株式譲渡の際の支払調書は?手続きなどのポイントを解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

支払調書とは、税務署に提出する法定調書の一つです。株式譲渡の際は株式の譲渡と対価の支払いが行われたことを報告するために必要な提出書類です。本記事では、株式譲渡の際の支払調書の概要や手続きなどのポイントについて詳しく解説します。

目次

  1. 株式譲渡の際の支払調書とは
  2. 株式譲渡の際の支払調書の手続き
  3. まとめ
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1. 株式譲渡の際の支払調書とは

支払調書とは、税務署へ提出する法定調書です。法定調書とは、所得税法・相続税法・租税特別措置法・内国税の適正な課税の確保を図るため、提出が義務付けられている資料です。

法定調書は全部で60種類(令和2年4月1日現在)あり、代表例に従業員の給与や役員報酬に関する「給与所得の源泉徴収票」や、報酬や投資信託の分配金の支払いに関する「支払調書」があります。

支払調書は株式譲渡が行われた際も提出が義務付けられています。この章では、株式譲渡の際の支払調書が必要な理由や提出先について解説します。

株式譲渡の際の支払調書はどんな時に必要?

株式譲渡が行われた際は、譲渡企業の上場・非上場に関係なく「株式等の譲渡の対価等の支払調書」の提出が必要です。

株式譲渡は、譲渡側が保有する株式の譲渡と譲受側の対価の支払いによって成立する取引です。有償の株式譲渡の場合は譲渡側に所得税・住民税・復興特別所得税、無償あるいは時価の1/2未満の株式譲渡の場合は譲受側に贈与税が課せられます。

課税対象者は確定申告によって税額を申告して、期限内に納税します。これらの税金の申告内容が正しい内容か確かめるために、支払調書を提出して株式譲渡が行われたことを報告する必要があります。

国税庁が示す「株式等の譲渡の対価等の支払調書」の提出対象となる「株式等」は以下の通りです。

【株式等の譲渡の対価等の支払調書の提出対象となる株式等】

  1. 株式(株主又は投資主となる権利、株式・新株予約権の割当てを受ける権利を含む)
  2. 特別の法律による設立法人の出資者の持分、合名会社・合資会社又は合同会社の社員の持分、協同組合等の組合員又は会員の持分その他法人の出資者の持分
  3. 協同組織金融機関の優先出資に関する法律に規定する優先出資及び資産の流動化に関する法律に規定する優先出資
  4. 投資信託の受益権
  5. 特定受益証券発行信託の受益権
  6. 社債的受益権
  7. 公社債

株式譲渡の際の支払調書はどこに提出するのか?

「株式等の譲渡の対価等の支払調書」の提出先は税務署です。納税地等を所轄する税務署が分からない場合は、国税庁ホームページの「組織(国税局・税務署等)」から調べることができます。

「株式等の譲渡の対価等の支払調書」の提出期限は株式譲渡が行われた翌年の1月31日までです。税務署に提出する際は、他の提出範囲の法定調書と法定調書の合計表を添付します。

法人税や所得税の申告は、提出期限を過ぎると無申告加算税や延滞税などが課せられますが、支払調書を含めた法定調書は、提出期限を過ぎても加算税や延滞税が課せられることはありません。

ただし、提出期限を過ぎた場合は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」(所得税法第242条)が科せられる恐れがあります。株式譲渡を行った際は翌年1月31日までに準備を進めておき、速やかに提出することをおすすめします。

【関連】株式譲渡とは?手続きからメリット・デメリット、税金に関して解説【成功事例あり】

2. 株式譲渡の際の支払調書の手続き

株式譲渡を行った場合は所轄の税務署へ支払調書の提出します。この章では、株式譲渡の際の支払調書の手続きについて解説します。

株式譲渡の際の支払調書の提出

株式譲渡の際の支払調書の提出は「株式等の譲渡の対価等の支払調書」と「株式等の譲渡の対価等の支払調書合計書」の2つの書類が必要です。

申請書様式・記載要領は国税庁ホームページよりPDFファイルをダウンロードできます。自由に使えるパソコンやスマートフォンがなくてダウンロードができない、PDFファイルを印刷する手段がない場合は最寄りの税務署から用紙を受け取ることもできます。

株式譲渡の際の支払調書の提出手続き

株式譲渡の際の支払調書の手続きは以下の通りです。以下の内容に沿って支払調書を作成して、株式譲渡が行われた翌年1月31日までに提出します。

【株式譲渡の際のの支払調書の手続き内容】

概要 株式等の譲渡の対価等の支払調書
手続根拠 所得税法第225条第1項第10号、第11号
手続対象者 国内において株式等の譲渡の対価の支払をする法人、証券会社又は銀行
提出時期 翌年1月31日(特例あり)
提出方法 支払調書に合計表を添付して提出先に送付又は持参
手数料 手数料は不要
提出先 納税地等を所轄する税務署長
受付時間 08:30~17:00
相談窓口 最寄りの税務署

株式等の譲渡の対価等の支払調書の作成

株式等の譲渡の対価等の支払調書は、株式譲渡を行った際に税務署に提出する書類です。株式譲渡による支払い内容を伝えるために作成・提出が義務付けられています。

平成28年1月1日以降の各支払調書には、個人番号又は法人番号を記載する項目が設けられています。M&Aの株式譲渡の場合は譲渡者が経営者個人であることが多いので、譲渡企業の経営者の個人番号を記載することになります。

しかし、株式譲渡の取引相手とはいえ、個人番号を教えてもらうことは簡単ではありません。相手の個人番号が分からない場合は空欄のままでも良いとされているので、飛ばしてしまって問題ありません。

最悪のケースは個人番号が分からないという理由により、株式等の譲渡の対価等の支払調書を提出しなかったり虚偽の内容を記載してしまった時です。未提出や虚偽申告は罰則対象なので注意が必要です。

その他記載項目に関しては特別な注意点はありません。各項目に株式譲渡取引の当事者の情報や取引に準じた内容を記載していきます。

【株式等の譲渡の対価等の支払調書の記載項目】

  • 支払又は交付を受ける者の住所(居所)又は所在地
  • 支払又は交付を受ける者の氏名又は名称及び個人番号又は法人番号
  • 支払者又は交付者の所在地
  • 支払者又は交付者の名称及び法人番号
  • 交付の取扱者の所在地
  • 交付の取扱者の所在地及び法人番号
  • 区分
  • 番号
  • 銘柄又は名称
  • 支払又は交付確定年月日
  • 事由
  • 株数(口)又は額面金額(千円)
  • 支払金額又は交付金額(千円)
  • 源泉徴収税額(千円)

株式等の譲渡の対価等の支払調書合計表の作成

支払調書合計表は、支払調書の種類ごとに添付が義務付けられている書類です。株式等の譲渡の対価等の支払調書を提出する際は、支払件数・支払金額・源泉徴収税額などの総額を記載した「株式等の譲渡の対価等の支払調書合計表」を添付します。

【株式等の譲渡の対価等の支払調書合計表の記載項目】

  • 提出者の所在地
  • 提出者の氏名又は名称及び法人番号
  • 代表者の氏名及び代表印
  • 合計表作成担当者の氏名
  • 区分(個人一般分・個人株式交換分・法人分)
  • 支払件数、支払金額、源泉徴収税額

税務署へ提出

株式等の譲渡の対価等の支払調書と合計表の作成が終わったら、所轄の税務署へ提出します。用紙で提出する場合は所轄の税務署へ送付・持参の2通りの方法があります。

株式等の譲渡の対価等の支払調書を含めた法定調書は、e-Taxで電子申告することもできます。e-Taxには申請書様式から送信機能まで備わっているので、ダウンロードや持参する必要がなくなります。

なお、平成30年度の税制改正により令和3年分の申告から、法定調書の電子申告義務化が「法定調書ごとに1,000枚以上ある場合」から「法定調書ごとに100枚以上ある場合」に引き下げられます。

該当事業者はe-Taxを使用して送付する方法、または光ディスク等(CD、DVDなど)を使用して提出する方法でなければなりません。

【関連】株式譲渡した際の確定申告方法!かかる税金や必要書類の書き方を解説!

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M&A・株式譲渡は取引自体の手続きや交渉が大変であり、税務署へ提出する書類まで気が回らないことも多いです。未提出や申告内容に不備があると罰則を受ける恐れもあるので、専門家のサポートを受けると安心です。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模のM&A仲介を手掛ける会社です。中小企業のM&A仲介における豊富な実績があり、株式譲渡に関するノウハウを豊富に蓄積しています。

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3. まとめ

株式譲渡の際の支払調書は、税務署が各事業者の確定申告内容と照らし合わせるために利用される重要な書類です。

株式譲渡の際は手続きに追われてしまって、後々に提出する書類を見落としてしまいがちです。不備なく全ての手続きを完了させるためには専門家に相談しておくことをおすすめします。

【株式譲渡の際の支払調書のまとめ】

  • 株式譲渡の際の支払調書は譲渡企業の上場・非上場に関係なく必要
  • 株式譲渡の際の支払調書は所轄の税務署へ提出する

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