繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収!事例や動向、価格相場を解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

各産業においてM&Aによる売却・買収は最盛期にあり、それは繊維・衣服・装飾品製造業界でも同様です。繊維・衣服・装飾品製造業界におけるM&Aでの売却・買収・事業承継について、動向や事例、相場、失敗しないコツなどを解説します。

目次

  1. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収・事業承継
  2. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例
  3. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向
  4. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由
  5. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収価格相場
  6. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツ
  7. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収時におすすめの相談先
  8. まとめ
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1. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収・事業承継

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収・事業承継

当記事では、繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収の業界動向・事業承継・価格相場などについて、事例を交えてくわしく解説します。

まずは、繊維・衣服・装飾品製造業界の定義や、M&Aの概要やスキームについて確認しましょう。

繊維・衣服・装飾品製造業界とは

繊維・衣服・装飾品製造業界とは、生糸や化学繊維などを紡いだり織ったりする繊維製造・汚れを洗い落として染色する染色整理・衣服などの繊維製品の製造および販売・貴金属宝石類の使用を除いた装身具の製造を営む業界です。

衣服や身の回りの繊維製品においては、製造に加えて、百貨店・スーパーなどへの卸売業や消費者に製造品を販売する小売業も含まれます。

M&A・売却・買収とは

M&A・売却・買収とは、繊維・衣服・装飾品製造業の会社や事業を譲渡したり承継したりする取引のことです。

具体的なM&A手法としては、株式譲渡と事業譲渡が多く用いられており、株式譲渡は自社の株式を売却し、会社そのもの(経営権)を譲り渡します。

一方の事業譲渡は、事業の一部あるいは全てを、関連する資産や権利などとともに個別に他社へ譲り渡すものです。会社組織は、そのまま経営者の手元に残るため、会社の経営権は移転しません。

そのほかのM&A手法としては、会社を1つにまとめる合併や、会社の権利義務を承継させる分割、互いの自社株式を交換する株式交換、1社以上の株式を新設会社に移転させる株式交換などです。

なお、それらの方法とは異なりますが、会社間の資本業務提携についても、資本の移動が認められるため、広義のM&Aと解されています。

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事業承継とは

事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことを指します。誰を後継者とするかによって分類され、具体的には以下のとおりです。
 

親族内事業承継 経営者の子供や配偶者など親族を後継者とする事業承継
社内事業承継 会社の役員や従業員を後継者とする事業承継
M&Aによる事業承継 M&Aで会社・事業を売却し、その買い手が後継者となる事業承継

従来、中小企業では親族内事業承継が中心だったものの、少子化や価値観の多様化などでその割合は減っています。社内事業承継は、それに代わる有力な手段ですが、後継者側が事業承継のために必要となる株式取得用の多額な資金がネックです。

そこで、現在、脚光を浴びているのがM&Aによる第三者への事業承継であり、その割合は増加してきています。

国内の全業種において、中小企業での事業承継は大きなテーマであり、M&A専門家が増えたことも手伝って、後継者難の会社においては今後もM&Aによる事業承継が増えていくでしょう。

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2. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例

繊維・衣服・装飾品製造業界では、どのような企業・事業がM&A取引の対象とされているのでしょうか。ここでは、繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例を6件、紹介します。
 

  1. フジコーと日本毛織の資本業務提携
  2. 東洋紡による帝人フィルムソリューションとP.T. Indonesia Teijin Film SolutionsのM&A
  3. 東レによるスウェーデンのAlva Sweden ABのM&A
  4. 帝人によるチェコのBenet AutomotiveのM&A
  5. 共同印刷によるクレハのブローボトル事業のM&A
  6. キムラタンによる中西のM&A

①フジコーと日本毛織の資本業務提携

1つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A事例は、2020(令和2)年5月に実施されたフジコーと日本毛織の資本業務提携です。なお、日本毛織の100%子会社であるアンビックも、この資本業務提携に含まれます。

資本業務提携の内容は、フジコーの大株主3社が保有していた全株式(全体の30.7%、議決権ベースでは32.99%)を日本毛織が取得するものです。なお、取得価額は公表されていません。

フジコーは、ソーラーパネル部材などの先端技術分野からカーペットなどの繊維製品まで幅広い分野の商品を製造しています。一方、日本毛織は、衣料繊維事業・産業機材事業・人とみらい開発事業・生活流通事業の4事業を柱とし、また、アンビックは工業用フェルト・不織布の製造を行う会社です。

フジコーとしては、新型コロナウィルスのパンデミックという厳しい業界情勢のなか、この資本業務提携によって、人材交流、技術交換、インフラ相互利用、販売その他の協業を推進し、業績拡大を図る方針としています。

②東洋紡による帝人フィルムソリューションとP.T. Indonesia Teijin Film SolutionsのM&A

2つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例は、東洋紡による帝人フィルムソリューションとP.T. Indonesia Teijin Film SolutionsのM&Aです。


フィルムや機能樹脂・産業マテリアル・衣料繊維事業などを展開する東洋紡は、2019(令和元)年10月、帝人フィルムソリューションと、インドネシアのP.T. Indonesia Teijin Film Solutionsの株式を取得し、子会社しました。

東洋紡は、ポリエステルフィルム事業を手掛ける両社を買収し、高機能フィルム製品の開発力と生産力を高めて、当該事業の基盤強化を図る方針です。

③東レによるスウェーデンのAlva Sweden ABのM&A

3つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例は、東レによるスウェーデンのAlva Sweden ABのM&Aです。

繊維・機能化成品・炭素繊維複合材料・環境エンジニアリング事業などを展開する東レは、2019年8月、スウェーデンのエアバッグ製造企業であるAlva Sweden ABの株式を全て取得し、対象会社とその子会社2社を買収しました。

東レは、世界で高まりを見せる安全性能の強化や新興国の需要、自動運転化技術の普及に対応するため、対象企業の買収に踏み切っており、縫製事業への参入を図ることで、エアバッグ事業における一貫した製造体制を確立し、市場での存在感を高めるとしています。

④帝人によるチェコのBenet AutomotiveのM&A

4つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例は、帝人によるチェコのBenet AutomotiveのM&Aです。

2019年8月、アラミド繊維・炭素繊維・樹脂などのマテリアル事業や、複合成形材料の製品事業、衣料繊維・産業資材分野の繊維・製品事業などを手掛ける帝人は、チェコのBenet Automotiveの株式を全て取得し完全子会社としました。

帝人は、過去にポルトガルと北米の自動車向け複合材料部品メーカーを買収しており、そのほかにも、買収した企業のフランス現地法人がSMC(Sheet Molding Compound=化学的成形材料の1種)の工場を建てて、複合成形材料事業の拡大を進めています。

今回は、ヨーロッパでの提案力の強化・販売チャネルの拡大を図るために、チェコで自動車メーカーへ複合材料部品を供給するメーカーを買収しています。

⑤共同印刷によるクレハのブローボトル事業のM&A

5つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例は、共同印刷によるクレハのブローボトル(食品用プラスチック容器)事業のM&Aです。

情報コミュニケーション・セキュリティ、生活・産業資材事業を手掛ける共同印刷は、2019年7月にクレハが会社分割で切り離す、ブローボトル事業を簡易吸収分割で承継する契約を締結しました。

共同印刷は、中期経営方針(2019年3月期〜2021年3月期)で、生活・産業資材部門の拡大を揚げており、ブローボトル事業を承継することで事業領域を拡大して企業価値の向上を目指すとしています。

⑥キムラタンによる中西のM&A

6つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例は、キムラタンによる中西のM&Aです。

ベビー・子ども服の企画から生産・製造までを手掛けるキムラタンは、2019年3月、ベビー・子ども向けのソックス・シューズなどの服飾雑貨を製造する中西の全株式を取得して子会社としました。

キムラタンは、中西が取り扱う製品の範囲と卸売向けの販路を保有することで、自社事業とのシナジーが生まれると判断し、買収を決めています。

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3. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収を行う際は、業界の動向を把握しておくことが大切です。繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向には、主に以下の特徴が見られます。
 

  1. 業界再編にもなるM&Aが行われ始めている
  2. 大手企業は海外企業のM&Aも積極的
  3. 製造工場の確保を目的としたM&Aも見られる
  4. 衣服・服飾メーカーが製造工場を買収するケースもある

①業界再編にもなるM&Aが行われ始めている

1つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向は、業界再編につながるM&Aの開始です。

経済産業省が発表した「2019(令和元)年工業統計表」によれば、繊維工業における国内事業所数は、2016(平成28)年から減少に転じ、2017(平成29)年、2018(平成30)年と続けて前年度割れとなっています。

一方、2016年と2017年は同じく前年度割れだった繊維工業の製造品出荷額は、2018年には約200億円ほど前年度より上昇していますが、全体額からすると、ほぼ横ばいとしかいわざるを得ません。

また、経済産業省生活製品課が2020(令和2)年1月に発表した「繊維産業の課題と経済産業省の取組」によれば、国内のアパレル市場における衣類の輸入浸透率は、2003(平成15)年から90%を超え、2018年には97.7%にまで増加しているのが現状です。

このような状況から、繊維・衣服・装飾品製造業界では国内での生き残りをかけて、技術・ノウハウを持つ企業へのM&Aが行われています。

②大手企業は海外企業のM&Aも積極的

2つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向は、大手企業による海外企業への積極的なM&A(クロスボーダーM&A)です。

化学繊維事業を展開する大手企業は、海外で原料調達から生産・流通・販売までの一貫した管理体制を敷き、生産能力を高めるために、海外企業に対するM&Aを実施しています。

対象となる分野は人工皮革・エアバッグ・不織布などです。帝人・東レ・旭化成・東洋紡などの大手企業が、海外企業の積極的な買収を毎年のように行っています。

③製造工場の確保を目的としたM&Aも見られる

3つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向は、製造工場の確保を目的としたM&Aです。

提供するサービスの質を高める、あるいは目的の場所に拠点を構えるなどの理由により、製造工場の買収が行われており、オーダースーツの製造事業者による縫製工場の買収や、繊維事業者による拠点地域の製造工場の買収などの事例があります。

結果として、製造工場を確保すれば質の高いフルオーダーへの対応や安定した供給などが可能になるのは、いうまでもありません。

④衣服・服飾メーカーが製造工場を買収するケースもある

4つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向は、衣服・服飾メーカーが製造工場を買収するケースです。

衣服・服飾業界ではファストファッションが台頭しており、トレンドを取り入れた低価格の商品提供が人気を集めています。

そのような状況下、一貫した生産・供給体制の強化を図る企業もあり、M&Aによって製造工場を獲得し、縫製・デザインといった過程を強化し、質の高い製品を生産・供給する体制構築が実現されているのです。

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4. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由

繊維・衣服・装飾品製造業界では、どのような理由でM&A・売却を行っているのでしょうか。繊維・衣服・装飾品製造業界でM&A・売却が行われる理由には、主に以下5つがあります。
 

  1. 経営者の高齢化・後継者問題の解決
  2. 従業員の賃金問題
  3. 大手への傘下入りによる安定した経営
  4. 倒産・廃業を回避
  5. 売却益の獲得

①経営者の高齢化・後継者問題の解決

1つ目に紹介する繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由は、経営者の高齢化・後継者問題の解決です。

経済産業省が公表した「2019年工業統計表」によると、繊維工業を営む事業者は中小企業が多く、2018年時点で従業員が4〜29人までの企業が9,228社、30人以上の企業は1,859社となっています。

中小企業では、経営者の高齢化と後継者不足が問題視されていますが、それは繊維・衣服・装飾品製造業にでも同様です。

繊維・衣服・装飾品製造業界でも、経営者の高齢化と後継者問題の解決を図るために、第三者へのM&A・売却によって、会社・事業の継続や引き継ぎなどが行われています。

②従業員の賃金問題

2つ目に紹介する繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由は、従業員の賃金問題です。

中小規模の繊維・衣服・装飾品製造会社のなかには、販路を広げられず、既存の取引に終始し、満足のいく給料を支払えない企業も見られます。そこで、他社へのM&A・売却の道を選び、従業員の待遇改善を図っているのです。

大手企業や営業力を備える企業に会社・事業を売り渡せば、給与水準を高められ、技術力や年齢に見合った賃金を従業員に支払うことも可能といえるため、会社・事業のM&A・売却を選択していると考えられます。

③大手への傘下入りによる安定した経営

3つ目に紹介する繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由は、大手への傘下入りによる安定した経営です。

炭素繊維・アラミド繊維などの産業繊維事業においては、日本企業が高いシェアを誇っているものの、衣料繊維事業では海外企業にリードされている状態となっています。

海外企業との価格競争に打ち勝つため、大手企業へのM&A・売却を選択し、経営資源が共有できれば、低価格製品の製造だけでなく、高品質・高価格帯への路線変更も可能になることが、その理由です。

④倒産・廃業を回避

4つ目に紹介する繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由は、倒産・廃業の回避です。経済産業省が公表した「2019年工業統計表」を見ると、繊維工業の事業所数が減少しているのがわかります。

2015(平成27)年には14,745所だったのが、2016年には12,171所、2017年で11,582所、2018年では11,087所にまで減っており、事業所の統廃合に加えて、倒産・廃業による事業所の減少は明らかです。

また、帝国データバンクによる「アパレル関連企業の倒産動向調査(2019年)」では、2018年の小売業の倒産は143件であり、前年度から1.4%増加しています。さらに、負債額10億円以上50億円未満の倒産も前年の7件から9件に、50億円以上の負債額での倒産は前年の0件から3件に増えていました。

このようなデータから、繊維・衣服・装飾品製造業界では、倒産・廃業の危機にある企業が多いため、倒産・廃業の回避を理由としたM&A・売却が選択されているといえるでしょう。

⑤売却益の獲得

5つ目に紹介する繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由は、売却益の獲得です。事業からの撤退・倒産・廃業では、手続きだけでなく多額の費用(出費)も必要になります。

しかし、M&A・売却を選択すれば、会社やオーナー(株主)が譲渡の対価として売却益を得られ、並行して行う事業や新事業に資金を回したり、老後の生活に充てたりすることも可能です。

売却益の獲得を目的としてM&A・売却が選択されることは、繊維・衣服・装飾品製造業界に限らず、全業種において比較的多い理由の1つとなっています。

【関連】経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由15選!

5. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収価格相場

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収価格相場

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収では、相場となる価格を断言することは難しいため、おおむね数百万~数十億円の間で取引が行われていると捉えておくとよいでしょう。

取引が多い価格帯には、数千万~1億円以下と数億~数十億円が挙げられますが、これはM&A・売却・買収する事業規模や資産・負債・営業権・事業エリアなどにより大きく異なります。

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収相場を把握したい場合は、対象会社・事業に合わせた企業価値評価の算定が必要です。

企業価値評価の算定方法

企業価値評価の算定には主として3種類の手法がありますが、そのなかから自社に合った企業価値評価の方法を選ばなければなりません。ここでは、各算出方法の特徴について解説します。
 

  • 時価純資産法
  • DCF(Discounted Cash Flow)法
  • 類似企業比較法

時価純資産法

時価純資産法は、貸借対照表の純資産を基準にして企業価値を算出する方法です。コストアプローチの1つとされ、時価に置き換えた資産と負債が計算に用いられます。

時価純資産法は、純資産を基にして算出するため計算は容易ですが、単独で用いられることは少なく、他の算出方法と併せて利用されることが一般的です。

【時価純資産法の計算】

  • 時価に置き換えた資産ー時価に置き換えた負債

DCF法

DCF法は、将来のキャッシュ・フローを基準として企業価値を算出する方法です。インカムアプローチ(収益還元法)の1つで、将来に得られるキャッシュ・フローを時間経過による増減分で割り引き、企業価値を算出します。

将来の利益を反映できるものの、作成した事業計画によって企業価値に差が生じるため、事業計画の高い精度と信頼性が求められるといえるでしょう。

【DCF法の計算】

  • フリーキャッシュ・フロー÷(1+割引率)+フリーキャッシュ・フロー÷(1+割引率)²+フリーキャッシュ・フロー÷(1+割引率)³……

類似企業比較法

類似企業比較法は、事業規模・業種などが類似する上場企業を基準に、企業価値を算出する方法です。マーケットアプローチの1つで、類似する上場企業を選び出し、対象企業の株式時価総額と任意の指標を用いて、自社の企業価値を算出します。

類似企業比較法の特徴には、株式市場の動きを反映できる・簡易に計算できる点が挙げられ、非上場企業が企業価値を算出する際によく利用される手法の1つです。

ただし、類似する会社が見つからない場合は利用できません。また、起業して間もない会社・競合が少ない業種は、今後の動向が予測しにくいことから類似企業比較法による算出ができないとされています。

【類似企業比較法の計算】

  • 類似会社の株式時価総額÷類似会社の指標(売上高・営業利益など)=係数
    評価対象企業の指標(類似会社で用いた指標)×係数=企業価値

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企業価値評価の算出は個人でもできる

繊維・衣服・装飾品製造業の企業価値評価は、個人による算出も可能ですが、正確な企業価値を算出するためには専門家に依頼するほうが無難といえるでしょう。

その理由は、算出法によって企業価値評価が異なるだけでなく、必要なデータを揃えたり算出方法の組み合わせを検討したりするには、M&Aや会計に関する専門知識が必要になるためです。

そのため、繊維・衣服・装飾品製造業のM&A・売却・買収を検討されている方は、M&A仲介会社などの専門家に企業価値評価算出を依頼することをおすすめします。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

6. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツ

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツ

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で、失敗を避けるには、どのような点に注意をすればよいのでしょうか。ここでは、繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツを5つ紹介します。
 

  1. M&Aの理由を明確にする
  2. 自社で開発した製品や強みをまとめる
  3. 従業員の雇用や賃金など譲れない条件を決める
  4. M&Aの情報は漏えいさせない
  5. M&Aの専門家に相談する

①M&Aの理由を明確にする

1つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツは、M&Aの理由を明確にすることです。

M&Aの理由によって、優先する条件・売却のスキーム・手続きの仕方・準備は異なります。また、理由が曖昧なまま進めてしまうと、不利な条件をのんでしまったり、完了までに長い時間を要したりするかもしれません。

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却を行う際は、会社や事業の継続・事業の成長や拡大など、自社の目的を明確しておくことが大切です。

目的を明確にしておけば、M&Aの計画が立てやすくなるため十分な準備ができ、交渉もスムーズに進めることが可能になります。

②自社で開発した製品や強みをまとめる

2つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツは、自社開発の製品・自社の強みをまとめておくことです。

繊維・衣服・装飾品製造業の買収を検討している企業は、事業領域拡大や製造工場の確保、成長が望める分野への進出などを目的としてM&Aを行います。

買い手の目に留まるためには、自社の強みをアピールする必要があるため、自社開発製品・特許技術・事業エリアなどをあらかじめ資料にまとめておくようにしましょう。

必要なデータを資料にまとめておけば、客観的に強みを伝えられるため、交渉もスムーズに進められ、成功する確率も高まります。

③従業員の雇用や賃金など譲れない条件を決める

3つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツは、雇用・賃金などの優先する条件を決めることです。

M&A・売却では買い手が全ての条件を受け入れてくれるとは限らないため、自社の条件ばかりを通そうとすれば、買い手が見つからない可能性もあります。

M&A・売却を失敗しないためには、従業員の雇用継続・給与水準の維持と向上・売却益の獲得など、譲れない条件を決めておくことが大切です。

④M&Aの情報は漏えいさせない

4つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツは、M&Aの情報を漏えいさせないことです。

M&Aを進めている段階で、M&Aへの着手が外部に漏れてしまうと、業績の悪化や取引先・従業員の離職などを招きかねません。

M&Aを進めていることは限られた人物のみに伝え、従業員や取引先などへの報告はタイミングを見極めて行うことが大切です。

報告する目安は、財務の担当者・役員・各部門のキーパーソンには基本合意書の締結後、そのほかの関係者(取引先・従業員)には最終契約書の締結後がよいでしょう。

ただし、取引先との契約にチェンジ・オブ・コントロール条項を定めている場合には、最終契約書の締結前に通知と承諾を済ませなければならないため注意が必要です。

⑤M&Aの専門家に相談する

5つ目に挙げる繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツは、M&Aの専門家に相談することです。

M&A・売却を進める場合、スキーム・売却価格の決定、交渉・成約の手続き、デューデリジェンスへの対応など、専門的な知識と経験を必要とします。

そのため、自社のみで行わず、M&A仲介会社・地元の士業・金融機関・公的機関などの専門家に相談しながら進めていくようにしましょう。

M&A仲介会社などの専門家に依頼すれば、M&Aに関する知識・経験による適切なサポートを受けられるので、M&A・売却が成功する確率が高くなります

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7. 繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収時におすすめの相談先

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収時におすすめの相談先

繊維・衣服・装飾品製造業のM&A・売却・買収を検討されている方は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、全国の中小企業のM&Aに数多く携わり、多様な案件を取り扱うM&A仲介会社です。

M&A総合研究所では、案件ごとに豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが専任となり、クロージングまでをフルサポートいたします。

通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3ヶ月のスピード成約を実現する機動力も特徴です。

料金システムは完全成果報酬制を採用しており、着手金・中間金・月額費用は無料です。仮にM&Aが成約しなければ、一切、費用発生はありません。また、成功報酬額は国内最安値水準であり、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。

無料相談は24時間年中無休でお受けしていますので、繊維・衣服・装飾品製造業のM&A・売却・買収をご検討の際には、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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8. まとめ

まとめ

繊維・衣服・装飾品製造業界では、業界での生き残りをかけて、事業領域の拡大・新事業への展開・供給体制の強化などを目的としたM&A・買収が増えています

本記事の概要は以下のとおりです。

【繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収事例】

  • フジコーと日本毛織の資本業務提携
  • 東洋紡による帝人フィルムソリューションとP.T. Indonesia Teijin Film SolutionsのM&A
  • 東レによるスウェーデンのAlva Sweden ABのM&A
  • 帝人によるチェコのBenet AutomotiveのM&A
  • 共同印刷によるクレハのブローボトル事業のM&A
  • キムラタンによる中西のM&A

【繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収動向】
  • 業界再編にもなるM&Aが行われ始めている
  • 大手企業は海外企業のM&Aも積極的
  • 製造工場の確保を目的としたM&Aも見られる
  • 衣服・服飾メーカーが製造工場を買収するケースもある

【繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却理由】
  • 経営者の高齢化・後継者問題の解決
  • 従業員の賃金問題
  • 大手への傘下入りによる安定した経営
  • 倒産・廃業を回避
  • 売却益の獲得

【繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却で失敗しないコツ】
  • M&Aの理由を明確にする
  • 自社で開発した製品や強みをまとめる
  • 従業員の雇用や賃金など譲れない条件を決める
  • M&Aの情報は漏えいさせない
  • M&Aの専門家に相談する

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収では、専門的な知識を必要とするため、M&A仲介会社など専門家のサポートは不可欠といえるでしょう。

M&A総合研究所では、実績豊富なM&Aアドバイザーによるフルサポートを行っているため、安心・スムーズなM&A・売却が可能です。

繊維・衣服・装飾品製造業界のM&A・売却・買収を検討されている方は、どうぞお気軽にM&A総合研究所の無料相談をご利用ください。

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