2022年06月06日更新
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)は今がチャンス!成功のコツは?
運送・物流業界では業界再編に向けて幅広い企業で会社譲渡(株式譲渡)が行われています。運送・物流会社で廃業するかお悩みなら、会社譲渡を行った方が良いといえます。運送・物流会社を納得できる買い手に株式譲渡し、安心して経営から離れましょう。
目次
1. 運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)は今が狙い目!
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)は、今が非常に狙い目の時期だといわれています。なぜかというと、以下のような2つの理由があるからです。
- 将来への不安を抱く経営者が多い
- 規制緩和の影響で新規参入を狙う経営者が増えている
このような理由で、現在は運送/物流会社の会社譲渡が行いやすい状況です。したがって、会社譲渡を検討しているなら、前向きに考えるのが良いでしょう。それぞれの理由について、詳しく説明していきます。
①将来への不安を抱く経営者が多い
現在の運送/物流業界は業績が良い企業が多いですが、同じくらい将来への不安を抱いている経営者も多いとされています。これは人材不足や単価の下落などによるためです。
したがって、不安を解消するために多少価格が高くても会社を買収してより競争力をつけようと考える経営者は珍しくありません。
これは大企業だけではなく、中小規模の運送/物流会社も買収を行うことがよくあります。会社を買う目的は、ドライバーの確保や新たな取引先の獲得などさまざまです。
会社に何らかの強みがあれば、それだけ買い手候補も増えることになるでしょう。
②規制緩和の影響で新規参入を狙う経営者が増えている
運送業許可の規制緩和の影響で、運送/物流業界に新規参入を狙う経営者もいます。その際には、すでに運送業許可を持っている会社から許可を譲り受けてスムーズに開業しようとすることも多いです。
また、ドライバーやトラックもまとめて購入して低コストでの開業を狙うケースもよくあります。新規参入する業者が増えることで、今後は業界内での競争がより激しくなる見込みです。生き残るためには、効率的に経営課題を解決していくことが大切だといえます。
もし運送/物流会社の経営に不安を抱いているなら、需要が高まっている今のうちに会社譲渡すれば、経営から離れた後も会社の存続が可能になります。
2. 運送/物流会社は廃業より会社譲渡(株式譲渡)を検討しよう
運送/物流会社は、廃業するよりも会社譲渡(株式譲渡)をすることをおすすめします。
「会社譲渡は手続きが大変そうだし廃業でも良いかも」と考えているかもしれませんが、会社譲渡には以下のようなメリットがあります。
- 従業員の雇用を守れる
- トラックや営業所の廃業コストがかからない
- 譲渡益でリタイア後の生活が豊かになる
これらのメリットは、廃業してしまうと得ることが難しいものとなっています。特に運送/物流会社を会社譲渡しやすい今の段階では、廃業は非常にもったいない選択でもあるでしょう。それぞれのメリットについて詳しく確認していきます。
①従業員の雇用を守れる
運送/物流会社を会社譲渡して他社に経営を引き継いでもらえば、従業員の雇用を守ることができます。特に、業界内ではドライバーは重要な人材です。また、ドライバーでなくても若手や熟練したスタッフは重宝されます。
自社のために頑張ってくれていた従業員ができるだけ今までどおりに働けるように、経営者として尽力しましょう。
運送/物流業界ではドライバーを中心とした従業員が多い会社は人気です。ですから、もし従業員にドライバーが多いなら、会社譲渡の交渉も有利に進めやすくなります。また、ドライバーが少なくても、若手の人材がいれば会社譲渡しやすいと考えられます。
②トラックや営業所の廃業コストがかからない
トラックや営業所の廃業コストがかからないのも会社譲渡を選ぶメリットです。
廃業してしまうとさまざまな費用がかかります。例えば、トラックが売却できれば良いですが、売却できない場合は廃車費用が必要です。
また、駐車場を賃借しているなら、トラックを売却するまでは引き続き駐車場の代金がかかることに気をつけなければなりません。これらは安ければ1台あたり数万円ですが、トラックがたくさんあるとその分高額になっていきます。
営業所も入居時の状況に戻す原状回復費用が発生するので、「思ったよりも廃業にお金がかかって大変だ」ということになりかねません。廃業手続きは時間もかかるので、会社譲渡をした方がお金も時間も得だといえます。
③譲渡益でリタイア後の生活が豊かになる
運送/物流会社を会社譲渡することで、譲渡益が得られます。譲渡益があればリタイア後の生活も豊かになるので、安心して引退できます。
廃業してしまうとすでに述べたように廃業費用がかかりますが、会社譲渡ならお金が得られます。
運送/物流会社の譲渡益は会社規模やトラックの台数などによって大きく変わり、具体的な相場はありません。しかし、中小規模の運送/物流会社でも1,000万円以上で売却できるケースは少なくありません。せっかくそれだけの譲渡益が得られる可能性があるのに、お金を払ってまで廃業するのはもったいないでしょう。
以上のようにさまざまなメリットがあるので、運送/物流会社の経営から離れるなら廃業ではなく会社譲渡をするのが良いでしょう。
3. 運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)の成功事例3選
今回ご紹介する運送/物流会社の事例は、以下の3つの事例です。
- ファイズホールディングスと中央運輸の事例
- ハマキョウレックスと千代田運輸の事例
- サカイ引越センターとSDホールディングスの事例
①ファイズホールディングスと中央運輸の事例
まずは、ファイズホールディングスが中央運輸を2020年7月に買収した事例です。
ファイズホールディングスグループはECソリューションを包括的に提供しており、中央運輸は主に関東地区で中・大型車両を使用した商品の輸送をしている会社です。
ファイズホールディングスはこれにより、ロジスティクスサービス事業との連携を強めることでグループの経営理念が現実化することを見込んでいます。
買い手会社 | ファイズホールディングス |
URL | https://phyz.co.jp/ |
特徴 | 「人と人のつながりで”未来のあたりまえ”を創造する」という経営理念 |
売り手会社 | 中央運輸 |
URL | https://www.chuo-exp.co.jp/ |
特徴 | 貨物自動車運送業などを展開 |
②ハマキョウレックスと千代田運輸の事例
2つ目に紹介するのは、ハマキョウレックスと千代田運輸の2017年2月の事例です。
ハマキョウレックスは、千代田運輸の株式を100%取得して子会社化しました。千代田運輸の積み重ねてきたノウハウや取引先を手に入れることを狙ったものです。
また、今回の買収によってハマキョウレックスは新規エリアに拠点を作ることもできました。会社譲渡した千代田運輸も蓄積したノウハウがハマキョウレックスのもとで活かされるので、今までの事業がより発展していくことが見込まれています。
このように、会社譲渡した後も自社の成長を期待できるのは経営者として嬉しいものです。経営を退いても会社を残したいなら、会社譲渡を行いましょう。
買い手会社 | ハマキョウレックス |
URL | http://www.hamakyorex.co.jp |
特徴 | 物流費圧縮や業務効率化を実現している3PL企業 |
売り手会社 | 千代田運輸 |
URL | http://www.chiyodaunyu.co.jp |
特徴 | 三現主義(現場・現物・現実)がモットーの運輸会社 |
③サカイ引越センターとSDホールディングスの事例
3つ目に紹介するのは、サカイ引越センターとSDホールディングスの2016年4月の事例です。
サカイ引越センターは、ダスキンの親会社であるSDホールディングスの会社譲渡を受けて子会社化しました。SDホールディングスは、主にクリーンサービス事業を行っている会社です。サカイ引越センターは2009年からダスキンと業務提携を行っていたので自然な流れでの会社譲渡でした。
今回の会社譲渡で、今まで以上に顧客満足度を高める狙いです。SDホールディングスの清掃ノウハウをサカイ引越センターが手に入れることで、引っ越し時の清掃も手厚くできるようになりました。
このように、運送/物流会社が異業種の会社を手に入れることもあれば、逆に異業種の会社が運送/物流会社を買収することもあります。
買い手会社 | サカイ引越センター |
URL | http://www.hikkoshi-sakai.co.jp |
特徴 | 安全と品質を届ける引っ越し会社のリーディングカンパニー |
売り手会社 | SDホールディングス |
URL | http://www.sdholdings.co.jp |
特徴 | ダスキンを中心とした不動産関連事業を行う会社 |
以上、3つの事例を見てきました。「自社にも買い手がつくのだろうか」とお悩みの方もいると思いますが、運送/物流会社の会社譲渡では買い手を見つけやすいと考えられているので、安心してください。
4. 運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)は買い手を見つけやすい
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)は買い手を見つけやすいとされています。それは以下のような理由があるためです。
- 運送業許可を求めている人が多い
- スケールメリットで生き残りを狙える
- 従業員を一気に増やせる
このような理由で、運送/物流会社を買おうと考えている経営者は非常に多いです。それぞれの理由について、順番に確認していきましょう。
①運送業許可を求めている人が多い
現在、業界に参入するために運送業許可を求めている人が多いとされています。
新規に運送業許可を取ることも可能ですが、運送業許可もそのまま引き継いだ方が許可を取得する費用がかかりません。したがって、運送業許可を譲ることに協力的な姿勢を見せることで、買い手も付きやすいです。
ただし、運送業許可を買収先に渡すためには、事前に譲渡譲受認可申請をしたうえで認可される必要があります。許可を譲るまでの期間は、新規に許可を取ってもらうのと同様に最短でも3ヶ月はかかると考えておかなければなりません。
申請から認可までには時間がかかるので、スムーズに許可を譲れるように買い手とスケジュールを考えましょう。そうすることで、買い手からの印象が良くなり成約につながります。
②スケールメリットで生き残りを狙える
運送/物流会社を買って、スケールメリットで生き残りを狙おうと考えている経営者は多いです。スケールメリットとは、同じ種類のものをたくさん集めることで生産性や経済効率が上がることを意味します。これは、規模の経済とも呼ばれることがある言葉です。
運送業界も会社の規模が大きくなるにつれて、輸送効率が良くなります。また、同エリアに取引先が増えることで今までと同じ稼働時間で、より多くの売上が出せるようになります。
このように、戦略的に同業他社を買収することで、今まで以上に効率的な経営が行えます。自社の強みを上手くアピールすることで、良い買い手が見つけられるでしょう。
③従業員を一気に増やせる
運送/物流会社は人材不足に悩んでいることが多く、会社を買って従業員を一気に増やそうと考える経営者もいます。特に、ドライバーの数が少なくて悩んでいる経営者はとても多いでしょう。採用には時間もコストもかかるので、会社を買って効率良く従業員を増やすケースは珍しくありません。
もし会社にドライバーや若手スタッフがいるのであれば、積極的に買いたいと考える会社が出てくるはずです。少しでも離職率を下げ、優秀な人材を確保しておくことで買い手が見つかりやすくなるでしょう。
以上のような理由で、運送/物流会社は会社譲渡がしやすいです。「自社に買い手はつかないだろう」と考えている方も、まずは専門家に相談して買い手を探してみることをおすすめします。
5. 運送/物流会社が会社譲渡(株式譲渡)を行う方法
運送/物流会社が会社譲渡(株式譲渡)を行う方法は、以下のような流れです。
- M&A仲介会社を選ぶ
- 最適な買い手を探す
- 成約に向けて買い手と交渉する
- 基本合意契約を結ぶ
- デューデリジェンスを行う
- 取締役会での株式譲渡承認を受けて最終契約を締結する
このような流れに沿って行動していけば、会社を買い手に譲ることができます。いろいろなことを行わなければならないため、大変だと思うかもしれません。
しかし、M&A仲介会社を選んでしまえばあとはサポートを受けながら進めていけるので安心してください。スムーズにサポートを受けるために、それぞれの手続きについて見ておきましょう。
①M&A仲介会社を選ぶ
まずは、M&A仲介会社を選びますが、会社譲渡の買い手探しから手続きまでさまざまなサポートを受けることになるので、自社に最適なところを探す必要があります。
M&A仲介会社を選ぶときのポイントは、運送/物流会社の会社譲渡の経験が豊富な会社を選ぶことです。多くのケースに対応してきた専門家にサポートしてもらえれば、会社譲渡も納得できる結果が得られやすくなります。
運送/物流会社の会社譲渡をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。会社譲渡(株式譲渡)に精通したM&Aアドバイザーが親身になって案件をフルサポートいたします。
無料相談を行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
②最適な買い手を探す
M&A仲介会社を選んだら、自社にとって最適な買い手を探していきましょう。その際、どのような条件なら納得して会社譲渡ができるのかを明確にします。
運送/物流会社を欲している会社は少なくないので、身近な経営者から声がかかるかもしれません。しかし、その場合も事前に決めておいた条件に当てはまらないなら断るようにしましょう。
最適な相手ではないのに会社譲渡をしてしまうと、従業員や取引先にも迷惑がかかってしまいます。したがって、冷静に自社のためになる買い手の条件を具体的に考え、当てはまる相手をM&A仲介会社と一緒に探してください。
③成約に向けて買い手と交渉する
買い手候補が見つかったら、成約に向けて買い手と交渉していきます。事前に決めておいた条件を承諾してもらえるのかはもちろん、相手の条件を承諾できるかどうかも話し合わなければなりません。
運送/物流会社の会社譲渡の際によく話題になるのが、従業員やトラックをすべて引き継ぐかどうかです。買い手がドライバーの確保を目的としているなら、ドライバー以外のスタッフは雇用を継続したがらないかもしれません。また、買い手が大型トラックだけを手に入れたい場合は、小型トラックの引き継ぎに納得してもらえないこともあります。
すべてを自分の思うどおりの条件で進めることは難しいです。したがって、自社にとって絶対譲れない条件だけは譲らずに、残りの条件はM&A仲介会社と相談しながらお互いが納得できるように交渉していきましょう。
④基本合意契約を結ぶ
交渉が落ち着いてお互いが会社譲渡に前向きな姿勢をとれたら、基本合意契約を結びます。
基本合意契約というのは、会社譲渡をする際の仮契約のようなものです。基本合意契約を結ぶことで、買い手と売り手が会社譲渡の成約に向けて手続きを進めていくことをお互いに確認できます。
注意が必要なのは、基本合意契約を結んだからといって必ず成約まで進めるわけではないということです。手続きの途中で破談になる可能性もあります。したがって、基本合意契約を結んでも油断せずに成約に向けて相手と信頼関係を深めていくことが大切です。
基本合意契約では譲渡する株式数や譲渡価格、今後のスケジュール、売り手の従業員の処遇などを決めます。いずれもこの後のデューデリジェンスという手続きで変更になることはありますが、書面に残して確認しておくことで大幅な条件変更となる確率を下げられるでしょう。
⑤デューデリジェンスを行う
基本合意契約を結んでお互いの姿勢が確認できたら、デューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは、売り手会社の財務内容や経営におけるリスクの洗い出しをする調査です。買収監査ということもあります。
会社譲渡が成立したら、その後のリスクを負うのは買い手側です。したがって、買い手会社はさまざまなリスクを事前に調査し、買収しても問題がないかを確認します。
デューデリジェンスでは、書類の提出や現地調査の実施などが売り手会社に求められることも多いです。あまり知らせたくない情報もあるかもしれませんが、後々大きなトラブルにならないように積極的に協力していきましょう。
ちなみに、デューデリジェンスでは何らかのリスクが見つかることがほとんどです。リスクが見つかったら、売り手会社がリスクを解消できないのかが問われます。リスクを完全に消せない場合は、基本合意契約で決めた内容が変更になることがあるので気をつけなければなりません。
「できるだけデューデリジェンスでリスクを見つけられたくない」と思うかもしれませんが、不当に隠すと損害賠償請求されることもあります。デューデリジェンス中は特に、相手企業に対して誠実な対応を心がけましょう。
⑥取締役会での株式譲渡承認を受けて最終契約を締結する
デューデリジェンスを終えたら、取締役会で株式譲渡承認を受けましょう。取締役会が設置されていない場合は、株主総会で承認を受けます。
承認を受けたら、最終契約の締結です。最終契約を結んだら会社譲渡は完了となるので、条件に問題がないかを慎重に確認してください。
調印をして最終契約をしたら、株券を渡して売買代金の決済を行います。そして、定款でやり方を確認してから株主名簿を書き換えれば手続きは完全に終了です。
会社譲渡の手続きについてもっと詳しく知りたいなら、以下の記事を参考にしてみてください。
以上のように、運送/物流会社が会社譲渡をする際にはいろいろな手続きが必要となります。ですから、事前に余裕を持ったスケジュールを立てて、焦らずに進めていきましょう。
実際はM&A仲介会社が手続きをサポートしてくれるので、心配する必要はありません。ただし、単に工程を進めるだけでは会社譲渡は成功しないので、運送/物流会社が会社譲渡を成功させるコツを見ていきます。
6. 運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)を成功させるコツ
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)を成功させるコツは、以下の4つです。
- 自社のことを考えてくれる買い手を選ぶ
- 運送業譲渡譲受認可申請の期間も踏まえて予定を立てる
- 労務問題など適切な会社の管理をする
- 運送/物流業界に詳しい専門家に相談する
これらのコツを意識することで、会社譲渡が成功する確率は一気に高まります。したがって、すべて押さえたうえで会社譲渡を進めていくのが良いです。それぞれについて、順番に確認していきましょう。
①自社のことを考えてくれる買い手を選ぶ
会社譲渡の際には、自社のことを将来的にもずっと考えてくれる買い手を選びましょう。
「せっかくならリタイア前にできるだけ利益を得ておきたい」と考えるかもしれませんが、譲渡益の金額だけで買い手を選ぶのはやめておいた方が良いです。
信頼できる買い手に自社を引き継いでもらわなければ、安心してリタイアできません。せっかく会社譲渡をして経営を引き継いでもらったと思っていたら、従業員は解雇されて取引先との関係も打ち切られてしまうことがあります。
ですから、会社の従業員や取引先のことも大切に考えてくれる買い手を選ぶのが安心です。そのためには、交渉の際に気になることは徹底的に聞いてください。熱意や不安なことを知ってもらうことで、会社譲渡後も信頼して任せられる買い手かを見極められます。
少しでも不安が残る状況で、焦って買い手を決定してしまうことは避けましょう。
②運送業譲渡譲受認可申請の期間も踏まえて予定を立てる
運送/物流会社の会社譲渡では、運送業譲渡譲受認可申請の期間も踏まえて予定を立てることが大切です。
すでに述べたように、業界に参入するために運送業許可を求めている人は多いとされています。しかし、運送/物流業界についてあまり詳しくない人なら、運送業許可の新規申請よりも運送業譲渡譲受認可申請を行った方が短期間で手続きできると考えていることが珍しくありません。
短ければ1ヶ月程度で手続きができるとアピールしている代行会社もいますが、ほとんどの場合は申請がとおるまでに3ヶ月はかかるといわれています。したがって、新規に許可を取得してもらう場合とあまり変わらないケースが多いです。
スムーズに買い手に会社を引き継いでもらうには、手続きに積極的に協力することが大切です。念のために最短でも3ヶ月、長ければ5ヶ月程度はかかると考えて予定を立てましょう。
③労務問題など適切な会社の管理をする
適切な会社の管理をしておくことも重要です。
運送/物流会社の会社譲渡でしばしば問題になるのが、労務問題を中心とした会社の管理についてです。特に中小規模の会社が譲渡される際には、労務管理が正しく行われているのか確認しましょう。
例えば、ドライバーの残業代未払いがデューデリジェンスの際に買い手会社に知られたら、破談になってしまうこともあります。破談にならないとしても、譲渡金額が大幅に下げられるはずです。
他にも、取引先との契約書が紛失しているなどの契約面でのずさんな管理も問題になります。会社譲渡を考えるなら、まずは社内管理から見直すのが良いでしょう。そして、管理ミスが見つかった場合は、迅速に対応してください。
④運送/物流業界に詳しい専門家に相談する
運送/物流業界に詳しい専門家に相談することも非常に大切です。
運送/物流業界はスケールメリットの受けにくさや、許認可手続きの複雑さが特徴的だとされています。したがって、業界に詳しい専門家が在籍している会社に相談しなければ、会社譲渡がうまくいかない可能性も高いです。逆に、業界に精通する専門家のサポートを受ければ、会社譲渡が成功する確率は大幅に上がります。
運送/物流業界に詳しい専門家かどうかは、公式ホームページで過去の実績を見ることで確かめられるでしょう。もしも実績が公開されていないなら、初回の相談時に直接聞いてみてください。インターネット上に掲載されていない過去の案件についても、直接聞けば参考となる情報を教えてもらえるはずです。
会社譲渡を自分だけで成功させることは難しいです。業界での会社譲渡の経験が多く、安心して何でも相談できる専門家を見つけてサポートしてもらいましょう。
M&A仲介会社についてもっと詳しく知りたいなら、以下の記事を参考にしてみてください。
以上の3つの運送/物流会社の会社譲渡を成功させるコツを意識して、自社の譲渡を成功させてください。紹介したコツの中で特に重要なのは、専門家選びです。専門家さえ適切に選べれば、大きな失敗はなくなるでしょう。
7. 運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)についてお気軽にご相談を!
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)については、M&A総合研究所までお気軽にご相談ください。
M&A総合研究所では、独自ネットワークを活用して条件に合った相手先をお探しします。業界事情に詳しいM&Aアドバイザーフルサポートいたしますので、スムーズなM&A進行が可能です
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
8. まとめ
運送/物流会社の会社譲渡(株式譲渡)を行いたいなら、今が狙い目です。会社譲渡を検討している場合は、できるだけ早めに取り掛かりましょう。
運送/物流業界には将来に不安を感じて会社を買収したい経営者や、規制緩和の影響で新規参入しようと考えている経営者も多いです。したがって、自社のノウハウや運送業許可が役に立つ可能性も高いといえます。
自分が経営から退いても会社が発展していくのは嬉しいものです。業界再編後も会社がなくならないように、専門家のもとで積極的に会社譲渡成功に向けて行動してください。M&A仲介会社と一緒に、最適な買い手を見つけていきましょう。
9. 運送・物流業界の成約事例一覧
10. 運送・物流業界のM&A案件一覧
【神奈川県・自走可能案件】流通加工運送業
倉庫・物流・運送・宅配/関東・甲信越案件ID:2380公開日:2024年11月01日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
流通加工運送から一般貨物運送を行う。 梱包作業~倉庫保管、貨物運送が可能。
【平均年齢35歳/ドライバー20名以上】九州管内一円を配送網とする運輸・倉庫業
倉庫・物流・運送・宅配/九州・沖縄案件ID:2254公開日:2024年09月18日売上高
5億円〜10億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
応相談
九州エリア全体を配送網とする運輸・倉庫業を手掛けております。
【西日本の陸海空の利便性に富む好立地】冷蔵倉庫業、製氷業
食品製造/倉庫・物流・運送・宅配/非公開案件ID:2141公開日:2024年08月09日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
損益なし
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
陸海空の利便性に富む立地に複数の冷凍冷蔵倉庫を有し、倉庫業や製氷業を営む会社
【東海エリア・高い利益率】鉄鋼建築資材の卸売業/運送業
工業製品卸・小売/建設・土木・工事・住宅/中部・北陸案件ID:2133公開日:2024年08月07日売上高
10億円〜25億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
住宅用の鉄鋼資材全般の卸~運送業
【シンガポール】アセット型3PL
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:2107公開日:2024年07月31日売上高
10億円〜25億円
営業利益
譲渡希望価格
約18億円
シンガポールにてアセット型3PL事業を展開する企業
【マレーシア】600店舗以上FC展開のPUDOサービス
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:2063公開日:2024年07月19日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
応相談
・マレーシアにてPUDO(Pick Up & Drop Off)事業をFC(フランチャイザー)にて展開
【大型案件/物流サービス業】シンガポールの譲渡案件
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:2017公開日:2024年07月04日売上高
250億円〜500億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
応相談
・内陸運送・海上運送・航空運送・倉庫サービスを手掛ける
【シンガポール】冷凍肉・魚介類サプライヤ
食品製造/食品卸・小売/飲食店/海外案件ID:1966公開日:2024年06月21日売上高
25億円〜50億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
約40億円(SGD34mil)
主に卸売業者、セントラルキッチン、レストラン、ウェットマーケット、ミニマーケット向けに冷凍肉・魚介類を供給
【シンガポール】売上30億円の物流業
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:1883公開日:2024年05月21日売上高
25億円〜50億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
20億円〜
シンガポールにて物流事業を営む企業です。
【関西/業歴40年以上】重量物の移設・据付業
建設・土木・工事・住宅/倉庫・物流・運送・宅配/近畿案件ID:1878公開日:2024年05月20日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
重量物の移設・据付工事
【業歴30年以上/豊富なネットワーク】フォワーダー業(国際複合輸送事業)
倉庫・物流・運送・宅配/近畿案件ID:1772公開日:2024年04月11日売上高
10億円〜25億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
対象企業は、関西と首都圏拠点に船舶予約・手配等のフォワーダー業務を手掛けております。
【海外/18ヶ国で展開】危険物輸送業
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:1521公開日:2024年01月10日売上高
10億円〜25億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
応相談
◆シンガポールに本社を構え、欧州、北米、東南アジア、アフリカの18ヵ国で危険物輸送事業を展開
【近畿地方/売上20億円超/純資産以下で譲渡可能】保有トラック300台以上の運送事業
倉庫・物流・運送・宅配/近畿案件ID:1516公開日:2024年01月09日売上高
25億円〜50億円
営業利益
1億円〜2.5億円
譲渡希望価格
20億円(応相談)
売上:20億円以上 業歴:50年以上 業種:一般貨物自動車運送業、自動車整備業、人材派遣業 トラック台数:300台以上
【海外/売上約26億円】世界中に配送網を有するフォワーダー・総合輸送サービス業
倉庫・物流・運送・宅配/海外案件ID:1424公開日:2023年12月06日売上高
25億円〜50億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
希望なし
4社同時譲渡 海上から航空貨物、コンテナからバルク等輸送統合サービスを提供
【安定収益/特殊車両保有】 上場企業専属の特殊貨物運送業
倉庫・物流・運送・宅配/中部・北陸案件ID:1385公開日:2023年11月12日売上高
5億円〜10億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
5000万円〜1億円
一般貨物運送事業(中部、北陸圏中心)
【自治体からの受託継続中】九州地方の旅客運送業
倉庫・物流・運送・宅配/九州・沖縄案件ID:1181公開日:2023年08月15日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
3,000万円(応相談)
自治体からの継続的な受託実績のある旅客運送業(タクシー事業・バス事業)
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