2022年12月01日更新
跡取りがいない会社の対処法を解説!M&Aによる事業承継が良い?
少子高齢化や人口減少などの影響により、跡取りがいない経営者が頭を悩ませています。この問題を抱えている中小企業が増加傾向です。この跡取り問題は、廃業につながる恐れもあります。そこで近年では、跡取りのいない会社では、M&Aによる事業承継が注目されています。
目次
1. 跡取りがいない会社は増えている
帝国データバンクの統計資料「全国社長年齢分析(2020年)」によると、全国の中小企業の経営者の平均年齢は61.1歳です。年々、高齢化が進んでいることが懸念されます。
この経営者の高齢化に伴うように、後継者不足問題に悩まされている中小企業も多く存在しています。跡取りがいないことに悩まされている経営者も増加中です。
その背景には、元来、経営者である親から子への事業承継が中心に行われてきた中小企業の、後継者となるべき跡取りがいない現象が起こっていることにあります。
後継者問題は深刻な問題
跡取りがいないために廃業する企業が増えつつあります。それによって、地域の経済力低下や技術の損失、従業員の失業など、後継者問題は深刻な問題です。
最近では、国や自治体による事業承継やM&Aの支援が行われています。跡取りがいない会社の後継者育成なども含め、重点的な施策が取られています。
中小企業の現状
国内の中小企業は、経営者一人の手腕で成り立っていることも多いでしょう。その経営者が事業にかかわらなければ、収益は落ち、結果的に廃業をせざるを得ないリスクがあります。経営者が、リタイアできずに高齢化してしまう自体に陥っています。
経営者が現場を仕切っていることで、後継者となる人材の育成ができないまま高齢になり、育成にかける時間が残っていないのが現状です。跡取りがいない状態のまま経営を続けているといった企業も少なくありません。
少子化問題
国内の少子化問題が、跡取りのいない会社が増加している要因の一つといえます。経営者に子供がいなかったり、後継者候補を見いだしたい企業が増えているのに人材が足りていなかったり、跡取りを発掘できていなかったりといった現状です。
跡取り問題だけでなく、中小企業の働き手の減少なども騒がれています。依然として経営者には厳しい状況が続いているといえるでしょう。
【参考】跡取りがいないお墓も増えている
少子高齢化・人口減少などが進み、引き継ぐ人がいなくなっているのは企業だけではありません。跡取りがいないことは、お墓を引き継ぐ人にもつながっているようです。
「継承者がいなくなってしまったお墓=無縁墓」が急増しています。NHKが行った10年間の調査によると、官報に公告された無縁墓の数は平成16年に4,500だったのが、平成23年には13,000、平成24年には9,000と、2倍超に増えていることがわかりました。
無縁墓になる理由は、次のようなものが挙げられます。
- 人口の流動化
- 少子高齢化・人口減
- お墓信仰の捉え方、家族・親族意識の変化
お墓の継承者がいなくなると、お墓は雑草が生い茂り荒れ地になってしまいます。管理料などが滞れば、墓地の管理者(寺や霊園や自治体)が無縁墓と認定し、一定の期間を経て撤去・合祀されてしまうでしょう。自治体が負担するお墓の撤去費用や管理料の滞納も問題となっています。
無縁墓の増加を受け、平成11年に「墓地、埋葬に関する法律施行規則」が一部改正されました。これにより、無縁墓認定の手続きが簡素化され、改装を行う手続きが以前よりかなり短期間にできるようになっています。
2. 跡取りがいない会社の対処法
跡取りがいない会社は経営を続けることが困難であるため、跡取りとなる人材を見つけるか、会社を廃業するかの選択をしなければなりません。
ここでは、跡取りがいない会社の対処法を解説しましょう。
親族に事業承継を行う
跡取りがいない会社の対処法で、最も手っ取り早いのは親族に事業承継する方法です。親族に事業承継を行えば、引き継ぎや手続きが簡単であり、もし経営者が病気になったときでも事業承継が行えます。
ただし、親族に会社を引き継ぐ気持ちと跡取りの実力がない場合は、引き継ぎが困難であるため、しっかりと見極めなければなりません。
従業員などに事業承継を行う
従業員や役員に信頼のできる人物がいる場合、その人物に事業承継する方法もあります。事業の仕組みをよく知っていて、会社内や取引先とのつながりがあるため、事業承継時もスムーズに行えるのが特徴です。
ただし、その従業員や役員が、事業承継のために会社の株式を買い取るだけの資金力がない場合は、実施困難となります。
M&Aによる事業承継
現在、跡取りがいない会社の対処法として最も有効な手段といわれているのが、M&Aによって第三者に事業承継を行うことです。近年、後継者不在や経営者の高齢化が問題の日本では、M&Aが推進されています。
M&Aに精通する事業者も多くなってきました。M&Aで事業承継を行うことにより、跡取り問題の解決だけでなく、さまざまなメリットも享受可能です。
メリットの詳細は、「跡取りがいない会社にM&Aをおすすめする理由」で後述します。跡取り問題の解決策としてM&Aは有効な手段であることは間違いありません。そして、M&Aを実施するのに欠かせない存在がM&A仲介会社です。
M&A総合研究所では、M&A・事業承継に豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが事業承継実現に向け徹底サポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
無料相談を随時受け付けていますので、M&Aをご検討の際は、電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。
廃業
非常に残念な決断になりますが、跡取りがいないまま何も対策を取らなければ、経営者の引退と同時に会社は廃業の手続きを取るしかありません。経営者としてやる気のない人材や、適していない人物を無理やり後継者にしても、会社の行く末は想像に難くないでしょう。
そのような末路を回避するために、自分の代で幕を下す決断をする経営者も少なくはないようです。
3. 跡取りがいない会社にはM&Aによる事業承継がおすすめ
先述のとおり、跡取りがいない会社の対処方法は、M&Aによる事業承継が最適です。M&Aでは第三者への事業承継ができます。
資金力のある企業などに売却することで、事業の長期的な存続と従業員の雇用が守られるなど、多くのメリットが得られるでしょう。
4. 跡取りがいない会社にM&Aをおすすめする理由
跡取りがいない会社にM&Aをおすすめする理由はいくつかあります。ここでは、そのメリットを解説しましょう。
廃業にかかるコストをなくせる
跡取りのいない会社を廃業するには、会社の清算などをしなければなりません。それなりのコストがかかります。
M&Aによって事業承継をすれば、廃業時に会社の清算をしなくて済みます。設備類の処分費用などにかかる出費もなくせるでしょう。
売却・譲渡益を獲得できる
M&Aによって事業承継を行う場合、株式譲渡によって会社売却するので、その売却・譲渡益を獲得できます。リタイア後の生活資金に加えられるでしょう。
跡取りがいないからといって廃業にしてしまえば、負債だけが残ってしまうような状況になりかねません。M&Aによる事業承継を検討することがおすすめです。
会社の名前が残る
M&Aで株式譲渡をした場合、会社そのものが残るので、会社の名前も引き継がれることになります。廃業すれば、当然、会社の名前は消えてしまいますから、その差は歴然でしょう。
事業として発展する可能性がある
M&Aによる事業承継後、資金力のある企業や他業種が親会社となることによって、財務が安定したり、相乗効果を得たりして、事業が発展する可能性がふくらむでしょう。会社が存続するだけでなく、事業が拡大する希望もM&Aにはあります。
従業員の雇用を確保できる
多くの経営者の方が悩まれるのが、跡取りがいないことで事業を廃業する場合、働いていた従業員の職を失わせるのが心苦しいという問題です。事業承継をすることで、会社や事業が存続しますから、従業員の雇用も確保され、今までどおり働き続けてもらえます。
5. 跡取りがいない会社のM&Aを成功させるポイント
M&Aの実施を決めたからといって、跡取りがいない会社の対処ができたわけではありません。M&Aは相手企業の選定から諸手続き、クロージングまで行ってはじめて成立するものです。
ここでは、跡取りがいない会社のM&Aを成功させるポイントを解説しましょう。
自社の強みを理解しまとめておく
M&Aを実施する際は、まず、買い手候補企業を見つけなければなりません。このときに自社の強みや特徴を理解し、買い手候補企業に売り込まなければなりません。
自社の強みや特徴、自社を買収すれば相手企業にどのようなメリットがあるのか説明できるようにしておきましょう。
自社の企業価値評価を確認する
M&Aでは売却価格を決めなければならないため、実際に自社の価値がどのくらいあるのか企業価値評価を確認しておくことも大切です。
企業価値を知っておくことで、適正な価格で会社を売却できます。「売却は成立したけれど安すぎた」「周りの評価よりも高すぎて売却まで至らない」などのミスを防げるでしょう。
M&Aのタイミングを見る
M&Aでは、タイミングも重要なポイントとなります。事業の成績が良いからといって、跡取りがいないまま自身で経営を続け、その後、成績が悪化してからM&Aを試みたが、売却できなかったなどのケースも少なくありません。
そのほかには、M&Aを検討していて買い手候補が現れたあと、むちゃな交渉を続け長引かせたがために、買い手候補企業の意欲を損ね、売るタイミングをなくしてしまうなどの失敗例もあります。
M&Aは少額の取引ではないからこそ、タイミングを見計らうことが必要でしょう。
M&Aのマッチングサイトを利用する
M&Aを検討する際、その買い手候補を自社単独で見つけることは困難です。そこで、買い手候補を効率的に見つける方法として、M&Aマッチングサイトを活用してみましょう。
以下では、3社のM&Aマッチングサイトを紹介します。
M&Aプラットフォーム
中小企業のM&Aに携わるM&A総合研究所が運営している、M&Aマッチングのプラットフォームです。マッチング後の契約や交渉のサポートをM&A総合研究所に依頼できる点も安心できるシステムといえます。
案件数が多く、中小企業などの小規模案件でも登録できますから、気兼ねなく活用してみましょう。
TRANBI
M&A案件の成約件数がかなり多く、「めぐりあい」を大切にさまざまな業種のM&A案件をマッチングさせています。M&Aの案件紹介だけでなく、M&Aに精通する専門家とのマッチングも行っています。業種や規模、対応地域に合わせて検索可能です。
Batonz
日本M&Aセンターの子会社が運営するM&Aマッチングサイトです。豊富なネットワークによる案件数を誇っています。
大手企業や金融機関と提携しているので、M&A案件のジャンルの幅広さも特徴です。M&Aのサポートは、日本M&Aセンターが行うシステムですので、専門的な提案やアドバイスを受けられるでしょう。
M&Aの専門家に相談する
M&Aを自社のみで行うには、かなりの知識とネットワークが必要になり、簡単ではありません。M&Aや事業承継に関する専門家に相談することが成功させるポイントとなります。
M&Aの専門家に依頼することによって、トラブル回避などリスクの軽減につながるでしょう。友好的なM&Aが行えるはずです。
M&Aの専門家は、会社によって料金やシステム、サポート内容が違います。よりよいM&Aの相談先選びのための情報収集も欠かせません。
6. 跡取りがいない会社におすすめするM&A相談先の選び方
跡取りがいない会社にとって、M&Aの決断はかなり有効であるといえます。しかし、必ずしも100%の成約率ではないため、M&Aの専門家の協力は必要不可欠です。
M&Aの相談先を選ぶ際は、自社に合った会社に依頼しなければ、M&Aが失敗するリスクもあります。M&Aの相談先を選ぶときは、以下の5つのポイントを抑えて検討するとよいでしょう。
- その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 自社と同規模の案件実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
①その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
M&A仲介会社やアドバイザリーの中でも、専門的な分野を持っている会社が存在します。逆に、一つの分野に特化していて、他の分野のM&Aに関わったことがない会社もあります。
専門外の分野には、有効なアドバイスがもらえない可能性もあるでしょう。したがって、自社の事業や業種に関して、専門的な知識や実績があるM&A仲介会社を選ぶことをおすすめします。
②自社と同規模の案件実績がある
M&A仲介会社の企業規模はさまざまです。取り扱い案件実績も、小規模案件しか実績がなかったり、大規模案件しか実績がなかったりするでしょう。
つまり、依頼するM&A仲介会社の実績内容に着目し、自社と同規模の企業の案件実績があるM&A仲介会社を選ぶようにすることが肝要といえます。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&Aを行うには、財務・税務・法務・労務など幅広い知識が必要です。このような知識と経験がない場合、後々のトラブルに発展しかねませんので注意しましょう。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
M&Aは、ただ単に成約すればよいだけではありません。成約をしたときに、しっかりと売却・譲渡金が手元に残らなければ、それまでにかけた時間とコストが無駄になってしまいます。
こちらの出費がはっきりと把握できるように、料金体系がわかりやすいM&A仲介会社を選ぶことも大切です。M&Aの規模によっては、数百万円もの金額が手数料としてかかることもあります。
料金は事前にしっかりと相談して、自社の規模に見合った金額のM&A仲介会社を活用しましょう。
⑤担当スタッフの対応・相性
M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社からの「報・連・相」が重要になります。担当スタッフとうまく連携が取れていない場合、トラブルにつながったり、相談内容と違う結果になってしまったりするかもしれません。
担当スタッフとの相性も重視してM&A仲介会社を選びましょう。あるいは、会社を変えないのなら、こちらが納得できる担当者への変更を希望するとよいでしょう。
7. 跡取りがいない会社におすすめの相談先
跡取りがいない会社にとって、M&Aによる事業承継は最後の手段といえるでしょう。そのM&Aを成功させるためには、しっかりとした相談先やサポートが必要になります。
しっかりとした相談相手となるM&A仲介会社を選ぶことこそが、事業承継を成功させるための大切な第一歩ともいえるでしょう。
M&A仲介会社『M&A総合研究所』のおすすめポイント
M&A総合研究所は、中小企業のM&Aに携わっておりますので、幅広い案件情報を持っています。M&Aの成約率を高めるポイントの一つは、売り手と買い手双方の希望ができるだけ合致していることです。
多くの案件情報を誇るM&A総合研究所であるからこそ、ニーズの合致する相手とのマッチング可能性が高まります。M&Aは通常、半年~1年かかるといわれています。M&A総合研究所は、最短3カ月でのスピード成約の実績を有するなど、機動力も特徴です。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談は電話・Webより随時受け付けていますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
8. 跡取りがいない会社の対処法まとめ
跡取りがいない会社の状況に悩む経営者は、これから急増していくことが予想されています。国内でも深刻な問題となっています。
跡取りがいない会社の対処法は、M&Aの活用が有効的で、効率もよくおすすめです。M&Aの実施の際には、本記事で紹介したマッチングサイトや相談先を活用することで、跡取りがいない状況の打破への近道となるでしょう。
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