M&Aアドバイザーとは?業務内容や手数料、選び方と利用するメリットを解説!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、M&Aアドバイザーとはどのような仕事なのか、業務内容からアドバイザリー形式と仲介形式の違い、M&Aアドバイザーの選び方までを解説します。M&Aアドバイザーを理解するためにおすすめの本や、資格・年収などもまとめました。

目次

  1. M&Aアドバイザーとは
  2. M&Aアドバイザーの業務・手数料
  3. M&Aアドバイザーの選び方
  4. M&Aアドバイザーを利用するメリット・デメリット
  5. M&Aアドバイザーの業務を知るのにおすすめの本5選
  6. M&Aアドバイザーの資格・年収
  7. M&Aアドバイザーのまとめ

1. M&Aアドバイザーとは

M&Aアドバイザーとは、企業がM&Aによって買収したり売却したりする手続きをサポートする専門家のことです。M&Aを行う際は、財務・法務・税務・労務など幅広い専門知識だけでなく、交渉を円滑に進める高度なコミュニケーション能力も必要でしょう。

複雑な業務の最初から最後まで全てにかかわる高度な職業が、M&Aアドバイザーというわけです。M&Aアドバイザーは、別名「M&Aコンサルタント」「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」などとも呼ばれます。呼び方は違っていても、行っている業務は同じです。

M&Aアドバイザーの仕事内容は、契約の種類により、アドバイザリー形式と仲介形式の2つに分かれるので、その違いも知っておきましょう。

アドバイザリー形式

アドバイザリー形式とは、買収側と売却側のそれぞれにM&Aアドバイザーがつく形式です。

アドバイザリー形式の場合、自社に有利な条件になるようM&Aアドバイザーが動いてくれるメリットがある反面、両社のM&Aアドバイザーが対立する形になるため、交渉が難航し長引きやすくなるデメリットもあります。

月額報酬を設定している会社の場合、アドバイザリー形式で交渉が長引くほど報酬金額も高くなりやすい点に注意が必要です。

仲介形式

仲介形式とは、買収側と売却側の間にM&Aアドバイザーが仲介役として入る形式です。交渉がスムーズに進みやすいメリットはありますが、両社の意見を取り入れながら妥協点を探る形を取るため、アドバイザリー形式に比べると条件に妥協を求められるデメリットがあります。

売却側はそのM&A取引のみで関係が終わるケースがほとんどですが、買収側とは別の新たなM&A取引で業務を請け負うかもしれません。担当者によっては、買収側が有利になるよう働きかけをする意識が出てしまう可能性があります。

M&A仲介会社を選ぶ際は、会社の大きさなどではなく、所属するM&Aアドバイザーがどのような案件を担当してきたか、経験は豊富にあるのかなどの要素をしっかりと考慮することが大切です。

M&A総合研究所では、M&Aに関する経験・知識が豊富なアドバイザーが対応します。お客様のニーズに合わせた形でM&A仲介を行いますのでご安心ください。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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M&Aアドバイザーと経営コンサルティングの違い

経営コンサルティングとは、企業経営全般について改善策や経営戦略などのアドバイスやサポートを行う会社です。業務の一環として、M&A戦略の相談に乗ることもあり、中にはM&Aのサポートを行う経営コンサルティングもいます。

しかし、M&Aのサポートも行う経営コンサルティングだからといって、M&Aの専門業者であるM&Aアドバイザーと同等の知識や、幅広くM&A全般をサポートする能力があるとはいえません。経営コンサルティングのM&Aサポートは、あくまでもコンサルティング業務の一環でしかないでしょう。

したがって、M&Aの検討段階における経営コンサルティングへの相談は有効です。しかし、実際にM&Aを行う場合には、サポートはM&Aアドバイザーに依頼するのが得策といえるでしょう。

2. M&Aアドバイザーの業務・手数料

M&Aアドバイザーの業務は、企業同士の交渉を円滑に進めることはもちろん、契約書の作成から法律や税務の課題解決などさまざまな分野の専門知識を使って行います。

依頼したM&Aアドバイザーによって、手数料の料金体系も違ってくるので注意が必要です。無料相談を受けつけているM&Aアドバイザーもあるので、自社の希望するM&Aの性質に最適な機関を選びましょう。

M&Aアドバイザーの業務

ここでは、M&Aアドバイザーの業務を確認します。M&Aアドバイザーが行う業務内容は以下のとおりです。

  • M&A条件の決定
  • 提出資料の作成
  • 企業価値評価の算定
  • M&A候補先の紹介・選定
  • 条件交渉
  • デューデリジェンスの実施
  • PMIの実施

M&A条件の決定

M&AアドバイザーがM&Aの相談を受け、サポートを正式に依頼された場合、まず行うのは、依頼主の希望を聞いたうえで、M&A取引上の条件、今後のスケジュールなどを決めます。M&A方針・戦略の決定といってもいいでしょう。

提出資料の作成

M&Aの候補先を決めるには、企業概要書を提出し交渉の可否を打診しなければなりません。その企業概要書は、M&Aアドバイザーが作成します。依頼企業の経営者からヒアリングを行い、会社案内や必要資料を集めて、それらを参考に作成する流れです。

なお、この段階の企業概要者は、依頼企業がどこかわからないように社名は伏せておきます。

企業価値評価の算定

依頼企業が売り手であれば、希望売却額の目安を定めるために、売り手の企業価値評価(バリュエーション)をM&Aアドバイザーが行います。企業価値評価を行うには、売り手企業の財務資料が必要です。

M&Aアドバイザーが所属する会社に公認会計士がいる場合は、公認会計士と連携し企業価値を算定を行うこともあります。

M&A候補先の紹介・選定

依頼主が売り手であれば、作成した企業概要書(ノンネームシート)を提示して、買い手候補を探します。複数の候補をリストアップしたら、依頼主に提出し候補の絞り込みです。その中から最終候補を選定したら、先方に交渉を打診します。交渉に合意となれば秘密保持契約の締結です。

条件交渉

条件交渉は、M&Aアドバイザーが代行します。M&Aアドバイザーに業務依頼している場合、当事者同士が直接交渉することはありません。条件交渉の過程では、トップ面談も開かれるため、その段取りもM&Aアドバイザーが担当します。

条件が大筋で合意した場合、基本合意書の締結です。この基本合意書もM&Aアドバイザーが作成します。

デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスは、買い手側が実施するものです。売り手企業について、財務・税務・法務・労務・事業などさまざまな分野ごとに綿密な調査が実施されます。これにより、売り手企業の持つリスクやM&A後に獲得が期待できるシナジー効果などが判明するでしょう。

調査そのものは、士業など各分野の専門家を起用しますが、M&Aアドバイザーがデューデリジェンス全体を取り仕切ります。売り手側のM&Aアドバイザーの業務は、デューデリジェンスに協力しなければならない売り手企業へ対応方法のアドバイスを行うことです。

PMIの実施

PMI(Post Merger Integration)とは、経営統合プロセスをさします。M&Aでの買い手にとっては、M&Aクロージング後のPMIこそ、M&Aの成否を決める重要なプロセスです。買い手側のM&Aアドバイザーの業務として、PMI計画策定のサポートを担当します。

PMI計画の策定は、デューデリジェンスのタイミングから並行して進めなければ間に合いません。管理・業務・ITシステム、人事・給与制度、企業風土などの融合・統合を円滑に行うために、M&Aアドバイザーが担う役割は重要です。

M&Aアドバイザーの手数料

M&Aアドバイザーへの手数料は、以下の4種類の報酬を組み合わせた料金体系がほとんどです。

  • 着手金(M&Aアドバイザーとの業務依頼契約締結時に発生する手数料)
  • リテイナーフィー(M&Aアドバイザーとの契約期間中、毎月発生する手数料)
  • 中間金(基本合意書を締結した時点で発生する手数料。成功報酬の一部前払い金)
  • 成功報酬(最終契約が締結されクロージング完了時に発生する手数料)

近年は「完全成功報酬制」のM&A仲介会社が増えており、その場合は成功報酬以外は発生しません着手金・リテイナーフィー・中間金は、M&Aが成約できなかったとしても返却されないので、発生する場合、注意が必要です。

業務依頼する前の相談時に「相談手数料」が発生するM&Aアドバイザーもあります。しかし、近年、多くのM&Aアドバイザーの相談料も無料です。各手数料が発生する場合の相場は、会社によって変動があるものの、だいたい以下のとおりです。
  • 着手金:50万~200万円
  • リテイナーフィー:30万~200万円
  • 中間金:50万~200万円(成功報酬の10~20%)
  • 成功報酬:1,500万~(成約金額や売却側企業の企業価値などによって変動)

成功報酬は、大半の会社がレーマン方式という算定法を採用しています。成約金額や企業価値などを基準額として、金額帯ごとに異なる手数料率を設定し、金額を算出する方法です。

M&A仲介会社では、1つの案件に対して多くの人数を割きます。M&Aアドバイザーは、業務の性質上、長時間労働となりやすいでしょう。高い報酬額のほとんどが人件費に使われ、M&Aアドバイザーの高い年収も、長い労働時間と自己成長の投資に費やされます。

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3. M&Aアドバイザーの選び方

M&Aアドバイザーは、所属する機関によって特徴が異なります。担当するM&Aアドバイザーがどのような経歴を持っていて、これまでどのような案件を担当してきたかによっても、業務の遂行に大きな影響を与えるでしょう。

ここからは、M&Aアドバイザーの選び方を解説します。選ぶポイントは、以下のとおりです。

  1. どこに依頼するか
  2. 優良なM&Aアドバイザーであるか

①どこに依頼するか

依頼する機関によって、専門知識・業務は異なります。M&Aアドバイザーの所属先ごとに、得意分野や仕事を行う際の特徴を紹介しますので、参考にしてください。M&Aの際に考えられる依頼先は、以下のとおりです。

  • 金融機関
  • M&Aアドバイザリー
  • M&A仲介会社
  • 会計・税理士事務所
  • 弁護士事務所
  • ファイナンシャルプランナー

金融機関

M&Aを検討し始めたとき、最初にM&Aアドバイザーとして頭に浮かびやすいのが、取引のある金融機関です。融資を受けている銀行であれば、すでに自社の情報を詳細に把握しています。売却先を探す場合に、銀行の取引先の中から最適な相手を探してもらえるでしょう。

しかし、デメリットとして、取引のある企業以外の情報に弱い点があります。銀行は、あくまでも融資とその回収により利益を上げたいため、M&Aの結果よりも融資のチャンスの有無や融資の回収可能性などに主眼が置かれてしまいやすいです。

その他、地方銀行ではM&Aアドバイザー業務を行っていないケースも多いため、注意が必要です。

M&Aアドバイザリー

M&Aアドバイザリーとは、買収側か売却側のどちらか一方のM&Aアドバイザーを引き受けるM&Aの専門会社です。M&Aアドバイザリーの場合には、好条件で依頼主がM&Aを成立できるよう全力を尽くしますが、その分、交渉が長引きやすい点がデメリットです。

小規模M&Aの場合、資金面で大きな負担がかかります。交渉が難航し期間が長引けば、M&A自体が破談になるかもしれません。したがって、M&Aアドバイザリーは、主に大規模のM&A案件に向いているといえます。

M&Aアドバイザリーに依頼する場合には、あらかじめ交渉が長引くことを想定しつつ報酬体系を十分に確認することが重要です。

M&A仲介会社

M&A仲介会社とは、買収側と売却側の双方と契約してM&Aを仲介する会社をさします。M&Aの全ての段階にかかわるため、交渉がスムーズに進みやすい点がメリットです。手数料が両社に発生する形となるため、公平に交渉が進みます。

したがって、M&A仲介会社を利用したM&Aは、主に小規模から中規模までの案件に向いているでしょう。M&Aアドバイザーが経験豊富かどうかや、自社の業界案件の担当経験などを、M&A仲介会社に依頼する際に確認しておくと、スムーズにM&Aを進めやすくなります。

会計・税理士事務所

懇意にしている事務所がある場合、公認会計士や税理士はM&Aを行う際に相談しやすい相手です。特に事業承継の場合、すでに自社の資産状況を詳細に知っている税理士であれば、安心して依頼できるでしょう。

事業承継の際に、オーナー社長が不安を感じる相続税なども、税務のプロフェッショナルであれば問題なく対処できます。しかし、M&Aの経験・知識は、事務所や担当者によって大きな差があるのが実情です。

経験が必要不可欠となるM&A業務を、公認会計士や税理士に全て任せるのはリスクが大きいといえます。M&Aの経験や実績を考慮したうえで、選択肢の1つとして考えましょう。

弁護士事務所

法律の専門家である弁護士は、法律的な実務・トラブルなどに迅速に対応してもらえます。しかし、弁護士事務所でM&Aを本格的に扱っているのは、現時点では大手事務所ばかりです。扱っている案件も大規模M&Aがほとんどとされています。

小規模案件を地元の弁護士事務所などに依頼すると、スムーズにM&Aが進まない可能性が高いです。ただ、今後は中小弁護士事務所もM&A仲介事業に続々と本格参入すると予想されています。実際に事業承継をビジネスチャンスと捉えて、M&A業務に着手する中小弁護士事務所も増加傾向です。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、日常的にお金の問題に幅広く対応している業者ですが、M&A業務を遂行できるファイナンシャルプランナーは少数しかいません。M&Aを依頼するよりも、M&Aによって生じる個人資産の相談に乗ってもらう利用方法がおすすめです。

自らファイナンシャルプランニング技能士の資格を取るなどして、金融に関する幅広い知識を身につけておくことも役立ちます。ファイナンシャルプランナー3級であれば比較的優しい内容であり、手軽に幅広い金融知識を得られるでしょう。

②優良なM&Aアドバイザーであるか

依頼するM&Aアドバイザーは優良な人材を選ぶべきですが、どのようなM&Aアドバイザーを選べばよいのでしょうか。優秀なM&Aアドバイザーを見極めるためのポイントは、以下のとおりです。

  • M&Aの知識が豊富
  • M&Aの実績が豊富
  • 対応が誠実
  • 強い専門分野

M&Aの知識が豊富

知識の豊富さは判断基準として大切な要素です。M&Aの業務を滞りなく遂行するには、さまざまな分野で広く深い知識が必要になります。たとえば、財務・法務・労務の知識、さらに最近では、IT関連の知識も重要視されてきているのが実情です。

会社経営に関する知識も求められます。M&A以外に経営全般もコンサルティングできるレベルのM&Aアドバイザーであれば、M&A完了後の経営統合プランや経営戦略の相談もできるでしょう。

M&Aの実績が豊富

M&Aアドバイザーは、知識以上に豊富な経験と実績が重要です。M&Aを行う会社の規模や会社の業種によっても、対応は大きく異なります。M&Aでは、かかわる人たちに対する細やかな気配りも必要です。その他にも、数字には表れない部分に気がつき対応できる能力が求められます。

すなわち、多くのM&A案件に携わってきた経験が必要です。大手企業のM&A仲介会社に依頼したからといって、経験豊富なM&Aアドバイザーが担当するとは限りません。M&A仲介会社に依頼する際は、M&Aアドバイザー個人の実績や経験の確認を事前に行うようにしましょう。

対応が誠実

M&Aは、センシティブな取引であるうえに、長い期間をかけて成約まで向かっていくものです。担当アドバイザーとの相性といった感情的な部分も結果に影響しかねません。

M&Aアドバイザーの第一印象や人柄だけでなく、M&Aを仲介する会社の風土によっても対応は異なるので、優良なM&Aアドバイザーを見極めるには、最初の相談段階で十分に話し合う必要があります。

強い専門分野

M&Aアドバイザーは、これまでの経歴や資格などにより得意分野が異なります。そして、得意分野の専門知識や実績は、M&Aを成功させるために非常な重要な要素といえるでしょう。

M&A総合研究所には、業界ごとに強みを持つM&Aアドバイザーが多数在籍しており、案件を丁寧にフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

相談料は無料ですので、M&Aの実施を検討している場合にはお気軽にお問い合わせください。

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4. M&Aアドバイザーを利用するメリット・デメリット

M&Aアドバイザーを利用する場合、メリットとデメリットがあります。これらを踏まえたうえで、有益なM&Aを目指しましょう。

M&Aアドバイザーを利用するメリット

M&Aアドバイザーに業務を依頼するメリットは、どのような点にあるのでしょうか。M&Aアドバイザーに相談するメリットは、以下のとおりです。

  • リスク回避
  • 最適なスキームの選択
  • 取引企業の決定
  • 価格交渉の円滑化

リスク回避

M&Aを行う際は、横断的なリスクが伴うものです。弁護士のように法務関係のリスクにのみに強い、あるいは会計士のように税務関係のリスクにのみ強いなどの局所的な長所では不安が残ります。

その点、M&A仲介会社は、あらゆる分野に精通している強みが持ち味です。複合的なリスクに備えるために、さまざまな職業を網羅するのは現実的ではありません。

最適なスキームの選択

M&Aは、「このタイプの案件にはこのパターンの方法で進める」などといった、定型的な戦略で進めることはほとんどできません。状況ごとに、常に対応の変化を求められます。案件に応じて最適なスキームを選び出すには、豊富な経験が必要です。

しかし、M&Aでは、複雑な利害関係が発生するため、誰もが満足するスキームはありません。利害関係者全員に納得してもらいながら(ときに妥協してもらいながら)スキームを選択するには、高い交渉力と誠実さも求められます。最適なスキームを選択し、そのスキームを滞りなく実行するには、M&Aアドバイザーの力が非常に頼りになります。

取引企業の決定

M&Aでの取引企業の決定は、非常に難しい判断を迫られます。買収する企業にとっては、本当に事業シナジーを生み出せるのかが重要です。一方、売却する企業にとっては、満足のいく売却益が得られるのか、売却後に会社や従業員は十分に守られるのかなどが優先されます。

これらの条件に合う企業を選ぶことは、経営者からすると難題であるため、M&Aアドバイザーからアドバイスをもらえるのは大きなメリットです。経験が豊富で経営に関する知識も持っているM&Aアドバイザーは、経営的にも精神的にも心強い存在です。

価格交渉の円滑化

M&Aで交渉が難航する原因の1つに、価格交渉があります。M&Aで会社を売却する場合、なるべく高く売りたいと考えるのは自然なことです。しかし売却する際には、資産価値を低く見積もられたり、資産価値がないと判断されてしまったりするケースも多くあります。

想定していた売却益よりも低いために判断が遅れ、M&A自体が成立しなくなるケースも珍しくありません。価格交渉を円滑に進めていくうえで、知識と交渉力を持った仲介人が取り次いでくれるのは大きな助けになります。

M&Aアドバイザーを利用するデメリット

M&Aアドバイザーに依頼するメリットを紹介してきましたが、M&Aアドバイザーの利用にはデメリットもあります。M&Aアドバイザーに依頼するデメリットは、以下のとおりです。

責任の所在が不明確

M&Aアドバイザーに業務依頼する際は、契約段階において「M&AアドバイザーはM&Aの結果に対して責任を負わない」という旨に同意する必要があります。

これは、M&Aが破談になったり、M&A完了後にトラブルが起きたり、当初想定していた事業シナジーが得られなかったりしても、M&Aアドバイザーに責任はないという旨への同意です。

もちろん、M&Aアドバイザーは信用で成り立つ仕事であるため、失敗を回避するために全力を尽くしますが、結果的に失敗に終わるケースもあります。その場合、責任の所在が曖昧になる問題点があるため注意しておきましょう。

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5. M&Aアドバイザーの業務を知るのにおすすめの本5選

普段はなじみのないM&Aアドバイザーの業務ですが、M&Aアドバイザーについて書かれている本は多数、出版されています。ここでは、M&Aアドバイザーを理解できるおすすめの本を5冊、選びました。

  1. M&Aアドバイザー 企業買収と事業承継の舞台裏
  2. ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏
  3. M&Aアドバイザーの秘密 トラブルと苦労の日々
  4. 協働で実現 収益確保と顧客本位のM&A
  5. この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイント

①M&Aアドバイザー 企業買収と事業承継の舞台裏

『M&Aアドバイザー 企業買収と事業承継の舞台裏』は、M&Aでありがちな事例を、小説を読むように追体験しながら把握できる本です。

この本では、事例ごとに一連の流れが理解できると同時に、M&Aアドバイザーがどのような心構えで仕事をしているのか、M&Aアドバイザーのあるべき姿とはどのようなものかなども把握できます。業界に詳しくない人でも理解しやすく読みやすい本です。

書籍名 M&Aアドバイザー 企業買収と事業承継の舞台裏
著者 山本貴之
出版社 エネルギーフォーラム

②ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏

『ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏』は、ゴールドマン・サックスで長年、M&Aアドバイザーとして活躍してきた著者のノンフィクション本です。

仕事の派手さや年収の高さが話題になるゴールドマン・サックスですが、この本では、大企業のM&Aの裏側で、M&Aアドバイザーがどのように動いているのかがわかります。生々しい人間模様や著者の熱い思いも書かれているため、感情移入をしながら読める本です。

書籍名 ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏
著者 服部暢達
出版社 日経BP

③M&Aアドバイザーの秘密 トラブルと苦労の日々

『M&Aアドバイザーの秘密 トラブルと苦労の日々』は、本のタイトルのとおり、M&Aアドバイザーの著者が出会ったトラブルや苦労が赤裸々に語られている本です。

M&Aアドバイザーは高い年収とエリートサラリーマンとしての仕事ぶりばかりが注目されがちですが、この本では外資系のコンサルティング会社特有の厳しさや、現実の壁・著者の不運なども面白く読めます。

実際のM&Aの事例とともに、M&Aアドバイザーの厳しい現実・外資系コンサルティング会社の厳しさなども理解したい人におすすめの本です。

書籍名 M&Aアドバイザーの秘密 トラブルと苦労の日々
著者 村藤功
出版社 創成社

④協働で実現 収益確保と顧客本位のM&A

『協働で実現 収益確保と顧客本位のM&A』は、銀行員として働いていた著者が、M&Aアドバイザーに転職した実体験になぞって書かれた本です。著者は地域金融機関に勤める中で、地方銀行の存続に危機感を覚えていました。そんな中、銀行内でM&Aの担当に任命されます。

M&A業務に携わるうちに、著者は「M&Aこそ地方銀行存続の鍵だ」と活路を見いだしていきました。この本では、M&Aの基本的な流れはもちろん、銀行員目線でのM&Aに対する考え方を合わせて学べます。小説感覚の読みやすさがあり、初めてM&Aに触れる方にもおすすめです。

書籍名 協働で実現 収益確保と顧客本位のM&A
著者 鈴木安夫
出版社 きんざい

⑤この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイント

『この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント』は、初めてM&Aを担当することになった人向けに書かれた実務書です。実務書としてはやさしく、重要な専門用語をわかりやすく解説しています。

浅く広く書かれた実務書なので「M&Aにかかわることはないが、M&Āを知識として知っておきたい」という方にもおすすめです。索引も付いていますので、初心者向けのM&Aの辞書としても活用できます。

書籍名 この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント
著者 大原達朗、ほか
出版社 中央経済社

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6. M&Aアドバイザーの資格・年収

M&Aアドバイザーに関する資格は、誰でも受けられる基礎的なものから実務経験が必要な本格的なものまで、いくつかの種類があります。ここでは、それらの資格と、M&Aアドバイザーの年収を紹介します。

M&Aアドバイザーの資格

M&Aを検討する際に自分自身もM&Aの実務を学ぼうと考える経営者や、M&Aアドバイザーと仕事を進めるために企業担当者にM&Aアドバイザーの資格を取得させる会社もあります。ただし、M&Aに関する国家資格はありません。ここでは、M&Aアドバイザーの主要な民間資格を紹介します。

  • M&Aエキスパート認定制度
  • M&Aスペシャリスト
  • JMAA認定M&Aアドバイザー

M&Aエキスパート認定制度

M&Aエキスパート認定制度は、中小企業の事業承継およびM&Aに関する資格制度です。大手M&A仲介会社である日本M&Aセンターと一般社団法人金融財政事情研究会が共同で運営し、資格認定を行っています。

資格には3段階あり、1段階目の事業承継・M&Aエキスパートを取得すると、上位資格である事業承継シニアエキスパート、M&Aシニアエキスパートの受験が可能です。

1段階目の事業承継・M&Aエキスパートは、誰でも受験できてM&Aの基礎知識をひととおり学べるので、オーナー経営者・企業担当者・起業を考えている人から学生まで、さまざまな人が受験しています。教材本・対策本や専用の通信講座も用意されており、受験しやすい資格です。

M&Aスペシャリスト

M&Aスペシャリストは、M&Aの業務に携わっている人がさらなるステップアップを目指して取得する資格です。一般社団法人日本経営管理協会が運営し資格認定を行っています。受験に条件はありません。誰でも受験可能です。

より確実に合格を目指したい人向けに、資格取得支援講座も開催されています(有料)。

JMAA認定M&Aアドバイザー

JMAAとは、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会のことです。JMAA認定M&Aアドバイザーの取得方法は特殊で、以下のような流れになっています。

  1. JMAAが主催するM&A実務スキル養成講座を受講する
  2. 講座受講後、修了試験を受験する
  3. 試験の合格者には終了証が発行されJMAAへの入会資格が得られる
  4. JMAAに入会申し込みを行い審査を受ける
  5. JMAAへの入会が認められると同時にJMAA認定M&Aアドバイザーとして認定される

認定取得後は、日本M&Aアドバイザー協会から各種サポートを受けられます。コミュニティに入る目的や人脈目的で取得する人も多い資格です。ただし、月額11,000円(税込)の会費が発生します。

【参考】M&A仲介とアドバイザーに資格は必要?

M&A仲介会社のコンサルタント・アドバイザーにとって、法的に資格がなくても仕事に就けます。しかし、信頼度が高まったりスキルの証明になったりなど、資格は有用です。以下のような資格が持てれば、M&Aアドバイザーとして幅広く活動できるようになります。

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • ファイナンシャルプランナー

M&Aアドバイザーの年収

M&Aアドバイザーは、年収が高いことで有名です。M&Aアドバイザーに依頼する際に報酬の値段が気になって依頼しづらい場合もあります。最後に、M&Aアドバイザーの年収や報酬をまとめました。

ビジネス誌などで頻繁に話題となるのが、M&Aアドバイザーの年収です。M&Aアドバイザーの平均年収は1,000万円を超え、中でも大手M&Aコンサルタント会社の平均年収は1,500万円を超えるとされています。

若手のM&Aアドバイザーでも、同年代の年収に比べて高額な年収をもらっています。しかし、逆にいえば、M&Aアドバイザーは多くの年収をもらうだけの、担当企業の将来を決める責任のある仕事をしなければならないことです。

M&Aアドバイザーの責任とプレッシャーは非常に重く、百戦錬磨の経営者と対等に交渉を進めるには常に勉強が欠かせません。M&Aアドバイザーの中には、年収の多くを自己研さんに投資する人も多くいます。

年収の多くを自己成長のために投資し、今後のM&A案件に還元していくのがM&Aアドバイザーという仕事です。

7. M&Aアドバイザーのまとめ

M&Aの成立には、ファイナンスの知識、会計、法律、税務などさまざまな専門知識が必要です。どのM&Aアドバイザーと進めるかにより、M&Aの結果に大きな影響を与えます。

M&Aアドバイザーは、所属・経歴・経験によって特徴が異なりますが、M&Aアドバイザーのメリット・デメリットや手数料の料金体系以外にも、担当アドバイザーの人柄、実績と経験、専門分野、保有資格などの確認は必須です。

M&Aアドバイザーを選ぶ際は、考え方・相性なども含めて、自社に貢献してくれるかどうかを見極め、組織や個人としても信頼のおけるM&Aアドバイザーを選びましょう。

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