医療機器卸・商社のM&A・買収・売却!業界動向・相場・手法を解説!【成功事例あり】

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

ディーラーともいわれる医療機器卸・商社の買収・売却などのM&Aについて、業界特有の動向や、実施するメリットとその場合のポイント、そして、買収・売却(譲渡)の相場価格などを解説します。合わせて医療機器卸・商社のM&A事例もご覧下さい。

目次

  1. 医療機器卸・商社とは
  2. 医療機器卸・商社のM&A動向
  3. 医療機器卸・商社がM&Aするメリット
  4. 医療機器卸・商社のM&Aポイント
  5. 医療機器卸・商社のM&A成功事例
  6. 医療機器卸・商社のM&Aまとめ
  • 医療機器卸・商社のM&A・事業承継
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. 医療機器卸・商社とは

医療機器卸・商社とは

本記事では、医療機器卸・商社業界にスポットを当て、買収・売却などのM&A動向にまつわる情報を分析します。

この項では、まず、医療機器卸・商社の現状について確認してみましょう。

医療機器卸・商社とは

医療機器卸・商社業界は、歯科医療機器やレントゲン装置など「医療機器」の卸売を主な事業として展開している業界です。医療機器のディーラーなどと表現されることもあります。

「医療機器」は、人や動物の病気の診断や治療、予防に使用されたり、身体の構造や機能に影響をおよぼす目的で使用される機械器具です。これは、政令で定められています。

そのような医療機器をあつかう医療機器卸・商社は、事業を行うにあたって、さまざまな届け出が要ることに注意しなければなりません。

医療機器を販売するためには、「医療機器製造販売業許可(第1種~第3種)」という許可が必要です。さらに、高度管理医療機器および特定保守管理医療機器を販売するためには「高度管理医療機器などの販売業および賃貸業の許可」、管理医療機器を販売するためには「都道府県知事への届け出」が必要となっています。

このように、医療機器卸・商社は非常に専門的な商品を扱う会社です。ここからはさらに、医療機器卸・商社の業務内容について見ていきましょう。

医療機器卸・商社の業務

医療機器卸・商社(ディーラー)の主な業務は、医療機器メーカーから各医療機器を仕入れ、それらを必要としている病院などに販売することです。その他、医療機器の配送(緊急配送)・医療機器の点検・医療機器の在庫管理なども行っています。

医療機器卸・商社の販売先は、約75%が病院・診療所といった医療機関です。残りの約25%は同業の医療機器卸・商社となっています。

このように、医療機器卸・商社の取引先のほとんどは医療機関であり、人の生命や健康を扱う場所です。したがって、医療機器卸・商社の商品に不具合があることは非常に問題となり、避けなければなりません。

医療機器卸・商社の業務内容は大きな責任がかかっているものなのです。

医療機器卸・商社の役割

医療機器卸・商社(ディーラー)は、医療機器メーカーから医療機器・医療品を仕入れ、病院などの取引先へ販売します。取引先の多くは医療機関であり、人の命や健康に密接に関わる医療行為に関わる事業です。

人の命や健康に携わっている医療機関にとって、医療機器に不具合が生じてしまったり、患者らの症状に対応できる医療機器・医療品が不足したりという状況は避けなければいけません。

ただし、専門性が高いこともあり医療機器の取り扱いは難しく、医療機器に不具合が生じた際に代替品を確保することも困難です。

このような観点から、医療機器を必要とする医療機関への販売や配送、医療機器の点検、医療機器の在庫管理などを担う医療機器卸・商社(ディーラー)は、非常に重要な役割を担っています。

医療機器卸・商社の市場規模

医療機器卸・商社(ディーラー)業界の市場規模は、経済産業省発表の資料「商業統計表 産業編」によると2014(平成26)年でおよそ「4兆6,608億円」となっており、上位10社の市場シェアが、その約4分の1です。

医療機器卸・商社(ディーラー)業界の上位企業には、「エム・シー・ヘルスケア株式会社」、「シップヘルスケアホールディングス株式会社」、「セイエイ・エル・サンテホールディング株式会社」、「ムトウグループ」などがあります。

医療費の増加に伴う拡大傾向

近年の日本においては、国民医療費が毎年およそ1兆円程度増加しており、2014年の時点で「40兆円」にまで増加しています。医療費増加の背景には、65歳以上の人口(老年人口)の割合が増加していることが大きな一因です。

また、今後も老年人口の割合が増えていくと見込まれており、それに伴って医療費も増加すると推測できるため、医療機器卸・商社(ディーラー)業界の市場規模もますます大きくなると考えられています。

その一方で、日本の高齢化が進む中で医療費を中心とした社会保障の費用を抑えることも、日本政府が取り組んでいるのが現状です。

したがって、逆に医療費の抑制によって病院数が減り、医療機器卸・商社の市場規模も小さくなってしまうという見方もあります。その場合には、医療機器卸・商社業界では、特に中小規模の会社が生き残るのが非常に難しくなるでしょう。

メーカーの生産拡大を受けてさらに拡大傾向

医療機器卸・商社(ディーラー)の業界動向として、仕入れ先となる医療機器メーカー業界が市場拡大していることから、医療機器卸・商社(ディーラー)業界もますます拡大していくと考えられています。

医療機器メーカー業界の市場では、製品の国内流通金額が2007(平成19)年から2014年までの7年間でおよそ「6,500億円」も増加しており、これに伴ってその取引先である医療機器卸・商社(ディーラー)業界の市場規模も拡大しているのです。

医療機器卸・商社の特徴

医療機器卸・商社(ディーラー)業界には、以下のような特徴があります。
 

  • 地域密着型
  • 独占販売権による差別化が可能
  • 複数の医療機関による共同購入
  • 中小規模の会社が多数

それぞれの特徴について、順番に見ていきましょう。

地域密着型

医療機器卸・商社(ディーラー)業界には、地域密着型の企業が多いという特徴があります。その理由としては、各地域にある医療機関との密接な連携が必要となる業界だからです。

そのため、新しい地域へ参入しようとする場合には、その地域の医療機関と密接に関わっている企業をM&Aによって買収する戦略が効果的となります。

何も戦略を立てずに新規エリアに参入した場合、医療機関はすでに別の医療機器卸・商社と関係が深いため、参入失敗するおそれが高いでしょう。

事業エリアの拡大を成功させたいのであれば、M&Aや業務提携といった工夫をしなければなりません。

独占販売権による差別化が可能

現在、国内に流通している医療機器の半分近くが、「海外からの輸入製品」となっています。そのため、海外を拠点とする医療機器メーカーの「独占販売権」を獲得することにより有力製品を確保・販売できるので、競合他社との差別化を図ることが可能です。

複数の医療機関による共同購入

医療機器卸・商社業界で気をつけるべき点として、複数の医療機関による医療機器の共同購入があることが挙げられます。

日本の病院の数は、1990年代から減り続けており、複数の医療機関が医療機器を共同購入することが増えているのです。

したがって、数少ない取引先を多くの医療機器卸・商社で奪い合っている状況になっています。このことにより、医療機器卸・商社は収益を上げにくいのが現状です。

そのため、医療機器卸・商社が生き残るためには、いかにして医療機関から自社を選んでもらうのかを考えなければなりません。

中小規模の会社が多数

医療機器卸・商社(ディーラー)業界は、地域と密接に関わる特徴があるため、一定の地域・取引先・商品に特化している中小規模の会社が多く存在します。

一握りの大手企業以外では、中小規模の医療機器卸・商社が1,300社以上もあるのです。これら中小規模の医療機器卸・商社は、どれも地域密着型となっていますが、取引している病院の数が減れば売上が下がってしまうということもあり、生き残りは厳しくなっているのが現状だといえるでしょう。

今後の医療機器卸・商社の業界動向として、全国展開を進め、市場規模の4分の1を占める大企業と、地域密着型の中小企業との買収・売却などのM&Aによって、業界再編が進められていく可能性も考えられます。

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2. 医療機器卸・商社のM&A動向

医療機器卸・商社のM&A動向

ここでは、医療機器卸・商社のM&A動向について見てみましょう。主なM&A動向としては、「大手による買収の増加」「同業他社との合併の増加」が挙げられます。

大手による買収増加

最近の医療機器卸・商社(ディーラー)業界では、大手企業がM&Aによって中小企業を買収する流れが強くなっています。

医療機器卸・商社業界の市場動向で解説したとおり、近年は、医療費の増加や医療機器メーカーの生産増加と相まって、医療機器卸・商社業界の市場規模も拡大中です。

それと同時に、市場シェアの4分の1を占める上位の大手企業が、企業規模の拡大によるスケールメリットによって競争力を強めたことで、地域密着の中小企業の経営が困難になりつつあります。このようなことが背景となって、大手企業による中小企業の買収が増加しているのです。

特に、医療機器卸・商社業界の上位である大手5社は、他社をM&Aで買収することによって、事業規模を拡大しています。

大手企業が事業規模をどんどん広げていく理由は、規模のメリットを受けるためです。医療機器メーカーに価格交渉をしたり、効率の良い物流を考えたりと、事業規模が広がれば経営がしやすくなります

中小規模の医療機器卸・商社はこのようなメリットを受けにくく、大手企業と中小企業の格差は広がりつつあるのが実態です。

同業他社との合併増加

医療機器卸・商社業界のM&A動向として、「同業他社との合併増加」も見られます。競争力を強めるために、大手企業同士が合併をする例が増えてきているのです。このM&A動向から、今後ますます医療機器卸・商社の業界再編が進んでいくと推測できます。

以上が、医療機器卸・商社業界のM&A動向でした。

医療機器卸・商社業界は、今後厳しくなっていくおそれがある業界です。したがって、今までどおりの経営を続けるだけではうまくいかないケースも出てくるでしょう。

そこで、医療機器卸・商社業界でM&Aを検討している経営者の方もいるはずです。

ここからは医療機器卸・商社がM&Aをするメリットを確認していきましょう。

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3. 医療機器卸・商社がM&Aするメリット

医療機器卸・商社がM&Aするメリット

医療機器卸・商社がM&Aを実施し、会社を買収・売却したり、事業を譲渡・譲受したりするメリットについて考えてみましょう。売却・譲渡側のメリットと、買収側のメリットに分けて解説します。

売却・譲渡側のメリット

まずは、医療機器卸・商社がM&Aで会社を売却したり、事業を譲渡したりするメリットについて解説します。考えられる主なメリットは、以下の4つです。

【売却・譲渡側のメリット】
 

  • 後継者問題が解決
  • 雇用の継続
  • 負債の解消と創業者の利益確保
  • 大手の経営ノウハウの共有が可能

それぞれのメリットについて、順番に見ていきましょう。

後継者問題が解決

M&Aによって会社売却・事業譲渡するメリットとしては、まず「後継者問題が解決する」ことです。近年、日本の多くの中小企業は「後継者問題」に悩まされています。経営者の高齢化と、人材不足による後継者不足が原因です。

後継者がなかなか見つからず事業承継がうまくできないと、会社の廃業や清算を余儀なく行うしかありません。M&Aを実施して、会社売却・事業譲渡ができれば、この後継者問題を解消することができます。

外部の第三者に事業承継するのは、不安に思う経営者もいるかもしれません。しかし、医療機器卸・商社の業務内容は専門性が非常に高いものです。

したがって、やる気のない身近な人に無理やり後継者になってもらったとしても、経営がうまくいく可能性は低いといえるでしょう。会社の今後を考えれば、医療機器卸・商社業界について詳しい第三者に引き継いでもらったほうが安心できるはずです。

雇用の継続

M&Aによって会社売却・事業譲渡を実施すれば、「雇用の継続」が実現します。上記で説明したとおり、現在の多くの中小企業の悩みは後継者問題です。

その後継者問題や経営状況の悪化によって、会社を廃業・清算せざるを得なくなると、その中小企業で働いている従業員は職を失うことになります。しかし、M&Aによって会社売却・事業譲渡に成功すれば、従業員の雇用を守れるのです。

今まで自社で働いてくれた従業員を守りたいという思いが少しでもあるのであれば、M&A実施の可能性を検討してみてください。

負債の解消と創業者の利益確保

医療機器卸・商社がM&Aを実施して得られる会社売却・事業譲渡するメリットの1つは、「負債の解消と創業者の利益確保」です。M&Aによって、自分の会社が買い手企業に売却されるとき、資産や権利と同時に「負債」も移転されることになります。

そうすることで、会社が保有している負債を解消できるのです。また、M&Aによる会社売却・事業譲渡を実現すれば、まとまった売却金額を獲得できるため、売り手企業の創業者の利益確保につながります。

大手の経営ノウハウの共有が可能

M&Aによって大手企業の傘下に入れば、大手企業が持つ経営ノウハウが共有されることから、自分たちの財政状態・経営成績を改善できることが期待されます。

医療機器卸・商社として生き残るためには、大手企業の傘下に入るのは非常に効果的です。

経営ノウハウ以外にも人的資源や資本力も共有できるので、今までよりも安定した経営が叶うことでしょう。

今後、どんどん厳しくなっていく可能性がある医療機器卸・商社業界で生き残りたいのであれば、M&Aを検討することも重要だといえます。

以上が、医療機器卸・商社がM&Aする際の売却側のメリットでした。続いて、買収側のメリットを見ていきましょう。

買収側のメリット

医療機器卸・商社のM&Aによる「買収側のメリット」には、以下のものが挙げられます。

【買収側のメリット】
 

  • 営業拠点が拡大
  • 新たな医療機器の販売が可能
  • スケールメリット
  • 人材確保

それぞれのメリットについて、順番に見ていきましょう。

営業拠点の拡大

医療機器卸・商社には、地域密着型の特徴があることを説明しました。特に、中小企業は、特定の地域に絞ってディーラー活動をしているケースが多いです。これら地域密着型の中小企業をM&Aにより買収することで、営業拠点の拡大が実現します。

M&Aを行わず新しいエリアに事業所を増やしたとしても、そのエリアで取引先を見つけるのは非常に困難です。

事業エリアを増やしたいのであれば、M&Aによる買収や業務提携を検討してみてください。

新たな医療機器の販売が可能

医療機器卸・商社業界の中小企業は、特定の製品に特化している会社も多くあります。そのため、特に大手企業にとっては、自社が販売していない医療機器を取り扱っている中小企業を買収することによって、新たな医療機器販売・顧客網の拡大を図ることが可能です。

スケールメリット

M&Aを実施して企業を買収することで、「スケールメリット」を実現できます。スケールメリットとは、「規模の経済」と称されることもあり、会社の規模が大きくなるほど、一製品に係る固定費を抑えることができるため、効率的な経営が可能となることです。

ほかにも、医療機器卸・商社が受けられるスケールメリットとしては、仕入れ値を安くできる可能性もあります。

また、効率的な医療機器の輸送ができるようになることもスケールメリットとして考えられます。

事業規模を大きくすれば、今までよりも固定費を下げやすくなるので、M&Aで買収する資金があるなら積極的に検討してみるのがよいでしょう。

人材確保

M&Aによって企業を買収すると、「人材を確保できる」というメリットがあります。医療機器卸・商社業界に精通した人材や、営業力のある人材を確保できれば、買い手企業が持つ経営資産との相乗効果で、より企業を強化できるでしょう。

以上が、医療機器卸・商社のM&Aで買収側が受けられるメリットでした。

さまざまなメリットを見て、自社でもM&Aを行いたいと思った人も多いはずです。ただし、医療機器卸・商社のM&Aを成功させるには、ポイントをしっかり押さえておかなければなりません。そのポイントについては、次項にて詳述します。

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4. 医療機器卸・商社のM&Aポイント

医療機器卸・商社のM&Aポイント

ここからは、医療機器卸・商社のM&Aを進める上での「ポイント」についてまとめていきます。これから医療機器卸・商社をM&Aによって買収・売却・事業譲渡しようと考えている方は、以下のポイントを意識することが大切です。

【M&Aのポイント】
 

  • 相場
  • 手法
  • タイミング
  • 保有している販売権
  • 得意先病院
  • 経営状況

それぞれのポイントについて、順番に見ていきましょう。

相場

まずは、医療機器卸・商社のM&Aにおける「相場価格」をしっかり理解することが大切です。医療機器卸・商社に限らず、M&Aを実施する場合には、その業界・企業規模の相場価格をきちんと把握しておく必要があります。

相場価格を把握できていないと、相場価格よりも高い金額で買収してしまったり、反対に相場価格よりも安い金額で売却してしまうことで、損をする危険性があるためです。

M&Aの相場価格は企業規模の違いや業界や市場の違いによっても左右され、一概にいくらと表現することは難しいものです。そのため、相場価格の判断が難しいと感じる方は、M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーなどの専門家を利用してみることをおすすめします。

その中でも、全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所は、適任です。豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが在籍しており、M&Aを徹底サポートいたします。

また、国内最安値水準の完全成功報酬制により、M&Aが成約するまで一切、費用が発生しないのも特徴です。仮にM&Aが成約しなければ、費用の請求もありません。

随時、無料相談を受け付けておりますので、どのような内容でもお気軽にお問い合わせください。

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手法

一概にM&Aといっても、買収・合併・事業譲渡・株式譲渡など、さまざまな手法・スキームがあります。医療機器卸・商社のM&Aをお考えの方は、最も適している手法を活用することが、M&A成功のポイントです。

【関連】M&Aスキーム・手法別でメリット・デメリットを比較!

タイミング

M&A成功のためには「タイミング」も重要です。例えば、その業界・市場が落ち込んでいるタイミングでM&Aを実施しても、ポテンシャルよりも低い価格でしか会社を売却できない可能性があります。

また、会社の業績が悪いときに買い手を募集しても、どの企業も手を挙げてくれないかもしれません。業界のM&A動向が活発になってきて、買収してもらえるような魅力があるタイミングでM&Aを実施することが大切です。

保有している販売権

これはM&Aの買収側が見るべきポイントの1つですが、対象企業が「保有している販売権」に着目することも、M&A成功のポイントです。医療機器卸・商社業界では、「海外からの輸入製品」が国内流通量の半分を占めています。

そのため、海外医療機器メーカーが製造している製品の「独占販売権」を確保している企業をM&Aによって買収することは、国内市場シェアを大きく獲得できるチャンスです。

得意先病院

各医療機器卸・商社は、得意先の医療機関・病院を持っています。M&Aで買収しようと検討している企業が、得意先病院と良好な関係を築けているか、また、得意先の医療機関を多数抱えているかは、M&A実施の際に注目すべきポイントです。

経営状況

もちろん、買収しようと検討している企業の経営状況がどうなっているかも、しっかりチェックすべきポイントです。経営状況が良くない企業を買収すると、自社にも負担がおよぶので注意しなければいけません。

以上、医療機器卸・商社がM&Aをする際に押さえておくべきポイントを解説しました。ポイントを理解したところで、実際にあった成功事例を見てみましょう。

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5. 医療機器卸・商社のM&A成功事例

医療機器卸・商社のM&A成功事例

ここ項では、医療機器卸・商社のM&A成功事例を紹介します。
 

  • 「どのような手法でM&Aが行われたのか」
  • 「対象企業の双方のメリットは何なのか」

などに着目しながら、以下の3事例をチェックしてみてください。

医療機器卸・商社のM&A事例①

最初の事例は、2019(令和元)年に行われた男性用肌着・インナーやストッキングなどの繊維製品メーカーによる、医療機器卸・商社の子会社化です。この事例の「売却側・買収側」、「手法」、「双方のメリット」は以下のようになっています。

売却側と買収側

  • 売却側:株式会社メディカルユーアンドエイ(主な事業は形成外科・脳神経外科・口腔外科・美容外科・小児外科・心臓血管外科・皮膚科等の関連医療機器の販売など)
  • 買収側:グンゼ株式会社(主な事業はアパレル事業、機能ソリューション事業、ライフクリエイト事業など)

手法

使用されたM&Aの手法は、「株式譲渡」です。グンゼは、メディカルユーアンドエイの全株式を取得し、100%子会社化しました。取得価額は非公開です。

双方のメリット

グンゼは、メディカル事業を新たな中心事業とすべく、2017(平成29)年に専門の販売子会社を設立したり、関連機器を製造するための工場造営なども行っています。一方、メディカルユーアンドエイは、特に胸骨接合プレートシステムSLBやLactoSorbなどの先端的な医療器具を日本に導入した実績を持っており、グンゼとしては大きなシナジー効果を得られると考えました。

メディカルユーアンドエイとしては、上場企業のグループ入りすることで財務的に安定し、より経営を強化できると判断した模様です。

医療機器卸・商社のM&A事例②

続いての事例は、2018(平成30)年に実施された医療機器卸・商社同士のM&A事例です。この事例の「売却側・買収側」、「手法」、「双方のメリット」は、以下のようになっています。

売却側と買収側

  • 売却側①:株式会社ミタス(主な事業は医療機器の販売事業)
  • 売却側②:ディーセンス株式会社(主な事業は医療機器の販売事業、ミタスの関連会社)
  • 買収側:メディアスホールディングス株式会社(主な事業は医療機器販売や医療材料の物流管理を行うグループ会社の経営管理など)

手法

メディアスホールディングスは、株式譲渡と株式交換の手法をミックスさせ両社を完全子会社化しています。

具体的には、ミタスの一部株式を現金による買収で取得し、残りの株式を株式交換で取得しました。ディーセンス株式については、全株式を株式交換で取得しています。なお、ミタス株式の現金での取得費用は8億4,800万円との発表です。

双方のメリット

ミタスは、福井県を中心とした北陸地域密着型の医療機器卸・商社(ディーラー)であり、ミタスの関連会社であるディーセンスは、同じエリアで循環器科および脳神経外科分野の医療機器販売に特化していました。

メディアスホールディングスとしては、事業規模の拡大および北陸エリアでの営業地盤強化を見込んでのM&Aです。また、売却側企業の2社は、事業規模の拡大と、東証一部上場企業の経営資源の活用を期待しています。

医療機器卸・商社のM&A事例③

3番目の事例は、2017(平成29)年に行われた医療関連サービスを提供する会社による、医療機器卸・商社の子会社化です。この事例の「売却側・買収側」、「手法」、「双方のメリット」は以下のようになっています。

売却側と買収側

売却側:コスモテック株式会社(主な事業は心臓外科・一般外科・血管内治療を中心とした医療機器の販売)
買収側:エムスリー株式会社(主な事業は医療従事者専門サイトの運営や医学関連情報の配信、製薬業界を中心としたマーケティング支援サービスなど)

手法

使用された手法は「株式譲渡」になります。エムスリーは、コスモテックの全株式を取得し、100%子会社化しました。株式譲渡の価額は10億円となっています。

双方のメリット

エムスリーは、コスモテックが保有する「医療機関との取引基盤」や「医療機器等に関するノウハウを有する人材」の確保に成功しました。

コスモテックは、エムスリーのプラットフォームを活用することで、これまで取り扱ってこなかった医療機器製品の取り扱いや、新規事業の立ち上げを目指しています。

【関連】M&A成功事例25選!【2020年最新版】

6. 医療機器卸・商社のM&Aまとめ

医療機器卸・商社のM&Aまとめ

医療機器卸・商社を買収しようと考えている企業や、会社を売却しようと考えている医療機器卸・商社の経営者の方は業界動向やM&Aのポイントを押さえることが必要です。

また、M&Aには専門家のサポートが必要不可欠となっています。その際には、医療機器卸・商社業界に詳しい専門家に任せるのが成功のコツです。

医療機器卸・商社業界に詳しいM&Aの専門家の1社として、M&A総合研究所をおすすめします。電話やWEBによる無料相談も行っておりますので、内容に関わらずお気軽にお問い合わせください。

本記事のまとめは以下のとおりです。

【医療機器卸・商社のM&A動向】

  • 大手による買収の増加
  • 同業他社との合併の増加

【売却・譲渡側のメリット】

  • 後継者問題が解決
  • 雇用の継続
  • 負債の解消と創業者の利益確保
  • 大手の経営ノウハウの共有が可能

【買収側のメリット】

  • 営業拠点の拡大
  • 新たな医療機器の販売
  • スケールメリット
  • 人材確保

【M&Aのポイント】

  • 相場
  • 手法
  • タイミング
  • 保有している販売権
  • 得意先病院
  • 経営状況

このように医療機器卸・商社業界のM&Aにはさまざまなポイントがあるので、積極的に専門家に相談するようにしてください。

少しでもM&Aに興味を持ったなら、まずは話を聞いてみるのがよいでしょう。

専門家の助けが成功につながる

当記事内で解説したとおり、医療機器卸・商社のM&Aを成功させるためには、「相場価格の把握」や「適切なM&A手法」、「M&Aすべきタイミング」といったポイントがありました。

これらのポイントをしっかりと押さえ、M&Aを安全に成功させるためには、M&Aの専門家の助けが必要不可欠です。医療機器卸・商社のM&A実施を検討されている方は、ぜひ【M&A総合研究所】の利用をご検討下さい。

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