株式を家族(親子/孫)に譲渡する際の税金まとめ!メリット・注意点も解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

保有する株式を売却や贈与といった形で相手に譲渡する株式譲渡ですが、家族間や親子間で株式譲渡を行った場合、税金はどのように課税されるのでしょうか。課税の仕組みはもちろん、メリットや注意点も含めて、家族間・親子間の株式譲渡について解説します。

目次

  1. 株式譲渡とは
  2. 家族(親子/孫)間での株式譲渡は生前贈与がおすすめ
  3. 民事信託で自社株を贈与する手段
  4. 家族(親子/孫)間での株式譲渡(贈与)にかかる税金
  5. 家族(親子/孫)間での生前株式贈与の手続き
  6. 家族(親子/孫)間での相続株式贈与の手続き
  7. 家族(親子/孫)間での株式譲渡の手続き
  8. まとめ
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1. 株式譲渡とは

株式譲渡とは

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株式譲渡とは、売却や贈与などの契約により、他人に株主権を譲渡することです。M&Aの手法としても幅広く使用されており、経営権を誰かに譲り渡す手段としては非常にポピュラーな方法となっています。

家族間・親子間では、家族で経営していた会社の事業承継のため、自社株を誰かに譲り渡すための手段として、株式譲渡が活用される場合があります。家族間・親子間での株式譲渡では、一般のM&Aにおける株式譲渡と異なる点があるのでしょうか。

家族(親子/孫)間では株式贈与が一般的

M&Aや事業売却等の、第三者間での株式譲渡では、売却という形式をとり、対価と引き換えに株式譲渡を行うことが一般的ですが、親子間や孫への譲渡等、家族間での株式譲渡を行う場合には、株式贈与の形で行われることが一般的である点が異なります。

譲渡と贈与の違い

株式等を引き渡す場合には、譲渡と贈与という形式がありますが、譲渡と贈与では何が異なるのでしょうか。いずれも保有する株式の株主権を他者に渡す手段ではありますが、譲渡では売買により対価と交換で株式譲渡を行うのに対し、贈与は対価を必要としないという点が挙げられます。この形態の違いにより、課される税金等も異なってきます。

2. 家族(親子/孫)間での株式譲渡は生前贈与がおすすめ

家族間での株式譲渡は生前贈与がおすすめ

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親子間等の家族間で自社株等の株式譲渡を行う場合、株式譲渡や贈与等、どのような形で引き渡すのが良いのでしょうか。基本的には、家族間の株式譲渡は生前贈与を利用して行うことがおすすめです。理由について解説します。

また、事業承継においても、生前贈与が得になるケースが多いです。事業承継に関するまとめについては、下記リンクも参考ください。

【関連】事業承継による消費税の納税義務はある?生前贈与/相続どちらが得?

生前贈与のメリット

生前贈与のメリットとしては、節税効果を期待できるという点があります。生前贈与により、相続財産を減らすことで、課税対象の金額が少なくなることに加え、累進課税のため、税率も低く抑制することができます。
 
また、この仕組みを利用して、株式の価値が上昇する前に贈与することで、のちに相続によって譲渡するよりも課税対象となる金額を抑制することができ、税負担を軽減することも可能であるため、将来的な相続税の節税のために非常に有効なやり方であると言えます。

生前贈与の注意点(デメリット)

一方、生前贈与のデメリットは、生前贈与の3年以内亡くなってしまうと相続として扱われ、相続税の課税対象となってしまうことです。そのため、例えば年を取ってきたから・病気にり患したから生前贈与を開始する、などという状況等では、早くに亡くなってしまい、節税効果を得られない可能性があります。

生前贈与のデメリットを防ぐ方法

生前贈与のデメリットを防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか。一つは、事前に計画を立てて長期間での贈与を行うことで、被相続人が亡くなる3年以上前に贈与を終了させることです。
 
もう一つは、相続関係にない孫等に贈与を行っておくことです。生前贈与が相続としてみなされるのは、共同相続人の間で贈与がある場合であるため、相続関係にない個人に対して生前贈与を行うことで、デメリットを防ぐことができます。

相続贈与のメリット

一方、死亡による贈与を相続贈与(遺贈)といいます。これによる株式譲渡も可能です。遺贈による株式譲渡のメリットは、与える割合を指定したり、財産を指定したりと、被相続人の考えを反映した分割を法的に行える点です。

相続贈与の注意点(デメリット)

一方、相続贈与のデメリットとしては、遺言による指定が必要であり、厳格な形式が求められる点です。ミスがあれば、無効となる可能性もあり、その場合は法律に沿った分割となってしまいます。
 
また、相続人がその権利を放棄することが可能であり、その場合他の相続人の間で相続争いなどが発生するデメリットもあります。

家族間の株式譲渡に関してはM&A総合研究所にお任せください。スキームから節税方法まで専門の公認会計士がご対応させていただきます。

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3. 民事信託で自社株を贈与する手段

民事信託で自社株を贈与する手段

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生前贈与や遺贈とは別に、民事信託により自社株を贈与する手段もあります。民事信託とはどのようなものなのでしょうか。概要について解説します。

民事信託とは

民事信託とは、受託者が特定の人を相手として、営利を目的とせずに継続しない前提で引き受ける信託のことを指します。一般的に市場に出回っている「投資信託」等とは異なり、自社株等の財産の管理等を信託銀行に預けるのではなく、家族間で行うことが大きく異なります。

家族(親子/孫)間でも自社株信託は可能

民事信託の中でも、家族による家族のための信託の設定は可能であり、特に「家族信託」と呼んでいます。これを利用し、自社株の管理を民事信託で行う、「自社株信託」を設置することも可能です。
 
これにより、被相続人が保有する自社株を誰に管理させるのか、またどのように利用されるべきなのか、ということをあらかじめ決定しておくことができます。特に、その後の財産承継について、受託者が中心となって生前から話し合うことができるため、遺産相続についても詳細に決定できる点もメリットとしてあります。

4. 家族(親子/孫)間での株式譲渡(贈与)にかかる税金

家族間での株式譲渡にかかる税金

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株式譲渡を親子間等の家族間で行う場合、贈与税や譲渡益に対する課税が行われますが、非課税となる場合もあります。それぞれについて、どのように課税されるのか、概要を解説します。

生前株式譲渡(贈与)にかかる税金

生前贈与に対してかかる税金としては、贈与税、譲渡益課税(所得税+住民税)が挙げられますが、非課税となる枠もあります。概要について解説します。

①非課税

生前贈与は贈与税の対象となりますが、年に110万円までは非課税となります。そのため、毎年110万円に満たない範囲で財産を贈与していく場合には、非課税の取り扱いとなります。

②贈与税

生前贈与における贈与金額が年間110万円を超えた場合については、贈与税の課税対象となり、累進課税により税率が決定されます。また、仮に贈与が「みなし贈与」と認定された場合、税金が大きく増加することがあるため、留意が必要です。
 
みなし贈与とは、譲渡人や譲受人のどちらかが譲渡した認識がないとしても、贈与があったものとみなして課税される仕組みです。例えば、相場より非常に低い価格で株式等を子供に売却した場合に、その時価と譲渡価額との差額を贈与とみなし、贈与税を課税する、等の場合があります。
 
上記の例の場合、通常であれば税金がかからない部分に対し、高税率の贈与税が課されるため、税金が非常に大きくなってしまいます。このようなことがないように、低価格での株式譲渡を行う際には十分に注意する必要があります。

③譲渡益課税(所得税+住民税)

株式を売買により贈与した場合には、譲渡益に対して所得税15%、住民税5%の合計20%の税金が課税されます。時価より非常に低額で譲渡を行った場合には、②のみなし贈与とみなされる場合があるため、留意が必要です。

相続株式譲渡(贈与)にかかる税金

相続株式譲渡によりかかる税金としては、相続税、譲渡益課税があります。

①相続税

相続によって株式譲渡が発生した場合については、相続のあった金額に対して相続税が課税されます

②譲渡益課税(所得税+住民税)

株式を相続によって取得し、その後売却をした場合には、譲渡益に対して課税されます。この譲渡益の計算の際には、譲渡によって得た対価から取得価額を差し引くことで計算されますが、この取得費に、相続税額を加算することができます。
 
これは相続税に加え譲渡益に対して課税されることで税負担が過剰になることを防ぐための制度で、特に相続税を支払うために売却を行う場合に利用する意味があります。

5. 家族(親子/孫)間での生前株式贈与の手続き

家族間での生前株式贈与の手続き

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具体的に、親子間等の家族間で生前贈与により株式譲渡を行う場合には、どのような手続きが必要なのでしょうか。

株式の評価額はもっとも安価な評価

生前贈与では、年間110万円までの範囲が非課税となるため、株式の評価額が重要となります。株式の評価額は、上場株式の場合、贈与される日の最終価格、贈与される月内の①✕日数の平均価格、贈与される前月内の①✕日数の平均価格、贈与される前々月内の①✕日数の平均価格のいずれか最も安価な評価で決定されます。
 
それぞれどのように計算されるのか、解説します。

①贈与される日の最終価格

まずは贈与される日の最終価格を調べます。ここで使用される最終価格は、その株式を取り扱っている金融商品取引所が公表する価額を採用します。

②贈与される月内の①✕日数の平均価格

第2に、贈与される月の最終価格の平均をとります。これも、株式を取り扱っている金融商品取引所が公表する価額を使用します。

③贈与される前月内の①✕日数の平均価格

第3に、贈与される月の前月のマーケットにおける最終価格の平均をとります。これも、株式を取り扱っている金融商品取引所が公表する価額を使用します。

④贈与される前々月内の①✕日数の平均価格

最後に、贈与される月の2か月前のマーケットにおける最終価格の平均をとります。これも、株式を取り扱っている金融商品取引所が公表する価額を使用します。
 
これらの4つの価格を比較し、最も低い価格を株式の価格とします。また、この価格の評価は、銘柄ごとに1株単位で行います。

贈与契約書の作成

価格が決まったのちに、贈与契約書を作成します。贈与契約は、贈与者と受贈者の合意があれば口頭でも成立しますが、のちに相続等が発生する可能性がある場合には、相続税の計算にも使用する可能性があるため、契約書を作成しておくことが必要です。
 
贈与契約書の形式には特に決まりはありませんが、最低限、贈与者と受贈者の指名、贈与に対する意思、贈与日、贈与対象、贈与の方法等を記載する必要があります。それぞれについて解説します。

①贈与者と受贈者の氏名

贈与契約では、贈与者と受贈者がいますが、それぞれが誰なのか、明記しておく必要があります。これはのちに相続等が発生した場合の計算に当たっても重要であるため、必ず記載する必要があります。

②贈与に対する意思を明記

次に、贈与に対する意思を明記する必要があります。贈与契約は、贈与者と受贈者の意思と合意によって成立するため、契約の要件を満たしたかどうか、という確認のためにも、贈与に対する意思の明記が必要です。

③贈与日の記載

次に、「いつ贈与をするのか」という贈与日の記載が必要です。贈与日の設定は、先に説明したように、贈与されたものの価格を設定するために非常に重要な役割を果たしています。そのため、相続における税務調査等の際に、贈与がいくらだったのかを証明するため、必ず贈与日を記載するようにしましょう。

④贈与する株式

また、贈与するものは何か、ということを明記する必要があります。贈与価格を決定する場合に、モノが明確でなければそれを判断することはできません。そのため、贈与日の記載と同様に、贈与する対象の株式はどれで、数量は何株なのか、を明記しましょう。

⑤贈与する方法

最後に、贈与する方法を記載する必要があります。これらの5つの記載がないと、贈与契約書を作成していても、公正なものと認められない場合があるため、必ず含めるようにしましょう。
 
なお、贈与する方法として、贈与をした証拠が残るように、金銭であれば銀行振り込み、株式であれば取引所できちんと贈与の証跡を残してもらう等の対策をとることが重要です。このようにすることで、贈与があったことを証明することができます。

6. 家族(親子/孫)間での相続株式贈与の手続き

家族間での相続株式贈与の手続き

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親子間等の家族間で相続により株式贈与が行われる場合の手続きとしては、遺産分割、名義の書き換えが必要です。

①遺産分割

株式を相続するためには、まず遺産分割協議を行い、「遺産分割協議書」を作成する必要があります。遺産分割協議書については、形式として決まったものはないものの、被相続人に名前、相続日、協議した相続人、および相続財産の処分内容が具体的に記載されます。

②名義書き換えを行う

遺産分割協議書をベースに、株券発行会社に相続があった旨を届け出て、名義書換の手続きを行います。
 
この手続きは基本的には会社が委託している株主名簿管理人が行います。株主名簿管理人は、信託銀行や証券代行会社であることがほとんどです。ただし、株券が保護預かり口座に入っている場合には、株券を出庫して名義書き換えを行うか、証券会社を通じて出庫せずに名義を書き換える場合もあります。

7. 家族(親子/孫)間での株式譲渡の手続き

家族間での株式譲渡の手続き

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対価を支払い、売買の形で親子間等の家族間で株式譲渡を行う場合、特別な手続きは必要なのでしょうか。
 
売買による株式譲渡については、親子間等の家族間だからといって、特別な手続きは必要なく、一般的な株式譲渡と同様の手続きを取ります。株式譲渡の手続き等については下記リンクを参照ください。

【関連】株式譲渡とは?手続きからメリット・デメリット、税金に関して解説【成功事例あり】

8. まとめ

まとめ

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家族間で株式譲渡を行う場合、生前贈与や相続による譲渡等、様々な方法があり、方法によって様々な税金が課されます。そのため、どの方法による株式譲渡が最も効率的なのかは、専門家による判断が重要です。

M&A総合研究所では、専門家同士のネットワークを通じて、様々なお悩みに対する適切なアドバイスが可能です。事業承継等に際し、どのような形で株式譲渡をすることが得なのか等、お悩みの場合はぜひ一度無料相談をご利用ください。

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