2019年09月03日更新
空調設備工事会社のM&A!動向や相場、おすすめ仲介会社も紹介【事例あり】

空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡を検討されていますね。空調設備工事会社のM&Aは活発に行われています。今回は、空調設備工事会社の事業の特徴や市場動向、M&A・買収・売却・譲渡価格相場などを解説!メリットや成功するポイントを押さえて、M&Aを成功させましょう。
目次
1. 空調設備工事会社とは
空調設備工事会社とは、冷暖房などの空調設置工事を手掛ける会社のことです。工事を行う建物には、一般の住宅や会社、工場などを対象としています。
空調設備工事会社の工事は、2種類に分けられています。発注者によって、元受け工事と下請け工事に分類されるのです。
そのほかに挙げる空調設備工事会社の特徴には、関連する事業の展開があります。空調設備工事会社では、冷暖房の空調工事のほか、吸排気の工事、室温湿度を調整する工事などを行っています。
この記事では、空調設備工事会社が属する業界や、調設備工事会社のM&Aや買収・売却・譲渡の取引額、利用するM&A仲介会社など、空調設備工事会社の譲渡・譲受に必要な情報を取り上げています。
空調設備工事会社業界の定義
空調設備工事会社業界には、冷暖房の設置工事をはじめ、建物設計・施工や、電気・ガス工事、建物の保守点検など事業を行う会社が属しています。
それぞれの空調設備工事会社は、空調設備の工事に合わせたサービスを提供することで、他社との差別化を図っているのです。
一度の工事でより多くの利益を上げられるように、冷暖房の設備工事と並行して行う工事(吸排気・電気・ガス工事など)を行っていたり、工事を終えた後の保守点検を行ったりなど、付帯するサービスを提供しています。
空調設備工事会社業界に属する会社は、自社で行える工事を増やし、工事を終えた後のフォローにも対応することで、業界の中で生き残れるポジションを確立させているのです。
2. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡について、気になる業界の動向を紹介します。国土交通省の調査によれば、空調設備工事会社業界の規模は、平成29年度で約1兆3,000億円でした(民間工事のみ)。
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の動向は以下の4つのポイントを押さえて理解しましょう。
- 業界の多くは中小企業のため競争が激しい
- 規模拡大を目指したM&Aは増加傾向
- 周辺事業を買収しワンストップ経営を目指す企業も増加
- 業界全体の後継者問題も顕著
以上の4つのポイントを抑え、空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡についての理解を深めましょう。
①業界の多くは中小企業のため競争が激しい
ひとつ目の空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向は、中小企業による激しい競争です。国土交通省の調査によると、平成30年3月末の時点で、以下のような調査結果が得られています。
データを見ると、資本金200万~5,000万未満の中小企業が、全体の8割以上を占めているのです。そのため、空調設備工事会社の業界では、中小企業同士の競争が激しいといえます。
大臣・知事の許可を得た業者数(一般・特定建設業者) | ||||||||
資本金 | 個人 | 200万円未満 | 200万円~ 500万円未満 |
500万~ 1,000万未満 |
1,000万~ 2,000万円未満 |
2,000万円~ 5,000万円未満 |
5,000万円~ 1億円未満 |
1億円以上 |
業者数 | 7,923 | 2,178 | 17,836 | 12,967 | 19,991 | 18,069 | 3,430 | 2,060 |
「国土交通省/建設業許可業者数調査の結果について」より(平成30年3月末時点)
②規模拡大を目指したM&Aは増加傾向
2つ目の空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向は、規模の拡大によるM&Aの増加です。上場を果たしている企業では、M&Aを利用したサービスの強化を図っています。主なM&A事例を2つ挙げてみましょう。
1つめは、四電工による菱栄設備工業の買収です。2020年の東京オリンピック後に予想される建設需要の低下を見越して、電気工事に付帯する空調設備工事会社などを買収しています。他県の企業を獲得することで県下における需要の低下を補い、他社との競争に打ち勝つ計画です。
もうひとつは、ミライト・テクノロジーズによる西日本電工の買収です。M&Aを利用した買収により、電気設備・空調設備・太陽光発電設備工事などを獲得しています。
買収により空調設備工事事業の強化を図り、付帯工事事業(エネルギー・ビル事業)を拡大させることを目的としています。
③周辺事業を買収しワンストップ経営を目指す企業も増加
3つ目の空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向は、付帯事業の買収による包括経営の増加です。空調設備工事会社が、電気設備や給排水工事の事業を獲得し、一括したサービスの提供を計画しています。
ラックランドによる、大阪エアコンやオーエイテクノ、光立興業の買収例を紹介しましょう。
店舗の企画から保守点検までの一貫したサービスを強化するため、冷凍冷蔵設備工事会社や、空調設備工事会社、ガス空調機器の設置・保守を手掛ける会社を獲得しています。
相手の買い手企業が欲しい事業だけを売却することもできます。一部の事業を切り出して譲渡することを、事業譲渡といいます。
事業譲渡であれば、残った事業の経営を続けることができるのです。
空調設備工事会社の事業譲渡については『
空調工事会社は事業譲渡がチャンス!手続きやメリットを詳しく解説』で詳しく説明しています。メリットとデメリットをしっかり把握して、M&Aの手法を決定していきましょう。
④業界全体の後継者問題も顕著
4つ目の空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡動向は、後継者問題です。国土交通の「建設業を取り巻く情勢・変化 参考資料」によれば、建築業に携わる人の年齢は、約3割を55歳以上の方が占めています。しかも、29歳以下の方はたったの1割ほどです。
つまり、空調設備工事会社の業界も高齢化を迎え、技術を承継したり、会社を継いだりする人が減っていることが分かります。
現在後継者に悩んでいるのであれば、M&Aで解決することができます。親族や従業員に会社を引き継がなくても、第三者の企業へ会社を売却することで会社が事業継続させることができるのです。
空調工事会社の事業承継にお悩みであれば、『空調工事会社は廃業よりも事業継承すべき!動向や手続きの方法を詳しく解説』を参考にして下さい。メリットや事業承継先の探し方、事業承継の流れについて詳しく解説しています。
3. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡のメリット
空調工事会社をM&A・買収・売却・譲渡するメリットを説明します。メリットは次の3つです。
- 現金が手に入る
- 事業拡大など会社を安定させられる
- 後継者不在を解決できる
それぞれのメリットを詳しく確認しましょう。
メリット1.現金が手に入る
空調工事会社をM&A・買収・売却・譲渡すると、現金を手に入れられます。
まとまった資金を入手できるため、老後の蓄えにしたり、新規事業の立ち上げに充てたりできるでしょう。
ただし、取引で提示される譲渡価格から専門家への報酬や税金などを支払わなければならないことは、覚えておきましょう。
メリット2.事業拡大など会社を安定させられる
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡を行うことで、大手企業の傘下になったり、資本業務提携をして資金を調達したりして経営を安定させられます。
大手企業の傘下になれば、親会社が持つ顧客にサービスを提供することや人材不足を解消できるのです。資金を得て、空調工事周辺のサービスを取り入れることもできるでしょう。
このように空調設備工事会社をM&A・買収・売却・譲渡すると、顧客基盤や事業を強化でき、収益アップや経営安定に繋がります。
メリット3.後継者不在を解決できる
空調設備工事会社のM&A・売却・譲渡によってパートナー企業を作ることで、後継者がいなくても会社を存続させられます。
もし後継者不在のために廃業も考えているなら、M&Aを行う方が良いでしょう。なぜなら、会社を株式譲渡することで従業員の雇用を守れるからです。廃業してしまうと、従業員や取引先に迷惑をかけてしまいます。
後継者不在で悩んでいるなら、M&A・売却・譲渡を視野に入れて専門家に相談してみましょう。
4. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相場
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相場は、対象事業・企業の資産や、企業価値評価の仕方によって異なります。そのため、平均的な相場は決められません。
空調設備工事会社のM&A・買収、売却・譲渡を望む方は、過去の案件を参考にしてみましょう。同じ業種はもちろん、事業・会社の規模や、売上高、従業員の数、M&Aのスキームなどから、自社と類似する案件を調べて、おおよその相場を把握してください。
しかし、高い価格で会社や事業を売却したいのであれば、自社ならではの強みを明確にし、買い手企業にアピールすることが大切です。
「強みと言われても分からない」と思う経営者もいるかもしれませんが、しっかり自社のことを分析してみましょう。
以下の内容について分析することで、自社ならではの強みが見えてくるかもしれません。
- カバーしているエリア
- 従業員の技術力
- 展開しているサービス・商品
- 顧客
- ブランド力
これらの観点から自社を分析してみましょう。ほかの企業にはない自社の強みが出てくるはずです。
強みが分かれば、その強みを魅力的に感じてくれる買い手企業を探しましょう。
関西エリアをカバーしているのであれば、首都圏だけで展開している同業会社はエリア進出のために「買収したい!」と思うはずです。
最適な買い手企業を見つけることが、高い価格で取引をすることに繋がります。
空調設備工事会社の買い手企業を見つけるには、M&A総合研究所に相談しましょう。成約するまで一切の費用がかかりません。お気軽にお問い合わせください。
5. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社10選
この章では、空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社を紹介します。おすすめの仲介会社は以下の10社です。
- M&A総合研究所
- インテグループ
- M&Aキャピタルパートナーズ
- 株式会社ストライク
- 日本M&Aセンター
- 株式会社中小企業M&Aサポート
- 株式会社ソリューションパートナーズ
- 株式会社ロシェル
- かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社
- ケンビレッジ株式会社
それぞれのM&A仲介会社の特徴を知って、自社にふさわしいM&A仲介会社を選びましょう。
①M&A総合研究所
ひとつ目に紹介する、空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、M&A総合研究所です。
業界最安水準の成功報酬・スピーディな対応・プロによる専任サポートを提供するほか、M&Aプラットフォームによるマッチングサービスも行っています。
また、M&A専門の公認会計士が最初から最後までサポートしてくれるので、安心して案件を任せることができるのです。
①M&A総合研究所 | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
特異な業種 | 幅広い業種を取り扱う |
案件の規模 | 小・中規模が中心で、大型・非公開案件は少数 |
公開されている実績 | 非公開 |
お問い合わせ先 | 0120-401-970 |
サイトURL | https://masouken.com/lp01 |
M&A総合研究所であれば、着手金・中間金無料の完全成功報酬制です。気軽に、ご相談ください。
②インテグループ
2つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、インテグループです。
料金体系に成功報酬制を採用し、中規模の案件を得意としています。スピーディーな対応をしてくれるので、早く売却したいと思うのであればおすすめのM&A仲介会社と言えるでしょう。
②インテグループ | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 生活・社会・通信・インフラサービス |
案件の規模 | 売上高1億前後~150億円ほど |
公開されている実績 | 102件 |
お問い合わせ先 | 03-6206-6980 |
サイトURL | https://www.integroup.jp/ |
③M&Aキャピタルパートナーズ
3つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、M&Aキャピタルパートナーズです。東証一部に上場するM&Aの仲介会社で、中小企業の案件を豊富に取り扱っています。
③M&Aキャピタルパートナーズ | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 調剤薬局業 |
案件の規模 | 売上高1億円前後~数十億円ほど |
公開されている実績 | 452件 ※2018年9月期 |
お問い合わせ先 | 03-6880-3800 |
サイトURL | https://www.ma-cp.com/ |
④株式会社ストライク
4つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、株式会社ストライクです。東証一部に上場する企業で、公認会計士や金融機関の出身者がM&Aの仲介をサポートします。
④株式会社ストライク | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 製造・IT・建設業 |
案件の規模 | 売上1億円以下 |
公開されている実績 | 88件 ※2018年8月期 |
お問い合わせ先 | 0120-552-410 |
サイトURL | https://www.strike.co.jp/ |
⑤日本M&Aセンター
5つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、日本M&Aセンターです。中堅・中小企業を対象としたM&A仲介会社で、27年に渡ってM&Aをサポートしています。
⑤日本M&Aセンター | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 多様な業種を扱う |
案件の規模 | 小・中規模 |
公開されている実績 | 649件 ※2018年3月期 |
お問い合わせ先 | 0120-03-4150 |
サイトURL | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
⑥株式会社中小企業M&Aサポート
6つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、株式会社中小企業M&Aサポートです。
8割に近い成約率(2017年度~2018年11月末)から、利用者の希望に沿った仲介サービスが見てとれます。
⑥株式会社中小企業M&Aサポート | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 幅広い業種を取り扱う |
案件の規模 | 売上高数千万~数億円 |
公開されている実績 | 成約率78.3% ※2017年度~2018年11月末 |
お問い合わせ先 | 03-6860-8272 |
サイトURL | https://www.chusho-ma-support.com/ |
⑦株式会社ソリューションパートナーズ
7つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、株式会社ソリューションパートナーズです。
売り手の意思を尊重し、クロージングまでの一貫したサポートを提供しています。
⑦株式会社ソリューションパートナーズ | |
方針 |
|
対応エリア | 国内外 |
得意な業種 | 流通・IT・人材・医療サービス |
案件の規模 | 年商数千万~数十億円 |
公開されている実績 | 成約率72% ※2017年1月時点 |
お問い合わせ先 | 03-3518-2895 |
サイトURL | http://www.solution-p.co.jp/ |
⑧株式会社ロシェル
8つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、株式会社ロシェルです。独立系の仲介会社で、中堅や中小企業向けの仲介サービスを提供しています。
⑧株式会社ロシェル | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | IT・システム開発、サービス・小売業 |
案件の規模 | 5,000万~数十億円 |
公開されている実績 | 8件の成功事例 |
お問い合わせ先 | 03-5829-8412 |
サイトURL | https://www.rochelle.co.jp/index.html |
⑨かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社
9つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社です。士業を中心にM&Aの仲介業を行う会社で、海外の案件も取り扱っています。
⑨かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 | |
方針 |
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対応エリア | 国内外 |
得意な業種 | 多様な業種を取り扱う |
案件の規模 | 中小企業や中堅規模 |
公開されている実績 | 54件 ※2017年度 |
お問い合わせ先 | 03-6205-7994 |
サイトURL | https://www.kaedefa.com/ |
⑩ケンビレッジ株式会社
10番目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡におすすめの仲介会社は、ケンビレッジ株式会社です。建設業に特化したM&Aサイト・建設M&Aを通じて、仲介サポートを行っています。
⑩ケンビレッジ株式会社 | |
方針 |
|
対応エリア | 全国 |
得意な業種 | 建設業 |
案件の規模 | 売上高数千万~数億円 |
公開されている実績 | 7件 |
お問い合わせ先 | 03-6869-4434 |
サイトURL | http://kensetsuma.com/ |
以上が、空調設備工事会社のM&Aで頼りになるM&A仲介会社でした。規模や費用などを確認し、自社にふさわしいM&A仲介会社を選びましょう。
6. M&A仲介会社の主な役割
M&A仲介会社を利用すると、どのようなサービスが提供されるのでしょうか。そもそも、M&A仲介会社とはM&Aの最初から最後までを総合的にコンサルティングしてくれる存在です。M&Aを実行するのであれば、絶対に欠かせない存在と言えるでしょう。
この章では、M&A仲介会社の主な役割について解説します。
M&A仲介会社の役割は主に以下の5つです。
- M&A案件の紹介や相手探し
- M&Aの際の交渉
- M&A先企業のデューデリジェンス
- 契約書類の作成
- 統合プロセスの調整
M&A仲介会社の役割を詳しく確認していきましょう。
①M&A案件の紹介や相手探し
ひとつ目に挙げるM&A仲介会社の役割は、M&A案件の紹介と、マッチングサイトによる相手探しです。専任のスタッフが、自社にふさわしい相手を、データーベースや提携先から紹介してくれます。
また、仲介会社が運営するマッチングサイトを利用すれば、時間や場所を問わず、希望に合う相手を探すことができます。
②M&Aの際の交渉
2つ目に挙げるM&A仲介会社の役割は、M&A交渉のサポートです。M&Aの交渉では、条件を詰める際、面と向かって希望を伝えると角が立つ場合があります。
そこで、M&Aの仲介会社を介して自社の条件を伝えれば、不利益を被るリスクも減らすことができ、双方が納得してM&Aの交渉を進めることができます。
③M&A先企業のデューデリジェンス
3つ目に挙げるM&A仲介会社の役割は、M&A先に対するデューデリジェンスの実施です。対象企業に財務・税務・法務デューデリジェンスなどを行い、M&A先に適しているかを、調べてくれます。
提示されたデータを確かめてくれたり、M&A後のリスクを発見してくれたりと、ふさわしいM&A先としての見極めをサポートしてくれるのです。
④契約書類の作成
4つ目に挙げるM&A仲介会社の役割は、契約書の作成を代行してくれることです。買い手側が承継の意思を示す意向表明書や、両社が取り交わす基本合意・最終契約書は、作成するために専門的な知識を必要とします。
M&A仲介会社は、自社で専門家を抱えていたり、士業(税理・弁護・公認会計士など)と提携していたりするため、契約書の作成を安心して任せることができます。
⑤統合プロセスの調整
5つ目に挙げるM&A仲介会社の役割は、統合プロセスの調整です。M&Aでは、最終契約を済ませた後の対応が、業績を左右します。
異なる組織が合わさるため、人事・労務などのシステムや、経営方針、勤務体系などを、ひとつにまとめる必要がでてきます。
M&Aを仲介会社に依頼すれば、デューデリジェンスの段階で、統合プロセスの計画を立ててくれます。事前に計画を立てることで、M&A後の調整を早め、すぐに事業を始める・短期間で経営を軌道に乗せられるなどのメリットが得ることができます。
7. 空調設備工事会社M&A・買収・売却・譲渡の際の仲介会社の選び方
仲介会社に、空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡を依頼する場合、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
事業や会社の譲渡・承継を考えている方は、以下のポイントを押さえて仲介会社を選ぶとよいでしょう。
- その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 自社と同規模の案件実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
以上の5つのポイントを確認し、M&A仲介会社選びに失敗しないようにしましょう。
①その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
ひとつ目に紹介する仲介会社の選び方は、専門知識・M&A実績の有無です。M&A仲介会社には、それぞれ得意とする業種があります。
そのため、建設業の案件を取り扱っていたり、成約の実績を上げていたりする会社を選びましょう。専門知識を有していれば、案件の紹介や、M&Aの交渉などがスムーズに進められます。
②自社と同規模の案件実績がある
2つ目に紹介する仲介会社の選び方は、自社と同じ規模の案件を成約に結び付けている点です。仲介会社ごとに、取り扱う案件の規模は異なります。
大型案件を得意とする会社に依頼してしまうと、希望に沿う相手が見つけられないことも考えられるのです。
タイミングを逃さずにふさわしい取引相手を探すなら、仲介会社が取り扱う案件の規模を確かめましょう。
過去に自社と同じ規模で成約の実績を上げていれば、ふさわしい買い手や売り手を見つけやすいといえます。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
3つ目に紹介する仲介会社の選び方は、M&Aについての幅広い知識と経験を有している点です。仲介会社のホームページから、M&Aの知識を有している専門家が在籍しているかを確認しましょう。
税務・財務・会計・法務などに通じた専門家を抱えていたり、提携先の専門家を紹介していたりする会社を選んでください。
また、M&Aの成約数や、取り扱う案件の数、事業を行ってきた年数なども、仲介会社を選ぶ目安にしてみましょう。
④手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
4つ目に紹介する仲介会社の選び方は、分かりやすい報酬体系です。仲介会社によっては、着手金や月額報酬、中間金などを支払わなければいけません。
また、成功報酬型を採用していても、成功報酬に最適金額を設けていたり、売り手側だけ初期費用を無料としていたりと、取引額や自社の立場によって、支払う料金が変わってしまいます。
そのため、M&Aの仲介会社を選ぶときは、料金体系の分かりやすさを一つの目安とい、ホームページから、報酬体系を確認できる会社を選ぶのがよいでしょう。
⑤担当スタッフの対応・相性
5つ目に紹介する仲介会社の選び方は、担当スタッフによる対応・相性の見極めです。担当者の能力や経験が乏しければ、望んだ交渉・成約を果たすことはできません。
仲介会社によっては、自分たちの利益を尊重するあまり、ふさわしくない相手を紹介したり、早期に契約を結ばせようとしたりします。
経験の少ないスタッフが就いてしまったり、自社の意思を汲んでくれなかったりする場合は、担当するスタッフの交代や、仲介の依頼先を変えるなどの処置を取ってください。
会社をまるごと売却したいのであれば、会社譲渡を検討しましょう。空調設備工事会社の会社譲渡については、『空調工事会社の株式譲渡・会社譲渡を解説!動向・事例・メリットなど』で詳しく説明しています。
事例やメリットを確認しましょう。
8. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡事例10選
空調設備工事会社によるM&A・買収・売却・譲渡には、どのような事例が挙げられるのでしょうか。
この章では、他社の例を参考したい方に向けて、近年に行われた取引事例を10選ご紹介します。
- 四電工による有元温調のM&A
- 日立製作所による日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスのM&A
- ラックランドによる大阪エアコンほかのM&A
- ラックランドによる光立興業のM&A
- 新コスモス電機によるフィガロ技研
- 三菱電機によるデルクリマ社のM&A
- 東京競馬場による株式会社タックのM&A
- アサヒHDによる紘永工業のM&A
- 橋本総業による若松物産のM&A
- 中部電力による株式会社シーエナジーのM&A
空調設備工事会社のM&Aの事例を確認し、具体的なイメージを膨らませていきましょう。
①四電工による有元温調のM&A
ひとつ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、各種の設備工事を手掛ける四電工の事例です。
2018年の2月に、関西圏を中心に空調・管工事事業を展開する有元温調を買収しました。M&Aの詳細は以下の通りです。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 関西圏の空調・管工事事業の強化と、シナジー効果の獲得 |
②日立製作所による日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスのM&A
2つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、日立製作所の事例です。子会社の日立コンシューマ・マーケティングと、日立アプライアンスを合併させ、新しい会社を設立させています。
合併の詳細は以下の通りです。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 合併 |
M&Aの目的 | 多様化する生活スタイルに対応したサービスの提供 |
③ラックランドによる大阪エアコンほかのM&A
3つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、ラックランドの事例です。平成29年の9月に、大阪エアコンとオーエイテクノの買収を発表しており、この買収により2社を子会社化しました。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 空調設備工事事業・関西圏の地盤強化によるシナジーを得るため |
④ラックランドによる光立興業のM&A
4つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡も、ラックランドの事例です。平成29年の7月に、光立興業の買収を発表しました。
M&Aにより、対象企業の株式をすべて取得し、子会社としています。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 首都圏における事業強化と、既存事業とのシナジー効果を得るため |
⑤新コスモス電機によるフィガロ技研
5つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、新コスモ電機による事例です。平成28年の5月に、フィガロ技研の株式を取得し、買収することを発表しています。M&Aによって、対象企業を子会社としました。
譲渡・売却価額 | 43億2,900万円 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 協力体制を取り、ガスセンサ・ガス警報器市場での生き残りを図るため |
⑥三菱電機によるデルクリマ社のM&A
6つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、三菱電機の事例です。
平成27年の12月と、平成28年の2月に、イタリアの業務用空調事業会社・デルクリの株式を取得し、子会社としました。
譲渡・売却価額 | 約885億円 |
M&Aの手法 | 1回目:株式譲渡 2回目:株式公開買い付け |
M&Aの目的 | 世界市場における業務用空調・冷熱事業の強化 |
⑦東京競馬場による株式会社タックのM&A
7つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、東京競馬場の事例です。平成27年の7月に、株式会社タックの全株式を取得し、子会社とすることを発表しています。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 空調設備事業の内製化 |
⑧アサヒHDによる紘永工業のM&A
8つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、アサヒHDの事例です。平成26年の3月に、アサヒHDの子会社・インターセントラルが、紘永工業の株式取得を発表しています。
このM&Aによって、アサヒHDの子会社・インターセントラルは紘永工業を子会社化としています。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 空調設備事業の強化 |
⑨橋本総業による若松物産のM&A
9つ目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、橋本総業の事例です。平成25年の9月に、空調設備の販売・施工を手掛ける若松物産の株式を取得し、子会社とすることを発表しています。
M&Aの詳細は以下の通りです。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 株式譲渡 |
M&Aの目的 | 中部地区における営業基盤の強化 |
⑩中部電力による株式会社シーエナジーのM&A
10番目に紹介する空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡は、中部電力の事例です。平成25年の7月に、連結子会社・シーエナジーを完全子会社としました。
これに合わせて、同年10月に自社の空調設備受託事業をシーエナジーに譲り渡すことを発表しています。
譲渡・売却価額 | 非公開 |
M&Aの手法 | 子会社化:株式譲渡 会社分割:吸収分割 |
M&Aの目的 | 空調設備受託事業の承継による、事業の機動性と効率の向上 |
9. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡を相談するなら、M&Aの仲介会社を選びましょう。専任のスタッフが就いたり、交渉からクロージングまでをサポートしてくれたりと、専門知識を必要とする交渉や契約の場面で、適切なアドバイスを受けられます。
また、M&Aの仲介会社によっては、地方の案件も取り扱ってくれるので、近隣では買い手が見つからない場合でも、譲渡・譲受先を見つけることができます。
M&A仲介会社を通さずにM&Aを進めてしまうと、想像以上の労力と時間がかかってしまいます。なぜなら、M&Aを実行するには業界知識だけでなく、法務・税務・会計などの専門知識が不可欠だからです。
料金体系や、取り扱う案件の規模などを確かめて、M&Aの仲介会社に相談をしてみましょう。
おすすめは、M&A総合研究所
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先には、M&A総合研究所をお選びください。
料金体系は、完全成功報酬型を採用し、着手金・中間金の支払いはありません。初期費用を抑えたい方に適した料金体系といえます。
地方の企業でも、金融機関や士業とのつながりや、独自のAIシステムを活用することで、希望に沿った交渉相手とのマッチングが可能です。交渉・契約の場面でも、専任のスタッフが対応にあたります。
しかも、クロージングまでの期間は、平均で3~6カ月ほどと短く、財務状況の変化が軽微なうちに、譲渡・譲受が可能です。
空調設備工事のM&A・買収・売却・譲渡を検討されている方は、無料相談へお問い合わせください。
10. まとめ
空調設備工事の業界では建設需要の減少を見込み、事業・地盤の強化を図っており、2020年の東京オリンピックが近づくにつれて、M&Aの増加が予想されています。
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡について、事業会社の特徴や、業界の動向、M&Aの相場などを紹介しました。空調設備工事会社の譲渡・譲受を行う場合には、M&A仲介会社の力を必要とします。
【仲介会社を選ぶポイント】
- その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 自社と同規模の案件実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
売り手は遠方の企業と出会う機会を増やし、買い手は専門家による徹底したデューデリジェンスを実施し、事業や会社の譲渡・譲受を成功に導いてください。
空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡についてご検討中の方は、M&A総合研究所までご相談ください。
M&A総合研究事務所では、M&A専門の公認会計士が一括サポートを行います。着手金・中間報酬は無料、成功報酬は業界最安値水準となっておりますので、まずは無料相談をご利用ください。
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M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
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