運送会社のM&A・買収・売却の動向!業界の課題、価格相場も解説【案件一覧あり】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

運送会社・物流会社のM&A(買収・売却・譲渡・売買)では、売却側と買収側のニーズをマッチングする仲介会社が不可欠です。トラックなどの運送会社・物流会社の業界動向、M&A(買収・売却・譲渡・売買)における仲介会社の選び方などを解説します。

目次

  1. 運送会社とは
  2. 運送会社のM&A・売却・買収・売買案件一覧
  3. 運送会社のM&A・売却・買収・売買動向
  4. 運送会社のM&A・売却・買収・売買の価格相場
  5. 運送会社のM&A・売却・買収・売買のメリット
  6. 運送会社のM&A・売却・買収・売買のデメリット
  7. 運送会社のM&A・売却・買収・売買を行う際の注意点
  8. 運送会社M&A・売却・買収・売買の際の仲介会社の選び方
  9. 運送会社のM&A・売却・買収・売買の相談先
  10. 運送会社のM&A・売却・買収・売買まとめ
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    1. 運送会社とは

    近年、中小企業を中心に、M&Aによる譲渡や売却・買収・売買の成約件数は増加しています。この状態は、運送会社や物流会社の業界にも当てはまり、M&Aでの譲渡や売却・買収・売買の成約件数は増加傾向です。

    その運送会社と物流会社のM&A(買収・売却・譲渡・売買)事情に話を進める前に、まずは、運送会社と物流会社の正確な意味合いを確認しておきましょう。

    運送会社の定義

    物流会社が担う業務は広範囲に及び、その一部の業務が運送業務になります。具体的には、以下が物流会社の業務内容です。

    • 保管(倉庫業):商品や原材料などを倉庫に保管
    • 加工:値付けや商品のセット化など
    • 荷役:発注内容に対応した商品のピッキング
    • 包装:ピッキング後の商品の梱包や包装
    • 運送:商品や原材料の配送
    • 情報管理:3PL体制の場合、上記全業務のシステム連動による情報一元化

    運送会社とは、物流会社の一業務である運送業務に特化している会社です。同様に、保管業務に特化した倉庫会社などもあります。

    3PL(3rd party logistics=サード・パーティー・ロジスティクス)とは、運送会社、倉庫会社などといったように、物流業務が個別の会社に分かれて行われている状態から脱皮し、それらを一気通貫させ包括的に物流業務を請け負う業態のことです。

    運送会社に見られる特徴

    公益社団法人全日本トラック協会の「日本のトラック輸送産業 現状と課題2022」によると、国内貨物総輸送量(トンベース)の輸送機関別分担率は以下のとおりです。

    • トラック:91.6%
    • 海運:7.4%
    • 鉄道:0.9%
    • 航空:0.1%

    輸送量に輸送距離も加味したトンキロベースだと以下の分担率となります。
    • トラック:55.2%
    • 海運:39.9%
    • 鉄道:4.6%
    • 航空:0.3%

    運送会社の大半を占めるトラック運送会社業界では、従業員数別の会社数の比率は以下のようになっています(合計が100%になりませんが資料そのままの数値を掲載)。
    • 10人以下:49.0%
    • 11~20人:22.3%
    • 21~30人:10.5%
    • 31~50人:8.7%
    • 51~100人:6.0%
    • 101~200人:2.3%
    • 201~300人:0.6%
    • 301~1,000人:0,4%
    • 1,001人以上:0.1%

    上記を見れば、トラック運送会社は規模の小さな会社が非常に多いことがわかります。9割以上が中小企業であり、その理由は、ドライバー1名・トラック1台があれば開業できるという参入障壁の低さです。

    参入障壁が低いことは競争の激化につながるため、トラック運送会社業界には、以下のような特徴があります。
    • 人材の取り合いとなり中小規模では慢性的な人材不足
    • 人材不足のために就業環境がよくない(長時間労働など)
    • 価格競争のために収益性が悪い
    • 燃料費の価格転嫁も難しい
    • 参入業者も多いが廃業する会社も多い

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    2. 運送会社のM&A・売却・買収・売買案件一覧

    この章では、M&A仲介会社で実際に紹介されている運送会社のM&Aによる譲渡・売却希望案件を10件、掲示します。

    運送会社

    1件目は、運送会社の持ち分譲渡です。後継者不足を理由として会社売却を行います。この会社の所在地は公表されていませんが、直近の売上高は1~2億5,000万円です。売却希望価格は5,000万~1億円となっています。

    トラックは5~10台程度しかありませんが、20以上の都道府県で産廃収集、特別管理型の運搬業許可を得ており、さらに事業を拡大させることが可能です。固定受注先が50社以上あるため、買収後も安定した売上が期待できます。

    【茨城県】貸切バス事業

    2件目は、貸切バス事業の売却です。地域に根差した貸切バス事業を行っており、主な顧客は地域の学校や団体となっています。この会社の所在地は茨城県南部で、直近の売上高は500万円程度です。売却希望価格は要相談で明示されていません。

    貸切バスは3台(中型と小型)しかありませんが、安全評価認定による星マークを取得しています。また、現在は広告などの営業を行っていないため、買収後、営業を行えば売上高増大が見込るかもしれません。

    【群馬県】貨物資材の運搬・保管事業

    3件目は、貨物資材運搬事業の売却です。この会社はいくつかの事業を行っているのですが、別事業に注力するために売却します。会社所在地は群馬県で、売却希望価格は650万円です。

    特殊車両も保有しており、ニッチな仕事を引き受けられます。大手物流会社と取引を行っているため、安定した売上を期待できるでしょう。

    【東京都】軽貨物運送事業

    4件目は、軽貨物運送事業の売却です。この事業の経営者が体調を崩しており、戦略見直しのために事業売却を行います。会社の所在地は東京都の23区外で、直近の売上高は500~1,000万円です。売却希望価格は500~750万円となっています。

    ネット通販商品などの個人向け宅配を行っているのですが、今後さらに需要が増えると予想しており、さらなる売上増加が期待できるという予測です。

    【東京都】外航利用運送業

    5件目は、外航利用運送業の売却です。後継者不足と財務的な理由で事業売却を行います。この会社の所在地は東京都の23区内で、直近の売上高は5,000万円~1億円です。売却希望価格は2億5,000万円~5億円となっています。

    強みは、国土交通省複合輸送の承認・認可を受けているため、トラック運送以外の輸送を行える点です。トラック以外の運送業でシナジー効果を得れれば、売上増大が期待できます。

    【千葉県】運送業

    6件目は、千葉県にある運送業の売却です。後継者不足を理由に事業売却を行います。直近の売上高は1億円程度で、売却希望価格は3,000万円です。

    強みは、輸送している商品が珍しく技術が必要であるため、新規参入が難しく希少価値が高い点となっています。したがって、安定した売上を期待できるでしょう。

    【東海地方】トラック運送業

    7件目は、東海地方のトラック運送業の売却です。企業戦略の見直しのため事業売却を行います。直近の売上高は2億5,000万~5億円程度で、売却希望価格は7,500万円~1億円です。

    強みは、幅広い商品に対応できること、自社倉庫を所有しているので顧客に合わせたサービスができることとされています。

    【静岡県】石油製品の販売・運送

    8件目は、静岡県の石油製品の販売・運送業の売却です。後継者問題を理由に事業売却を行います。直近の売上高は10~25億円程度で、売却希望価格は1~2億5,000万円です。

    強みは、まず、有力会社との取引があり、その取引先から信頼が厚いことがあります。そして、自社で油槽所・タンクローリーを所有しているため、他社よりも低価格で商品を提供できることです。

    【大分県】一般貨物運送業

    9件目は、大分県の一般貨物運送業の売却です。直近の売上高は2億4,000万円程度で、売却希望価格は5,000万円となっています。

    大分県内では認知度がとても高い運送会社であり、また、所在地が高速道路のインターチェンジ近くという非常に好立地な場所にあることも特筆です。

    【京都府】一般区域貨物自動車運送事業

    10件目は、京都府の一般区域貨物自動車運送事業の売却です。後継者問題を理由に事業売却を行います。直近の売上高は5,000万円程度で、売却希望価格は1億5,000万円です。

    強みの第一は、創業歴が長く、地域密着型で信頼が厚いことを挙げています。第二は、自社でしか扱っていない商品の運送があるという独自性です。

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    3. 運送会社のM&A・売却・買収・売買動向

    この章では、運送会社・物流会社のM&A・売却・買収・売買動向を解説します。運送会社・物流会社のM&A成約件数は増加していますが、その要因に挙げられのが以下の4つです。

    • 市場は安定期に入っている
    • 業界内で再編の動きが活発
    • 後継者問題によるM&Aも活発
    • 比較的に買収要望が強い業界

    上記の理由により、物流会社・運送会社を買いたい企業や個人事業主、実際に売りに出ている物流会社・運送会社の案件が増えているのです。各要因について、それぞれ内容を見ていきます。

    市場は安定期に入っている

    1つ目の要因として、市場が安定期に入っていることがあります。別の言い方をすると、運送会社・物流会社の業界市場規模は横ばい状態です。運送会社・物流会社の業界市場規模が横ばいになっている原因は、会社の規模によって異なっています。

    大手運送会社・物流会社の現状

    大手運送会社・物流会社の主な収入源は、通信販売の運送と法人向けの運送です。しかし、近年は生産拠点を海外に移す顧客企業が増えているため、国内でトラックでの運送を行っている会社の市場規模は拡大していません

    また、大手運送会社はネットショッピング商品の運送も行っていますが、運送量が多過ぎるため、全てをさばけていない状況であり、大手事業者の市場規模が横ばいである原因の1つです。

    中小規模の運送会社と物流会社の現状

    中小規模の運送会社と物流会社の主な収入源は、大手運送会社がさばききれないネットショッピング商品の運送(トラック運送)になっています。ネットショッピングの運送量は年々増加傾向にあり、それに伴って参入する事業者も増加してきました。

    そして現在、事業者数は飽和状態であるため価格競争になっており、中小規模の事業者の売上はそこまで伸びていません

    このような背景により、売上を伸ばすために運送会社を買いたいと考えている大手運送会社・物流会社と、利益を確保できず会社を売りに出している中小規模の運送会社のニーズが合っているため、運送会社・物流会社のM&A成約件数は増加しています。

    業界内で再編の動きが活発

    2つ目の理由は、業界内で再編の動きが活発だからです。これは先ほどの、市場が安定期であるという要因と重なる部分があります。安定期だからこそ、M&Aによる譲渡や売却・買収・売買を行って、会社の成長を実現しようとしているものです。

    運送会社・物流会社の業界では、その傾向が顕著であるといえるでしょう。

    後継者問題によるM&Aも活発

    3つ目の要因は、後継者問題です。この問題は運送会社・物流会社に限らず、国内全ての中小企業に起こっています。昨今、中小企業経営者の平均年齢は上昇し続けており、帝国データバンクの調査「全国社長年齢分析(2021年)」によると、60.3歳です。

    現在、経営者の引退年齢は平均70歳程度なので、直近10年間では、中小企業の事業承継が活発に行われることが考えられます。しかし、少子化の影響で近親者に後継者がいないケースや、価値観の多様化で親の跡を継がない子どもなど、多くの中小企業で後継者不足が行っているのです。

    それは運送会社・物流会社でも同様であり、近年は廃業を避けるために、M&Aによる譲渡や売却・買収・売買で第三者に事業承継するという手段が積極的に用いられるようになってきています。

    比較的に買収要望が強い業界

    4つ目の要因は、運送会社・物流会社業界が、比較的、買収要望の強い業界であることです。その理由は、参入障壁の低い業界であることから新規参入を目的とした買収要望が強くなっています。

    参入障壁が低くなったのは、業界での規制緩和や3PLのニーズが強くなっていることなどが発端です。また、売りに出ている中小規模の運送会社・物流会社も多いため、これも買収要望を刺激することにつながっているといえるでしょう。

    さまざまな課題の解決が急務である

    運送会社・物流会社では、経営課題の解決のためにM&Aが用いられるケースも多くあります。特に現状で課題となっているのは、以下の3点です。

    • 業界全体で赤字営業が多い
    • トラックドライバーの不足が目立つ
    • コロナ禍により将来性の不安感が強い

    業界全体で赤字営業が多い

    公益社団法人全日本トラック協会の「日本のトラック輸送産業 現状と課題2022」における「一般貨物運送事業損益明細表(全体の平均値)」の2020(令和2)年度は、以下の収支状況でした。

    • 営業収益:2億3,198万1,000円
    • 営業費用:2億3,299万2,000円
    • 営業損益:-101万1,000円

    平均値で営業利益が赤字になるということは、いかに業界全体で赤字営業の運送会社・物流会社が多いかを示しています。赤字体質を脱却するために、M&Aで経営体質改善を図ろうとする動きが活発です。

    トラックドライバーの不足が目立つ

    運送会社・物流会社の業績は、在籍するトラックドライバーの人数が左右します。昨今の日本では、少子化による人口減少でどの業界でも人手不足となっていますが、運送会社・物流会社は、その中でも特に人材不足に悩まされている業界の1つです。

    トラックドライバー不足の運送会社・物流会社では、どうしてもそのしわ寄せが在籍しているトラックドライバーに向かってしまいます。つまり、1人のトラックドライバーに長時間勤務という負担が生じ、そのうえ給与水準は他の業種に比べ、あまり高くありません。

    そのような現状を嫌い、若年層世代は運送会社・物流会社への就職を敬遠するという負のスパイラルに陥っています。そこで、トラックドライバーの確保を目的として、M&Aによる買収を行う運送会社・物流会社が増加中です。

    コロナ禍により将来性の不安感が強い

    コロナ禍で宅配需要は拡大したものの、運送会社・物流会社の業界全体としては、2020年度は貨物量は減少しました。また、コロナ禍は、燃料価格の高騰という問題も生み、運送会社・物流会社は二重の困難を受けています。

    このような状況下、事業の先行きに不安を感じた中小規模の運送会社・物流会社は、業績が悪化したり負債が増えたりする前に、M&Aによる売却。譲渡に踏み切るケースもみられるようになりました。

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    • 運送・物流会社のM&A・事業承継

    4. 運送会社のM&A・売却・買収・売買の価格相場

    ここでは、運送会社・物流会社のM&A・売却・買収・売買における価格の相場について確認します。

    大まかな相場

    相場といっても、M&Aの場合、画一的な金額が決まっているわけではありません。各社ごとに経営状況は異なるため、不動産のような相場は形成されないものです。M&Aで買収対価を決める大前提として、まず、対象企業の企業価値評価(バリュエーション)を行います。

    この企業価値評価を簡易的に算出する方法としてよく用いられるのが、以下の計算式です。

    • 時価純資産額+営業利益×2~5年

    時価純資産額とは、貸借対照表に記載されている資産と負債を時価に換算し、資産額から負債額を引いた数値です。営業利益に掛ける年数が変数となっているのは、対象企業の希少性や経営状況、業種の特殊性などの違いによります。

    たとえば、参入障壁が低い飲食店などは×2年、許認可を得るのが難しい業種は×5年などを当てはめて計算するのです。

    交渉による取引価格決定

    M&Aでの取引価格を最終的に決めるのは、売り手・買い手による交渉です。企業価値評価で得た対象企業の評価額は、判断基準の1つにしか過ぎず、売り手の思惑・買い手の意気込みなどを含めた交渉によって、取引価格は決まります。これが、一概に相場価格を言及できない理由の1つです。

    企業価値評価の手法

    企業価値評価を正式に行う場合の専門的な算出方法は、数多く確立されています。それらは3種類の体系に分けられ、その概要は以下のとおりです。

    • コストアプローチ:純資産額をベースに企業価値評価を算定する。計算が簡易で客観性もあるが、将来の収益性を加味していないためM&Aではあまり適さない。
    • インカムアプローチ:中期計画書をベースに企業価値評価を算定する。将来の収益性に着目しているのでM&Aで多用されているが、事業計画書の恣意性に問題がある。
    • マーケットアプローチ:類似する上場企業の株価や類似するM&A事例の売買価格を参照して企業価値評価を算定する。客観性に優れているが、類似する企業やM&A事例が見つからなければ算定が行えない。

    5. 運送会社のM&A・売却・買収・売買のメリット

    ここでは、運送会社・物流会社のM&Aによる譲渡や売却・買収・売買を実施するメリットを考えてみましょう。譲渡・売却側と買収側では立場が違うことからメリットは異なるため、それぞれ分けて掲示します。

    譲渡・売却側のメリット

    運送会社・物流会社のM&Aの際に譲渡・売却側のメリットには、だいたい以下のようなものが挙げられます。

    • 譲渡先に経営を任せられるので後継者問題が解決する
    • 廃業を免れるので従業員の雇用が確保される
    • 譲渡益・売却益として創業者利益が得られる
    • 債務、個人保証から解放される
    • 大手企業へのグループ入りで経営基盤が安定する
    • 業務の効率化やノウハウ取得により収益力が向上する

    買収側のメリット

    運送会社・物流会社のM&Aでの買収側としては、主に以下のようなメリットがあります。

    • 人材・車両・設備などを包括して取得できる
    • 同業者であれば、事業規模や営業エリアを拡大できる
    • 異業種であれば、比較的簡易に新規参入できる
    • 業務の効率化やノウハウ取得により収益力が向上する
    • 業務の効率化などは営業力や契約交渉力にも反映され、結果として業績向上につながる

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    6. 運送会社のM&A・売却・買収・売買のデメリット

    運送会社・物流会社のM&Aによる譲渡や売却・買収・売買では、デメリットもあります。メリットばかりに目を向けず、デメリットを把握しておくことも肝要です。

    譲渡・売却側のデメリット

    運送会社・物流会社のM&Aでの譲渡・売却側には、以下のようなデメリットが生じる場合があります。

    • 想定した売却額よりも低い譲渡額になる場合がある
    • 譲渡・売却相手が見つからないこともある
    • 顧客や取引先がM&Aに反発し契約解除されることがある
    • 従業員がM&Aに反発し流出することでM&Aが破談する可能性がある
    • 事業譲渡の場合、会社法の規定で競業避止義務を負う

    競業避止義務とは、譲渡した事業と同一の事業を、譲渡先が所在する市区町村および隣接する市区町村で20年間、行ってはならないとする決まりです。

    買収側のデメリット

    運送会社・物流会社のM&Aでの買収側は、以下のようなメリットを被る可能性があります。

    • PMI(Post Merger Integration=経営統合プロセス)がうまくいかないとM&Aも失敗を招く
    • PMIでは社風の融合などもうまく行わないと反発した従業員が離職する恐れがある
    • 株式譲渡合併は包括承継であるため、偶発債務などの簿外債務を承継してしまい経営上のダメージを受ける恐れがある
    • 想定した業績が上げられないと、のれんの減損処理を行わねばならず業績低下の危険性がある

    のれんとは、売却企業の無形資産の評価額です。無形資産とは、知的財産やブランド力、技術力、企画力、顧客・取引先リスト、従業員の持つ資格などをさします。

    7. 運送会社のM&A・売却・買収・売買を行う際の注意点

    運送会社・物流会社のM&Aによる譲渡や売却・買収・売買を行う場合、買収側は許認可の承継に関し、貨物自動車運送事業法の制約に注意を払う必要があります。

    国土交通省による認可

    以下に貨物自動車運送事業法第30条の規定を掲示します。

    • 国土交通大臣の認可を受けなければ、運送事業の譲渡および譲受の効力は生じない

    貨物自動車運送事業法施行規則第17条では、「事業の譲渡譲受認可申請書」について定められています。まず、事業の譲渡譲受認可申請書の記載項目は以下のとおりです。
    • 譲渡人の氏名または名称と住所(法人は代表者氏名)
    • 譲受人の氏名または名称と住所(法人は代表者氏名)
    • 譲渡対価
    • 譲渡予定日
    • 譲渡理由

    事業の譲渡譲受認可申請書提出の際には、以下の書類の添付も必要です。
    • 譲渡契約書の写し
    • 譲渡価格の明細書
    • 資産目録
    • 貸借対照表
    • 定款

    運送業許可を承継するための要件

    運送業許可を承継するには、前項の申請書提出だけでなく、買収側(譲受側)の要件も定められています。運送業許可を承継するための具体的な要件は、貨物自動車運送事業法第6条および公示における処理方針の資料で定められており、その内容は以下のとおりです。

    • 運送事業を運営する際に必要な資源の確保(トラックの保有)
    • 運行管理者や整備管理者、運転者の確保(ドライバー以外にトラック整備担当者、運行管理責任者が」在籍していること)
    • 運送事業に必要な資金の確保(十分な運転資金の準備があること)

    8. 運送会社M&A・売却・買収・売買の際の仲介会社の選び方

    M&Aが盛んになるにつれて、M&A仲介会社も急増しました。そこで、運送会社のM&Aによる譲渡や売却・買収・売買を行う際の仲介会社の選び方について考えてみましょう。注目するべき点はいくつかありますが、特に以下の4点をおさえておくべきです。

    • 運送会社・物流会社の専門的知識・M&A実績を持っているかどうか
    • M&Aに関する幅広い知識・経験を持っているかどうか
    • 手数料などの報酬体系がわかりやすいかどうか
    • 担当スタッフの対応がよいか、相性がよいか

    運送会社・物流会社の専門的知識・M&A実績を持っている

    1つ目のポイントは、運送会社・物流会社の専門的知識やM&A実績を持っているかどうかです。ある程度、規模が大きいM&A仲介会社の場合、多くの業種について実績があり、全国の企業に対応できます。

    しかし、規模が小さい仲介会社や会計事務所などから派生しているような仲介会社の場合、全ての相談に対応できません。その代わり、ある業界や特定の地域について知識を持つなどの強みを持っています。

    このような仲介会社は、規模の大きい仲介会社に比べて、対応が丁寧だったり、専門性が高かったりすることがあるので、その見極めに注意しましょう。

    M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

    2つ目のポイントは、M&Aに関する幅広い知識・経験を持っているかどうかです。この点に関しては、規模の大きな仲介会社の方が、幅広い知識や豊富な経験を持っていると容易に想像がつきます。また、会社の創業歴を見ることでも判断可能です。

    しかし、最終的には担当スタッフによって知識量や経験値が変わってくるため、直感でダメだと感じたらすぐにスタッフを交代してもらいましょう。

    手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

    3つ目のポイントは、手数料・相談料・報酬体系がわかりやすいかどうかです。会社買収を行う際には多額の資金が必要になりますが、M&A仲介会社への手数料もあることを忘れてはなりません。

    手数料について、その報酬体系をしっかり理解してから依頼しないと、最終的に思ってもいなかった多額の料金を請求されることもあり得ます。依頼を決める前に報酬体系について実際に問い合わせ、料金を確認するようにしましょう。

    担当スタッフの対応・相性

    最後に紹介するポイントは、担当スタッフの対応・相性です。上の3つのポイントがどれだけ素晴らしかったとしても、担当するスタッフの対応や相性が悪かったら、スムーズにM&Aを行えません

    担当スタッフの良し悪しは、一度担当してもらわないとわからないことが多いでしょう。したがって、担当スタッフの対応や相性が悪いなと感じたら、すぐに交代を要求することです。

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    9. 運送会社のM&A・売却・買収・売買の相談先

    運送会社・物流会社のM&A・売却・買収・売買に関する案件は、公開されていないものも含め先述した以外にもたくさんあります。非公開案件にも自社の希望に合ったものがあることが考えられるため、買収を希望する場合はM&A仲介会社に相談するのがおすすめです。

    売却を検討する場合も、M&A仲介会社に相談することにより、希望どおりの金額や条件でM&Aを行うことが可能になります。運送会社・物流会社のM&Aの相談先をお探しでしたら、M&A総合研究所にご連絡ください。

    中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、運送会社・物流会社のM&Aによる譲渡や売却・買収・売買に精通したM&Aアドバイザーが専任につき、相談時からクロージングまで徹底サポートいたします。

    y労金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は完全無料です。運送会社の会社売却・事業譲渡に関して、無料相談を随時お受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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    10. 運送会社のM&A・売却・買収・売買まとめ

    近年、運送会社・物流会社のM&A成約件数は増加しています。そのため、運送会社・物流会社のM&Aを成功させるためには、スピーディーな交渉・手続きが求められますが、買収・売却には多額の資金が動くため慎重に行うことが重要です。

    運送会社・物流会社のM&Aを行うときは、以下のポイントをしっかり把握して進めていくようにしましょう。

    ・運送会社・物流会社のM&A・売却・買収・売買動向
    →現在、活発にM&Aが行われているため、条件のよい運送会社はすぐに買収されやすい

    ・運送会社・物流会社のM&A・売却・買収・売買の際の仲介会社の選び方
    →仲介会社が運送会社・物流会社のM&Aを得意・強みにしているか調べる
    →対応がよくて相性のよいスタッフを担当にしてもらう

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