メガネ業界のM&A動向!売却・買収事例5選と成功のポイントを解説!【2023年最新】

執⾏役員 兼 企業情報部 本部⻑ 兼 企業情報第一本部 本部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

現在、メガネ業界では低価格商品の普及により全体の売上が減少傾向にあります。今後、厳しい状況も予想される中、M&Aを模索する動きも出てきています。この記事では、メガネ業界の業界動向や事例に加えて、M&Aするメリットなどについて詳しく解説します。

目次

  1. メガネ業界の概要と動向
  2. メガネ業界のM&A動向
  3. メガネ会社をM&Aするメリット
  4. メガネ会社のM&A・買収・売却事例
  5. メガネ会社のM&Aの成功のポイント
  6. メガネ会社のM&A・事業譲渡まとめ
  7. 小売業業界の成約事例一覧
  8. 小売業業界のM&A案件一覧
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1. メガネ業界の概要と動向

まずはメガネ業界について詳しくみていきましょう。

メガネ業界とは

メガネ業界とは、メガネに関連する事業を扱う業界全体を指します。具体的には、メガネを作るための部品を製造する企業、メガネの卸売業、メガネの販売業などが含まれます。

以前は、近視や老眼などの視力矯正を目的としたメガネが主流で、医療機器的な役割が大きく求められてきました。

しかし、2000年代前半頃から、メガネをファッションアイテムとして利用する人が増えて、視力に問題のない人でもダテメガネを使うようになってきました。

また、パソコンやスマホの普及によりブルーライトカットメガネが発売されるなど、視力矯正以外の目的でのメガネも登場しています。

メガネ業界の市場規模と動向

日経コンパスの記事によると日本のメガネ市場の規模は年間約5,000億円と見込まれています。

その中で、業界動向サーチの分析によると、業界1位はメガネトップ、2位はジンズ、3位はパリミキです。3社の近年の売上推移をみてみましょう。

メガネトップは2016年には693億円だったのが2021年には821億円に、ジンズは2016年には461億円だったのが2021年には638億円に、パリミキは2016年に498億円だったのが2021年には440億円になっています。

メガネトップとジンズの2社はコロナ禍での景気の落ち込みでも、スポーツや趣味向けなど多様化する消費者のニーズを上手く捉えて売上を増加させています。

しかし、パリミキよりも下位の企業では、コロナ禍での景気の落ち込みの影響を大きく受け、回復が難しい状況でとなっているようです。

参考:日経コンパス「眼鏡・コンタクトレンズの業界概要
参考:業界動向サーチ「メガネ業界の動向や現状、ランキングなどを解説     

2. メガネ業界のM&A動向

メガネ業界を含む製造業全体のM&Aの状況をみると、中小企業が大手企業の傘下に入る形でのM&Aの事例が増加傾向にあります。

その背景には中小企業で、後継者問題や人手不足で人材育成も進まない、資金が不足している、といった課題が深刻化している現状があるようです。

経営が安定している大手企業の傘下に入ることにより、培ってきた技術とともに雇用や取引先との関係を守る目的で会社を売却する事例が増えています

また、業績が思わしくない製造企業をファンドが買収する事例も増加しています。ファンドが製造業を買収する目的は、現在業績が悪化している企業でも、企業価値を高めることで将来的に高値での売却ができると判断するためです。

3. メガネ会社をM&Aするメリット

メガネ会社をM&Aするメリットは、売却側、買収側にそれぞれあります。

売却側のメリットは次のとおりです。

  • 後継者がいなくても事業の継続が可能になる
  • 廃業の手間とコストが必要ない
  • 売却する利益が得られる

近年では、メガネ業界を含む製造業で人手不足や後継者不足が深刻化しています。M&Aで事業承継できれば、これらの問題を解決できるという点が大きなメリットです

買収側のメリットとしては次の点があります。
  • 技術と人材の確保
  • 仕入れルートや機械のリソースの確保
  • 事業の内製化を図れる

譲渡された企業に自社が製造していない製品やノウハウがあれば、その技術やノウハウを買収により手に入れることができるでしょう。内製化を目指している企業であれば、開発コストを掛けることなく、その技術や製造設備をM&Aで手に入れることができます。

【関連】製造業(メーカー)のM&A・売却・買収!最新動向や成功事例、価格相場、注意点を解説
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4. メガネ会社のM&A・買収・売却事例

メガネ会社のM&Aの事例を紹介します。

ジンズホールディングスとヤマトテクニカルのM&A事例

2022年10月に株式会社ジンズホールディングスが株式会社ヤマトテクニカルの全株式を取得して子会社化するM&Aを実施しました。取得金額は非公表です。

ジンズホールディングスは「J!NS」のロゴで若者向けのファッション性の高い低価格帯メガネや、ブルーライトカットメガネなどを製造販売している企業です。

株式会社ヤマトテクニカルはメガネフレーム製造会社で、メガネフレームの射出成形生産のノウハウを持ちます。

ジンズでは自社販売するメガネの製造拠点を海外においていましたが、世界情勢や為替の変動のリスクが高まったことから、国内にフレームの製造拠点を持つ目的があるとのことです。

参考:株式会社ジンズホールディングス「株式会社ヤマトテクニカルの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

東京メガネとEnhanlaboのM&A事例

2022年3月に、株式会社ビジョナリーホールディングスの連結子会社であったEnhanlaboのウェアラブル端末事業を会社分割により、東京メガネへ譲渡するM&Aが実施されました。

スキームとしては、まずビジョナリーホールディングスがEnhanlaboの少数株主からすべての株を取得して完全子会社化した上で、ウェアラブル端末事業を会社分割で東京メガネへ譲渡します。その後、Enhanlaboは解散、清算されました。

Enhanlaboではかけ心地にこだわったウェアラブル端末「b.g」を開発していましたが、事業の発展にはまだまだ時間がかかる見込みでした。東京メガネから、「b.g」事業のみ事業継承したいとの申し出があり、それを受けた形のM&Aです。

参考:株式会社ビジョナリーホールディングス「連結子会社である株式会社Enhanlaboの完全子会社化、同社のウェアラブル端末事業の 会社分割による譲渡、及び当該子会社の解散・清算、債権放棄に関するお知らせ

三城ホールディングスとオプトメイク福井のM&A事例

2019年6月に株式会社三城ホールディングスが株式会社オプトメイク福井のすべての株式を取得して子会社化するM&Aを実施しました。

三城ホールディングス(現在のパリミキホールディングス)は国内に約620店舗を展開しているメガネのチェーンストアです。

オプトメイク福井は福井県鯖江市にあるメガネフレームの修理専門会社です。

三城ホールディングスとしては、日本で修理対応業者が減少する中で、技術に定評のある修理専門会社を傘下に置くことで、顧客の期待により応えられる体制を構築したいとの考えがあるとのことです。

参考:株式会社 三城ホールディングス「株式会社オプトメイク福井の株式取得に関するお知らせ

ジンズとVios INTERNATIONALのM&A事例

2019年4月に株式会社ジンズが、株式会社Vios INTERNATIONALのアイウェア事業を事業譲渡により譲り受けるM&Aが実施されました。

Vios INTERNATIONALは生活雑貨などを扱う店舗を展開しています。アイウェア事業としては、沖縄県内においてジンズのフランチャイズ加盟店を5店舗展開していました。

このM&Aにより、Vios INTERNATIONALが展開していたジンズの5店舗が、フランチャイズではなくジンズの直営店となります。

この事業譲渡により、ジンズでは店舗のある地域でのより質の高いサービスを提供して、経営基盤の拡大を図るとのことです。

参考:株式会社ジンズ :「事業の一部譲り受けに関するお知らせ

ビジョナリーホールディングスとVISIONIZEのM&A事例

2018(平成30年)7月に株式会社ビジョナリーホールディングスが株式会社VISIONIZEのすべての株式を取得して子会社化するM&Aが実施されました。取得金額は非公表です。

ビジョナリーホールディングスはメガネスーパーやメガネハウスなどを運営している会社です。

株式会社VISIONIZEは、メガネの世界トップブランドであるイタリアのマルコリン社の日本総代理店です。また、メガネ販売店も5店舗展開しています。

このM&Aにより、ビジョナリーホールディングスはサービスや商品の相互供給や相互に付加価値を高めることを目的としています。

参考:株式会社ビジョナリーホールディングス「株式会社VISIONIZE株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

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5. メガネ会社のM&Aの成功のポイント

日本におけるM&Aの成功率は4割に満たないともいわれています。会社や事業の売却による譲渡や買収を希望しても、約6割は失敗に終わります。

M&Aを成功に導くためには、どのようなポイントが有るのでしょうか。メガネ会社をM&Aするときに成功させるために必要な4つのポイントについて解説します。

専門家を活用する

会社の売却や買収、事業譲渡等を考え始めたら、まずはM&Aの専門家に相談することがおすすめです。

今すぐ売却しなければいけない、という状況でなくても構いません。いつかのためにと、漫然と考え始めた段階でも大丈夫なので、一度、M&Aの専門家に相談してみましょう。

M&Aのご相談なら

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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情報漏洩に注意する

M&Aの失敗の原因の一つが情報漏洩です。

M&Aについての話が完全にまとまり、情報を公開する段階に至る前に情報漏洩が起きてしまうと、多くの場合は破談に終わります。

公表する前にM&Aの噂が流れてしまうと、憶測で誤った風評が起こり、ほとんどの場合で信用取引に支障が出てしまいます。売却の目的が後継者不足による事業承継や、事業強化のための戦略的なものであっても、誤った風評は防ぎようがありません。

場合によっては、従業員のモチベーションの低下を招き、退職者が続出してしまうこともあります。

M&Aを進めるにあたっては、専門業者や相手先企業の経営者とは秘密保持契約を結びます。秘密保持契約には守秘義務と情報漏洩した場合のペナルティも記載するので、業者や相手先企から漏れる可能性は少ないでしょう。

情報漏洩する原因は、社内で専門業者との電話や社長室での会話を一般社員に聞かれたなどの、些細なことがほとんどです。M&Aについて会話をする際にはよく気をつけるようにして下さい。

自社の強みとシナジーのありそうな売却先の検討

シナジー(Synergy)とは、日本語の「相乗効果」という意味です。どのような理由で、自分の会社をM&Aで売却することになっても、自社が持つ強みとのシナジーを最大化させることができる企業を売却先として選ぶことがとても大切です

メガネの製造から販売までを含むメガネ業界では、M&Aによるシナジーとは次のような点が考えられます。

  • 販売経路や売り場の共同利用による販路拡大効果
  • 工場や機械、技術を共同利用することによる生産力と技術力の拡大効果
  • 研究開発の成果共有が可能になる
  • 経営者や管理者の経験やノウハウをお互いに活用できる効果

M&Aによる売却を検討するのなら、まずは自社の強みを洗い出した上で、どのような企業なら最もこれらのシナジーを最大化できるのかを、経営者自らがしっかりと考えましょう。

取引先との関係性

メガネの製造会社では部品や素材の供給会社との、販売会社では仕入先との、またどちらの場合も販売先との関係性が構築されています。M&Aで会社を売却するときには、取引先との関係性が売却後にどのようになるのか、よく確認することが大切です。

M&Aで会社を買収する場合は、仕入先や販売先まで含めて重要な資産と考える企業がほとんどです。M&Aによって、それまでの取引先がバッサリと切られてしまう可能性は少ないでしょう。

買収する側がM&A後も取引を続けてくれるかは相手次第ではあるので、M&A後も取引が継続されるかの確認を事前に売却側に求める企業もあります。

M&Aによって大手の傘下に入り、買収された企業の取引先の販路が広がったような例もあるので、M&Aについて取引先にも理解してもらえるように、丁寧に説明するようにしましょう。

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6. メガネ会社のM&A・事業譲渡まとめ

メガネ会社では、事例でもみたように多くのM&Aが成立しています。M&Aを成立させることで、売却側にも買収側にもさまざまな効果があることは、この記事でお伝えしたとおりです。

ぜひ、メガネ会社で今後事業が継続できるか不安に感じることがあれば、ぜひ一度、M&Aの専門業者への軽い相談からはじめてみることをおすすめします。

7. 小売業業界の成約事例一覧

8. 小売業業界のM&A案件一覧

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