と同時期に作成されるものです。

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6. 事業承継の手続きにかかる費用・税金一覧

事業承継の手続きを行うにはさまざまな費用や税金が必要です。費用面の知識も深めておきましょう。


事業承継にかかる費用は、以下のとおりです。

  1. 相続税
  2. 贈与税
  3. 法人税
  4. 消費税
  5. 登録免許税などその他税金
  6. 専門家に支払う報酬
  7. 後継者育成で発生する人件費

あらかじめ費用の見とおしを立てておくことで、事業承継の準備がしやすくなります。それぞれの費用について解説するので、ぜひチェックしてください。

①相続税

オーナーが亡くなった後、後継者に相続で資産を渡す場合は相続税が発生します。税率は資産の金額によって10%~55%と異なり、相続の対象となる金額が大きいほど負担額は大きくなります。

例えば、5,000万円の資産を相続する場合、

  • 5,000万円×20%-200万円(控除額分)=800万円
となり、相続税は800万円です。

事業承継税制を活用すれば、後継者に税金がかかることはありません。ただし、株式所得時より譲渡時の価格が上昇している場合、譲渡した経営者には「譲渡所得税」がかかりますので注意が必要です。

2020年4月より、個人の負債や保証の引き継ぎについては、経営者保証が不要とする「信用保証制度」が新設されました。以前より事業承継がしやすくなっています。

詳しい手続きや税金のことは専門家に相談して手続きを進めましょう。

②贈与税

オーナーが生前のうちに贈与で株式などの資産を渡す場合、贈与税が発生します。

例えば、5,000万円を贈与した場合、

  • 5,000万円×55%-640万円(控除額分)=2,110万円
と計算され控除を除き約2,000万円の贈与税が発生します。

詳しい贈与税の計算方法については、税理士などに相談しましょう。

③法人税

どの事業承継方法を選択した場合でも、基本的に法人税は発生しません。しかし、M&A手法の中で「事業譲渡」を選択した場合、譲渡価格が資産の価値よりも大きくなれば法人税が発生する可能性があります。

事業譲渡とは、会社すべてではなく、特定の事業や事業の一部のみを譲渡するM&A手法です。事業のみの譲渡を考えている方は、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所では、事業譲渡に詳しいM&Aアドバイザーが丁寧にサポートいたします。まずは無料相談からご利用ください。

④消費税

後継者に会社を引き継いでもらう場合、消費税は発生しません。M&Aで事業承継手続きを行う場合も、株式は非課税扱いとなるので株式の譲渡で消費税が発生することはないといえるでしょう。

ただし、事業譲渡の場合、会社資産の譲渡に当たるとみなされるため消費税が発生します。不安な点がある方は、M&A仲介会社に相談してください。

➄登録免許税などその他税金

事業承継で会社の持つ資産の名義が変わる場合、登録免許税などの税金が発生するケースもあります。登録免許税は、不動産の所有権移転登記を行う際に発生する税金です。不動産の評価額に対し、2%の税金が課されます。

不動産を取得した場合、「不動産取得税」が発生します。非住宅の不動産を渡す場合、「不動産取得税」が発生し、その税率は不動産価格に対し4%です。

その他、登記の変更の費用が発生することもあります。税理士など専門家に相談し払い忘れのないよう気を付けましょう。

⑥専門家に支払う報酬

専門家に事業承継のサポートを依頼した場合、報酬の支払いをしなければいけません。事業承継の手続きには、専門家の知識が必要です。後継者に事業を引き継いでもらう場合でも、税理士や会計士などにサポートを依頼することになります。

報酬体系はさまざまで、専門家によって数十万~数百万円まで大きく異なります。専門会社やコンサルティング会社に依頼する場合、月額料金として数十万円ほどかかる場合があるようです。事業承継が完了するまでの間、毎月支払う必要があります。

レーマン方式という一般的に使用されている報酬算定方式では、取引金額に応じて1%~5%の成功報酬がかかることもあります。会社によってかなり違いがありますので、依頼する前に料金の見積もりを出してもらいましょう。料金体系をチェックし、支払いの計画を立てることが重要です。

⑦後継者育成で発生する人件費

後継者育成のために、後継者に研修を受けさせたり別の会社で学ばせたりすれば、教育内容に応じて費用が発生します。自社内で教育を行う場合も、追加業務の手当として従業員に報酬を支払わなければならないケースが多いです。

後継者の育成にかかる費用は、状況によって節約が可能です。しかし、会社を今後も成長させるため、育成には費用と時間をかけることをおすすめします。

以上が、事業承継でかかる費用でした。会社の状況や事業承継の方法によって、手続きにかかる費用は大きく変わってきます。先に事業承継の計画を定め、専門家とともに税金や費用の試算を行いましょう。

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7. 事業承継の手続きを円滑に進めるポイント

事業承継の手続きを円滑に進めるには、以下のような方法があります。

  1. 少しでも早く準備を始める
  2. 自社株を事前に集めておく
  3. 事業承継税制などさまざまな節税制度を知る
  4. 事業用財産を整理する

通常の業務と同時に事業承継の手続きを進めるのは非常に大変です。事前準備をしっかり行い、スムーズな承継を目指しましょう。

①少しでも早く準備を始める

事業承継には、長くて10年ほどの時間がかかります。後継者教育を行わず、M&Aで事業承継を行う場合でも半年~1年程度はかかることもありますほとんどの経営者は初めての事業承継を行うため、前経営者のサポートがなければ日常的な業務を行うのも難しいといえるでしょう。

「引退するのはまだまだ先」と考えていても、いずれは事業承継を行うことになります。予想外の事故や病気などで、予定よりも早く引退をしなければならない状況になる可能性もあります。少しでも早く事業承継計画を立てましょう。

②自社株を事前に集めておく

事業承継の手続きを行う前に、自社株をできる限り集めておくことが重要です。どの事業承継方法を取る場合でも、自社株の引き継ぎが必要になります。自社株を後任の人物または会社に渡すのは、経営権譲渡において必須の手続きです。事業承継手続きを行う段階では、自社株を手元に置いておくのがベストといえます。

会社の株を売却、譲渡している場合、誰が会社の株を持っているかわからない状態になっていることも少なくありません。「連絡の取れない株主がいる」「株式を誰に渡したか覚えていない」といったトラブルは多々あります。後継者が安定して経営権を持てるよう、こうした行き先不明の株式をなるべく手元に集めておきましょう。

株主とどうしても連絡が取れない場合、条件付きで株式を買い取ることも可能です。会計士、行政書士などに相談し、不明株式が多くならないようにすることをおすすめします。

③事業承継税制などさまざまな節税制度を知る

事業承継税制など、事業承継の手続きに役立つ制度を知ることで、後継者とのトラブルは防げます。

事業承継の際に発生する税負担は想像以上に重いものです。後継者に会社の承継を断られてしまうケースは少なくありません。特に会社の業績が思わしくない場合、将来の収益より税負担の方が重くなるケースもあります。

事業承継税制や補助金などの制度を活用すれば、税負担を軽くすることも可能です。税金や費用の面で後継者とトラブルにならないよう、事業承継に詳しい専門家に相談し、使える制度をあらかじめ学んでおきましょう。

④事業用財産を整理する

中小企業は、事業用として使う財産(土地や建物)が経営者個人のものとなっていることが多いです。相続の際には遺書があっても、遺留分を請求されると、請求した人に相続されます。遺留分による相続が事業で必要な分にまでおよぶと、今後の経営に影響が出るので、生前に後継者に贈与させるなどの対策をしてください。

相続を開始する前に、全ての相続人から事業用財産を遺留分から除くことに同意を得るのも良いでしょう。同意後、経済産業大臣による確認と家庭裁判所による許可が必要ですが、遺留分を請求されても事業用の財産は相続されなくなります。

株式も事業用財産となるため、株式も同意を得て手続きすることを忘れないようにしましょう。

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8. 事業承継の手続きに関する相談先5選

事業承継の手続きや費用について相談できる場所を紹介します。「事業承継の費用を節約したい」「専門家にサポートしてもらいながら手続きをしたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。

事業承継手続きに関する相談先は、以下のとおりです。

  1. 事業承継アドバイザー
  2. 税理士
  3. 商工会議所(商工会)
  4. 金融機関
  5. M&A仲介会社

節税対策や円滑に手続きを進めるため、事業承継手続きに詳しい専門家の知識は必須です。それぞれの専門家の特徴を紹介しますので、相談先選びにお役立てください。

①事業承継アドバイザー

事業承継に特化した専門家が、事業承継アドバイザーです。事業承継アドバイザーは事業承継先の相談や事業承継計画の策定方法、後継者育成の計画立てなどのサポートをしてくれます。後継者に会社を渡す場合でも、M&Aをする場合でも、それぞれに適した専門家がいます。事業承継の幅広い相談が可能です。

事業承継アドバイザーとして独立して活動している方はまだそれほどいません。多くのアドバイザーは税理士事務所やM&A仲介会社、金融機関などに在籍しています。

公認会計士資格、税理士資格を持つ事業承継アドバイザーも少なくありません。相談先を選ぶときは、事業承継アドバイザーが在籍しているかチェックしましょう。

②税理士

事業承継をするのであれば、税理士に相談することをおすすめします。どのような方法で事業承継をするにしろ、税金対策は必要です。特に親族や従業員に継がせたい場合は、贈与税や相続税を極力軽減する方法を考えなければなりません。事業承継やM&Aに強い税理士に相談し、計画的に税金対策を進めていくことが大切です。

昨今はM&A、事業承継に特化した税理士事務所も登場しています。事業承継に詳しい税理士の意見が聞きたい場合は、そのような事務所に相談してみましょう。

③商工会議所(商工会)

各地域にある商工会議所、商工会では中小企業向けに事業承継の相談に乗っています。事業承継の実務に関して具体的なサポートは行っていませんが、必要であれば各種専門家を紹介してくれます。最初の相談先としておすすめです。

後継者育成に関するセミナーなど、事業承継の基本的な内容について教えてもらえる機会も充実しています。商工会、商工会議所は各都道府県にあります。「まずは安心できる機関に相談したい」という方はぜひ相談してみてください。

④金融機関

融資などで関わりのある金融機関に、事業承継の相談をする企業も見受けられます。事業承継に関するお金の相談ができるだけでなく、M&Aに関するサポートをしてもらえることもあります。特に資金面で不安を感じている会社は、まず付き合いのある金融機関に相談した方が良いでしょう。

金融機関と一口にいっても種類はさまざまです。事業承継に関するサポート実績がほとんどない金融機関もあります。近くに相談できそうな機関がない場合は、別の相談先を探すことをおすすめします。

⑤M&A仲介会社

M&Aを含め事業承継の方法や手続きについて相談したい方におすすめなのが、M&A仲介会社です。M&A仲介会社はM&Aのサポートだけでなく、事業承継の総合的なアドバイスも積極的に行っています。

M&A仲介会社は、事業承継を目的としたM&Aのプロフェッショナルです。M&A専門のアドバイザーも多数在籍しています。後継者選びに不安を感じている方はまず相談してみましょう。

M&A仲介会社によっては、後継者候補を紹介してくれるサービスなどを提供しているところもあります。まずは自社に合った仲介会社を探すとよいでしょう。

以下の記事ではM&A仲介会社の比較、費用に関する解説を行っています。

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9. 事業承継の手続きに関する悩みはM&A総合研究所に相談しよう

M&A総合研究所

M&A総合研究所

出典:https://masouken.com/

会社の事業承継方法、手続きでお悩みの方はぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所はこれまでM&A仲介会社として、多数のM&Aによる事業承継をサポートしてきました。

後継者不在で事業承継ができない場合は、幅広い情報を活用してご希望に合った相手先をお探しいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。M&Aによる事業承継をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所の無料相談をご利用ください。

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10. 事業承継の手続き方法まとめ

自社の中だけで事業承継の手続きを終わらせるのは非常に難しいことです。事業承継に向けて動き出す際には専門家に相談し、アドバイスを受けましょう。事業承継の手続きには時間がかかるため、少しでも早く動き始めることが大切です。

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