建築会社の売却・M&Aの動向は?留意点やポイントから流れまで解説!

企業情報第二本部 第四部 シニアマネージャー
新井 将也

大学卒業後、大手IT企業にて、法人向けコンサルティングセールスに従事。様々な企業の生産性向上、コスト削減、経営課題解決に貢献。その中で国内における事業承継問題の深刻さを痛感し、M&A業界への転身を決意。M&A総合研究所では建設業、介護福祉業、IT業界を中心に幅広く担当。

当記事では、建築会社の売却・M&Aの動向や主な留意点などを解説します。併せて、いざ建築会社の売却やM&Aを行いたいと考えたとき、必要となる簡単な流れや最適な相談先なども紹介するので参考にしてください。建築会社のM&Aを検討している方は必見です。

目次

  1. 建築会社とは
  2. 建築会社の売却・M&Aの動向
  3. 建築会社の売却・M&Aを検討する際の留意点
  4. 建築会社の売却・M&Aを成功させる5つのポイント
  5. 建築会社の売却・M&Aの主な流れ
  6. 建築会社の売却・M&A案件一覧
  7. 建築会社の売却・M&A時におすすめの相談先
  8. 建築会社のM&Aアドバイザーコメント
  9. 建築会社の売却・M&Aのまとめ
  10. 建設・土木業界の成約事例一覧
  11. 建設・土木業界のM&A案件一覧
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1. 建築会社とは

建設会社・建設業界とは、建設業法第2条第2項の定めるところによると「元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」とされています。

つまり、建築会社とは、請け負った際の立場や所属などにかかわらず、建設工事に関する仕事を受注し、完成させることを生業とした業種です。

建築会社・建設業界は、請け負う工事の内容に応じて、総合的な工事を請け負う土木工事業や建築工事業、工事を部分的に請け負う識別工事業もしくは専門工事業、と大きく2工事業に分けられており、さらに細かく区分していくと、29もの許可業種に分けられます。

建築会社・建設会社とゼネコン

建築会社・建設業界はゼネコンと呼ばれる名称が一般的には浸透しています。ゼネコンとは、ゼネラル・コントラクター(General Contractor)の略で、直略すると『総合請負者』です。これはゼネコンの請負体系を如実に表した言葉といえます。

ゼネコンは発注者から受注した建設工事全体の進行や監督管理、指導などを直接の下請け業者に行います。ゼネコンから受注した下請け会社は、孫請け会社に業務を発注するのが、建築会社・建設業界の基本的な流れです。

建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却事例については下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却事例20選!動向や相場、注意点も解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

建築会社業界を取り巻く現状

建築会社・建設業界は、着実に成長することがわかっている将来性のある業種ではありません。実際、市場規模はピーク時の半分ほどに減少しています。建築会社・建築業界は公共事業に依存気味の側面も持っているため、先行きが不透明になる可能性もあります。

近年は建築会社や建設会社の数も減少傾向にあり、廃業を選ぶ会社もありますが、M&Aにより事業や許認可などを引き継ぐケースも増えている状況です。

建築会社・建設業界の特徴は、以下の点が挙げられます。

  • 特殊な下請け構造
  • 入札方式の採用
  • 受注生産

特殊な下請け構造

建築会社・建設業界の特徴として最初に挙がるのが、特殊な下請け構造です。発注者から直接受注する元請けから下請けへの発注、さらに下請けは孫請けへと階層の深い特殊な下請け構造となっています。

こうした特殊な下請け構造を持つ建築会社・建設業界は、ピラミッドに例えられ、重層下請け構造と呼ばれています。

入札方式の採用

建築会社・建設業界では、公共工事を請け負う際、施工業者を決めるために入札が行われますが、入札に参加するための資格が必要であり、保有していなければ入札に参加できません。

工事の受注は、入札額の最も低い価格(制限範囲がある)を提示した業者が権利を得ます。入札額がいくら低く抑えられていても、受注できない可能性もあります。

建物の強度や耐久性・品質に関する条件や騒音対策・リサイクル対策・環境対策などの条件なども含め、総合的に見て入札額が低く抑えられた業者へ発注されるからです。

受注生産

建築会社・建設業界は発注者によるオーダー内容に応じて、建築・工事内容が変わります。全く同じ建築・工事内容になることはほぼありません。

規模が大きな現場では、人員が足りなくなる可能性もあります。期間や環境によっても人員が足りない状況が起こり得ます。こうしたことを背景として建築会社・建設業界では、下請け構造が発展していったと考えられます。

建築会社のM&Aに関する相談を承ります

建築会社のM&Aに関するご相談は、ぜひM&A総合研究所へお任せください。M&A総合研究所では、建築会社のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが親身になって案件をフルサポートします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2. 建築会社の売却・M&Aの動向

建築会社・建設業界では以前より、M&Aが起きにくい業界といわれてきました。その主な原因には、規模経済が起きにくい点が挙げられます。入札参加の機会が減少する点も原因の一つでしょう。

しかし、近年は、建築会社・建設業界でもM&Aの流れが加速してきています。その理由は、事業規模の拡大や深刻な人手不足です。特に大手の建築会社などでは、M&Aや会社買収を行うことにより、事業規模と優秀な人材を確保しています。

M&Aを率先して行うのは、建築会社・建設業界の最大手ばかりではなく、中堅企業や地方企業なども行っています。

建築会社の事業承継・譲渡の相談先については下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】建築会社の事業承継・譲渡の相談先は?仲介会社の選び方を紹介!

3. 建築会社の売却・M&Aを検討する際の留意点

この章では、建築会社の売却・M&Aを検討する際の留意点を見ましょう。

  1. M&A・会社売却をする妥当な理由
  2. M&A・会社売却後の取引先・従業員への影響
  3. 建設業界特有の認可・引き継ぎ・審査などに関する内容
  4. 粉飾決済の確認
  5. 管理者・責任者などの人材保有数

①M&A・会社売却をする妥当な理由

建築会社の経営者が、最初に知っておく必要があること・確認しておく必要があることは「M&A・会社売却をする妥当な理由」です。ここでは、代表的なM&A・会社売却の理由を紹介します。

  • 健康状態に問題がある
  • 引退する時期を決めていた
  • 事業の将来性に不安がある
  • 別の事業を始めたい
  • 人材が集まらなくなった
  • 大手建築会社・建設会社の内製化に賛成

健康状態に問題がある

健康状態を理由にした会社売却・M&Aは、高齢の経営者が直面する問題といえるでしょう。特にM&Aによる業界再編が起こりにくい建築会社業界では、古くから経営している会社も多く存在します。

後継者への引き継ぎ・事業承継がうまくいかなかった場合、直面する問題です。

引退する時期を決めていた

引退する時期をいつにするのかは個々の問題ですが、リタイア後の生活を念頭に入れて、引退を考える経営者も多いです。健康問題とも重なりますが、自身が健康の内に引退したいと考える経営者は、その時期を決めて、M&A・会社売却の理由として準備を始めています。

事業の将来性に不安がある

市場が不安定であったり、年々市場規模が縮小したりする業界では、M&A・会社売却の大きな理由の一つとして挙げられます。

建築会社を取り巻く現状も決して安定しているとはいえず、年々市場規模が縮小していく状況は、将来性を理由にM&A・会社売却を行う経営者も少なくありません。

別の事業を始めたい

建築会社の事業もうまく行っているが、別事業にも興味がある経営者も少なからずいるでしょう。こうした場合、経営中の建築会社のM&A・会社売却を行い、その資金を元に新しい事業を始めるケースもあります。

すでに2つ以上の事業を経営している中、注力したい事業ができた際、建築会社のM&A・会社売却が行われます。

人材が集まらなくなった

建築業界に限らず、多くの業界が深刻な人材不足に陥っている状況です。その理由としては、人口の減少・少子化などが挙げられます。建築会社業界でもその悩みはつきまとい、受注したくても、人材不足により手が回りません。

大手建築会社・建設会社の内製化に賛成

近年、大手の建築会社・建設会社ではサービスの一体化により、顧客満足度を高めるといった施策を行っています。それに伴い、業務を発注していた下請け会社を子会社化し、内製化を行う動きが活発です。

大手の傘下となることは経営の安定化につながるため、その考えに賛同し、M&A・会社売却により子会社になる選択をする経営者も少なくありません。

②M&A・会社売却後の取引先・従業員への影響

建築会社のM&Aを行う際、譲渡・売却契約成立による取引先や従業員への影響を考えなければなりません。経営者が変わることは、取引先や従業員へ不安を与えます。

建築会社をM&A・売却する際には、「新しい経営者が取引先や従業員をどのように扱うのか、どのように思っているのか」など、取引の中断や離職といったケースを防ぐためにも、事前に調査や聞き取りを行っておく必要があるでしょう。

M&A・会社売却が成立した後、きちんと取引先や従業員に伝えることをおすすめします。

③建設業界特有の認可・引き継ぎ・審査などに関する内容

建築会社・建設業界は、入札に参加するための認可や各種工事の認可など、さまざまな許認可が必要な場面があります。こうした許認可の引き継ぎや申請・審査など、M&A・売却・買収・事業承継する際、どのようにするのかを知りましょう。

特に会社買収を行う側が認可を得ていない場合は、取得の流れを確認しておくとスムーズにM&Aを行えます。

④粉飾決済の確認

M&A・会社売却を検討する前に、経営する建築会社の税務・財務の確認を済ませておき、粉飾決済の有無の確認をしておくことが大切です。

粉飾決済などを含む簿外債務は、M&A・会社買収の際に度々問題となっています。M&A契約の成立後では、売り手側である経営者に直接の被害はないといえるものの、会社に残った従業員には少なからず心理的な影響を与えるでしょう。

経営者としての資質を問われることにもなりかねず、新しい事業を行う際にマイナスの影響を与えます。

M&Aの交渉中に発覚した場合

最も恐れたい事態は、M&Aの交渉が行われているとき、相手企業が行うDDで粉飾決済の疑いが浮き彫りになることです。売却に向けてすでに動き出している最中では、交渉決裂になる可能性が高く、こうした事態はできる限り防ぐ必要があります。

その対策として、M&A・会社売却を検討する際は、できる限り経営する建築会社の税務・財務を会計やM&Aの専門家を交えて確認しましょう。

⑤管理者・責任者などの人材保有数

建築会社・建設会社のM&Aでは、人材を求めた事例も多く存在します。有資格者や現場管理の経験が豊富な人材は重宝され、企業価値評価では見えにくい価値といえます。

M&Aの交渉で、少しでも希望の条件に近い形で会社売却を行いたいのであれば、数字やデータでは表せない優秀な人材を保有している強みを積極的にアピールする必要があるでしょう。

⑥建築会社の売却はM&A総合研究所にお任せください!

中小規模の建築会社のM&A・売却は、近年、増加傾向にあります。適切なタイミングを逃さないよう、日頃から準備を行っておくのも一つの手段です。

M&A総合研究所では、建築会社のM&A・売却に精通したM&Aアドバイザーが交渉からクロージングまで一括サポートします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、建築会社のM&A・売却をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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4. 建築会社の売却・M&Aを成功させる5つのポイント

この章では、建築会社の売却・M&Aを成功させるポイントを見ましょう。主なポイントは、下記です。

  1. アピールポイントや強みを持っている
  2. 会社売却を決断するタイミングを見失わない
  3. 従業員・管理者・責任者など人材が充実している
  4. 財務・税務の管理がきちんとされている
  5. M&Aの専門家に相談する

①アピールポイントや強みを持っている

他の建築会社にはないアピールポイントや強みを持っている企業は、それだけでM&Aの際、有利に交渉を進められます。アピールポイントや強みになる点は、下記です。

  • 特許や特殊な技術を持っている
  • 設備が新しい・充実している
  • 立地が良い・地域性が高い
  • 優秀な人材を持っている

②会社売却を決断するタイミングを見失わない

近年、建築会社・建設業界に大きな業界再編の動きが起こっています。こうしたタイミングは、買収側も積極的に動きます。会社売却を検討する際は、M&Aが頻繁に起こっているタイミングに動き出しましょう。

③従業員・管理者・責任者など人材が充実している

建築会社にとって優秀な従業員・管理者・責任者がいることは、M&Aの大きなアドバンテージになります。少しでも交渉を有利に進めたい場合は、自社の人材をアピールすることも大切です。

④財務・税務の管理がきちんとされている

国内有数の大企業「東芝」でさえ、M&Aで獲得した会社が隠していた簿外債務などの影響で、一気に経営が傾いた事例があります。

もちろん、簿外債務の規模に大小はありますが、気づいていない債務は企業に大きな影響を与えるでしょう。財務・税務の管理がきちんと行われている企業は、M&Aの対象として好印象を受ける建築会社となります。

⑤M&Aの専門家に相談する

建築会社のM&A・会社売却を成功させるポイントの中で、最も大切なのが、専門家に相談することといえます。

M&Aの専門家に相談することで、買収先の選定・書類の作成・戦略の準備・交渉のいろは・統合後の相談など、さまざまな面で良質なアドバイスを受けられるでしょう。

通常業務の間にM&Aの準備をすると、慌ただしい日常がさらに慌ただしくなる可能性もあり、M&Aの専門家に相談することで時間の節約も可能です。

5. 建築会社の売却・M&Aの主な流れ

建築会社の売却・M&Aの主な流れを解説します。全体的な流れを把握しましょう。

【建築会社の売却・M&Aの主な流れ】

  1. 会社売却の相談と簡易的な戦略策定
  2. 会社売却に向けての委託契約・本格的な戦略策定
  3. 会社売却・買収の手続きや各種契約書の締結
  4. デューデリジェンスや条件交渉
  5. クロージング

①会社売却の相談と簡易的な戦略策定

M&Aの専門家に対し、会社売却に関する相談を行います。M&Aの専門家には、仲介会社や公認会計士、アドバイザリーなどがありますが、信頼できる専門家を選んでください。

M&Aの専門家へ相談を行い、会社売却の検討を進め、条件にあった買収先のリストアップや資料作成などを実施します。「どのようにして会社売却を進めるのか」といったM&Aの簡易戦略も立てます。

②会社売却に向けての委託契約・本格的な戦略策定

リストアップされた買収先から候補を選び、M&A成立に向けた交渉を始めましょう。その際、依頼した専門家との間に秘密保持契約などの各種契約を締結します。会社売却へ向けて本格的な戦略を策定します。

③会社売却・買収の手続きや各種契約書の締結

買収先との交渉が進み、トップ同士の面談などが行われた後、M&Aの成立を念頭に置いた基本合意書をはじめとする各種契約書類の締結を行ってください。

④デューデリジェンスや条件交渉

買収先企業が売却先企業の税務・財務・法務状況などを調査(デューデリジェンス)します。デューデリジェンスで特に問題がない場合は、条件面の交渉が行われ、M&Aの最終契約書締結へと向かいます。

⑤クロージング

M&Aの最終契約書が締結され、クロージングです。各種手続きが終了したら、会社の実印などの引き渡しなどが行われます。この後、買収先企業は統合プロセスを実施して、企業の融合を図ります。

6. 建築会社の売却・M&A案件一覧

この章では、建築会社の売却・M&A案件一覧を見ましょう。

進行期増収増益の土木・建築工事会社

近畿にある従業員が20名以下の土木・建築工事会社です。先代経営者が急逝したことによる後継者不足(事業承継)、事業存続に対する不安が譲渡理由です。

売り上げは5億〜10億円で、譲渡価格は12億円(時価純資産:11億5,000円 Net Cash10億円)を希望しています。土木施工管理技士1級を保有する従業員が5名、建築施工管理技士1級を保有する従業員が6名在籍し、収益性も安定している会社の案件です。

建築業に強みを持つ人材派遣会社

東北にある従業員が20名以下の建築業に強みを持つ人材派遣会社です。主な譲渡理由は、後継者不足(事業承継)です。

売上高が5,000万〜1億円で、譲渡価格は5,000万〜1億円を希望しています。大手総合建設会社から安定的な受注を請けており、建設業の許認可を保有しているので自社での施工も可能です。

プレハブ建築工事・リース

中国・四国にあるプレハブ建築工事・リースを手掛ける会社です。慢性的な人材不足により、受注可能な工事が取れない状態にあり、後継者不足(事業承継)、事業存続に対する不安が譲渡理由の案件になります。

売上高が5億〜10億円で、譲渡価格は1億〜2.5億円を希望しています。全国の大手ゼネコンと取引基盤を築いており、売り上げ構成の半分がリース事業で安定した収益が期待できる点が強みです。

7. 建築会社の売却・M&A時におすすめの相談先

この章では、建築会社の売却・M&A時におすすめの相談先を見ましょう。

  1. M&A仲介会社
  2. M&Aアドバイザリー
  3. マッチングサイト
  4. 金融機関・証券会社
  5. 公的機関、事業承継・引継ぎ支援センター
  6. 税理・会計・法務事務所

①M&A仲介会社

M&A仲介会社とは、M&Aや会社売却の相談や検討実施など、すべての面で手厚いサポートが受けられる相談先です。M&A事業に特化した業務内容であるため、知識はもちろん経験も豊富です。

M&A仲介会社には、公認会計士や弁護士など財務・税務・法務とあらゆる面のエキスパートが在籍しているケースが多く、安心して会社売却の成約まで任せられます。

②M&Aアドバイザリー

M&Aアドバイザリーとは、主に大企業やクロスボーダー案件を取り扱うことが多い専門家の一つです。

仲介会社との違いは、買い手・売り手双方の間に立ち、WinWinの関係性を築くために助力する仲介会社に対し、アドバイザリー買い手側・売り手側両者がそれぞれ別のアドバイザリーと契約し、それぞれの利益を最大限獲得できるように交渉します。

③マッチングサイト

近年、増加傾向にあり、建築会社のM&Aに興味がある企業同士がオンラインでマッチングを行います。

登録しておくことで提案が届き、条件が良ければ専門家を交えて交渉が始まるといった流れです。安価なM&A案件も頻繁に提案され、M&Aが行われています。

④金融機関・証券会社

信頼と実績の面で、安心できる相談先です。デメリットは買収先のリスト数が限られることや、買収先が全くリストアップされない可能性があることです。

⑤公的機関、事業承継・引継ぎ支援センター

47都道府県すべてに、政府が主導する事業承継・引継ぎ支援センターがあります。公的機関なので信頼の高さが魅力です。金融機関・証券会社と同様に、買収先候補が少ないデメリットがあり、公的機関であるため使いにくさもあります。

⑥税理・会計・法務事務所

M&A・会社売却を請け負っている税理・会計・法務事務所も増えており、比較的相談しやすい専門家です。個人経営の事務所では、買収相手のリストアップが限られるデメリットがあります。

なお、M&A仲介会社と契約している税理・会計・法務事務所も各地に点在し、こうした対策を行っている税理・会計・法務事務所は、デメリットを減らし地域性の強みを生かしています。

8. 建築会社のM&Aアドバイザーコメント

企業情報第二本部 第四部 シニアマネージャー
新井 将也

大学卒業後、大手IT企業にて、法人向けコンサルティングセールスに従事。様々な企業の生産性向上、コスト削減、経営課題解決に貢献。その中で国内における事業承継問題の深刻さを痛感し、M&A業界への転身を決意。M&A総合研究所では建設業、介護福祉業、IT業界を中心に幅広く担当。

建築業界のM&A動向

建築業界ではM&Aが非常に活発化しており、特に大手ゼネコンや一部の地方ゼネコンでのM&Aが目立っています。
建築業界においてM&Aが活発化する背景には、さまざまな要因が挙げられます。まず、景気の低迷により、建設業界全体での需要の減少が起きています。そのため、新規案件の獲得が難しくなり、他社との提携やM&Aによる事業拡大が選択肢となります。

また、建設業界は特に人手不足が深刻化しており、技術者の確保が非常に困難です。このため、人材の確保を目的としたM&Aや合併が行われることもあります。

さらに、外国勢の参入や、現場でのICT技術の導入に伴い、業務の多様化やデジタル化が進む中、業界トップの企業が市場を席巻する傾向が強まっていることから、規模の拡大や地盤の強化が求められるようになり、M&A・合併が行われる要因となります。

規模拡大・事業範囲の拡充

建築業界においてM&Aが行われる目的としては、まず規模拡大と事業範囲の拡充が挙げられます。近年、オリンピックや大都市圏での高層ビル建設など大型案件の増加に伴い、大手ゼネコンの需要は高まっています。このため、自社の規模を拡大し、ますます大規模な案件に参入することが求められています。
また、建築業界においては、土木工事や造園、設備などの関連業種への進出も求められるため、M&Aによる事業範囲の拡大も背景としています。

人材の確保

M&Aが行われる別の目的として、人材の確保があります。建築業界においては、現場の施工が最も重要な業務となっています。そのため、人材の確保が必要不可欠です。しかし、一部の地方ゼネコンなど採用力が強く無い会社では、人材の確保という観点で不利であることがあります。このため、人材確保の観点から優れた大手ゼネコンとのM&Aが行われるケースが増えています。
大手の傘下に入ることにより、採用力が強化されるケースも多々あります。

建築会社のM&Aにおける今後の展望

今後は後継者不在や人材確保の観点から、M&Aが益々増えていくものと予想しています。
建築業界は、人材で成り立っています。また、必要とされる人材は、技術の進歩と共に、目まぐるしく変化しています。M&Aにおける中小企業についても、同じことが言えます。そのため、将来的にM&Aを検討している中小企業経営者様は、業界での自社の立ち位置を常に把握し、市場に確りと必要とされている時期を逃さずにM&Aの決断をすることが、良い結果に繋がるものと考えられます。

9. 建築会社の売却・M&Aのまとめ

本記事では、建築会社の経営者の方に向けた、売却・M&Aに関する知っておきたいポイントを紹介し、M&Aの流れや相談先に関しても触れました。

本格的に売却を検討する方や準備だけでも始めたい方、後継者問題に悩んでいる方などは、専門家に相談することをおすすめします。

10. 建設・土木業界の成約事例一覧

11. 建設・土木業界のM&A案件一覧

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