2024年06月26日更新
M&Aのシナジー効果とは?種類・分析に使うフレームワーク・メリットが得られた事例・業界も紹介!
この記事では、M&Aで得られるシナジー効果を紹介します。M&Aによるシナジー効果でどのようなメリットが得られるのか知りたい方必見の内容です。分析に使うフレームワークや実際に日本の企業で見られたシナジー効果の事例・業界も紹介します。
目次
1. M&Aのシナジー効果とは
M&Aで大半の買収側が期待する成果として、シナジー効果(相乗効果)が知られています。ほとんどのM&Aの目的はシナジー効果を得ることです。この章では、シナジー効果の意味を解説します。
M&Aにおけるシナジー効果の意味
M&Aで売却側を買収して子会社化したり、合併して統合したりした後に、売上や利益が2社分の合算値を超えてプラスアルファの数字が加算されたときに、「シナジー効果が創出された」と表現します。
M&Aでノウハウや技術を共有することによって、下記のようなシナジー効果を期待できます。
- 新商品が生まれる
- 売り上げが大きく伸長する
- 知名度が上がる
企業は、このようなシナジー効果を期待してM&Aを検討します。
M&Aを成功させるために、自社と相手企業のシナジー効果を定量化して交渉を進めることが必要です。
一般的な意味におけるシナジー効果
2つまたはそれ以上のものが合わさった場合に、単なる足し算以上の成果が得られることをシナジー効果といいます。シナジーとは複数の要素が互いに作用することで高い効果をもたらすこと(相乗効果)です。
シナジー効果は「Win-Win」の関係を前提としています。
もともとは、生物学の分野で専門用語として使われていた言葉ですが、現在はM&Aなどを行う会社経営の場面でも用いられている言葉です。
対義語はアナジー効果
シナジー効果の対義語として、アナジー効果があります。アナジー効果は、相互のマイナス効果を意味する言葉です。
M&Aは、相乗効果を期待して行われるものです。しかし、M&Aを行っても、想定よりもシナジー効果が出ない場合や、M&A前よりも業績が低下する場合も少なくありません。
このような場合、M&Aによるアナジー効果が出ているといえます。
アナジー効果が出た場合、経営戦略を大きく変えるか、ピュアカンパニー化を行う必要があると考えられます。
ピュアカンパニー化との関連性
M&A(会社の合併や買収)を行った後、予想外の問題や効果が出た場合、その影響を減少させるために、会社や事業を元の形に戻すことを「ピュアカンパニー化」と呼びます。これにより、会社の業績が元の良好な状態に戻ることが期待されます。
例えば、資源やお金を特定の事業に集中させたい場合も、この「ピュアカンパニー化」を採用します。実際に、インテルという大手半導体メーカーは、DRAM、MPU、EEPROMといった複数の製品を手掛けていましたが、全てに十分な資源を分けることが難しくなったため、ピュアカンパニー化を進め、主にMPU事業に焦点を絞り、大きな成功を収めました。
ピュアカンパニー化について知っておくことで、会社の業績が下がった時の対応策として役立てることができます。
2. M&Aのシナジー効果の種類
M&Aで得られるシナジー効果を具体的に分析すると、効果が発揮される事業活動(業務の種類や内容など)にはさまざまな種類があることがわかります。ここでは、考えられるシナジー効果の種類を紹介します。
バリューチェーンによるシナジー効果の分類
バリューチェーンとは、自社の事業を機能ごとに分類し、どの工程で付加価値が生み出されているか分析することです。工程には、購買(仕入れ)・製造(生産)・出荷・販売・営業・宣伝・マーケティング・アフターサービスなどがあります。
分析によって強み・弱みを把握し、課題を見出し対策を立てます。
例に挙げた工程は、事業の主要活動という位置付けです。一方、技術開発・研究部門や人事・経理などの間接部門は支援活動といった分け方をします。
主要活動のシナジー効果
バリューチェーンの主要活動(製造や販売など)で出現するシナジー効果の例を掲載します。
- 購買のシナジー効果:原材料調達の安定化・効率化、共同仕入れによるコスト削減、仕入れ価格値下げの交渉力強化など
- 製造のシナジー効果:設備・技術・ノウハウ共有による効率化、生産性の拡大、合理化や内製化によるコスト削減、設備稼働率の向上、設備の有効活用など
- 出荷のシナジー効果:設備・技術・ノウハウ共有による効率化、物流設備の合理化など
- 販売のシナジー効果:設備・技術・ノウハウ共有による効率化、ブランド力アップ、販路拡大、販売製品のラインアップ増加、組織合理化によるコスト削減など
支援活動のシナジー効果
支援活動(研究開発・経理など)で発現するシナジー効果の例は、以下のとおりです。
- 研究開発のシナジー効果:共同研究による新技術発明、技術の融合による新製品開発、研究開発費の増強、施設の統廃合によるコスト削減など
- 経理財務のシナジー効果:財務基盤の強化、資金調達力向上、管理部門組織再編によるコスト削減など
アンゾフによるシナジー効果の4分類
アンゾフとは、経営戦略のマトリックスを提唱したことで有名なアメリカの経営学者のことです。アンゾフは、シナジー効果も提唱しており、以下の4種類あると述べています。
- 販売シナジー
- 生産シナジー
- 投資シナジー
- 経営シナジー
現代のシナジー効果の種類
現在はシナジー効果の研究が進み、以下の4種類に細分化されています。
- 収益シナジー
- コストシナジー
- 事業シナジー
- 税金シナジー
1つ目は収益シナジーで、M&Aで多く見られる相乗効果のことです。買収会社と被買収会社が連携することでシナジー効果が生まれ、収益が大きく向上する効果があります。
2つ目のコストシナジーは、アンゾフの4つの分類のうち生産シナジーに該当します。コスト削減効果の期待が可能です。
3つ目の事業シナジーは、スケールメリットによるコスト削減効果のことを表しています。
4つ目の税金シナジーは、M&Aにおけるのれんや、繰越欠損金により節税効果がもたらされるものです。現代のシナジー効果の中では、特に収益シナジーとコストシナジーの2つのシナジー効果が注目されています。
アナジー効果の代表例
M&Aで発生する可能性のあるアナジー効果には、以下のようなものが挙げられます。
- 多角化で非効率化が起こりコスト増加
- PMI(M&A後の経営統合プロセス)延長による予算超過
- M&Aへの反発などによる有能な人材の流出
- 買収側への反感による顧客・取引先の離反
近年、あらゆる業種でIT分野の取り込みが求められています。
M&AによるIT統合を成功させる方法や注意点について、下記の記事でまとめておりますので、あわせてご覧ください。
3. M&Aのシナジー効果の具体例
シナジー効果を十分に理解しておかないと、M&A戦略を練れません。M&Aのシナジー効果を具体的に紹介します。
- 売上シナジー
- コストシナジー
- 研究開発シナジー
- 財務シナジー
- 組織シナジー
①売上シナジー
売上シナジーとは、M&A後の売上金額がM&A前の買収会社・被買収会社の合計額よりも大きくなることをさします。つまり、M&Aにより、売上額について1+1が2以上になることを狙うシナジーです。
アンゾフの4種類のシナジー効果の中では、販売シナジーに分類されます。売上シナジーの具体例は以下のとおりです。
- M&Aを行う前に用いていた被買収会社のブランドもしくは会社の知名度を用いて自社商品のジャンルを増やす
- 独自の販売チャネルを持つ会社を買収して自社の売上を増やす(川下への進出)
売上シナジーを目的としてM&Aを行うケースでは、狙いどおりに効果を得やすい傾向があります。
②コストシナジー
コストシナジーとは、M&Aによる会社の規模拡大でスケールメリットを得てコストを削減することです。アンゾフのシナジー効果では、生産シナジーに分類されます。コストシナジーの具体例は以下のとおりです。
- 会社の規模を大きくすることで大量に仕入れコスト削減
- 流通の川上に進出してコストを減らす
- 買収会社と被買収会社の物流を統一して物流コストを削減
コストシナジーも難易度は比較的低いと考えられています。理由は、流通の川上を買収すれば得られるシナジーであるためです。
中小企業同士のM&Aでもシナジー効果は十分に得られます。
③研究開発シナジー
研究開発シナジーとは、M&Aでの買収会社・被買収会社の得意な研究分野を融合させて新たな商品開発を行うことです。アンゾフのシナジー効果では、投資シナジーに分類されます。研究開発シナジーの具体例は以下のとおりです。
- 研究開発におけるノウハウの獲得・共有を狙う
- 共有されたノウハウと自社で培ったノウハウを合わせて新たな商品開発を行う
研究開発のシナジー効果は、比較的得るのが難しいと考えられます。M&Aを行う前にどのようなシナジー効果が得られるか明確に戦略を立てておく必要があるためです。
買収会社・被買収会社が研究開発シナジーを得られる体制なのかを見極めることも必要です。
④財務シナジー
財務シナジーとは、M&Aにより資金調達コストを下げる効果を得ることです。財務シナジーは、今まで紹介したシナジー効果の中で最も効果が得にくいと考えられます。
その理由は、買収会社・被買収会社ともに財務状態がよくないと財務シナジーを得られないためです。したがって、財務シナジーを主な理由としてM&Aを行うケースはそれほど見かけません。
⑤組織シナジー
組織シナジーは企業が一緒になりチームとして協力し合うことで生産性向上を目指すことです。組織シナジーは生産性の向上や事業部門の集約による業務効率化、パフォーマンスの発揮で得られる従業員のモチベーション向上などの効果が得られるでしょう。
4. M&Aでシナジー効果を検討するためのフレームワーク
シナジー効果を生み出すためには、フレームワークを考えることも大切です。M&Aでシナジー効果を検討するために必要なフレームワークを紹介します。
内部リソースのフレームワーク
内部リソースとは、自社もしくは買収される会社が保有している経営資源のことです。内部リソースの分析を通して、自社もしくは買収相手の会社にはどのような特徴があるか、それらを組み合わせることでどのようなシナジー効果が生まれるか考える必要があります。
内部リソースのフレームワークに当てはまる人材・拠点・資金を、具体的に解説します。
人材
人材のフレームワークでは、自社や買収される会社の従業員が持つ技術・対応できる仕事などを分析します。例えば、工場を稼働させている製造業の会社ならば、その分野の技術者が多いです。
技術者たちが買収される会社の技術を共有したら、市場で流通する製品を開発できるのではないかと戦略を立てられます。経営者は、このような人材のフレームワーク分析に当てはめて、M&Aによってどのようなシナジー効果が生まれるか考えるのが一般的です。
その結果、予想できるシナジー効果の具体性を高め、どう動く必要があるのかにつなげられます。
拠点
拠点では、主に物流の拠点のフレームワークを分析します。M&Aにより自社と買収される会社の物流拠点が使用できるため、効率的な物流を生めるか判断するのが一般的です。
自社と買収される会社で同じ場所に物流拠点があった場合、その物流拠点をメインとして使えます。その物流拠点を中心として、各地域の物流拠点に必要なものを運ぶ流れができれば、効率的な物流とコスト削減の2つを期待することが可能です。
このように、経営者は物流拠点を把握して、どのようなシナジー効果が期待できるか考えます。
資金
M&Aによって無駄な投資をなくし、新たな投資ができるように戦略を考えます。M&Aによってスケールアップによるコスト削減や、資金繰り改善による経営コストの効率化で、新たな資金を生み出すことが可能です。生み出された資金を用いて、別方向へ投資できます。
自社と買収される会社が同じような事業に投資しようとしている場合、二重投資を回避し、余った資金は別の投資に用いる戦略を立てられます。
外部ネットワークのフレームワーク
外部ネットワークとは、自社もしくは買収される会社と関係のある外部の経営資源のことです。外部ネットワークの分析をとおして、顧客ニーズなどを把握し、どのようなシナジー効果を生み出すのかを考えましょう。
一例として、外部ネットワークである顧客と仕入先のフレームワークを掲載します。
顧客
自社や買収される会社は、それぞれどのような顧客を獲得し、どのような顧客ニーズがあるのかを把握しています。お互いの顧客フレームワークを分析することによって、M&Aで生み出せるシナジー効果を考えましょう。
例えば、自社と買収予定の会社の顧客層が似ている場合は、顧客の固定化のための戦略と新規顧客獲得のための戦略を立てられます。一方、顧客層にある程度の違いが見られる場合は、両社の顧客を固定化させるような戦略が取れます。
こうした顧客でのシナジー効果は、非常に高いものが得られるはずです。
仕入れ先
仕入れ先のフレームワークは、自社や買収される会社はそれぞれどのような会社から仕入れているかを考えます。例えば、同じ会社から同じ製品を仕入れている場合、スケールメリットによるコスト削減が可能です。
同じ原料を違う会社から仕入れている場合は、安定供給のことを考えて2社から仕入れ続ける戦略が考えられます。仕入れ先は製品の違いでもシナジー効果が変わりますので、慎重に検討してください。
アンゾフの成長マトリックスによるフレームワーク
応用数学者・経営学者であり事業経営者でもあったイゴール・アンゾフ(1918~2002年)は、製品と市場を組み合わせた4パターンの成長戦略フレームワークを提唱しました。その4パターンの概要を掲載します。
- 市場浸透戦略
- 新市場開拓戦略
- 新製品開発戦略
- 多角化戦略
市場浸透戦略
既存製品・既存市場の組み合わせの場合の戦略は、市場浸透戦略と命名されています。言い換えれば、既存事業の市場シェアを今より高めていく戦略を考えるフレームワークです。
最も端的な例としては、同業他社を買収する戦略が考えられます。ただし、シェアが高まり過ぎると、独占禁止法違反としてM&Aの実施が認められません。
したがって、次善の戦略も必要です。
一例としては、売上高の増強よりも、コスト削減による収益力向上でシナジー効果が得やすい相手を選定して買収するなどの戦略が挙げられます。
新市場開拓戦略
既存製品・新市場を組み合わせた戦略が、新市場開拓戦略です。これは、既存事業が進出していない地域・国での製品販売・サービス提供を目指す場合のフレームワークをさします。
この場合のM&Aの具体的な戦略としては、同一事業かつ別エリアで営業展開している・販路を持っている会社の買収が真っ先に挙げられます。そのほか、こちらが進出したい地域に営業所や製造拠点を持っている会社なども買収候補です。
新製品開発戦略
既存市場に新製品を投入する場合のフレームワークが、新製品開発戦略です。このフレームワークでは、考え方により3種の戦略が考えられます。1つ目は、同一事業者で自社とは違う製品をすでに商品化している会社の買収です。
2つ目は、同一事業者で強いブランド力を持っている会社を買収し、そのブランド力を今後の新製品販売のテコとします。3つ目は、特許や新製品開発に欠かせない特殊技術・ノウハウを持っている会社を買収することです。
いずれも有効な戦略であり、自社の実情や市場の状況を加味して最も適するものを選びましょう。
多角化戦略
新製品で新市場への進出を狙うのが、多角化戦略のフレームワークです。多角化戦略は以下の4タイプがあります。
- 水平型
- 垂直型
- 集約型
- 集中型
水平型とは、既存事業と同類の分野ながら未開拓の市場への進出をさします。具体例としては、ラーメン店チェーンを運営する会社が、焼き肉店チェーンを運営する会社を買収するなどです。
垂直型とは、1つの事業に関わるサプライチェーンの川下または川上の事業への進出をさします。わかりやすい例としては、住宅建設会社が設計会社や資材・建材会社、重機リース会社、不動産会社(販売店)を買収するなどです。
集約型とは、全くの異分野の事業に新たに進出することをさします。進出したい分野の事業を行っている会社を買収することが顕著な戦略です。しかし、高リスクであり、進出する事業の選択と買収する会社への評価の仕方など、慎重に行わなければなりません。
集中型とは、既存事業の業績(技術や顧客など含む)が何らかの形で生かせる異分野の事業に新たに進出することです。異分野への進出は、集約型と比べれば多少リスクが下がります。しかし、慎重な検討は必須です。
バリューチェーンによるフレームワーク
ピンポイントのようなシナジー効果の分析は、初期~中期段階で行うものです。M&Aの買収決断を下すような最終段階では、シナジー効果も相対的および関連付けして検討します。これには、バリューチェーンの工程(機能)ごとに複合的なシナジー効果分析が有効です。
例えば、資金調達・研究開発・購買(仕入れ)・製造・物流・販売などの各工程で得られる売上シナジーとコストシナジーは具体的に何か、連結する工程との関係性も加味しながら分析しましょう。
業界ごとのM&A動向については、下記の記事で最新事例を紹介しています。
現状の課題や今後の展望についても詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
5. M&Aでシナジー効果を発揮するためのポイント
M&Aでより高いシナジー効果を得るには、以下のポイントを実践することが大切です。
- 技術の相性
- 市場規模の大きさ
- 投資金額
- 競合の存在
- サービス提供のチャネル
- 相手企業のブランド力
- タイミング
- リスクの検討
それぞれのポイントを解説します。
①技術の相性
技術の相性とは、自社と相手企業が保有している技術で相乗効果を得られるかどうかです。例えば、研究開発シナジーを生み出すためにM&Aを行おうとしても、研究対象の分野が遠かった場合、すぐにシナジー効果は生み出せません。
近年の研究開発では、最先端の知識と技術が必要とされます。経営者が近い分野だと思っても、研究者からすると1から勉強する必要のある分野であるかもしれません。
M&Aによる研究開発シナジーを考えている場合は、現場の研究者の声に耳を傾けて、技術の相性が良いM&Aを行う必要があります。
②市場規模の大きさ
市場規模の大きさが大きいほど、単純にメリットが増える傾向があります。ただし、大き過ぎることで対応できず、シナジー効果が伸び悩むこともあるので注意しておきましょう。
例えば、被買収会社が得意とする技術分野と自社の技術を用いて、研究開発シナジー効果を得るためM&Aを行おうとします。被買収会社が得意とする技術分野の市場占有率について、被買収会社を含めて5社以上参入している状況です。
このような場合、市場規模が最も大きい会社を買収することが望ましいですが、その理由は2つあります。1つ目は、ある技術を用いた分野の中で、顧客ニーズを一番把握していると考えられるためです。
2つ目が、大きな市場規模を利用して自社の製品や新製品の顧客を得られ、販売シナジーを生み出せるためです。このような事例のM&Aを考えている経営者は、自社と買収する会社の市場規模の大きさを考えましょう。
③投資金額
M&Aによるシナジー効果を得るための、新製品開発にかかる開発費(投資金額)も考える必要があります。新製品を開発したときの予想売上が開発費を下回っている場合は、アナジー効果となるためです。
投資金額に対する利益の予想は、非常に大きなポイントです。もしも投資金額よりも売上が低くなりそうであれば、シナジー効果が下がる可能性があり、再検討の余地があります。
④競合の存在
M&Aによって参入しようとしている分野の競合会社の存在には、常に目を向けておきましょう。M&Aによって買収する会社の市場占有率が、M&A後もそのまま維持できるとは限りません。
万が一、競合他社に市場占有率1位を取られた場合、M&Aによって得られるシナジー効果が小さくなります。M&Aの際には、被買収会社の競合他社の動きに注意し、対策を立てておくことが望ましいです。
競合の存在を見つけられたなら、どうすればその企業に打ち勝てるのかを考えてみてください。シナジー効果の狙いも変わり、新しい目的も見つかります。
⑤サービス提供のチャネル
サービス提供のチャネルとは、物流の川下である小売のことです。M&Aを考えている小売がどのような商品の販売、サービス接客を行っているか調査しておく必要があります。
例えば、自社が芳香剤の製造会社として、車用芳香剤の販売戦略を立てていたケースを想定します。その戦略を実行するために小売業とM&Aを行う場合、スーパーマーケットのような小売ではなく、カー用品も販売している小売を買収しないとシナジー効果は生まれません。
物流の川下である小売にも注目し、シナジー効果を考えてみてください。予想外な部分にもシナジー効果が見えてくるので、細かく調べ上げるのも成功率を高める秘訣といえます。
⑥相手企業のブランド力
ブランドに対して顧客がロイヤルティ(忠誠心)を持っている場合は、シナジー効果でも検討しなくてはなりません。例えば、「この製品はこのブランドで購入する」といった購買意欲を出させる力は大きな強みです。
ブランド力を持っている会社とM&Aを行うと、被買収会社の顧客のロイヤルティを利用して新規顧客を開拓できる可能性があり、販売シナジーが生まれやすいと考えられます。大手企業の子会社になることを目的としたM&Aでも注目される部分なので、覚えておきましょう。
⑦タイミング
M&Aを行うには、タイミングを見極めることも大切です。M&Aのタイミングを誤ってしまうとシナジー効果はなく、アナジー効果が出るおそれがあります。ただし、最適なタイミングは業種や市場規模によって変わることから、明確な目安がありません。
シナジー効果を検討した際に、狙った効果がいつ最大のタイミングになるのかを考えましょう。そうすることで、自然に最適なタイミングを見つけられます。
不安を感じる場合には、M&A仲介会社などの専門家に依頼するのも良いでしょう。M&A仲介会社であれば、知識と経験から最適なタイミングでM&Aを行えるようアドバイス・サポートを提供してもらえるので、検討してみてください。
⑧リスクの検討
シナジー効果を狙うあまり、リスクをおろそかにしていては失敗してしまいます。どんな大企業であっても、M&Aを行うことで100%、シナジー効果を得られるわけではありません。場合によってはアナジー効果が出るおそれもあります。
M&Aによる負の効果が出ないようにリスクマネジメントを行わなければなりません。考えておくべき4つのリスクを紹介します。
- 隠れ債務の存在
- 従業員の離脱
- PMIの失敗
- 独占禁止法への抵触
隠れ債務の存在
M&Aを行う際、被買収会社に隠れ債務が存在している可能性があります。被買収会社は少しでも会社の売価を高くするために、自社の負の部分を公開しない可能性があるためです。
この対策として、デューデリジェンス(企業監査)を行います。
デューデリジェンスでは、被買収会社の財務・法務・税務・人事・ビジネスなどの観点で分析し、事前にリスクを知ることが出来ます。隠れ債務を発見できるだけでなく、コンプライアンス違反をしているなど、対象会社の負の部分を明らかにすることが可能です。
デューデリジェンスは専門家に依頼するため、別途費用が発生します。出費を抑えるためデューデリジェンスを省きたい・簡略化したい考えがあるかもしれません。しかし、デューデリジェンスを行わないリスクの方が圧倒的に高いです。必ず実施しましょう。
従業員の退職
M&Aにより従業員が退職してしまうケースもあります。自社がM&Aを行うことは、経営状態が良くないと従業員が不安になり、退職を選ぶこともあるためです。経営陣の新体制に不満を持ち、従業員が退職する場合もあります。
このような事態を避けるためには、従業員へM&Aを公表するタイミングを十分に配慮することが必要です。
PMIの失敗
PMI(Post Merger lntegration=買収後の経営統合プロセス)は、M&Aを行う際に最も重要で時間のかかるプロセスです。PMIには、ハード面とソフト面の2種類があります。
ハード面は、人事システムや経理システムの統合です。例えば、いかに効率的にシステム統合を行うかが重要視されます。ソフト面は、企業文化や社員同士の融合のことです。ソフト面の統合はハード面の統合よりも難しいです。
こうしたPMIの失敗を回避するためには、M&Aの交渉段階からPMI計画の準備を行うに限ります。PMIの準備もM&Aアドバイザーを活用し、相談しましょう。
独占禁止法への抵触
M&Aによる独占禁止法への抵触にも注意が必要です。市場シェアが独占状態であると、その企業が価格操作し、不当な価格で利益を得る可能性があるためです。独占禁止法では、このような不当な利益が得られないように、独占状態になること自体を禁止しています。
例えば、M&Aで生産シナジーを得るために、会社の規模を大きくするケースがあるとします。M&A後の自社の市場シェアが大きくなり過ぎて、独占禁止法に抵触するおそれがあるでしょう。独占禁止法への抵触は、特に同業種でのM&Aを行う際は注意しましょう。
シナジー効果を深く考えていくと、M&Aを決断しにくくなってしまうかもしれません。シナジー効果も含め、M&Aへの不安や疑問点がある場合は、M&A総合研究所の無料相談をご利用ください。
豊富な知識と経験を持つアドバイザーが、最初から最後までM&Aをサポートします。シナジー効果も狙うことが可能です。不安点や疑問も丁寧に説明し、リスクも最小限に抑えるアドバイス・サポートをご提供します。
6. M&Aのシナジー効果と取引価格
M&Aの取引価格にシナジー効果を含めるかどうかの明確なルールはありません。実際に、M&Aの取引価格にシナジー効果を含まないケースも多いです。
確実性の低いシナジーをM&Aの取引価格に含めてしまうと、シナジー効果を得られなかったときのリスクを買収会社が負います。それを回避するため、基本的にはシナジー効果はM&Aの取引価格に含めません。
しかし、確実性の高いシナジー効果(生産シナジーなど)の分はM&Aの取引価格に転嫁されることがあります。売却側はできるだけ高い価格で会社を売りたいものです。そこで、確実性の高いシナジー分だけは価格に含める傾向があります。
シナジー定量化・企業価値評価を行う流れ
シナジー効果を取引価格に盛り込む場合、その算定の流れは以下のようなプロセスで行われます。
- 発現可能性のあるシナジー効果をすべて書き出す
- 各シナジー効果の定量化(数値化)を行う
- 最終的な企業価値評価の際には、上記のシナジー効果の定量化結果を盛り込む
シナジー効果の定量化の一般的な方法は、買い手・売り手の事業計画を基本資料として、各シナジー効果の予測金額とそのために必要な費用、シナジー効果の実現可能性などをすべて数値化します。
可能性を数値化する理由は、予測金額に可能性を掛け合わせたものが、最終的なシナジー効果の定量化結果になるためです。
シナジー効果を踏まえた企業価値評価と取引価格の関係性
M&Aでシナジー効果を盛り込んだ取引価格を設定する場合でも、シナジー効果の定量化結果の満額が企業価値評価に加算されて交渉がまとまるケースはそれほどありません。その理由は、M&A後のシナジー効果は、PMIなど買収側が手間と費用をかけて実現するものであるためです。
逆にいえば、シナジー効果の定量化結果の数値から、M&A後に買収側が負担することになる一連のPMIコストなどを差し引いた値が、売却側に支払う妥当な上乗せ分の金額になります。
M&Aの企業価値評価については、下記の記事で紹介しています。
算出方法についても詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
7. 水平型M&Aと垂直型M&Aのシナジー効果
M&Aは、その目的によって以下の2種類のタイプに分けられます。併せて、それぞれのシナジー効果も解説します。
①水平型M&Aのシナジー効果
同業者を買収する水平型M&Aは、スケールメリットによる生産シナジーが得られ、コスト削減を狙いとします。同業種であることは、研究開発部門でもシナジーが生まれる可能性が高いでしょう。
ただし、同業種のM&Aであるため、独占禁止法に抵触しないか注意する必要があります。
②垂直型M&Aのシナジー効果
垂直型M&Aとは、原料メーカーから小売業の会社まで、物流の上流から下流までをグループ化するM&Aのことです。小売業を買収することで、顧客情報や顧客ニーズを開発部門と共有でき、ニーズに合わせた新製品を開発できます。
生産量も共有できるため、生産の無駄をなくしコスト削減につながります。垂直型M&Aは異業種間で連携を取るため、グループ会社内での緊密な連携システムを構築していくと良いでしょう。
垂直型M&A、水平型M&Aについては、下記の記事で紹介しています。
それぞれのメリットやデメリットについても詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
8. M&Aでシナジー効果を発揮しやすい業界
M&Aは多額の資金を用いて行うため、失敗をしたくないと考えている経営者は多いです。ここでは、M&Aでシナジー効果を発揮しやすい業界として、以下の4つを紹介します。
- 環境・エネルギー
- 医療
- 農業
- IT・ソフトウェア
①環境・エネルギー
環境・エネルギー業界を相手とすれば、投資シナジーを狙えます。これは、再生可能エネルギーが注目され、太陽光や地熱など商業用として利用することを視野に入れられるためです。投資を行い商業用として確立できれば、大きな効果を得られます。
ただし、すべての業種が狙えるわけではありません。再生可能エネルギーがもたらす効果を丁寧に調べ上げてから踏み切る必要があります。
②医療
医療業界も高いシナジー効果を狙えます。都市部への人口集中で地方では人が減っており、それに合わせて収入が減った病院も増えました。こうした地方病院を買収し、経営基盤を安定化することで新しい事業を手掛けられます。
導入できなかった医療機器の購入や、新しいサービスによる活性化なども視野に入れます。売買する相手企業によって異なりますが、医療業界でもこうした効果を狙ってM&Aが活発化している状況です。
③農業
意外な業種としては、農業も挙げられます。生産物がブランド化されていたり知名度が高かったりする場合は、宣伝に活用可能です。宣伝によって農家は販売数が増加し、農業を買収した企業の知名度が高まるなど、さまざまなシナジー効果が予想できます。
農業の技術やノウハウは、別事業でも活用できる可能性があります。買収する機会があれば、投資シナジーなどで何が得られるのかを十分に検討してください。
④IT・ソフトウェア
IT・ソフトウェア業界も非常に高いシナジー効果を見つけられます。現代では、多くのものが電子化で効率を上げて生産性向上が狙えるようになりました。多方面の企業がその技術とノウハウを獲得するために動き出しています。
電子化で人材にかかるコストを削減するなど、多くのメリットが得られるので、IT・ソフトウェアも狙い目の業界です。
業界別のM&Aについては、下記の記事で詳しく解説しています。
手続きの流れや売却成功のコツについても解説しているので、あわせてご覧ください。
9. M&Aでシナジー効果を得た企業の事例10選
ここでは、企業が行ったM&Aで実際に得られたシナジー効果の事例を9件紹介します。
- キリンホールディングス
- ソフトバンクグループ
- ビックロ
- 楽天グループ
- ガーデングループ
- JT(日本たばこ産業)
- 日本電産
- 大和ハウスグループ
- 富士フイルムホールディングス
- 明豊エンタープライズ
①キリンホールディングス
キリンホールディングスは、海外M&Aによってグローバル化が進みました。主にアジア・オセアニア地域を重点市場とし、積極的にM&Aを行いグループ全体の成長を牽引しています。協和キリンはバイオテクノロジーを活かし、グローバル医薬品の開発に取り組むなどさらなる成長拡大を目指します。
②ソフトバンクグループ
ソフトバンクグループは、日本企業の中でも屈指のシナジー効果を得た企業です。ソフトバンク(当事)は日本テレコムとのM&Aにより、規模の拡大とインフラ統合による経費削減のシナジー効果を得ることに成功しています。
その後、イギリスのボーダフォンを1兆円以上かけて買収し、さらに急速な規模の拡大に成功しました。現在、ソフトバンクグループは、株式の時価総額が日本企業で第2位であり、日本を代表する大企業に成長しています。
③ビックロ
ビックロは、2012年9月にビックカメラとユニクロが提携して行った新店舗です。両社のノウハウを生かしてさまざまな人に喜びと驚きを提供することをコンセプトにスタートしました。
この事例では、専門店を集合させることで得られる販売シナジーと、両社のノウハウを生かす経営シナジーを得ています。
④楽天グループ
現在、楽天グループはECビジネスだけでなく旅行代理店・クレジットカード・銀行・携帯電話事業など楽天経済圏を提供しています。楽天経済圏のほとんどは、関係会社とのM&Aによって作られました。
現在も大きなシナジー効果を得続けています。楽天グループもM&Aによって成功した企業の1つです。
⑤ガーデングループ
ガーデングループは、カラオケ店「サウンドジョイ」を運営しているグループ会社です。この会社の特徴は、再生型M&Aという最もシナジー効果を得にくいM&Aを行って事業拡大を成功させたことにあります。
再生型M&Aとは、経営不振に陥っている会社を買収し、その会社の経営を立て直すことでグループ全体の売上を押し上げることです。再生型M&Aを成功させるためには、買収会社の経営戦略・ノウハウが強いことと、事業再生できそうな企業かを見分ける力が必要とされます。
こうした難しいシナジー効果を得られたことも、綿密に計画された戦略によるものといえます。
⑥JT(日本たばこ産業)
JTも、M&Aを行うことで会社の規模を拡大してきた企業です。日本国内の喫煙者の割合は、1970年代から徐々に下がり続けています。その傾向は日本専売公社から民営化された後も続いていたため、売上は低下しました。
民営化後のJTは、その状況を打開するために、1999年にアメリカ企業からたばこ事業を買収します。M&A実施後のたばこの販売本数は約10倍となり、売上は大きく向上しました。
JTはその後も世界各国のたばこ事業を買収し、現在では世界規模での主要メーカーです。
⑦日本電産
モーターの開発・製造が主力事業である日本電産は、モーター関連事業に特化した水平型+多角化M&Aを戦略の基本としてきました。その結果、仕入れの一本化によるコストエナジー、新たな技術開発シナジー、販路拡大による売上シナジーを実現しています。
⑧大和ハウスグループ
大和ハウスグループは住宅販売事業から始まりました。現在ではそのほかに建築事業・ホテル事業・フィットネスジム運営・ホームセンター運営・老人ホーム運営・エネルギー事業・環境事業・物流事業・ロボット事業など幅広く行っています。
この事業領域の拡張は、すべてM&Aで実現してきたものであり、典型的な垂直型+集中型M&Aが実践されたものです。
⑨富士フイルムホールディングス
デジタル化時代以前、写真フィルム事業で富士フイルムホールディングスの経営は盤石でした。しかし、携帯電話に内蔵されたデジタルカメラが写真の主流になったことで、岐路に立たされます。
そのときに富士フイルムホールディングスは、M&Aにより医療・バイオ分野への進出を行いました。これまでに培った自社の技術・研究力とM&Aで得た技術を融合し、新事業への進出・転換に成功しています。
⑩明豊エンタープライズ
弊社、M&A総合研究所では、総合建築業の株式会社協栄組と不動産業の株式会社明豊エンタープライズとのM&Aを支援いたしました。
譲渡企業の株式会社協栄組は、創業70年で東京都世田谷区に本社を置く会社です。主に住宅建築を手掛け、公共建築物や商業建築物などの建築設計や施工も行う総合建設会社です。多くの有資格者や技術者が在籍しているほか、高品質な施工を強みとし長い歴史と実績があります。
譲受企業の株式会社明豊エンタープライズは、創業55年で東京都目黒区に本社を置く会社です。不動産の企画・販売や管理、工事請負業などを行う総合不動産会社です。首都圏を事業エリアとし、投資アパートMIJAS(ミハス)や投資マンションELFARO(エルファーロ)を展開しており、総合不動産デベロッパーとして幅広く事業を展開しています。
譲受側では、かねてよりグループ内に建設会社を持つことによるシナジー創出を狙っており、多くの実績と高い技術力を持つ協栄組の買収に至っています。
本件M&Aの詳細は、以下のリンクからご覧ください。
M&Aの事例については、下記の記事でも詳しく紹介しています。
あわせてご覧ください。
10. 【参考】中小企業がM&Aで期待するシナジー効果・事業分野
中小企業庁による『2017年版中小企業白書』の調査資料では、中小企業が関心のある事業分野が掲載されています。「環境・エネルギー」「農業」「医療機器・ヘルスケア」「AI、ロボット」などの分野に関心が集まっている傾向です。
中小企業の継続的な成長には、「新市場開拓戦略」「新製品開発戦略」「多角化戦略」「事業転換戦略」が重要であるとしています。戦略ごとに見ると、下記のような点を重視していることがわかります。
- 「新市場開拓戦略」:知名度・信用力が生かされる
- 「新製品開発戦略」:知名度・信用力が生かされる
- 「多角化戦略」:多額の投資を必要としない
- 「事業転換戦略」:連携相手がいる
中小企業が期待するシナジー効果の実像として、参考までにご覧ください。
事業分野 | 比率(%) |
---|---|
環境・エネルギー | 19.9 |
農業 | 17.3 |
医療機器・ヘルスケア | 16.0 |
AI・ロボット | 13.9 |
観光 | 11.6 |
自動運転 | 6.8 |
既存住宅流通・リフォーム | 6.6 |
スポーツ・文化 | 4.9 |
航空・宇宙 | 4.7 |
シェアリングエコノミー | 2.6 |
出典:2017年版中小企業白書(中小企業庁)
出典:中小企業庁「2017年版中小企業白書」
出典:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf
出典:中小企業庁「2017年版中小企業白書」
出典:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf
11. 【参考】M&Aのシナジー効果に関する調査結果
本章では、M&Aのシナジー効果に関する調査結果として、中小企業庁の中小企業白書をもとに紹介します。
参考:中小企業庁「平成30年版中小企業白書」
M&Aの労働生産性に対する影響
中小企業白書では、経済産業省「企業活動基本調査」のデータを用いて、各種企業再編行動を行った前後の労働生産性の変化を時系列で解説しています。これによると、M&A手法(事業譲受、吸収合併、買収による子会社増)にかかわらず、企業再編行動を実施している企業の方が労働生産性を向上させていることがわかります。
12. シナジー効果を考えるならM&A総合研究所へ
高いシナジー効果を得るためには、綿密な計画と戦略が必要不可欠です。計画や戦略は専門知識があれば有利に立てられます。
M&A総合研究所には、M&Aの専門的な知識を持ったアドバイザーが在籍しています。M&Aのシナジー効果に関するアドバイスが可能です。M&A総合研究所の主な特徴は以下のとおりです。
- M&Aの知識などを組み合わせてシナジー効果を数値的に算出
- シナジー効果の強い売却会社を探して紹介が可能
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談を受け付けています。M&Aによる高いシナジー効果を狙いたい方は、M&A総合研究所へご相談ください。
13. M&Aのシナジー効果まとめ
M&Aのシナジー効果(相乗効果)とは、2つの会社が合わさることで1+1以上の成果が上げられることです。欲しいものを自社で0から作り上げるのではなく、すでに持っている企業を買収することで、自社をさらに成長させられます。
M&Aで足し算以上の効果を得るためには、売上シナジーやコストシナジー、研究開発シナジー、財務シナジー、組織シナジーなどを意識しましょう。これらのシナジー効果を得るために、M&A実施をする前にしっかりと自社分析を行い、M&Aの目的を明確化させることが大切です。
その際はM&Aの専門家に相談しながら、M&A戦略を立てるのが得策です。徹底的な情報収集と準備を行い、M&Aを成功させましょう。
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
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