株式交換の株価への影響を解説!株価は上がる?下がる?【事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式交換を行った際、株価にはどのような影響があるのでしょうか。この記事では、株式交換の概要や、株価に影響を与える理由、自社株の評価を下げる方法などについて、事例を交えて解説しています。また、株式交換に反対する方法や、株主への注意点についてもを解説しています。

目次

  1. 株式交換とは
  2. 株式交換が株価に影響を与える理由
  3. 株式交換を利用して自社株の評価を下げるには
  4. 株式交換の株価の影響を事例から見る
  5. 株式交換に反対して株価を守る手段
  6. 株式交換発表後に個人株主が注意すること
  7. まとめ
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1. 株式交換とは

株式交換とは

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株式交換とは、対象会社の株式をすべて取得し、自社の株式を割り当てる手法のことです。1999年の商法改正をきっかけに、企業再生の手段として用いられています。

株式交換を行うのは、対象会社の発行済み株式をすべて取得する会社と、対象会社の株主です。株式交換の契約を結ぶと、株式を買い取る側(完全親会社)と、株式を買い取られる側(完全子会社)の間で、株式交換の比率を定めます。

そして、交換比率に応じて、完全親会社の株式を、完全子会社の株主へ割り当てて、株式交換を完了させます。

株式交換の目的

企業は、なぜ株式譲渡を選ばずに、株式交換を用いるのでしょうか。株式交換を利用する企業は、主に次の2つを目的として、株式交換を選んでいます。
 

  1. 買収コストを抑える
  2. 簡易な取引
  3. 会社の独立性を維持する

株式交換の目的①買収コストを抑える

ひとつ目の目的は、買収コストを抑えるためです。株式交換では、自社の株式を対象会社の株主に割り当てるため、現金による取引を必要としません。

そのため、多額の現金が手元になくても、対象会社を子会社とすることが可能です。

株式交換の目的②簡易な取引

2つ目の目的には、簡易な取引を挙げられます。対象会社の株式を取得する際、ひとりひとりの株主と交渉するのは、骨が折れます。

しかし、株式交換を用いれば、株主総会の特別決議で、議決権を持つ株主の過半数が出席し、出席した議決権者の2/3以上の賛成により、株式の交換が行えます。

反対する株主が少数なら、個別に交渉を行わなくても、株式を取得できるため、株式交換が選ばれているとえます。

簡易・略式株式交換の活用

株式交換には、手続きを簡略化できる簡易株式交換と、略式株式交換が用意されています。簡易株式交換に該当すれば、完全親会社は株主総会の決議を省くことが可能です。

また、略式株式交換の条件を満たせば、完全子会社側が、株主総会の決議を省けるとされています。このような手法が用意されているため、企業は株式交換によって対象企業の子会社化を図っているといえるでしょう。

株式交換の目的③会社の独立性を維持する

3つ目の目的は、会社の独立性を維持するためです。株式交換を行っても、子会社は独立した法人のままでいられるため、企業名の変更などは行われません。これなら、従業員や取引先・顧客への影響を抑えられるので、株式交換が選ばれているといえます。

【関連】株式交換とは?手法やメリット・デメリットを解説【成功事例あり】

2. 株式交換が株価に影響を与える理由

株式交換が株価に影響を与える理由

出典: https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%A0%AA%E5%BC%8F-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9-1730089/

なぜ、株式交換を行うと株価に影響が及ぶのでしょうか。株価に影響を与える理由には、以下の3つが挙げられます。
 

  1. 株式交換による上場廃止の影響
  2. 株式交換の際のプレミアム支払いの影響
  3. 株式交換が行われると株価は上がる?下がる?

①株式交換による上場廃止の影響

ひとつ目に挙げられる株式交換による株価への影響は、上場の廃止です。完全子会社となる企業が上場企業なら、株式交換により上場廃止に至ります。

上場廃止の基準を満たせなくなるものの、株主には完全親会社の株式が交付されるため、株主の利益は守られるといえるでしょう。

しかし、株式市場への影響を考慮せずに株式の交換比率を定めてしまうと、完全親会社・完全子会社の株価が上下します。

上場廃止が株価に影響を及ぼしたケース

株価への影響をわかりやすくするために、完全親会社となる企業が、交換比率を高めてしまったケースを例に挙げてみましょう。

完全親会社となる企業は、高い交換比率により、交付する株式を増やしたことで、株式市場に自社の株価を下げる動きが反映されます

一方、完全子会社となる企業の株主は、株式の交換により、交付される株式が増えて、所有する資産価値が高まります。すると、株価の上がる動きが市場に現れるとされています。

②株式交換の際のプレミアム支払いの影響

2つ目に挙げられる株式交換による株価への影響は、プレミアムをつけた支払いです。株式交換では、市場価格よりも高い値をつけて、株式の交換を行います。

これは、完全子会社となる企業の株主に向けて、メリットをアピールし、株式の譲渡を促すためです。

株式交換の発表により、プレミアムの付与が認識されれば、株価の高まりに合わせて市場での買いが増えるようになります

すると株式の売買停止までに、市場での売り買いが盛んになるため、プレミアムの支払いによって、完全子会社の株価には、上がる動きが促されるといえるでしょう。

③株式交換が行われると株価は上がる?下がる?

3つ目に挙げられる株式交換による株価への影響は、当事会社に見られる株価の上昇と下落です。

株式交換に関わる親会社と子会社は、取引の発表・株取引の中止・効力の発生などに合わせて、株価に変化が生じます。

親会社の株価は上がる?下がる?

親会社が上場企業なら、株式交換によって株価への影響は避けられません。一般的な株価変動を調べると、株式交換の発表後に、下がる動きを見せています

その後、株式交換の効力発生日が近づくにつれて、上がる動きへと変わっていくことがわかります。

ただし、場合によっては、株式交換の発表後に株価が上がるケースも見られます。そのため、親会社の株価変動は当事会社によって異なると、覚えておきましょう。

子会社の株価は上がる?下がる?

子会社の株価変動を調べてみると、一般的には、株式交換の発表後に上がる動きを見せています。しかし、その後は株価を下げる動きに変わり、売買の最終日が迫るにつれて、株価の上昇が見て取れるでしょう。

ただし、一部の子会社では株式交換の発表後に、株価を下げる動きを見せていたため、発表後の株価変動は、それぞれのケースによると考えてください。

株式交換の相談は、M&A総合研究所へ

株式交換で株価の上昇・下落を懸念される場合は、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、株式交換に精通した公認会計士が専任につき、アドバイス・サポートを行います。

また、クロージングまでのフルサポートいたしますので、株式交換後の影響を考えた対応が可能です。

相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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3. 株式交換を利用して自社株の評価を下げるには

株式交換を利用して自社株の評価を下げるには

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オーナーが2つの会社(非上場)を所有している場合、株式交換を利用することで、自社株の評価を下げられます。

所有するA・Bという2つの会社があり、会社の規模はAの方が大きくBの方が小さい、というケースで考えてみましょう。

この場合、規模の小さいB社を親会社、規模の大きいA社を子会社として株式交換を行えば、株価の発行や株価の評価方法によって、自社株の評価を下げることができます。

株式の発行で自己株の評価を下げる

A社は株式交換のため、B社の株主へ自社の株式を新たに発行します。すると、A社の株式が増えるため、1株あたり配当金・利益・純資産が下がり、株式の評価も低下するといわれています。

規模の大きい会社ほど自社株の評価を下げられる

非上場会社の株式は、主に会社の規模(従業員・総資産・売上高)を基準にして、評価額を算出します。

大会社の評価額は、類似業種比準価額によって算出され、中・小会社は類似業種比準価額と純資産価額を合わせた算出法を採用しています。

また、算出方法は、類似業種比準方式(類似業種比準価額と純資産価額の併用)と純資産価額方式から選びます。一般的には、類似業種比準方式の方が、評価額が低くなるとされています。

つまり、株式交換では、類似業種比準方式を採用し、類似業種比準価額の割合が高い大規模会社を親会社に据えることで、自社株の評価を下げられるといえるでしょう。

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4. 株式交換の株価の影響を事例から見る

事例から見た株式交換による株価への影響

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株式交換を行った企業は、株価にどのような動きが見られたのでしょうか。株式交換が株価に与えた事例を取り上げて、株価の動きを紹介します
 

  1. パナソニックと三洋電機
  2. 出光興産と昭和シェル石油
  3. メルカリとマイケル
  4. トヨタ自動車とダイハツ工業
  5. ウエルシアHDとCFSコーポレーション
  6. 日清紡HDと新日本無線
  7. セブン&アイHDとニッセン
  8. 味の素とカルピス
  9. ファミリーマートとユニー
  10. 太平洋セメントとデイ・シイ

①パナソニックと三洋電機

ひとつ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、パナソニックと三洋電機の株式交換です。

この事例では、パナソニックを親会社、三洋電機を子会社として、簡易株式交換の手法を用いた株式交換を行っています。

三洋電機は株式交換に先立って、上場を廃止し、パナソニックの完全子会社になりました。

株式の交換比率は、パナソニック1:三洋電機0.115という割合です。パナソニックは三洋電機の株式をすべて取得し、交換比率に基づいて、三洋電機の株主へ自社の株式を割り当てています。

また、単元未満の株式は買取・買増を行い、1株以下の端数についても、金銭を支払うとのことです。

パナソニックの株価変動

パナソニックの株価は、株式交換の発表当日に1,169円(終値)をつけ、その後少しずつ株価を下げる動きに変わわっています

一時は1,000円台を割りましたが、株式交換の完了日には、1,058円(終値)まで回復しています。

三洋電機の株価変動

三洋電機の株価は、株式交換の発表日に137円(終値)をつけ、発表翌日の株価は130円(終値)と下がる値動きが見られます

株式交換の完了日までは、徐々に下がる傾向が見られ、最低価格は98円(終値)となり、売買の最終日では、116円(終値)に落ち着いています。

②出光興産と昭和シェル石油

2つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、出光興産と昭和シェル石油による株式交換です。

出光興産を完全親会社、昭和シェル石油を完全子会社とし、株式交換の比率を1:0.41と設定し、取引を行っています。

出光興産の株式を昭和シェル石油の株主へ交付し、出光興産は昭和シェル石油の発行株式をすべて取得したとのことです。

出光興産の株価変動

株式交換を発表した日の株価は、5,740円(終値)で、それから株式交換の効力発生日までは、下落の動きを見せています。4,000円台から、3,000円台まで下がり、効力発生日の株価は3,795円(終値)をつけています。

昭和シェル石油の株価変動

株式交換を発表した当日の株価は2,378円(終値)で、翌日の株価は2,390円(終値)と上がるものの、その後は株価が下がる値動きが顕著です。最低価格が1,413円(終値)で、取引の最終日は1,682円(終値)に落ち着いています。

③メルカリとマイケル

3つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、メルカリとマイケル株式会社による株式交換です。メルカリを完全親会社、マイケル株式会社を完全子会社とし、簡易株式交換によるスキームで、株式交換を行っています。

株式の交換比率は、メルカリ:マイケル株式会社=1:194.83という値です。メルカリはマイケル株式会社の発行株式をすべて取得し、マイケル株式会社の株主には、1株につき194.83株のメルカリ株を交付したとのことです。

メルカリの株価変動

マイケル株式会社との株式交換を発表した当日は、3,150円(終値)をつけましたが、翌日は3,115円(終値)まで下落しています。

株価はその後、下がる動きを見せ、一時期には2,685円(終値)まで下落し、取引の効力発生日には、3,000円を下回る2,996円(終値)の値をつけています。

④トヨタ自動車とダイハツ工業

4つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、トヨタ自動車とダイハツ工業です。トヨタ自動車を完全親会社、ダイハツ工業を完全子会社とし、簡易株式交換によって、両社の株式が交換されています。

株式の交換比率は、トヨタ自動車:ダイハツ工業=1:0.26の値です。この取引により、トヨタ自動車はダイハツ工業の普通株式をすべて取得し、ダイハツ工業の株主へ自社の株式・54,035,654株を割り当てています。

ダイハツ工業は株式交換により、上場を廃止したとのことです。

トヨタ自動車の株価変動

株式交換を発表した日の株価は、7,200円(終値)をつけ、翌日には7,339円(終値)に上昇し、上がる動きを見せています。

発表の前後では株価を上げる動きが見られたものの、その後は5,000円台の前半にまで下落し、株式交換の実施日が近づくと、5,000円台の後半まで回復しています。

ダイハツ工業の株価変動

株式交換の発表当時の株価は、1,860円(終値)で、翌日には1,977円(終値)と値を上げる動きを見せています。その後は徐々に株価を下げる動きが見られ、1,300円台まで下落したこともありました。

とはいえ、売買の最終取引日が迫ると、1,500円前後まで株価が回復しています。

⑤ウエルシアHDとCFSコーポレーション

5つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、ウエルシアHDとCFSコーポレーションによる株式交換です。ウエルシアHDを完全親会社、CFSコーポレーションを完全子会社とし、簡易株式交換の手続きにより、株式の交換を終えています。

両社の株式交換比率は、ウエルシアHD:CFSコーポレーション=1:0.20です。ウエルシアHDはCFSコーポレーションの発行済み株式をすべて取得し、CFSコーポレーションの株主へ、1株につき0.20株のウエルシアHD株を交付しています。

また、CFSコーポレーションは株式交換の完了に先立ち、上場廃止を実施したとのことです。

ウエルシアHDの株価変動

株式交換を発表した日の株価は、4,545円(終値)で、翌日には5,020円(終値)が上がっています。株価は、株式交換の効力発生日が近づくにつれて上がるようになり、一時は6,630円(終値)をつけたほどです。

その後は、下がる傾向を見せ、効力発生日には5,520円(終値)まで、値を下げています。

CFSコーポレーションの株価変動

株式交換の発表日やその翌日では、ほとんど株価に変化は見られませんでした。しかし、翌月の中ごろから徐々に株価が上がるようになり、最高で1,319円(終値)がつけられています。

株価は売買の最終日が近づくにつれて下がり、1,008円(終値)をつけて上場廃止を迎えています。

⑥日清紡HDと新日本無線

6つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、日清紡HDと新日本無線による株式交換です。

日清紡HDを完全親会社、新日本無線を完全子会社とし、簡易株式交換によって、株式交換の取引を行っています。

株式の交換比率は、日清紡HD:新日本無線=1:0.65という割合です。日清紡HDは新日本無線の発行済み株式をすべて取得し、新日本無線の株主に対して、交換比率に合わせた株式を交付したとのことです。新日本無線は、株式交換を前に、上場廃止に至っています。

ちなみにこちらの事例では、株式交換によって、単元未満株式を保有することが予想できたため、新日本無線の株主に対して、単元未満での買取・1単元までの買増権を与えています。

日清紡HDの株価変動

株式交換を発表する前の日では、株価が1,595円(終値)をつけていましたが、発表当日は1,478円(終値)にまで下落しています。

その後は、1,100円台まで下がるものの、株式交換の効力発生日が近づくにつれて、1,200円台にまで回復する動きを見せています。

新日本無線の株価変動

株式交換を発表する前の日には、株価が904円(終値)だったものの、発表当日には950円(終値)をつけ、株価の上昇が見られます。

しかし、その後は徐々に株価を下げる動きに移ってしまい、売買の最終日には765円(終値)まで下落しています。

⑦セブン&アイHDとニッセン

7つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、セブン&アイHDとニッセンによる株式交換です。セブン&アイHDを完全親会社、ニッセンを完全子会社として株式交換を行っています。

ただし、株式の交換では、子会社のセブン&アイ・ネットメディアを通じて、親会社・セブン&アイHDの株式を、ニッセンに割り当てる、いわゆる三角交換によって株式交換を行っています。

セブン&アイ・ネットメディアが、ニッセンの発行株式をすべて取得し、ニッセンの株主に対し、セブン&アイHDの普通株式を交付したとのことです。

単元未満の株式については、買取・買増を認めているため、ニッセン側の株主への配慮がなされているといえるでしょう。

また、ニッセンは株式交換の実行日を前に、上場廃止の手続きを踏んでいます。

セブン&アイHDの株価変動

株式交換を発表した前後では、4,200円台(終値)をつけ、大きな変化は見られません。しかし、その後は上がる動きを見せ、4,300円台、4,400円台を行き来し、一時は4,840円(終値)に達しています。

ところが、株式交換の効力発生日が近づくにつれて、株価は下がるようになり、効力発生日には4,441円(終値)に落ち着いています。

ニッセンの株価変動

株式交換の発表前には、株価97円(終値)をつけていたものの、発表後は76円(終値)に下がる動きが見られます。

その後も、60円台後半から70円台前半を行き来し、売買の最終日も67円(終値)で取引を終えています。

⑧味の素とカルピス

8つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、味の素とカルピスによる株式交換です。味の素を完全親会社、カルピスを完全子会社として、2007年に株式交換を行っています。

株式の交換比率は、味の素:カルピス=1:0.95の割合です。味の素は、比率に従って、自社の株式をカルピスの株主へ交付しています。

さらに、割り当てられた味の素の株式が1株に満たない場合には、端数に応じて、金銭の交付を行うとのことです。

また、カルピスは株式交換の効力発生日を前に、上場廃止の手続きを踏んでいます。

味の素の株価変動

株式交換の発表前後では、1,432円(終値)から1,470円(終値)へと、株価が上昇しています。

しかし、その後の動きは、1,300円台後半から1,400円台前半まで低下し、株式交換の効力発生日には1,452円(終値)に落ち着いています。

カルピスの株価変動

株式交換の前後では、1,106円(終値)から1,306円(終値)へと、株価の上昇が見られます。

その後も、1,200円台の後半から1,300円台後半の間を行き来し、売買の最終日には1,304円(終値)をつけて、取引を終えています。

⑨ファミリーマートとユニー

9つ目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、ファミリーマートとユニーによる株式交換です。

経営統合による吸収合併を目的に、完全親会社をファミリーマート、完全子会社をユニーとした株式交換を行っています。

株式の交換比率は、ファミリーマート:ユニー=1:0.138の割合です。ファミリーマートは、交換比率に応じて、ユニーの株主に対し、自社の普通株式を交付しています。単元未満の株式については、買取・買増制度の利用を促しているとのことです。

また、株式交換により1株に満たない、ファミリーマート株を所有するケースについても、端数に応じた金銭の交付を行っています。

ちなみに、ユニーはこの株式交換により、上場廃止に至っています。

ファミリーマートの株価変動

株式交換の発表前後の株価変動は、5,820円(株式)から5,550円(終値)と変わり、大きく値を下げています。

その後は、5,000円台後半から6,000円台前半を維持し、吸収合併が迫るにつれて、7,000円台の値をつけています。ちなみに、効力発生日の株価は、7,410円(終値)です。

ユニーの株価変動

吸収合併の発表前後は、766円(終値)から796円(終値)へと上がるものの、すぐに745円(終値)まで下がっています。

その後は、800円前後をキープし、最終の売買日が近づくにつれて、再び上がり、最終日には1,063円(終値)をつけて取引を終えています。

⑩太平洋セメントとデイ・シイ

10番目に紹介する株式交換によって株価に影響が見られた事例は、太平洋セメントとデイ・シイによる株式交換です。

太平洋セメントと完全親会社、デイ・シイを完全子会社とし、簡易株式交換による取引を実行しています。

株式交換の比率は、太平洋セメント:デイ・シイ=1:1.375という割合です。太平洋セメントは、デイ・シイの株式をすべて取得し、交換比率に基づいて自社の株式を、デイ・シイの株主へ交付しています。

単元未満の株式については、買取・買増に応じ、1株未満の株についても金銭での支払いに応じたとのことです。デイ・シイはこの株式交換により、上場廃止となっています。

太平洋セメントの株価変動

株式交換の発表前後では、279円(終値)から299円(終値)に上昇しています。その後は、200円台後半から200円台中盤へと下がる傾向が見られ、株式交換の効力発生日が近づくと、また200円台後半に上昇する動きが読み取れます。

デイ・シイの株価変動

株式交換の発表前後には、352円(終値)から401円(終値)に上がっています。その後は、300円台後半から300円台前半に下がるものの、最終の取引日が迫るにつれて、再度400円近くまで上昇する動きを見せています。

5. 株式交換に反対して株価を守る手段

株式交換に反対して株価を守る手段

出典: https://pixabay.com/ja/photos/%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6-%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2-%E8%83%BD%E5%8A%9B-1340649/

株式交換によって株価を下げることが予想される場合、株主はいくつかの手段を講じることで、株式交換を食い止められます。

株式交換の反対には、以下のような手段が用意されています。
 

  • 株主総会の特別決議で議決権を持つ出席者の半数が出席し、1/3以上が反対する
  • 無効確認訴訟を起こす
  • 完全親会社の株主の1/6以上が、反対を表明する(簡易株式交換の場合のみ)
  • 差止請求を行う(略式株式交換で、完全親会社が特別支配会社の場合のみ)

6. 株式交換発表後に個人株主が注意すること

株式交換発表後に個人株主が注意すること

企業が株式交換を発表した場合、株主はどのような点に注意を払えばよいのでしょうか。株式交換が発表されると、以下のような事態が想定されます。

個人株主の方は、紹介する3つの事態を把握して、株式交換に備えておきましょう。
 

  1. 単元未満株式となる可能性
  2. 株価の変動が大きい可能性
  3. 新しい株式に交換されるタイミング

①単元未満株式となる可能性

ひとつ目に挙げる株式交換発表後に個人株主が注意する点は、単元未満株式への移行です。株式には、単位(100株を1単位)が定められています。そして、株式交換では、株価の高い企業を親会社、株価の低い企業を子会社とするのが一般的です。

このようなケースで、株価の高い完全親会社から株式が交付されれば、株価の違いにより、子会社の株主には交換比率に基づき、少ない数の株式が割り当てられます。すると、1単位に満たない単元未満株式に変わる事態が想定されるでしょう。

しかし、単元未満株式に移行しても、株主の権利は保証されています。会社法により、単元未満となる場合には、株式の買取・買増のほか、1株に満たない端数に対する金銭での支払いを受けられます。

②株価の変動が大きい可能性

2つ目に挙げる株式交換発表後に個人株主が注意する点は、株価の大きな動きです。株式交換では、親会社の純資産や、株式の時価総額、子会社とのシナジーなどが考慮され、株価が大きく変動します。

とくに、株式交換を発表した日や、売買の最終日(上場廃止となる子会社の株式)などの前後では、株価の変動が見られます。

③新しい株式に交換されるタイミング

3つ目に挙げる株式交換発表後に個人株主が注意する点は、株式交換が行われる時機です。株式交換の効力日を迎えると、自動で親会社の株式に交換されてしまいます。

そのため、株式交換によって株の価値が下がると捉える方は、市場での最終売買日を前に、株式の売却を行ってください。

株式交換の効力発生日と、売買の最終日は異なります。株式の売却を考えている方は、効力発生日と合わせて、売買の最終日も確認しておきましょう。

【関連】株式交換の法務手続きまとめ!期間やスケジュールはどれぐらい?

7. まとめ

まとめ

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株式交換による株価への影響について、事例や注意点、影響が及ぶ理由などを紹介しました。株式交換を行うと、公表日・売買の最終日・効力の発生日などの前後で、株価の変動が見られます。

自社が株式交換で親会社・子会社となる、株式を保有する会社が株式交換を行う場合には、株価が変動することを知っておきましょう。

株式交換で株価の上昇・下落を懸念される場合は、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、株式交換に精通した公認会計士が専任につき、クロージングまでのフルサポートいたします。

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