2020年06月11日更新
セミリタイア(アーリーリタイア)に失敗!実例から成功する方法を解説!

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
早期リタイアとは、定年退職を迎える前に会社を辞めて生活していくことです。早期リタイアはセミリタイア、またはアーリーリタイアともいいます。本記事ではセミリタイア(アーリーリタイア)に失敗した人たちを参考に、セミリタイア生活に失敗しないコツを解説します。
1. 早期リタイアとは
早期リタイア、セミリタイア、アーリーリタイアのどの言葉を使うかは人によって違いますが、すべて同じようなニュアンスで使われています。しかし、厳密には言葉の定義に違いがあります。セミリタイアとアーリーリタイアの違いについて解説します。
セミリタイア
セミリタイアとは、会社を早期退職し、貯金や投資、アルバイトなどで生活費をまかないながら、極力働かずに生活していくライフスタイルのことです。
セミ(半分)というとおり、早期退職する前よりも働く量は減らしますが、全く働かないというわけではありません。
明確にどの程度働かない生活をしていればセミリタイアという基準があるわけではないので、実際は全く働いていない早期リタイア・アーリーリタイアの状態でもセミリタイアと呼ぶことが多いです。
セミリタイアといえば、以前は40代、50代が大半でした。しかし、近年はインターネットを活用するだけで収入が得られるので、20代、30代で早期退職する人も増えています。
アーリーリタイア
アーリーリタイアは、会社を早期退職して生活していく点はセミリタイアと同じです。
しかし、セミリタイアは多少仕事もしながら生活していくのに対して、アーリーリタイアは全く働かずに生活する点が違います。早期退職するまでの貯蓄や、投資などによる不労所得で生活していきます。早期リタイアとアーリーリタイアは、まったく同じ意味として使われます。
実際は、セミリタイアもアーリーリタイアも同じような意味で使われています。
2. セミリタイア・アーリーリタイアに失敗した実例
早期リタイアに失敗するパターンはさまざまですが、孤独感に耐えられず失敗したパターン、移住先の人間関係に失敗したパターン、資金不足で失敗したパターンをご紹介します。
孤独を感じて後悔
30歳を機に会社を早期退職したSさんは、それまでの貯蓄と投資信託への投資、週に2回のアルバイトで生活しています。生活費に心配はないもののセミリタイア生活の孤独と退屈さに耐えられず、セミリタイア生活は失敗だったと感じています。
しかし10年近くセミリタイア生活をしてきて、今から会社員として働くこともできず、日々悩みながら生活しています。
移住先の人間関係に失敗
Kさんは50代で会社を早期退職し、田舎で早期リタイア生活を始めました。セミリタイアする1年前から田舎へ移住する準備を始め、セミリタイアと同時に移住しています。
しかし、田舎特有のルールになかなかなじめず、イベントなどにもあまり参加しなかったことからうまく人間関係が築けずにいます。先輩移住者もいない地域だったので孤立は深まり、移住生活を止めるか悩んでいます。
資金が足りなくなった?!
30代のEさんは20代のときに始めたFXで大きな資産を築きました。今後もFXで生活していけると確信したEさんは、会社を辞めてFX専業を選びました。
しかし会社を辞めて今までと時間や精神的なリズムが変わったことから、思うように収益が上げられなくなってしまいます。
また、セミリタイア後にスマホゲームに熱中してしまったHさんは、毎月の課金額が大幅に増えてしまい、生活費を圧迫するようになりました。
同時にそれまでブログのアフィリエイトで得ていた収益も減ってしまい、仕事を探さなければいけない状況にまで追い込まれています。
3. セミリタイア・アーリーリタイアに失敗した理由
セミリタイアした人たちのブログなどを参考に、セミリタイアに失敗した理由を解説します。
- 資金不足
- 人間関係
- リタイア後のイメージ不足
- 生活の変化
①資金不足
セミリタイア生活や投資生活をブログやSNSで公開している人たちの中には、投資やアフィリエイトなどで収益を得られるようになったものの、やがて収益が上げられなくなり、セミリタイア生活が失敗に終わる人が多くいます。
偶然に大きな収入が得られたとしても、安定収入がなければどこかでセミリタイア生活が失敗してしまうこともあります。セミリタイア生活には、十分な貯蓄と定期的な安定収入が必要です。
長期間のセミリタイアにとって、現在の収入源はこの先も確実に得られるのか、貯蓄を極力切り崩さなくても生活していけるのかをしっかりと見とおすことが大事です。
②人間関係
会社を早期退職したことで社会とのつながりがなくなったり、家族との関係が変わってしまったりすることによってセミリタイアに失敗する場合があります。
周囲との関係
セミリタイア生活が長くなると、独身の場合は特に社会とのつながりが薄くなりがちです。普段接することはなくても、いざというときに頼れる親類などがいるというだけでも大きな違いになります。
また、家族がある場合は、早期退職に家族が納得するか、家族に対して将来の不安を解消できるような資産状況を築けるかが重要です。
孤独感
早期退職したものの社会とのつながりが途切れて孤独感に耐えられず悩み続けたり、再び会社員に戻ったりする人がいます。セミリタイア生活の失敗要因は資金的な問題だけでなく、精神的な面も大きく影響します。
最初は良くても、セミリタイア生活が長くなり年齢を重ねるごとに孤独感が増していく人は多いです。何かしらのコミュニティに所属するなど、早期退職後も社会とのつながりを作っておく必要があります。
③リタイア後のイメージ不足
セミリタイア後の生活では、それまでとライフスタイルが大きく変わります。セミリタイア後の生活に対応できず、身体的・精神的なストレスが大きくかかる人も多くいます。
また、セミリタイア前の生活水準をなかなか変えられずに、予定していたよりも多くの生活費がかかり続けてしまう場合があります。セミリタイア前に想像していたよりも、セミリタイア生活は楽しくなく苦痛であるという人もいます。
セミリタイア生活を充実させるためにも、セミリタイア生活を始める前にしっかりと準備することが大事です。
④生活の変化
セミリタイア生活が長くなるほど、親の介護問題や自身の健康問題などがリスクとなります。これらのリスクにどのように備えるか考える必要があります。
介護問題
ブログでセミリタイア生活を公開している人の中には、一人暮らしでセミリタイア生活をしていたものの、親の介護で実家に戻った人がいます。また、もともと実家暮らしで親の介護をすることになった人もいます。
親の介護によってセミリタイア生活が崩れてしまう場合があります。親の介護まで想定してセミリタイア生活を始める人は少ないですが、あらかじめしっかりと計画に入れておく必要があります。
健康問題
セミリタイア生活者は、十分すぎる資金で生活している人と、やっとのことで生活できる人の2パターンに分かれます。特に若いセミリタイア生活者は、一人暮らしで節約しながらなんとか生活をしている人が多くいます。
セミリタイア生活が長くなるほど健康のリスクは高くなります。万が一のための資金や健康な生活を心がけるなど、時間をかけて準備することが重要です。
社会的信用を失う
会社を辞めてセミリタイア生活を行うと、ローンが組めなかったり、クレジットカードが作れなかったりするなど、社会的な信用を失うことで困ることもあります。
例を挙げると、長年住んでいたアパートを退去しなければならなくなり急いで新しい住まいを探していた男性は、長年のセミリタイア生活のために社会的信用を担保するものがなく、新しいアパートがなかなか見つかりませんでした。最終的にはアパートが見つかりましたが、漫画喫茶で暮らすことも考えていたようです。
このように社会的信用を失うことも、セミリタイア生活の計画に入れる必要があります。
4. 失敗例に学ぶ成功の秘訣
セミリタイア生活をしている人たちがブログやSNSで語っている失敗例は下記です。
- セミリタイア・アーリーリタイアの目的を確認
- 現実的な資金計画
- セミリタイア・アーリーリタイア後の生活イメージを立てる
- 柔軟に生きる
これらの重要性について解説します。
①セミリタイア・アーリーリタイアの目的を確認
セミリタイアの目的は、仕事を辞めたい、他にやりたいことがある、移住したいなど、人によって理由はさまざまですが、セミリタイアに失敗しないためには目的を明確にする必要があります。
仕事を辞める
セミリタイアを目指す理由で最も多いのが、会社員生活が苦痛で耐えられないというものです。仕事の人間関係が耐えられない、ノルマがきつい、朝がつらいなど、責任の重さと自由のなさから、セミリタイアしたいと考える人が多くいます。
したいことがある
他にも、したいことを行うために早期リタイアする人たちも多くいます。投資生活に集中するために早期リタイアしたという方や、ゲームをするために早期リタイアしたという方など、会社がそれほど嫌だったわけではなくても早期リタイアする人も多いです。
移住したい
定年退職者の間で流行していた田舎暮らしブームは、若い人たちの間でも広がりを見せています。50代以上の場合は十分な資金を貯めて移住し、若い人の場合はお金がなくても工夫しながら田舎暮らしをしている人が多いです。
また海外移住の場合も、50代以上では十分な移住資金を準備して海外移住生活を始める人が多いですが、若い人の場合は、日本である程度お金を貯めたら海外に移住し、お金がなくなったらまた日本で稼ぐというライフスタイルの方もいます。
②現実的な資金計画
セミリタイアの資金で失敗しないためにも、資金計画は非常に大事です。現実的な資金計画の必要性について解説します。
目的に合った必要額を計算する
総務省統計局の調査によると、一人暮らしの生活費は平均で月に約17万円とのデータがあります。40歳でアーリーリタイアしてから85歳までアーリーリタイア生活を続けるとすると、数字上では年金を含めても5,040万円以上の資金が必要です。
もし妻子がいる場合は月30万円前後の生活費が平均なので、さらに多くの資金が必要です。
しかし実際はシンプルな生活で良いのか、生活水準を変えたくないのか、移住生活をしたいかなどの目的によって必要資金は変わります。目的に合わせて必要資金を試算することが大事です。
タイミングごとの資金計画を立てる
以前は、セミリタイアをする年齢は資金を貯めた50代や40代後半が一般的でした。しかしインターネットを活用して収入を得られるようになったことや、独り身で自由に生きたいと考える人が増えたことから、近年は30代、40代からセミリタイアする人も増えています。
セミリタイア生活の開始年齢によって、必要資金は全く違います。また、親や子供など家族の状況によっても必要資金は大きく変わります。
一般的な必要資金の理論値に合わせるだけでなく、自分自身の状況やセミリタイアのタイミングに合わせて資金計画を立てる必要があります。
生活費の見直し
毎月の生活費が不安定であると、セミリタイア生活の計画が立てにくくなり、資金的にも精神的にも不安定な生活をすることとなります。生活費を極力安定させることで、セミリタイア生活を長く続けられます。
セミリタイア生活に成功している人たちの共通点は、セミリタイアするタイミングでうまく生活水準を切り替えています。特に支出をしっかりと意識して節約している人が大半です。
資金を増やす方法を検討
生活していくのに十分な資金を用意してセミリタイア生活を始めたとしても、資金を切り崩しながら生活するのは精神的な負担が大きくなります。リスクを極力抑えた投資や不労所得を得る方法を学ぶことも必要です。
長期間に渡ってリスクを抑えながら投資し続けるには、年利5%までの収益が現実的です。単純計算で2,000万円投資に回せば年間100万円の収益が得られます。20%課税されたとしても80万円の生活費が得られます。
アルバイトやアフィリエイト、クラウドソーシングなど、他の収入と合わせれば貯蓄を切り崩さずに生活することも可能です。
セミリタイアする前に、資金を増やす手段をしっかりと準備しておけば安心して生活ができるようになります。
③セミリタイア・アーリーリタイア後の生活イメージを立てる
セミリタイアの計画に必要なのは資金だけでなく、時間管理や生きがいなども大切です。セミリタイア生活を充実させるために必要な要素について解説します。
時間の使い方
セミリタイアで時間に余裕ができたことによって、逆に時間を有効利用できなくなる人が多くいます。会社員時代に行っていた副業や投資が軌道に乗ってセミリタイアしたものの、時間を有効に使えなくなって思うように稼げないという方もいます。
時間に余裕ができるからこそ、セミリタイア前よりもしっかりと時間を管理する必要があるでしょう。
住む場所
住居に関する費用は生活費の中で大きな割合を占めます。セミリタイアをきっかけに住む場所を変えることは、一時的に出費は増えますが長期的にはかなりの節約になる場合があります。
また、生活環境を変えることでセミリタイア前の生活スタイルをリセットする効果もあります。
趣味
セミリタイアを長く続けている人の声で多いのが、没頭できる趣味がない、または趣味がなくなったというものです。
セミリタイア前に熱中していた趣味に飽きてしまったパターンや、投資や副業など趣味を兼ねて行っていたものがセミリタイア後は仕事のようになり、苦痛になってしまったというパターンがあります。
趣味は、充実したセミリタイア生活に大きな役割を果たします。
生きがい
子供との時間のためにセミリタイアをしたという人やセミリタイア後に地域貢献活動をしている人など、生きがいをもってセミリタイア生活を送っている人たちがいます。
新作アニメや新作ゲームを楽しみに生きているといった、小さな生きがいを積み重ねてセミリタイア生活を送っている人もいます。
生きがいは人それぞれですが、何かしらの生きがいがあるとセミリタイア生活にも張り合いが出てきます。
現実
サラリーマン生活に苦痛を感じていると、セミリタイア生活はお金さえあればとても幸せな生活のように思えますが、実際にセミリタイア生活をしている人たちの声は必ずしも楽しいだけではありません。
セミリタイアを始める前に、実際にセミリタイア生活をしている人から直接話しを聞いたり、ブログやSNSなどで現実をよく知ったりすることが大事です。
④柔軟に生きる
セミリタイア生活は、状況の変化にすぐ対応できなかった人ほど失敗しています。セミリタイア生活には柔軟さも重要です。
資金が足りなければ少し働く?
セミリタイア生活をしている人たちの中には、資金が足りなくなったときにだけ働いて生活費を貯めて、ある程度貯まったらその資金を切り崩しながら生活する人たちがいます。
いざというときに仕事がないなどのリスクもある方法ですが、選択肢の1つとして考えておきたい方法です。
失敗と感じたら方向転換
セミリタイアに失敗したと感じていても、なかなか新しいことを始めたり現在の稼ぎ方を止めたりできない人が多くいます。
どのような稼ぎ方もずっと安定して収入が得られるということはありません。さまざまな要因で生活環境も変わります。危ないと感じたらすぐに方向転換する心構えが必要です。
完璧主義を捨てよう
「セミリタイア生活はこうである」とこだわりが強い人ほど、なかなかセミリタイア生活に踏み切れていなかったり、セミリタイア生活に失敗したりしています。
セミリタイア生活を続けている人たちは、良い意味で適当さももっています。必要のないこだわりは、捨てる勇気も必要です。
5. セミリタイア・アーリーリタイアに失敗!のまとめ
セミリタイアの失敗例を参考に、セミリタイアを継続していくためのポイントを解説してきました。
セミリタイアに失敗した人たちは、早期退職後の孤独感や資金不足、人間関係の変化などが原因で失敗しています。
セミリタイアを成功させるには、目的を明確にして現実的な資金計画を立て、セミリタイア後の生活をしっかりとイメージしながら変化に対して柔軟に対応することが重要です。
セミリタイア後に失敗しないためにも、セミリタイアした人たちの現実をよく知っておく必要があります。
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