LINEの買収実績8選!LINEモバイルのソフトバンクへの売却も解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

若い世代を中心に人気のLINEを提供するLINE株式会社には、M&Aによる買収実績が多くあります。この記事では、LINEの買収実績8選と、LINEモバイルのソフトバンクへの売却について解説しています。そのほか業界内の動向についても触れています。

目次

  1. LINEとは
  2. LINEの買収実績8選
  3. ソフトバンクがLINEモバイルを買収した理由
  4. LINEモバイル事業の今後の展開
  5. まとめ
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1. LINEとは

LINEとは

LINEとは、ネイバー株式会社(旧韓国NHN株式会社)傘下であるLINE株式会社(旧NHN Japan株式会社)が開発し提供する、若年層に人気のあるソーシャル・ネットワーキング・システム(SNS)です。

携帯電話やパソコン上で、テキストチャットやインターネット電話が可能な機能を提供しています。

ネイバー株式会社は、1999年に設立した、大韓民国に本社を置く同国最大のインターネットサービス会社です。

インターネット検索事業・オンラインゲーム事業のほか、広告事業・EC(インターネット通販)も行っており、「NAVER」は、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイトでもあります。

2. LINEの買収実績8選

LINEの買収実績8選

近年では、LINE株式会社によるスタートアップ企業のM&A・買収・売却が増加しています。この章では、LINE株式会社によるM&A・買収・売却の動向について説明しています。

1.株式会社ライブドアへのM&A

「ライブドア」ブランドそのものは、1999年に株式会社ライブドア(livedoor, Inc.)として設立し、広告収入の形態をとることにより、インターネット接続サービスを無料もしくは有料で提供していたサービスにさかのぼります。

2002年に国内他社にサービスを事業譲渡し、一旦株式会社ライブドア(livedoor, Inc.)は解散しましたが、2004年に株式会社ライブドア(livedoor Co., Ltd.)に登録商号を変更しています。

さらに2006年のライブドア・ショックを経て、持株会社化により株式会社ライブドアホールディングスに変更し、第3の株式会社ライブドアが設立されました。

その後、2010年にライブドアの全株式を、韓国NHNの傘下であるNHN Japan株式会社に、63億460万円(約900億ウォン)で売却しました。

このライブドアの売却において、関連子会社などのグループ解体と再編に一定の目処がついたところから、2011年に取締役会で解散を決議し、清算手続きを開始しました。

2012年には、データセンターと有料のインターネット接続サービス事業を残し、ポータルサイト「ライブドア」事業がNHN Japan株式会社、現在のLINE株式会社に吸収合併され、ライブドアの名前は消滅しました。

2.ファイブ株式会社へのM&A

2017年LINE株式会社は、同社の広告配信事業の強化を目的として、スマートフォン向けの動画広告プラットフォームの開発・販売・運用を行うファイブ株式会社と資本業務提携し、同社の全株式を取得し、完全子会社化しました。売却価格は51億1,000万円でした。

国内スタートアップ企業のイグジットとして増え続けているM&Aですが、このLINE株式会社のM&Aは、国内スタートアップ企業の過去5年間のM&Aディールを売却・譲渡価格の大きいものからまとめると、トップ10内に入ります。

3.ウィンクルへのM&A

2017年、LINE株式会社は、IoT製品の企画・開発の株式会社ウィンクルと資本業務提携し、同社を連結子会社化しました。

この株式会社ウィンクルのLINE株式会社への譲渡で、LINE株式会社は株式会社ウィンクルの株式の過半数を取得しています。

4.ウェブペイ・ホールディングスへのM&A

2015年、LINE株式会社は、子会社であるLINE Pay株式会社を通じ、ウェブペイ・ホールディングス株式会社を買収しました。

5.GreyHashへのM&A

2018年LINE株式会社は、100%子会社であるLINE Plusを通じ、韓国の情報セキュリティー会社であるGrayHash Offensive Research Centerと資本業務提携を結び、完全子会社化しました。

実質上、GrayHash Offensive Research CenterはLINE株式会社に売却されました。GrayHash Offensive Research Centerは、韓国を拠点に「攻撃型リサーチ」とハッキング対策技術を専門に扱う会社で、国内外の企業を対象に、セキュリティー関連のコンサルティング事業を展開しています。

6.夢の街創造委員会へのM&A

夢の街創造委員会株式会社は、ウェブサイトを介して、食事などの宅配サービスを行う企業であり、日本最大手の宅配ポータルサイト「出前館」を運営しています。

2018年3月末時点での、宅配ポータルサイト「出前館」の運営発表によると、アクティブ会員数は258万人、総店舗数16,175以上となっています。

2016年、LINE株式会社は、夢の街創造委員会株式会社の普通株式取得に関する、株式譲渡契約を同社既存株主との間で締結しました。LINE株式会社は、夢の街創造員会株式会社の既存株主より、合計2,220,000株を取得し、取得価格は約40億円になります。

このLINEのM&Aにより、LINE株式会社は、夢の街創造員会株式会社の発行済株式総数(自己株式を含む)の20.0%を取得し、夢の街創造員会株式会社の筆頭株主となるとともに、夢の街創造員会株式会社はLINE株式会社の持分法適用会社となりました。

7.M.T.BurnへのM&A

M.T.Burn株式会社とは、ターゲティング広告技術の専門家である株式会社フリークアウトとスマートフォンメディア開発、運営の専門家である株式会社イグニスのジョイントベンチャー企業です。

2016年、株式会社フリークアウトの子会社であるM.T.Burn株式会社とLINE株式会社との間で、資本・業務提携契約が締結されました。このLINEのM&Aにより、LINE株式会社はM.T.Burn株式会社を連結子会社化しました。

8.ADWAYS TECHNOLOGY VIETNAM JSCへのM&A

2017年株式会社アドウェイズは、非連結子会社の「ADWAYS TECHNOLOGY VIETNAM JSC」のソフトウェア開発事業を、LINEの現地子会社であるLINE Vietnam Co., Ltd.に譲渡しました。

このLINEのM&Aにおける譲渡価格は、462億4,600万ベトナムドン(2億3,000万円相当、2017年2月時点のレート)でした。

3. ソフトバンクがLINEモバイルを買収した理由

ソフトバンクがLINEモバイルを買収した理由

ソフトバンク株式会社がLINEモバイル株式会社を買収した理由としては、格安スマートフォンの競争が激化しているため、LINEモバイル株式会社はソフトバンク株式会社の支援を受けることで業界での生き残りをかけるつもりのようです。

LINE株式会社自体が、経営判断の速い企業であり、電子商アプリの「LINE MALL」、フードデリバリーの「LINE WOW」に代表されるように、大きな成果の出ないものは早々に終了し、他社との業務提携など別の道を模索してきました。

サービス開始2年足らずで他社の子会社化した、今回のLINEモバイル株式会社のM&Aは、LINE株式会社らしい判断と言えるでしょう。

この買収におけるソフトバンク側のメリットとしては、ソフトバンクが自社とグループ企業を合わせて、Softbank、Y!mobile、LINEモバイルと3つのブランドを抱えることになったことが挙げられます。

ソフトバンクは3つのブランドを次のようにカテゴライズしています。Softbankを大容量ユーザー、ビジネスユーザー向けとし、Y!mobileをライトユーザー向け、LINEモバイルを10代から20代前半世代向けとしました。

また、LINEモバイル株式会社との提携により、オンライン上の顧客の獲得が期待できます。

1. ソフトバンクとは

ソフトバンク株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社傘下の会社で、携帯電話などの無線通信サービス、及び長距離・国際通信を提供する、日本の大手電気通信事業者です。

会社組織上の原点は、日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化するのに先立ち、1986年に国鉄の鉄道電話事業の継承を目的として設立されたJR通信です。その後、1989年、旧国鉄が新電電子会社として設立した日本テレコム株式会社を吸収合併し、JR通信は日本テレコム株式会社へと改称しました。

ソフトバンクグループ株式会社は、日本の携帯電話等の電気通信事業者やインターネット関連企業等を傘下に置く持株会社となっています。

1979年、孫正義が自動翻訳機を売り込んで得た資金1億円を元手に、米国で「Unison World」を設立。1980年に孫がUnison Worldの経営をホン(後のUTスターコム創業者)に譲り、日本へ帰国。孫が企画会社「ユニソン・ワールド」を日本で設立しました。

1981年、孫の「ユニソン・ワールド」と経営総合研究所の折半出資により、日本ソフトバンク株式会社が資本金1,000万円で創設されました。3ヵ月後に経営総合研究所との資本関係を解消しました。

1987年、株式会社データネット、フォーバルと共同で、世界初のLCRを開発しました。フォーバルが全国の中小法人に無償配布し、新電電からのロイヤルティーで莫大な利益を出しました。その資金をもとにソフトバンクは急速に成長していきます。

1996年、米国Yahoo! Inc.との共同出資により、ヤフー株式会社を設立しました。2000年、ソフトバンク株が1株19万8,000円の高値をつけ、インターネットバブルと称されました。

2004年、ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)が日本テレコム株式会社を買収し、完全子会社化しました。買収価格は約3,400億円でした。

2.LINEモバイルとは

LINEモバイル株式会社は、日本のMVNO(仮想移動体通信事業者)であり、100%LINE株式会社の子会社で、2016年に設立されました

MVNOとは、無線通信回線設備を開設・運用せずに、自社ブランドで携帯電話などの移動体通信サービスを行う事業者を指します。

無線局を自ら開設しておらず、かつ、運用していない事業者で、主にSIMカードを使用したサービスを提供しています。代表的なMVNOには楽天モバイル、UQ mobile、mineoなどがあります。

LINEモバイルは、現在、NTTドコモ回線とソフトバンク回線を利用した通信サービスを提供しており、au回線を使ったサービスも2019年上半期には開始する予定である、と発表しています。

3.携帯キャリアのシェア状況

電気通信事業者協会(TCA)の調査によると、2018年12月末における携帯キャリア別シェア(契約数)は、以下のようになっており、総契約数は合計172,621,000にまで増加しています。
 

  • 1位=NTTドコモ、契約数累計数77,517,400
  • 2位=KDDI(au)、契約累計数54,262,800
  • 3位=ソフトバンクモバイル、契約累計数40,840,800

携帯電話サービスが開始されてから、常にシェアの首位を独走してきたNTTドコモですが、2018年には過半数を割っています。それに反比例して、ソフトバンクモバイルはシェアを拡大し続けています。

4.LINEモバイルを買収したメリット

ソフトバンクがLINEモバイルを買収したメリットには、主に以下の5点が挙げられます。

  1. 圧倒的な知名度に価値
  2. 家電量販店で即日受け渡しが出来る
  3. 店舗数の増加
  4. 楽天モバイル対策
  5. 新規ユーザーの囲い込み

①圧倒的な知名度に価値

若年層に知名度の高い「LINE」ブランドを持った、LINEモバイルを買収したことにより、ソフトバンクにとって、特に若い世代の需要の増加が見込まれます。

②家電量販店で即日受け渡しが出来る

LINEモバイルは店舗販売を開始し、即日受け渡しをするサービスを行っています。取り扱い家電量販店は、コジマ・エディオン・ノジマ・ソフマップ・カメラのキタムラなどです。

また、LINEモバイルがソフトバンクの傘下になったことにより、ソフトバンクでも家電量販店で即日受け渡しが可能になりました。

③店舗数の増加

LINEモバイルは現在、即日開通店舗がほぼ全ての都道府県を制覇しており、ソフトバンクとともに拠点開拓を進めています。

ソフトバンク側のメリットとしては、LINEモバイルとの提携により、オンライン上の新規顧客の獲得が期待でき、既存の店舗数にLINEモバイルの店舗数が加わることにより、店舗数を増加することができます

④楽天モバイル対策

MMD研究所が2019年に実施した格安SIMサービスの利用動向調査によると、2019年2月時点では楽天モバイルが25.1%でトップとなり、mineoが12.7%、UQ mobileが10.7%と続いています。

SoftbankとY!mobileというブランドを持つソフトバンクは、このLINEモバイルの買収により3つのブランドを抱えることにより、格安SIMトップの楽天モバイルに対抗することが可能になりました。

⑤新規ユーザーの囲い込み

ソフトバンクにとって、LINEモバイルのユーザーである若い世代の新規顧客の獲得が期待できます。SNSなどの口コミを通して、新規顧客を増やすことが可能です。この場合、既存顧客の満足度を高めることこそが、新規顧客を会得する戦略へとつながります。

5.LINEモバイル買収の手法

開始2年足らずで、LINEモバイル株式会社はソフトバンク株式会社と資本提携し、ネイバーグループのLINE株式会社とソフトバンクグループのソフトバンク株式会社の合併子企業となりました。

今回の買収手法は、第三者割当増資といい、株式会社による資金の調達方法のことであり、特定の第三者に対して、新たに発行する株式や処分する自己株式を割り当てて、対価を得る方法です。

一般的に、他企業との関係強化を望んだり、資金繰りがうまくいかなかったりするときに、この方法が選択されます。自社と友好関係にある企業に株式を売却することによって、敵対的買収をさけることができます。

具体的には、両社が資本・業務提携し、ソフトバンク株式会社がLINEモバイル株式会社の株式51%を取得、2019年3月に契約が締結され、増資実行は2019年4月となります。

表面的には、資本・業務提携といっていますが、実質上は、ソフトバンク株式会社におけるLINEモバイル株式会社の買収です。この買収によって、LINEモバイル株式会社はソフトバンク株式会社の傘下の企業となります。

株式の過半数以上を取得すると、役員の選任、役員の報酬額の決定などを行うことが可能になります。

【関連】第三者割当増資の株価への影響の理由や事例を紹介!メリット・デメリット、算出方法も解説!

第三者割当増資は、発行する新株式の数・設定する株価・引受先によっては、株価を下げてしまう恐れがあります。

第三者割当増資のリスクを回避し、効率よくM&Aを進めていくためには、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、第三者割当増資に精通したM&A専門の会計士が専任に就き、一括サポートをいたします。

着手金・中間報酬は無料の完全成果報酬制を採用しており、手数料は業界最安値水準です。

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4. LINEモバイル事業の今後の展開

LINEモバイル事業の今後の展開

この買収により、LINEモバイルで取り扱う端末が増える可能性は高くなります。また、ユーザーが店舗でのサポートを受け易くなります。

格安スマートフォンは競争が激化しており、LINEモバイルはソフトバンクの支援を仰ぐことで生き残りをかけると考えられます

LINEモバイルは、2016年に仮想移動体通信事業者(MVNO)として、サービスを開始しました。新規であるため、加入者数などのデータを明らかにしておらず、実態はまだあまりわかっていません。

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5. まとめ

まとめ

近年、外国企業を買収する日本企業が増えていますが、その規模の大きさ、対象の事業選定から見て、ソフトバンクグループ株式会社のM&Aと日本企業のM&Aは、行動パターンを異にしています。

ソフトバンクグループ株式会社のような、数年間の間に、兆単位の巨額買収、投資を何度も繰り返す日本企業は他にはないといえます。

総じて、多くのLINE株式会社のM&AはクロスボーダーM&Aと言えるでしょう。クロスボーダーM&Aは最近増加傾向にあり、件数だけでなく、買収金額も増加傾向にあります。

LINEの買収実績8選

  1. 株式会社ライブドアへのM&A
  2. ファイブ株式会社へのM&A
  3. ウィンクルへのM&A
  4. ウェブペイ・ホールディングスへのM&A
  5. GrayHashへのM&A
  6. 夢の街創造委員会へのM&A
  7. M.T.BurnへのM&A
  8. ADWAYS TECHNOLOGY VIETNAM JSCへのM&A

ソフトバンクのLINEモバイル買収におけるメリット

  1. 圧倒的な知名度に価値
  2. 家電量販店の即日受け渡しが出来る
  3. 店舗数の増加
  4. 楽天モバイル対策
  5. 新規ユーザーの囲い込み

LINEモバイル買収手法「第三者割当増資」とは

  • 特定の第三者に対して、新たに発行する株式や処分する自己株式を割り当てて、対価を得る方法である
  • 一般的に、他企業との関係強化を望んだり、資金繰りがうまくいかなかったりするときに、この方法が選択される場合が多い。
  • 時として敵対的買収をさけるために使われる

クロスボーダーM&Aは、50%以上が失敗していると言われており、成功させるためにはしっかりと対象企業を調査・検討し、戦略を練ることが重要です。

また、第三者割当増資では、発行する新株式の数・設定する株価・引受先によっては株価を下げてしまう恐れもあります。

このようなリスクを回避しM&Aを成功さるためには、M&A仲介会社などの専門家のサポートが不可欠といえるでしょう。

M&A総合研究所では、企業買収・企業売却などM&Aに精通した会計士が専任につき一括サポート、リスクを回避するための綿密なサポートとスピーディーな対応が可能です。

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