事業承継の件数データまとめ!市場規模は伸びている?

企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

昨今は、事業承継を目的として中小企業が積極的に売り手となるM&A件数が増加し、市場規模も伸びている状況です。本記事では、事業承継の件数に関する一定期間の各種データをまとめつつ、市場規模が伸びている理由や事業承継成功の秘訣なども紹介します。

目次

  1. 事業承継の件数・市場規模は伸びている!
  2. 事業承継の件数・市場規模をデータで分析!
  3. 事業承継の市場規模が伸びている理由
  4. 事業承継成功の秘訣
  5. 事業承継の件数データまとめ
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1. 事業承継の件数・市場規模は伸びている!

経済産業省・中小企業庁が2005(平成17)年に事業承継の協議会を発足して15年以上が経ちました。それにあわせて事業承継の手段の1つとして、M&Aが有効であると叫ばれてきました。現在は、事業承継のM&A市場は件数を伸ばしているとされています。

では実際にどのくらいの伸びになっているのか、市場規模を知るうえでも確認が必要です。ここでは事業承継について、データでの統計件数などから把握していきます。

事業承継とは?

事業承継とは、会社や事業の経営を後継者に継がせることです。従来の日本の中小企業であれば、親族、特に経営者の子どもを後継者として事業承継することが多く見受けられました。

しかし、昨今の日本における少子化は深刻で、さらに価値観の多様化も起こり、後継者不足を招いている状態です。そうした中、会社・事業を継続させるために、M&Aによって事業承継していく方法を国が推進しています。

休廃業・解散企業の件数の推移

後継者不在のまま、経営者が引退時期を迎えれば会社は廃業せざるを得ません。たとえ会社の業績がよかったとしてもです。そして、廃業になれば従業員は解雇され職を失います。そのような状況を減らすため、M&Aによる事業承継が推奨されているのです。

ここでは、東京商工リサーチ調査による、近年の日本における休廃業・解散件数の推移を見てみましょう。数値には個人事業主も含まれます。

  • 2013(平成25)年:34,800件
  • 2014(平成26)年:33,475件
  • 2015(平成27)年:37,548件
  • 2016(平成28)年:41,162件
  • 2017(平成29)年:40,909件
  • 2018(平成30)年:46,724件
  • 2019(令和元)年:43,348件
  • 2010(令和2)年:49,698件
  • 2021(令和3)年:44,377件

2021年に休廃業・解散した企業のうち、56.5%は黒字であったことがわかっています。多くは後継者不在などが原因との推定です。

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2. 事業承継の件数・市場規模をデータで分析!

それでは、事業承継のM&Aにおける市場規模を件数から見ていきます。今回は中小企業庁が2016年に公表したデータを基に以下の5項目についてまとめました。この5項目のデータの件数などを見ることで、事業承継の市場規模を推し量ることが可能です。

  1. 事業承継の件数
  2. 事業承継スキームの内訳
  3. 業界の内訳
  4. 事業承継にかかる期間
  5. 事業承継の準備状況

①事業承継の件数

事業継承件数推移

平成28年4月26日中小企業庁財務課「事業承継に関する現状と課題」

出典:http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/2016/160426jigyousyoukei5.pdf

中小企業庁によると、事業承継・引継ぎ支援センターで請け負った事業承継の案件数は、年を追うごとに増加しています。相談件数、M&Aの案件数ともに、1年ごとに倍増で推移している状況です。統計年数が2015年ですから、現在の件数はもっと多いと見込めます。

②事業承継スキームの内訳

事業承継スキーム内訳

平成28年4月26日中小企業庁財務課「事業承継に関する現状と課題」

出典:http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/2016/160426jigyousyoukei5.pdf

事業承継の相談案件のうち、M&Aに対する案件が70%近くという非常に多い件数だといいます。事業承継・引継ぎ支援センターが関わった事業承継では、M&Aによる譲渡が71%です。また、従業員承継も13%という件数となっています。

③業界の内訳

業界の内訳と従業員数

平成28年4月26日中小企業庁財務課「事業承継に関する現状と課題」

出典:http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/2016/160426jigyousyoukei5.pdf

事業承継・引継ぎ支援センターが関わった事業承継において業界の内訳を見ると、製造業が19%と一番多い件数となっています。続いて卸・小売業の件数が2番目に多く、建設工事業、飲食店・宿泊業、運送業という件数順になりました。

また、企業の従業員数に目を向けてみると、従業員数が10人以下という企業の件数が約70%と、小規模な企業が事業承継・引継ぎ支援センターには数多く相談したことがわかります。

④事業承継にかかる期間

事業承継をするうえで、後継者の育成期間には5~10年程かかっているようです。この期間からわかるように、事業承継における後継者育成期間の短縮は困難だとわかります。そこでM&Aによる事業承継を行うことで、期間などの効率化を図れる可能性があるということです。

⑤事業承継の準備状況

事業承継の準備状況や期間は、経営者の考え方によってそれぞれです。しかし、多くの企業が、事業承継に対して準備不足が指摘されています。70代、80代の経営者においても、事業承継の準備が終わっているのは半数以下という状況です。

3. 事業承継の市場規模が伸びている理由

統計のデータや件数から見ても、事業承継の案件数の中でもM&Aは伸びていることがわかりました。しかし、なぜ事業承継の市場規模が件数を伸ばしているのでしょうか。その理由として考えられるのは以下の5つとなります。

  1. 事業承継5ヶ年計画の策定
  2. 事業承継税制の拡充
  3. 事業引継ぎ支援センターの体制強化
  4. 高齢化に伴う経営者の引退ラッシュ
  5. 戦略としての認知度アップ

①事業承継5ヶ年計画の策定

中小企業庁は、2017年に事業承継を推進するため、事業承継ガイドラインに基づいて事業承継5ヶ年計画を策定しています。これは後継者問題を解決するべく、この計画で5年間で集中して支援するということです。この計画により事業承継の件数が伸びています。

中小企業庁が定めた事業承継5ヶ年計画における5つの項目の概要は、以下のとおりです。

経営者の「気付き」の提供

事業承継の必要性があるにもかかわらず、日々の業務に追われてしまい、事業承継の重要性や準備期間などの認識不足が生じているのが現状です。こうしたことがないように中小企業庁では、事業承継プラットフォームの立ち上げを行い支援をすることでニーズを掘り起こしています。

後継者が継ぎたくなるような環境を整備

中小企業が事業承継を考えるときに懸念されることが、赤字などの企業経営です。そうした状況に対して中小企業庁は経営改善の取組を支援しています。さらには早期承継におけるインセンティブの強化を図り、後継者や経営者による経営の合理化やビジネスモデルの転換なども支援内容です。

後継者マッチング支援の強化

日本では、M&Aによる事業承継は中小企業にとってはあまり良いイメージではありませんでした。そうした考え方が変わってきた昨今において、M&Aのマッチングは非常に重要です。

また、マッチングを図るためには数多くのM&Aの案件数を保持している必要性があります。そうした後継者マッチングの強化を図ることも目標です。

事業からの退出や事業統合などをしやすい環境の整備

企業の廃業は、関連する企業や地域社会へ影響を及ぼす場合があります。そうした事態を避けるためには、取引会社との事業統合や地域企業の協力が不可欠です。

計画では、このようなサプライチェーンや地域における事業承継だけではなく、事業の再編や統合を促進することで、中小企業の経営力強化を後押しするとしています。

経営人材の活用

計画では、経営者候補やアドバイザーなどの役割を担ってくれる、高い経営能力を有している外部人材の活用環境を整えるとしています。これにより、事業承継後の事業継続について、安心して経営を行うことが可能です。

②事業承継税制の拡充

事業承継税制が拡充されたことにより、税制優遇を受けられるようになりました。この事業承継税制を活用すると、贈与税や相続税の納税が猶予され、最終的には免除も可能です。ただし、後継者となるものが、贈与や相続を受ける前に都道府県知事から認定を受ける必要があります。

③事業承継・引継ぎ支援センターの体制強化

事業承継5ヶ年計画にもあるマッチング強化の一環として、事業承継・引継ぎ支援センターの体制強化が行われています。具体的には、マッチング件数2,000件や小規模M&Aマーケットの形成などを行い、事業承継のニーズに答えていくというものです。

また、事業から引退しやすい環境整備の構築を図るとしています。

④高齢化に伴う経営者の引退ラッシュ

現在の日本において、企業の経営者で多い年齢層は60歳代後半といわれています。この数字からわかるように、日本では経営者の引退ラッシュが起こっているのです。

事実、休業や廃業に至る企業の割合は倒産の割合の3倍程度あるといわれており、後継者不足や人材不足が深刻化しています。従業員の事ことや地域社会の貢献などを考えると、M&Aによる事業承継を選択する場合が増えているというわけです。

⑤戦略としての認知度アップ

日本では従来、大企業などの大きな規模以外のM&Aにおける事業承継は、あまり良い印象を持たない傾向がありました。また、中小企業においては、親族以外の後継者を嫌う傾向もあったようです。

しかし、昨今の少子高齢化による人材不足により、従来型の事業承継が困難となるケースが多くなりました。そうした背景も受けてM&Aによる事業承継が認知されると、その合理性などもあいまって認知度が一気にアップし、市場が伸びたと考えられています。

【関連】中小企業庁が事業承継の5ヶ年計画を策定!その内容を簡単解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

4. 事業承継成功の秘訣

事業承継をM&Aで行う場合、マッチング件数も大切ですが、マッチングされる企業が非常に重要です。また、トラブルなどを抱えることも少なくなく、非常に神経質になる部分でもあるとされています。そうした中、事業承継M&Aを行う場合は、仲介会社選びがポイントです。

大規模M&Aを主に扱う仲介会社もあるため、自社に合ったところを探す必要があります。M&Aでの事業承継をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、案件ごとにM&Aアドバイザーがつき、親身になってフルサポートいたします。

料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)です。無料相談は、お電話・Webより随時お受けしておりますので、事業承継M&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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5. 事業承継の件数データまとめ

事業承継のM&A市場が伸びている理由には、中小企業庁が策定した事業承継5ヶ年計画などの施策が大きく関わっていることがわかりました。また、事業承継には準備が必要だということも明白です。

今後は経営者のボリュームゾーンの引退により、事業承継がM&Aの市場でより注目されています。情報を精査するだけではなくM&A仲介会社に相談を行い、余裕を持った事業承継を行うことが重要といえるでしょう。

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