株式取得時にかかる税金一覧まとめ!計算方法も解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式取得時にかかる税金は、取得するプロセスやその他条件により課税名目や計算方法が変わるので、慣れないと分かりにくい部分もあります。そこで本記事では、株式取得時にかかる税金一覧とその計算方法、そして株式取得時にかかる税金の注意点について解説します。


目次

  1. 株式取得とは
  2. 株式を取得するシーン
  3. 株式取得時にかかる税金一覧と計算方法
  4. 株式取得時にかかる税金の注意点
  5. 株式取得の相談におすすめのM&A仲介会社
  6. まとめ
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1. 株式取得とは

株式取得とは

株式取得とは、企業が発行する株式の大部分を取得して買収するM&A手法のことです。

個人が投資目的で株式を買ったり、親族の株式を相続したりするのも株式の取得ではありますが、「株式取得」という用語は、企業買収のことを指すのが一般的です。

【関連】株式取得とは?手続き方法や目的、買収との違い、メリット・デメリットを解説!

2. 株式を取得するシーン

株式を取得するシーン

企業や個人が株式を取得するシーンは様々であり、目的もそれぞれ異なります。この章では、株式を取得するシーンの中から主なものを5つ解説します。

【株式を取得する主なシーン】

  1. 投資による取得
  2. M&Aによる取得
  3. 相続による取得
  4. 贈与による取得
  5. 新株予約権などで取得

①投資による取得

投資による株式の取得は、売却益や配当などで利益を得ることを目的として行われます。

上場株式の株価は市場で常に変化するので、株価が安い時に買って高くなった時に売れば、その差額を利益とすることができます。

また、株式は所有しているだけでも、配当金や株主優待などの利益を得ることができます。

②M&Aによる取得

M&Aによる株式取得とは、企業を買収するために、その企業が発行する株式の全てまたは大半を買い取ることです。

発行株式の50%以上を取得すると取締役を選任できるので、事実上その会社の支配権を得ることになります。

買収する企業が発行する株式を100%取得すると完全子会社化、50%以上取得すると子会社化となります。

③相続による取得

親族が持っていた株式を相続することで、株式を取得するケースもあります。預貯金の相続は、妻が2分の1で子供たちが残りを均等に分けると定められていますが、株式の相続にはこのような規定はありません

家や土地など、他の遺産とのバランスを見ながら、遺産分割協議で誰が相続するかを決めます。

④贈与による取得

個人や企業から株式を贈与されるケースもあります。相続税対策のため、親が存命のうちに早めに子供に株式を譲る「生前贈与」がよくある事例です。

他にも、会社の事業を後継者に譲る「事業承継」のために、後継者に株式を贈与するケースもあります。贈与先は、個人の場合もあれば資産管理会社などの法人の場合もあります。

⑤新株予約権などで取得

新株予約権とは、あらかじめ定められた価格で株式を購入できる権利のことです。例えば1,000円で株式を購入できる新株予約権を持っていると、その時の株価が1,000円以上だったとしても、1,000円で株式を購入できます。

新株予約権は、主に資金調達や役員報酬、敵対的買収の阻止などの目的で発行されます

3. 株式取得時にかかる税金一覧と計算方法

税金一覧と計算方法

株式取得時にかかる税金は、どのような形で取得したか、個人か法人か、上場株式か非上場株式かなど、様々な条件によって変わってきます

株式取得する時は、それぞれのケースにおける税金の計算方法を正しく知っておくことが重要です。

株式取得時にかかる税金には主に以下の6つがありますが、もちろんこれら全ての税金がかかることはなく、このうちの1つか2つが課税されます。

この章ではこれらの税金について、課税されるケースと税金の計算方法を解説します。

【株式取得時にかかる税金】

  1. 相続税
  2. 贈与税
  3. 所得税
  4. 住民税
  5. 法人税
  6. 寄付金課税

相続税

相続税とは、親などの親族が亡くなり、その遺産を相続した時にかかる税金をいいます。

相続税の対象となる財産は、家や土地などの不動産・預貯金や株式などの金融資産・その他家具などの物品・著作権や特許権などです。

相続税がかかる株式取得とは

株式を相続して、さらに相続した財産の総額が基礎控除額を超えた場合は、超えた部分に対して相続税が課税されます。

また、相続した株式の額が基礎控除以下でも、預貯金などを含めたトータルの財産が基礎控除を超えていると相続税がかかるので注意が必要です。

相続税の計算方法

相続税の基礎控除額は、相続人が一人の場合は3,600万円、二人の場合は4,200万円、三人の場合は4,800万円と、相続人が一人増えるごとに600万円ずつ増えていきます。

つまり、最低でも3,600万円以上の相続財産がない場合は、相続税を収める必要はありません

株式の相続額の計算方法は、上場株式の場合は株価の終値などから額を算定し、非上場株式の場合は会社の純資産や類似企業の株価などから額を算定します。税率は累進課税で10%から55%となります。

贈与税

贈与税とは、個人から財産を譲り受けた時にかかる税金です。贈与したのが法人の場合は、贈与税はかからない代わりに所得税がかかります。現金や株式を始めとする全ての財産が贈与税の対象となります。

贈与税がかかる株式取得とは

相続税対策として株式を生前贈与した場合は、基礎控除を超えた部分に対して贈与税がかかります

基礎控除を超えないように少額ずつ贈与すれば、後でまとめて相続するより節税になります。一人に対して何年にも分けて贈与したり、複数人に少額ずつ贈与したりする方法があります。

贈与税の計算方法

贈与税の基礎控除額は110万円です。110万円を超えた部分に対して贈与税がかかります。税率は累進課税で10%から55%です。

なお、直系尊属からの贈与は特例税率となるため、税率や控除額が多少優遇される形になります。

【関連】株式譲渡の贈与税の計算方法を解説!贈与と譲渡の税金どちらが得?

所得税

所得税とは個人の所得に対して課せられる税金です。会社員やアルバイトの給与所得・自営業者の事業所得・株式の配当所得などが課税対象となります。

所得税がかかる株式取得とは

株式を売却して利益を得た場合や、配当や剰余金を得た時などに所得税がかかります。

直接株式を購入していなくても、投資信託などで運用して利益が出た場合には、所得税がかかります。

所得税の計算方法

株式の所得税の税率は、総合課税か分離課税かで異なり総合課税の場合は累進課税で5%~45%分離課税の場合は一律で15.315%となります。

国内株式の配当について、総合課税で確定申告した場合は、配当控除を受けることができますが、申告分離課税の場合は、配当控除が適用されないので注意しましょう。

住民税

住民税とは、自分が住んでいる都道府県や市町村に収める税金です。住民税には「所得割」と「均等割」の2種類があります。

所得割は、所得に対して課せられる税金で、総合課税では道府県民税と市町村民税合わせて10%になります。

一方の均等割は、所得金額にかかわらず課せられる税金で、税額はおおよそ数千円程度です。

住民税がかかる株式取得とは

住民税がかかる株式取得のケースは所得税の場合と同じです。株式を売却して利益を得たり、配当や剰余金を受けたりすると課税されます。

住民税の計算方法

所得税の場合と同様に、株式の住民税の税率は、総合課税か分離課税かで異なります。総合課税の場合は一律10%、分離課税の場合は一律5%です。

所得税と同様に、総合課税で確定申告した場合は、配当控除を受けることができます。

法人税

法人税とは、会社など法人の所得に対して課せられる税金です。法人税には、会社単位で課税する通常の法人税と、子会社を含めた企業グループに課税する「連結所得に対する法人税」があり、どちらかを選択することができます。

社団法人や学校法人など営利目的ではない公益法人は、原則として非課税になります。

法人税がかかる株式取得とは

M&Aで株式譲渡した場合や、投資信託で運用益を得た時など、法人が株式で所得を得ると法人税が課されます

時価よりも安い価格で株式譲渡した場合、安く手に入れたことが利益とみなされ、譲渡を受けた側に法人税が課されることもあります。

法人税の計算方法

株式の法人税は他の事業所得と損益通算して計算します。例えば、事業が赤字で株式投資がプラスの場合は、株式の所得を事業の赤字と相殺して税額を抑えることができます。

法人税率は、中小法人か公益法人かなどによって多少変動しますが、一般的な普通法人の場合は23.4%です。

法人の所得には、法人税以外に地方法人税・法人住民税・法人事業税が課されるので、トータルの税率(法人実効税率)は約37%となります

寄付金課税

法人が政治団体などに寄附をした場合、基本的には経費として損金に算入され、課税対象にはなりません。

しかし、寄附金を無制限で経費として認めてしまうといたずらな節税対策につながるので、一定以上の金額の寄附については法人税が課されます

個人の寄附は、寄附金控除で所得から控除するか、税額控除の適用を受けるかを選択することができます。

寄付金課税がかかる株式取得とは

法人が株式を寄附した場合、寄付金控除を超えた額に対して、法人税が課せられます

また、株式を時価より高く売却した場合、その差額は寄附とみなされ寄附金課税がかかります。もし、差額が損金に算入できる限度額を超えている場合、超えた部分に対して法人税が課せられます。

寄付金課税の計算方法

国や地方自治体、日本赤十字社などへの寄附金(指定寄附金)は、全額が損金に算入され課税されません。指定寄附金とは、公益性が高いとして国が承認している寄附金のことです。

その他一般の寄附金の場合は、資本金と所得額をベースに損金算入限度額が算定されそれを超えた部分に対して法人税が課せられます。

4. 株式取得時にかかる税金の注意点

税金の注意点

株式取得にかかる税金の制度には複雑な部分や分かりにくい部分もあります。正しい確定申告をするためにも、株式取得時にかかる税金の注意点を理解しておきましょう。

①個人でも確定申告が必要

株式取得で利益を得た場合、たとえ個人でも確定申告をする必要があります

特に会社員の方は確定申告をする習慣がないことも多いので、うっかり申告を忘れてしまったり、自分には関係ないと勘違いすることもあるかもしれません。

確定申告がよく分からない、面倒くさいという方は、特定口座で証券会社に源泉徴収してもらうのがおすすめです。

【関連】株式譲渡した際の確定申告方法!かかる税金や必要書類の書き方を解説!

②個人と法人とでは課税名目が変わる

株式取得にかかる税金の課税名目は、個人か法人かによって変わります。基本的に個人の場合は所得税、法人の場合は法人税がかかり、それぞれ税率が違います。税率を勘違いして、いざ確定申告の時に思った以上の税金を取られて困ることのないようにしましょう。

③取得額と適正時価との差額で課税名目が変わる

株式譲渡や贈与などで株式取得すると適正価格より安く株式が手に入ることがありますが、この差額は利益とみなされて課税対象になることがあります

例えば株式譲渡では、個人から安く株式取得した場合はみなし譲渡、法人からの場合はみなし配当として、それぞれ所得税がかかります。そして安く譲渡された場合はみなし譲渡として贈与税がかかります。条件によって課税名目が変わるので注意しましょう。

④株式の取得価額が不明の時は確認する

株式の税金を計算する時は、株式の購入価格に手数料などの付随費用を加えた「取得価額」を使います。ここを間違えて株式の購入価格(株価×株数)を使うと税額が変わってしまうので注意が必要です。

証券会社で上場株式を取得する場合は、取得価額は株式の購入価格に手数料と消費税を加えたものなので、そこまで難しくはありません。

しかし非上場株式を相対取引で取得した時などは、取得にかかった交通費や謝礼金などが取得価額に含まれることになり、計算が複雑になります。

取得価額がはっきり分からない場合は、適当に算定したりせず必ず正しい額を確認するようにしましょう。

証券会社に確認する

取得価額は株式取得時に証券会社から交付される取引報告書を見れば分かります。取引報告書を紛失しても証券会社は取引データを保存しているので、問い合わせれば取得価額を記した書類(顧客勘定元帳)を手に入れることができます

発行済株式券を確認する

証券会社に確認しても分からない場合は、発行済株式券に記載されている取得日を確認し、ネットの投資情報サイトや当時の新聞などで株価を調べるという方法もあります。

【関連】株式の取得価額の確認方法!不明な場合の対処法も解説!

⑤株式の譲渡益は利益に対して課税される

株式の譲渡益は譲渡価格全体ではなく、譲渡価格から取得価額を引いた利益に対して課税されます。適正価格より安く譲渡した場合、その差額も利益とみなされるので注意が必要です。

⑥株式は持っているだけでも課税対象

株式の利益には、売却によるもの以外に配当金(インカムゲイン)もあり、当然この配当金も課税対象となります。株式を長期保有する場合は、配当金の確定申告を忘れないようにしましょう。

⑦利益と損失を相殺して節税することも可能

株式は利益が出ることもあれば、株価が下がって損失が出ることもあります。損失が出た場合はその損失額を確定申告しておくことで、来年以降利益が出た時に損失と相殺して節税することができます

この繰越控除は最大3年間可能で、申告しておかなければ控除することができません。損失の申告は義務ではありませんが、必ずしておくことをおすすめします。

⑧確定申告不要の特例がある

会社員で給与の支払いを1か所から受けており、かつ年収が2,000万円以下の場合、20万円以下の株式の利益は確定申告する必要がありません

ただし特定口座で源泉徴収ありを選択している場合は、20万円以下でも源泉徴収されてしまうので注意しましょう。

⑨特定口座で確定申告を不要

証券会社の口座には一般口座と特定口座があり、さらに特定口座は「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選択できます。特定口座の源泉徴収ありを選択すると確定申告が不要になります。

特定口座で源泉徴収なしの場合は、証券会社が発行する年間取引報告書をもとに自分で確定申告します。

一般口座の場合は年間取引報告書が発行されないので、損益の計算も自分でして確定申告する必要があります。

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6. まとめ

まとめ

株式取得時にかかる税金は取得するシーンによって異なり、また、個人か法人か、金額の大小など様々な要因でも変わってきます。

株式取得する時は、どの税金がかかるのかを計算方法とともに理解しておくことが大切です。

【株式を取得するシーン】

  1. 投資による取得
  2. M&Aによる取得
  3. 相続による取得
  4. 贈与による取得
  5. 新株予約権などで取得

【株式取得時にかかる税金】
  1. 相続税
  2. 贈与税
  3. 所得税
  4. 住民税
  5. 法人税
  6. 寄付金課税

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