企業価値100億超の会社売却・バイアウト成功事例やポイントを解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&A件数では中小企業の事例が多いですが、業界にインパクトを与えるのは、企業価値100億円超の大規模な会社売却・バイアウトです。本記事では、企業価値100億円超の会社売却・バイアウト成功事例を紹介するとともに、成功のためのポイントなどを解説します。

目次

  1. 会社売却・バイアウトとは
  2. 企業価値100億円超の会社売却・バイアウト成功事例
  3. 会社売却・バイアウトの価格を決める企業価値算定方法
  4. 企業価値100億円超の会社売却・バイアウトを行うポイント
  5. M&Aの際におすすめの仲介会社
  6. まとめ
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1. 会社売却・バイアウトとは

会社売却・バイアウトとは

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトは毎年多く行われており、業界の勢力図が変わるので同業種の中小企業にも大きな影響を及ぼすことがあります。

この章では、企業価値100億円超の会社売却・バイアウトについて解説する前に、会社売却・バイアウトとは何かといった基本事項を説明します。

会社売却とは

会社売却とは、株式会社や合同会社などの会社を売却することです。医療法人や社会福祉法人など、会社法以外の法律にもとづいて設立された法人の売却も、まとめて会社売却と呼ぶことがあります。

M&Aにおける会社売却とは、株式譲渡などで経営権を譲渡して会社を包括的に売却する取引を指すことが多いです。

M&Aには事業譲渡のように会社そのものは売却しない手法もあり、このような手法は除外するというニュアンスになります。

この場合、事業譲渡などによるM&Aは「事業売却」と呼んで区別します。しかし、事業譲渡も含めて会社売却と呼ぶこともあり、定義にあいまいさがある用語だといえます。

バイアウトとは

バイアウトとは、M&Aにおいて株式を買い取る取引のことを意味します。経営陣・従業員に事業承継するための資金調達や株式の買取を、それぞれ「マネジメント・バイアウト(MBO)」「エンプロイー・バイアウト(EBO)」と呼びます。

また、レバレッジを効かせて大規模な買収を行う「レバレッジド・バイアウト(LBO)」という手法もあります。

【関連】会社売却・バイアウトの流れと手法、実務を解説【成功事例あり】

2. 企業価値100億円超の会社売却・バイアウト成功事例

企業価値100億超の会社売却・バイアウト成功事例

この章では、2020年上半期に行われたM&Aのなかから、企業価値100億円超の会社売却・バイアウト成功事例を10例紹介します。

【企業価値100億円超の会社売却・バイアウト成功事例】

  1. アークランドサカモトによるLIXILビバの会社売却・バイアウト事例
  2. SBSホールディングスによる東芝ロジスティクスの会社売却・バイアウト事例
  3. 新生銀行によるUDC Financeの会社売却・バイアウト事例
  4. 東海カーボンによるCarbone Savoieの会社売却・バイアウト事例
  5. ノーリツ鋼機によるAlphaThetaの会社売却・バイアウト事例
  6. グローリーによるアクレレック社の会社売却・バイアウト事例
  7. 三菱商事と中部電力によるエネコ社の会社売却・バイアウト事例
  8. 前田建設工業による前田道路の会社売却・バイアウト事例
  9. ベインキャピタルによる昭和飛行機工業の会社売却・バイアウト事例
  10. 大王製紙と丸紅によるサンテル社の会社売却・バイアウト事例

①アークランドサカモトによるLIXILビバの会社売却・バイアウト事例

アークランドサカモト

アークランドサカモト

出典:http://www.arcland.co.jp/

2020年11月、アークランドサカモト株式会社がLIXILビバ(現株式会社ビバホーム)の株式をTOB(株式公開買付)などで取得し、完全子会社化しました。

買収金額は1085億円であり、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトのなかでは、2番目に大きい事例となっています。

アークランドサカモトは新潟県を中心に展開する「ホームセンタームサシ」を運営する会社で、ビバホームはホームセンターチェーン「ビバホーム」などの運営を手がける会社です。

首都圏に店舗を持つLIXILビバを獲得し、首都圏進出を目指すのが会社売却・バイアウトの目的となっています。

②SBSホールディングスによる東芝ロジスティクスの会社売却・バイアウト事例

SBSホールディングス

SBSホールディングス

出典:https://www.sbs-group.co.jp/

2020年10月に、SBSホールディングス株式会社が東芝ロジスティクス株式会社の株式を取得し、連結子会社化しました。

買収金額は199億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトのなかでは、14番目に大きい事例となっています。SBSホールディングスは総合物流企業で、東芝ロジスティクスは東芝傘下の物流会社です。

東芝ロジスティクスが持つ4PL事業のノウハウなどを活かし、企業価値の向上を目指すのが会社売却・バイアウトの目的となっています。

③新生銀行によるUDC Financeの会社売却・バイアウト事例

新生銀行

新生銀行

出典:https://www.shinseibank.com/

2020年9月に、株式会社新生銀行がニュージーランドのUDCファイナンス社の全株式を取得し、完全子会社化しました。

買収額は515億円で、2020年上半期における企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、8番目に大きい事例となっています。

新生銀行は東京都中央区に本店を構える銀行で、UDCファイナンス社は個人向けのオートローンや法人向けのファイナンス事業を行っています。

新生銀行はグループ企業がローンやリース事業を行っており、その知見を活かしてUDCファイナンス社の企業価値を向上することが会社売却・バイアウトの目的となっています。

④東海カーボンによるCarbone Savoieの会社売却・バイアウト事例

東海カーボン

東海カーボン

出典:https://www.tokaicarbon.co.jp/

2020年7月に、東海カーボン株式会社がCarbone Savoie社の株式を取得して子会社化しました。買収金額は197億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトのなかでは、15番目に大きい事例となっています。

東海カーボンはカーボン関連製品のメーカーで、Carbone Savoie社はフランスのカーボン関連製品メーカーです。

カーボン事業の成長とポートフォリオ分散により、企業価値を向上させることが会社売却・バイアウトの目的となっています。

⑤ノーリツ鋼機によるAlphaThetaの会社売却・バイアウト事例

ノーリツ鋼機

ノーリツ鋼機

出典:https://www.noritsu.co.jp/

2020年4月に、ノーリツ鋼機株式会社がAlphaTheta株式会社(旧Pioneer DJ)の株式を取得して子会社化しました。

買収金額は350億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、9番目に大きい事例となっています。

ノーリツ鋼機は音響機器や医療データ分析調査会社などを有する持株会社で、AlphaThetaはDJ機器のメーカーです。

ノーリツ鋼機とAlphaTheta両者の経営資源を活かし、企業価値の向上を目指すことが会社売却・バイアウトの目的となっています。

⑥グローリーによるアクレレック社の会社売却・バイアウト事例

グローリー

グローリー

出典:https://www.glory.co.jp/

2020年4月に、グローリー株式会社がアクレレック社の株式を取得して子会社化しました。買収金額は242億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、12番目に大きい事例です。

グローリーは現金入出金機・レジつり銭機などの貨幣処理機メーカーで、アクレレック社はフランスのセルフサービスキオスク機器メーカーです。

本事例により、グローリーは海外事業を拡大し、企業価値を向上させることを目的としています。

⑦三菱商事と中部電力によるエネコ社の会社売却・バイアウト事例

三菱商事

三菱商事

出典:https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/

2020年3月に、三菱商事株式会社と中部電力株式会社が、オランダのエネコ社の全株式を取得して完全子会社化しました。

買収金額は約5000億円と、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは最も大規模な事例となっています。

エネコ社はオランダ・ベルギー・ドイツなどで総合エネルギー事業を展開しており、再生可能エネルギー開発に力を入れています。

エネコ社の知見を活用して環境保全などを推進するとともに、企業価値を向上することが会社売却・バイアウトの目的となっています。

⑧前田建設工業による前田道路の会社売却・バイアウト事例

前田建設工業

前田建設工業

出典:https://www.maeda.co.jp/

2020年3月に、前田建設工業株式会社が前田道路株式会社の株式を敵対的TOBで取得し、完全子会社化しました。前田道路はTOBを拒否しましたが、買い付け上限を上回る応募がありTOBが成立しました。

買収金額は861億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、4番目に大きい事例となっています。

前田建設工業は大手総合建設会社で、前田道路は土木建設業および道路舗装業を手がける会社です。協働体制を強化し、企業価値を向上することが会社売却・バイアウトの目的となっています。

⑨ベインキャピタルによる昭和飛行機工業の会社売却・バイアウト事例

ベインキャピタル

ベインキャピタル

出典:http://www.baincapital.co.jp/

2020年3月に、ベインキャピタルが昭和飛行機工業株式会社の株式をTOBで取得して子会社化しました。

買収金額は694億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトのなかでは、6番目に大きい事例です。

ベインキャピタルはアメリカのPE(プライベート・エクイティファンド)で、昭和飛行機工業は航空機機装品などを製造する機械メーカーです。

ベインキャピタルの支援により、昭和飛行機工業の企業価値向上を目指すことが、会社売却・バイアウトの目的となっています。

⑩大王製紙と丸紅によるサンテル社の会社売却・バイアウト事例

大王製紙

大王製紙

出典:https://www.daio-paper.co.jp/

2020年2月に、大王製紙株式会社と丸紅株式会社が、ブラジルのサンテル社の全株式を取得して完全子会社化しました。株式は大王製紙と丸紅の共同投資会社が取得します。

買収金額は584億円で、2020年上半期の企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、7番目に大きい事例となっています。

大王製紙は「エリエール」などで知られる製紙メーカー、丸紅は芙蓉グループの総合商社、サンテル社はブラジルの大手衛生用品メーカーです。

大王製紙の南米地域への進出、およびサンテル社の企業価値向上が会社売却・バイアウトの目的となっています。

3. 会社売却・バイアウトの価格を決める企業価値算定方法

会社売却・バイアウトの価格を決める企業価値算定方法

会社売却・バイアウトを行うためには、企業価値を正しく評価する必要があります。特に非上場企業は市場株価がないので、企業価値評価が重要になります。

企業価値評価方法にはさまざまな種類があり、それらはコストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの3つに分類されます。

企業価値評価は専門家が行うものなので、会社売却・バイアウトを行う経営者が詳細を知る必要はありませんが、その妥当性を評価するためには概要を知っておく必要があります。

【会社売却・バイアウトの価格を決める企業価値算定方法】

  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

コストアプローチ

コストアプローチは会社の純資産を企業価値とみなす手法で、企業価値が100億円に満たない中堅・中小企業の会社売却・バイアウトで用いられることが多いです。

純資産だけでは会社の将来性を評価できないので、将来性をのれんとして考慮することもあります。コストアプローチの主な手法としては、簿価純資産法・時価純資産法があります。

インカムアプローチ

インカムアプローチとは、会社が将来どれくらいの利益をあげられそうか予想して、そこから企業価値を評価する手法です。

インカムアプローチは、企業価値100億円超の大企業の会社売却・バイアウトでよく利用されています。

インカムアプローチの主な手法には、DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)・収益還元法などがあります。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、事業内容などが似た企業の株価や売上高などを参考にして、企業価値を見積もる手法です。

上場を目指している非上場企業が、似た上場企業の株価などを参考にして企業価値を評価する時に用いられます。マーケットアプローチの主な手法には、類似企業比較法・類似業種比較法などがあります。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

4. 企業価値100億円超の会社売却・バイアウトを行うポイント

企業価値100億超の会社売却・バイアウトを行うポイント

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトは大規模な取引になるので、細心の注意を払う必要があります。

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトを行う主なポイントとしては、以下の4点が挙げられます。

【企業価値100億円超の会社売却・バイアウトを行うポイント】

  1. 相手先とのシナジー効果がある
  2. 従業員に能力・技術力・経験などがある
  3. 相手先に共感を得る企業理念がある
  4. 信頼できるM&Aの専門家に相談する

1.相手先とのシナジー効果がある

シナジー効果とは、相手企業の経営資源や強みとの相互作用で、自社だけではできない企業価値向上を実現することです。

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、相手先とのシナジー効果がどれだけ得られるかが重要になります。

2.従業員に能力・技術力・経験などがある

会社売却・バイアウトでは、施設や店舗などの有形資産の譲渡・獲得も重要ですが、ブランドイメージや特許、従業員の能力・技術力・経験といった無形資産の価値にも注目する必要があります。

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、相手企業の従業員に能力・技術力・経験などがあるか見極めることが大切です。

3.相手先に共感を得る企業理念がある

会社売却・バイアウトをすると両社が親会社・子会社となり、以後は協働していくことになります。

シナジー効果などの実利に着目するのはもちろん重要ですが、従業員がよりよい環境で働けるかどうかも成功を大きく左右します

別々な会社同士が協働する時に、トラブルの原因になりやすいのが経営理念の違いです。自社では当たり前だと思っていた文化や風土が受け入れられなかったり、親会社の経営理念を一方的に押し付けられたりすると、従業員のモチベーション低下にもつながります。

企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、相手先に共感を得る企業理念があることも重要なポイントとなります。

4.信頼できるM&Aの専門家に相談する

M&Aは成約までの期間も長く、専門性の高い手続きが多く存在します。手続きを円滑に進めるため、さらには経営者の精神的負担や本業への支障を軽減するためにも、信頼できるM&Aの専門家に相談することが大切です。

M&Aの専門家として一般的なのはM&A仲介会社ですが、企業価値100億円超の会社売却・バイアウトでは、M&Aアドバイザリーが利用されることも多いです。

M&Aアドバイザリーは仲介会社と違って依頼者の立場に立ってサポートしてくれるので、より有利な条件で会社売却・バイアウトできることがあります。

5. M&Aの際におすすめの仲介会社

M&Aの際におすすめの仲介会社

企業価値100億超の会社売却・バイアウトはメディアにも取り上げられることが多く注目度が高いですが、実際のM&Aは中堅・中小企業によるものがほとんどです。

M&A総合研究所は、売上規模一億円から数十億円程度の中堅・中小企業のM&Aを手がける仲介会社です。さまざまな業種で50件以上のM&A実績があるアドバイザーが、親身になってクロージングまでサポートいたします。

料金は着手金・中間報酬無料の完全成功報酬制で、業界最安値水準の仲介手数料体系となっています。成約しなければ料金は無料なので、安心して相談できるのがメリットです。

無料相談は随時受け付けておりますので、M&Aをご検討中の経営者様はお電話かメールで気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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6. まとめ

まとめ

本記事では、企業価値100億円超の会社売却・バイアウトについて解説しました。2020年上半期だけでも多くの成功事例があり、会社売却・バイアウトが活発に行われていることがわかります。

【会社売却とバイアウト】

  • 会社売却とは株式会社や合同会社など企業売却すること
  • バイアウトとはM&Aにおいて株式を買い取る取引のこと

【会社売却・バイアウトの価格を決める企業価値算定方法】
  1. コストアプローチ
  2. インカムアプローチ
  3. マーケットアプローチ

【企業価値100億円超の会社売却・バイアウトを行うポイント】
  1. 相手先とのシナジー効果がある
  2. 従業員に能力・技術力・経験などがある
  3. 相手先に共感を得る企業理念がある
  4. 信頼できるM&Aの専門家に相談する

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