SESの売却・M&A事例30選!相場、積極的に買収する会社10選あり!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

当記事では、SES事業の売却・M&Aに関する30の事例を、SES事業の現状を交えながら紹介しています。売却・M&Aで買い手から高評価を得るポイントや注意点、相談先などの情報もまとめています。そのほか、積極的にSES事業を買収する企業も取り上げています。

目次

  1. SES事業の売却・M&A事例30選
  2. SES事業の売却・M&A相場
  3. SES事業とは
  4. SES業界の動き
  5. SES事業のM&A手法
  6. SES事業のM&A・売却メリット
  7. SES事業の売却・M&Aの相談先
  8. SES事業を積極的に買収する会社10選
  9. SES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイント
  10. SES事業の売却・M&Aで気をつけたいポイント
  11. SES事業の売却・M&Aでは仲介会社がおすすめ
  12. SESの売却・M&Aまとめ
    • SES会社のM&A・事業承継

    1. SES事業の売却・M&A事例30選

    ここでは、SES事業の売却・M&Aについて、実際に行われた30の事例を取り上げて紹介します。
     

    1. データセクションによるFabeeeのM&A
    2. 夢真ホールディングスによるアローインフォメーションのM&A
    3. インフォネットによるスプレッドシステムズのM&A
    4. FPGによるケンファーストのM&A
    5. クレスコによるエニシアスのM&A
    6. TOKAIコミュニケーションズによるアムズブレーンのM&A
    7. インフォメーションサービスフォースによるITソフトジャパンのM&A
    8. ITbookによるRINETのM&A
    9. データセクションによるKAGネットワークソリューションズのM&A
    10. インフォメーション・ディベロプメントによるテラコーポレーションのM&A
    11. CEホールディングスによるシステム情報パートナーのM&A
    12. アルプス技研によるパナR&DのM&A
    13. トラスト・テックによるMTrecのM&A
    14. ユビキタスによるエイムのM&A
    15. アクロディアによるXioのM&A
    16. アルゴグラフィックスによるNew System Service Co., LTD.のM&A
    17. フューチャーアーキテクトによるマイクロ・シー・エー・デーのM&A
    18. アイティフォーによるアイ・シー・アールM&A
    19. DTSによるアートシステムのM&A
    20. ジーダットによる連結子会社ジーダット・イノベーションのM&A
    21. セゾン情報システムズによるアプレッソのM&A
    22. 伊藤忠テクノソリューションズによるシンガポール・マレーシアのIT企業のM&A
    23. 日本エンタープライズによるand OneのM&A
    24. ユニバーサルソリューションシステムズによる日本企業開発支援のM&A
    25. 三菱電機によるドイツ・KH-Automation Projects GmbHのM&A
    26. マーベラスAQLによるエンタースフィアのM&A
    27. フューチャーアーキテクトによる連結子会社ABMのM&A
    28. システムディによるパブリック・マネジメント・コンサルティングのM&A
    29. クレスコによるシースリーのM&A
    30. ジョルダンによるイーツアーのM&A

    ①データセクションによるFabeeeのM&A

    はじめに紹介するESE事業の売却・M&A事例は、データセクションによるFabeeeのM&Aです。

    ソーシャルメディア分析・リテールマーケティングなどの事業を展開するデータセクションは、2020年7月にSES事業・受託開発などの事業を展開するFabeeeと資本業務提携しました。

    データセクションはこの事例における最大の目的を音声解析AI事業の強化としていますが、同時にエンジニアリソースの確保も目指すとしています。

    ②夢真ホールディングスによるアローインフォメーションのM&A

    2番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、夢真ホールディングスによるアローインフォメーションのM&Aです。

    主に建設技術者やITエンジニアの派遣事業を行う夢真ホールディングスは、2020年6月にSES事業を行うアローインフォメーションの株式を取得して子会社としています。

    この事例で、夢真ホールディングスは育成力の強化を図るとともに、アローインフォメーションと顧客基盤の共有によって販路拡大につながるとしています。

    ③インフォネットによるスプレッドシステムズのM&A

    3番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、インフォネットによるスプレッドシステムズのM&Aです。

    企業のWEBサイト構築・運用保守のサービスを提供するインフォネットは、2020年4月にフロントエンドエンジニアリングやディレクションの受託開発やSESを行うスプレッドシステムズの株式を取得して子会社としました。

    この事例で、インフォネットはスプレッドシステムズの事業をサービスに組み入れて収入基盤を築くとしています。

    ④FPGによるケンファーストのM&A

    4番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、FPGによるケンファーストのM&Aです。

    グループで不動産・保険事業などを展開するFPGは、2020年4月にSI・SES業務などを行っているケンファーストの株式を取得して子会社としました。

    FPGは高い技術を持つケンファーストを買収することでサービスなどを向上させ企業価値を高めるとしています。

    ⑤クレスコによるエニシアスのM&A

    5番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、クレスコによるエニシアスのM&Aです。

    複数のIT企業の親会社であるクレスコは、2020年2月にアプリケーションの開発などを行うエニシアスの株式と取得して子会社としました。

    この事例によりクレスコは、エニシアスが持つクラウド事業を取り込んでグループとしての企業価値向上を図るとしています。

    ⑥TOKAIコミュニケーションズによるアムズブレーンのM&A

    6番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、TOKAIコミュニケーションズによるアムズブレーンのM&Aです。

    個人と法人へネットワーク・データセンター・システム開発を提供するTOKAIコミュニケーションズは、2019年7月に子会社を通じてソフトウエアの受託開発・システムの運用保守サービスを提供するアムズブレーンの株式を取得しています。

    TOKAIコミュニケーションズは株式の取得により、アムズブレーンを子会社としたとのことです。

    ⑦インフォメーションサービスフォースによるITソフトジャパンのM&A

    7番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、インフォメーションサービスフォースによるITソフトジャパンのM&Aです。

    トライアンコーポレーションの子会社でシステムエンジニアリングサービスを展開しているITソフトジャパンは、2019年3月にシステム開発事業を約15年行ってきたITソフトジャパンを買収しています。

    この事例で、インフォメーションサービスフォースはITソフトジャパンの株式をすべて取得して子会社化しています。

    ⑧ITbookによるRINETのM&A

    8番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、ITbookによるRINETのM&Aです。

    行政機関や民間企業などにITコンサルティングサービスを提供するITbookは、2018年8月に技術者の派遣と受託開発を手掛けるRINETを買収しています。

    この事例で、ITbookはRINETの株式をすべて取得して子会社化しています。

    ⑨データセクションによるKAGネットワークソリューションズのM&A

    9番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、データセクションによるKAGネットワースソリューションズ(現・ディーエスエス)のM&Aです。

    さまざまなAIソリューションを提供するデータセクションは、2018年1月に金融システムの運用・保守やシステム運用の業務委託、常駐による開発などを手掛けるKAGネットワークソリューションズの株式を取得し、連結子会社としています。

    ⑩インフォメーション・ディベロプメントによるテラコーポレーションのM&A

    10番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、インフォメーション・ディベロプメントによるテラコーポレーションのM&Aです。

    システムの運営管理やソフトウエア開発などを手掛けるインフォメーション・ディベロプメントは、2017年7月に連結子会社のテラコーポレーションとの吸収合併を完了させています。

    吸収合併では、インフォメーション・ディベロプメントを存続会社、テラコーポレーションを消滅会社としています。

    なお、吸収合併の相手は連結子会社のテラコーポレーションのため、株式・金銭の交付は行われていません。

    ⑪CEホールディングスによるシステム情報パートナーのM&A

    11番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、CEホールディングスによるシステム情報パートナーのM&Aです。

    ITサービスを通じたヘルスケアの支援会社を束ねるCEホールディングスは、2016年11月に病院に常駐した医療情報システムの運用や医療情報システムの受託開発などを行うシステム情報パートナーの株式をすべて取得し、完全子会社としています。

    ⑫アルプス技研によるパナR&DのM&A

    12番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、アルプス技研によるパナVのM&Aです。

    技術者の派遣や設計の請負・受託開発を手掛けるアルプス技研は、2016年9月にいくつもの分野で技術者の派遣や設計・開発の受託サービスを提供するパナR&Dの株式をすべて取得し、子会社としています。

    ⑬トラスト・テックによるMTrecのM&A

    13番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、トラスト・テックによるMTrecのM&Aです。

    2016年8月、国内外で技術・製造分野の人材派遣サービスを提供するトラスト・テックは、製造業分野の人材派遣サービスを手掛けるイギリスのMTrec Limitedの株式を取得し、子会社としています。

    ⑭ユビキタスによるエイムのM&A

    14番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、ユビキタスによるエイムのM&Aです。

    組込み機器向けのコンピューターのソフトウエア開発などを行うユビキタスは、2016年4月にカーナビゲーションの開発などを手掛ける独立系のソフトウエア開発会社エイムの株式をすべて取得し、子会社としています。

    ⑮アクロディアによるXioのM&A

    15番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、アクロディアによるXioのM&Aです。

    スマートフォン向けのソリューション事業やアプリ・ゲームなどのコンテンツを提供しているアクロディアは、2016年3月にゲームソフトの受託開発・受託運営・共同開発などを手掛けるXioからゲーム事業を譲り受けています。

    ⑯アルゴグラフィックスによるNew System Service Co., LTD.のM&A

    16番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、アルゴグラフィックスによるNew System Service Co., LTD.のM&Aです。

    製品設計・技術計算・ITインフラなどの問題解決を図るアルゴグラフィックスは、2015年2月にタイなどでITサービスを提供するNew System Service Co., LTD.の株式を取得し、子会社としています。

    ⑰フューチャーアーキテクトによるマイクロ・シー・エー・デーのM&A

    17番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、フューチャーアーキテクト(現・フューチャー)によるマイクロ・シー・エー・デーのM&Aです。

    AIやデータ連携のサービス、セキュリティのコンサルティング、IT人材の育成事業など手掛けるフューチャーアーキテクトは、2014年12月にCAD技術を基礎としたシステムの受託開発を行うマイクロ・シー・エー・デーの株式をすべて取得し、子会社としています。

    ⑱アイティフォーによるアイ・シー・アールM&A

    18番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、アイティフォーによるアイ・シー・アールM&Aです。

    民間の金融機関・ノンバンク向けに債権管理のシステム開発を独自で行うアイティフォーは、2014年7月に公的機関や行政に代わって税金・保険料の徴収などを行うアイ・シー・アールの株式を取得し、連結子会社としています。

    ⑲DTSによるアートシステムのM&A

    19番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、DTSによるアートシステムのM&Aです。

    情報システムの構築などを手掛けるDTSは、2014年4月に医療システム関連のITサービスを提供しているアートシステムの株式をすべて取得し、子会社としています。

    ⑳ジーダットによる連結子会社ジーダット・イノベーションのM&A

    20番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、ジーダットによる連結子会社ジーダット・イノベーションのM&Aです。

    電子機器・電子部品の設計作業である、作業効率の改善や検証を行うツールを提供しているジーダットは、2013年4月に連結子会社のジーダット・イノベーションとの吸収合併を行っています。

    ジーダットを存続会社、ジーダット・イノベーションを消滅会社とする取引で、簡易・略式合併のスキームを用いて吸収合併を終えているとのことです。

    ㉑セゾン情報システムズによるアプレッソのM&A

    21番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、セゾン情報システムズによるアプレッソのM&Aです。

    システムの構築・運用やパッケージソフトウエアの販売・保守などを手掛けるセゾン情報システムズは、2013年3月にテータ連携のパッケージソフトウエアの開発・販売・サポートを行うアプレッソの株式を取得し、子会社としています。

    ㉒伊藤忠テクノソリューションズによるシンガポール・マレーシアのIT企業のM&A

    22番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、伊藤忠テクノソリューションズによるシンガポール・マレーシアのIT企業のM&Aです。

    コンピューターとネットワークのシステムの販売・保守・運用・管理やソフトウエアの受託開発などを手掛ける伊藤忠テクノソリューションズは2013年3月、伊藤忠商事とともにシンガポールITサービス企業CSC Automated Pte. Ltd.と、マレーシアITサービス企業CSC ESI Sdn Bhdの株式をすべて取得し、子会社化を図りました。

    ㉓日本エンタープライズによるand OneのM&A

    23番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、日本エンタープライズによるand OneのM&Aです。

    保有する資産・権利を用いたクリエーション事業と受託開発をはじめとするITソリューション事業を展開する日本エンタープライズは、2013年3月に音声通信関連のソフトウエア会社・and Oneの株式を取得し、子会社としています。

    ㉔ユニバーサルソリューションシステムズによる日本企業開発支援のM&A

    24番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、ユニバーサルソリューションシステムズ(現・INEST)による日本企業開発支援のM&Aです。

    飲食店向けに端末を利用したサービスの開発・販売を行うユニバーサルソリューションシステムズは、2013年2月に起業家を支援するサイトを運営し、各種事業での人材採用をサポートしている日本企業開発支援と株式交換を行っています。

    ユニバーサルソリューションシステムズを完全親会社、日本企業開発支援を完全子会社とし、ユニバーサルソリューションシステムズ:日本企業開発支援=1:17.2の比率で株式交換を終えています。

    ㉕三菱電機によるドイツ・KH-Automation Projects GmbHのM&A

    25番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、三菱電機によるドイツ・KH-Automation Projects GmbHのM&Aです。

    三菱電機は、2013年1月に子会社のMitsubishi Electric Europe B.VとFAシステム事業を拡大させるために、ドイツ・KH-Automation Projects GmbHのすべての株式を取得しています。

    三菱電機は、PA(プロセスオートメーション)の高い技術を持つKH-Automation Projects GmbHを買収し、FAシステムの事業領域を150億円にまで拡大させるとのことです。

    ㉖マーベラスAQLによるエンタースフィアのM&A

    26番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、マーベラスAQL(現・マーベラス)によるエンタースフィアのM&Aです。

    オンラインゲーム・家庭用ゲームソフト事業や音楽映像事業などを手掛けるマーベラスAQLは、2013年1月にオンラインゲームの企画・開発・運営事業を展開するエンタースフィアの株式を取得し、子会社としています。

    ㉗フューチャーアーキテクトによる連結子会社ABMのM&A

    27番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、フューチャーアーキテクト(現・フューチャー)による連結子会社ABMのM&Aです。

    AI・IoT・セキュリティのコンサルティングやIT人材の育成サービスなどを手掛けるフューチャーアーキテクトは、2013年1月に金融機関・自治体向けの管理会計パッケージを提供するABMとの吸収合併を実施しています。

    フューチャーアーキテクトを存続会社、ABMを消滅会社としたことで、ABMは解散しています。

    ㉘システムディによるパブリック・マネジメント・コンサルティングのM&A

    28番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、システムディによるパブリック・マネジメント・コンサルティングのM&Aです。

    特定の業種向けにアプリケーションパッケージの開発と販売を手掛けるシステム ディは、2012年12月にパブリック・マネジメント・コンサルティングから公会計事業の一部を譲り受けています。

    ㉙クレスコによるシースリーのM&A

    29番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、クレスコによるシースリーのM&Aです。

    クレスコはIT関連の企業を束ねる持株会社で、2012年12月に社会インフラで用いられるソフトウエアや制御系のシステムの開発および新しい手法を取り入れたシステムの提供などを手掛けるシースリーの発行株式の70%を取得し、子会社としています。

    ㉚ジョルダンによるイーツアーのM&A

    30番目に紹介するSES事業の売却・M&A事例は、ジョルダンによるイーツアーのM&Aです。

    公共機関の乗り換え案内サービスを提供するジョルダンは、2012年11月にネットを通じた旅行商品の販売や国内外の旅行に関する情報の提供などを行うイーツアーの株式を取得し、子会社としています。

    【関連】SES事業会社のM&A動向と案件一案| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    2. SES事業の売却・M&A相場

    SES事業の売却・M&A相場は、純資産と営業利益によって決定されるといわれています。そして、最終的には企業価値、事業価値の金額をもとに交渉をして、売買価格を決定するのが一般的でしょう。ここでは、実際のM&Aでの基準や売却価格のもとになる企業価値・株主価値の算出方法を紹介します。

    実際のM&Aでの基準

    一般的に会社・事業売却では、純資産と数年分の営業利益を用いて相場を算定します。SES事業の売却・M&A相場は、時価純資産額に営業利益の3~5年分を加えた額で決められます。

    【SES事業の売却・M&A相場額の計算】

    • 時価純資産額+営業利益×3~5年

    SES業界では、他にも買い手企業によって、価格交渉の段階で売り手のエンジニアの「人数×価値単価」で算出した価格を買収価格として提案してもらえる可能性もあります。

    売却価格のもとになる企業価値・株主価値の算出方法

    SES事業・会社の売却価格は、業界内の競合の度合い、市場の成長性などをもとに算出した企業価値や株主価値を基準に決定するケースが多いでしょう。

    企業価値の算出方法は、以下です。

    • 企業価値=株主価値+債権者価値

    企業価値をもとに、最終的な売却価格を決定します。株主価値は「株主に属するキャッシュフローの現在価値の合計額」であり、債権者価値は「債権者に属するキャッシュフローの現在価値の合計額」になります。

    ただし、SES事業の売却・M&Aを行った際の相場は、技術者の数や提供するサービスによって異なるため、売却する事業ごとに価格は異なるといえるでしょう。相場額の幅は、おおよそ数千万〜数十億円程度といわれています。

    SES事業の売却・M&Aを検討している場合は、同業者のM&Aを参考にしてみましょう。規模や従業員数、提供するサービスなどが似ている企業を探して、売却・M&Aの相場を把握しましょう。

    【関連】SES会社の会社譲渡(株式譲渡)が増える背景とは?事例やメリットを解説

    3. SES事業とは

    SES事業とは、顧客となる会社へシステムエンジニアを派遣する事業のことです。委託元に技術者を常駐させ、ソフトウエアやシステムなどの開発・運用・保守・点検のサービスを提供します。

    SES事業会社は、自社でシステム開発などを行うとコストや時間がかかってしまう企業に向けて、サービスを提供し必要な技術者を派遣させているといえるでしょう。しかし、このようなサービスを提供するSES事業は、売却・M&Aの対象となるのでしょうか。

    ここからは、SES事業の売却・M&Aを検討している方に向けて、成功の可能性や売却・M&Aを行う理由を紹介します。

    SES事業の売却・M&Aは可能

    SES事業の売却・M&Aは可能といえます。可能といい切れるのには、以下3つの理由が挙げられるからです。

    【SES事業の売却・M&Aが可能といえる理由】

    • SES業界の人材不足
    • 売上計算のしやすさ
    • システム開発などの内製化

    IT業界で事業を行うSESでは、人材不足が叫ばれています。今後も技術者の確保が業界の課題とされているため、手間とコストをかけずに人材を確保したい企業が多く、SES事業には需要があるといえるでしょう。

    SES事業は売上の計算がしやすいといわれており、「平均単価×稼働人数」でひと月の売上を計算できます。

    単価は顧客から得る売上をさし、稼働人数は委託元へ派遣している技術者の数を表しています。このように、必要な平均単価・技術者の数がすぐにわかるため事業計画が立てやすいといえるでしょう。

    SES事業の獲得は買い手にとってシステムなどの内製化を図れるチャンスといえるため、売却・M&Aの需要があるされています。

    技術者とノウハウを一度に集められるので、システムや技術などの開発にかかる時間・コストを減らすことが可能です。このような理由から、SES事業の売却・M&Aは可能であるといわれています。

    【関連】SES事業は事業譲渡(事業売却)できる?譲渡の流れ・メリット・事例を解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    SES事業が売却・M&Aされる理由

    SES事業が売却・M&Aされる理由には、どのような内容が挙げられるのでしょうか。SES事業の売却・M&Aでは、以下のような理由で事業の譲渡が行われています。

    【SES事業が売却・M&Aされる理由】

    • 後継者不足
    • 技術者を確保できない
    • 小規模のため、事業の展開・継続ができない
    • 他の事業に注力する

    後継者が見つからなかったり、長年同じ技術者に仕事を任せていたため採用に関するノウハウを持っていなかったりすることから、SES事業の売却・M&Aを選ぶ企業も少なくありません。

    SES事業の規模が小さい理由でも売却・M&Aが行われています。大手との競争に勝てなくなり、第三者への事業譲渡を決めて買い手の傘下に入りSES事業を継続させていくでしょう。

    そのほかには、本業が軌道に乗ったためにSES事業を譲渡するケースも見られます。このような理由から、SES事業の売却・M&Aを実行に移して、廃業の回避・事業と雇用の継続・資本の選択と集中を実現させているといえるでしょう。

    • SES会社のM&A・事業承継

    4. SES業界の動き

    SES業界では、どのような動きが見られるのでしょうか。ここでは、SES事業の売却・M&Aに生かせるように、SES業界の市場規模・現状・動向予測を取り上げます。

    1. SES業界の市場規模
    2. SES業界の現状
    3. SES業界の動向予測

    ①SES業界の市場規模

    経済産業省が令和4年に発表した「企業活動基本調査速報」によると、SES業が含まれるソフトウエアの市場規模は2020年度で17兆9,110億円でした。

    参照:経済産業省「企業活動基本調査速報(2020年度実績)」

    ②SES業界の現状

    市場規模と同様に経済産業省の「企業活動基本調査速報」でSES業界(ソフトウエア業)の企業数を見てみると、2019年度は1,417社、2020年度は1,428社と0.8%増加しました。従業員数は、2019年度の58万8,519人から2020年度には58万2,484人と減少しています。

    従業員の雇用形態では正社員が減少、パート・アルバイトが増加していることから、SES業界ではIT人材の不足をM&Aによる人材の確保や非正規従業員の雇用で賄っている現状が読み取れます。

    参照:経済産業省「企業活動基本調査速報(2020年度実績)」

    ③SES業界の動向予測

    経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IT人材の不足は2030年には約59万人にまで達すると予測されており、2019年の約27万人から人材の不足が加速していくとみられています。

    このようなデータを踏まえると、SES業界では技術者の不足に対処するために、人材の採用や育成に力を入れるとともに、M&Aによる人材の確保が盛んに行われることが予測されるでしょう。

    SES事業会社によっては優秀な人材の離職や採用の失敗などで事業を継続させることが難しくなり、同業者や自社開発を望む企業へSES事業を売却するケースも増えると考えられます。

    5. SES事業のM&A手法

    SES事業のM&A手法では、一般的に以下の手法が活用されます。

    株式譲渡は、会社が発行済株式を売却し、支配権を譲渡する方法です。手続きで簡単で、資産や契約などを全て売却できるため、SES事業のM&Aには適している手法といえるでしょう。しかし、株式譲渡の場合、買い手側の負債も全て引き継ぐため、多額の負債を保有する企業は買い手が付きにくいケースが多いです。
    • 事業譲渡
    事業譲渡は、会社の一部または全ての事業を売却する手法になります。売却する事業や資産を選択できるため、SES事業のみを売却する方法や、不採算事業を売却して主力となるSES事業に専念する選択肢も可能です。

    しかし、事業譲渡の場合は、個別に従業員や取引先から同意を得る必要があるため、手続きに多くの時間や労力がかかるケースが多いでしょう。

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    6. SES事業のM&A・売却メリット

    SES事業のM&A・売却メリットは、主に以下です。

    1. 事業承継の実現
    2. 譲渡利益の獲得
    3. 経営の安定化

    ①事業承継の実現

    東京商工リサーチの2021年発表によると、経営者の高齢化・後継者不足を理由に休廃業・解散する中小企業のうち、休廃業する直前期の決算では、当期損益の黒字は56.5%でした。

    政府の承継支援への取り組み強化もあり、少しずつ60代の事業承継が進みつつあります。しかし、70歳以上になると事業承継への時間的制約や、事業譲渡先も見つからないとの理由で業績が良くても廃業に追い込まれるリスクがあるでしょう。

    会社を廃業すると、これまで培ってきた技術力を次世代に残せなくなり、エンジニアを解雇せざるを得なくなるケースも高くなります。M&Aを実行できれば、SES事業を行う会社に事業を承継してもらえるでしょう。したがって、会社を存続できるうえに、従業員を解雇せずに済みます。

    ②譲渡利益の獲得

    SES事業のM&A・売却すれば、数年分の譲渡利益を得られるでしょう。多額の現金が入るため、それを元手に新規事業や主力事業に投資を行うことや、負債を返済するのも可能です。事業を整理して、老後資金を獲得するといった方法もあります。

    M&Aを実行すれば、廃業する場合と比べ、会社経営をリタイアした時に、より多くの現金を手元に残せるといったメリットを得られるでしょう。

    ③経営の安定化

    SES事業・会社を売却すると、買い手企業の傘下に入り、事業を運営します。規模の大きい企業へ売却すれば、企業が持つ資金力やブランド力、販売網などを活用し、SES事業の経営が安定できるでしょう。したがって、M&A後は安定的な事業運営が可能となり、事業拡大がしやすくなります。

    SES事業の売却では、しばらくは前社長がそのまま経営を続行するケースも多いでしょう。多くの買い手企業は、SES事業を成功させるためには、従業員の力が不可欠であるのを理解して買収するため、待遇が以前よりも良くなるケースがあります。

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    7. SES事業の売却・M&Aの相談先

    SES事業の売却・M&Aを検討している場合、どこに相談を持ち掛ければよいのでしょうか。SES事業の売却・M&Aの相談には、以下のような候補があります。
     

    1. 金融機関
    2. 公的機関
    3. M&A取り扱い士業
    4. マッチングサイト
    5. M&A仲介会社

    ①金融機関

    1つ目に紹介するSES事業の売却・M&Aの相談先は、金融機関です。取引のある企業から売り手にふさわしい候補を紹介してくれます。ただし、金融機関は売り手よりも買い手の利益を優先することがあります。

    地方の金融機関では紹介できる案件を地元の企業に限定していることが多く、他県の企業はほとんど取り扱っていないのが現状です。希望額よりも低い譲渡額を提示される・短期間で候補となる買い手が見つけられないなどの可能性もあります。

    ②公的機関

    2つ目に紹介するSES事業の売却・M&Aの相談先は、公的機関です。商工会議所などに窓口を設けている事業引継ぎ支援センターでは、買い手候補の紹介以外に買い手企業が見つかっている場合の譲渡手続きサポートやセカンドオピニオンを行っています。

    しかし、事業引継ぎ支援センターではM&A仲介会社と比べて、取り扱っている案件の数が少ないとされています。

    買い手候補が見つからない場合は民間の支援会社を紹介されてサポートが行われるため、相談から買い手候補の紹介までに時間を要することも考えられるでしょう。

    ③M&A取り扱い士業

    3つ目に紹介するSES事業の売却・M&Aの相談先は、M&Aを取り扱う士業です。会計事務所や税理士事務所のなかにも、M&Aの仲介サービスを提供している会社があります。

    自社のネットワークや提携先から買い手候補を紹介し、会計・税務の専門知識を生かしてデューデリジェンス・株価の算定・譲渡契約の手続きなどを行ってくれます。

    ④マッチングサイト

    4つ目に紹介するSES事業の売却・M&Aの相談先は、マッチングサイトです。必要な情報を登録するとサイト上で買い手候補の検索、メッセージのやり取りや交渉が行えます。

    日々の業務に追われて買い手を探す時間がない人は、空き時間にマッチングサイトを利用して買い手を探してみましょう。

    ⑤M&A仲介会社

    5つ目に紹介するSES事業の売却・M&Aの相談先は、M&A仲介会社です。経験と知識を有した専門家が仲介のサポートを行っています。

    提供するサービスには、対象企業の紹介・スキームの提案・適正な譲渡価格の提示・交渉や手続きの代行・セカンドオピニオンなどです。

    自社にM&Aの専門家を置いていない場合には、M&A仲介会社に相談してみましょう。売却・M&A後に発覚する賠償請求などを回避したいなら、実績と専門知識を備えたM&A仲介会社の利用をおすすめします。

    SES事業の売却・M&Aのご相談はM&A総合研究所へ

    M&A総合研究所では、知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーによるフルサポートを行っています。機動力に強みがあり、通常では半年~1年程度かかるとされるM&Aを最短で3カ月での成約実績を有しています。

    料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。ご相談も無料ですので、SES事業の売却・M&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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    8. SES事業を積極的に買収する会社10選

    SES事業を積極的に買収するのは、どのような企業なのでしょうか。ここでは、SES事業会社を積極的に買収している企業を10社紹介します。SES事業を売却する予定の人は、以下の企業を参考にして譲渡する会社を選びましょう。
     

    1. 夢真ホールディングス
    2. ブレインパッド
    3. ビジネスブレイン太田昭和
    4. エアトリ
    5. セグエグループ
    6. アイフリークモバイル
    7. デジタルフォルン
    8. SHIFT
    9. シティコネクション
    10. ナレッジスイート

    ①夢真ホールディングス

    1つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、夢真ホールディングスです。夢真ホールディングスは、建設技術者とエンジニアの派遣業を中心に事業を展開しています。

    2019年9月期から2021年9月期までの中期経営計画では、オリンピックの開催による建設需要の増加と深刻なIT技術者の不足に対応するため、人材の確保を目標に掲げているとのことです。

    夢真ホールディングスは2019年に必要な技術者を確保するため、4月には技術力の高い人材をそろえるインフォメーションポートを買収し、自社の技術力強化と若手の育成を計画しています。

    同じく4月に社会人向けのプログラミング学習サービスや集客力のある自社メディアを設置する侍の株式も取得し、新しい採用ルートの確保や採用を行うメディアの強化を図るとしています。

    このように、今後も技術力の高い人材を補充するためにM&Aを行う可能性があるといえるでしょう。

    ②ブレインパッド

    2つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、ブレインパッドです。ブレインパッドは、経営の改善を目的としたビッグデータを活用したサービスやデジタルマーケティングサービスの提供を行っています。

    ブレインパッドは次の中期経営計画(2020年6月期~2023年6月期)で、データを用いたサービスの拡大を図るために必要となる人材を獲得することを目指しています。

    そこで、既存の資源・ノウハウを使ってデータを活用した事業を成長させるために、M&Aを行って必要な人材を確保するとしています。先進技術を調査したり、実用化を図ったりするためにもM&Aを検討するでしょう。

    ③ビジネスブレイン太田昭和

    3つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、ビジネスブレイン太田昭和です。ビジネスブレイン太田昭和では、大きく分けて3つのサービスを提供しています。

    経営とITの視点から改善案を提案するコンサルティングサービスや質とコストにこだわったシステム開発、会計・税務・労務・IT分野におけるマネージメントサービスを提供することで、問題の発見から成果の確認までのトータルサポートに努めているでしょう。

    ビジネスブレイン太田昭和は、これからの事業戦略にコンサルティング事業の強化とマネージメントサービス事業の拡大を挙げています。

    2018年12月に買収した日本ペイメント・テクノロジーのように、シナジーやノウハウを獲得できる同業者に対してM&Aを実施して事業領域を拡大することが予想されます。

    ④エアトリ

    4つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、エアトリ(旧・エボラブルアジア)です。エアトリは、オンライン・訪日旅行業や海外でのIT開発事業、成長企業への投資事業を手掛けています。

    エアトリでは2016年から投資事業に着手し、企業価値の向上による利益の獲得や自社で行う事業とのシナジー創出を図っています。

    投資先の数は2019年9月期の第2四半期決算で54件とされ、M&Aや資本業務提携を通じて成長企業に対する投資が続けられるものと捉えられるでしょう。海外のIT開発事業でも、積極的な買収が予想されています。

    これまでには、グループ会社のエボラブルアジアソリューションズがラボ型のオフショア開発事業を譲り受けたり、ベトナム法人のEvolable Asia Co., Ltd.がカヤックの開発子会社を取得したりと、開発の基盤を拡大するための買収が行われました。

    このように、SES事業会社を買収して技術力のある人材を確保する可能性が高いと考えられます。

    ⑤セグエグループ

    5つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、セグエグループです。セグエグループは、ITシステム・インフラ・ネットワークセキュリティの製品に関して設計から保守までの一貫したサービスを提供しています。

    2019年の目標には、情報セキュリティの技術者を育成することや自社開発を推し進めることなどを挙げており、積極的な人材・ノウハウの確保のためにもM&Aを行うとしています。セグエグループでは、必要な人材の確保を目的にSES事業の会社を買収することが予想されるでしょう。

    ⑥アイフリークモバイル

    6つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、アイフリークモバイルです。

    アイフリークモバイルでは、分野ごとに人材を育成し派遣・請負・エンジニアリングを提供するコンテンツクリエイターサービスやモバイルコンテンツサービスなどを提供しています。

    なかでもコンテンツクリエイターサービスでは、2019年の4月から2020年の3月末までに人員を500人も増やす計画を立てているため、M&Aを利用したSES事業会社の買収により技術者の確保を行うことが予想されるでしょう。

    ⑦デジタルフォルン

    7つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、デジタルフォルン(旧・大洋システムテクノロジー)です。デジタルフォルンでは、アジャイル型の開発支援や先端技術に関する技術者の支援、ビジネスコンサルティングなどのサービスを提供しています。

    デジタルフォルンは、2018年4月に音声・映像のメディア処理やIP電話のコア技術を持つソフトフロントホールディングスと資本業務提携を結びました。資金を提供することで、協業によるボイスコンピューティング市場での利益と成長を図るとしています。

    ソフトフロントホールディングスを通じてボイスコンピューティング事業に関する先端技術(自然言語解析・AI・音声解析など)を有する企業の情報を獲得して対象会社の買収を計画しているとのことです。

    デジタルフォルンは、ボイスコンピューティング関連の技術を持った企業を対象としてSES事業会社の買収に踏み切ることが予想されるでしょう。

    ⑧SHIFT

    8つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、SHIFTです。SHIFTでは、ソフトウエアの品質保証とテスト事業を行っています。

    SHIFTは中期計画で、サービス領域の拡大と高付加価値化を戦略の1つに挙げているとのことです。2019年の上半期で4件のM&Aを実施しているため、上半期以降もサービス領域の拡大と高付加価値化を目的にSES事業会社などを営むIT企業の買収を進めるといえるでしょう。

    ⑨シティコネクション

    9つ目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、シティコネクションです。

    ゲームの開発・販売などのコンテンツ事業やゲームサウンドトラックの製作・製造・受託、海外ゲームのローカライズ・プロモーション・公開などを行い、知的財産の最大化を図っています。

    シティコネクションは2019年3月に、ゲームなどのコンテンツ事業や顧客のニーズに合った人材を派遣するビジネスソリューション事業を営むゼロディブの株式をすべて取得し、完全子会社化しました。

    このM&Aにより自社の開発体制を強化し、東北エリアのSES事業を発展させるとしているため、今後も事業の拡大を目的にSES事業会社の買収を実施する可能性を秘めているといえるでしょう。

    ⑩ナレッジスイート

    10番目に紹介するSES事業を積極的に買収する会社は、ナレッジスイートです。クラウドソリューション事業とシステムエンジニアリング事業を展開し、2018年には2社のSES事業会社を買収しています。

    必要なIT人材をそろえたため、今後は提供するサービスの質を高めることに注力すると発表しました。しかし、M&Aによる人材の確保も検討しているためこれからもSES事業会社の買収が行われる可能性もあるでしょう。

    9. SES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイント

    SES事業の売却・M&Aでは、どのような点が高評価のポイントとなるのでしょうか。SES事業の売却・M&Aでは、以下のような点が高評価を得るポイントとされています。
     

    1. 各種言語・必要技術を習得した優れたSEがいる
    2. 過去の実績として海外企業とも仕事をしている
    3. 専門的な知識を有したSEを保有している
    4. 多くのSEを保有している
    5. 特許を保有している

    ①各種言語・必要技術を習得した優れたSEがいる

    1つ目に挙げるSES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイントは、各種言語・必要技術を習得した優れたSEがいることです。

    買い手ごとに、開発に必要な技術者は異なります。事業を広げたり提供するサービスの種類を増やしたりと、買収の目的には違いが見られます。

    SES事業の売却・M&Aでは買い手が求めるプログラミング言語を習得していたりAIやIoT、ビッグデータなどの先端技術を保有していたりすると、自社の評価を高められるといえます。

    ②過去の実績として海外企業とも仕事をしている

    2つ目に挙げるSES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイントは、海外企業と仕事をした実績があることです。

    買い手のなかには、国外に事業領域を広げて海外への進出を計画している企業も存在します。海外企業とともにSES事業を行っている会社を買収すれば、海外進出でのリスクや費用を軽減できるといえるでしょう。

    SES事業の売却・M&Aでは、海外企業と仕事をしていることが高い評価を得るポイントといえます。

    ③専門的な知識を有したSEを保有している

    3つ目に挙げるSES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイントは、専門知識を有するSEが在籍している点です。

    SES事業といっても、会社ごとに専門分野が異なります。例えば、ゲーム・医療・建設・旅行・金融など、技術者の派遣先には違いが見られます。SES事業の売却・M&Aでは、買い手が求めるSEを抱えていると高い評価を得られるといえるでしょう。

    ④多くのSEを保有している

    4つ目に挙げるSES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイントは、多くのSEを保有している点です。

    買い手側は、事業の拡大・サービスの拡充・自社開発などのためにSES事業の買収を選択しています。

    その理由は、IT業界における技術者の不足と競争の激化です。このような現状からSEの確保が難しく、優秀な人材が離職したり他社に引き抜かれたりといった事態に直面することも珍しくありません。

    買い手は、一度の買収で経験と知識を有するSEを獲得することを狙いとしています。買収で多くのSEを確保できれば採用や育成に注ぐ時間・労力を省くことが可能だからです。SES事業の売却・M&Aでは、多くのSEを抱えていることが高い評価を得るポイントといえるでしょう。

    ⑤特許を保有している

    5つ目に挙げるSES事業を売却・M&Aの際に高く評価してもらうポイントは、特許を保有している点です。SES事業会社は、他社との差別化を図るために独自で開発した技術を保有しています。

    システム開発や知的財産の管理、AI・IoTに代表される先端技術などのサービスを提供する場合、企業によっては提供する製品やサービスに特許が用いられていることがあります。

    つまり、事業展開に必要な技術を自社で開発するには、特許取得のために多くの手間・時間・コストを要するといえでしょう。そこで、買い手はSES事業を買収することで、少ない手間・時間・コストで、必要な著作物・特許を獲得しようとします。

    SES事業の売却・M&Aでは、買い手が求める特許を保有していると高く評価してもらえるといえるでしょう。

    10. SES事業の売却・M&Aで気をつけたいポイント

    SES事業の売却・M&Aでは、どのような点に注意をすればよいのでしょうか。SES事業の売却・M&Aを成功させるには、以下に挙げるポイントを押さえて、交渉や成約に臨むようにしましょう。
     

    1. 売却・M&Aの準備期間を十分に取る
    2. 自社の強みを明確にアピールする
    3. 売却・M&Aの目的や条件をきちんと決めておく

    ①売却・M&Aの準備期間を十分に取る

    1つ目に挙げるSES事業の売却・M&Aで気をつけたいポイントは、売却・M&Aの準備期間を十分に取ることです。

    売り手には、SES事業の財務状況を改善させたり技術者の離職率を抑えたりと、事業の磨き上げや労務管理の徹底などが求められます。

    売却・M&Aを行う時機を見極めることも大切です。買い手を探し始めても、条件に見合った候補がすぐに現れてくれるとは限りません。SES事業の売却・M&Aを行う場合は長い準備期間を設けるようにしましょう。

    ②自社の強みを明確にアピールする

    2つ目に挙げるSES事業の売却・M&Aで気をつけたいポイントは、自社の強みを明確にアピールすることです。

    自社のSES事業を正確に把握していなければアピールするポイントを誤ってしまい、売却・M&Aの機会を逃す事態が想定されるでしょう。

    売却・M&Aを進める場合はM&A仲介会社などの専門家と協力して自社の強みを把握しておけば、自社の長所を買い手に伝えられ売却・M&Aを成功できる確率が高くなります。

    ③売却・M&Aの目的や条件をきちんと決めておく

    3つ目に挙げるSES事業の売却・M&Aで気をつけたいポイントは、売却・M&Aの目的や条件をきちんと決めておくことです。売却・M&Aの目的や条件に応じて、交渉の進め方は異なります。

    例えば、不採算事業の切り離しなら早い時期に売却・M&Aを済ませる必要があるでしょう。

    譲渡益の獲得による新規事業への転換や後継者不足による事業の継続なら、希望する譲渡額・雇用の継続などの条件を受け入れてもらうために、じっくりと買い手を探すことが求められます。

    したがって、SES事業の売却・M&Aでは交渉にかけられる時間や必要なコストを明確にさせるために、自社の目的や条件を決めておくことが必要であるといえるでしょう。

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    11. SES事業の売却・M&Aでは仲介会社がおすすめ

    SES事業の売却・M&Aを成功させるためには、専門知識と経験を備えたM&A仲介会社に相談することをおすすめします。

    M&A総合研究所では中小・中堅企業向けの案件を取り扱っており、案件ごとに知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーが専任で就き、クロージングまでのフルサポートを行っています。

    料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。ご相談も無料ですので、SES事業の売却・M&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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    12. SESの売却・M&Aまとめ

    SESの売却・M&Aについて、過去に行われた30事例を中心にSES業界の動向や相場、積極的にSES事業を買収する企業などを取り上げました。

    SES業界では今後も人材不足が続くと予想されているため、人材確保のためにM&Aが行われるといえるでしょう。SES事業の売却・M&Aを検討している人は、紹介したSES事業を積極的に買収する会社から企業が求める条件を把握して、自社の売却・M&Aを成功させましょう。
     

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