2023年06月13日更新
塗装工事会社のM&A・買収・売却!動向・手法・ポイントを解説【事例あり】
近年の塗装工事業界では、大手塗装工事会社の海外進出や異業種の参入などの動きがみられます。本記事では、塗装工事会社のM&A・買収・売却について、業界動向やM&A手法、手続きのながれ、成功するためのポイントなどを解説します。
目次
1. 塗装工事会社の業界動向
塗装工事会社が属する業界では、大手会社の海外進出や異業種からの新規参入など、活発な動きがみられます。
この記事では、塗装会社のM&A・買収・売却について解説しますが、まずは塗装工事会社とは何かといった基本的な事項に加えて、塗装工事会社の現状や今後についてみていきます。
塗装工事会社とは
塗装工事会社とは塗装工事業を営む企業を指し、塗装工事は住宅・車・家電・日用品などのあらゆる製品に塗装を施すことです。
塗装にはペンキなどで色を塗ることだけでなく、錆を防ぐためのコーティングや防水加工など、製品の表面に機能を与えることも含まれます。
塗装と一口にいっても、表面の材質や目的によって必要となる技術は全く違うため、塗装工事会社は塗装の分野ごとに細分化される傾向があります。
一軒家の塗装専門の塗装工事会社もあれば、ビルやマンション専門の塗装工事会社もあり、さらに橋の鉄骨や吹き付けなど、塗装の各分野に専門の塗装工事会社が存在しています。
塗装工事会社の今
「業界動向SEARCH.COM」によると、塗装業界の業界規模(主要5社の売上高合計)は2018年で約1.3兆円と、ここ数年は右肩上がりで伸びています。
業界大手は日本ペイントホールディングスと関西ペイントで、業界動向SEARCH.COMのデータでは、この2社で業界売上高の約80%を占めているとされています。
また、現在の塗装工事業界は、異業種からの参入により業界構造が変化してきています。特に家電量販店のリフォーム事業への参入が活発になっています。
現在は大手家電量販店のほとんどがリフォーム事業に参入しており、リフォームには当然塗装も含まれるので、塗装工事会社への影響も大きくなります。
塗装工事会社の今後
塗装工事会社の今後ですが、まず住宅に関しては近年リノベーションの需要が増えてきており、この需要に対応できる塗装工事会社が業績を伸ばす可能性があります。
リノベーションとは、単に家を改修するだけでなく、新たな機能を付け足すなどしてより価値の高い家に作り替えることです。
前節で家電量販店の参入について述べましたが、家電量販店は自社で職人を確保することは少ないので、塗装工事業者へ下請けにだして中抜きする構造になっていると考えられます。
中抜きのある下請構造は塗装工事会社の売上減少につながる可能性もあり、こういった業界構造の変化に対応していくことも、今後の塗装工事会社にとって重要になるでしょう。
2. 塗装工事会社のM&A・買収・売却動向
塗装工事業界では、経済成長が著しい外国の塗装需要増を受けて、海外企業を買収するクロスボーダーM&Aが増加傾向にあります。
特に、関西ペイントはアジアやアフリカなどで積極的に事業拡大を進めており、海外での売上高が全体の60%以上を占める状態となっています。
塗装業界首位の日本ペイントも海外企業の買収に積極的であり、近年では中国やアメリカの塗装工事会社を相次いで買収しています。
塗装業界以外でも、大手ゼネコンの淺沼組がASEAN地域での事業展開を目指しており、シンガポールの塗装会社を買収するなどの動きがみられます。
3. 塗装工事会社のM&A・買収・売却手法
塗装工事会社のM&A・買収・売却手法は、下に示した図のように分類することができます。最も利用されているのは株式譲渡であり、多くの塗装工事会社のM&Aが株式譲渡によって行われています。
複数の事業を営んでいる塗装工事会社が一部の事業だけを譲渡したい場合は、事業譲渡の手法が使われることもあります。
複数の子会社を持つグループ企業の再編においては、合併や分割といった手法が使われます。そのほかには、資本関係を持たず事業の協働だけを行う業務提携という手法もあります。
【塗装工事会社のM&A・買収・売却手法】
- 株式譲渡
- 第三者割当増資
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 合併
- 分割
- 業務提携
株式譲渡
株式譲渡とは、売り手の株式を譲り受けることで会社を買収するM&A手法のことです。塗装工事会社のM&Aでも、多くの場合において株式譲渡が用いられています。
株式譲渡は会社を包括的に承継するため、許認可も引き継ぐことができるのがメリットです。規模の大きい塗装工事会社では塗装工事業許可が必要ですが、株式譲渡であればこれらの許認可も引き継ぐことができます。
譲渡する株式の割合は任意であるため、100%譲渡する必要はありません。ただし、経営権を取得するには、少なくとも過半数の株式を取得する必要があります。
一般には過半数以上取得することを株式譲渡と呼び、50%未満の場合は資本提携と呼んで区別します。
事業譲渡
事業譲渡とは、事業を行うために必要な資産を譲渡するM&A手法です。事業に必要な資産とは、塗装工事会社なら設備や工場、人材や顧客網、会社にブランド力がある場合はそういった無形資産も全て含まれます。
株式譲渡に比べると事業譲渡で塗装工事会社のM&Aを行うケースは少ないですが、株式譲渡と違って会社そのものは売却しないため、会社を残して一部の事業だけを売却したい時に利用されています。
事業譲渡は譲渡する事業を選べる点で株式譲渡より融通が利きますが、個別に事業資産を譲渡する手続きを行わなければならないというデメリットもあります。
その他
塗装工事会社のM&Aで多く使われるのは株式譲渡と事業譲渡ですが、そのほかの手法が使われることもあります。
例えば、塗装工事会社を買収するつもりはないが資本関係を持って影響力を及ぼしたい場合は、半数以下の株式だけを取得する資本提携が使われます。株式を全く取得せずに協力関係を築くことも可能であり、これは業務提携と呼ばれます。
また、複数の事業を営んでいる大企業や子会社を多く抱えるグループ企業の場合、合併や分割を使って組織再編する事例もみられます。
例えば、塗装工事会社を分割して独立した子会社とし、親会社は他事業に注力するといった戦略をとることができます。
4. 塗装工事会社のM&A・買収・売却事例
この章では、塗装工事会社のM&A・買収・売却事例のなかから、最近の事例や有名な事例を10選紹介します。
【塗装工事会社のM&A・買収・売却事例】
- グッドスピードがカーステーションから塗装事業等を譲受
- 東洋ドライルーブが萬松の九州事業所を譲受
- クワザワによるフリー・ステアーズのM&A
- アルファによるフランスとスロバキアの自動車用塗装部品メーカーのM&A
- 協和エクシオによるコーケンのM&A
- 淺沼組によるシンガポールの建物外壁塗装会社のM&A
- 朝日インテックによる日本ケミカルコートのM&A
- 安川電機による韓国の塗装・シーリングロボットステム製造会社のM&A
- アネスト岩田とタクボエンジニアリングの資本業務提携
- サイボーがNTワークスへ自動車板金塗装修理事業を譲渡
①グッドスピードがカーステーションから塗装事業等を譲受
2020年6月、株式会社グッドスピードはカーステーション株式会社から塗装事業などを譲受しました。愛知県のカーステーション大府店の事業を譲受する形となっています。
グッドスピードは東海地方を中心に展開する自動車販売会社で、鈑金塗装のアフターサポートといった塗装工事会社としての事業も一部行っています。そしてカーステーションは、自動車販売やガソリンスタンドなどを営んでいる会社です。
グッドスピードは、カーステーションより塗装事業などを譲受することでシナジー効果の獲得し、企業価値向上を図るとしています。
②東洋ドライルーブが萬松の九州事業所を譲受
2020年6月、東洋ドライルーブ株式会社が、株式会社萬松の九州事業所を事業譲渡で譲受しました。
東洋ドライルーブは、「ドライルーブ」という潤滑被膜を用いた製品の製造や開発を手掛けています。一方の萬松は、自動車や電化製品を始めとするさまざまな製品の塗装を手がける塗装工事会社です。
東洋ドライルーブは萬松の九州事業所を譲受することにより、シナジー効果による事業拡大を目指すとしています。
③クワザワによるフリー・ステアーズのM&A
2020年4月に、株式会社クワザワが株式会社フリー・ステアーズの全株式を取得し、完全子会社化しました。
クワザワは北海道を拠点とする建設資材の総合商社で、フリー・ステアーズは関東を中心にマンションの修繕工事などを手がける塗装工事会社です。
本M&Aは、マンション工事事業におけるシナジー効果の獲得を目的として行われました。
④アルファによるフランスとスロバキアの自動車用塗装部品メーカーのM&A
2018年10月に、アルファ株式会社が、フランスとスロバキアの自動車用塗装部品メーカーであるSPPP SAS社とSPPP SK社を株式譲渡で買収しました。
アルファは自動車や住宅などの鍵の設計・製造・販売を行うメーカーです。アルファグループはヨーロッパでの事業拡大を進めており、ヨーロッパでの高品質な塗装ドアハンドルの製造を実現し、さらなる事業拡大を目指します。
⑤協和エクシオによるコーケンのM&A
2018年8月、株式会社協和エクシオが、株式会社コーケンの全株式を取得するM&A契約を締結しました。
協和エクシオは電気通信工事を手がける建設会社で、業界第2位の大手です。そしてコーケンは、鋼鉄やコンクリートの腐食を防ぐ、重防食塗装を手がける塗装工事会社です。
両者の技術や経営基盤を活用することによる、都市インフラ事業の拡大が本M&Aの目的となっています。
⑥淺沼組によるシンガポールの建物外壁塗装会社のM&A
2018年9月に、株式会社淺沼組が、シンガポールの塗装工事会社であるSINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR PTE. LTD.の株式を取得して子会社化しました。
淺沼組は官公庁建設などを手がける大手ゼネコンであり、ASEAN地域でのリニューアル事業の拡大が本M&Aの目的となっています。
⑦朝日インテックによる日本ケミカルコートのM&A
2017年8月に、朝日インテック株式会社が日本ケミカルコート株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。
朝日インテックは愛知県の医療機器メーカーで、医療用・産業用の極細ステンレスワイヤーロープなどを製造しています。そして日本ケミカルコートは、神奈川県にあるフッ素樹脂コーティングを手がける会社です。
朝日インテックのステンレス加工技術と、日本ケミカルコートの樹脂塗装技術を融合したシナジー効果の獲得が、本M&Aの目的となっています。
⑧安川電機による韓国の塗装・シーリングロボットステム製造会社のM&A
2016年4月に、株式会社安川電機が、韓国のドゥリムロボティクス社の株式の35%を取得しました。
安川電機は産業用ロボットやサーボモータなどを手がける電気機器メーカーで、ドゥリムロボティクス社は塗装ロボットの製造・販売メーカーです。
塗装ロボット事業の拡大が本M&Aの目的となっており、取得割合は今後協議のうえ増やしていく予定となっています。
⑨アネスト岩田とタクボエンジニアリングの資本業務提携
2015年4月、アネスト岩田株式会社は、タクボエンジニアリング株式会社の発行済み株式の10%を取得して、資本業務提携を締結しました。
アネスト岩田は塗装機器や真空機器などを製造・販売する会社で、タクボエンジニアリングは塗装システムや塗装ロボットなどを手がける会社です。
両社が協業することにより次世代塗装システムの開発を進め、世界的に供給していくとしています。
⑩サイボーがNTワークスへ自動車板金塗装修理事業を譲渡
2013年4月、サイボー株式会社が自動車板金塗装修理事業を株式会社NTワークスへ事業譲渡しました。NTワークスは、サイボーの関連会社であるネッツトヨタ東埼玉株式会社の子会社です。
サイボーは、アパレルを始めとする繊維事業と、商業施設の賃貸を始めとする不動産事業を営む会社です。事業の選択と集中および事業の効率化が本M&Aの目的となっています。
5. 塗装工事会社のM&A・買収・売却の相場
塗装工事会社のM&Aの譲渡価格は非公開のことが多く、実際の相場がどの程度なのかを述べることは難しいでしょう。またM&Aは買い手・売り手のニーズや希望によってのれん代が高額になるケースもあり、一律で売上額がいくらだから譲渡価格はこれくらいになるというわけでもありません。
しかし、マッチングサイトには売り案件が登録されているので、そこに記載されている売上高と譲渡希望額から、大まかな相場観を推測することはできます。
下の表は、大手マッチングサイト「バトンズ」に登録されている塗装工事会社の売り案件から、5件ピックアップして売上高と譲渡希望額を示したものです。
これらの案件をみると、大体の相場観として、売上高のおおむね0.5倍から2倍くらいを希望譲渡額としている事例が多いことがわかります。
【マッチングサイト「バトンズ」登録の塗装工事会社の売り案件の、売上高と譲渡希望額の関係】
売上高 | 譲渡希望額 | 譲渡希望額÷売上高 | |
売り案件1 | 5億円~10億円 | 2.5億円~5億円 | 0.25~1 |
売り案件2 | 1億円~2億円 | 1億円~2.5億円 | 0.5~2.5 |
売り案件3 | 5億円~10億円 | 3000万円~5000万円 | 0.03~0.1 |
売り案件4 | 5000万円~1億円 | 5000万円~7500万円 | 0.5~1.5 |
売り案件5 | 5000万円~1億円 | 7500万円~1億円 | 0.75~2 |
6. 塗装工事会社のM&A・買収・売却の流れ
M&Aの手法は株式譲渡・事業譲渡を始めいろいろあるので、どの手法を使うかによって手続きが変わってくる部分があります。
この章では実際に塗装工事会社のM&Aを行う際の流れをみていきますが、どのM&A手法を使うかに関わらず共通している手続きについて解説します。
【塗装工事会社のM&A・買収・売却の流れ】
- 専門家の選定・相談
- M&A先の選定・交渉
- M&A先のトップと面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
1.専門家の選定・相談
塗装工事会社のM&Aを行うためには、M&A仲介会社などの専門家のサポートを得るのがおすすめです。M&A仲介会社は非常に数が多いので、自社に適したところを選ぶことが重要です。
例えば、職人が数人程度の小規模な塗装工事会社なら、中小企業M&Aを得意にしている仲介会社を選ぶとよいでしょう。中小企業特化型のM&A仲介会社は、手数料が安く設定されているのもメリットです。
また、塗装工事会社や建設業者のM&Aに特化していたり、得意としている仲介会社を選ぶのもおすすめです。
2.M&A先の選定・交渉
相談するM&A仲介会社が決まったら、次は塗装工事会社を買収または譲渡してくれるM&A先の選定に入ります。
M&A先の選定は、まずM&A仲介会社が候補を絞り「ショートリスト」と呼ばれる10社程度の候補をリスト化したものを作成します。
そして、塗装工事会社の経営者がショートリストから交渉したい会社を絞り、その会社の経営者に交渉を持ちかけます。
M&A先の選定では、相手企業に自社の大まかな情報を記した資料を見せることになりますが、資料作成の良し悪しがM&Aの成功に大きく左右します。
資料作成はM&A仲介会社に任せきりにするのではなく、経営者自身もしっかりチェックすることが重要です。
3.M&A先のトップと面談
M&A先の選定が終わり相手企業の経営者が交渉に合意したら、実際に経営者同士が会ってトップ面談を行います。
トップ面談の主な目的は、お互いの理解を深めることです。相手企業の経営理念や将来的な事業のビジョンを聞いたり、相手の経営者の人柄を見極めたりします。
譲渡価格などの具体的な条件交渉をしてもよいですが、トップ面談では、それよりもまず経営者同士の信頼関係を築くことが重要です。
4.基本合意書の締結
トップ面談で固まった合意内容は、基本合意書という書面にして締結しておきます。この時点ではまだ最終的な決定がなされたわけではないですが、ここまでの合意内容を整理するとともに、後の最終契約のひな形としても使用されます。
基本合意書と似たような書面に「意向表明書」というものがありますが、意向表明書は買い手が売り手に対して交渉の意思を示すのが目的で、合意内容をまとめる基本合意書とは趣旨が違います。
基本合意書を締結した後は、その買い手としか交渉できない独占交渉権が発生し、一社との本格的な交渉および手続きが始まります。
基本合意書を締結するまでは、売り手は複数の買い手と交渉してもよく、ほかの買い手の存在をにおわせることも交渉のテクニックの1つになります。
5.デューデリジェンスの実施
書面や交渉だけで塗装工事会社を買収するかどうか決めるのはリスクがあるので、買い手は「デューデリジェンス」という売り手企業の調査を行います。
もしデューデリジェンスで売り手企業に何か問題がみつかれば、譲渡価格の引き下げや破談などの対応をとることもあります。
買い手はしっかりとデューデリジェンスを行うとともに、売り手側は真摯に協力する必要があります。
6.最終契約書の締結
デューデリジェンスの結果、契約しても問題ないと結論付けたら、最終契約書を締結して塗装工事会社の買収を確定させます。
最終契約書の具体的な名前は使用したM&A手法によって異なり、株式譲渡なら株式譲渡契約書、事業譲渡なら事業譲渡契約書となります。「最終契約書」という名前の書面は実際にはないので注意しましょう。
7.クロージング
最終契約書を締結したら、その契約内容を実行するクロージングに入ります。塗装工事会社M&Aのクロージングでは、塗装工事業の許認可の引き継ぎが重要です。
塗装工事業の許認可の引き継ぎは、使用したM&A手法が株式譲渡か事業譲渡かによって変わってきます。
株式譲渡の場合は、許認可もそのまま引き継がれるので再取得を行う必要はありませんが、事業譲渡の場合は許認可が引き継がれないので、譲受企業側で許認可を新たに取っておく必要があります。
7. 塗装工事会社のM&A・買収・売却のポイントは
塗装工事会社のM&Aを成功させるためには、以下のようなポイントを意識して進めていくことが大切です。
【塗装工事会社のM&A・買収・売却のポイントは】
- 計画は入念に準備する
- 地域性を理解してM&Aを進める
- M&A先に提出する資料などを用意する
- M&Aの最中に従業員が流出することを防ぐ
- M&Aの専門家に相談する
1.計画は入念に準備する
塗装工事会社のM&Aでは、計画をしっかり立てるとともに、準備を入念にしておくことが大切です。
もちろん、M&Aは交渉がこじれたり適切なM&A先がなかなかみつからないこともあるので、計画を立ててもその通りにならないことも少なくありません。
しかし、大まかな予定を立てておくことで、手続きの進行具合を客観的にチェックできるだけでなく、期間内に手続きを済ませなければというモチベーションにもなります。
2.地域性を理解してM&Aを進める
塗装工事会社には、地域に根差した小規模な会社と大手のハウスメーカーがあります。
M&Aを行う塗装工事会社が属しているのが大手が強い地域なのか、それとも地元業者が強い地域なのかは、相手選びやM&A戦略にも影響してきます。
塗装工事会社のM&Aを行う際は、地域性も考慮して進めていくことが、成功率を高める要因となります。
3.M&A先に提出する資料などを用意する
M&Aで相手企業の内容を知る手段には、経営者同士のトップ面談やデューデリジェンスなどがあります。
それだけでなく、自社についての分かりやすい資料を準備しておき、それを相手企業に見てもらうのも大切です。
M&Aで相手に自社を知ってもらうために資料を「企業概要書」といいますが、企業概要書などの資料をしっかり準備することが、塗装工事会社のM&Aを成功させるポイントにもなります。
企業概要書は秘密保持の観点から、ただ詳しく書けばよいわけではないのが注意点です。どの情報を載せてどの情報を隠しておくべきかは、M&A仲介会社と相談しながら決めていくのがおすすめです。
4.M&Aの最中に従業員が流出することを防ぐ
M&Aは会社を売却する行為であるため、売却される会社で働いている従業員は不安を感じるものです。実際、従業員が不安に感じて退職してしまい、M&Aが頓挫する事例は多くみられます。
そのような事態を避けるため、M&Aでは最終契約を締結するまで従業員にはM&Aの事実を話さないのがセオリーとなっています。
また、なぜM&Aを行うのか、売却後の雇用条件はどうなるのかなどを従業員にしっかり説明し、不安を感じさせないようにして流出を防ぐことが大切です。
5.M&Aの専門家に相談する
塗装工事会社のM&Aでは、M&Aに詳しい専門家のサポートを得るのがおすすめです。専門家を選ぶ重要なポイントは、自社と同じ規模の案件の経験が豊富であるかという点です。
M&A仲介会社には、中小企業が得意なところと中堅・大企業が得意なところがあるので、まずはHPや無料相談などでチェックしておきましょう。
塗装工事会社に詳しいアドバイザーがいればよいですが、塗装工事業に特に詳しい仲介会社やアドバイザーというのは少ないと考えられます。
しかし、建設業全般を手がけている仲介会社やアドバイザーであれば詳しい可能性があるので、特性を見極めつつ自社に合った相談先を探すのがよいでしょう。
8. 塗装工事会社のM&A・買収・売却におすすめの相談先
塗装工事会社のM&Aをお考えの経営者様は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。さまざまな業種で多数のM&A実績があるM&Aアドバイザーが、クロージングまで親身になってサポートさせていただきます。
また、料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ、譲受企業様は中間金がかかります)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも無料です。
無料相談を随時受け付けておりますので、塗装工事会社のM&Aをお考えの経営者様は、お電話かメールでお気軽にお問い合わせください。
9. まとめ
本記事では、塗装工事会社のM&A・買収・売却について解説しました。塗装工事会社のM&Aを検討している場合、業界動向や今後の見通し、M&A手法や手続きなどを理解しておくことが大切です。
【塗装工事会社のM&A・買収・売却手法】
- 株式譲渡
- 第三者割当増資
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
- 合併
- 分割
- 業務提携
【塗装工事会社のM&A・買収・売却の流れ】
- 専門家の選定・相談
- M&A先の選定・交渉
- M&A先のトップと面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
【塗装工事会社のM&A・買収・売却のポイントは】
- 計画は入念に準備する
- 地域性を理解してM&Aを進める
- M&A先に提出する資料などを用意する
- M&Aの最中に従業員が流出することを防ぐ
- M&Aの専門家に相談する
10. 塗料・塗料卸売メーカー業界の成約事例一覧
11. 塗料・塗料卸売メーカー業界のM&A案件一覧
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