菓子製造業界のM&A動向!売却・買収事例5選と成功のポイントを解説!【2024年最新】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

この記事では、菓子製造業界のM&A動向について実際の事例を通じて説明します。売却・買収・譲渡などの実際の菓子製造業界で行われた事例を紹介したうえで、M&Aを成功させるポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 菓子製造業界の概要と動向
  2. 菓子製造業界のM&A動向
  3. 菓子製造会社をM&Aで売却するメリット
  4. 菓子製造会社のM&A・買収・売却事例5選
  5. 菓子製造業界のM&Aの成功のポイント
  6. 菓子製造業界のM&A・事業譲渡まとめ
  7. 飲食店業界の成約事例一覧
  8. 飲食店業界のM&A案件一覧
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1. 菓子製造業界の概要と動向

ここでは、まず菓子製造業界の概要と動向について詳しく解説していきます。

菓子製造業界とは

菓子製造業は、味覚、嗅覚、食感を綿密に考慮して製造される加工食品を取り扱う業界であり、日本においては深い歴史と文化があります。これらの製品は、多様な加工方法を用いて生産されるため、製菓業界には非常に多彩な商品群が存在します。

まず、基本的な分類として「和菓子」と「洋菓子」が存在します。和菓子は、日本独特の材料や製法を用いた伝統的な菓子を指し、洋菓子は西洋の製法や食文化を基にした菓子を指します。また、水分の含有量に基づき、「生菓子」、「半生菓子」、「干菓子」という分類も行われています。これにより、製品の特性や保存性などが異なります。

日本における菓子の品質や表示に関しては、JAS法や食品衛生法などで基準が規定されており、消費者が安全かつ信頼して製品を購入できるようになっています。さらに、食品分類の一環として「乳製品」に分類されるもの、例えばアイスクリームも製菓業界の一部として扱われます。

製菓業界の統一団体として「全日本菓子協会」が存在し、業界の動向や情報を公表しています。この協会では、「飴菓子」、「チョコレート」、「チューインガム」、「せんべい」、「ビスケット」、「米菓」、「和生菓子」、「洋生菓子」、「スナック菓子」、「油菓子」、「その他」という詳細な分類で、製品ごとの生産量や販売金額を公開しています。

菓子製造業界の市場規模と動向

全日本菓子協会が公表している2022年の統計によれば、製菓業界は堅調に成長しており、生産金額は前年比で4.2%増の2兆5,285億円、小売金額も4.2%増の3兆4,361億円に達しています。

新型コロナウイルスの影響による「巣ごもり需要」の減少にも関わらず、土産物や進物、オフィスでの需要が回復しています。業界全体としてはコロナ禍前の水準まで回復しており、今後も成長が見込まれる業界です。また、輸出・輸入の動向も好調で、特に輸出は前年比11.6%増、輸入も24.3%増と、いずれも過去最高を更新しています。

昨今、菓子製造業は原材料の高騰という厳しい環境下に置かれています。小規模企業や、一定の供給ラインに依存している企業は収益の圧迫を受けやすい状況です。さらに、消費者の嗜好によっても、トレンドがあることから、売上高にも波が生じやすい業界です。そのような中、他社との資本提携やM&Aはひとつの有効な手段となり得ます。

資本提携やM&Aを行うことで、仕入れにおけるスケールメリットを享受したり、お互いの経営ノウハウを共有したりすることで新たな視点や手法の獲得が可能です。また、物流に関しても共同配送を実施することで、高騰し続ける物流費の削減が期待されます。

さらに、経理、財務、人事といったバックオフィス業務を一元化することにより、業務の効率化とコストの削減が実現可能です。このように、資本提携やM&Aは経営の選択肢として非常に魅力的であり、前向きにその可能性を検討することが推奨されます。

2. 菓子製造業界のM&A動向

現在、製菓・製パン業界は3つの大きな特徴を持っています。第一に、競争が激化しており、山崎製パンなどの大手が市場の大部分を占めている中、中小企業はシェア争いをしています。商品の品質向上や独自性を追求することにより、差別化の競争が進行中です。

第二に、原材料の小麦価格が高騰しています。2022年4月に、北米の小麦不作やウクライナ情勢を背景に、政府の小麦の売渡価格が約17%上昇しました。このことは、小麦を原材料とする製品のコストアップを意味し、業界全体での価格対策が求められています。

第三に、日本の人口減少に伴い、将来的な市場縮小が予測されています。大手企業はこれに対応するため、業界再編や新しいニーズの探求が必要となります。特に、高齢者向けの手軽なパンの需要が増えるとの見方もあります。こうした課題を解決する目的で、M&Aによる業界再編が進んでいます。

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3. 菓子製造会社をM&Aで売却するメリット

菓子製造会社をM&Aで売却することは、多くのメリットを持つ取引です。特に現在の製菓業界の動向や市場環境を考慮すると、企業の将来の成長や安定において、M&Aは有効な手段となり得るでしょう。ここでは、M&Aによって得られる売却の具体的なメリットについて詳しく探っていきます。

事業の継続

製菓業界は激しい競争が進行中であり、特に中小規模の会社は経営が困難になるケースが増えています。

M&Aにより、他の企業と統合することで、事業を継続する道が拓ける可能性があります。例えば、会社のブランドや製品が高い評価を持っていても、資金調達や経営資源が限られている場合、大手企業との統合は、市場での競争力を維持する上で大変有益です。

事業の継続は、ブランドの価値や企業文化の継承という観点からも非常に重要です。

退去費用等の削減

会社を清算する場合や事業を撤退する場合、多額の退去費用や解散に伴うコストが発生します。しかし、M&Aによる売却の場合、これらの費用を大幅に削減することが期待できます。特に不動産や設備投資が大きい企業の場合、撤退コストは非常に高くなりますが、他企業との統合や売却により、その負担を軽減することができます。

従業員の雇用の継続

M&Aの際に重要とされるのが、従業員の雇用の継続です。清算や事業撤退の場合、従業員のリストラや雇用の失保が避けられないことが多いですが、M&Aを通じて事業を継続することで、従業員の安定した雇用を守ることができる可能性が高まります。

これは、従業員のモラルやモチベーションの維持、そして企業文化やノウハウの継承という観点からも、非常に有意義なことと言えるでしょう。

売却利益の獲得

菓子製造会社をM&Aで売却する最大のメリットとして、売却による利益の獲得が挙げられます。経営が困難な状態であっても、ブランド価値や特許、技術力が評価されることで、十分な売却価格が期待できる場合があります。

この利益は、経営者や株主への還元、あるいは新しい事業や投資の資金源として活用することができ、企業の再生や新たな成長のきっかけとなり得ます。

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4. 菓子製造会社のM&A・買収・売却事例5選

ここからは、実際に菓子製造業界で行われたM&A・買収・売却・譲渡事例を5つ紹介していきます。

ヨシムラ・フード・ホールディングスが小田喜商店を子会社化した事例

2022年4月、ヨシムラ・フード・ホールディングスは小田喜商店を子会社化することに成功しました。

今回子会社化した小田喜商店は、茨城県笠間市に拠点を置く、栗を主材料とした製菓の製造販売企業で、特に「ぎゅ」や「栗の甘露煮」が代表的な商品です。独自の仕入れルートで地元の高品質な栗を使用し、多様な高品質な栗製品を提供しており、その製品は多くのメディアで取り上げられるなど高い評価を受けています。

ヨシムラ・フード・ホールディングスは、小田喜商店の高品質な商品や製造技術に魅力を感じ、その株式を取得することを決定したとしています。これにより、双方の強みを生かし、茨城県笠間市の「いわまの栗」のブランド力を高め、さらなる成長を目指して取り組む予定です。

参考: ヨシムラ・フード・ホールディングスによる小田喜商店の子会社化

JFLAホールディングスが栄喜堂を子会社化した事例

2022年3月、JFLAホールディングスは、栄喜堂を子会社として取り込むことに成功しました。

JFLAホールディングスは、食品から酒・飲料など多岐にわたるアイテムを手がける大手食品会社で、お客様の変わりゆく要望に応じ、「食を通じた新たな価値」を提供することを目指しています。この経営方針の基、製品の生産から流通、販売までを一括で手がけるビジネスモデルを展開しています。

一方、栄喜堂は1914年の創業から、手作りの質感を大切にした製品の生産を行い、主に関東エリアの飲食店や大型小売店にパンや洋菓子を供給している企業です。OEMでの多年の取り組みを通じて得た顧客対応や、大手企業の要求基準を満たす能力を持つ企業として知られています。

JFLAホールディングスの「NEXT JFLA 2025」という中期経営計画では、食品・飲料分野での新たな価値提供を目標に掲げ、生産部門を成長の柱として位置づけています。

この度の栄喜堂の子会社化は、生産面での強化を図ると同時に、トップシェアを誇る「BAGEL & BAGEL」や老舗ブランド「アンジェリーナ」などの高い付加価値を持つブランドとの連携を強化する狙いがあります。これにより、事業全体でのシナジー効果を高めることが期待されています。

参考:JFLAホールディングスによる栄喜堂の子会社化

三井物産が五洋食品産業を子会社化した事例

2021年10月、三井物産は、株式公開買い付け(TOB)を通じて、五洋食品産業を子会社化することに成功しました。これにより、87.04%の株式を取得し、五洋食品は非公開化される予定です。

五洋食品は、1975年にナチュラルチーズの加工・販売のために設立され、現在は冷凍洋菓子事業に特化していますが、競争の激化や業績の低迷などの課題を有している企業です。今回のTOBによる買取総額は13億8,212万円でした。

五洋食品自体もTOBに賛同しており、三井物産はアジア・太平洋地域での冷凍スイーツの人気を背景に、海外展開を拡大させる狙いがあります。

参考: 三井物産による五洋食品産業の子会社化

亀田製菓がベトナム合弁THIEN HA KAMEDAを子会社化した事例

2021年5月、亀田製菓は、ベトナム合弁THIEN HA KAMEDA(以下THK社)を子会社化することに成功しました。亀田製菓は、中期経営計画「Changing gears 2023」の下で、健康的なライフスタイルを支える高品質な食品の提供と、グローバル市場での成長を目指しています。

2013年にTHK社を設立し、ベトナムのティエン・ハ・コーポレーションと協力して米菓「ICHI」を生産・販売しており、これがベトナム市場で受け入れられています。ベトナムは大きな市場、良質な原材料、輸出競争力があり、亀田製菓はTHK社の株式をさらに取得して子会社化し、海外展開を強化する方針です。

参考: 亀田製菓によるベトナム合弁THIEN HA KAMEDAの子会社化

神戸物産がサラニから事業譲受した事例

2020年4月、神戸物産の子会社である株式会社オースターフーズが、洋菓子製造販売会社である株式会社サラニの全事業を譲り受けることに成功しました。株式会社サラニは1989年に設立され、洋菓子の製造・販売を主な事業としています。また、関連会社として洋菓子店やワッフル専門店も展開している企業です。

今回の事業譲受により、日本国内での食品工場の数が22に増加し、特にPB商品のデザート部門が強化される予定です。新たな工場では、パウンドケーキやカップケーキを生産し、業務スーパーなどでの販売や外食・中食事業への供給を計画しています。

今後も、神戸物産グループは、今後も事業の拡大と顧客満足を追求していく方針であると説明しています。

参考:神戸物産によるサラニからの事業譲受

5. 菓子製造業界のM&Aの成功のポイント

菓子製造業界のM&Aでは、新しい市場の開拓や生産効率の向上、新製品の開発などの目的で多くの企業が合併・買収を進めています。しかし、成功のカギはただ合併するだけではなく、以下のポイントをしっかりと押さえることが重要です。

専門家に相談する

M&Aの過程は複雑であり、法律や財務、業界のトレンドなど多岐にわたる知識が求められます。専門家やコンサルタントの意見や助言を積極的に取り入れることで、適切な戦略策定やリスク回避の手助けを受けることができます。

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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自社の強みを把握する

M&Aの成功には、自社のコアコンピタンスや独自の強みをしっかりと理解し、それを最大限に生かすことが不可欠です。明確な自己分析を行い、どの部分を他社と共有・連携させるべきかを的確に判断することが求められます。

作業効率を高める

合併や買収の際、業務プロセスやシステムの統合が必要となります。これに伴い、業務の重複や無駄を排除し、効率的な業務フローを構築することが重要です。早期の段階から効率化を図ることで、スムーズな統合を実現します。

シナジー効果のある売却先を探す

M&Aの最大のメリットは、双方の強みを組み合わせることで新しい価値を生み出すシナジー効果にあります。売却や合併先を選ぶ際は、このシナジー効果を最大化できる企業を選ぶことが成功へのカギとなります。

6. 菓子製造業界のM&A・事業譲渡まとめ

菓子製造業界におけるM&Aや事業譲渡は、市場の変動や消費者の嗜好、健康志向の変化を背景としたものです。これに加えて、グローバル市場での競争力強化や新しい技術・製造手法の導入のための動きも見受けられます。

菓子製造業界に属する企業は、市場シェアの確保や商品の多様化、さらにはコスト削減を目的として、M&Aや事業譲渡の手法を選択しています。ただし、異なる企業文化の統合や、ブランドイメージの維持、人員の配置や調整など、M&Aの成功のためには、多くの課題も伴うので注意が必要です。

今後、健康志向の高まりや技術革新の進展に伴い、該当する技術やブランドを持つ企業との合併や事業譲渡が増加する可能性があるので、菓子製造業界は注目の業界であると言えるでしょう。

7. 飲食店業界の成約事例一覧

8. 飲食店業界のM&A案件一覧

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