空調設備工事会社のM&A動向とは?10の事例や業界動向を徹底解説!

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M&Aシニアマネージャー
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

空調設備工事会社のM&Aを検討されていますね。空調設備工事会社のM&Aは活発に行われています。今回は、空調設備工事会社の事業の特徴や市場動向、M&Aの売却価格の相場などを解説!メリットや気をつけるポイントを押さえて、M&Aを成功させましょう。

目次

  1. 空調設備工事会社とは
  2. 最近の空調設備工事会社のM&A動向
  3. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡事例10選
  4. 空調設備工事会社がM&Aをする3つのメリット
  5. 空調設備工事会社のM&Aの6つの流れ
  6. 空調設備工事会社のM&Aにおける売却価格の相場
  7. 空調設備工事会社のM&Aにおける2つの注意点
  8. 空調設備工事会社がM&Aをするときの相談先
  9. まとめ
  • 空調設備工事会社のM&A・事業承継
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1. 空調設備工事会社とは

空調設備工事会社とは

空調設備工事会社とは、冷暖房などの空調設置工事を手掛ける会社のことです。工事を行う建物は、一般の住宅や会社、工場などを対象としています。

国土交通省の調査によれば、空調設備工事会社業界の規模は、平成29年度で約1兆3,000億円でした(民間工事のみ)。

空調設備工事会社の工事は、2種類に分けられています。発注者によって、元受け工事と下請け工事に分類されるのです。

そのほかに挙げる空調設備工事会社の特徴は、関連する事業の展開という点です。空調設備工事会社では、冷暖房の空調工事のほか、吸排気の工事、室温湿度を調整する工事などを行っています。

M&A動向を確認する前に、空調設備工事会社業界の定義を確認しておきましょう。

空調設備工事会社業界の定義

空調設備工事会社業界には、冷暖房の設置工事をはじめ、建物設計・施工や、電気・ガス工事、建物の保守点検など事業を行う会社が属しています。

それぞれの空調設備工事会社は、空調設備の工事に合わせたサービスを提供することで、他社との差別化を図っているのです。

一度の工事でより多くの利益を上げられるように、冷暖房の設備工事と並行して行う工事(吸排気・電気・ガス工事など)を行っていたり、工事を終えた後の保守点検を行ったりなど、付帯するサービスを提供しています。

空調設備工事会社業界に属する会社は、自社で行える工事を増やし、工事を終えた後のフォローにも対応することで、業界の中で生き残れるポジションを確立させているのです。

2. 最近の空調設備工事会社のM&A動向

最近の空調設備工事会社のM&A動向

近年、空調設備工事会社のM&Aは活発化してきています。

というのも、以下の4つの業界の動きが関係しているからです。

  • 動向1.業界の多くは中小企業のため競争が激化
  • 動向2.規模拡大を目指したM&Aは増加傾向
  • 動向3.周辺事業を買収しワンストップ経営を目指す企業も増加
  • 動向4.業界全体の後継者問題も顕著

以上の4つのポイントを押さえ、空調設備工事会社のM&Aについての理解を深めましょう。

動向1.業界の多くは中小企業のため競争が激しい

近年、空調設備工事業界の中でも中小企業による競争が激化しています。

国土交通省の調査によると、平成30年3月末の時点で、資本金200万~5,000万未満の中小企業が、全体の8割以上を占めているのです。そのため、空調設備工事会社の業界では、中小企業同士の競争が激しいといえます。

一方で大企業は全てのサービスを自社で提供することがトレンドとなってきており、中小企業は太刀打ちできなくなってきているのです。

動向2.規模拡大を目指したM&Aは増加傾向

近年、空調設備工事業界の大企業が規模の拡大を目的としたM&Aを行うケースが増えてきています。

上場を果たしている企業では、M&Aを利用したサービスの強化を図っているのです。主なM&A事例を2つ挙げてみましょう。

1つ目は、四電工による菱栄設備工業の買収です。東京オリンピック後に予想される建設需要の低下を見越して、電気工事に付帯する空調設備工事会社などを買収しています。

他県の企業を獲得することで県下における需要の低下を補い、他社との競争に打ち勝つ計画です。

2つ目は、ミライト・テクノロジーズによる西日本電工の買収です。M&Aを利用した買収により、電気設備・空調設備・太陽光発電設備工事などを獲得しています。

買収により空調設備工事事業の強化を図り、付帯工事事業(エネルギー・ビル事業)を拡大させることを目的としています。

このように、規模拡大を目指すため大企業はM&Aを実施する傾向となっています。

動向3.周辺事業を買収しワンストップ経営を目指す企業も増加

空調設備工事会社のトレンドとして、付帯事業の買収による包括経営があります。空調設備工事会社が、電気設備や給排水工事の事業を獲得し、一括したサービスの提供をしようという考えが広まっています。

店舗の企画から保守点検までの一貫したサービスをするため、M&Aで関連会社を買収する例が増えているのです。冷凍冷蔵設備工事会社や、空調設備工事会社、ガス空調機器の設置・保守を手掛ける会社を獲得しようとしています。

相手の買い手企業が欲しい事業だけを売却することもできます。一部の事業を切り出して譲渡することを、事業譲渡といいます。

事業譲渡であれば、残った事業の経営を続けることができるのです。

空調設備工事会社の事業譲渡については『空調工事会社は事業譲渡がチャンス!手続きやメリットを詳しく解説』で詳しく説明しています。メリットとデメリットをしっかり把握して、M&Aの手法を決定していきましょう。

動向4.業界全体の後継者問題も顕著

後継者問題は業界全体で顕著となっています。

国土交通の「建設業を取り巻く情勢・変化 参考資料」によれば、建築業に携わる人の年齢は、約3割を55歳以上の方が占めています。しかも、29歳以下の方はたったの1割ほどです。

つまり、空調設備工事会社の業界も高齢化を迎え、技術を承継したり、会社を継いだりする人が減っていることが分かります。

このように後継者に悩んでいる企業がM&Aを実施して解決する例が増えています。親族や従業員に会社を引き継がなくても、第三者の企業へ会社を売却することで会社が事業継続できるのです。

空調工事会社の事業承継にお悩みであれば、『空調工事会社は廃業よりも事業継承すべき!動向や手続きの方法を詳しく解説』を参考にして下さい。メリットや事業承継先の探し方、事業承継の流れについて詳しく解説しています。

3. 空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡事例10選

空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡事例10選

実際にどのようなM&Aが実施されているのか気になりますよね。そこで、近年に行われた取引事例を10選ご紹介します。

  1. 四電工による有元温調のM&A
  2. 日立製作所による日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスのM&A
  3. ラックランドによる大阪エアコンほかのM&A
  4. ラックランドによる光立興業のM&A
  5. 新コスモス電機によるフィガロ技研
  6. 三菱電機によるデルクリマ社のM&A
  7. 東京競馬場による株式会社タックのM&A
  8. アサヒHDによる紘永工業のM&A
  9. 橋本総業による若松物産のM&A
  10. 中部電力によるシーエナジーのM&A

空調設備工事会社のM&Aの事例を確認し、具体的なイメージを膨らませていきましょう。

①四電工による有元温調のM&A

まずは、各種の設備工事を手掛ける四電工の事例です。

2018年の2月に、関西圏を中心に空調・管工事事業を展開する有元温調を買収しました。M&Aの詳細は以下の通りです。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 関西圏の空調・管工事事業の強化と、シナジー効果の獲得

②日立製作所による日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスのM&A

つづいては、日立製作所の事例です。子会社の日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスを合併させ、新しい会社を設立させています。

合併の詳細は以下の通りです。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 合併
M&Aの目的 多様化する生活スタイルに対応したサービスの提供

③ラックランドによる大阪エアコンほかのM&A

3つ目は、ラックランドの事例です。平成29年の9月に、大阪エアコンとオーエイテクノの買収を発表しており、この買収により2社を子会社化しました。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 空調設備工事事業・関西圏の地盤強化によるシナジーを得るため

④ラックランドによる光立興業のM&A

続いても、ラックランドの事例です。平成29年の7月に、光立興業の買収を発表しました。

M&Aにより、対象企業の株式をすべて取得し、子会社としています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 首都圏における事業強化と、既存事業とのシナジー効果を得るため

⑤新コスモス電機によるフィガロ技研

5つ目は、新コスモ電機による事例です。平成28年の5月に、フィガロ技研の株式を取得し、買収することを発表しています。M&Aによって、対象企業を子会社としました。
 

譲渡・売却価額 43億2,900万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 協力体制を取り、ガスセンサ・ガス警報器市場での生き残りを図るため

⑥三菱電機によるデルクリマ社のM&A

6つ目は、三菱電機の事例です。

平成27年の12月と、平成28年の2月に、イタリアの業務用空調事業会社・デルクリの株式を取得し、子会社としました。
 

譲渡・売却価額 約885億円
M&Aの手法 1回目:株式譲渡 2回目:株式公開買い付け
M&Aの目的 世界市場における業務用空調・冷熱事業の強化

⑦東京競馬場による株式会社タックのM&A

7つ目は、東京競馬場(JRA日本中央競馬会)の事例です。平成27年の7月に、株式会社タックの全株式を取得し、子会社とすることを発表しています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 空調設備事業の内製化

⑧アサヒHDによる紘永工業のM&A

8つ目は、アサヒHDの事例です。平成26年の3月に、アサヒHDの子会社・インターセントラルが、紘永工業の株式取得を発表しています。

このM&Aによって、アサヒHDの子会社・インターセントラルは紘永工業を子会社化としています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 空調設備事業の強化

⑨橋本総業による若松物産のM&A

9つ目は、橋本総業の事例です。平成25年の9月に、空調設備の販売・施工を手掛ける若松物産の株式を取得し、子会社とすることを発表しています。

M&Aの詳細は以下の通りです。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 中部地区における営業基盤の強化

⑩中部電力によるシーエナジーのM&A

最後は、中部電力の事例です。平成25年の7月に、連結子会社・シーエナジーを完全子会社としました。

これに合わせて、同年10月に自社の空調設備受託事業をシーエナジーに譲り渡すことを発表しています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 子会社化:株式譲渡 会社分割:吸収分割
M&Aの目的 空調設備受託事業の承継による、事業の機動性と効率の向上

  • 空調設備工事会社のM&A・事業承継

4. 空調設備工事会社がM&Aをする3つのメリット

空調設備工事会社がM&Aをする3つのメリット

空調設備工事会社がM&Aをするメリットは次の3つです。

  • メリット1.会社を安定させられる
  • メリット2.選択と集中ができる
  • メリット3.後継者不在を解決できる

それぞれのメリットを詳しく確認しましょう。
 

メリット1.会社を安定させられる

空調設備工事会社をM&Aで売却することで、会社を安定させられることが多いです。

M&Aをすると、大手企業の傘下になったり、資本業務提携をして資金を調達したりできます。大手企業の傘下になれば、親会社が持つ顧客にサービスを提供することや人材不足を解消できるのです。

資金を得て、空調工事周辺のサービスを取り入れることもできるでしょう。このように空調設備工事会社をすると、顧客基盤や事業を強化でき、収益アップや経営安定に繋がります。

メリット2.選択と集中ができる

空調設備工事会社の経営における選択と集中ができます。

例えば、複数事業を行っている中で不採算事業があったとしましょう。このとき、赤字の事業だけをM&Aで売却することができるのです。

売却対価にまとまった資金が手に入るので、経営資源を他の事業に投資することができます。そうすることで、会社の安定した経営が実現するでしょう。

空調設備工事会社は一部のサービスだけを手にしたいと考えることも多いです。手放したい事業があるならM&Aを活用しましょう。

メリット3.後継者不在を解決できる

M&Aで空調設備工事会社の経営者を変えることで、後継者がいなくても会社を存続させられます

もし後継者不在のために廃業も考えているなら、M&Aを行う方が良いでしょう。なぜなら、会社を残すことで従業員の雇用を守れるからです。廃業してしまうと、従業員や取引先に迷惑をかけてしまいます。

後継者不在で悩んでいるなら、M&Aを視野に入れて専門家に相談してみましょう。

5. 空調設備工事会社のM&Aの6つの流れ

空調設備工事会社のM&Aの6つの流れ

空調設備工事会社のM&Aの事例やメリットを見ていると「うちの会社もM&Aしても良いかもしれない」と考える経営者もいるでしょう。

検討を始める前に、空調設備工事会社のM&Aの流れを知っておくとスムーズにM&Aを実行できます。以下の6つの流れを確認しましょう。

  • 流れ1.買い手企業の選定
  • 流れ2.条件交渉
  • 流れ3.基本合意書の締結
  • 流れ4.デューデリジェンス
  • 流れ5.最終譲渡契約の締結
  • 流れ6.クロージング

順番に確認していきましょう。

流れ1.買い手企業の選定

まずは、買い手企業の選定から始めましょう。

空調設備会社は、業界内でのM&Aが多いです。そのため、買い手企業も同業者の中から選ぶことをおすすめします

いきなり企業を選出するのではなく、以下のように条件を洗い出してみましょう。

  • 業種
  • 会社の規模
  • 活動エリア
  • 経営者の考え方

これらのことを決め、条件に合う企業を洗い出していくとM&Aは成功しやすいです。

もし、買い手企業の選定で困ったらM&A仲介会社へ相談しましょう。M&A仲介会社であれば、ネットワークの中から最適な買い手企業を選定してくれます。

気になる企業があればアプリローチし、面談を繰り返しましょう。

流れ2.条件交渉

買い手企業がM&Aに前向きな姿勢を見せたら、条件交渉を行っていきましょう。

条件交渉では、売却価格やM&Aの手法、従業員や経営者の処遇、M&A実施までのスケジュールなどを決めていきます。

多くの場合、買い手企業から意向表明書が提示されます。意向表明書とは、M&Aを実施する意向とM&Aの条件が記載された書類のことです。

あくまでも、意向表明書は買い手の意向です。そのため、意向表明書を元に条件をすり合わせていくこととなります。

流れ3.基本合意書の締結

条件がまとまったら、基本合意書を締結しましょう。基本合意書とは、互いに納得した条件でM&Aを実施することを約束する書類です。

しかし、基本合意書は仮の契約に過ぎません。この後行われるデューデリジェンスにおいて、売り手企業が提示した資料などの事実確認が行われます。

デューデリジェンス後、再度条件交渉が行われることを覚えておきましょう。

流れ4.デューデリジェンス

基本合意書の締結後は、買い手企業によるデューデリジェンスが行われます。

デューデリジェンスとは、売り手企業の経営状況や持っている資産・特許などの確認を行うことです。取引先や契約状況、キャッシュフローの状況などを細かくチェックされます。

細かい部分まで調査がされるので、質問をされたときには弁護士などに頼りながら受け答えができる体制を整えておきましょう。

とくに、空調設備会社のM&Aでは従業員の持つ経歴やスキルなどが重視されます。すぐに資料を提出できるようリストにしてまとめておくと良いでしょう。

また、デューデリジェンスにおいて嘘をついたり隠し事をするのは絶対にしないでください。デューデリジェンスで隠し事をしたままM&Aを成立させてしまうと、後々トラブルの原因となるからです。

デューデリジェンスで隠し通せても、いずれは必ずバレます。後ろめたいことも正直に話すようにしましょう。

流れ5.最終譲渡契約の締結

デューデリジェンス後、再度条件交渉を行い最終譲渡契約を締結しましょう。

通常、基本合意書の内容で進めていくことが多いですが、企業価値の算定などはデューデリジェンスによって変わることもあります。

変更されることもあるため、安易に最終譲渡契約を結ばないよう気をつけましょう。

不安や疑問に感じることがあれば買い手企業に納得のいく説明をしてもらうことが大切です。弁護士やM&A仲介会社などに契約書の内容についてリーガルチェックしてもらうことも忘れずに行いましょう。

流れ6.クロージング

無事、最終譲渡契約の締結が終わればクロージングをしていきましょう。

クロージングでは、買い手企業による売却対価の支払い、売り手企業から買い手企業への所有権の移行や名義変更などが行われます。

さらに、アフターフォローとして売り手企業の従業員のケアをしっかりと行いましょう。売り手企業の従業員は突然のM&Aにびっくりするかもしれません。

「このまま働き続けて大丈夫だろうか?」と不安を感じさせてしまうと、離職につながる恐れもあります。従業員には納得のいくM&Aの理由や目的、今後の展望を話しましょう。

また、買い手企業のシステムや社風に馴染めるよう、経営者は買い手企業と協力すべきです。1日でも早く働きやすい環境を提供しましょう。

以上が、空調設備工事会社がM&Aをするときの流れでした。事前に知っておくことでスムーズに準備を始めることができます。

ただし、初めてのM&Aの場合、専門家に相談するとよりスムーズな取引ができるのでおすすめです。

周りに相談できる専門家がいないのであれば、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所であれば、空調設備工事業界に詳しいM&Aアドバイザーや弁護士、公認会計士がチームとなってM&Aをサポートいたします。

完全成功報酬なので、M&Aが成立するまで一切の費用がかかりません。まずは無料相談からお待ちしております。

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6. 空調設備工事会社のM&Aにおける売却価格の相場

空調設備工事会社のM&Aにおける売却価格の相場

ここまでM&Aの事例や流れを確認してきましたが、「実際にどれくらいの価格で売れるのだろう?」と疑問に思う経営者もいるでしょう。

空調設備工事会社のM&Aにおける売却価格の相場は、対象事業・企業の資産や、企業価値評価の仕方によって異なります。そのため、平均的な相場は決められません。

空調設備工事会社のM&Aを望む方は、過去の案件を参考にしてみましょう。同じ業種はもちろん、事業・会社の規模や、売上高、従業員の数、M&Aのスキームなどから、自社と類似する案件を調べて、おおよその相場を把握してください。

しかし、高い価格で会社や事業を売却したいのであれば、自社ならではの強みを明確にし、買い手企業にアピールすることが大切です。

「強みと言われても分からない」と思う経営者もいるかもしれませんが、しっかり自社のことを分析してみましょう。

以下の内容について分析することで、自社ならではの強みが見えてくるかもしれません。

  • カバーしているエリア
  • 従業員の技術力
  • 展開しているサービス・商品
  • 顧客
  • ブランド力

これらの観点から自社を分析してみましょう。ほかの企業にはない自社の強みが出てくるはずです。

強みが分かれば、その強みを魅力的に感じてくれる買い手企業を探しましょう

例えば関西エリアをカバーしているのであれば、首都圏だけで展開している同業会社はエリア進出のために「買収したい!」と思うはずです。

最適な買い手企業を見つけることが、高い価格で取引をすることに繋がります。

空調設備工事会社の買い手企業を見つけるには、M&A総合研究所に相談しましょう。成約するまで一切の費用がかかりません。お気軽にお問い合わせください。

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7. 空調設備工事会社のM&Aにおける2つの注意点

空調設備工事会社のM&Aにおける注意点

空調設備工事会社のM&Aでは、管工事の建設業許可の取り扱いに注意しなければなりません。

管工事の建設業許可とは、空調設備工事会社が営業するにあたって欠かせない許可です。つまり、管工事の建設業許可がなければ空調設備工事会社は事業運営することはできません。

注意点は、以下の2つです。

  • 注意点1.M&Aで管工事の建設業許可を引き継げないことがある
  • 注意点2.M&A実施後も管工事の建設業許可の要件を満たす必要がある

順番に確認していきましょう。

注意点1.M&Aで管工事の建設業許可を引き継げないことがある

M&Aを実施するとき「事業譲渡」という手法を活用すると、買い手企業へ管工事の建設業許可を引き継げないことがあります

事業譲渡とは、事業の一部または全部を譲渡するM&Aの手法です。事業譲渡では、何を譲って何を会社に残すのか決めることができます。

このように、事業譲渡は会社そのものを譲渡する手法ではありません。そのため、管工事の建設業許可を引き継げないのです。

もちろん、管工事の建設業許可を取得している買い手企業であれば問題なく営業を続けることができます。

しかし、買い手企業が管工事の建設業許可を取得していないのであれば、管工事の建設業許可を改めて取らなければ営業ができません。管工事の建設業許可を取得するには、約3ヶ月かかります。

このように、事業譲渡でM&Aをすると管工事の建設業許可を引き継げません。買い手企業の取得状況や取得にかかる時間を逆算して事業譲渡を実施しましょう。

ちなみに、株式譲渡という手法であれば管工事の建設業許可は引き継がれます。なぜなら株式譲渡だと株主の名義が変わるだけだからです。

空調設備工事会社の株式譲渡については、『空調工事会社の株式譲渡・会社譲渡を解説!動向・事例・メリットなど』で詳しく説明しています。参考にしてください。

注意点2.M&A実施後も管工事の建設業許可の要件を満たす必要がある

当然ですが、M&A実施後も管工事の建設業許可の要件を満たしていなければ営業ができません。管工事の建設業許可の要件を満たしているのは、現在の経営者自身であることが多いです。

そのため、経営者が変わることで管工事の建設業許可の要件を満たせなくなるケースが出てきます

管工事の建設業許可の要件は以下の通りです。

  • 1級・2級管工事施工管理技士などの資格を保有する専任技術者になれる人物
  • 5年以上の役員経験がある経営業務の管理責任者

この2つの役割は1人で担うこともできます。そのため、現在の経営者が2つの役割を担うことで要件を満たしていることも珍しくありません。

しかし、M&Aを機に要件を満たしている経営者が引退してしまうと、管工事の建設業許可は認定されなくなってしまうのです。

引退後もこれらの要件を満たしている状態で経営ができるように、事前に買い手企業と調整しておくことを忘れないようにしましょう

以上のように、空調設備工事会社がM&Aを実施するときには管工事の建設業許可の引き継ぎを気をつけなければなりません。

同業者であれば、管工事の建設業許可を既に取得している可能性も高いです。取得していなくても、管工事の建設業許可について知っている可能性もあるでしょう。

しかし、全くの別業界とのM&Aであればこちらから管工事の建設業許可について話をしなければ、M&A成立後に問題が発覚することになります。

困るのは営業できなくなる従業員や契約している取引先です。迷惑をかけないよう、管工事の建設業許可の取り扱いには十分注意しましょう。

8. 空調設備工事会社がM&Aをするときの相談先

空調設備工事会社がM&Aをするときの相談先

空調設備工事会社のM&Aでは管工事の建設業許可の取り扱いなど、気をつけなければならないことがあります。そのため、初めてのM&Aを実施するのであれば、専門家に相談すべきです。

空調設備工事会社のM&Aを相談するなら、M&A仲介会社を選びましょう

専任のスタッフが就いたり、交渉からクロージングまでをサポートしてくれたりと、専門知識を必要とする交渉や契約の場面で、適切なアドバイスを受けられます

また、M&A仲介会社によっては、地方の案件も取り扱ってくれるので、近隣では買い手が見つからない場合でも、譲渡・譲受先を見つけることができます。

一方、M&A仲介会社を通さずにM&Aを進めてしまうと、想像以上の労力と時間がかかってしまいます。なぜなら、M&Aを実行するには業界知識だけでなく、法務・税務・会計などの専門知識が不可欠だからです。

料金体系や、取り扱う案件の規模などを確かめて、M&Aの仲介会社に相談をしてみましょう。

空調設備工事会社のM&A・買収・売却・譲渡の相談先には、M&A総合研究所をお選びください。

料金体系は、完全成功報酬型を採用し、着手金・中間金の支払いはありません。初期費用を抑えたい方に適した料金体系といえます。

地方の企業でも、金融機関や士業とのつながりや、独自のAIシステムを活用することで、希望に沿った交渉相手とのマッチングが可能です。交渉・契約の場面でも、専任のスタッフが対応にあたります。

さらに、クロージングまでの期間は、平均で3~6ヶ月程度と短く、財務状況の変化が軽微なうちに、譲渡・譲受が可能です。

空調設備工事のM&Aを検討されている方は、無料相談へお問い合わせください。

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9. まとめ

まとめ

近年、空調設備工事業界ではM&Aを実施するケースが増えてきています

なぜなら、中小企業同士の競争の激化や後継者不足といった問題が業界内で蔓延しているからです。一方で、大企業ではサービスの一元化がトレンドとなっており、多くのサービスを取り込もうとする動きがあります。

そのため、大企業が中小企業をM&Aで買収し、相互にメリットをもたらしているのです。

しかし、空調設備工事会社のM&Aをするときには、気をつけなければならないこともあります。専門家に頼りながら、空調設備工事会社のM&Aを成功させましょう。
 

空調設備工事会社のM&Aをご検討中の方は、M&A総合研究所までご相談ください。

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