2021年09月24日更新
【M&A速報】電通・VOYAGE GROUP・CCIが資本業務提携!その内容と理由を解説!
2018年10月、電通の完全子会社CCIとVOYAGE GROUPが経営統合されることになり、2019年1月には両社の持株会社CARTA HOLDINGSが誕生し電通傘下に加わりました。その内容と電通・VOYAGE GROUP・CCIの思惑について紐解きます。
目次
1. 電通・VOYAGE GROUP・CCIが資本業務提携
株式会社電通(以下、電通)、株式会社VOYAGE GROUP(以下、VOYAGE GROUP)、電通の100%子会社である株式会社サイバー・コミュニケーションズ(以下、CCI)は、3社の間で、資本業務提携を締結したことを、2018(平成30)年10月31日付で発表しました。
この資本業務提携と並行して、VOYAGE GROUPとCCIが経営統合を行うことも発表されています。
つまり、VOYAGE GROUPとCCIは経営統合のために両社の持株会社を発足させ、電通はその持株会社の親会社になるということです。
そして、2019(令和元)年1月1日、予定どおりVOYAGE GROUPとCCIの持株会社として株式会社CARTA HOLDINGS(以下、CARTA HOLDINGS=カルタ・ホールディングス)が発足しています。
今回は、以下について解説していきます。
- 電通・VOYAGE GROUP・CCIが行った資本業務提携の具体的な内容
- 資本業務提携を行った3社の各々の目的と理由
- 資本業務提携を行ったことで考えられるシナジー効果
2. 電通・VOYAGE GROUP・CCIに関する資本業務提携の内容
電通・VOYAGE GROUP・CCIの間で結ばれた資本業務提携と、VOYAGE GROUPとCCIの間で実施された経営統合の両方に目をやりながら、その内容を解説していきます。
3社間での資本業務提携契約の締結
電通・VOYAGE GROUP・CCI間での資本業務提携契約の締結時、CCIはすでに電通の完全子会社でした。
2018年10月31日に行われた3社それぞれの取締役会において、電通・VOYAGE GROUP・CCIの3社は、協同でインターネット広告事業を行うことでさらなる価値を生み出せると考え、より緊密に連携を行うために、電通・VOYAGE GROUP・CCIの間で資本業務提携契約を承認しました。
資本業務提携締結後、電通・VOYAGE GROUP・CCIそれぞれの公式ホームページより、資本業務提携が契約された旨と、今後のM&Aの予定について情報が公開されています。
電通・VOYAGE GROUP・CCIが資本業務提携を締結し、インターネット広告事業の連携を行うことで、CCIは今までどおり電通に対してインターネット広告商品・サービスの提供を行うとともに、VOYAGE GROUPとの広告商品販売の取引をより活発に行う旨が掲載されていました。
現在、3社が連携することにより、インターネット広告事業に関して、より多くのシナジー効果が発揮されています。
CARTA HOLDINGS発足のM&Aスキーム
電通・VOYAGE GROUP・CCI間の資本業務提携と、VOYAGE GROUP・CCI間の経営統合がどのようにしてなされたのか、以下、時系列でみていきましょう。
- 2018年10月31日、電通・VOYAGE GROUP・CCIの資本業務提携発表
- 同日、VOYAGE GROUP・CCIの経営統合発表
- 同年12月、VOYAGE GROUPとCCI間の株式交換をそれぞれの株主総会で承認決議(電通はCCIの株式をVOYAGE GROUPに交付し、代わりにVOYAGE GROUPの株式を取得する内容)
- 同日、VOYAGE GROUPは新設会社への事業分割と商号変更も合わせて決議
- 2019年1月1日、VOYAGE GROUPは社名をCARTA HOLDINGSに商号変更し、新設会社であるVOYAGE GROUPが、CARTA HOLDINGSから旧VOYAGE GROUPが行っていた全事業、全資産の分割を受ける。また、それと同時にCARTA HOLDINGSは新VOYAGE GROUPとCCIの親会社(持ち株会社)となる。
- 2018年10月31日の資本業務提携締結時点で、電通はCARTA HOLDINGSの株式53.1%を保有している親会社になっており、新VOYAGE GROUPとCCIは孫会社という体制
以上により、VOYAGE GROUPは電通傘下となったわけです。
電通・VOYAGE GROUP・CCIの資本業務提携は、同業種間において直接話し合われた結果として合意したM&Aの例です。しかしながら、この場合、電通のような巨大企業グループであることから、当事者間での交渉のみで合意がなされた特殊例といっていいでしょう。
通常、M&Aを進めるにあたっては、株式交換や会社分割など専門的な知識を要するM&Aの各種プロセスが必要になるため、たとえ同業種であっても専門家を抜きにして当事者だけで行うのは困難です。
M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は中小企業のM&A支援を中心に手掛けており、豊富な知識と経験を持つアドバイザーが専任フルサポートをいたします。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
3. 電通・VOYAGE GROUP・CCIが資本業務提携を行った目的と理由
電通・VOYAGE GROUP・CCIが実施した資本業務提携に関して、3社それぞれが考えた目的と理由について解説します。
(※電通・VOYAGE GROUP・CCI各社ホームページからの情報を参考にしています)
電通の目的と理由
電通は、インターネットサービスの領域において、電通とその子会社や関連会社の計1,018社による電通グループの中で、それぞれの会社の強みを活かし、顧客に対し多様なサービスを提供してきました。電通では、「デジタルマーケティング」領域の重要性が増加していることから、さらに広範囲なサービス提供体制を目指しています。
電通は、VOYAGE GROUPの持つアドプラットフォーム領域やメディア領域での技術力や製品における強みを活用することにより、インターネット広告領域における経済成長のスピードや事業の多角化において、より多くのシナジー効果を引き出せると考え、電通・VOYAGE GROUP・CCIにおいて資本業務提携契約を締結しました。
VOYAGE GROUPの目的と理由
VOYAGE GROUPは、広告配信を行うアドプラットフォーム事業・販促系メディアの企画運営を行うポイントメディア事業・新規事業の開発を行うインキュベーション事業の3つが主力事業です。これらの3つの事業を行いながらも、新しい事業を展開していくことを目的としています。
VOYAGE GROUPは、電通やCCIが持つ、マスメディアやナショナルクライアントに対するリーチ力における強みを活用することでシナジー効果を引き出せると考え、電通・VOYAGE GROUP・CCIにおいて資本業務提携契約を締結しました。
CCIの目的と理由
CCIは、電通とソフトバンク株式会社の合弁会社として発足しました。幅広い企業において広告事業への参入やサポートを行い、業界団体の理事として業界の発展を推進する役割を担ってきました。
電通傘下となった後は、自社の最新技術を開発しながら電通に対してサービスの提供を行っています。今後は、複雑化するニーズに対応できる経営体制を整えることが目的です。
これからは、VOYAGE GROUPや電通の強みを活用することでシナジー効果を引き出せると考え、資本業務提携契約を締結しました。
4. 電通・VOYAGE GROUP・CCIの資本業務提携まとめ
電通・VOYAGE GROUP・CCIが行った資本業務提携の内容と理由について解説しました。
今回のポイントは以下のとおりです。
- 2018年10月31日に電通・VOYAGE GROUP・CCIが資本業務提携締結
- 2019年1月1日にVOYAGE GROUP・CCIの持株会社CARTA HOLDINGSが誕生
- CARTA HOLDINGSは電通の子会社
- インターネット広告事業に関するシナジー効果が発揮されている
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。